5486.2022年8月28日(日) NPT会議、ロシア1国の反対で決裂

 どうも悪い予感がしていた。それがズバリ当たってしまった。5年に1度国連本部で開かれる核軍縮、核不拡散、原子力の3本柱で平和利用を目指す核不拡散条約(NPT)の再検討会議が、最終文書の合意を得られないまま閉会となってしまったのだ。ウクライナ侵攻でロシアが核の使用を仄めかし、不穏な空気の中で開かれた全体会合は、4週間も費やした。その挙句にロシアの反対で最終文書を採択出来ず、何収穫もないまま会議は閉会となった。前回2015年の会合でも中東の非核地帯構想を巡って交渉が決裂し、最終文書を採択出来なかった。今回は当初の予定より2年遅れて開かれたが、またも何の成果も得られなかった。これで半世紀以上に亘って核戦争のない世界に寄与してきたNPTへの信頼まで揺らぐ事態となってしまった。1970年に発足したNPTには191か国もの国々が加盟している。そんな多数国の合意文書をロシア1国の身勝手な都合で合意出来なくなってしまったのだ。最後にはロシアがやや受け入れやすい文書に修正して、同じ核保有国の中国がロシアに説得を試みたが、ロシアはそれに応じなかった。

 そもそも本会議は大雑把に言えば、核軍縮を保有国が漸進的に進め、将来的には核のない世界を作ることが目標である。それが今回核保有国、特にロシアの身勝手な主張でむしろ後退する結果となった。当然非核保有国からは不満が噴き出ている。また、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のフィン事務総長は、失望と同時にこれはロシアだけの問題ではないとも語った。積極的に動かない他の核保有国への不満であろう。ウクライナ戦線に光が見えない中で、核について前向きな意見が出にくい状況にあると言える。

 ところで日本は世界で唯一の被爆国という立場上国内外から、NPTに向けてより積極的な行動を取るべきだとの声が強いが、日本政府はアメリカの核の傘の下にあるとの立場から、これまで核保有国と非核保有国の架け橋になるとの抽象的な発言をしただけである。今回の会議に岸田首相は日本の首相として初めてオンラインで参加したが、「核なき世界」を掲げる被爆地・広島の出身である首相、反って出鼻をくじかれた形となった。

 いずれにせよ、核軍縮への期待は当分の間消えてしまった。当面ウクライナのザボリーシャ原発に対するロシア軍の攻撃中止を祈ることしかない。このままではいずれ核戦争の危険が増すばかりである。この切羽詰まった事態を核保有国、特にロシアは本心ではどう思っているのだろうか。世界中の人びと核の危機で怯えさせ、核を持たない国の人びとがこれを何とか止めさせようと躍起になっている。だが、核保有国のロシアは、そんなことは歯牙にもかけない素振りである。一説によるとロシアの狙いは、ロシア国内に政府の強硬姿勢を示すことによって国民の政府への信頼感を高めることが出来るとの思惑があるようである。ロシアにとっては世界の危険除去より、自国民からの信頼、忠誠の方が重要なのだろう。

 当然ながら被爆地、広島と長崎でも落胆が広がった。11月に広島で開かれる「国際賢人会議」、更に来年5月に同じ広島で主要7か国首脳会議(G7サミット)を主催する岸田首相としては難しい立場に立たされることになった。

2022年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5485.2022年8月27日(土) 安倍元首相国葬の是非

 ちょうど1か月先の今日9月27日に安倍元首相の国葬が行われる予定である。一般には国民の誰もがその業績を評価し、人格的にも優れた人を国家、国民が弔意を示しつつ彼岸へ送るというのが、国葬のあるべき姿であると思う。その点では、この度の安倍氏の国葬は、岸田内閣があまりにも拙速に実施を決めたことが、問題をこじらせたように思っている。国民の半数以上が反対する国葬をどうして決行しなければならないのか。国葬には、慣例として皇族方が出席されるようだし、各国からも首脳ら要人の出席が予想されている。アメリカからオバマ元大統領、ハリス副大統領、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル前首相らの出席が伝えられている。

 安倍元首相の功績としてしばしば言われることだが、首相として通算8年7か月の歴代最長在任期間を推薦の切り札に上げるが、必ずしも安倍氏が優れた業績を挙げたということではない。自民党内にも政界にも対抗出来る有力な政治家がいなかったこともあり、在任期間だけを長所にしても説得力がない。確かに外交上は、あのうるさ型のトランプ大統領や、プーチン大統領ともさほどの引け目を取らずに付き合っていた。国内における実績としては、アベノミクスと言われる経済政策が一部には評価されている。

 しかし、マイナス面の言動も多かった。その最たるものは、森友・加計学園問題の国有地払い下げと、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との底知れぬ闇の関係であろう。前者については、公示価格を大きく下回る価格で学校建設用地を森友学園に払い下げ、それが問題視されると財務局職員に罪をなすりつけ、自死者まで生んだ。その森友学園の名誉校長となったのが、安倍昭恵夫人だった。それでも安倍氏は国会答弁で何ら疚しいことはなく、もしそれが事実なら首相はもとより、国会議員も辞めるとまで見えを切ったが、首相を辞めたのは他の理由であり、亡くなるまで国会議員を辞めることなく、むしろ自民党内で最大派閥のボスとなって政界内に隠然たる力を揮っていた。他にも私的な「桜を見る会」実施に当たり寄付を受け、公的資金を使い、公職選挙法違反及び所得税法違反の疑いがかけられていた。それらは、すべて元首相の死とともに追及されることなく忘れられ、表面的な功績だけが強調されいる。それでも保守的な自民党員は、ほぼ全員が国葬賛成である。二階元幹事長の如きは、昨日の記者会見で「国葬をやらなかったらバカだ」とまでうそぶいた。こんな世論を読めない発言をする政治家こそ「バカ」ではないか。

 今回の国葬に際して、閣議決定だけでことを進め、反対論が強いにも拘わらず国会で一切論戦がないまま、国費を使って実施する計画だけが先行している。しかも、前記の旧統一教会との怪しげな関係も問題である。今広く話題となっている旧統一教会との関わり合いが多くの問題を派生させているが、そもそも旧統一教会との最初の接点安倍元首相の祖父・岸信介元首相にあり、統一教会の暗い秘密が安倍元首相と旧統一教会を密接に結びつけたのである。こんな不条理な闇をそのままにして国葬によって安倍元首相を来世へ送り出すことが、倫理的にも常識的にも許されることだろうか。

 実際岸田内閣の大臣、及び副大臣、政務官の間に旧統一教会と関係を持った人物が実に多くいる。内閣も血だらけではないか。そのように血なまぐさくしたのは、誰あろう岸、安倍一族であることをよく考える必要があるだろう。

 今日新宿西口では国葬反対の大規模なデモが行われ、福島瑞穂・社民党党首や、作家の落合恵子氏らが声を大にして通行人に反対を訴えていたようだ。

2022年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5484.2022年8月26日(金) 旧文部省教員海外視察団の懐かしい思い出

 大分前のことになるが、学生時代の友人に旧文部省主宰の教員海外教育事情視察団に、どのくらい関わっていたのかと唐突に聞かれたことがある。つい先日ちょっとした暇つぶしに添乗員として随行した全視察団のレポート集を含めてすべての資料を調べてみた。

 この旧文部省教員海外派遣プロジェクトは、かつて田中角栄首相が在任中に始めた文部科学行政の一環であり、毎年全国の公立小中高教員に海外視察の機会を与えることによって、教員に国際的視野を身に着けて欲しいとの願いから実行に移されたものである

 幸いこのプロジェクトに長年携わることが出来、21回も全国の先生方とともに海外の教育施設を訪れ見学する機会を与えてもらった。1976年に初めて長期団でスウェーデンとアメリカへ出かけてから1995年短期団山梨県の先生方とご一緒するまで20年間に実に533名の先生方と海外の教育施設で行動を共にする貴重な機会を得ることが出来た。最初のアメリカ、マサチューセッツ州のニューベッドフォードは、ジョン万次郎が漂流中助けられ、生活したホイットフィールド船長の自宅があるところである。ここにはジョン万次郎記念館もあり、私の妻がジョン万次郎の遠戚であることを館長に話したところ、次回は是非夫妻で訪れて欲しいと仰っていただいた。残念ながら、最早半世紀近くも経つのに、その夢はまだ実現していない。

 ところで、長期団とは1か月の旅程で全国の先生から構成される視察団であり、短期団は都道府県単位で16日間の研修旅行である。普通の海外旅行に比較すれば、やや長い旅程でもある。私自身長期視察団9団と、また短期団では茨城5団、山梨2団、以下東京、埼玉、群馬、福井、兵庫7都県12団とともに旅をして、20年間に延べ462日間海外研修していたことになる。

 現在コロナ禍もあり、当初の計画通りこのプロジェクトが実施されているかどうかは定かではないが、家庭が貧しく高等教育を受けられなかった田中首相ならではの思いが籠められたプロジェクトで、現場の先生とともにこのプロジェクトに参画出来たことは幸せな体験だった。最初のころは国際的にまだ東西対立の時代であったが幸い社会主義国家と呼ばれていた国々を訪れることが出来て、資本主義国と対極にある国々、特に社会主義教育のありのままの姿を自分の目で見学することが出来たことは幸運だったと思う。

 特に、第3世界と呼ばれたチトー大統領のユーゴスラビア、ソ連の厳しい監視と制約に抑圧されそうなチェコスロバキア、東西分裂下の東西両ドイツ、独裁者チャウシェスク大統領支配下のルーマニア、同じ社会主義国ブルガリアなどを覗き見ることが出来たことは、後学のためにも貴重な体験となった。西ドイツとは大きな経済格差が見られた東ドイツの学校訪問では、常に秘密警察シュタージ係官に監視され、思いつめたような環境の下で、日本側の質問に答える東ドイツの教師の怯えるような態度が強く印象に残っている。最も多く訪れた国はアメリカで、9回訪れ、学校訪問に訪れた都市18都市に及んだ。

 この教育視察団のひとつで思いがけないことがあった。それはベオグラードで友人山崎洋さんに巡り合えたことである。1984年ユーゴスラビアのリエカを視察の際、現地通訳を務めてくれたのが、ゾルゲ事件でゾルゲの仲間ブランコ・ド・ブケリッチ氏の遺児・山崎さんだった。彼は大学内キャンパスで私の顔を見たことがあるような気がすると言って話し合っている内に、奇しくも大学、専攻学部、卒業年度まで同じだということが分った。まったく予想もしなかった出会いだった。こんな奇跡的なこともあるものかとお互いに驚いた次第である。

 大学卒業後、彼はすぐユーゴへ渡航し爾来現在ユーゴ解体後のセルビア・ベオグラードに居住し、現地の情報を広く発信している。今でも付き合いは続き、毎年のように会っていた。コロナ禍なければ今年も彼が日本へ一時帰国して会っている筈だった。今では最も信頼出来る親しい友人のひとりである彼との付き合いによって、世界が大きく広がったし、国際社会を見る立ち位置も少し変わった。彼から教えられることも多く、今やかけがえのない友人となった。初めての出会いから早や38年、この付き合いは終生続けて行けると思っている。これもこのプロジェクトがもたらしてくれた思わぬサプライズ・プレゼントである。

 旅行中原則として食事も自分で手配することもひとつの教育と考えられ、旅行当初は先生もかなり当惑していたが、慣れるに従いスムーズにご自分で食事を取れるようになった。

 学校訪問を通して思いがけず知ったことは、初等教育では一般的に先生は子どもたちに教えることが好きであるというより、むしろ先生は子どもたちが可愛くて大好きだということを登校時、下校時の様子を見て知らされた。これこそが初等教育に携わる教師の原点であると思う。また、アメリカでは教師はほとんど喫煙しないことで、日本側の先生がタバコを喫えなくて落ち着かなかったことも印象に残っている。

 帰国後は、各団ともに毎年のように同窓会を開いていたが、年々それも少なくなり、今ではすべて解散してしまった。参加された先生も年々彼岸へ逝かれて今では数少なくなり、先生文通だけの交流になってしまった。

 添乗員には、文部省からヨーロッパでは現地通訳をアテンドしても良いが、英語圏では渉外係の英語教員と添乗員が通訳を分担して務めることが義務づけられ、普段は英語を教えている先生も相当悩まれていた。添乗員としても通訳は必須だったので、業務を果たしていたが、初めの内はかなり悪戦苦闘した。学校訪問時の通訳は、次第に慣れてきてさほど苦労することもなくなったが、ある都市で急遽ビール工場の見学が決まり、ビールの製造工程には専門用語が多く、その時の通訳業務には随分苦労したことがあった

 いずれにしろ、この教育視察団に同行出来たことは、自分自身の視野を大きく広げてくれ、世界情勢にも広く目を開かせてくれた。現地の新聞にも度々取り上げられ、テレビにも何度か顔を出したことがある。とにかく、旅行業者としてはこのような格調高いツアーに関わることが出来て、普通では訪れることがないような国々をタイムリーに訪れ、話題の都市に滞在するハッピーな経験をさせてもらった。正に旅行業者冥利に尽きると言えると思う。こういう上等な業務に携わることが出来たサラリーマン人生を心から幸運だと思い、有難く思っている。

2022年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5483.2022年8月25日(木) 本場のミュージカルはやはりすごい。

 久しぶりに本場のミュージカルを渋谷のオーチャードホールで鑑賞した。市川学園中学時代のクラスメートに、今春ブロードウェイのミュージカル‘A CHORUS LINE(コーラスライン)」の公演が日本であるので一緒に見ないかと誘いを受けていたものである。劇場は満員だった。まだ会社勤めだった当時、ニューヨークへ出張した際に、「CATS」「オペラ座の怪人」などの人気作品をしばしば見て、面白かったとの印象があるが、今日見た30~40名からなるショーは、やはり本場ものらしく迫力が違った。ミュージカルについて詳しく知っているわけではないが、今日見た「コーラスライン」は、ダンスにしても切れ味があり、手足のジェスチャーまで全員揃っていて、コーラスも素晴らしい歌唱力には感動した。見ていても音声に覇気と情熱が感じられ、心から満足して鑑賞することが出来た。機会があれば、またいつか本場のミュージカルを楽しみたいものである。

 さて、コロナ禍とウクライナ戦争の影響で、日本ばかりでなく世界中で電力不足が懸念されているが、政府は原発稼働についてこれまで言葉を濁していたが、この電力不足を盾に岸田首相は、昨日唐突に原発再稼働について前向きな考えを示した。原発の新増設や建て替えについて検討を進めるとの考えである。現在までに再稼働した原発10基に加えて、東電柏崎刈羽6,7号機、関西電力高浜1,2号機など7基について来夏以降再稼働を進める方針を示した。これまで、原発汚染の問題で地元住民をはじめ、広く警戒感が強かったにも拘らず、一気に再稼働へ話を進めたのには、そのむちゃぶりと問題軽視に少々首を傾げている。これがスムーズに行くかどうかは、何とも言えない。この政府の方針転換は、福島第一原発の事故後の原子力政策を転換させることである。これまで電力業界や自民党の一部は新増設を求めて来たが、政府は世論の反発を考え慎重だった。今回政府が原発再開へ踏み込んだのは、その背景に電力不足が決定的になったことがある。電力会社は火力発電への投資に消極的で、発電能力が不足がちだった。特にウクライナ戦争の結果、原油や天然ガスが高騰したことが大きい。また、2011年の東日本大震災時における福島原発の問題点がクリアされたわけではない。最大の問題点は、難しい課題の多い原発再開について地元住民をはじめ国民全般の理解が得られるか、極めて不透明であることだ。
 それにしても疑問を禁じ得ないのは、これまで原発稼働について国民の間にあれほど強かった反対論を、昨今の電力不足を理由に、政府が安易に原発稼働を検討し始めたことである。昨今の岸田政権の言動は、政治家の旧統一教会との関係、安倍元首相国葬、そしてこの原発回帰などについて国民の考えに配慮することなく、また国会で充分な議論を行うことなくことを進めることである。これら国民が抱える不安とか、反対について政府は少々勇み足ではないかと気になる。

2022年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5482.2022年8月24日(水) いつもと異なるウクライナ独立記念日

 ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まってから今日でちょうど半年になる。奇しくもウクライナがソビエト連邦から独立宣言して31年目を迎えた。例年なら独立記念式典を賑やかに行うところだが、戦時下にあることから式典行わず、首都キーウの目抜き通りにロシア軍の破壊された戦車などを陳列した。

 戦争の悲惨な様子が連日メディアから伝えられるが、戦争が終息する見通しは立っていない。プーチン大統領が核戦争を仄めかし、ザポリージャ原発を占拠しているロシア軍が、そこを根城に攻撃しているので、ウクライナもうっかり手が出せない。ウクライナから近隣諸国へ避難した人は、国連の公表によると1,110万人以上、国内で避難生活を送っている人が660万人以上いると言われ、避難民の数はウクライナの人口4,300万人の約1/3を占めている。ウクライナ軍兵士の死者が9千人近く、民間人の死者も国連集計では、5,500人であるが、実数はそれより遥かに多いと見られている。一方でロシア軍の戦死者数は、ウクライナによると4万5千人を超えたとみている。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍が奪い取ったクリミア半島をはじめ、東部地区の占領地を奪還しない限り停戦はあり得ないと強気な中に当然の発言をしている。大統領の発言から推して、ウクライナは例え兵器が不足しようとも従来通りアメリカをはじめ各国の支援を受けて戦い続けるだろう。このままいつまでも戦争が続くなら、更に一層難民、被災者が生れる可能性があり、いつまでも悲劇が繰り返される恐れがある。
 さて、来年度の各省庁の概算予算請求がほぼ固まりつつある中で、内閣府は沖縄復興予算の概算要求額を10年ぶりに3千億円を割り込み、今年度より、更に200億円減額する2,798億円を請求する方針だという。これは明らかに沖縄県民、並びに普天間飛行場の辺野古移設に反対する現職の玉城デニー知事に対する嫌がらせである。25日に公示される沖縄知事選で玉城知事に対抗して立候補すると見られている移設容認派の佐喜眞淳・前宜野湾市長、及び移設の一部見直しを主張する下地幹郎・元郵政民営化担当相らへの強力な支援でもある。

 沖縄復興予算は、2013年仲井真弘多知事当時、辺野古沖の埋め立て承認を前に、年3千億円を政府は21年度まで確約した。14年度には3千5百億円にまで増えた。だが、同年辺野古移設反対の翁長有志氏が知事に当選するや減額する措置を取った。以後一方的に予算を減額した。23年度は14年度に比べて約20%余りの減額となった。いろいろ思惑や理屈はあるだろうが、仮にも復興予算と名付けて戦災地沖縄の復興に役立つことを願った予算が、辺野古移設に反対だからとして、県民の気持ちを逆撫でするように大幅に削減するのは、あまりにも沖縄を愚弄した見え透いたやり方ではないだろうか。さりとて知事選で自民党が推す候補者が絶対勝てるという保証は必ずしもないと思う。しかも辺野古移設は、県民の反対を無視して着々と工事は進められている。移設工事はどんどん進め、復興予算は減額して、これでは戦争で苦しんだ沖縄の人びとに、再び煮え湯を飲ますような所業ではないか。岸田内閣の支持率が下がる原因のひとつに、沖縄県民軽視もあるのではないか。

2022年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5481.2022年8月23日(火) うまくすると眼鏡は要らないかも・・・。

 9月16日に東京医療センターで右眼の白内障手術を受ける予定であるが、その前に手術を受けるに当たって説明と検査があり、今日2度目の検査のために医療センターへ出かけた。2週間前に最初の検査があった。ちょうど2年前に左眼の白内障の手術を済ませて視力は随分向上し、前回と同じ担当医であり、左眼同様に右眼の手術も成功するなら今後眼鏡を必要としないのではないかと思っている。元来視力は良かった。高校時代は両眼とも1.5の視力だった。それが浪人生活1年目に受験勉強に無理をし過ぎたのか予備校に通っていた時、日に日に黒板の字が見難くなり、父の知人の紹介で自衛隊中央病院で検査してもらったところ仮性近視と診断された。医師から自宅が海に近いのなら、毎日遠くの海を見続けていれば自然に治ると言われた。ところが、浪人生活の一番大事な受験勉強の最中に毎日悠長に海ばかり眺めているわけには行かず、「四当五落」を自らに言い聞かせていたこともあり、医師の折角のアドバイスではあったが、聞き入れることなく受験勉強に力を注ぎ、以後視力は元へ戻らなくなってしまった。あれからもう65年が経過した。うまく行けば、秋には無垢だった青春時代と同じ眼鏡なしの生活を取り戻せるのではないかと密かに期待している

 いま眼鏡を使用しているが、絶対必要というほどの重要性はなくなった。むしろ両耳に眼鏡の縁、補聴器、マスクを着けると煩わしいこと夥しい。そのうえ、マスクを常時着用するようになってから眼鏡のレンズが曇りがちになり、面倒である。眼鏡を不必要ということなら正に願ったり叶ったりである。
 さて、
連日炎暑続きで些か閉口しているが、最近の傾向として南国の沖縄が今年ばかりは、猛暑日がほとんどなく気温も関東ほど高くはなく、沖縄は「避暑地」とのジョークまで聞かれる。東京都心では今年猛暑日がすでに14日もあって過去最多である。一方、沖縄では7月に1度猛暑日があったが、8月に入ってからは1度も猛暑日がない。那覇市内の過去最高気温は、2001年8月9日に記録された35.6℃というから、東京の暑さに比べると「避暑地」という言葉が出てくるのは無理もない。因みに北海道の最高気温は、音更町で2014年6月4日に記録された37.8℃だそうだが、最低気温は-41℃でその寒暖差、78.8℃日本記録である。それにしても那覇市の最高気温より、北海道の最高気温の方が高いというのは、どうにも信じがたい気がする。

 ともかく先入観というのは中々頭から消えないものだが、「南国沖縄は暑い」との思い込みが決してそうでないということを今年の異常気象が教えてくれる。

2022年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5480.2022年8月22日(月) 仙台育英高、東北勢甲子園初優勝

 今日夏の全国高校野球決勝戦が行われた。かつては甲子園は憧れだった。今日も決勝戦をずっと見続けた。中学3年時には開会式から3日間連日甲子園に通いつめた。2人の子どもが小学生の頃は夏休みになると彼らを甲子園に連れて行くのが恒例となった。高校3年時の昭和31年夏の大会で平安高校が優勝した時、優勝パレードでグランドを行進していたのは、平安中学校の同級生たちだった。母校湘南高校も今から遠い昔の73年前に初出場・初優勝を果たした。どれもこれも懐かしい想い出である。

 戦前の全国中等学校野球大会(現全国高校野球大会)では、臨戦体制の影響を受け、開戦時の昭和16年から終戦の昭和20年まで大会は中止された。それが今日では、年々ハード面はもとよりソフト面でも大会実施面、及び選手の健康面で理想に近い配慮がされるようになった。今では、全体の日程を連戦のないように組み、準々決勝と準決勝戦、準決勝と決勝戦の中1日を休息日にしている。1人の投手が1週間以内に500球以上投げてはいけないルールまである。他にもかつては、ベンチ入りの選手を9人から14人に増やしたが、今では18人で戦う態勢になった。このために最後まで1人の投手が投げ切る完投は大分少なくなった。

 それが、戦時下ではかなり制約があった。「選手」ではなく「選士」と呼ぶことや、「打者は投手の球をよけてはならない」なんてナンセンスで危険なルールもあった。途中交代禁止なんて乱暴なルールもあった。これでは1人でも負傷者が出た場合には8人で試合に臨まなければならなかった。我々がラグビーをやっていた高校時代は、試合途中での選手交代は認められなかったものだ。1人ケガをすれば、14人で戦わなければならなかった。あまりにも選手の健康を気遣わない前近代的なルールだったと言えよう。今では選手交代を作戦上有効に活用したり、交替が当たり前になった。

 さて、今日の決勝戦であるが、宮城県代表の仙台育英高が、山口県代表の下関国際高を8-1で破り、東北勢として初めて優勝を遂げた。越すに越されぬ「白河の関を越えた」優勝と言われている。過去に東北代表校は決勝戦に11度進出したが、いずれも惜敗して栄冠を勝ち取ることが出来なかった。全国3,547校の頂点を極めた仙台育英高の栄誉を心より祝福したい。これまで高校球界では弱小エリアと考えられていた東北地方からベスト4に2校も進出するとは思いも寄らないことだった。それほど東北勢は力をつけてきたと言える。過疎地域の高校が強くなるよう、つい人情的に応援したくなるものだ。若干気がかりなのは、それらの強豪私立校選手の中に、地元の選手が果たして何人いるかということである。強豪校ほど全国から優秀選手をスカウトして地元出身選手がいなくなる傾向がある。

 1984年夏の大会で茨城県立取手二高が、PL学園を破って優勝した時、偶々茨城県教育庁で教員海外派遣団の事前研修会を行っていた県職員、先生方の取手二高への熱の入れ方がすごかった。優勝が決まるや、直ちに県庁にプラカードと横断幕が掲げられた。その時ある先生からこれが私立校だったらこれほど盛り上がらないと伺った。地元の選手、特に公立校出身選手の活躍が期待されていたのだ。果たして優勝した仙台育英高校選手の中には、どのくらい地元出身の選手がいるだろうか。優勝に水を差す気持ちは毛頭ないが、それでもやはり気にはなる。

2022年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5479.2022年8月21日(日) 悪徳商法の旧統一教会にズブズブの自民党

 カルト集団の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、NHKを除いてメディアでもかなり詳細に報道するようになった。更にそれをネットや週刊誌で調べてみると、さほど裕福ではない日本人信者が徹底的に資産を絞り取られ、そのうえ思考力まで奪われていたくらい、しつこく悪質なものであることが徐々に分かって来た。

 決して許されることではないが、安倍元首相が山上徹也容疑者に暗殺された背景には、彼の母親の旧統一教会への多額の献金によって容疑者の家庭が破壊されたことがあり、それが容疑者への同情を誘っている。偶々不幸な事件が、今日の悪質なカルト集団、及び自民党との抜き差しならぬ関係を公に晒すことになったのは、ケガの功名である。旧統一教会が、設立当初から日本を金づるとして目をつけていたことがはっきりした。それ自民党が手を貸していたとも言える。その自民党、旧統一教会との関係はないと逃げるばかりで、多くの国民が不幸のどん底に突き落とされたことに、知らぬ存ぜぬで反省をしようともしない。

 朝鮮戦争後旧統一教会を設立した創立者の文鮮明会長は、妻の韓鶴子現会長とともにアメリカへ渡り多くのビジネスを手掛けた。その資金源は日本からの献金で、実に4,700億円が持ち出された。文夫妻は、これら多額の献金により日本信者の家庭をつぶした資金をアメリカで投資したり、豪邸を建てたり、カジノで遊び回っていたという。仮にも宗教家を名乗る人物が賭博にうつつを抜かしていたとは笑止である。

 設立当時韓国国内では、スパイ機関の中央情報部(KCIA)と信頼関係を築き、その後首相になった金鐘泌局長の紹介で国内に信者を増やして行った。

 実は、文鮮明氏はアメリカで事業を行った時、脱税により有罪判決を受け収監されている。それを知った安倍元首相の祖父岸信介元首相が、当時のレーガン大統領に頼んで釈放してもらったとの噂もある。その文氏が1992年に来日した際、入管法の規定では入国が認められないのを超法規措置で入国を認めた。それに関わったのが金丸信自民党副総裁であり、岸元首相以来自民党と旧統一教会の関係はズブズブだったのである。安倍元首相の度重なる旧統一教会への賛辞は、とても一夜漬けで出来ることではなく長期に亘る強い信頼関係に基づいた行為だった。自民党は、旧統一教会を選挙の道具に利用し、小選挙区制になってからは票読みまでして、旧統一教会を差配していた。こんな悪質な疑似宗教団体を利用しながら、選挙でも有利に手配して非道なことを行ってきた自民党の悪質さも止めどもない。

 これほど非難されているカルト集団との長きに亘る懇ろな関係を、どうして自民党は世間に、また国民に対して今後一切手を切ると約束出来ないのだろうか。人の意見をよく聞くと自ら得意気に語った岸田首相が、「検討する」との言葉一辺倒で一向に思い切って断交を言えないのか。そのせいもあり、このところ岸田首相、及び岸田内閣に対する支持率が急激に低下している。毎日新聞社の世論調査によると直近の支持率は36%で1か月前の52%から16%も下がり、発足以来最低であるのに対して、不支持率は37%から54%に上がっている。岸田首相は、「検討」ばかりして、決断しないからで、一部には岸田内閣は「検討(遣唐)使」と皮肉られている。その岸田首相も今日まで夏休みを取っていたが、その間にコロナに感染したというおまけまでついた。昨日のブログに、日本人には「集団腐敗体質」が潜んでいると書いたように、総理大臣を筆頭に、特に政治家にその疫病が取り付いているようだ。

2022年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5478.2022年8月20日(土) 日本人に沁み込んでいる「集団腐敗体質」

 このところ連日あれこれ報道されているのが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)、及び旧統一教会と関係のある国会議員である。先日共同通信が全衆参国会議員にアンケート調査した結果、旧統一教会関連団体のイベントに出席したり、選挙協力を受けた議員が、実に106人もいることが分った。中でもこの数日注目されているのは、萩生田光一・自民党政調会長である。萩生田氏自身都内八王子市出身で、市議会議員当時から旧統一教会八王子家庭教会に顔を出していながら具体的な関係を語らず、明確に説明をしないことから旧統一教会と深い関係があると見られている

 岸田首相は、去る9日長崎原爆慰霊追悼式典に出席の折、「政治家としての責任において旧統一教会との関係を点検し、厳正に見直すよう指示した。そうすることが新閣僚や党役員などにおいても前提となる」と語ったが、その後の役員人事を見ると、そうだろうかと疑念が湧いてくる。どうして岸田首相は、そこまで言っておきながら人事で疑いのある議員を重要ポストに登用したのか首を傾げざるを得ない。

 そこには、日本人特有の「集団腐敗体質」があり、ある程度の集団になると日本人に沁み込んでいる腐敗が現れることのようだ。実は、「選択」8月号巻頭に新谷尚紀・国立歴史民俗博物館名誉教授へのインタビューが掲載されている。日本人の体質について新谷教授は次のように分析している。日本人が誕生したころは、個人で狩りを行う狩猟民族と異なり、農耕民族として集団で稲作を行ったことから、集団で稲作をやれば収穫後に楽しいことが待っていると知っていた。総合的な経営、集団的な行動が第一であると身体で知ったのである。集団の中で生きてきたために、日本人には個人としての危機感がなく誰も責任を取らない。太平洋戦争で負けても一億総懺悔と誤魔化し、原爆慰霊碑にも「過ちは繰り返しません」と書いてあるが、誰の過ちなのか分からない。組織の中の役割分担でやっていたのだからと誰が悪いのかを特定しない。世の中で責任を追及しないし、させない社会システムが完成しているという。過去に他人の責任を追及する人間がいたら、むしろ彼をいろいろなレッテルを貼って社会から排除してきた。これは、一般社会でも企業の不祥事などでも原因を明らかにしない傾向がある。

 翻って今日の政治家の行動を見てみれば、明らかである。先日殺害された安倍元首相は、森友学園、加計学園問題で国家資産を利己的に処理し、国家に損害を与え、その関連から近畿財務局職員を自死に追い込んだ。かくまでして一向に反省の色がなく、疚しいことがあれば国会議員を辞めるとまで公言した。更に「桜を見る会」の公私混同と公職選挙法違反、所得税法違反など、数々の問題行動を起こしている。それでも国会議員を辞める気はない。それでも亡くなるまで政界で大きな力を揮っていた。当時総理大臣だった人物の犯した罪に、周囲は何も逆らうこともなく、厳しい非難を浴びせることもなかった。上に立つ人間に追従する人ばかり増え、日本人集団は付和雷同的な民族だと言える。

 新谷教授は、自立心も自覚もない日本人は、選挙をやっても無自覚な投票者ばかりで意味がないと語っている。選挙が機能していないとまで述べている。100%その通りとは言ないが、かなり教授の言うことは理解出来る。ただ、これでは今の日本で生きていくには、何に希望を抱いて生きていくのか、少々先が暗くなる。せめて自立心と自覚を持ち、ことに当たっては是々非々をはっきりさせることが大事だと思う。

2022年8月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5477.2022年8月19日(金) コロナ感染者数、4週連続世界最多

 コロナ禍が第7波に突入してから一向に勢いが衰えない状態に、イライラしていたところ、昨今微増微減を繰り返していた新規感染者数が、昨日全国で一気に255,534人を数え、7月28日に233,094人を記録して以来8日ぶりに過去最多を記録した。ところが、それに追い打ちをかけるように、今日も26,1029人が感染し、2日連続で過去最多となった。

 世界保健機関(WHO)がまとめた14日までの1週間の感染状況によれば、何と日本の新規感染者数は4週連続で世界最多という高水準レベルにいる加えて死者数も1,600人を超え、アメリカに次ぐ世界で2番目の多さとなった。この好ましくない不名誉なニュースについては、日本のメディアはほとんど報道することはない。日本はワクチン接種も比較的行き届き、衛生面でも安心と思われているが、何故に世界で最悪という情けない感染状況になるのだろうか。現実にこの厳しい数字を突き付けられると対策としてどうしたら良いのか中々思いつかない。あの北朝鮮が、あっという間にコロナ・ゼロと発表したが、真偽のほどはともかく、あのファットマン金正恩さんにその極意を教えてもらいたいものである。所轄の厚生労働省は、一応出来ることには手を尽くしているように見えるが、この数字を見ると日本の防止対策はまだ甘いと言わざるを得ない。

 ただ、気になるのはこのままいつまでもコロナ禍現象が停滞していると、観光業を主に経済的なダメージが大きく、その厳しい防止対策と経済対策のバランスをどのように取るかが問われると言えよう。

 ひとつの例として、打撃を受けた観光業界の中でも、その影響が計数的にはっきり表れるインバウンド業界を見てみると、外国人観光客が日本にやって来なくなった現実が計数的にはっきりしている。かつて数多く訪れていた外国人観光客が今では減少したまま戻らない。ある程度予測していたが、予測以上に観光客が戻って来なかった。

 政府は6月に海外からの観光客の受け入れを条件付きで一部再開したが、思うようには入国者は伸びない。翌7月には、受け入れ再開の影響が反映されると見られていたが、コロナ前の2019年7月に比べると95.2%減っている。インバウンド業界は、2011年には外国人観光客は622万人だったが、以降右肩上がりに増え、19年には実に3,188万人にまで伸長した。それが昨21年は想像もしていなかった25万人にまで落ち込んだ。国交省は2030年には6千万人まで伸ばせると大きな期待を寄せていたが、それが暫く待てばその通り実現するのか、何とも言えない。

 旅行先として日本を選択してくれた外国人には、その夢を壊さずに何とかかつての期待を実現させてあげたいものである。今では取らぬ狸となってしまったかのように思えるが、日本のマーケット市場は、日本人の「おもてなし」の心とともに観光地には魅力が溢れており、必ず外国人にアピールするものと考えている。日本マーケットは外国人にも人気があり、今後コロナのような想定外の不運な事象さえなければ、旅行需要が衰えることはないと思うので、コロナ前の環境さえ取り戻せれば昔の夢を追うことは、必ずしも非現実的とは思えない。期して待ちたいと思う。

2022年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com