5476.2022年8月18日(木) 森英恵さんの死に「スパイ・ゾルゲ」を想う。

 日本のファッション界をリードし、パリで世界的ファッション・デザイナーとして活躍された森英恵さんが、去る11日96歳で亡くなられた。つい先日同じくパリのファッション界で活躍されていた三宅一生氏が亡くなられたばかりである。

 実は、私には森さんに縁のような小さな想い出がある。2003年篠田正浩監督の映画監督引退作品「スパイ・ゾルゲ」が公開された折、ゾルゲの仲間だったブランコ・ド・ヴケリッチの妻、山崎淑子さんと遺児である友人洋さん母子が試写会に招かれた。友人はわざわざベオグラードから一時帰国して試写会に出席した。試写会の数日後洋さんと会った時、彼から思いがけない話を聞かされた。映画では母親は和服を着ていたが、実際に母が結婚前の父と初めて出会った時は洋装だったと聞いた。彼にはそれがどうも納得がいかないようだった。

 その数日後、篠田監督をよくご存じの小中陽太郎氏に、その事実をお話しした。すると小中さんは早速篠田氏へ連絡を取られて事実関係の疑問について尋ねられた。その疑問に対して篠田氏はこう応えてくれたという。事実はそうだったかも知れないが、映画の衣装担当だった森英恵さんが、それを承知のうえでこの場はヴケリッチの恋人は、和服の方がストーリーの流れや雰囲気上しっくりいくと主張された。森さんからは、恋人役には和服を着せて欲しいと要望され、母親淑子役の女優小雪に和服を着てもらうことになったという説明だった。小中さんから伺った和服に替えた真意を山崎洋さんに伝えたところ、彼も納得してくれた。舞台裏ではそんな経緯もあったのだが、映画でより一層効果を狙えば、時には事実を歪めることあるということである。

 その後この映画を鑑賞したが、戦時中のスパイ事件で気持ちが暗くなりがちだったが、大筋はフィクションではないので、歴史上ゾルゲ事件の理解にも参考になった。

 この服装変更の件については、ネットのWikipedia「スパイ・ゾルゲ」項に次のように説明されている。「ヴケリッチの妻である山崎淑子(2006年死去)は当時存命で、子息である山崎洋(彼も生誕間もない姿で本作に登場する場面がある)とともに試写会に招かれている。ヴケリッチと淑子が出会う場面で淑子は和装であるが、史実では洋装であった。これに関しては衣装担当の森英恵がそれを知った上で和装にするよう篠田に勧めたという」と明確に解説されている。

 さて、連日のようにアメリカ大リーグ(MLB)・エンジェルスの大谷翔平選手の活躍が、スポーツ番組だけに留まらず、その日のニュース番組でも大きく取り上げられるほどである。このところ不振なチームの中で大谷選手の活躍だけが目立ち、スポーツ記者から大谷以外のチームメートは大谷に付いていけないとまで酷評されている。大谷は先日ベーブ・ルース以来104年ぶりとなる二刀流として2桁勝利、2桁本塁打を記録し、最近の5試合では18打数で2本の本塁打を含む10安打の打率0.526の活躍だったが、チームは最近3試合で25失点を喫している有様で、とても勝てるチーム状態ではない。今や大谷選手は、イチロー、松井喜を凌駕する活躍ぶりだとして、大リーグ記者の間からも絶賛の声が上がっている。

 かつて、MLBで史上最多の4,256安打を記録したピート・ローズが、イチローが日米通算3千本安打を記録した時、日本のプロ野球は中学生レベルなので、とてもMLBと同等には扱えないと辛辣な感想を述べたが、今では、中学生レベルの方がプロを上回ったのではないか。随分日本人選手も活躍するようになったものである。大谷選手の活躍を、今ピート・ローズはどう見ているだろうか。ハッハッハ!実に愉快である。

2022年8月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5475.2022年8月17日(水) 知事にはどんな人物が相応しいか。

 タレントの東国原英夫氏が、今年12月に行われる宮崎県知事選に再出馬すると発表したのに少々驚いている。また出るのか、というのが率直な感想である。2007年の県知事選に出て初当選したが、惜しまれながらも1期だけで辞め、その後日本維新の会から衆議院比例区近畿ブロックで当選したが、1年務めただけで翌年辞任してしまった。政治家としての力量は未知数であるが、県知事当時はかなり活躍し、知事に一目会いたいと県庁を訪れる人が多かった。中でも知事在任中に乳牛の伝染病が流行り、蔓延防止のために大量の乳牛を殺処分することに苦渋の選択をしたことを思い出す。それにしても多くの県民から支持を得ながら、1期で知事を辞め、衆院議員も1年で辞め、東京都知事選にまで出て落選した経歴は、政治家として本当に県民、国民のために仕事をしたいと願ってのことだったのだろうかと疑問に思っていた。またお山の大将になりたいとの幻想が蘇って来たのではないだろうか。

 タレント稼業に手を染めながら、政治にも色気があり、それでいま再び政治に挑戦してみようとの気持ちが生れたのだろうか。自己本位が過ぎて、宮崎県民を軽く見ているところがあるのではないだろうか。多分タレントとしてある程度の知名度を得た、思い上がりと甘さ、そして世間知らずだろう。

 問題は東国原氏の後を継いだ総務省OBの現職河野俊嗣知事が、すでに4選を目指して立候補を宣言しており、東国原、河野両氏が揃って同じく自民党県連へ推薦申請を出していて、両者のガチンコ勝負になりそうだ。

 それにしても河野宮崎県知事のように、どうして自治体の長は、中央官庁、地元自治体の出身者が多いのだろう。全都道府県の知事は、元官僚、自治体幹部、や大臣経験者がほぼ75%を占めるというから驚異的である。これには、地方財政は中央政府からの援助がなければ成り立たないという現実がある。その点で中央官庁と太いパイプのある知事が望ましいということらしい。しかし、それでは地方行政が中央によって左右される事態があり得るのではないか。

 東京都の小池百合子知事や、大阪府の吉村洋文知事が、国に対して物怖じせずに発言出来るのは、官僚出身でないからであり、その意味では、宮崎県はどちらの候補者が知事になった方が、県にとってはプラスになるのか。派手なパフォーマンスの前知事か、はたまた堅実な行政官の現職か、12月の結果が待ち遠しい。

 ところで先の参院選でも多くのタレントが立候補し、国会議員になったが、押し並べて国政に携わるには少々力が足りないと思う。勉強不足の議員が多いし、世の中を知らな過ぎる。例えば、当選して嬉しかったのだろうか、陸上長距離選手として活躍した松野明美議員の如きは、取材されても現役選手時代と同じように早口でベチャベチャ喋るだけで中身がまったくないという印象だった。国会議員として海千山千の議員に交じって国民のために尽くすべく自説を主張し、考えを実現するようなことが出来るだろうか。

 また、もうひとりのタレント、生稲晃子新人議員のように、協力団体の支援がなければ、当選が覚束ないと思い、当時の萩生田経産相とともに、今話題になっている旧統一教会の支援を受けるべく関連施設を訪れたことが昨日明らかになった。当人もそうだが、彼らを支援する政党がもう少し立候補者の資質を知り適格性を充分調べたうえで、推薦してもらいたいものだと思う。

2022年8月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5474.2022年8月16日(火) つまらない新聞連載小説

 一昨日朝日新聞朝刊の連載小説「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」が最終回を迎えた。作者の多和田葉子氏には申し訳ないが、この半年間の連載小説は読んでいて高揚感がなくつまらない内容の小説だった。読んでいて一向に興味が湧いて来ないので、2か月ほど前に疑問を抱いた。朝日ともあろうものが、どうしてこんなつまらない小説を毎日載せなければいけないのかと・・・。芥川賞作家でもある多和田氏は、この小説で一体何を書こうとしているのか、まったく見当がつかなかった。父親もハンブルク大学院の修士課程を修了したようにドイツに関する専門家で、ドイツに長年居住している作家だけに、ドイツ事情に詳しくドイツらしいお国柄を窺わせる個性的な生活面の著者独自の見解、描写や、ドイツ人らしい思索的、かつ哲学的な人間関係でも書いてくれるかなと期待していた。しかし、最後まで意図が不明のまま最終回に至り、失望感が残った。

 この小説が興味を与えてくれなかった大きな理由として、主人公は夫が帰国するに当たってドイツへ残り翻訳家としてひとりで生活しながら、普段は自宅周辺から大きく足を伸ばさず、交友関係もごく限られた数人ほどしかおらず、動きが自宅周辺から広がらなかったことである。従って自分から離れた外の描写がはっきりしていなかった。小説に登場する男性は、お隣の独身男Mだけで、いつのまにやらMの男性パートナーが入れ替わって住んでいる。とにかく世間が狭い場面の連続だった

 朝日の連載小説というのは、過去にも吉田修一の「悪人」を途中で読むのを諦めたことがある。当時吉田は乗りに乗っていた作家だったが、その割にこれもつまらなかった。朝日では2017年に在日コリアン作家・柳美里氏どういう内々のトラブルがあったのか、連載中だった「沈黙の町で」を連載途中で中止するという前代未聞の不祥事があった。その点では、昨日から連載を始めた直木賞作家・今村翔吾の「人よ、花よ」は、スタートから馬にまたがった多聞丸、楠木正行が田んぼのあぜ道を走り去るようにスピード感に溢れているので、期待したいと思っている。

 そもそも新聞連載小説は、小説を読むことが第一の目的ではなく、新聞記事を読んだ序でに毎日読み続けるものだ。失礼ながら、必ずしも読みたいと願って読むものではなく、読まされて気がついたら面白く引き込まれていたというような小説が望ましい。近年あまりを読まなくなった人が多くなったせいか、今では、朝日の夕刊から小説はなくなり、朝刊だけになってしまった。

 初めて新聞連載小説を続けて読んだのは、中学3年時に読売新聞朝刊に連載された、子母澤寛著「父子鷹」だった。勝海舟父子の生活や海舟の成長過程が良く描けていて感銘を受けたものである。

 さて、今日も暑かった。相変わらず東北地方や北陸地方には激しい雨が襲っているが、東京は晴れ上がり、今日も36.4℃の6日ぶりの猛暑日となった。全国で最高気温は、栃木県佐野市の38.8℃だった。明日以降は、降雨があるようなので、暫くは猛暑から逃れられるようだが、まだまだ爽やかな風が吹くのは先のことのようだ。

2022年8月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5473.2022年8月15日(月) 77年目の終戦の日に想うこと

 310万人もの犠牲者を生んだ太平洋戦争が終わって今日77年目の終戦記念日を迎えた。日本武道館では天皇・皇后両陛下ご臨席の下に戦没者追悼式が行われた。正午に黙祷が行われたが、私もテレビの前で1分間の黙祷を捧げて哀悼の気持ちを捧げた。年々遺族が少なくなり、参列者は昨年よりは増えたが、遺族の高齢化の傾向ははっきりしている。

 終戦時は小学校1年生(当時の国民学校初等科1年生)だった。まだ戦争が終わったとの実感はなかったが、その後母から戦争が終わったと聞いた。そんな幼い1年生時に怖いことに何度か出逢った。疎開先の房総半島の2階建て住宅に住んでいて、終戦直前に自宅の2階で突然飛来した米軍機が内房線列車を機銃掃射し列車が燃え上がる恐ろしい場面を目撃したことがあった。もうひとつ怖いことがあった。校外学習だっただろうか、青木先生という優しかったお母さん先生に連れられ、クラスで揃って学校から校外へ出てしばらくして、不意に米軍戦闘機集団が低空飛行で我々に向かって襲ってきた。先生が「皆さん!伏せなさい!」と大きな声で必死に両手を上下に振って生徒たちを地面に伏せさせた。すると戦闘機編隊は、急上昇して遠くへ飛び去って行った。泥んこになったまま立ち上がった時、どうして戦闘機は飛び去ったのだろうかと不思議に思った。戦闘機の機長は、恐らく子どもたちが逃げているのに気が付いて攻撃を止めたのだと、夢物語のようだが、後になって思ったものである。終戦によりその日から嫌な空襲警報のサイレンの音は聞かれなくなったし、近くの山の横穴式防空壕に退避しなくてもよくなり、戦争を怖がる必要もなくなった。あれから77年も経ったのかと思うと昔日の思いである。

 ついては、この日に合わせて大臣クラスの国会議員らが靖国神社へ参拝する姿が目につく。申し合わせたように口に出す言葉は、「お国のために尊い生命を犠牲にされた御英霊に対し、哀悼の誠を捧げ、尊崇の念を表し、御霊安らかなれとご冥福をお祈り致しました」という決まり文句である。その気持ちは国民の誰もが抱いているが、参拝した国会議員は本当にそう思っているのだろうか。彼らには右翼、保守の人びとの支持層を得たいとの邪な思惑が潜んでいるのではないか。中には国会議員としてではなく、個人としてお参りすると言い訳のようなことを言いながら、○○大臣◎◎◎◎と職位を記帳し、私的に自費を献上すると言っている。こんなところにも言うことと行うことの分別がついていない。

 それにしても、今日に限らず、戦争ばかりはいつでも誰もが避けたい、止めたいと願いながら、どこかで、誰かによって火が点けられるものだ。戦争好きなプーチン・ロシア大統領にしても、戦争を止めようと言い出すのは、恐らく自らの生命が危うくなって逃げ場を失った時だけであろう。

 さて、原爆や終戦がクローズアップされてから、迂闊なことに初めて「被爆」と「被曝」の違いを知った。これまであまり意識していなかったが、「被爆」と「被曝」は若干意味するところが違うようだ。一般的に「被爆」とは、爆発によって被害を受けることであり、他方「被曝」は、放射能に曝されることだそうである。従って広島、長崎の原爆被災者は「被爆」であり、放射能に曝されたビキニ水爆実験被災者は「被曝」だということになる。いずれもこの世から絶対なくすべく努めるべきである。これ以上「被爆」と「被曝」を追放しなければ、未来永劫に「平和」はやって来ない。

2022年8月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5472.2022年8月14日(日) 戦時報道とNHKの恣意的報道

 明日の終戦記念日を控えて、テレビ各局は太平洋戦争について様々なドキュメンタリー番組を放映している。昨晩NHKで過去のドキュメンタリーの内人気の高かった番組を再放映していた。戦争の優劣を分けたと言われる1942年ミッドウェイ海戦の日本軍の惨敗に視点を当てていた。開戦2年目で日本が太平洋とアジア戦線に進軍を続けていた当時の壊滅的打撃について取り上げた番組である。この戦闘で日本海軍はどん底に突き落とされたが、当時大本営では、その事実を国民にどう伝えるか、内部で対立があり異論があった。結局国民の戦意を削がないとの理由をつけて、敗戦の事実をひた隠しにして戦果を誇大に発表したのだ。

 今日午後TBSでも「戦争と嘘=フェイク」と題して、ロシア最大の嘘を暴く、原爆隠された真実、そして太平洋戦争のフェイクと称して昨晩と同じミッドウェイ海戦惨敗の隠蔽、などについて放映していた。昨年までにもこの種のドキュメンタリーはあったと思うが、今年になって立て続けに軍事作戦隠蔽を取り上げたのは、何ごとかを意図した恣意的なアピールがあるような気がしてならない。戦時中国民に対する大本営の真実隠蔽作戦は、戦果を6倍にし、戦禍を1/5にして報告し、公表したと言われている。しかし、騙された国民の意気は喪失することなく、一層国民の気持ちを戦地へ向けた。大本営は戦力とはそぐわない偽装報道に一層力を入れることになった。軍部の偽装も酷いが、これに同調した報道機関の軍部べったりとも言える偽装工作報道も些か良識を欠いている。当然メディアも責任を伴うことになる。

 メディアが報道の倫理感に基づいて報道しようとするのを当局が許さないのは、当時の軍部の絶対体制から考えれば理解出来ないこともないが、メディアにもメディアの本旨と立場を考えれば、間違った事実を報道するのは、容認出来ることではない。況してや軍部の言い分をすべて鵜呑みにするようなことは、許されることではない。

 ところが、いま世間で批判を浴びている旧統一教会の悪しき慣習について、NHKが通り一遍のニュースは伝えるが、民放のように掘り下げた報道をしていないとの批判的な声が広範に出ている。NHKが旧統一教会と政治の闇の関係を知っていながら、岸田政権への忖度で報道するのをセーブしていると非難の声が高まっている。最近の各民放の報道によれば、献金、霊感商法、自民党議員と教会の密接な関係、昨日韓国で行われた教会創設者・文鮮明会長の没後10年記念式典で、映像による安倍元首相への高い評価などは、教会と自民党との後ろめたい関係が強いことを伺わせる。これをNHKだけが報道しないという不条理に、視聴者無視ではないかとクレームをつけたい。明らかに自民党がNHKに対して圧力をかけていることを想像させるものだ。戦時中の軍部による偽装報道とは別だが、言論統制、抑圧と相似している。

 亡くなった安倍元首相が率いていた安倍派には、35人もの衆参議員が旧統一教会と、イベントに参加したり、講演したり、会費を支払ったり、またほとんどが選挙の際支援を受けていた。安倍派は最大派閥であり、取材上政治的な圧力がかけられたり、またNHK記者が彼らに気を遣ったことは間違いない。そして民放テレビを通してしばしば観る安倍元首相の旧統一教会における式典への関わり方の報道を見れば、NHK記者が自民党、旧統一教会取材にしり込みして十分な取材をしていないことも明らかである。それは、前田晃伸NHK会長が、記者になって何年かしたら営業など他の部署を経験させるという発言が、NHK記者に思いも寄らぬ圧力となっていた可能性もある。

 NHKが現状のまま、視聴者が知りたい話題を取材せず、報道しないとしたら、公共放送であるNHK番組を観る視聴者はどんどん減って行くことだろう。図らずも表面化した公共放送のNHKの弱点が、視聴者の声によって今後真面な報道機関として立ち直れるかどうか、注目したいと思う。

2022年8月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5471.2022年8月13日(土) トランプ前大統領の荒行を抑えられないか。

 先日来北海道、及び東北地方北部を襲った豪雨に、追い打ちをかけるように昨日から関東、東海地方に台風8号が接近しつつある。東北地方では今日再び豪雨が襲来し、決壊した河川も多く、テレビでは土砂災害警報を度々伝えている。台風は今晩東京を襲うようだ。

 さて、去る8日アメリカのトランプ前大統領のフロリダにある豪壮な別邸を、アメリカ連邦捜査局(FBI)が捜索して最高機密書類を含む書類を押収してアメリカ国内で大きな話題となった。FBIが大統領経験者の私邸を捜索するという前代未聞のニュースにトランプ氏本人はもとより国民も驚いた。捜索令状によると国防情報の取り扱いを定めたスパイ防止法や、司法妨害に関する法律、公文書の取り扱いを定めた法律に違反した疑いで捜索したという。これに対してトランプ前大統領は、すべて機密解除された文書だとして反論している。

 しかし、これは普段から常識人とは思えないトランプ氏だったからこそ起きたサプライズだったと言えると思う。仮に機密解除になった書類であるにせよ、書類持ち出しについてきちんと話をつけておけば、このような騒がしい事態にはならなかった筈である。トランプ氏の独りよがりの性癖と、公私の判断がつけられない性格が騒ぎの原因である。

 この家宅捜査について、共和党関係者は猛反発して、ガーランド司法長官に説明を求めた。これに対して司法長官は、法律を適用しており政治的捜査だと反論している。それにしてもこのような前例のない事を起こす大統領経験者は、トランプ氏らしいと言えばトランプ氏らしい。
 一昨年の大統領選においてバイデン氏に敗れて以来、選挙に不正があったと主張し続けて選挙の無効を訴え続けている。昨年1月には、トランプ氏支持者らが連邦議会に乱入したが、背後で糸を引いていたのは、誰あろうトランプ氏本人だったと見られている。いま問題視されている地球温暖化防止のためのパリ協定からの脱退、イランとの核合意からの離脱など国際社会を裏切るような行動は、良識的な国際世論に逆行する行為であるばかりでなく、国家間の信頼を損なうだけである。

 このような人物がどうして共和党内で支持を得て、大統領にまで上り詰めることが出来たのか、いま以て理解出来ない。現在も再来年秋の大統領選を目指して支持層を固めるべく着々と手を打っていると聞いている。

 だが、これほど気が短く理知的な行動を取れない人物が、世界最高の権力者であるアメリカ合衆国大統領の地位に再び就くようなことになったら、ウクライナ戦争どころではなく、プーチン大統領に対抗して核のボタンを簡単に押してしまうのではないかと考えるとゾッとする。良識的なアメリカ国民が、何をやらかすか分からないトランプ氏のような人物を、アメリカ大統領に選出しないよう願うしかない。

 ついては、コロナの拡大が一向に収まらないが、昨日日本人感染者の累計が、1千5百万人を超えた。しかし、1千万人を超えたのが、ほんの1か月前の7月14日である。それまでの約2年間の感染者数を僅か直近のほんの1か月間で、その感染者総数の半数もの人が発症したというから、この1か月は驚異的な感染力である。こんなコロナ禍空気の中で、天候が勝れないお盆休みを迎え3年ぶりに行動制限のない自由を得たとて、果たして気ままに行動を満喫することが出来るだろうか。お盆休みが終わった途端に新規感染者がどっと増えないことを祈るだけである。

2022年8月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5470.2022年8月12日(金) 北朝鮮コロナ勝利宣言と日航機事故37年

 お騒がせ国・北朝鮮で10日に開かれた全国非常防疫総括会議で国内から完全に新型コロナウィルスを抑え込み、コロナ感染者がゼロになったと金正恩総書記が公表した。本当だろうか?というのが率直な受け止め方である。2年余りの間コロナ感染者は国内にはいないと言い続けていた北朝鮮が、4月下旬には中国との交通を遮断までした後に、5月12日に初めてコロナ感染者が発症したと発表した。ウィルスは韓国から流入したと名指しでその責任を韓国に押し付けた。その後感染者はたちまち増えて、一時477万人が感染した。北朝鮮の人口は2,578万人(2020年)で、5人にひとりが感染したことになる。ワクチンもなく、国民はマスクも着けなかった。コロナ収束は夢物語だと思われていたが、何と3日前の10日にウィルス防疫対策の勝利だと宣言し、感染者はゼロになったと公表したのである。あまりにもドラマチックで、直ぐには信じることが出来ない。

 そして、別の噂話が出回っているようだ。それは公式には伝えられていないが、金正恩・朝鮮労働党総書記がコロナに感染したのではないかとの話である。先月27日に朝鮮戦争休戦協定69周年の「戦勝節」に出席すると思われていた金総書記が、欠席したことが噂を広げることになった。それ以前に多くの国民と一緒に何枚もの記念写真を撮ったが、その際全員マスクを着けていなかった。それ以来金総書記が公の場に姿を現していないことと、10日開かれた全国非常防疫総括会議で、珍しくスピーチをした金総書記の妹・金与生副部長が、総書記はしばらく高熱を発していたと語ったことも話に尾ひれをつけた。

 この国は発足以来金一族3代に亙る世襲独裁体制を堅持し、他国への嫌がらせや迷惑を気に留めず、やりたい放題で現状ではとても国家として対等に交流出来る国ではない。コロナは北朝鮮国内の事件であるからそのまま黙っていれば済むことではあるが、感染者の発表にしてもゼロだった患者が一気に5百万人近くの数に増え、あっという間にゼロに戻るというどんでん返しのような筋書きには唖然としている。世間知らずの若かりし帝王・金正恩には、もう少し自制心を持った大人になってもらいたいものである。

 さて、今日は日航ジャンボジェット機が御巣鷹山に墜落し、乗客乗員520名もの犠牲者を生んだ大事故を起こしてから早や37年になる。その当時元日航機機長だった元隼戦闘隊機機長が、事故現場へ古巣のためにお手伝いに出かけたら周囲から罵詈雑言を浴びせられたと悲しそうに話されたことが印象に残っている。事故の翌年に入社した社員が、早くも定年を迎えるという現実に、つい時の流れの速さを感じている。旅行にはあってはならないことだが、事故に遭うことは避けられない一面もある。実際添乗員としてお供して、台湾で事故に遭って事後処理に追われたことが2度ほどあった。今思い出しても嫌なメモリーであるが、いつかは懐かしいものとなることがあるだろうか。

2022年8月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5469.2022年8月11日(木) 信用出来ない怪しい宗教の旧統一教会

 昨日田中富弘・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)会長が、外国人報道陣を主に日本外国特派員協会で会見を行った。これまでのメディアの報道姿勢に不満をアピールするため、少々異例な形で行われた。田中会長は冒頭から教会に浴びせられている不本意な嫌がらせに対する不満を述べた。この会見自体普通のやり方とは少々異なっていた。会長は教会の立場を語り出したが、その主張は留まることなく、司会者が3度に亘って話を途中で停止するよう促したが、会長は当初予定の30分を遥かに超えて実に47分間も話し続けた。

 会長は、冒頭世間を騒がせたことについて謝罪の言葉を述べたが、その後は1)過剰なメディア報道により信徒が被害を被った、2)霊感商法は過去現在ともに行っていない、3)団体の名称変更の認証に政治的圧力や介入があったとの憶測があるが、事実ではない、4)臆測に基づいた報道を行わないこと、などメディアに理解を求め、正しい報道を促した。会見の主旨は、信徒たちの生命の危険と、自分らの取り組みが変化を求められるならより良い変化を続けたいという意思の表明だと述べたが、あまりピンとくる説明ではない。特に政治との関わりについては、政治工作に関わったことはないとか、脱税や霊感商法の批判から逃れるために関わってきたのではないと主張した。これまで共産主義に対して明確に対峙してきたと、共産主義の本旨を本当に理解したうえで述べているのか、理論的に真面な共産主義と対峙するなどと言うこと自体僭越で、極右やヤクザと同じような主張のように思える。

 昨日この会見が開かれたのは、韓国にある教会の本部からの指令に基づくものだと前参院議員の有田芳生氏は述べていた。記者会見で何を語ろうにも、多額の献金を求めて多くの家庭を破壊し、霊感商法により多くの人びとを破滅させ不幸に追い込む可能性の高い教会であることが誰にも分ってしまった。それにしても献金された資金が韓国の本部へ送られ、その恩恵はどこにももたらされていない。こういう新興宗教紛いの疑似宗教に没入させられる国民が数多くいることに暗然としている。
 これほど悪質な団体が宗教団体を名乗り、多くの人びとを露頭に迷わせた。そんな新興宗教まがいの団体に岸信介元首相から親子3代に亙りずぶずぶだった安倍晋三元首相の国葬を死亡後に直ちに決定した、岸田首相の決断には理解し難いものがあり、首相も隠れ信徒ではないか。世論調査によると国民の半数以上が国葬に反対している。森友学園や「桜を見る会」問題を不透明な状態のまま反対の声に対して国費37億円を注ぎ込むことまでして国葬を行うことを、自民党員は誰ひとり疑うこともなく、何の呵責も感じないのだろうか。これではかつて国葬で冥界へ送ってもらった山本五十六や、吉田茂も彼岸であまり好い気持ちではないのではないだろうか。

 安倍元首相の国葬について、是か非かもう1度考え直すことは出来ないものか。

2022年8月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5468.2022年8月10日(水) 寄る年波に厳しくなる健康管理

 この数日朝鮮半島方面から北海道・東北地方へ線状降水帯が前線となって流れ大雨を降らし、東日本では猛暑日が続いている中で、稀に見る河川決壊や山岳崖崩壊などで住宅地が浸水し住民は避難を強いられている。よくぞここまで真逆の天候になるものかと驚くほどである。

 今日も東京都内では35.3℃の猛暑日となったが、明日から所によってはお盆の入りとなる。かつてお盆は太陰暦で7月に行われていたが、明治以降太陽暦の採用に伴い、新暦では7月、或いは8月とお盆を迎える地域が分れている。しかし、近年は8月15日にお盆と定めている地域が多くなった。これもメディアの啓蒙のせいだろう。今年は、13日に盆の入り(迎え火)を行い、16日に盆明け(送り火)としている。偶々明日11日が祝日「山の日」ということから明日からお盆休みが始まるようだ。一時は、収まりかけて久しぶりにお盆休みで各地の観光地では、多くの観光客を期待しているが、コロナ第7波の襲来で観光地へお客が訪れてくれるだろうか。
 さて、今日岸田文雄第2次内閣が発足した。閣僚の中には、問題の旧統一教会との関係が濃い大臣もいてほとんどが閣外へ去ったようだが、どういうわけか高校の30年後輩である山際大志郎経済再生相だけは、引き続き閣内に留まるようだ。

 ウクライナ情勢は、広島、長崎の原爆の日が過ぎたばかりにも拘らず、サボリージャ原発をロシア軍がミサイル攻撃を行っているとか、暗い話題ばかりである。

 その中で唯一の明るいトピックは、MLB・エンジェルスの大谷翔平選手が今日アスレチックス戦で勝ち投手となり、10勝目を挙げた。併せて25号本塁打を放ち、2桁勝利に2桁本塁打のベーブ・ルース(13勝、11本塁打)以来104年目となる偉業を達成したことである。アメリカ人もびっくりである。しかも、この試合で大谷は、日米通算1,000奪三振も記録した。これは、日本人投手としては、野茂茂雄、ダルビッシュに次ぎ3人目である。大谷の前向きの良さが現れたのは、前日に相手チームの投手に足を踏まれ、この日も打球を足に受けて相当痛そうであったが、それを気にせずプレーし続けた積極性である。今季どれほど投打の成績を上積みすることが出来るだろうか、新たな楽しみが増えた。

 ところで、9月に受ける右眼白内障手術のため、昨日東京医療センターで、いくつかの検査をうけたが、今日も膠原病内科で4週に1度の検査を受けた。糖尿病の数値であるHbA1cはこのところ安定して今日もCRP数値同様に問題なく、服用薬のプレドニンを2㎎から1㎎に減らすことになった。ただ、去る1日人間ドックで急遽診てもらった左足血管がやや硬くなっているとの診断で、ウォーキングなどをして足が痛くなったら動脈硬化の前兆だから気をつけるようお達しがあった。

 午后ゼミの先輩・利光國夫さんから電話をいただき、先日胃カメラ検査をしたが、大分問題があるようで、結果は15日に知らされるとのことだった。最悪の場合は胃がんの恐れもあると言い、今は起きていても寝ていても喉の具合が悪いというお話しだった。平均年齢を超えると健康が段々厳しくなるということで、それは私も同感である。ただ、滅入ってばかりもいられないので、力づける言葉をかけることしか出来ない。

2022年8月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5467.2022年8月9日(火) 広島に続き、長崎も原爆投下から77年

 6日の広島原爆‘LITTLE BOY’投下77周年に続いて、77年前の今日9日長崎市内へ原爆‘FAT MAN’が投下されてから77年になる。この日投下された原爆は、「太った男」と呼ばれただけあって直径1.52m、長さ3.25m、重さ4.5㌧の大きなプルトニウム爆弾だった。当初の投下目標地は、現在の北九州市小倉地区だったが、爆撃機B29「ボックスカー」の機長は、小倉上空の天候が勝れないのを知り、止むを得ず第2目標地点の長崎へ迂回した。ここには、三菱重工長崎造船所があり、午前11時02分2つ目の原爆が投下された。当時の長崎市内の人口は約24万人だったが、その内1/3に当たる7万人以上がその年の年末までに亡くなった。

 今日開催された長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典には、岸田首相、中満泉国連事務次長、核保有国6か国を含む83か国の駐日大使らが出席した。長崎市の田上富久市長は、平和宣言で「核兵器を持っていても使われないだろうというのは幻想。核兵器をなくすことが、未来を護るための唯一の現実的な道」と強調して、核兵器を全面的に禁止する核兵器禁止条約への署名・批准を政府に迫った。これに対して岸田首相は、広島と同じく、今までの姿勢を変えずに、「長崎を最後の原爆被災地にする」と語ったが、長崎市民の考えとはすれ違いで彼らの要望をまたもスルーしてしまった。

 この1年間に死亡が確認された死没者名に3,160名の名前が新たに追加され、長崎原爆被爆者らの死没者は、実に19万2,399人を数えるに至った。77年前の死没者の約3倍弱になった。いずれ被爆者はいなくなる。このままで良いものだろうか。プーチンも岸田首相もよくよく考えてもらいたい。今日長崎の最高気温は28.5℃で、八王子38.2℃より10℃も低かった。

 さて、6日夜中国・福建省の沿岸部にある世界で最も古い木造の橋・万安橋が焼失した。オリジナルは今から900年前に建造され、300年ほど前に一度焼け落ち、再建された貴重な橋である。釘は1本も使用されず屋根付きの国宝級の建築物である。長さは98mでかなり長い。火事の原因は現在調査中ということである。

 なお、世界最長の木造橋はギネスによれば、「厄なし(8974)」と語呂合わせで長生きの橋とも呼ばれている大井川に架かる897.4mの「蓬莱橋」だそうである。但し、屋根がなく、橋の凸凹が激しい。

 個人的な考えであるが、橋火災の原因は世界的な猛暑から来る熱波によるものではないかと考えている。実際今年の夏は世界的に過去にないほどの高温、熱波で、世界各地で山火事が起きている。過去の東京都内の猛暑日の最多は年間に13度だったが、今日36℃を記録し、今年14度目の猛暑日となり過去最多となった。どこもかしこも暑い(熱い)話ばかりで汗が止まらないが、今日全国で一番暑かったのは、群馬県館林の38.6℃で、2位は栃木県佐野市の38.4℃、3位は埼玉県鳩山町の38.3℃だった。全国の高温上位10都市は、10位の京都市を除いてすべて関東地方である。九州や沖縄は入っていない。長崎の例でも分かるように、この点でも我々は「南ほど暑い」という認識を少し改めるべきではないかと思う。

2022年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com