5357.2022年4月21日(木) 昨年度貿易収支は真っ赤っか

 このところ円安が急激に進み、去る3月11日に117円台だったのが、一時は130円台にまで落ち込み、20年ぶりの円安相場と言われている。それにはいろいろ原因があるが、アメリカのドルが高くなった反動がある。その他には、ロシアのウクライナ侵攻に対するロシアへの経済制裁により西欧諸国がロシアから石油、LPガスの輸入を停止したことが影響している。

 こんな時期に昨日財務省が3月の貿易統計を発表したが、過去2番目に大きい赤字額で、年間でも過去4番目の5兆3千億円の赤字を計上した。エネルギー資源の高騰と円安による輸入額の増加が、主たる赤字の原因である。現状ではエネルギー資源の高騰が収まる見通しはなく、このまま貿易赤字が続くと見られている。

 最近自民党内部でウクライナ情勢を考え、防衛費の増額が検討されている。5年後をメドに国内総生産(GDP)の2%以上を目指したい意向のようだ。2%なんて数字をそう簡単に言われても困る。歴史を遡って1976年三木内閣では、防衛費はGDPの1%を超えないことを決めた。87年中曽根内閣当時の予算では、その1%を超えた。幸いその後GDPが拡大したこともあり、ほとんど1%以下に収まって来た。それが防衛予算の使い道として高額な防衛機材の購入もあり、とても1%では収まり切れなくなり、今では2%をひとつのターゲットにしている節がある。奇しくも今年度の防衛予算額は、5兆4千億円でほぼ今年度貿易赤字額と同じである。自民党内では、防衛費をウクライナ侵攻というドサクサにまぎれてやみくもに予算を分捕ろうとの腹が見える。

 財務省は、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国では、国防予算の拡大とセットで財政の健全化を進めていることを例に上げている。例えば、スウェーデンでは、国防費増額の財源にたばこ税や酒税の引き上げをセットにして決めている。ドイツでも国防費の増額を決めたが、同時に財源をはっきり示している。その点日本では、安易に国債の発行など国家の借金に頼る脆弱な発想しか生まれない。国家財政を預かる財務省としては、健全な財政を維持するために経済、金融、財政の総合力が大切だと考えているが、自民党内にはそこまで考えている賢者はいない。

 大体今年度の国家予算だけで防衛費が吹っ飛ぶような国家の赤字額が出ている。来年度以降も予断は許せない。そうなれば、防衛費に注ぎ込む余裕は益々厳しいものとなる。政治家の発想には、財源には頓着なく「守備を固めて攻撃に出る」の考えがないことが無性に気になる。

2022年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5356.2022年4月20日(水) ロシアが制裁に報復、借りた飛行機は返さない。

 4週間ごとに東京医療センター膠原病内科で採血してもらい、検査結果について岡野医師から説明を受けている。今朝の検査では、特に気になっている両手指の変形性関節症は症状としては良くなっていないことを報告したところ、これはリューマチ系というより整形外科系なので、リハビリを続けるようアドバイスされた。そしてずっと服用していたプレドニン錠は糖尿病に良くないので、これを止めて、他の2種類の薬だけにしましょうということになった。明日かかりつけの松本整形外科に報告がてらリハビリについてご相談しようと考えている。

 さて、狂った熊のようにロシアは、ウクライナへ攻撃の歯を剝き出しにしている。東部マリウポリを壊滅させるべく、1度は同地で戦っているウクライナ軍へ降伏を求めたが、ウクライナが拒絶し徹底抗戦を主張して、5月9日のロシア第2次大戦戦勝記念日の勝利宣言が難しくなったことから、再びウクライナ軍へ降伏を要求した。同時に東部ドンパス地方への本格的攻撃が始まった。このロシアの侵攻について、過日アメリカのバイデン大統領がロシアはジェノサイド(集団殺害)を冒していると厳しく非難したが、カナダのトルドー首相もジェノサイドと厳しく指摘した。

 先日国連でウクライナ危機を巡ってロシアの行動に非難決議を採択したが、当然のように安保理事会の常任理事国であるロシアは、自国への糾弾であるだけに即座に反対を表明した。しかし、これでは常任理事国であれば、いかに平和、民主化に反対する行為であっても他国が手を出せない仕組みになっており、かねてよりこの常任理事国の拒否権制度が理不尽な結論になるとの点から、制度自体に多くの加盟国から疑問が呈されていた。

 昨日国連本部でこの問題に関して協議が行われ、安保理事国が拒否権を行使した場合、その理由を国連総会で説明することを義務付ける決議案が、来週にも採決にかけられる見通しとなった。ただ、これが採決されたとしても、自国に有利な説明をするだけだったら責任を取らせる手段が講じられるのだろうか、疑問は残る。したたかなロシアが「ハイ 承知しました」と素直に従うとは到底思えないが、多少は前進したと言って良いのだろうか。

 戦争に絡んでロシアのあくどいやり方がいろいろ明らかになっている。そのひとつに、欧米の航空機リース会社がロシアの航空会社へ貸し出した航空機が返って来ない事態になっている。ウクライナ侵攻に対する欧米の経済制裁への報復措置としてロシア政府が、外国から借りたリース旅客機約400機を国外に持ち出すことを停止したためである。これはプーチン大統領自身が、先月外国の航空機を国内に留めて自国内で使用するという不条理な法案に署名しているという。これには欧米以外にも日本のリース企業も戸惑っている。同時に先月末には、ロシアの運輸相もリースした機体を返却すれば、航空機がなくなってしまうので、機体は返さないと語っていたというから国絡みで世話になったリース会社へ、恩を仇で返したということになる。

 また、今日こんな残念なニュースも入って来た。国際音楽コンクール世界連盟は、「エリザベート王妃国際音楽コンクール」、及び「ショパン国際ピアノコンクール」とともに世界の3大音楽コンクールのひとつである「チャイコフスキー国際コンクール」を連盟から除名したと発表した。これはロシア人ピアニスト個人を締め出すことではなく、ロシア政府の組織を排除するということである。数々の名曲を遺したチャイコフスキーも泉下でさぞや悔し涙を流していることだろう。

 とにかくここへ来て、ロシアは、約束も、義理も人情も捨てた本性丸出しで、化けの皮も剥がれ、3等国に成り下がったということだ。

2022年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5355.2022年4月19日(火) 旧ソ連絶対体制の残り火が発火?

 昨晩NHKの新シリーズ「映像の世紀―バタフライエフェクト」の「ベルリンの壁崩壊と宰相メルケルの誕生」と題したドキュメントを、あの時代を想いながら納得して観ていた。昨年12月に退任したドイツのアンゲラ・メルケル前首相と、旧東ドイツの歌手ニナ・バーゲン、そしてデモで自由を訴えていたカトリン・ハッテンバウアーの3人の女性の壁崩壊前後の感情と動きを描いていた。特に壁が崩壊した1989年11月9日当日、3人が偶々東から西へ入国したとは意外な偶然だった。

 冷戦下で秘密警察シュタージの監視下におかれ東ドイツの市民生活は、同じドイツ人の西ドイツに比べて自由はなく、暗い生活を強いられていた。その分断された中心都市ベルリンを舞台に3人の女性のそれぞれの姿を描いていた。元々芯の強い女性だと考えていたメルケル氏は、シュレーダー元首相の後16年間の長期間激職を務めて来た。その活動は、G7首脳の中でも目立っていた。抱擁力があり、ヨーロッパ諸国がアフリカからの難民の受け入れを拒絶する中で、唯一ドイツは彼らを受け入れた。あのわからずやのアメリカのトランプ前大統領とは、G7で口をきかないこともあったくらい個性的で意思の堅い人だった。

 元来東ドイツの大学で物理学を学んでいた彼女が、政界へデビューしたのが、ベルリンの壁崩壊前後だった。1989年の壁崩壊に続く、翌年の東西ドイツの統一は衝撃的だった。ポップス・シンガー、ニナ・バーゲンが唄い、壁崩壊前に東独で流行った♪カラーフィルムを忘れたわ♪は、暗い時代を象徴した半ばやけくそ気分の歌詞である。これにメルケル氏は気持ちを動かされた。昨年メルケル氏の引退セレモニーが行われた際、通常式典ではそれに相応しい楽曲を演奏するが、この時はブラスバンドが演奏したのがこの曲だった。それほどメルケル氏にとっては印象に残る曲だったのだろう。

 それにしても東西ドイツの統一は、旧ソ連の崩壊へ連鎖して行ったが、統一ドイツの社会は旧西ドイツに倣った資本主義国家となった。その中で東ドイツ出身の女性が長年に亘って政界をリードして来られたのは、類稀なる才能もさることながら、目新しいものでも状況に応じて採り入れる積極性と包容力が国民から支持されたからであろう。

 若いころは、東独の監視社会の中で自由に動くことが出来なかったことが、♪カラーフィルムを忘れたわ♪に心を動かされたのだろう。歌詞には、カラーフィルムを忘れたので、暗い白黒フィルムで暗い写真しか撮れなかったとの当時の暗い東独の社会状況を映し出しているのだという。

 振り返って東西対立の時代に、ブルガリア、ルーマニア、チェコスロバキア、ハンガリー、東ドイツなど東欧諸国を訪れたことがあるが、全般的に暗く、どこへ出かけても雰囲気は憂鬱で窮屈な感じがしたものだった。中でも東ドイツでは、どこへ行くにしても鋭い目のシュタージが附いてきて、公的な話はすべてシュタージの了解を得ないと出来なかった。よくぞ国民は長い間我慢したものだ。

 改めて現今のロシア軍によるウクライナ侵攻を考えて見るに、ロシアのやり方は旧ソ連時代と変わっていないのではないかと思う。第2次大戦でナチ・ドイツに勝ったからロシアは得意気に、ウクライナをナチ扱いしているが、そう言っているロシアこそがナチ的行為をやっているではないか。

 ロシアの大きな身体に潜む「旧ソ連体質」が、スターリン首相に取って代わった第2のスターリン、プーチン大統領の見境のない傍若無人な攻撃の中に読み取れる。それが今も世界を脅し続けている。

2022年4月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5354.2022年4月18日(月) 世界中前後左右暗い話でいっぱい

 ロシアのウクライナへの軍事攻撃が激しさを加えて、各都市でかなりの犠牲者が生れているが、ロシアは手を緩めることなく、一層強力な攻撃を加えようとしている。東部都市のマリウポリではロシアはウクライナ軍に対して降伏を求めたが、ウクライナが応じなかったために今後益々破壊的な攻撃を仕掛けることだろう。

 どのテレビ局のエンタメ番組でも悲惨な映像が映し出され、出演者はロシアとプーチン大統領の非情ぶりを批判し、どうしたら良いのかアイディアがなくお手上げの状態である。まだ当分この激戦は終わりそうもない。今後もウクライナ国民が悲惨な目に遭う光景が目に入ってくるだろう。

 そんな気分的に嫌な時期のせいだろうか、この一両日世に知られた人々が幾人かこの世から去った。アメリカでは、クリントン政権で初の女性国務長官を務めたマドレーン・オルブライト氏が84歳で亡くなった。今世紀初めテレビでしばしばお目にかかった人である。国内では元ホンダ社長、元オムロン会長、ミュージカル「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」を日本国内で長期公演させた元東宝専務、前日まで職務に就いていたが急死した沖縄市副市長、女優木内みどりさんやフリーアナの有賀さつきさんらが旅立たれた。ご冥福をお祈りするばかりである。

 パッとしない現実のニュースとして、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の申請期限が、10日後に迫って来たが、これに手を上げている大阪府と大阪市が予定通り誘致計画に応募することに対して、大阪府民、市民から行政側の約束不履行につき誘致断念を迫る声が強まってきた。

 そもそもこのIR計画はきれいごとを言っているが、所詮賭博が目的で住民の間には、賭博場の環境が、風紀上近隣の住民に悪影響を与えることは間違いない。あれほど熱心にIR計画を進めていた横浜市も推進派市長が市長選で反対派に敗れ、当初の計画を撤回した。それなのになぜ大阪はカジノ政策を推進することに拘るのだろうか。当初松井一郎・大阪市長はカジノには税金は一切使わないと公言していたが、カジノ用地の埋め立て人工島・夢洲(ゆめしま)の土壌汚染を防止するために前言を翻して790億円を負担することになった。今後住民投票を行って民意を問うなど住民の声を聞く姿勢を見せなければ、騒ぎは収まるまい。府知事、市長が主導する日本維新の会は、すでに大阪都構想の住民投票で2度も負けているので、踏み切ることが出来るだろうか。大阪市は、カジノが順調に稼働すれば、年間4,200億円の売り上げが見込まれると取らぬ狸の皮算用を弾いていたが、自分たちの利得ばかり考えずに、もっと堅実なプロジェクトが考えられないものだろうか。一般論としても地方政治家は、もう少し民意を考え住民のための真面な施策を考えることが出来ないものか。

2022年4月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5353.2022年4月17日(日) 佐々木投手の2試合連続完全試合ならず。

 1週間前プロ野球・千葉ロッテ・マリーンズの佐々木朗希投手が、完全試合を達成した。28年ぶりの大記録にプロ野球ファンのみならず、多くの人びとをも興奮させた。出身地の岩手県では号外が出たくらい地元民は盛り上がった。若干二十歳の若者が、プロ野球記録の13人連続奪三振、及びタイ記録の1試合19奪三振までやってのけたこともすごい。

 そして1週間を置いて今日日本ハム戦に登板した。佐々木の登板を知ってスタンドは満員となった。スタンドでは、「17朗希」の手ぬぐいを手にするロッテ・ファンが応援し、佐々木投手がストライクを取る度に大きな拍手が聞こえてきた。私も久しぶりにプロ野球をテレビ観戦した。期待に違わず今日も佐々木投手は力投し、8回まで15個の三振を奪い、2試合連続の完全試合へ期待を抱かせていた。ところが、肝心の9回表になると午后4時までの予定だったテレビ中継が打ち切りとなり、9回の攻防は観ることが出来なかった。止むを得ず気になりながらも外出した

 メジャーリーグでも2試合連続の完全試合を成し遂げた投手は未だ現れていないようで、果たして結果はどうなったか、帰ってからネットで結果を知った。それが、少々拍子抜けするものだった。確認したところテレビ中継が終わった8回終了の時点で、佐々木投手は降板となり2試合連続完全試合は夢と終わった。この投手交代についてロッテ・井口監督の判断には、ファンの間で「良い判断」と「考えられない」と2通りの意見があるようだ。グランドでは9回表が始まる前に投手交代の場内アナウンスが流れた時、一瞬ざわめきが起きたという。

 井口監督としては、若い選手にあまり無理をさせて肩を壊しては取り返しがつかないことになると考え、これ以上の投球を避けさせたと思う。1週間前に完投し、今日も8回までにすでに102球を投じていた。最近は肩に無理をさせないために精々90球がひとつの目安になっている。監督としても折角得たチャンスでもあり、新記録へ挑戦させたい気持ちはあったと思うが、これとて肩を壊してしまっては元も子もない。泣いて馬謖を斬る決意を固めたのではないだろうか。

 思い返せば、佐々木投手は高校3年生の夏の甲子園大会予選でも、同じような経験をしている。決勝戦まで駒を進めながら、それまで連投していた肩を気遣って監督は佐々木を登板させず、試合に敗れ甲子園には出場出来なかった。この時も監督の判断の是非が地元では大きな話題になった。今日も同じようなケースであるが、若い選手の健康を気遣って勝負不利にしかねない決断をするのは難しいと思う。相当反対の声があったと思うが、若者の将来を考えて敢えてチャンスに目をつぶるのは、相当勇気のいることだと思う。

 大船渡高校野球部監督と今日のロッテ井口監督の勇気ある決断を評価したいと思う。

2022年4月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5352.2022年4月16日(土) 日本人の人口11 年連続で減少

 新型コロナウィルスの感染が拡大してから、人の流れ、物資の流通等、すべての面で成長が滞ったり止まったりしている。近年の傾向として人口は年々減少し、今年はその減り方も過去最大ということである。沖縄県を除く他の46都道府県ですべて減少した。国内の人口は11年連続して減少している。近年は東京都への一極集中が加速していたが、その東京都も26年ぶりに減少する異変も見られた。外国人を含めた日本の総人口は1億2,550万人だったが、昨年より64万人減っている。対前年の減少数、減少率ともに1950年以降で最大だった。年齢別人口割合は、15歳未満が11.8%、働き手の多い15~64歳が59.4%を占め、ともに過去最低だった。その反面、65~74歳は28.9%、75歳以上は14.9%と過去最高という高齢化社会を典型的に象徴する割合となった。この数字を見る限り、今後も高齢者の経費がかかることが予想される。高齢者の医療費負担が一層重くなり、それが確実に国家財政を苦しくするだろう。ただ、医療費負担の軽減ばかり取り上げられるようだが、他に国として医療費負担を軽減する以外に他の経費削減が考えられないものだろうか。

 例えば、昨日国会で可決された文書通信交通滞在費(文通費)改正案は、国民にとっては何のプラス面もなく、改正ではなくむしろこの機会に廃止すべきであると思う。これまで議員在職の月数計算で支給していたものを、日数計算で支給し、名称も文通費から「調査研究広報滞在費」と変更する姑息な改正を決定したが、いくら名称をいじくり返したところで、所詮領収証も呈示しない国会議員への体の好いお小遣いである。私設秘書の給料もこの中から支払えるし、議員の家族のプライバシーに使用してもお咎めはない。仮に妻子の海外旅行費用を拠出しても糾弾されることはない。大体調査研究に使うと大見えを切った以上、いかなることに支払ったのか明細を報告すべきだし、いかなる研究成果があったのか毎年レポートを提出する義務も課すべきではないか。
 因みに、日本では衆参国会議員の数は、衆議院480名、参議院242名計722名である。その数は世界各国の中でも9番目に多い。アメリカですら上下院合わせて533人であり、その彼らにひとり当たり毎月百万円の「調査研究広報滞在費」なる無駄金を支給していたら、毎年国家の懐から87億円が消えることになる。何ら国家への利益、貢献もなく、議員のプライベートな支出に使われ、それが幼児教育や高齢者福祉に跳ね返ってくるとしたら、とてもこのまま見過ごすわけには行かない。

 さて、ならず者国家・北朝鮮では、昨日金正恩・朝鮮労働党委員長の祖父で初代北朝鮮最高指導者・金日成の生誕110年記念式典が行われたが、その後例年行われる軍事パレードは行われなかった。各国の経済制裁もあり、財政的にも大分厳しくなっているようだが、相変わらず「核」及び「ミサイル」開発には巨額の投資をしてアメリカへ対抗意識をむき出しにしている。最近建設された首都ピョンヤン市内の高層住宅がテレビでも紹介されたが、果たして家賃が高額であろう住宅へ誰が入居するのだろうか。北朝鮮の経済的な数値はあまり伝えられないが、2010年ごろの数値では貧困のなせる結果であろうか、国民の40%が栄養不足で、1人当たりの国民所得が韓国の1/20程度だった。こんな財政事情で無駄な支出をしたり、デタラメな政治を行っているようでは、いずれ国がデフォルトを宣告されることだろう。

 それでも懲りずにミサイルを打ち上げようとしている。目隠しされて周囲が見えない北朝鮮国民が哀れに思えてくる。

2022年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5351.2022年4月15日(金) 中国、香港民主化の望みを絶つ。

 昨日の今日で思いがけないことに、昨日のブログにJR恵比寿駅の看板について書いたことが、今朝7時のNHKニュースでその続編が報道された。恵比寿駅のロシア語案内板を覆っていたカバーが外されて、以前のようにロシア語の案内が表れたとの放送に思わず苦笑せざるを得なかった。朝日朝刊にもその件が書かれていた。また、ネット上でもロシア語の案内表示が元へ戻ったと伝えていた。

 各メディアの報道から考えてみると、昨日のネットでロシア語の表示が隠されたと伝えられてからJR恵比寿駅には、ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻したからとは言え、そのためにロシア語の表示を止めるのは一種の差別ではないかとJR東日本へ批判や抗議の声が寄せられ、JRでは元へ戻すことを決めたという。随分安易に隠したり、元へ戻したりするものだと思う。マイノリティに対する差別を研究するNPOは、「結果的に差別にあたり、消極的なヘイト行動に該当する」と言い、侵攻が始まってから「ロシアに関係することは叩いて良いとの同調圧力が強まり、企業がそれに過剰に反応している」と指摘している。

 全般的に現代社会では何事にも神経が繊細になり、些細なことであっても直ぐ反応するようになってしまった。それだけに一つひとつの言動に注意深い神経と心遣いが求められるようになった。私自身充分気をつけたい。

 さて、ウクライナとロシアとの戦闘が取り上げられている中で、中国のロシア寄りの姿勢が話題となり注目されている。その侵攻の間に香港の行政長官選挙の立候補受付が締め切られ、ただ一人立候補を表明していた強硬派の李家超氏の長官就任が確定した。民主派の追い落としを企んでいる本家中国としては、すでに立候補に民主派が出来ない厳しい条件を付けており、選挙以前から民主派を排除している。この時点で選挙は名ばかりのものとなっている。李氏は警察出身で、これまでの香港民主化運動の弾圧をリードしてきた治安機関のトップで、習近平総書記の覚えも目出度い。これにより、香港の民主化の希望は消え失せ、中国大陸と同じ政治及び社会体制が徐々に浸透していく。中国政府は、新疆ウイグル自治区、チベットに続き、今また香港も非民主的隷属地区へ貶めようとしている。

 1997年の香港返還以来、中国政府が香港市民に約束していた「一国二制度」は、完全に骨抜きにされてしまった。この事実を知ると新たに台湾問題が気がかりである。台湾の独立を中国政府は、「台湾は中国領土の一部」と主張しており、台湾についても「一国二制度」を認める筈がなく、今後台湾としてはアメリカの支援を得ながら、中国併合からガードして、中国が認めない存在になる立場を貫くのではないかと思う。心配なのは、中国と台湾との間にトラブルが生じれば、間違いなくその影響は日本の平和にも及んでくることである。

2022年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5350.2022年4月14日(木) 韓国国会議員の対応に失望の声

 昨日までの真夏日、夏日から一転して今日は真冬並みの寒さとなった。東京都内では午后3時に11.7℃を記録し2月下旬並みの陽気だった。雨も降り庭木にも良いが、苔に艶が出て来ることを期待したい。

 さて、いつものことながらウクライナ情勢について、理解し難い情報も入って来る。侵攻を続けているロシア国内では、プーチン大統領の支持率がかなり上がって83%だというが、ウクライナの戦況を正しく把握出来ていない国民と、作為的な術を使うロシア政府の欺瞞的なやり方から見て、この高い支持率はとても信用出来ない。

 更にこの数日ロシア正教会のキリル主教とプーチン大統領との密接な関係が伝えられている。政教分離であるべき宗教活動が、まったく正反対でキリル主教はプーチンのお蔭で現職に就いたとされ、大統領の行動を全面的に支持している。しかもジェノサイドを冒したとも言われるロシア軍に反対もしないというのは、宗派の指導者としてはとても考えられない。一部には、主教に反対してその元を去った宗教家がかなりいるという。

 一方、ウクライナについては、このほど韓国国会で行われたゼレンスキー大統領のリモート演説に対して、300名の国会議員のうち出席した議員がほぼ50名で2割にも満たない出席率だった。何とも寂しい結果だった。日米の国会議員に対して行われた同じ国会演説では、ほぼ全議員が出席したのに比べて、あまりにも少ない出席者である。また、演説会場では、ゼレンスキー大統領がすでに演説準備OKにも拘らず、韓国議員が後から後から挨拶を続けて、大統領はずっと所在なさそうに待ちぼうけを食っていたそうだ。ウクライナの苦悩を承知している筈の国会議員の行動としては首を傾げたくなる対応である。

 その演説でゼレンスキー大統領は、韓国が朝鮮戦争を経験したことについて同情的に言及した。ウクライナには兵器が必要なので韓国の持っている兵器を支援してくれれば有難いとお願いした。韓国側の支援策は分かっていないが、この日の韓国議員の対応には、流石に韓国メディアからも「誠意がない」とか、「恥ずかしい」と厳しい声が上がっている。

 ついては、ネットで知ったことだが、日本でロシアに対するこんな珍しい一件があった。JR山手線・恵比寿駅西口改札口上に東京メトロ日比谷線の案内板が掲示されている。そこへ昨年のオリンピック、パラリンピック開催前に日本語、英語、韓国語に加えてロシア語の行き先表示アクリル板看板が掲げられた。ところが、今月7日にそのロシア語看板にカバーが被せられ、ロシア語文字が隠れてしまったという。いろいろ理由があったようだが、昨今のウクライナ情勢に利用客から「不快だ」と撤去するよう求められ、それにJRが応じたという。こんな市民生活の中にもウクライナ侵攻のロシアに対する不満と拒絶反応が表れたということだろう。

2022年4月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5349.2022年4月13日(水) 1㌦=126円台、20年ぶりの円安昂進

 このところ物価上昇が目立つようになった。日本銀行が昨日発表した2015年を100とする、国内企業物価指数の3月は112で、第2次石油危機の影響があった1982年12月以来、39年3か月ぶりの高水準になった。3月の価格水準は前年同月より9.5%も上昇し、今年2月の過去最大だった9.7%に匹敵する上昇率だった。それは新型コロナウィルスやウクライナ情勢の悪化による資源高や円安が主な原因である。

 アメリカでは3月の消費者物価が昨年より8.5%も上昇し、約40年ぶりの高水準になったという。この急激な物価上昇を抑えるため、3年ぶりに0.25%の利上げを決定した。しかもこのインフレ傾向が収まらない場合には、更に0.50%の追加利上げも検討するという。

 一方、日本の金融関係者は諸物価が値上げされている現状をどう考えているのか、アメリカとは逆に日銀では長期金利の上限を0.25%に抑え込む方針を維持しており、日米間の金利差が拡大した。その結果、円安相場が進み、昨日は6年ぶりの高水準である1㌦=125円台に達したが、今日は一層円安が進み凡そ20年ぶりに1㌦=126円台となった。何と先月半ばまで1㌦=115円台で推移していたものが、この1か月間に10円余も円安が進行してしまったのである。これにはウクライナ情勢によって制裁対象国ロシアから石油、天然ガス等が輸入出来なくなったことが大分影響しているが、今後この円安状態が続くとすれば、輸出にも大きな打撃となり、更なる物価上昇を招くことになる。
 ところが、最近下落傾向にあった株価が、円安と引き換えに東京株式市場では反転して一気に値上がりした。日経平均株価の今日の終値は、昨日より508円も値上がりした。

 ウクライナ侵攻については、アメリカのバイデン大統領がロシアの行為をこれまで戦争犯罪と非難していただけだったが、昨日になり我慢しきれなくなったのか、遂にロシアの行為はジェノサイド(集団殺害)であると一歩踏み込んで非難した。この日ウクライナ東部のマリウポリでは知事が、死者の数は2万人を超えたと発表した。

 また、コロナについては、感染者が世界で5億人を超えたと昨日ジョンズ・ホプキンス大学が公表した。今年1月に3億人、2月に4億人を超えたが、相変わらず新規感染者は、増え続けている。これでは、物価の上昇も止まらず、円安も益々進むことだろう。国民はだんだん厳しい生活を強いられるようになるだろう。

2022年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5348.2022年4月12日(火) 想い出のシベリア鉄道がデフォルトに

 ロシアのウクライナ侵攻を機に、世界各国からロシアへの非難が集中し、ロシアに対する経済制裁が極めて深刻なものとなり、徐々にロシア経済を苦しめている。

 そして遂にその第1弾がロシアを襲った。ロシア国営鉄道会社「ロシア鉄道」が、外貨建て債務の利払いができず、デフォルト(債務不履行)との認定を受けたことがわかった。ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシア企業のデフォルト認定は、これが初めてである。ロシア鉄道と言えば、当然最大の売り物である「シベリア鉄道」を経営している。そのシベリア鉄道もデフォルトの影響を受けることになる。ウラジオストックから首都モスクワまで9,300㎞、時差が7時間もある長い区間を7泊8日もかけて走行する。私が乗車したのは、もう20年も昔の3月初旬で都市はもちろん、車窓から眺める森林風景はどこも夢幻的な銀世界だった。雪の季節に訪れた理由のひとつは、トルストイの「復活」に惹かれていたからである。ヒロイン・カチューシャが殺人犯としてシベリアへ送られ、それをネフリュードフ公爵が雪の中を追っていく方向とは逆に、私はモスクワ方面に向かった。作品のイメージはロマンに溢れておりその情景と雰囲気を現場で感じてみたかったからである。確かにコンコンと降り続く雪の中を走り抜けるのはロマンチックだった。

 今のJR各社の高級列車に比べれば、その設備等は大分見劣りする。私が乗ったのは4人1室の2等車だったが、座席だけの3等車は家族連れのロシア人でいっぱいだった。素朴で変哲もない外の景色を眺めているだけで、やや退屈だったが、満足感に浸れた。太陽が地平線に沈むシーンは何とも言えず神々しかった。

 あのシベリア鉄道は、デフォルトによってどうなるのだろう。そして沿線に住んでいるロシア人たちの生活はどんな影響を受けるのだろうか。

 ロシア鉄道は3月にスイス・フラン債権(約340億円)の利払い期限を迎えて、ルーブルで支払うつもりが、制裁により西側の金融機関が協力せず、受け取ってもらえずデフォルト(債務不履行)第1号となってしまった。ロシア鉄道はロシア政府の鉄道部局をその前身としており、隈なく路線がロシア全土を走っており、従業員の数も約77万人を数えるというからスーパーマンモス企業である。現実的に倒産となれば、彼らも路頭に迷うことになる。

 それにしても今ではロシアへの旅行はもちろん、海外旅行も思うように出来なくなってしまった。ロシアへの旅行はしばらく無理だろう。ロシアのような広大な国は、現地を訪れてみなければ、その実態は分からない。その点で、武者修行でシベリア鉄道に乗ったことや、30年前にシベリアの戦没者遺骨収集の調査で、つい最近ウクライナ避難民がロシア軍によって連行、移住させられたとの噂も出たサハリン方面へ旅することが出来たことなどは、今思えば貴重な価値のある旅だった。

 ロシアが強気一辺倒でこのまま突き進むのか、或いは自己反省して制裁から解放されロシア鉄道のデフォルトも解除されてロシア社会も安定状態を取り戻せるのか、プーチン大統領にとっても正念場である。

2022年4月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com