5446.2022年7月19日(火) 安倍元首相国葬と旧統一教会

 安倍晋三元首相が銃撃により殺害されてから、同情と哀悼から安倍氏に対する実績を評価する声が高まっているような気がしている。長期政権の過程で利己的な言動により、多くの反対意見を受け入れず思うがままの政治を行ってきた対価としては、買い被りの感が強い。殺害された奈良市内の現場では、昨日まで献花台が設けられていたが、連日追悼に訪れる人の列は途絶えることがなかった。自民党本部の献花台にも昨日までの5日間で1万8千人が訪れ、エマニエル米駐日大使ら百人を超える要人が記帳に訪れた。いかに生前さほどの評価をされなくとも、不幸で悲劇的な災難に遭えば、つい同情する日本人の特性であろうか。

 その安倍元首相の死に対していち早く岸田首相は、国葬で名誉を弔うことを閣議決定して公表し、その直後いずこからも強い反対意見もなく実施は既成事実化されてしまった。しばらくして安倍氏の死は国葬に値するものかと良識ある人々の間で反対の声が上がり、同時にいくらかかるのか不透明だが、国葬にかかる費用が相当な額になることなどから、野党の一部や国民の間にも反対意見が出て来た。

 それに対して、自民党茂木敏充幹事長は、今朝の記者会見で「法律上も全く問題ない。国葬は極めてふさわしい、適切なあり方だ」と述べた。その上で野党の反対は国民の認識とはかなりずれているのではないかとまで付け加えた。昨日まで3日間行われたNHK世論調査によれば、国葬に対して問題ないと応えたひとが49%だったのに対して、そぐわないと応えた人は38%だったという。国民が徐々に保守化していることのひとつの証左である。自民党議員は安倍氏の名前と実績を有利に利用して、安倍同情票を取り込もうとの腹積もりであることは明白である。次期総選挙で山口県の安倍氏の後任として、身代わりに安倍昭恵夫人を立てるようなお涙頂戴の動きも垣間見える。安倍氏への追悼は本音ではなく、ただその著名度と事件を党勢に有利に利用しようとしただけなのではないだろうか。

 国葬の他にも、安倍氏を撃った山上某容疑者が恨んだ「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)に絡んだ話題が、後から後から出ている。元首相がイベントにビデオ・メッセージを送ったことなどが、少なからず関わっていたと勘繰られている。容疑者の犯した行為は絶対許せないが、その原因となった旧統一教会こそが問題だとばかり、旧統一教会に関するあることないことが曝け出されている。元信者の赤裸々な声や、容疑者の伯父の告白、旧統一教会への献金、霊感商法、関係ある政治家、などから旧統一教会に対する批判的な声が引きも切らない。旧統一教会に対してこれまで元信者らの相談に与って来た弁護士からも、協会は事実に反する声明を出していると批判されている。テレビでもかなり取り上げられているが、いつまでもこのままの報道を続けることはそろそろ止めて、容疑者の殺人容疑の調査、追及と旧統一教会の実態解明を一旦切り離した方がスムーズに全体像が分かり易いと思う。それにしても全般的に後味の悪い嫌な事件である。

2022年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5445.2022年7月18日(月) 芥川賞5作品候補者がすべて女性とは!

 20日に今年度上半期の芥川賞と直木賞の受賞者が発表される予定である。その内公表された芥川賞5候補作品のすべてが女性作家によるものである。近年女性作家の作品が授賞するケースが目につくようになったが、すべての候補作品が女性になるのは、1935年同賞創設以来のことである。因みに直木賞もノミネートされた5作品のうち4作品が女性によるものである。

 ジェンダー問題がしきりに話題になる時代であるが、その点では文学の世界はジェンダーとは無縁と言っても好い。日本ペンクラブも島崎藤村・初代会長以来18人目の会長として、昨年初めて桐野夏生・女性会長を選出した。

 ただ、個人的な考えであるが、女性作家が女性の視点からいろいろなタイプの作品を書き、文学的価値は別にして必ずしも魅力的な作品はそれほど多いようには思えない。特に、2003年の金原ひとみ著の芥川賞受賞作「蛇にピアス」と、同時授賞の綿矢りさ著「蹴りたい背中」は、いずれも読んでいてまったく興味をそそられなかった。狭い若者の世界で男女間の異常なセックスだけに拘ったような作品で、それらを読んだ時、これが果たして文学作品に値するものかと賞選考に疑問すら覚えたものだ。爾来毎年3月号と9月号に芥川賞と直木賞受賞作品が掲載される「文藝春秋」を読む気分になれず購入しなくなった。

 人格的な問題は別にして山崎豊子、或いは瀬戸内寂聴の作品に興味深いものはある。1993年芥川賞受賞の作家多和田葉子のようにドイツを研究し、長らくドイツに居住してドイツを知り尽くしているような作家が、ドイツの平凡な日常生活について非日常的に取り上げている最近の作品も、実は筆者の意図がよく分からない。実は、彼女が今年2月から朝日新聞朝刊に連載している「白鶴亮翅(ハッカクリョウシ)」というタイトルの作品は、ドイツの自分の交遊範囲の個性的な知人と他愛ない出来事を書き連ねているだけである。後半部でドラマチックな展開があるのかも知れないが、当初はタイトルの意味も分からず、途中で読むのを止めようと思ったくらいであるが、連載4か月後になって漸く文中にタイトルの説明があった。

 中々難しい言葉だが、「白鶴亮翅」とは、「白い鶴が羽を広げる」と言う意味で、安定した「白」と「亮」は建築物のしっかりした骨組みを伝え、「鶴」と「翅」は煌びやかな装飾模様を加えているということで、豪華な邸宅の様子を表しているということを言っている。だが、ストーリーとのつながりが分らず、今日まで163回の連載を読んでいて身の回りの現実を描いているのだが、どうもピンとこない。

 現在の読者離れの傾向からすると小説は、益々面白くなくなりそうな予感がする。書籍類の販売が落ち込んでいる現実に、すでにその兆候が表れているように今後一層書籍類の販売が伸びなくなるのではないかと気にかかっている。少々子どもじみていると思っているが、学生時代に国内外ものを問わず夢中になった大河小説が、やはり興味津々で歴史的にも勉強になり、それこそがリアルに時代と文化を感じさせ書物の醍醐味を抱かせてくれるのではないかと思っている。むさぼり読んだ「戦争と平和」「静かなるドン」「復活」「モンテ・クリスト伯」「風とともに去りぬ」「三国志」や、「夜明け前」「坊ちゃん」「新平家物語」、司馬遼太郎ものなどが懐かしい。

2022年7月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5444.2022年7月17日(日) タバコの値上げと電子タバコの普及

 タバコについて門外漢からひとくさり。普段タバコを吸わないので、タバコについてはよく知らないが、諸物価が値上げされている折、そのタバコ料金も来る10月から1箱50円値上げされるという。若干愛煙家が減少していることも値上げの原因とされている。1970年には1箱100円だったそうだが、それが今秋には600円になる。半世紀の間に6倍も値上げされるということなので、愛煙家にとってはさぞや辛く厳しいことだろう。この値上げを機会に、そろそろタバコを止めれば良いのではないかと外からは思うが、魔術に捉われた愛煙家にはそう思いながらも止められないらしい。

 かつては、半官半民の日本専売公社がタバコの製造と販売権を独占していたが、今では民間企業の日本たばこ産業㈱がそれを引き継いでいる。タバコは常々百害あって一利なしと言われるくらい喫煙者の健康にとっては有害であり、健康上絶対止めるべきだと思っている。特に肺気腫を悪化させるという。その健康に良からぬ製品の製造と販売を国が行い税収を得ていたというから、そのがめつい金儲け感覚に首を傾げたくなる。更に、日本たばこは製造、販売により会社のイメージ・ダウンを避けるために、社名を通称「JT」と称して社名から「タバコ」という自社の商品名を隠している。

 愛煙家にとってその費用も馬鹿にならない。健康に悪いことを承知しているが止められず、喫い続けて仮に1日に1箱のタバコを吸えば、年間で約22万円も消費することになる。人生の50年間タバコを吸い続けていると、1千万円以上の無駄遣いをして自分の健康を害していることになる。

 ついては、タバコ料金が愛煙家の負担になることを考えたのか、最近では新型電子タバコなるものが海外で開発された。日本でも開発し始めた。因みに通常のタバコ7箱分に相当するともいわれる電子タバコが開発され発売されているようだ。従来の紙巻タバコだと1度火をつけたら最後まで喫いきらないといけないが、新種なら1口でもOKでいつでも好きな時に好きな分だけ喫えるとの謳い文句である。

 かつて毎年のように旧文部省教員海外視察団のお伴で、海外の学校など教育施設を視察していたが、教育環境の整備された地域では、ほとんどの住民がタバコを吸わないことに気付いた。特にアメリカでは、インテリ層はタバコを吸わないのが当たり前となって、それを知った喫煙家の日本の先生方は随分肩身が狭く感じ当惑していたことを思い出す。

 近年は先進国では、タバコ愛好家が減り、途上国では相変わらずどこにも愛煙家がいる。だが、先進国ぶっているロシアや中国の市街を歩けば、庶民がどれほどタバコを喫い、吸い殻をポイ捨てしているかを目にすることが出来る。例えば、ロシアのモスクワ市内の路上で厳寒期にも浮浪者や物乞いがかなり見られ、しきりに歩行者にタバコをせがんでいる。これを見ているとロシアは、ウクライナ戦争で世界の核大国だと世界に向かって自慢しているが、その底辺の生活は途上国と50歩100歩だと思わせられる。

 参考までにネットで「電子タバコ」を検索してみたところ、80種類もあることが分った。意外にももう現実にかなり愛用されているのだ。やはり「タバコ」は止められない「魔術の虜」なのだろうか。

2022年7月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5443.2022年7月16日(土) 非常識な新参議院議員とコロナ患者過去最多

 先の参議院選挙の結果、著名人が選ばれた一方で、珍しい変わり者も当選した。特に比例区のような全国区では、知名度の高い候補者は有利で、その何人かが当選の栄冠を得ている。中でも日本維新の会では、女子マラソンの松野明美、歌手中条きよし、元東京都知事猪瀬直樹、野球評論家青島健太らが選出された。れいわ新選組からはタレントの水道橋博士が当選した。

 しかし、他に何といっても驚いたのは、NHK党から当選したガーシー氏で、私も初めて知ったが、一部の人の間ではユーチューバーとして広く知られているらしい。東谷義和という本名があるらしいが、選挙公報紙には写真も経歴も掲載されず、正体がよく分からない。どうも胡散臭い人物のようだ。一番問題だと思うのは、選挙前から今日までずっとアラブ首長国連邦のドバイに居住して、当選後の今も帰国しないその行動である。そのため昨日総務省が当選者へ当選証書付与式を行ったが、本人は出席せず、代わりにN党の立花孝志党首が代理で証書を受け取った。国政選挙であるにも拘らず、名前だけ仮名で立候補して、当選後も海外に滞在して所定の行事に出席しないというのは、当人は一体何を考えているのだろうか。選挙制度ばかりでなく、有権者である国民を冒涜していると思う。

 もともとこのNHK党という政党にしても、NHK受信料を払わないよう視聴者に訴え、NHKをぶっ壊すなどと非常識で恫喝的なスローガンだけを掲げて、国会へ出て何をやろうとしているのか分からない政党である。そんな政党が比例区で125万票も獲得出来たということ自体信じられない。

 疑問を感じるのは、立候補者が国外に居住していても良いのだろうかということである。国内、しかも選挙区で有権者に所属政党の政策と自分の考えを訴えることこそ、選挙期間中の立候補者として当然の姿だと思う。しかし、理解し難いことに公職選挙法では、普通の地方議員の被選挙権については、選挙区内に3か月以上住んでいなければならないが、国政選挙の場合は居住地の規定はないという。ガーシー議員の場合は、帰国すれば詐欺容疑の疑いで警察に逮捕される可能性があるとのことで、帰国しないといういかがわしさである。そんな怪しい候補者を公認候補として推薦するN党もおかしい。国会法では、指定された期日に各議院に集会しなければならないと規定されている。だが、国会議員には、国会会期中は所属する議院の許可がなければ、原則として逮捕されない「不逮捕特権」なるものがある。ガーシー議員はこの隙間を突いて国会開催中に逮捕されないことを見越したうえで帰国し、国会に出席するのではないかと考えられている。この様子では、秋に開会される臨時国会まで図々しく諸手当をもらいながらドバイで気ままな生活を送るのだろうか。もし仮にガーシー議員が臨時国会に出席しなければ、議長が出席を促し、それでも出席しなければ懲罰委員会にかけて、出席議員の2/3以上の同意があれば国会議員の地位を失うということである。いかに非常識なガーシー議員でも、お金をかけて折角獲得した国会議員の地位を失うようなことはしないだろう。

 それにしても法律も抜け穴だらけだし、国政の場で働こうとする国会議員の中には、こうした非常識で無責任な人物もいるものだと呆れるばかりである。そもそもNHK党なんて国政政党を認めること自体が理解不能である。もう少し政治を真面目に考え、行動して欲しいものだと思う。

 さて、昨日に続いて今日も全国でコロナ新規感染者が多数発症している。2月5日に1日で過去最多の104,169人が発症したが、今日はそれを上回り全国14県で過去最多となり、全国的にも過去最多の110,432人が発症した。まったく溜息が出る。まだ終息は先の話である。

2022年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5442.2022年7月15日(金) 国内コロナ感染者は累計1千万人に

 新型コロナウィルス感染拡大は一時収束へ向かうかと期待を抱かせたが、その後リバウンド傾向を示して衰えを見せるどころか、むしろ以前より感染が急拡大している。今日は2月初め以来の10万人以上もの新規感染者が出た。感染者数の累計は、遂に1千万人に達したという。全国民の12人にひとりが感染したことになる。観光業に対する影響が大きかっただけに、国の全国旅行支援計画は延期されることになり、旅行業者や観光バス会社を落胆させている。厚労省も効果は限定的であっても、60歳以上の高齢者の4回目のワクチン接種拡大に力を入れるとしている。そんな矢先今日世田谷区から4回目のワクチン接種券が送られてきた。早速電話で26日に接種の予約を済ませた。

 今の様子からするとコロナ禍が終息するには、まだ相当の時間がかかりそうだ。わが人生も終盤になって憂鬱で不自由な空気に悩まされ、人生の一部を奪われたような寂しい心境である。

 さて、今日は日本共産党が誕生してからちょうど100年になる。日本の風土と国民性には少々馴染み難く、抵抗がある政党であるかも知れないが、日本で一番歴史がある国政政党である。最近では党勢がやや沈みがちで選挙の獲得票数や、党員数、機関紙「赤旗」発行部数の減少、などやや勢いが衰えている。過去に政権を獲得したことがないため、政権政党としての実行力に疑問を抱かされる面があるのは止むを得ないが、共産党が主張する憲法改正反対、戦争・核兵器反対、男女賃金格差是正、消費税減税などや、日ごろの活動ぶりは、他の政党が主張しているスローガンよりよほど筋が通っている。真摯に国民目線で政治を考えている真面目な政党だと思う。誤解され勝ちなのは、帝国主義、覇権主義的な国策を進めるロシアや中国が、共産主義という言葉を自己流に都合よく使用するため、両国との関係性に疑問を持たれ、日本共産党にとってマイナスになっていることである。

 日本共産党は、海洋進出を過激化させている中国共産党に対して、三行半を突き付けて今では関係を絶っている。にも拘らず、何かと身勝手な中国政府との関連を追及されるのは極めて不本意であろう。共産党という党名が良くないとの声もあり、党名を変更することを検討してみてはどうかと言われもする。この点について今朝の朝日でも「党名が党勢伸び悩みにつながっていると長年指摘されてきた」と書かれている。これに対して志位委員長は、「理想と結びついた名前で、今後100年もこの名前で戦い変更する気持ちはない」と応えている。一足飛びに政権獲得までは望んではいないが、良識ある共産党がもう少し議員数を増やして党勢を拡大すれば、日本の政治はもっと良くなるのではないかと思う。

 ところで、政治家の職場放棄と言えば、先頃国内の混乱を放ったらかしに自国スリランカから国外へ脱出したラジャパクサ大統領が話題になったばかりである。イタリアのドラギ首相が今日辞表を提出した。先日イギリスのジョンソン首相も辞表を発表した。2人の首相はラジャパクサ大統領の脱出のような行動こそ取らなかったが、飛ぶ鳥跡を濁さずとは行かず、後継者争いにひと悶着ありそうだ。イギリスでは、すでに同保守党内から8人が手を上げたが、ほとんどが現職閣僚でジョンソン首相を批判し、中には要職を辞任した候補者も何人かいる。党内で第1次、2次党首選が行われ、42歳でインド系のスナク前財務相がトップに立っている。今週中に2人の候補者に絞った末、郵送による党員投票を実施して、9月5日までに次期新党首が決まる。ウクライナの強力な支援国でもあるイギリスのリーダー選には、国際社会からも大きな注目を集めている。

2022年7月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5441.2022年7月14日(木) 今秋、安倍元首相の国葬実施

 今日は夕刻になって突然公表された政府の方針に耳を疑った。今秋安倍晋三元首相の国葬を行うとの電撃的ニュースである。別にケチをつけるわけではないが、疑問を感じる。歴代首相の中で国葬を行ったのは、過去に吉田茂首相だけである。吉田元首相は、戦後打ちひしがれた日本経済が立ち直るきっかけとなった政治を行い、同時に1952年にはサンフランシスコ平和条約を各国と協定し、戦後世界への復活を果たした功労者である。それに比べて安倍元首相は、歴代最長期間首相を務めたとは言え、決して首相としてさほどの実績を残したわけではない。むしろ政治に闇を被せた首相ではなかっただろうか。森友・加計学園問題では国有地の不法な払い下げにより、会計不明瞭で担当者に死者まで出している。

 更に「桜を見る会」の公私混同と公選法違反などと、ともども未解決のまま逃げ回っていた人物を国民が国家の令によって追悼させられるというのは、いかにも不条理で素直には納得出来ない。中曽根康弘元首相は、内閣と自民党の合同葬だった。多額な国葬の費用も国の財政から支出される。穿った見方をすれば、自民党内最大派閥会長だった安倍元首相が亡くなった機会を捉えて、安倍派議員の気持ちにつけ込んだような気がしてならない。

 さて、日本で円安が進み今日の対ドル相場は、一時1㌦=139.088円にまで値下がりした。アメリカのインフレが加速して6月の消費者物価指数が、前年同月より9.1%も上昇したことが、響いている。ヨーロッパでもユーロ圏がエネルギー高や燃料高の影響を受けて、ユーロが値下がりし、直近の対ドル相場は1㌦=137.48ユーロとなり、対ドル価値がユーロと円がほぼ同じとなってしまった。

 ウクライナ情勢にばかり目が向いているが、この間世界ではいろいろな変化が起きている。一番意外に思ったのは、スリランカの経済的混乱でラジャパクサ大統領が辞任を表明したかと思いきや、逮捕を逃れるためだろうか、無責任にも自国を放り出し国外へ脱出してしまったことである。元々軍人出身だった大統領は、反政府勢力を制圧し、元大統領の兄らとともに親族が政財官界で政治を私物化してきた。見栄えの良い「採算度外視」インフラ開発のために国際金融市場に頼り、対外債務を膨らませた。その一方で、国民のためと称して大幅な減税を行い、国家財政を大きく悪化させた。

 混乱の最大の原因は、外国からの借金を返せず、国家財政が破綻したことである。中国の一帯一路政策の片棒を担ぎ、港に巨額の投資をした結果、返済資金を返せず、中国の支援と協力で完成した近代港湾施設を99か年間、中国へ譲り渡すような稚拙な開発計画に手を出した。

 それにしても自らの汚職と失政の責任を放り出し、国外へ逃亡するとは国家の大統領としては、許せない行動である。昨年8月アフガニスタンの大統領以下の政治家が同じように国と国民を見捨てて国外へ逃亡したが、政治家のモラルもこうまで落ちるものかと呆れるばかりである。

2022年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5440.2022年7月13日(水) アフリカより男女格差の大きい日本

 アホらしいことだが、今日はびっくりした。こんなことになるとは、思いも寄らなかった。銀行で用足しをして帰宅したら、玄関の扉が開けられない。キーでロックを解くことは出来たが、キーを鍵穴から取り出せなくなってしまったのだ。ダブルロックをしているので、もう一箇所キーを使わなければ扉を開けられない。いくら手を変え品を変えても鍵穴からキーを取り出せず往生した。近くの公園の管理人さんや、知り合いの建築業者に尋ねたり、世田谷区役所に電話で問い合わせても色良い返事はなかった。そこでご近所のよしみでお隣さんの奥様にご相談したところ、以前にしばしば上野毛の鍵店の世話になったので、そこへ一緒に行きましょうと、私をお隣さんの車に乗せてくれ心当たりのその鍵店へ案内してくれた。鍵店で相談したところ取り出すコツを教えてくれ、帰宅してお隣さんのテクニックでキーを取り出すことが出来た。これまでにも使い難い点があったためキーを替えた方が良いとのアドバイスもいただいたので、この機会に新しいキーを購入することにした。

 今日教えられ、知ったことは、目標は扉を開けることだったが、もっと大事なことは近所付き合いの大切さだということをつくづく思い知らされたことである。近頃はご近所のお付き合いを敬遠する傾向があり、特に若者たちは、目の前に住んでいてもどういう人なのか知らないことが多い。その点をお隣さんも嘆いておられた。お互いに隣組で仲良くし、助け合いましょうということを力説しておられた。お世話になったが、良い教訓を授かった1日となった。

 さて、最近日本国内でも男女の差別感をなくそうとする動きが脚光を浴びている。いわゆるジェンダー・イクォリティである。このほど世界経済フォーラムが男女格差の状況をまとめた2022年版「ジェンダーギャップ報告書」を発表した。期待はしていなかったが、案の定と言うべきか、146か国中日本は116位という先進国の中では恥ずかしい地位にランクされた。こういう調査になるといつも北欧諸国が上位を占めるが、今回も13回連続で首位の座を守ったアイスランド以下、2位フィンランド、3位ノルウェー、そして5位にスウェーデンが位置している。意外なのは、6位にルワンダ、8位にナミビアのアフリカ2か国が入っていることである。日本より遥かに上位である。一般的に女性の地位が低いイスラム諸国は、押し並べて低位置にいる。とりわけ女性を戸外へ出すなとか、女性に教育を与えるなという極端な女性蔑視のタリバン政権のアフガニスタンは、最下位の146位である。アジアは総じて低く、19位にフィリピン、49位にシンガポール、53位にラオスがやや上位にランクされている程度である。韓国は99位であり、中国は102位である。

 これは国会議員に女性議員が少ないことが大きく効いている。とりわけ女性国会議員だけのジェンダーギャップ度は、日本は139位と最低に近いところにいる。果たして今後女性議員の比率を向上させていくことが出来るかどうか。それが出来なければ、日本はいつまで経ってもジェンダーギャップが大きい後進国に留まることだろう。

2022年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5439.2022年7月12日(火) 安倍元首相葬儀と新興宗教

 3日前に凶弾に倒れて亡くなった安倍晋三・元首相に、最高位の勲章である大勲位菊花章頸飾と、大勲位菊花大綬章が授与されることが決まった。戦後、大勲位菊花章頸飾を受章したのは、吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘・元首相らに続いて4人目である。

 今日安倍元首相の葬儀が、港区芝の増上寺で行われた。増上寺には午前中から献花に訪れる人の長い行列が続き、午後1時には人が溢れて一般の人びとからの献花が中止になるほどだった。増上寺から霊柩車が立ち寄ると見られた千代田区内の自民党本部、首相官邸、国会議事堂を結ぶ路上では、大勢の人びとが元首相を見送った。実際テレビで観る限りでも随分大勢の人が別れを惜しんでいる様子が見えた。

 安倍元首相の客死は誰もが予想もしなかったことであるが、テレビの評論家によるコメントの他に、一般人の安倍氏への思いや評価は、想像を遥かに超えるほど好意的なものだった。事実、殺害の現場、奈良市内の近鉄線大和西大寺駅前の現場の供花台にも長蛇の列が作られている光景を観ると、生前の安倍氏に対する印象とは随分違うものだと思う。もちろん死者に鞭打つ気はないが、一般国民は元首相に対して随分好意的だと感じている。確かに見た感じでは、お育ちの良さもあり優しそうで、温かいイメージがある。しかし、長い首相在任の割には、これという政治的に大きな実績は残していないし、アベノミクスのように自分を売り込むことに熱心だった。むしろ晩年は、森友学園、加計学園の不明瞭な資金問題や、「桜を見る会」の税金私物化などの不祥事は、安倍元首相自身に自ら実態を明らかにしようとの気持ちが見られず、不明瞭なままになってしまっている。私自身も各国首脳とのうわべの個人的友好関係は佳しとしても、安倍元首相の右翼的で、やや強引な政治力には不満を感じていた。

 ついては、安倍氏を殺害した容疑者は、母親が宗教法人・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入れあげて家計が崩壊して破産宣告を受けたことで、その宗教法人と関係のある安倍元首相を殺害しようと考えたと述べたことから、捜査当局は宗教法人から事情聴取している。昨日その代表が記者会見を行った。霊感商法が問題になり、裁判沙汰になったこともある宗教法人の闇のように不明瞭なものは、代表者の会見だけでは明らかにはならなかった。それにしても今改めて元首相が暗殺される事態に、政治とは関係のない宗教団体が取り沙汰されるのは、極めて珍しい。現実には、世界平和統一家庭連合の友好団体である国際NGO・宇宙平和連合(UPF)が主催したイベントに、在職中の安倍首相がビデオ・メッセージで祝意を表したことから、元首相と関係があると受け取られたようだ。これから不透明な点が見られる宗教法人については、事件の捜査が進む過程で徐々に明らかにされていくことだろう。

 ついては、私も時々知人や未知の人からも著書をご恵贈いただくことがあるが、一昨年ある友人からこの旧統一教会関係の書物をいただいていた。興味がなく積読状態だったが、今日少し気になったので、改めて見てみると、正に今話題に取り上げられている世界平和統一家庭連合の創設者文鮮明氏の3番目の妻・韓鶴子総裁が著した「自叙伝・平和の母~人類の涙をぬぐう~」なる立派な著書である。これまで手元に持ってはいたが、読む気持ちがないのでそのままにしていた。とても新興宗教の信者になぞなる気はないが、後学のためにいつか気が向いたら読んでみようかなとも思っている。

2022年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5438.2022年7月11日(月) 参院選、自民党大勝で岸田政権安泰

 昨日の参院選の結果は、すべてのメディアから自民大勝と言われている。自民党は、改選議席125の過半数となる63議席を単独で獲得した。中でも全国に32ある「1人区」で28勝4敗と断然他党を圧倒した。戦前の予想でも自民有利と見られていたが、特に農村部で野党はほとんど議席を失ってしまった。過去には、小沢一郎氏の絶対的地盤だった岩手県の1人区は立憲民主党が勝ち続けていたが、今回自民党の女性候補者に僅差で議席を譲ってしまった。

 全般的には、自民の他に「日本維新の会」と「れいわ新選組」が伸び、立憲、国民、共産が議席を減らした。その中で女性議員35名が当選したことは特筆もので、当選者の28%を占め過去最多の議席となった。ところが、期待された投票率は、期日前投票率が大きく上昇し、昨日は投票所に有権者が列を作る様子だったにも拘わらず、最終的に前回を3.25%上回ったが、期待ほど伸びず、52.05%で相変わらず2人の内1人は棄権したことになる。今回から18歳の若者にも選挙権が付与されたが、期待していた若者はどんな行動をとったのだろうか。

 今後各党でも反省が行われるだろうが、全般的に保守志向に傾いている空気があることは感じ取れる。国内に物価高騰や賃金問題に特段の解決策がない中で、大きな政治問題や社会問題がなく、それが国民を安定志向に仕向けているようなきらいがある。

 ただ、憲法改正に前向きの保守派の政党議員が全議員の2/3を超えたことから、今後改憲論議が熱を帯びて来るだろう。その中で、憲法改正に反対を唱えていた良識派の社会民主党が、政党としての要件を維持できるかどうかが注目されていた。幸いにも公職選挙法が規定する得票率2%を獲得して、何とか規定をクリアし、引き続き社民党は国政党として存在することになった。福島瑞穂党首も比例区で6度目の当選をして、何とか面目を保った。

 学生時代の60年安保闘争時から、日本共産党と民社党の前身・日本社会党は学生運動にとっては力強い支援者だった。左派系の総評も労働者の味方として、学生団体の全学連とともに強力に反体制的な社会運動を繰り広げることが出来た。しかし、総評の後継である今の日本労働組合総連合会(連合)の動きは、労働者や労働運動の力になっているようにはどうしても見えない。女性として初めて会長に就任した芳野友子会長は、意見を聞くと言いながら、自民党や政府の要人とばかり会見、会食を重ねて、野党とは会おうとせず、選挙でも労働者の味方とは思えない行動が気になる。立憲民主党をはじめ、野党が伸び悩んでいる背景には、連合幹部の労働者に寄り添わない姿勢に問題があるように思えて仕方がない。
 今や労働者を支援する社民党としては、国会議員は福島党首と、沖縄選出の新垣クニオ衆議院議員のたった2人だけになってしまった。かつては政権を握り首相を2人も輩出した政党の栄枯盛衰も激しい。自民党も、安定の座に胡坐をかいてやるべきことをやらないと、いつか同じような憂目に遭うだろうことは忘れてはならない。

 さて、昨日セルビア・ベオグラードに住む友人の山崎洋氏から、安倍元首相の殺害事件についてメールで感想を送ってくれた。流石にこの蛮行には驚愕していたが、元首相は在任中にセルビアを訪れた唯一の日本の首相だった。過日日本とセルビアの修好140年記念式典が在セルビアの日本大使館で行われ、出席した来賓のブルナビッチ首相が、安倍氏に叙勲を公表し、安倍氏も名誉なこととして受勲を喜んでおられた。しかし、安倍氏はセルビア政府から授かった勲章を手にすることなく、不運にも冥界へ旅立ってしまったという。

2022年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5437.2022年7月10日(日) 参議院選投票日、妻喜寿の誕生日を迎える。

 安倍元首相の暗殺事件で騒がしい空気の中を、今日参議院選投票日を迎えた。10時半ごろ近くの小学校の投票所へ出かけたが、有権者の長い列が学校の外まで続いて投票するまで実際どれほど待たなければならないのか、係員に聞いても見当もつかないという。これから大学ゼミの友人がチェリストの上野浅草フィルハーモニー・オーケストラ定期公演会を、ゼミ仲間とともに鑑賞するつもりで浅草へ向かう予定だったので、待つ時間がなく止むを得ず帰りに立ち戻ることにして、その場では投票はしなかった。今日77回目の誕生日で喜寿を迎えた妻は、今日学生時代の友人らと会食する約束をしていたので、昨日すでに事前投票を済ませている。

 私たち夫婦もすでに長期高齢者であるが、お互いに医者通いが増えて来た。幸い絶対的な健康障害はないので、予防医学に留意し、通い付けの医師のアドバイスをいただいて、健康な日常生活を送ることを心掛けている。生憎妻は13日に腸の内視鏡検査を受けるので、アルコールによる誕生祝いはあと伸ばしにすることにした。

 さて、友人が一員であるオーケストラであるが、3年前までは毎年2回定期演奏会がありその都度鑑賞していた。生憎コロナ禍以来ホームグランドの浅草公会堂では中止となった。今日の公演は復活した浅草公会堂である。演奏曲目はすべてフィンランド人作曲家ジャン・シベリウスの作品で、名曲♪フィンランディア♪と、同じシベリウスの2曲「交響詩エン・サガ」と「交響曲第5番」だった。以前ヘルシンキを訪れた時、シベリウス記念館を訪れたことがあったが、トーチカ風半地下の一風変わった建物で、近代的な内部が強く印象に残っている。♪フィンランディア♪は、第2のフィンランド国歌とも呼ばれているように、中々力強い曲でゼミの仲間も感動していたようだった。

 それにしてもコロナ禍がリバウンド現象を示して、第7波襲来と言われており、その上酷暑でもあり、浅草雷門周辺は人出も少ないのではないかと思っていたところ、日曜日というせいもあり、人、人、人だった。外国人の姿はあまり見かけなかったが、若い女性の浴衣姿が目立っていた。夏の暑さで汗だくだくだったが、東京の観光地・浅草はコロナどこ吹く風という様子だったと言えよう。

 帰路再び投票所へ立ち寄り、投票を予定通り済ませてホッとした。やはり午后6時を過ぎていたので、かなり空いていた。それにしてもこれまでこの投票所では40年以上の間欠かさず投票しているが、今日のように投票所に行列が出来たのは、初めてである。事前投票率がかなり向上したようなので、この様子では、投票率がかなり上がるのではないかと思うがどうだろうか。

 夜8時に投票を締め切ったので、8時過ぎから各テレビ局が報道合戦を行っているが、最終的な行方はもう真夜中の12時近いが、まだ分かりそうもない。

2022年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com