5397.2022年5月31日(火) 5月最後の日にうぐいすの啼き声

 今朝食事をしていた時、驚いたことにわが庭へ鶯が飛んで来ていきなり大きな声で「ホーホケキョ」と啼いた。今年は梅の花が咲いた2月の最盛期にも鶯は我が家へ立ち寄らず啼いてくれないと今年は諦めていたところへシーズン外れの5月末になって突然大きな声でさえずってくれた。他にも別の「ホーホケキョ」が聴こえた。更にミソサザイの鳴き声まで聞こえてきた。間もなく飛び去ってしまったが、今年は鶯の声が聞かれないと思っていただけに、鶯の啼き声が聞かれないオフシーズンになって「ホーホケキョ」に一瞬癒された気になった。

 昨日のブログに戦没者遺骨収集団のことを書いたところ、今朝の新聞に、今年はロシアのウクライナ侵攻もあり、シベリアの元日本兵の遺骨収集の見通しが暗いとの記事があった。

 実は昨日千鳥ヶ淵の戦没者墓苑で、身元が明らかにならない戦没者の遺骨を納める拝礼式が秋篠宮ご夫妻ご出席の下に行われた。私も1度だけ旧厚生省課長からこの拝礼式に出席するよう話があり、出席したことがある。拝礼式が行われたのは、コロナ禍の影響により実に3年ぶりのことである。

 毎年自然の風化もあり戦跡地でも遺骨取集は難しくなっている。太平洋戦争下に海外で尊い命を落とされた日本人兵を含む日本人の数は、約240万人になるが、その内半数近い約112万柱が戦没地に取り残されたままである。前記の通りロシア国内での遺骨収集が難しくなったが、旧ソ連では約5万4千人の戦没者がいて、その内約3万2千柱の遺骨が未だ収集されていない。1992年にシベリアとサハリンへ調査に出かけた時、ロシアでは比較的日本人墓地が整備されているとの印象を抱いた。ただ、それは遺骨が発見されたからそのように埋葬されたのであり、山野に放置された遺骨はそれこそそのまま晒されて自然になくなってしまったのかも知れない。

 2年間中止していた他の戦地の遺骨収集事業も、今年は中部太平洋地域については復活したようだ。まだまだ多くの英霊が戦地で眠っている。コロナ禍が収束したら1人でも多く、1日でも早く母国へ亡骸を帰還さ、懇ろに葬ってあげたいものである。

 さて、未だに燻っている安倍晋三元首相後援会が開いた「桜を見る会」の会計処理がまたキナ臭くなってきた。夕食会は2013~19年に開かれたが、世間で問題になってからコロナ禍もあって会は中止なっている。しかし、ホテルで開かれたその後の夕食会に参加した後援会有権者に対して後援会が補助金を出したことが問題になウヤムヤに決着をつけたが、政治資金規制法違反に問われて秘書が罰金刑に問われた。それでも安倍氏にはまったく傷がつかない。それが、ここへ来て2016~19年に夕食会参加者に参加費補填の他に、酒類を提供していたことが新たに判明した。しかもそれらの酒は、サントリー㈱が無償提供していたことが分った。安倍氏関連団体の収支報告書にはいつも通り寄付の記載はない。関連団体は安倍氏の後援会にあたり違法な寄付に該当する可能性がある。公職選挙法違反に当たる会費の補填、酒類の提供隠蔽など、これからひと悶着あるだろう。

 それにしても安倍氏は首相を辞めても、麻生太郎氏の財政健全化に対して、積極財政や軍備拡張を訴えるなど今も政界に隠然たる力を発揮するとは、何と世の中、世の人びとを騙す名人であることか。これこそ稀代の世襲政治家として身に着けた特技と言えよう。

2022年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5396.2022年5月30日(月) 戦没者遺骨収集の印象的な場面

 最近本ブログに50年前の1972年の話題を取り上げたが、中でも沖縄日本本土復帰や、パレスチナ解放戦線と日本赤軍によるイスラエル・テルアビブ空港銃乱射事件などが注目を集めた事件である。そこへ数日前の朝刊記事の片隅にグアム島で戦後長らくジャングル内に潜伏して発見された元日本兵の故横井庄一さんの未亡人が、一昨日亡くなられたとの訃報が載っていた。横井夫妻にお会いしたことはなかったが、横井さんがグアム島の洞窟から出て保護された1972年当時、毎年旧厚生省主宰の中部太平洋における太平洋戦争戦没者遺骨収集派遣団派遣に関わり同島を訪れた。旧厚生省の担当課長らから横井さんや、小野田寛郎さんのプライベートな話、また横井さんが夫人と結婚するに至った経緯や裏話をよく聞かされたものである。夫妻が結ばれた蔭にはいくつも意外なエピソードがあったようだった。あれからもう半世紀が経過した。そこにはいろいろな思い出がある。

 当時はまだ、中部太平洋諸島、特にトラック諸島(現チューク諸島)やパラオ諸島はアメリカの信託統治領だった。サイパン島には、そのアメリカ信託統治領高等弁務官事務所があり、遺骨収集団がお世話になっていたこともあり、厚生省が高等弁務官ご夫妻を日本に招待したことがあった。私はその世話役を任され、都内の観光案内から箱根へ1泊2日の旅行まで行動をともにしたことがある。

 また、パラオ諸島の調査で、激戦地だったペリリュー島から同じく戦火に晒されたアンガウル島へ島の案内人と2人で小さなエンジン付きボートで向かった。だが、その途中で海が荒れ出し飛沫を全身に被り、ボートが上下に大きく揺れて前方が見えないほどだった。アンガウル島の突端には、連絡しておいたエンドー村長が出迎えてくれていたが、村長から海がこれから荒れそうだから、直ぐ引き返した方が安全だとアドバイスされ、アンガウル島へは上陸せず暴風の中を命からがらペリリュー島へ舞い戻ったことがある。

 他にも中部太平洋から更に南下して、ソロモン諸島の調査に出かけたことがある。激戦の島・ニューギニアや、ガダルカナル島、ブーゲンビル島、さらにニューブリテン島のラバウルを訪れ、ラバウルでは海中に素潜りして海底に沈む旧日本海軍艇の中に潜り込んだこともある。

 特に印象に残っているひとつは、ラバウルの食堂でひとり夕食を食べていたところへ突然数人の日本人がドカドカと入ってきて全員が野菜類をムシャムシャ食べ始めたことである。その食べ方が妙に気になり、どうして野菜ばかり食べているのか尋ねてみたら、日本から遠洋航海に出て3か月以上生野菜を全く食べてないので、生ものに飢えているのだと言った。彼らは、私の皿の上にある刺身を見て、魚なら船に来れば丸ごと1匹あげるよとまで言われた。偶々遠洋航海中にラバウルへ寄港した漁船員たちだったのである。青物を長い間食べないと我慢出来ないのだということを思い知ったことである。

 もうひとつ印象的だったのは、遺骨収集団最後の日に収集した戦没者の遺骨を全部積み上げて焼骨したが、木材に火を点け遺骨が焼け落ちると煙の周囲をどこからともなくやって来た蝶々が再び空へ飛び立っていくシーンだった。それを見たあるご遺族の方が、「アッ! お父さんが空へ飛んで行った」と涙を流しながら叫んだ光景が忘れられず、心に残っている。

 あれもこれも今や懐かしい想い出となった。

2022年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5395.2022年5月29日(日) 国会議員の半数を削減せよ!

 最近細田博之・衆議院議長の周辺が騒がしい。特に国権の最高権力者としての人格や、その資質に問題ありとされるようなセクハラ事件の如きは、週刊文春に2週に亘って取り上げられ、議長も裁判に事実無根だと訴えるという怪しい雲行きである。その他に、議長が国民から疑問を寄せられたのは、国会議員の特別待遇費とも言うべき毎月百万円支給の「調査研究広報滞在費」(略:文通費)について、議長になっても毎月たった百万円にしかならないと不満をぶちまける有様で、一般国民を馬鹿にしたような発言をしたことである。それでも議長職を辞めることはないし、自民党内からも辞任の声は出てこない。国会の機能不全を象徴している。

 間もなく国会は閉会となる。その後は次回開会までお休みとなり、その間毎月このいわくつきの文通費を黙って受け取ることが出来て、使い道の報告や領収書の呈示も必要とされない。こんな実情だから国会議員は甘えて、法ぎりぎりに許される範囲で私利私欲を満喫するのだ。しかも一切税金はかからない。

 そもそも国会議員には当然給料に該当する歳費というものが支給される。毎月129万4千円である。この歳費に上乗せして文通費が支払われるのだ。これも一時は、1日だけ議員でいただけでも月額支払われることに疑問が呈せられ、現実にそんなケースが発生し問題になり、その点は、日割りで月額払いという形に改定されたが、支払いに伴う報告や、領収書の提出、残金の返金などは結局手が付けられないままウヤムヤになってしまった。

 この一件だけでは、国会議員の狡さと欲深さはとても言いきれない。彼らは、金儲けのために政治家になったのであり、はっきり言って国民のために尽くすというような殊勝な志があるわけではない。だから一旦甘い汁を吸ったら、国会議員のポストを絶対他人に渡す気持ちがない。それが、世襲政治家が蔓延る最大の原因でもある。

 因みに、国会議員の文通費とサラリーマンとの公金扱いについて比較するなら、議員は前記の通り領収書提出、残金の返却、出張報告はすべて不要であり、一方サラリーマンはすべて必要である。このように国会議員を甘やかすから、彼らは仕事をしようとしないのだ。まるで世間知らずのお坊ちゃまと同じなのだ。国会議員の数も現状はあまりにも多過ぎる。アメリカの上下院議員数は、533人であるのに対して、日本の国会議員は衆参合わせて707人もいる。10増10減などと言わずに、全国会議員数の半減を求めたい。

 さて、今日は全国的に暑い1日となった。最高気温は北関東の高崎市と佐野市の35.2℃だった。都内でも31.2℃を記録して今年最初の真夏日となった。外気が生ぬるく、ガラス戸を開けていて吹き込んでくる風も生暖かい。これから夏に向かうにつれ徐々に暑さが増してくると思うと些かうんざりである。この暑い中で各種の屋外スポーツが活発に行われ、大勢の観客を沸かせていたようだが、要注意!熱中症!

2022年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5394.2022年5月28日(土) 原爆平和式典にロシアは招かず

 今年8月に被爆77年を迎える広島市と長崎市は、例年通り犠牲者を慰霊して平和式典を開催する予定であるが、両市とも今年はいつもと異なり、ウクライナへ侵攻したロシア、及びそれを支援したベラルーシを招待しないことに決定した。被爆の日に平和を祈念するための記念式典であるために、従来通り世界中の国々を招いた方が理に適うとは言え、軍事力で強引に他国へ侵攻し、今も戦争が続いて多くの犠牲者を生んでいる実態を考えると侵攻国とその支援国を式典に招待するのは、憚られるところでもあろう。

 実際広島、長崎両市とも内部に賛否の声があったようで、悩みに悩んだ末の苦渋の結論となった。広島市は政府にも相談したようで、外務省からは招待すれば誤解されかねないとして一貫して見送ることを要請されたという。この決定に対してロシアのガルージン駐日大使は、恥ずべき措置であり、平和式典の主催者は「拒絶」を選んだと強く非難した。被爆者代表者の中でも意見は分裂しているようで、国際政治学者の間でも意見は割れている。

 ただ、一般論としては、平和の式典であり、多くの人びとから慰霊の気持ちを捧げて欲しいというところだが、招待すればウクライナ侵略を平和のためと強弁するロシアに政治利用される恐れがあるとの懸念があるのも事実である。

 ともかく今年はロシアを招待しないことに決定した。来年以降どうなるかはウクライナ情勢の推移もあるだろうし、ロシアの対応もあるだろうから、しっかり見定めて対応することしかないだろう。

 さて、実戦で、またテレビでさえも暫く見たことがなかった東京六大学野球春季リーグ戦の早慶戦を久しぶりにTV観戦した。すでに明治の優勝が決まっており、早稲田は5位が確定、慶應は勝ち点を上げれば2位、勝ち点を落せば4位となる。今では学生野球がCM付の民間テレビで放映されるのも珍しい。早慶戦だからこそであろう。結局今日の1回戦は7x-2で慶應が勝った。これで明日勝てば、明治に次いで今季は2位になる。

 早慶戦と言えば、想い出すのは何といっても一世を風靡した早慶6連戦である。60年安保闘争が終わった年の1960年の秋季リーグ戦で、慶應は早稲田に勝てばすんなり完全優勝だったが、リーグ戦で1勝2敗で勝ち点を取れず、勝率も早稲田と同率となり、早稲田と優勝決定戦が決まり、第1戦、第2戦とも同点引き分けの末、第3戦に持ち込まれ3-0で早稲田が勝ち、慶應は戦前優位だった優勝を逸した悔しい早慶6連戦となった。慶應には湘南高の投手で同級生だった村木博くんが一塁手で6番を打っていた。私は全6試合を連日山仲間たちと外野席で観戦、応援したが及ばなかった。慶應OBと野球の話になると必ずこの話題になる。62年前のノスタルジアである。

 それにしても今日気づいたのだが、早稲田の応援団長は男子学生だったが、慶應の応援団長が男子用詰襟服を着た女子学生だったのには驚いた。60年以上も経つとここまで変わるとは、世の中の変転は目まぐるしい。これではのんびりしてもいられない。

2022年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5393.2022年5月27日(金) 人間はどうしてすぐ戦いを始めるのか。

 一昨日北朝鮮がミサイルを発射したことに対して国連安全保障理事会が、北朝鮮に対する石油製製品年間輸出上限の削減や、たばこの輸出禁止などの制裁強化決議案を提案し15理事国の内、13カ国が賛成したが、常任理事国であるロシアと中国が拒否権を行使して否決された。2006年以来実に10回に亘って北朝鮮への制裁決議案が提案されたが、その時ロ中両国は拒否権を発動しなかった。ロ中にとってこれが初めての否決権の行使である。恐らくロシアと中国も対北朝鮮対策で苦渋の選択をしたのではないか。直ちに日米韓の国連大使は、これは北朝鮮の更なる挑発行為を助長するものだとして、ロシアと中国の対応を厳しく非難した。

 実は、このところウクライナ問題などでロシアのウクライナ侵攻に対するロシアの非人道的行為とそれを支援する中国の拒否権行使により、国連の機能が低下、或いは機能不全が懸念され、国連改革が叫ばれている。先月には国連総会で拒否権を発動した常任理事国に、国連での説明を求める決議を採択しており、今後10日位内にロシアと中国は、北朝鮮制裁に拒否権を行使した理由を説明する責任がある。ただ、これにはまだ甘い抜け道があるようで、説明が任意であるという点だ。この辺りの国連の緩い改革が毅然としなければ、いつまで経っても改革は程遠いと言っておきたい。

 さて、沖縄が日本へ復帰してから早や50周年を迎えて過日祝典が行われたことは記憶に新しいが、50年前と言えば、他に想い出すのもぞっとする生々しい事件があった。それは50年前の1972年5月30日にイスラエルの首都テルアビブ空港でパレスチナ解放人民戦線(PFLP)が、銃乱射事件を引き起こしたことである。しかもその中に日本人3人も加わって、その内ひとりはその場で殺害され、もうひとりは自爆死した。たが、3人目の岡本公三だけは逃れていたが、5年後にレバノンで仲間4人とともに身柄拘束され、その4人は日本に送還されて逮捕されたが、岡本だけは政治亡命が認められ、今も同地で暮らしている。殺害されたひとり、日本赤軍の幹部だった奥平剛士と一時結婚して、自身も最高幹部だった日本の魔女、こと重信房子が、1974年オランダ・ハーグで発生した日本赤軍フランス大使館立て籠もり・人質事件の容疑で拘束され収監されていたが、明日20年間の刑期を終えて出獄するとのニュースが伝えられたが、警視庁は今後も重信の監視を続けるという。

 1970年代と言えば、70年安保闘争の後で、まだ日本には社会的不安と経済的不安がいっぱいだった。私にとっては、新しい海外企画の話がいくつかあり、海外へしばしば出かけていた時代だった。その海外でテルアビブ空港乱射事件を耳にして、驚いたものである。あれから実に半世紀が経過したと思うと感慨も一入である。

 1975年には漸くベトナム戦争が終わり、あれから社会は発展し世の中は落ち着いてきたように思えたが、その安心感も束の間今やウクライナ情勢次第では、核が使用され、第3次世界大戦勃発の可能性さえある。

 つくづく人間社会は人間同士の戦いの歴史だったと思わせられる。それは好むと好まざるに拘わらず、いつの間にか身の回りに押し寄せてくるものである。戦争を呼び込むような軍事費の大幅増加を黙って見ていられるご仁は、よほど戦争が好みなのだろう。

2022年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5392.2022年5月26日(木) 銃乱射社会から抜け出せないアメリカ

 昨日アメリカ・テキサス州の小学校で、18歳になったばかりの地元の高校生が銃を持ち込んで乱射して生徒19人を含む21人を殺害した。アメリカ社会の最大の闇であり、悩みでもある銃乱射事件がまた発生したのだ。

 日韓訪問から帰国したばかりのバイデン大統領は、衝撃を受け「いったいいつになったら我々は、銃ロビーに立ち向かうのか」と嘆き、「こんな乱射事件は世界のほかの場所ではない」と落胆したスピーチを行った。実際アメリカでは銃乱射事件が当たり前となり、昨年だけでも26件も発生した。大統領が述べたように、これほど乱暴な世界はアメリカ以外にはない。事件の原因は、誰もが承知しているが、成人になれば簡単に銃を手に出来ることが最大の原因である。この銃の自由販売を禁止する以外に事件の再発を防ぐことは出来ないと思う。いずこの国でも、銃所持には厳しい規制がある。ところが、アメリカだけは西部開拓時代からの伝統があり、自分の身を護るのは自分だとの信念がある。しかし、この現代社会で警察機構も整備された時代にあって、今以て銃で自分の身を護ることを信念としているのは、時代錯誤ではないか。結果的に自分の身を自ら守れず、他人から殺害されるという悲劇に遭遇している。

 そんな自らの身を自ら護るとの一見潔さが、社会に殺人事件を蔓延らせて危険な世相を招来しているのは、国家にとってもマイナスではないだろうか。

 実は、法律による銃規制が一向に進められない大きな原因は、我利我欲の政治家たちの銃規制に対する後ろ向きの姿勢が強いからである。彼らは、銃砲製造会社から政治資金を恵んでもらい銃の法制化を防止しているのだ。過去においても同じような銃乱射事件が起きる都度、法制化の声が上がるが、これを抑圧するのが銃社会をバックに政界へ乗り出した私欲たっぷりの政治家たちである。

 実際この度のテキサス州小学校の事件では、共和党のアボット州知事は早速記者会見したが、法規制についてはまったく言及しなかった。一般的に共和党議員の間に銃規制に後ろ向きの議員が多い。

 しかし、このまま放っておいて良いものだろうか。もっと自浄作用が働いても良さそうなものだ。今やアメリカ国民の人口より、銃の数の方が多いという実情がある。

 民主党のバイデン大統領は、法規制を匂わせる発言をしているが、果たしてどこまでアメリカ世論を巻き込み、悪の根源を断ち切る行動を起こし、広げていくことが出来るだろうか。いつまでもこの悪循環を絶てなければ、21世紀アメリカ社会はヒトゴロシが自由奔放に暴れ回った無軌道社会だったと後世の人たちから笑い者になるだろう。

2022年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5391.2022年5月25日(水) 旅行・観光産業競争力、日本が世界一

 昨日スイス・タボスの世界経済フォーラムが発表した2021年旅行・観光競争力ランキングで、日本はこの調査が始まった2007年以来初めて1位にランクされた。2年前の前回は第4位で毎回向上していたが、遂に世界で1番とは長年業界に携わりアウトバウンド、インバウンドに努めた私自身の経験からも嬉しくもあり、誇らしくも思う。
 2位はアメリカ、3位はスペイン、以下フランス、ドイツ、スイス、オーストラリア、イギリス、シンガポール、イタリアがトップ10だった。いずれの国も観光大国と呼べる国々である。

 日本がこの栄誉ある地位を占められたのは、交通インフラの利便性、自然や文化の豊かさ、治安の良さなどが評価された。

 現在コロナ禍のために外国人の入国が制限され、日本人の出国者も極度に減少しているが、日本の観光業が高く評価され1位になれたのは、ほとんど国家の恩恵にほ与っていないことが他の産業とは大きく異なる。ほぼ観光業界の自助努力によって今日の地位を築いたと言っても過言ではない。海外旅行は外貨の浪費であるなどと意図的に侮辱的な発言を繰り返し、旅行に持ち出せる外貨額に度々縛りを課した意地の悪い当時の行政には、今でも腹が立つ。近年外国人入国者が増えるにつれ、インバウンド業収入により観光部門の収益が、国家収入の増大に大きく貢献するに至ったが、これは観光業界が1964年日本人の海外旅行が自由化されてから長年に亘り、外貨の持ち出しにより観光収入の赤字が国家財政を悪化させているとして、国は観光業界を厳しく締め付けていた厳しい歴史がある。それでも観光業界の永続的で苦しい営業努力を続けた結果、アウトバウンドと一帯化したインバウンドを成長させることにより、旅行者の出入が増えたことで今日の評価を得られたと言える。ただ、残念なのは、この朗報がNHKは大々的に報道しつつも、共同通信社がニュースを流したが、各新聞はほとんど取り上げなかったことである。

 そういう経緯を考えても今更国土交通省や、観光庁に観光業が国家の財政を支える一翼を担うようになったなどと得意面をしてもらいたくないというのが、観光業発展の蔭の存在として奉仕してきた一旅行マンとしての気持ちである。

 さて、昨日日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国(クアッド)首脳会議を終えて昨夜3人の外国人首脳は日本を去ったが、バイデン大統領がワシントンD.C.へ到着と同時に、北朝鮮が3発のミサイルを発射した。かねがねクアッドの間に発射するのではないかと噂されていたが、3首脳が離日した時を狙って発射したというのは、日本だけに嫌味を与える目的のようにも思える。

 会議中には、クアッドでも批判の的となったロシアによるウクライナ侵攻に懸念を表明したが、ロシアは中国とともにけん制するかのように、それぞれ爆撃機2機をアジア太平洋地域の哨戒を目的に共同演習を実施したと両国国防省が発表した。

 今ではロシア、中国、北朝鮮の3カ国は国際社会にとって嫌がらせばかり行う厄介者となった。友好関係を取り戻すのは、当分無理だろう。

2022年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5390.2022年5月24日(火) ロシアにプーチン大統領の後継者?

 セルビアに住んでいる友人、山崎洋氏とこのところ頻繁にメールでやり取りしている。そこへ昨日彼がGoogleのメルマガ「オルタ広場」に投稿した論文「セルビアから見たウクライナ戦争」について知らせてくれた。早速読んでみた。旧ユーゴスラビアの解体や、コソボ独立に際してベオグラードでNATO軍の激しい空襲に遭い危機一髪の体験があるだけに説得力充分である。
 かなりのボリュームであるが、現地にいてこそ身体で感じる臨場感が滲み出ていると思う。親しい友人らにも論文をコピーしてメールで送ったところ、賛否両論の反響がかなりあった。

 ついては、ウクライナ情勢が一向に好転しないまま事態はどちらに優位に動いているのか、情報の受け止め方によっては、一進一退のように見える。プーチン大統領はウクライナ東部地区とクリミア半島を支配下に収めることが停戦の最低条件だと主張している一方で、今日ウクライナのゼレンスキー大統領は、NHKの取材に対して占領された領土を奪還しない限り、停戦には応じないと語った。これでは当分停戦の可能性はないと悲観的に考えてしまう。プーチンにとっては、始めた戦争を自ら終えるという気持ちは毛頭ない。最近では国内からも反戦の声が上がり出し、イラついているように思える。こうなると停戦への動き次第で、自らの運命にも終止符を討つ可能性もあるのではないか。そこで関係のありそうなニュースをネットで拾ってみた。

 そこに現在69歳のプーチンに重病説があり、その後継者がいるとの情報があった。その後継者として俄然浮かび上がってきたのが、プーチンお気に入れで大統領府局長を務めているドミトリー・コバリョフという、まだ36歳の身体が大きく頑丈そうな若者だという。注目されるようになったのは、先月行われた第二次大戦対独戦勝記念軍事パレードの際、プーチンに顔を近づけ長い間話し込んでいて、余ほど親しい人物でなければこういう場面は見られないという。父親は財閥オルガルヒの幹部で、他にも大統領側近とも親しいパイプを持っていて、プーチンの覚えも極めて良い。

 現在の健康状態ではこのまま長く現職に留まってはいられないプーチン大統領にとっては、来る6月12日のロシア建国の日を区切りにコバリョフ氏を後継者である大統領代行に指名するのではないかと蔭で噂があるようだ。ロシアの最高権力者が選挙で選ばれるのではなく、トップの指名で決まるというのは、いかにも秘密主義的で非民主主義的である。実際プーチンにしても、病気勝ちだったエルツィン前大統領から大統領代行に指名され、今日権力者の地位に就いた。これではいつまで経ってもロシアは民主主義国家にはなり得ない。

 特に、恐れられているのは、コバリョフ氏がプーチン氏にひけを取らぬほど血気盛んで強硬派で、後継者になれば、現在のプーチン体制に勝るとも劣らぬ「強いロシア」を目指して強硬姿勢に乗り出してくるのではないかと懸念されていることである。プーチンでは、世界に平和をもたらさず、さりとて後継者に若手のコバリョフ氏が指名されるなら、更に世界平和とは一層乖離していくことだろう。ロシア人という国民はどうして国際社会から毛嫌いされる「強い国家・ロシア」を求めるのだろうか。

2022年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5389.2022年5月23日(月) 思いがけない急激な体調悪化

 このところ体調が勝れないので、先週金曜日に急に今日の予約を取り、東京医療センターリウマチ膠原病内科でいつもの担当医師に、最近の症状をA4版用紙に書き込んだ説明文を書いて手渡し相談に乗ってもらった。1週間前くらいから急にあちこちに痛みが感じられるようになったので、医師にはその点を特に強調した。昨晩は首と肩の痛みで夜中に3度ほど目覚めたほどである。

 実は、4月20日に大分良くなっているので、ステロイド系のプレドニンを止めることになった。昨年5月に同内科で初めて診断してもらって以来、プレドニン錠の服用は、糖尿病の経過を睨みながら徐々に5㎎から1㎎へ減らしてきた。とろこが、それを止めてしまってから体調全体に異変が現れ、一時は両手の腫れが左右で大分変ってしまった。そして今月11日に毎食後服用していた痛み止めのロキソニンを止めると膝の痛みも強くなった。腕と膝、肩、そして一昨日からは首の周辺部に痛みを覚え、今日は医師の診察の際は部屋によろめくように入った。流石に医師も驚いたようで、今日からプレドニン5㎎を復活させましょうと仰った。取り敢えず体調の回復を藁をも掴む気持ちでいる。

 今まで他人の身体上の痛みは、実感としてあまり理解出来ず、さほど真剣に受け取ることはなかったが、実際にこれだけ身体に不調な箇所を抱えると健康を害することは大変辛く、妻にも負担をかけるものだとつくづく感じた次第である。

 一番辛いのは、両膝で椅子から立ちあがる時や、階段の上り下りで難渋している。体重も減り、朝晩の体温が平熱よりも高い日が続いている。これからも療養に注力して1日も早く元の「元気印・コンちゃん」にカンバックしたいと願っている。

 さて、昨日来日したアメリカのバイデン大統領が今日午前中に皇居で天皇と懇談され、午後には迎賓館で日米首脳会談を行い、共同声明を発表した。両首脳は、ロシアのウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがすものであり、一方的な現状変更の試みは絶対認められないとの認識のうえに、日米両国で国際社会をリードして行きたいと述べ、日米の安全保障、経済での連携を確認した。東シナ海、南シナ海で国際条約を無視して海洋進出を図る中国に対する強いけん制もある。バイデン氏は、国連改革の際には、日本が国連安保理事会の常任理事国への推薦を支持すると語った。この裏には、日本が防衛予算を増額し、軍事力強化に力を入れるとの発言があったことも影響していると思う。日米防衛協定が固くなればなるほど、日本が支出する防衛費は増えるばかりだろう。

 ところで、最近岸田首相が明るい表情で多忙の中で国内外を頻繁に移動し、活動している姿が見られ、政策もこれという大きな失敗もないことが、国民に評価されたのだろうか、今朝の朝日新聞に取り上げられた世論調査による岸田内閣支持率は、政権発足以来最高の59%を記録したというから驚きである。このままの任期で今夏の参議員選挙まで進めば、自民党は盤石の態勢に持ち込めるのではないだろうか。

 ひとつ懸念されるのは、非自民の野党勢力の後退が激しいことである。その隙間に右翼の「日本維新の会」が力を伸ばしてきた。「我が道を征く」の維新が、このまま伸びると、いずれ日本は憲法改正、自衛隊から軍隊へ、戦争による破滅というシナリオが幻のように浮かんでくる。考えるだけでも恐ろしい。

2022年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5388.2022年5月22日(日) 戦時下「君死にたまふことなかれ!」

 昨日の朝日朝刊「天声人語」の文脈の中には頷くこともあり、まったく知らないこともあった。日露戦争開戦直後にロシアの文豪トルストイと与謝野晶子が発表した反戦論である。いずれもイケイケ・ムードで軍国主義国家に向かいつつあった当時の国家にとっては、最も恐れている国内からの反戦の声である。トルストイには国内から非難の声が上がったようだが、現在のロシア国内にはこのような国内世論に反論するような勇気ある人がほとんど見られない。与謝野晶子は、弟が旅順に派遣されると聞き、その身を案じて「君死にたまうことなかれ」と呼び掛けた。ところが、それと同時に「すめらみことは、戦いに、おほみづからは出でまさね」と言った。天皇は戦場にはお出ましにならないではないか、と述べたことがすさまじい批判を浴びたという。恐れ多くも当時の明治天皇を批判したことによって、世論は強硬で、晶子は逆賊呼ばわりもされたという。危険思想だとして文壇からも刑罰の声が上がったというから相当刺激的だったのだろう。政府が挙国一致をあおり世論も過熱している時には、普通とてもその空気に逆らいきれるものではない。その意味では、トルストイも与謝野晶子も突き詰めた平和主義者である。因みにトルストイが英字紙に寄せた反戦論とは、「戦争が始まった。海で陸で野獣のように殺し合う。安全な場所にいる者が他人をそそのかして戦わせる」ということである。今のウクライナ戦争に例えれば、「安全な場所にいる者」こそ、まぎれもなくプーチン大統領である。

 さて、今日韓国からアメリカのバイデン大統領が横田米軍基地に到着した。明日23日大統領は午前中皇居で天皇陛下とお会いになって、午後岸田首相と日米首脳会談を行う。中国の東アジアにおける脅威が高まっている中で、対中国、対北朝鮮政策を韓国の尹大統領と話し合って、バイデン大統領から日米韓3国が力を合わせなければならない時に、日韓両国の関係が友好的でないことに憂慮を示され、日本とも話し合うよう要望されたようだ。バイデン大統領は岸田首相との会談でも、韓国と緊密な連携を保てるよう緊密な日韓関係を構築するよう要請がある筈である。そのうえで、24日にオーストラリアとインドの首脳を交えて、4カ国(クアッド)首脳会議を開催する予定である。

 23日夕べに目黒の八芳園の老舗料亭で、首相夫人が抹茶を振舞うなど歓迎の夕食会を行う。

 ところが、選りによって昨日オーストラリアで行われた総選挙の投開票が行われた結果、モリソン首相が率いる与党連合が、アルバニージ党首が率いる労働党に敗れ、9年ぶりに政権交代することになった。モリソン首相は4カ国(クアッド)首脳会議には出席すると言っていたが、次期首相がクアッドに出席するようだ。労働党は、外交、安全保障ではモリソン政権の政策を継続し、モリソン政権の対中強硬姿勢には同調するようだ。極端な政策転換はなさそうなので、岸田首相もホッとしていることだろう。

2022年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com