ミヤンマー大地震による犠牲者は、昨日までに死者が3,003人、負傷者4,515人、行方不明者351人を数えるに至った。倒壊した建物に埋もれた人がまだ多く残されている現状を考えると、これから犠牲者の数が更に増えるものと思われる。地震発生後はこの辺りを根城にしている少数民族勢力は抵抗を停止したが、国軍は愚かにも地震に構わず空爆をし続けていたが、漸く22日まで一時停止すると発表した。
ところで、昨日の本ブログにも触れたこの大地震だが、その震源地が中部都市マンダレーの周辺とされているが、その中でサガイン地区が最も震源地に近いようだ。そのサガインには、これまで戦友会の戦没者慰霊団とともに何度も訪れたことがある。ここには戦後戦没者を弔う慰霊塔として戦友らの寄金によりミヤンマー風パゴダが建設された。それが倒れてはいないか気がかりである。戦時中は旧日本軍が駐屯し陸軍地区司令部と陸軍航空第五飛行師団の出先があり前線へ指令を発していたが、今も国軍に対抗している民主派の少数民族武装勢力が、この周辺のサガイン地区で国軍に強く抵抗している。当時はこの辺りには宿泊施設がなかったので、いつもマンダレーからバスで訪れていた。
実は私が気になっているのは、「サガイン」という地名である。どういう事情か分からないが、NHKと朝日新聞、テレビ朝日では「ザガイン」と、「サ」を「ザ」と濁音で表現している。現地の人も「サガイン」と発音し、英語地図上も「SAGAING」と表示されている。また、昨夕NHK「新クローズアップ現代」に出演されたミヤンマー事情に精通している丸山市郎・前ミヤンマー駐在大使も「サガイン」と発音していた。些細なことだと思っているのかも知れないが、NHKも朝日も一流のメディアがどうして、普通に通用している地名を敢えて間違った表現をして使用しているのか、理由が分からない。軽薄だと思う。NHKと朝日は間違いを一旦正しいと取り上げたメンツに拘って修正しようとしないのだろうか。間違いは直ちに正すべきであると思う。
さて、近年注目され気になっているのは、世界の政治が年々右翼化しつつあることである。先月31日にフランスの裁判所は、公金横領の罪に問われた右翼政党「国民連合」の前党首だったマリーヌ・ルペン氏に有罪判決を下した。これによってルペン氏は2027年に実施されるフランス大統領選への出馬が難しくなった。禁固4年と罰金、更に被選挙権が5年間停止となるので、ルペン氏の大統領選への出馬は、控訴審でこの決定が覆らない限り今後5年間出来なくなる。
昨年7月に実施されたフランス国民議会(557議席)の決戦投票で、マクロン大統領が率いる中道左派「ルネッサンス」が245議席から86議席も減らして159議席の獲得に留まり、131議席から180議席へ伸ばした4党からなる左派連合「新人民戦線」に抜かれて第2党へ落ちた。ルペン氏の「国民連合」は143議席へ伸ばした。この勢いだとマクロン大統領は、4党連合よりルペン氏を警戒しなければならない。この選挙では、マクロン政権は消費者物価の値上げは抑制することは出来たが、国民の実質所得が増えなかったことが批判され、マクロン大統領に対する国民の不満となって表れた。特に、年金支給年齢の引き上げにより国民の痛みを強いたことと、不法移民問題に対する対応への不満の解消が出来なかったことが「ルネッサンス」の敗北につながったとみられている。そのため2年後の選挙では、マクロン大統領はルペン氏に一敗地に塗れて大統領の座をルペン氏に譲るのではないかとの憶測が出ていた。そこへルペン氏の退場が言い渡され、マクロン大統領としては内心ホッとしているのではないだろうか。
まだ控訴審で決定が覆らないとは断定出来ないが、フランス政界はこのままマクロン政権が続き、少しは右翼への転換の可能性が薄くなるのではないかと見て居る。