5398.2022年2月21日(月) これからのオリンピックの在り方

 北京冬季オリンピックが幕を降ろし、慌ただしい雰囲気が消えたような気がする。中国メディアは、北京オリンピックは大成功と自画自賛している。確かに表面的には新型コロナウィルス禍の中で運営もしっかりして、開会式、閉会式のデモンストレーションも中々見事な演出だったと思う。

 しかし、いくつか表れた問題は、これからじっくり検討する必要があると思う。一部には、オリンピックのモットーである「平和の祭典」の限界が露呈したとの指摘がなされている。環境への影響が懸念される人工雪の会場は「選手第一」からは程遠いと指摘されている。実際人工雪が固くて練習中にケガをして本番に出場出来なくなった選手が、日本人選手を含めて複数いる。各国メディアの論評には厳しい指摘が多い。やはり事前に新疆ウィグル自治区少数民族に対する人権抑圧批判が厳しかったが、大会中にドーピング問題が大きく取り上げられたことにより人権問題は蔭に追いやられた感がある。中国にとっては勿怪の幸いだったことだろう。

 昨日の朝日「天声人語」は、大会全体が派手になり一部主催者への個人崇拝がエスカレートしていく現状にやや危機感を表している。オリンピックはギリシャだけで開催し、4年に1度に拘ることなく、国別対抗にも拘らなくてもよいのではないかと述べている。

 アメリカのUSA TODAY紙は、「ド-ピング問題の浮上で人権問題が注目されなくなった。中国は今大会で望んだものをすべて手に入れた。ドーピング・スキャンダルが役立った」と伝え、イギリスのガーディアン紙は、「新疆ウィグル自治区の人権問題などは影に覆われて始まったオリンピックだが、期間中はこうした問題が注目を集めることはなかった。中国は喜んでいるだろう」と皮肉を込めて伝えている。
 「平和の祭典」、及び「スポーツの祭典」というより、「国威発揚」と「金儲けの場」と化したオリンピックは、今では商業化され巨大化して開催のために巨額の費用がかかるようになった。これを支えているのがスポンサーであり、それを巧みに活用しているのが、メディアの大テレビ会社、特にアメリカのメディア・スポンサーである。そのため現在では、アメリカのスポーツ・シーズン、及びゴールデン・アワーに合わせた時期、時間帯で競技が実施されている有様である。冬季大会は地球温暖化の影響もあり、雪が少なくなり人工雪を降らせて自然を破壊するまでになった。国際オリンピック委員会(IOC)も懐具合が良くなる商業主義を歓迎し、実施要領についてはイニシアチブが取れないように思える。4年後は、イタリア・アルプスのあの風光明媚なコルチナ・ダンペッツォで開催されるが、その4年後の大会開催地に札幌市が名乗りを上げている。これについては、財政的にも札幌市だけの問題ではなく、日本全体の問題として考え、多くの国民が納得出来る決断をして欲しいものである。

 さて、冬季オリンピック開催の蔭に隠れたニュースとして、イギリスのエリザベス女王がコロナ検査で陽性になったことが公表された。ほんの10日ほど前にはチャールズ皇太子が感染している。ジョンソン首相の如きは、2度までも感染している。イギリスは、世界でも5番目に多くの感染者がいて日本の4倍強もの多数の国民が発症している。失礼を顧みず言わせてもらえるなら、かつての大英帝国も警戒と管理が少々甘いのではないだろうか。

2022年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5397.2022年2月20日(日) 北京冬季オリンピック盛会裏に閉会

 今日17日間に亘って開催され、91カ国が参加した北京オリンピックが閉会となった。日本チームは金メダル3つを含む18個のメダルを獲得して冬季オリンピック史上最大の獲得だった。尤も大会ごとに競技種目が増えるのだから、ある程度メダル獲得数が増えるのも予想されることである。

 今日最後の種目である女子カーリング決勝戦が行われたが、そのカーリングについて気にかかったことを取り上げてみたい。決勝戦は日本とイギリスの間で行われたが、日本はこれに敗れて銀メダル受賞となった。しかし、決勝戦までの足取りを辿ってみるとよくぞここまでと感嘆する。

 このカーリングというゲーム自体がよく分からないが、参加した10か国の力が拮抗していたのか、その本当の力量というのがとんと分からない。総当たりの予選リーグが行われて、日本は5勝4敗だった。これで運よく諦めていた決勝トーナメントへ駒を進め、予選で敗れた予選8勝1敗のスイスに勝ち、また同じく予選で5勝4敗だったイギリスと戦い敗れた。結果的に合計7勝4敗のイギリスが金、同じく6勝5敗の日本が銀メダルとなり、予選で唯一スイスを破ったスウェーデンが3位決定戦で再びスイスを降して銅メダルを獲得した。結果的に予選リーグを8勝1敗の断トツ1位だったスイスがメダルを逸し、やっと勝ち越した日本が銀メダルとは、因果なことになった。それでも日本チームの試合ぶりは海外で大変好評だそうだから、これも銀メダルに貢献したと言えるかも知れない。有終の美を飾ったと言えよう。あっぱれ!と言ってあげたい。

 北京大会は、ジャンプの高梨沙羅選手が失格になるなど、マイナス面もあったが、全般的には選手も実力を発揮することが出来たし、海外から日本チームを見る目は温かいものがあった。

 一番悔やまれることは、スケート女子フィギュアでROC(ロシア・オリンピック委員会)のカミラ・ワリエワ選手のドーピング問題である。15歳の一人前でない少女が、自分の判断で薬物を服用したとはとても信じられない。これまで度々繰り返されてきたロシアという国の国家ぐるみのドーピングが、才能ある少女を切り捨てたのだ。世界のスポーツ界は、毎度懲りないロシアに対して当分参加を締め出すような厳しい処分を課さないと、この悪弊はいつまで経ってもなくならないだろう。

 さて、夜閉会式が行われた。習近平・国家主席夫妻出席の下で、中々カラフルな会場内で選手入場が行われた。その後、珍しいことに今日行われた男女クロスカントリーの表彰式が行われたが、男子の金、銀メダリストはROCの選手だった。ロシアは制裁を受けて国として出場出来ないため、ロシア国歌演奏は行われない。代わりに演奏された曲目は、チャイコフスキーの♪ピアノ協奏曲第1番♪だった。好きなクラシック曲なので、軍歌調のロシア国歌よりよほど良い。素晴らし演出の中でセレモニーは終わった。来月4日から冬季パラリンピックが開催される。取り敢えず、問題点はあったが、競技はすべて無事終了した。

 これから2年後にパリで夏季大会が行われ、次回冬季大会は4年後イタリア・アルプスの山中コルチナ・ダンペッツォで開かれる。2003年6月に訪れてあまりの素晴らしいアルプスの景色に魅せられ仰向けに寝転んで青空を見上げていたものだ、あの地で2度目のオリンピックが開催されるとなると感慨無量である。その時は87歳になっているが、元気にテレビを観ていられるだろうか。

2022年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5396.2022年2月19日(土) ウクライナで戦争が始まるのか?

 どうもウクライナ情勢がただならぬものになって来たようだ。このところ連日のように、ロシアのプーチン大統領とヨーロッパ各国の首脳との直接外交交渉が交わされているが、お互いに一方も譲らず膠着状態が続いている。先日ロシアはウクライナ国境周辺からロシア軍を撤退させていると公表したが、直ちにそれは偽情報であるとアメリカ政府が警告した。その舌の根も乾かない内に、ロシア軍は国境周辺に最大19万人の軍隊に達したとアメリカが明らかにした。1月末時点から僅かの間に約2倍と急激に増えたことになる。ロシア外務省は、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)に文書で合意する用意がなければ、「軍事的技術的な手段に訴える」とけん制し、一触即発の危機的ムードになってきた。

 昨18日アメリカのバイデン大統領が記者会見で、プーチン大統領は軍事侵攻の決断を下したと確信していると述べた。その理由として、ウクライナ東部で停戦違反が急増している他に、ロシアがウクライナは大規模な攻撃を仕掛けているとの偽情報を拡散させているのが、軍事侵攻を正当化するための下準備だと指摘した。この両国の関係が拗れるのは、ウクライナ東部にロシア系住民が多いことがある。親ロシア系の組織がウクライナ軍はこれらの地域に武器を配備し、攻撃の準備を整えていると警告してロシア系住民をロシアに避難させようとしている。

 どうして当事国の首脳は、すぐに「話し合いより力で」となるのだろうか。ひとつには、勝ち戦になれば、人気も求心力も高まり、国家のリーダーとして国を治めやすくなるということがある。プーチン大統領は、2014年にクリミア半島を力で奪ってから総選挙で圧勝した経緯がある。

 戦後77年となり、日本人の中にも戦争を体験した国民の数が次第に減り、戦争や戦争の怖さというものを知らない人が増えた。私自身の戦争体験としては、終戦の年、昭和20年に国民学校へ入学し、夏休みに終戦を迎えた。戦時中は、米軍機が飛来する都度けたたましくサイレンが鳴り響き、防空壕へ駆け込んだ。戦争の恐ろしさを子どもなりに身体全体で感じたものだ。その後ベトナム戦争中の戦乱地や第3次中東戦争の激戦地で、危機的体験をしたが、それが学生時代の60年安保闘争に参加し、憲法第9条の改定に反対している大きな理由である。今では国会議員もほとんどが戦争未経験者となった。それだけに国会に内に増えつつある憲法改定賛成者は、戦争の恐ろしさを知らない国会議員が多くなったからである。

 それは世界の政治指導者にしても同じである。注目のプーチン大統領ですら、まだ70歳にもなっていない。習近平も金正恩も戦争を知らない世代である。こういう政治家が国の権力を握り、外へ権力欲を発揮し出したら、地球上はどこも戦争だらけになる。

 戦争好きなプーチン大統領を何とか止める手段はないものだろうか。

2022年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5395.2022年2月18日(金) 北京オリンピックの話題いろいろ

 今日は北京オリンピックで目についたことを書いてみたい。いよいよ大会も終盤を迎えて競技もヒートアップしている。特に昨日は日本人選手の活躍も期待されていた女子フィギュア・フリーで、ROC(ロシア)のエースであるカミラ・ワリエワ選手の演技に注目が集まっていた。ドーピング事件で醜聞の俎上に上っていた彼女は、3日前SP(ショート・プログラム)で断トツ・トップだったにも拘わらず、この日フリーで5度も転倒し、総合で首位から4位に落ちメダルを逸してしまった。これで日本の坂本花織選手が4位から3位に繰り上がり銅メダルを獲得することになった。問題は、普通ではとても考えられないワリエワ選手の度々の転倒が、彼女の精神的ショックばかりではなく、滑走後に彼女を厳しく叱責したコーチの無情な態度や、ドーピングに関するロシア関係者の対応などが影響を与えたのではないかと詮索されている。この結果について、バッハIOC会長も批判しており、今後に尾を引くことになるだろうとの声が強い。

 その一方で日本は、女子スピード・スケート1000mに出場した高木美帆選手が今大会4つ目のメダルを「金」で飾ったことや、男子ノルディック複合団体で28年ぶりの銅メダルを獲得したことが高く評価されている。

 この他に興味深いことがあった。名古屋市内に住む千葉の小学校時代の友人から、先日珍しいメールが送られて来た。彼が商社で台湾に駐在していたころの部下だった何さんと仰る方の息子さん(ホーピンレイ選手)が、この北京大会開会式で台湾チームの旗手を務め、アルペン・スキーの回転競技に出場するという連絡だった。元々台湾ではほとんど雪は降らず、スキーはメジャー・スポーツではない。今大会の回転競技には活躍が期待される日本選手もおらず、テレビでは放映されなかった。その回転レースは一昨日行われ、残念ながらホーピンレイ選手は1回目で転倒し途中棄権という結果に終わった。しかし、台湾の選手がスキーで出場すること自体が珍しく、昨日の朝日新聞スポーツ欄に写真入り五段記事で大きく報道された。父親は日本に留学していた関係で、日本企業に勤務し、息子も度々野沢温泉で練習していた。今大会は無念の棄権という結果になったが、23歳の息子ホーピンレイ選手は、次回開催のイタリアのコルチナ・ダンペッツォ大会へ意欲を燃やしているという。

 コルチナ・ダンペッツオと言えば、1956年に冬季オリンピックが開催され、奇しくも日本の猪谷千春選手が、ホーピンレイ選手と同じ回転競技で3冠王オーストリアのトニー・ザイラー選手に次ぐ銀メダルを獲得したことで、日本でもよく知られている山紫水明の地である。2003年6月にこのアルプスの景勝地を訪れた時、ロープウエイの駅に猪谷選手の偉業を記念した日の丸がへんぽんと翻っているのを目にして誇らしく思ったものだ。ホーピンレイ選手にもイタリア・アルプス山中に五星紅旗ではなく、青天白日満地紅旗を掲げてもらいたいものである。それにしても国境を超えて今も昔の仲間と交流している友人の交友関係には「あっぱれ!」を呈したい。

 さて、新型コロナウィルスに関する好ましくないニュースが入って来た。オミクロン株が猛威を振るっているが、今日第2のオミクロンと言われるステルス・オミクロン(オミクロンBA.2)による市中感染が東京都内で初めて確認されたと、小池都知事が公表した。また、嫌な予感がする。

2022年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5394.2022年2月17日(木) 疑似社会主義国、中国・ロシア・北朝鮮の強権政治

 北朝鮮にとって今年は「偉大な年」だそうである。その理由は、昨日が金正恩・朝鮮共産党総書記の父・金正日の80回目の誕生日に当たり、4月15日が祖父・金日成の110回目の誕生日でもあるからだそうだ。こうして全国民を3代に亙る金一族への忠誠を求めることによって金正恩総書記に対する尊敬と服従を強めて、金正恩体制を盤石なものにしようとの企みである。テレビ放送を通じて金正恩の意思が国民に伝えられた。「対米強硬路線の全面対決により連戦連勝を続けている」との身勝手な言い分にしてデマである。いかに出まかせを言おうとも北朝鮮の経済は沈滞するばかりで、底辺の国民はひもじい生活に苦しんでいる。こんな金正恩体制を崩壊させなければ、いつまでも国民は救われないだろう。

 ウクライナを巡る問題ではロシアの独裁権力者プーチン大統領のひとり相撲が、ロシアと米欧諸国との間で危機一髪の状態をもたらしている。今日は、ロシアがウクライナ周辺のロシア軍を一部撤退させたと伝えるや、即座にアメリカのブリンケン国務長官は、それはウソで、むしろ国境周辺にロシア軍部隊が7千人に増強されていると反論する有様である。ここにも金正恩総書記と並ぶ独裁者の前後の見境がない言動が見られる。

 同じ社会主義を標榜しながら、実態はその正反対の覇権国家である前記2カ国に加えて、習近平が君臨する中国も同じような考え方と行動で、一帯一路政策を餌にアジアの途上国を手なずけつつ、新疆ウィグル自治区のウィグル族を弾圧したり、香港を一方的に中国化したり、南シナ海で公海を自国領土化して、その行動は傲岸不遜であり国際社会から厳しい非難を浴びている。

 日本に関しても最近身勝手なニュースがある。昨年12月中国国内で50歳代の男性が、スパイ容疑で身柄を拘束された。それとダブるような暗いニュースが今日伝えられた。それは2015年にスパイ容疑で拘束されていた70歳代の日本人男性が、死亡したという悲報である。日本政府が度々中国政府に対して身柄を解放するよう要請していたが、その都度無視され、今日最悪のニュースとして伝えられた。理由も分からず、目をつけたら有無を言わせず身柄を拘束し、どこへ連れていかれ、拷問されたのかどうかも全く分からない闇のような中で殺戮されるのである。今日拘束された男性の身柄も危険に晒されている可能性が高い。正式な国のルートで抗議したり、解放を求めてもまったくけんもほろろの対応である。中国は密室政治の国である。

 中国、ロシア、北朝鮮で独裁者が国家を牛耳っている限り、これら3カ国の国民は自由と言動を抑圧され安心して生活することは出来ない。1日も早く彼ら悪代官3人が権力の座から去り、今のデタラメ社会主義国家を一旦崩壊させて、新たに民主主義国家として出直さない限り、3カ国国民はもちろん、それ以外の外国国民も安心して生活することが出来ない。

 怖いのは、ひとりの人間に権力を集中させて、その人物に思いのまま国家を支配することを任せてしまうことである。どうしてそうなってしまったのか。その点で幸い日本には現在そのような心配がない。中国。ロシア、北朝鮮に生まれなくて良かったとつくづく思う。

2022年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5393.2022年2月16日(水) 憂鬱になる強力なオミクロン株

 今日妻が3回目のワクチン接種(ブースター)を終えたので、取り敢えずホッとしている。3月に世田谷区の接種を受けることになっていたが、このオミクロン株の流行で1日も早く接種したいということから、大手町で行われている自衛隊大規模接種会場の接種を電話で申し込んだところ、幸運にも予約することが出来て今日接種を終えた。私は25日に世田谷区の接種会場で接種する。一昨日時点でブースターを終えた人は、全国でまだ9.5%しかいない。2回分終えた人が79.5%もいるのに比べると随分遅れている。

 ついては、新型コロナウィルスの一向に衰えない勢いを考えて、ふっとこんなことを妄想した。今から約2億1千年~1億4千年前の中生代ジュラ紀に、地球上に生存していた恐竜類がこの地球上から姿を消してしまった。その最有力の原因は、隕石が地球に落ちてすべての生き物が死滅したとされている。私の妄想では、ひょっとすると今流行りのコロナのような病菌が恐竜世界に巣食って蔓延し、すべての恐竜を死に追いやったのではないかと考えている。古代に自然界の処方薬があったわけではなく、逞しかった恐竜も病には抗しきれなく、息絶えたのではないか。

 人間社会にも人類破滅になりそうになった前例がある。14世紀ヨーロッパに流行し、全世界人口の1/4に当る5千万人が命を落とした黒死病と呼ばれたペストや、100年前に3百万人もの犠牲者を生んだスペイン風邪も、何とか医学の進歩に伴う風邪を駆逐する新薬の開発があったからこそ、人類は危機を切り抜けて生き延びることが出来たのではないだろうか。

 今の世の中では、医学の発達が著しい。後から後から新薬が開発されコロナにも対処している。しかし、その近代医学の知識をもってしても完全にコロナを封じ込むことが出来ていない。医学の力を上回るようなオミクロン株を凌ぐほどの強い病原体がこの地球上に徘徊しているのではないか。そして恐ろしいことに、新薬を開発するスピードを超えて病原体が強力になり、この地球上で病原体が暴れ回り次々と生き物の生命を奪って、ついには生物が地球上に生き残れない事態になるのではないかと危惧している。

 実際今日人間としての生きる楽しみが奪われつつある。況してや余生が残り少なくなったわれわれ後期高齢者にとっては寂しく深刻である。狭く小さい社会に閉じこめられたような日常である。

 実は、1年前辺りから資料も取り寄せ長編ドキュメントに取り組んでいるが、意気込みが少々弱くなったうえに、根気がなくなったように感じている。依頼される短いエッセイや、コラムは割合すぐにもペンを執るが、じっくり構えて挑戦する長編には、気力がやや萎えたような気がする。ほとんど家の周囲しか出歩かず、話し相手も妻だけになり、読書量も落ち、かつての自分とは随分変わったと思っている。

 今上野の東京国立博物館で開催されているポンペイ特別展は、ぜひとも鑑賞したいと考えているが、オミクロンを警戒して出かけられない。もうひとつ3月に開催される友人の奥方の染織展示会も出かけようと思っているが、現状ではどうなるか分からない。しかし、ポンペイ展は気分転換の絶好の機会でもあるので、鑑賞して脳にフレッシュな空気を採り入れたいと思っている。

2022年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5392.2022年2月15日(火) ワリエワ選手出場解除は納得出来るか。

 今開かれている北京オリンピックは盛り上がっているが、それ以上に競技以外の場面で様々な話題を提供している。中でも昨日一旦は収まったかに思えた、ROCの女子フィギュア・スケートのワリエワ選手出場解除について元スケート選手らから批判的な声が出ている。そのひとりが、バンクーバー大会金メダリストのキム・ヨナ選手がインスタグラムに発信した抗議文である。「ドーピング違反をした選手は試合には出場できません。この原則は例外なく順守されるべき。全ての選手の努力と夢は等しく尊いものです」というもので、19時間内に約24万人が同意したといい、ケガのため北京大会に出場出来なかった日本の紀平梨花選手も「いいね」と賛同したという。

 昨年12月に陽性反応が表れ、本来ならこの時点で失格だった。それを「要保護者」という配慮によりワリエワ選手を失格から救ったことが、不平等になるとの考えである。国際オリンピック委員会(IOC)も、一度はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に対して異議を申し立てていながら、CASの判断が下されるとへそを曲げたような納得の仕方を示した。仮にワリエワ選手がメダルを獲得しても表彰式は行わないという理不尽な態度である。これもおかしいと思う。CASの判断を受け入れた以上ドーピング問題はなかったものとして、IOCは競技終了後にメダリスト3人に対して表彰式を行うべきである。関係者に冷静な対応を求めたい。

 さて、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、観光業、飲食業などが特に苦しんでいるが、不思議なことに今日内閣府が公表した2021年度第3四半期決算予測によると、2021年10~12月期の国内総生産(GNP)が、対前期(7~9月期)比+1.3%で、年率だと+5.4%だということだが、皮膚感覚ではピンと来ない。確かに広告会社の電通のように、12月期の通期決算で最終的な純利益は、2001年土地の売却益も含めて株式上場以来最高益を計上する企業もある。コロナ禍で落ち込んだ広告需要が戻って来たのが大きいとされているようだが、これとて所有の資産を売却したからである。

 しかし、派手な営業展開でとかく話題になるIT業界の「楽天グループ」と、居酒屋チェーンを展開する「ワタミ」の経営が捗々しくない。前者はコロナが厳しくなった3年前から赤字に落ち、3年連続で巨額の赤字を抱え込んだ。そのひとつの原因は、モバイル事業が大幅な赤字を出したことが影響している。後者の「ワタミ」は、コロナ禍により在宅勤務が増えて仕事がらみの飲み会が極度に減少したことが大きく響き、3年前に営業していた店舗の内半分近くが閉店という厳しい事態に追い込まれている。今後は食事の宅配事業を強化させていくという。

 今日岸田首相は、全般的に遅れがちとされているワクチン接種の加速化につき、1日百万回のワクチン接種が可能であると語った。早くワクチン接種が進み、第6次ピークから1日も早くピークアウトして欲しいものである。知人と電話で会話をしていると必ずコロナが終息したら、また会おうという決まり言葉になる。

2022年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5391.2022年2月14日(月) 昔シンガポール陥落、今バレンタイン・デー

 今日は若い男女にとっては待望のバレンタイン・デーであろうが、今年は新型コロナウィルスの影響もあって悲喜こもごものようだ。自宅近くに人気のチョコケーキ販売店がある。日ごろから行列が出来るくらい若者が買い求めにやって来る。それが数日前に店の前を通った時、入り口に貼り紙がしてあった。コロナのため当分製造が間に合わないので、販売を一時停止するというものだった。今日の日を待ち焦がれてチョコを買い求めに訪れた若者は、納得し難い表情で貼り紙を読んでいた。昨日は今日の日を前にお店も流石に閉めるわけにいかなかったようで、店はオープンして、案の定多くの若者がチョコ購入のため列をなしていた。

 実は、末弟の誕生日が今から80年前の昭和17年の今日でもあり、傘寿の誕生日のお祝いのメールを送ったところであるちょうどその日旧日本陸軍がイギリス軍占拠シンガポールを攻略し、ブキテマの丘で第25軍司令官山下奉文中将が敵将のパーシバル中将に‘YES or NO?’と有名な言葉で降伏を迫ったシーンで知られる1日でもある。私にバレンタイン・デーは縁遠く、戦没者慰霊団で何度もブキテマを訪れ、2月14日にそこへ乗り込んだ旧日本軍兵士からも生々しい話を聞いているだけに、よほど「シンガポール陥落」の印象の方が強い。

 さて、連日盛り上がっている北京オリンピックだが、どうも場外で直接競技とは無関係の問題が注目を集めている。かねがね懸念されていたROC(ロシア)フィギュア・スケートのワリエワ選手のドーピング問題についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)がワリエワ選手出場可能との判断を下した。これにより女子フィギュア優勝候補筆頭のワリエワ選手は、晴れて明日のSP競技に出場することになる。CASの判断の根拠は、15歳のワリエワ選手は要保護者で情報の開示は求められないということと、仮に彼女を出場停止にした場合に彼女の今後に再起不能のような取り返しのつかない心の傷をつけることになるという判断のようである。それなら12月に要請が判明した時点で、それを問題視せず、なぜオリンピック期間中に大げさに取り上げたのだろうか。

 また、このドーピング問題は、彼女だけの問題ではなく、ロシアという国家全体の責任でもある。しかも、2015年にロシアは国家がらみのドーピングが暴露され、リオ・オリンピックも国家としては出場を認められなかった。その後のドーピングも重なり今以て制裁解除されていない。ロシアではドーピングがいくら禁止されても、再び繰り返すのはメダル獲得が国家の威信と考え罪悪感がないからではないだろうか。開会中のオリンピックを混乱させるのは、賢明ではないので、大会終了後にドーピングについて各国で、また各容疑団体でドーピング防止策を考える必要があるのではないかと思う。

2022年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5390.2022年2月13日(日) 将棋の藤井聡太4冠が最年少で5冠に

 時には「天才」というものが現れて来るのだなぁと感に堪えないのが、昨日将棋の王将位を獲得した藤井聡太4冠である。これで新たに「王将」という権威ある冠を得て5冠になった。これによりビッグタイトル8冠の内、藤井王将が5冠を手中にしたのである。しかも渡辺明王将を4戦ストレート勝ちしたというからその実力はとても並みではない。残る3冠は、渡辺明棋王が、名人と合せ2冠を、残る1冠を永瀬拓矢王座が持っている。藤井5冠は、まだ19歳6か月で史上最年少である。これまでに5冠を果たしたのは、故大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、近所に住む羽生善治九段に次いで4人目であり、長い将棋史の中でも過去に僅か3人しかいない。その中で最年少というのだから桁外れの実力棋士である。大山名人が5冠を獲ったのは、39歳の時だったというから、藤井王将がいかに若くて才能があるか想像出来る。普段将棋はやらないので、あまり詳しいことは知らないが、次に目指すタイトルは今秋の王座である。

 さて、急拡大していた新型コロナウィルスの感染拡大は多少減少傾向に入ったようだが、相変わらず難題を呈示している。重症者数が急増しているので、その受け入れが難しい。感染者と判ってもすぐに入院と言うわけに行かない。自宅療養のケースが増え、病棟は重傷者を優先的に受け入れているので、救急車も新規感染者を病院に搬送しても思うように入院させてもらえず、苦慮しているようだ。

 水際防止対策で外国人の入国も制限しているため、別の問題もいくつか発生している。外国人留学生の入国を求める国内外からの声の他に、ビジネス関係者や技能実習生の入国を求める声が経済界からも出ている。日本に留学しようとしている外国人は、実に14万7千人もいるという。特に、ベトナムでは日本へ入国出来ない技能実習生が実に5万人もが待機している。彼らは2020年3月以来入国出来ない状態で、これは日本の労働現場にも人出不足という影を落としている。そこで政府は、来月からビジネス関係者や留学生らを対象に、外国人の入国制限を段階的に緩和する方針を固めた。

 しかし、いくら入国制限を緩和してもコロナ禍が収まらなければ、再び制限を強化することも考えられる。今はワクチン接種を加速させ、ひたすらコロナが消えることを願うより他に手はない。

 それにしても日本でコロナによる死者が2万人を超えているのに、あの14憶人の人口を有し、コロナ発症の地でもある中国で、昨年9月15日に1人死亡して以来、ほんの3日前に2人の死者が出ただけで全中国人の死者が5千人足らずとの報道に驚いている。ここにも中国が公表する数値がフェイクで、信用出来ない理由のひとつがあるような気がする。また、このジョンズ・ホプキンズ大学の統計資料を鵜呑みにして、諸外国もメディアも疑問を感じないものなのか。

2022年2月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5389.2022年2月12日(土) 問題が多過ぎる北京オリンピック

 今中国・北京で開催されている冬季オリンピックは、競技では連日賑わっているもののスポーツマンシップとは場違いな話題にも事欠かない。

 そのひとつは、ロシア・オリンピック委員会の女子フィギュア選手のカミラ・ワリエワ選手に禁止薬物の陽性反応が表れたことである。そもそもロシアは、2019年に国家ぐるみのドーピングにより、世界反ドーピング機関(WADA)から各種国際大会の4年間出場処分を受けた。ロシアは、昨年開催の東京オリンピック、パラリンピックにも出場出来なかった。実は、ロシアはそれ以前の2015年にも同じ処分をうけてリオ・オリンピックにも出場出来なかった。今年カタールで開催されるサッカー・ワールドカップにも出場出来ないのではないかと言われている。彼らの悪質な点は、個人で禁止薬物を服用するだけではなく、ドーピングに国がからんでいることである。またか?との疑惑が常に付きまとっている。

 今回のトラブルでは、ワイエワ選手がどの程度関わっていたのかははっきりしないが、昨年12月ロシアの大会における検査では、検体を採取して陽性の結果が出ている。このため先日行われたフィギュア団体で優勝したが、今以てメダル授与式は行われていない。国際オリンピック委員会(IOC)、オリンピックのドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)、及びロシア反ドーピング機関(RUSADA)の間での協議、調整もままならず、RUSADAがワリエワを資格停止としたが、本人から異議申し立てがあり、処分を解除して参加を認めた経緯がある。だが、これに対してIOCが処分解除を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する方針と伝えられている。
 一触即発の様相を見せているウクライナ問題と言い、昨今ロシアが絡むとどうも問題が厄介になるようだ。ロシアのメドベージェフ首相は、WADAの慢性的な反ロ・ヒステリーだと憤慨しているようだが、これだけ度々同じような反モラル的な事件を冒すのは、国家及び国民の体質に大きな問題があるのではないかとの疑念が消えない。
 この先行方がどうなるのか予断は許されないが、優勝候補筆頭のワリエワ選手が出場する女子個人フィギュアは、15日に行われる。日本が銅メダルを獲得したフィギュア団体の表彰式も行われておらず、前途多難である。

 今大会は、この他にもスケートのショート・トラックで優勝候補だった韓国2選手が失格処分となり、中国選手が金メダルを獲得した。この失格について韓国選手団は強く抗議している。更に、昨日スノボー・ハーフパイプで金メダルを獲得した日本の平野歩夢選手の採点が辛すぎるという声がSNSをはじめ、アメリカのTV局でも指摘された。決勝2本目では、予想よりかなり低く、本人も大分不満だったようで、3本目に一か八かでトライした結果漸く金獲得となった。

 大会終了後に問題が蒸し返されるか、はたまた没となるか。

2022年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com