5456.2022年7月29日(金) JR赤字路線をどう存続させるのか。

 コロナ禍で観光業界、交通業界が経営的に大分苦しくなっているが、そこへ昨日JR東日本が、地域の採算が悪化している地方路線ごとの収支を初めて公表した。それによると1日1㎞当たりの平均利用者数が2千人未満の35路線66区間のすべてが赤字だった。沿線人口が減って利用者が少なくなったことがその最たる原因である。さりとてこればかりは住民の生活上大きな影響を与えるだけに、赤字路線即廃止と言うわけには行かず、存続のためにJRと沿線自治体の前向きの協議が望まれる。

 JR各社は旧国鉄から分離独立した当時から地域性に優劣があり、各社が同じような経営を行うことは難しかった。新幹線を営業するJR3社は大都市圏で稼ぐことによって全体で黒字を確保出来ると想定していた。しかし、このコロナ禍で状況が変わった。3社も2021年度決算で純損益が大幅な赤字企業に転落した。地域の交通をどのように最適化させることが出来るかについては、有識者の間で鉄道会社側からも提案を出すべきであるとの意見が出されている。

 今では赤字化した路線には、元々乗客は少ないが、その分景観も気持ちを癒してくれるような自然が溢れている所が多い。かつて八ヶ岳に登るためによく利用した小海線の年間の赤字額が、約15億円もあるという。小海線沿線の風景は何とも言えず懐かしい。八ヶ岳へは、清里駅を主に甲斐小泉、甲斐大泉の両駅からトライしたものである。そして沿線には日本の鉄道駅で一番高い標高1,345mの野辺山駅もある。小淵沢駅から終点の小諸駅へ至れば小諸城址・懐古園がある。近くを島崎藤村の「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ~」の情緒たっぷりの「千曲川旅情の歌」に歌われた千曲川が流れている。何とか利用者が増えて存続して欲しいと願うのは、JR、沿線住民ばかりではなく、数は少ないが観光客もいるのだ。

 そう願っていたところ、ふと月刊誌「NATIONAL GEOGRAPHIC」7月号の特集記事「都会の野生動物」を思い出した。アメリカでは山野や高原ばかりでなく大都市にも野生動物が徘徊しているような所が数多くある。同誌はアメリカの都市部における野生動物の進出と、野生動物と住民との棲み分けについて写真付きで解説していて大変興味深い。近年日本でも地方都市などでは、野生の熊や鹿などが住宅地帯に侵入して田畑を荒らしたり、時には人を傷つけることがあるが、首都圏のような大都市にコヨーテなどが歩き回ることなんてとても想像出来ない。

 ところが、同誌によると熊、コヨーテ、アライグマなどの生息地域が縮小する中で都会にうまく適応する生き物もいるそうだ。特に驚くのは、シカゴのような大都会でコヨーテがこの数十年間にアメリカ国内の生息域を急速に拡大し、今日ではハワイ州以外のすべての州に生息していることである。ネオン輝くシカゴ川に沿ってコヨーテが歩き回っている姿はとても日本では信じられない。それでも人が野生動物に襲われるケースはほとんどないようで、その点で人間と野生動物が地域的に、また活動する時間において上手に棲み分けているのだろう。これも人間の住む世界と野生動物の世界が同じ空気に近づいたということでもあろう。
 小海線の棲み分けというわけでもないが、都会で密集している集団の人びとが、小海線沿線のような広大で素晴らしい風光の中へやって来ることが出来るなら、赤字路線も立ち直り、ストレスが溜まった都会人もきっと心の安らぎを覚えることだろう。

2022年7月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5455.2022年7月28日(木) トヨタのクレームで国策が変る。

 5月末に岸田政権が新しい資本主義実行計画案の中で、「2035年までに新車販売で電動車100%」と大々的に打ち出した。電気自動車以外の車は将来的に販売規制を行うというものだった。ところが、この舌の根も乾かぬ1週間後に「新車販売でいわゆる電動車(電気自動車・・・及びハイブリッド自動車)100%」と括弧内文言が書き加えられたのだ。トヨタの豊田章男社長がこの実行計画案を見て、これではトヨタは今後岸田政権を支持しないと甘利明・元自民党幹事長にクレームをつけた。このトヨタからの抗議を受けて岸田内閣はあっさり方針転換をしてしまったのだ。

 昨年11月岸田首相は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳会合スピーチで、2兆円の基金を活用した電気自動車普及への支援を宣言した。しかし、その後首相はトヨタからのクレームによる方針転換の後に開かれた主要7か国首脳会議(G7)で、恥ずかしげもなく共同声明からCO2を排出しない自動車の普及目標を削除するよう要求した。これでは国際社会から日本は脱炭素に不熱心で電気自動車の普及を妨害していると受け取られかねない。

 それより何より日本が世界へ訴える国策を、いかに1自動車会社社長としてではなく、日本自動車工業会会長の立場から不満の申し入れであるにしても、こうあっさり受け入れて気候対策に逆行する看板政策を書き換えることが許されて良いものだろうか。元経済産業省官僚だった古賀茂明氏は、政府はトヨタの求めた踏み絵を踏んでくれたから恩返しに参院選で支援し、自動車工業会は多額の献金をする関係が続いていると皮肉っぽく述べている。

 偶々去る5月イギリスのシンクタンクが発表した、世界の主要な自動車メーカー12社の「気候変動政策への対応」に関する格付けでは、トヨタが最下位だったということが分った。

 ところで、今日夕刊を見て驚いたのは、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が先月に続いて再び金利を上げることを発表したことである。しかも今回も6月の0.75%という大幅な金利上げと同率の0.75%もの金利を引き上げるという。その理由は40年ぶりと言われるアメリカ国内のインフレを強力な金融引き締めで抑え込みたいとの思惑である。これにより益々日本の円安が昂進するだろうことが予想される。気になるところである。
 さて、今日も新型コロナウィルスの新規感染者は増える一方である。全国23万3千人、東京都も40,406人ともに過去最多となった。ヨーロッパでは最近の感染者数は落ち着いているが、今日アメリカでも感染者がぶり返していたが、実は昨日はそのアメリカを追い抜いて日本が世界で一番感染者が多かったという不名誉な記録を作ってしまった。この1週間の新規感染者を見ても日本が一番多い。感染対策が緩いということではないだろうか。政府は前回発令したまん延防止などのような特別警報を発令する動きを相変わらず示していない。現状のまま個人が行動を自粛することだけに委ねていても良いものだろうか。

2022年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5454.2022年7月27日(水) 政教分離と人種差別

 自民党が隠していた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が、次から次へと明らかになってきた。昨日は遂に茂木敏允幹事長が、教団との関係について「党として組織的関係がないことはすでにしっかり確認している」と苦し紛れの言い逃れを述べた。しかし、その直前に岸信夫防衛大臣が「何人かは存じ上げている。お付き合いもあったし、選挙の際もお手伝いいただいた」と語った。この言葉の裏には相当の付き合いがあったことを匂わせる。例えば、今後教団との付き合いについて記者団から問われると、軽々にお答えできないと逃げたようだが、これだけやましい教団との付き合いについて、どうしてきっぱりと「今後は手を切る」と言えないのか。殺害された安倍元首相の実弟でもあり、当然教団の温かい湯の中へとっぷり使っていた岸信介元首相の孫とあれば、怪しい教団をそう簡単に突き放すわけには行かないのだろう。

 そして、岸田内閣で国家公安委員長を務めている二之湯智議員も、4年前に旧統一教会関連団体のイベントで京都府実行委員長を務めたと明かした。平和の祭典といい、名前を貸して欲しいと依頼されたからと言い逃れている。また、元文科相の馳浩石川県知事もこの期に及んで、国会議員時代から旧統一教会の支援を受けていたと告白した。皆黙ってウソをつき、教団の活動に手を貸していたことになる。図らずも安倍元首相が殺害されたことによって、政治と宗教の関係が明かされることになったが、事件さえなければ、まだこの闇のような付き合いは続いていたことだろう。

 怪しげな関係が公になった以上、茂木幹事長の煮え切らないコメントなんかではなく、この際党として今後一切宗教と手を切るということをどうして国民に向かってはっきり表明出来ないのどうだろうか。さもなければ、同じように蔭に隠れて怪しげな宗教と政治の一体化を再びやりだしかねないだろう。

 さて、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が今カナダで先住民に許しを請う謝罪旅行を続けている。これまで小耳に挟んだ程度でほとんど知らなかったが、カナダ国内では長い間寄宿学校に先住民の子どもたちが強制的に住まわされ、神父や教師らによって暴力や虐待を受けていた事実があった。キリスト教徒にとっては屈辱的な出来事である。その数は、1990年代までに約15万人といわれている。教皇は先住民たちを抑圧した植民地主義的な思想に多くのキリスト教徒が賛同したことにつき懺悔し謝罪した。今日改めて教皇が現地を訪れ、住民に許しを請うなんてことは、かつての誇り高い白人キリスト教徒には考えられなかったことであろう。アメリカ、カナダの北米大陸は、18世紀以降旧大英帝国からアングロサクソンが移民として黒人などを奴隷として引き連れ働かせ、虐げて来た。もともと黒人など非白人を差別化してきたのである。それが今日も未だアメリカ国内などでは人種差別問題として国民間に紛争の種となっている。教皇が謝罪したからとて、少数民族やアフリカ系黒人などに対する差別はそう簡単には無くならないだろう。しかし、敢えて謝罪旅行を実行した教皇の言動は、理想主義的でヒューマニズムに溢れていると思う。

 我々日本人の間にもかつては、アイヌ民族や、島崎藤村の「破戒」のテーマである穢多(エタ)のような少数民族を部落民と呼び、また戦時中は朝鮮人を差別化してきた忌まわしい過去の歴史がある。どこの国にも同じような問題があるが、せめて差別と気が付いたら止める勇気が必要ではないだろうか。

2022年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5453.2022年7月26日(火) ミヤンマーで民主派活動家の死刑執行

 気になっていたが、ウクライナ情勢に気を取られている間に、過日死刑を宣告されていたミヤンマーの民主派議員と民主化運動家ら4人が昨日、死刑を執行されたとのニュースが伝えられた。軍事法廷で死刑宣告の時点で世界各国から軍事政権へ抗議が寄せられていたが、政府はすべて無視して死刑を執行したのである。これを受けて欧米をはじめ世界各国から「ミヤンマー軍事政権による民主活動家らの死刑執行は非難すべき暴力行為であり、政権が人権と法の支配を無視している」と共同声明を発表した。日本政府も今日ミヤンマー軍事政府宛てに抗議をした。

 今回の死刑執行に対する抗議は、今までになく国際社会を揺り動かしている。国連のグテーレス事務総長や、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも厳しく批判し、同時にミヤンマー軍事政権下の裁判で約100人が死刑を宣告され収監されていると公表した。今後も彼らが死刑を執行される可能性がある。

 まったく事件の目的や経緯は異なるが、偶々日本でも今日午前民事犯の死刑が執行された。2008年6月に東京・秋葉原で通り魔殺傷事件として7人を殺害し、10人に重軽傷を負わせた犯人が、今日処刑されたのである。また、今日は他にも6年前に集団殺人事件があった。神奈川県立社会障害施設「津久井やまゆり園」で施設職員が刃物で入所者19人を殺害し、26人に重軽傷を負わせた事件である。犯人はすでに死刑を宣告されているが、「障害者は不幸しか作らない」などと身勝手なことを口走っていた職員が、障害者の世話をして、その挙句に障害者を殺害するに至ったという想像も出来ない事実に驚いている。

 ミヤンマーのケースとは異なり、日本の事件は本質的に別物で殺人を犯すことだけに気持ちを集中していたようなことを知ると、どうして周囲がこれを防ぐことが出来なかったのかと、周囲の無関心とあまりの命の軽さに茫然とするばかりである。

 さて、相変わらず新型コロナウィルスの感染拡大は勢いを強めているが、政府は具体的な防止対策を打ち出す動きを見せていない。経済の減速を警戒しているように思えるが、その影響は夏休みに入ったばかりの観光業界にまたまた打撃を与えている。JR西日本では、利用者の減少を口実にしているが、その実本当のところは運転関係者の感染が増えて人員が足りなくなり、新幹線及び一部特急の間引き、及び減便を行うと公表した。小田急バスや、宮崎交通でも運転手が感染して、定期路線バスの運行を減便すると公表した。油断すれば、コロナウィルスはどこへも侵入してくる。実際岸田内閣のスポークスマン・松野博一・官房長官や、コロナ対策の責任者だった堀内詔子・前ワクチン担当相が陽性となった。今流行しているのは、BA・5というこれまでのウィルスとは別の曲者ウィルスのようだ。

 幸い私は、今日4度目のワクチン接種を受けることが出来たが、とても気を許すわけには行かない。

2022年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5452.2022年7月25日(月) 旧統一教会と関係深い安倍元首相の国葬

 先日凶弾で殺害された安倍晋三元首相の国葬を、9月27日に日本武道館で行うことを政府は正式に決定した。1967年吉田茂元首相以来55年ぶりのことである。ところが、国葬に対する反対の声が徐々に増えて来た。元首相の政治的実績云々もさることながら、生前カルト教団と関係があったことも明らかになりつつある。先にNHKが行った国葬に対する世論調査では、賛成が49%で、反対は38%だったが、数日前に南日本新聞社が行った調査では、反対56.5%に対して賛成が14%にしか過ぎなかった。何といっても憲政史上最長の8年8か月に亙る首相在任という事実が実績として評価された一面はあった。だが、長期の在任中に負の実績の側面も目についた。とりわけ加計・森友学園事件で不透明な国有地払い下げ問題に関与したにも拘わらず、何の説明もせず、逆に近畿財務局職員が自死する事態にまで至らせた。その後も「桜を見る会」で公選法に抵触する資金提供などの不正事件を起こしながら説明せずに逃げていた途中である。

 海外へ度々出かけて各国首脳と膝を突き合わせて会談したことなどから、彼らから追悼の言葉をいただいた。岸田首相は国葬決定に至った経緯について、「外国の首脳、国際社会から高い評価を受けており、突然の蛮行で逝去されたことに対して、国の内外から幅広く哀悼や追悼の意が寄せられている」と述べた。岸田首相には何やら思惑があり、敢えて国葬に踏み切ったのも元首相や派閥への忖度があったからである。あくまで身内の論理と自己都合で決めたに過ぎない。敢えて言えば、安倍元首相には国内で目立つような政治的実績はほとんどなかった。

 そこへ蛮行を犯した容疑者の母親と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係性が取り沙汰され徐々にその関係が明らかにされている。旧統一教会の異常な原理とトラブル、信者への献金など強制的行動が批判的に取り上げられている。その旧統一教会と安倍元首相の祖父・岸信介元首相との深い関わり合いがあったことも明らかになった。

 その旧統一教会に関して、ツイッターでも批判的な文言や、詳細などが出回り始めたが、旧統一教会の創設者である故文鮮明総裁の呆れかえる発言録が「天聖経」として紹介されている。

 「韓半島は何かといえば 男でいえば生殖器です 半島です 島国は女性の陰部と同じです 日本が1978年から 世界的な経済大国として 登場したのは エバ(イブ)国家として選ばれたので (中略)日本はすべての物資を 収拾して 本然の夫である アダム国家韓国に 捧げなければならないのです」

  こんな不条理で下品な「天聖経」とやらを有難がっている旧統一教会幹部や信者は、とても普通の常識人とは思えない。そのカルト旧統一教会の関係団体に祝電を送っていた安倍元首相の国葬を、多額の国費を使って行うカルト自民党と岸田首相の行動をこのまま容認して良いものだろうか。

2022年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5451.2022年7月24日(日) オリンピックは、レガシーと言えるか?

 昨日で東京オリンピックが開催されてからちょうど1年が経過した。実に早いものだと思う。先日大会の収支が公表されて、組織委員会も解散した。過去には前例がなかったようなコロナ禍で開催が1年延期される予想外のハプニングもあった。元々開催自体は収支上は赤字が想定されていたが、それを大きくしたのは、大会経費総額が1億4千億円と当初予算7,340億円のほぼ2倍となった杜撰さがあった。もちろん会場の入場者がいなかったために、入場料を徴取することがなかったことは大きい。しかし、今2030年札幌冬季オリンピック招致の話が持ち上がっているが、東京大会を総合的に精査すべきであると思う。仮に札幌冬季大会を招致した場合、かなりの大会運営費がかかりそうで、必ずしも札幌市民から全面的な賛同を得られていない。

 オリンピックのような大きなイベントは、どうしても財政的な裏付けがないとその開催は難しい。一部にはレガシーなんて言葉を使って、恰も存在することが名誉なことを言う有識者もいるが、巨額の資金を投じて立派な施設を建設しても、大会終了後に何にも使用されず、いずれ朽ち果てる運命を辿る一方で膨大な維持管理費がかかる。大会に使用された競技場施設はほとんど「負の遺産化」を避けられない。新設された国立競技場にしても、かなりイベントなどに使用されるが、年間24億円もの維持管理費用がかかる。他の新設施設にしても賃貸したところでとても賄える収入は得られない。

 今こうしたハード面での経費が問題となっているが、一番無駄なことはすでに使用可能な施設がありながら、新しい施設が建設されることである。典型的な無駄な例として、大井ホッケー競技場が挙げられる。わが自宅の近くに駒澤オリンピック記念公園があり、前東京大会で使用された施設がかなり残されている。中でもホッケー場は数年前に改築され、スタンドは狭いが立派な施設に生まれ変わった。しかし、組織委員会はこの施設を使用しなかった。更に前回日本中を沸かせ優勝した女子バレーチームが戦った屋内競技場が、施設はそのまま保存され、各種の大会が行われているのに、今オリンピック大会ではまったく使用されなかったことである。

 これには大会スポンサーとなった建設会社へ見返りとして施設の新規建設を任せたということがあると思う。これでは、いくら東京都が財政的に多少余裕があっても赤字額を負担させられるのは、都民としては納得できない。2つの東京大会や過去の札幌、長野冬季大会の赤字額を負担するのは地元自治体としては、厳しいことだと思う。現存の競技施設を再利用して経費の負担を削減することをどうして考えないのか。これではビッグイベント開催は、地元住民にとって重い負担になるだけだと思う。

 また、別の意味でオリンピック後にレガシーどころか、スポーツ種目によってはヨットや自転車競技のように、スポンサーが離れて協会も選手に強化のための用具代や遠征交通費など費用が工面出来ず、選手の個人的負担になっている例も多いという。これも負の遺産と言えるのではないだろうか。

2022年7月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5450.2022年7月23日(土) ヨーロッパで活躍するヴァイオリニスト

 今日はコロナ禍の中を久しぶりに、セルビアでヴァイオリニストとして活動され、一時帰国された豊嶋めぐみさんと和気藹々の気分の中でランチを楽しむことが出来た。歌手の藤山一郎の甥・増永基文さんと、ゼミ仲間でアマチュア交響楽団のチェリストである赤松晋さんにも加わってもらった。いつも親しい人たちとの会食は、新宿の「ハイアット・リージェンシー東京」の和食レストランだったが、このコロナ禍の最中に経営上の問題もあったのだろう、その店舗が替わった。新たに開業したのは、老舗の和食レストラン「新宿なだ万」で中々味わいのあるランチをいただいた。

 ひっきりなしに話題が次から次へと変り、マスクを着けながら口角泡を飛ばすほどだった。プロ演奏家とセミプロ音楽家で3人とも音楽に造詣が深く、私だけが門外漢であるが、その代わり我がワガママ人生を思う存分語った。ひとつ残念だったことは、豊嶋さんが我々にヴァイオリンでクラシック名曲を聞かせたいとわざわざ愛用のヴァイオリンを持参されたが、生憎演奏する場所がなかったことだった。4年前には、奥にある密室のような場所を提供してもらい支配人やスタッフにも聞いてもらいつつ演奏してもらったが、今回はお店の経営者が替わったこともあり、そのような場所がなく折角のチャンスを失ってしまった。実に残念である。

 次回はいつ会えるのか分からないが、もう少し時間的にゆとりを取ってもらえるなら、私のお得意の旅行コースである、鎌倉・江の島方面を近藤流に案内したいと思っている。

 さて、ロシアのウクライナ侵攻によって農業国ウクライナの農産品を積みだす港が使用出来ず、それがアフリカなどで食料危機を起こし、国連をはじめ欧米諸国が憂慮していた。ロシアが強硬姿勢を崩さず、困惑していたところへトルコが仲介することによって、昨日国連グテーレス事務総長が出席し、トルコが立ち合いの下でウクライナとロシアが農産品輸出合意文書に署名して取り敢えず、ウクライナから農産品が輸出されることが決まりホッとしたところだった。

 ところが何たることか、国家同士の取り決めが1日も持たず、今日ウクライナの積出港であるオデーサにロシア軍のミサイル攻撃があり、施設の一部が爆発された。ウクライナの国営通信によると、同国農業省はオデーサ港に、数日内の輸出再開に向けた穀物がすでに用意されていたと言っている。

  ウクライナの外務省報道官は、プーチン大統領はミサイル攻撃によって(合意を仲介した)グテーレス国連事務総長やエルドアン・トルコ大統領の顔につばを吐いたと批判した。グテーレス氏の報道官も23日、事務総長は本日のオデーサへの攻撃を明確に批判すると声明を出した。「昨日、すべての関係国、機関がウクライナの穀物と関係産物を世界市場に確実に移送することを誓った。完全な履行は必須だ」と、合意が実施されるよう釘を刺した。それにしても国家間の約束が1日も待たずに紙切れとなるようでは、むしろ今後の交渉や、契約が出来るのか、心配される。子どもでも守れるお互いの約束ごとをいとも簡単に破るというのは、国家の代表者のやるべきことではない。つまりどう考えてもプーチン大統領のやることなすことすべてが大人の所業とは思えない。とんでもないリーダーが、ロシアという国にはいるものだと、ロシア国民に同情すると同時に、呆れるばかりである。

2022年7月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5449.2022年7月22日(金) コロナ感染過去最多と日本の金融政策

 今日もコロナ新規感染者は、全国的に19万5千人余を数え、東京都内でも3万5千人弱となり、いずれも3日連続で過去最多となった。アメリカでは、バイデン大統領も感染したようだ。この影響を受けて大相撲名古屋場所の今日の幕内取り組み18番の内、7番が不戦となる異例の13日目となった。場内アナウンスで力士の休場が放送される度に観客からどよめきが起きていたのも当然だと思う。このため力士にとっても悲喜こもごもで、優勝争いのトップを走る前頭2枚目の逸の城が不戦勝となる一方で、入門以来休場のなかった同3枚目玉鷲がコロナ感染で休場する羽目となり不戦敗となってしまった。

 ところで、この一両日新聞は金融の利上げの話題に取り込まれている。ウクライナ危機を受けて、ユーロ圏の6月のインフレ率は実に8.6%だった。過去最高の物価水準であり、これを抑え込まなければ景気後退に見舞われるとの危機感が強い。ヨーロッパ中央銀行(ECB)は、この事態に対処してこのほど11年ぶりに政策金利を0.5%引き上げることを決定した。事前予告の2倍の大幅利上げにより物価高騰を沈静化させようとの狙いである。アメリカでも歴史的な物価上昇が収まる気配がなく、利上げが繰り返され、6月には実に0.75%と言う大幅な値上げを実施した。それでもまだ値上げは不十分と考えられ、今月末には再び利上げされるのではないかと見られている。

 世界的に物価高が恒常的になり、欧米以外にも利上げを実施している国々が多い。2022年に入ってから世界で63か国もの中央銀行が利上げしたと報告されている。

 その一方で、日本だけは引き続き金融緩和政策を継続し、このまま金利を上げる考えがないようで、昨日日銀の黒田東彦総裁は経済を支えるため金融緩和を続けると語った。その理由のひとつである物価上昇であるが、日本の上昇率は今日総務省が発表した消費者物価指数によると値上がりは2.2%で欧米の8~9%に比べればまだかなり低い。因みに主要国の政策金利を比較すると、断トツに高いのが13.25%のブラジルであるが、以下カナダ2.50%、韓国2.25%、アメリカ1.75%、オーストラリア1.35%、イギリス1.25、ユーロ圏0.50%の順で、これらを見ても日本の▲0.10%は別格である。

 懸念されるのは、日本がこのまま金融緩和策を続ければ、欧米諸国との間に金利差が広がり、円安が更に広がることであり、円安で輸入コストが高まって国際収支は赤字となり、当然ながら物価に反映されることである。現在1㌦が138円台後半にまで下がった円の価値をこのままにしておいて良いものだろうか。黒田総裁は頑なに現在の金融緩和政策を継続する意向のようだが、それが影響したのか欧米諸国とは逆に日本の国内総生産(GDP)は、コロナ禍以前の水準まで回復していない。経済界としては金融緩和策は望むところであろうが、労働界は国民の気持ちに寄り添う行動を取るべきではないかと思う。日本の物価上昇率は2%台とは言え、国民には肌に物価値上げが肌に突き刺さっている筈である。黒田日銀総裁も芳野友子・連合会長ももう少し、庶民感覚を感じ取って、各界の声を聴いて国民が納得出来る対策を講じるよう検討を進めてもらいたいと思う。

 それにしてもメディアは状況を報道するだけで、日本がいかなる立場を取るべきかについてもっと深堀して分析し、あるべき姿を伝えてもらいたいと願っている。

2022年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5448.2022年7月21日(木) 興味深いイギリスの次期首相選出過程

 去る13日に混乱の母国スリランカから国外へ逃げ出した無責任なラジャパクサ前大統領に代わって、昨日議会は議員投票の結果、後任大統領にウィクラマシンハ首相を選出した。同国ではコロナ禍の中で経済運営に失敗し、物価の値上がりが激しく政府に対して国民の間に激しい抗議活動が続いていた。前大統領の下で首相を務めていた新大統領にも、国民の間から反発の声が出ており、今後スリランカが立ち直れるのか、世界の目がウクライナ情勢に向いている中で先進国から支援も期待出来ず、この国の前途は多難である。

 一方、イギリスでは個性的な言動やスキャンダルが話題になっていたジョンソン首相が、自ら撒いた種により辞任を表明してから後任首相の選出に向けて後継者争いが繰り広げられている。保守党内の有力候補者8人が名乗りを上げたが、これまで保守党所属の下院議員によって5回の予備投票が行われた結果、候補者が徐々に絞られ最終的に2人の候補者が残った。過去5回の予備選で常にトップだったスナク前財務相に対して、女性議員のトラス外相である。予備選の都度脱落者が出る中で、スナク前財務相は安定した得票を重ねているが、一方のトラス外相は回を重ねるごとに得票の上積みが、スナク氏を上回る勢いである。2人の決戦投票は、保守党議員ばかりでなく約20万人といわれる全国の保守党員が投票するため、これまでの予備選とは異なった結果が生れる可能性がある。今後2人の候補者は党内向けのキャンペーンを展開して、9月5日に新しい党首と次の首相が決まることになる。

 この党首選挙が興味深く思われるのは、42歳の若さながらも首位を突っ走る行動力のありそうなスナク前財務相がその出自の故に、堅実に得票を伸ばしてきた46歳の現役外相に勝利することが出来るだろうかという点である。実際2人の一騎打ちでは、世論調査によれば、54対35でトラス氏有利と出ている。長身で立ち居振る舞いもスマートに見えるスナク氏は意外にもインド系で、決戦投票に勝つようなことがあれば、アジア系で初めてイギリス首相となる。この旧植民地出身者が自分たちの国の総理大臣になることを、誇り高い旧大英帝国の末裔たちのメンツが素直に許すことが出来るかどうかが問われることにもなる。他人事ながら9月の投票結果が待ち遠しい。

 さて、昨日全国的にコロナ新規患者が急速に増えたが、今日も全国で186,229人の感染者は2日連続過去最多である。東京都でもこれまで想像も出来なかった3万人を超える31,878人の新規感染者が出るほど、35都府県で過去最多だった。プロ野球の巨人軍から57名の感染者を出して、明日以降の対中日3連戦が中止と決まり、今名古屋場所中の大相撲でも力士の2割が感染したという。このような以前には見られなかった異常な事態に対して、国や自治体が直ちに具体的な感染抑止対策を打ち出そうとしないことが理解出来ない。

2022年7月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5447.2022年7月20日(水) タリバン・イスラム原理主義の不条理

 約1か月ぶりの定期健診で東京医療センターの膠原病内科担当医に診てもらった。最も気になっているのは、最近体重が減ってきたことで、今月6日の61㎏を頂点にじりじり減り続け、この6日間はずっと59㎏台である。今回も医師は原因が分らないので、来月受診予定の慶應病院の人間ドックで担当医によく相談するようにと言われたが、どうもすっきりしない。人間ドックでは、最近のあらゆる健康チェックの数値を整理して、とことん相談してみたい。

 今日もコロナ新規感染者の勢いが凄まじい。これまで全国で最多11万人台だったところへ今日過去最多の15万人以上に一気に発症者が増えた。大阪では東京を凌駕する2万人を初めて超える感染者が出たように30府県で過去最多という結果だった。完全に第7波に入っているが、その割に政府は、厳しい行動規制を求める考えはないようだ。26日の第4回目のワクチン接種を受ける予定であるが、それまで充分気を付けなければいけない。

 さて、ウクライナ戦争に世界の目が移っている間にも、昨年復活したアフガニスタンのタリバン政権も原油高や、熱波で苦しんでいるようだが、今朝の朝日新聞にタリバン政権の報道担当幹部への興味深いインタビュー内容が報じられていた。平素からイスラム原理主義を押し付けているタリバン政権の考えは、必ずしも絶対的に教義に固執し過ぎて譲歩を認めないということでもないことが分った。一般的に性的搾取、不貞行為、飲酒、汚職、薬物使用は認めず、礼拝や女性が顔を覆うブルカを着けることを善の行いとしている。その幹部は意外にも女性には学ぶ権利があると言い、学校は再開されるべきと言い、女子にも教育を受ける権利を与えたいとも言っている。どうにも理解出来ないのは、女性がひとりで外出を許されるのは、身内の男性が付き添えば3日間に78㎞以内なら可能である。男性のあごひげは絶対伸ばさなければならないが、髭の薄い人や少ない人にも厳しいらしくひたすら伸ばすことを奨励しているようだ。いかに特殊なタリバン的イスラム教とは言え、人間の行動をそこまで制約することが、果たして人を救う宗教として正しいしきたりなのか疑問である。

 一般論として、大きな男女格差、すべて男が権限を持ち女は従うだけ、女は家に引きこもりひとりで外出出来ない、女性は働けない、男は妻を4人まで娶ることが出来る、女性に教育の機会を与えない、等々のルールは、他の民主国家の人びとにはとても理解し難いと思う。あまりにも現代離れしてとても他の世界では受け入れられないだろう。

 それでいてタリバン幹部は、経済苦から日本やロシアをはじめ諸外国へ涙ながらに援助を希っている。諸外国が納得できる民主的な条件が揃って、初めて援助や支援をアピール出来るというものだ。残念ながらタリバン・イスラム政権には、自分たちの流儀で政治を行い苦境の事態に立ち至った時には、他国にサポートを期待するというのでは、あまりにも虫が良過ぎるのではないだろうか。それでもあの頑ななタリバンですら、世に言われている男尊女卑の制度は、金科玉条と言えるものでもなさそうだと知り、ホッとしている。

2022年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com