5496.2022年9月7日(水) 有難いGoogleのブログ人気調査

 今朝の朝日の死亡公告を見て些かショックを受けた。元朝日論説委員だった轡田隆史さんが先月31日多臓器不全で亡くなられていたのだ。86歳だった。知的生産の技術研究会(通称:知研)でお会いしてから、親しくしていただいた。2016年にキューバへ出かけた翌年4月に知研でその報告を兼ねて講演をすることになった。大学ゼミの友人らにも声をかけ、轡田さんにもそのご案内をしたところ轡田さんから是非キューバの話を聞きたいと仰っていただき、当日トークとその後の飲み会で大いに語り合ったことが懐かしい。リベラルながらも高校、大学とサッカー選手だった轡田さんと話し合うことによってご教授いただくことが多かった。随分勉強させてもらったものだ。とにかく親しくしていただいた知識人が亡くなり寂しい限りである。

 さて、毎月楽しみにしている8月分の「Search Console」がGoogleからメールで送られてきた。最近のブログの中で一番アクセス数が多かったのは、8月16日の「つまらない新聞連載小説」と、4月23日の「幻と消えた第二山手線」だった。前者は朝日新聞朝刊に先月まで連載されていた芥川賞作家・多和田葉子氏の「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」について私なりの率直な感想を書いたものだ。ご高名な著者には失礼に当たると思うが、ドイツに長く在住している著者だけに、ドイツの空気に触れられるようなドイツ的ストーリーを楽しみにしていたが、波瀾万丈とは程遠くドラマ性もなく少々退屈で期待外れの作品だった。

 後者は、NHK・BSで放映されたタイトル通りの山手線に次ぐ新線計画について、その遠大で計画性のある新線開設プロジェクトが、昭和恐慌という時代の風をうけて計画中に取りやめとなったドキュメントである。実際に計画途中だったプラットホームが京王線明大前駅傍にそのまま残されている現実に、プロジェクトのリーダーが実現を目の前にして、時代の風に流され計画を諦めなければならなくなった無念の心情を感じずにはいられなかった。この特別番組を観た友人たちもとても良い企画で、こういう計画があったこと自体知らなかったので、参考になったと言っていた。

 幸いこれら2つのブログが、一般の人の目に入り、読んでいただいたことを有難く思うと同時に、それらの人たちの期待を裏切らないよう毎日真剣にブログに取り組んで行かなければいけないと改めて心を引き締めている。

 今日の証券取引場の円安急騰と日経平均株価の低落には少々がっかりしている。アメリカの相変わらずの高金利のせいで、厳しい円安市場は1㌦=144.06円となり、2.54円の大幅な値下げとなった。日経平均株価は対前日196円安の27,430円だった。アメリカの度々の金利の値上げに対して、日本は一向に打つ手がなくただ見守っているだけという情けない印象である。この円安はエネルギー資源などを輸入に頼る日本にとっては、経済的にも厳しい影響を受ける。そのせいもあり、国内で消費物価の値上げが止まらない。当然政府、並びに日銀は臨機に対応策を講じなければならない筈だが、去る3日の本ブログにも取り上げたように、当事者である鈴木俊一財務相が、為替の動きを注視すると述べただけで、一向に具体的な解決策を打ち出そうとしない。今日も鈴木大臣は、同じような発言で円安の加速について、最近の動きは急速で一方的だと評論家的な感想を述べたかと思うと、円安の動きが継続することに強い関心を持っていかなければならないとまるで傍観者の発言である。従って、この鈍感な担当大臣の発言から察すると円安相場から当分抜け出せそうもなく、むしろそれは強まるばかりで、財務大臣も日銀総裁も仕事をせず不必要な存在になっており、現状を放っておくだけという怠け者天国である。かつては経済大国を自認していた日本にも、随分次元の低い金融司令官が現れたものである。

2022年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5495.2022年9月6日(火) 首相の事象及び人物の判断が不透明

 安倍元首相の国葬に関する話題が喧しい。当初その費用が2.5億円と公表されていたが、規模から推して少なすぎるのではないかと言われていた。松野官房長官は、警護費用などは含んでいないので、葬儀終了後に公表すると語った。ところが、今日になって唐突に警護費用と海外要人の接待費用を合わせて国葬費用は16.6億円になると発表した。野党からはそれでも少な過ぎ、100億円程度はかかるのではないかと言われている。実際政府は海外約200か国・地域と80の国際機関に案内状を出し、参列者も6,400人を想定している。果たして国費の支出16.6億円内に収まるだろうか。

 岸田首相が国葬を決めた理由として挙げた安倍元首相の首相在任最長期間以外は、元首相への忖度と感覚的な理由ばかりで、とても国費を使ってまでも国葬を行う必要はないと思う。すでに安倍家家族葬を済ませており、国民の声も過半数は反対している。公的な葬儀を行うなら自民党葬で充分ではないだろうか。安倍支持派に言わせれば功績があったというが、負の実績も無視出来るものではない。

 森友・加計学園問題と「桜を見る会」が、今以て未解決で、国民の間に不透明な印象を残している。しかも、呆れたことに「桜を見る会」の企画・実施を行った業者が、今度の国葬も手配するというからどこかで安倍派と業者がつながっていたものと勘繰らざるを得ない。更に政府はこの一社だけに見積もりを提出させていたというから業者とデキ・レースであることは間違いない。

 また、岸田首相が昨日自民党としては今後一切旧統一教会との関係を絶つとまで言及した。その陰湿で不明瞭な関係を結び、今日のふしだらな問題を引き起こした原因は、明らかに安倍元首相の祖父・岸信介元首相が個人的な関係を結んだことに始まっている。それらの不条理な問題を抱えながら、国費を投入してまでも安倍元首相のために国葬を実施しなければならないのだろうか。疑問だらけである。

 さて、かねがね噂になっていたが、茂木敏充・自民党幹事長の傲慢な言動がまたSNSでも話題になっている。自民党員への旧統一教会との関係を調査するというレポートの提出を求めたが、記者会見の場で記者が「調査」と質問したことに対して、敢えて「調査」ではなく、「点検」であると開き直ったり、相変わらず我が儘で高慢な態度を見せていた。以前経産大臣時に経産省役人に対するパワハラが問題になっていたが、最近益々エスカレートしている。

 「問題だらけの人間性、官僚への逆ギレが得意の幹事長」と皮肉たっぷりにコメントされているが、この程東京新聞・望月衣塑子記者のツィッターに現われた動画では、衆議院委員会で政府答弁に立った人事院松尾恵美子事務局長に「帰れ!帰れ!」とばかりにジェスチャーを交えて局長を答弁の席から追い出すような素振りを見せ、立ち去る局長も不満を露わにしていたが、このような人格的に問題ある人間の行動を観ているだけで不愉快になる。動画は茂木幹事長の地である傲慢と礼儀知らずの性格を恥ずかしげもなくはっきり写し出していた。これを隣席の河野太郎大臣も見て見ぬフリをしている低次元の国会委員会論戦の場には愛想が尽きた。

 茂木氏は頭脳だけは明晰なのかも知れないが、1人の人間として人並みのエチケットがまるで身に着いていない。官僚の間でも自分たちの直属の大臣に茂木氏が着任しないことを願っているというから相当霞が関でも嫌われ者として名を成しているのだろう。こういう人格的にも最低の人物が国会議員、党役員として活動することも問題である。岸田首相は何故こんな人間失格のような人物を重用するのだろうか。安倍元首相の国葬実施とともに分からないことばかりである。

2022年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5494.2022年9月5日(月) イギリス保守党党首、首相にトラス外相

 昨日のブログに取り上げた話題の続編である。セルビアの友人からどういう返事が来るかと考えていたところ、友人は指摘した雑誌記事の間違いを敢えて「選択」の出版社へ連絡することまではする気はないという考えだった。記事の内容と記事中に彼が間違いだと指摘した事実が異なるが、選択出版社に連絡することもないとの考えだったので、了解することにした。

 今日は情けないことにつまらないミスをいくつかやってしまった。ひとつは、銀行の通帳を他行の通帳と間違えたことにバス停までやってきてから気付いて、自宅へ取って返したことだ。どうかしている。2つ目は、その銀行で預金を引き出してから郵便局で印鑑を使用しようとしたところ、それが手元に見つからず、慌ててしまった。この印鑑を仮に紛失したら他に2つの取引銀行も同じ届け出印鑑なので、一大事である。直ぐ銀行へ戻り、ほんの少し前にテーブルに置き忘れた印鑑を取り戻しに戻ったと申し出たところ、いろいろチェックされた挙句、幸い印鑑は銀行に保管されていることが分り無事印鑑を取り戻すことが出来た。

 銀行を出てから戻るまでに20分程度の短い時間だったので、何とか取り戻すことが出来て幸運だったと思う。気持ちはやれやれだったが、どうも今日は普段と違うようだ。その後、帰宅してうっかり従姉弟に電話をかけてしまった。間違いでちょっとスマホに触れただけだが、相手は何か用件があると思ったようだった。ついうっかりだったと笑い話で済んだが、今日の私はどうかしている。認知症とは思いたくないが、やはり後期高齢者なので、何かの拍子にふわっと認知症現象が顔を出したのではないかとも思っている。気をつけよう。

 さて、イギリスではジョンソン首相の不祥事続きから首相への不信、不評により閣僚の辞任が相次ぎ、流石に厚顔のジョンソン氏も首相を辞めることを公表した。その後保守党党首の後継に何人かの保守党員が立候補したが、2度の選挙の末最終的にトラス外相とスナク財務相が残り、今日午后9時前に全党員の投票の結果が発表された。当初はスナク財務相が先行していたが、その後国内の経済政策、とりわけインフレ対策で直ちに減税を訴えていたトラス外相が優位に立ち、最終的に8万1千票対6万票でスナク氏を破った。トラス新保守党党首が首相として承認されれば、女性としてはサッチャー氏、メイ氏に次ぐ3人目の女性首相となる。新首相は47歳で、「鉄の女」サッチャー元首相に似ているとして「鉄の女2.0」と呼ばれている。

 とかく派手なパフォーマンスで失笑を買っていたジョンソン首相がEUから離脱したことに対して、明日エリザベス女王から任命され、正式に新首相に就任するトラス氏は、いかなる対応をするのか、内憂外患の中お手並み拝見である。

2022年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5493.2022年9月4日(日) 立場が違えば、意見が異なる。

 昨日セルビアにいる友人・山崎洋氏に月刊誌「選択」9月号の記事「旧ユーゴ『戦争再発』の足音」のコピーをメール送信したところ、今朝返信があった。それによると執筆者が無記名で分からず、論評が典型的に西側情報筋に偏っていて事実ではない箇所が大分あると何か所かを指摘してきた。

 彼は1963年大学卒業直後旧ユーゴスラビアの首都ベオグラードへ渡り、爾来60年ベオグラードで生活し、活動している。ユーゴ解体を身をもって体験した彼が、これまでに度々1990年代にセルビアに対するNATO軍の空爆、コソボのセルビアからの独立問題等について彼なりの意見を送ってくれた。ユーゴ解体時にNATOがセルビアを空爆したことについては、彼は厳しくNATOを批判していたが、かつて彼の母上と生前電話でお話しした際、母上もNATOの行動を手厳しく非難していた。セルビアについて欧米のメディアは誤解をしているし、今度のウクライナ情勢についても、日本ではあまりにも西側の報道を鵜呑みにし過ぎていると彼は不満を漏らしていた。我々が黙って日本のメディアから情報を得る限りは、どうしても一方的にロシアが悪で、ウクライナに理があると捉えがちである。しかし、ロシア側の事実に基づいた正しい考えも聞き入れることが大切であるとは思っている。現状はすべてロシアが悪いと一刀両断であるが、もう少し胸襟を開いてロシア側の考えも聞く必要がありそうだ。

 そこで「選択」誌の考えはどうなのか、編集長に尋ねてみたいと考え、取り敢えず、山崎氏に彼の意見をそのまま雑誌社に伝えて「選択」の本音というか、必ずしも正しくないコメントをどう考えているのかを尋ねてみたいが、その前に彼がこれをどう思うか問い合わせているところだ。確かに彼のメールを読む限りでは、セルビア・サイドから見れば、記事は間違っている箇所が多いようだし、誤解を膨らませるようなコメントになっている。山崎氏からどんな返事が来るだろうか。

 さて、自民党が所属する国会議員全員に旧統一教会との接触の様子を尋ねる調査(点検)を行って、近日自民党は党としての考えを公表するようだ。ところが、今朝の朝日新聞一面に全国会議員、都道府県棋院、知事ら約3千人に対して、旧統一教会との関係についてアンケートの結果が大きく伝えられている。それによると全国会議員712人の内、120人の自民党議員が旧統一教会と何らかの接点があると応えている。都道府県議員も2574人の内、接点があると応えた議員が290人いたが、その内239人は自民党員だと分った。結局全国各地の地方議会にまで旧統一教会と政治化がつながっていることが明らかになった。つまり選挙で票が欲しいために接点が生まれ、ずるずると関係を続けて来たことが明かされた。自民党では、茂木幹事長が調査の結果を近日公表するようだが、世間の理解を得られるような公表内容になるか。自民党にとっても正念場である。

 ところで、数日前から沖縄方面に襲来していた台風11号が、向きを北方に向けて本州を襲うと見られていたが、沖縄周辺に滞留したままで、今日も宮古島が1日中暴風雨に襲われている。久米島の民宿経営者が昨日から強い風雨が続いていて宿泊予定者が全員キャンセルになったとぼやいていた。珍しいことだと思うが、この後11号は一体どっちへ行くのだろうか。

2022年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5492.2022年9月3日(土) 円安加速とK‐POP‘BTS’の兵役義務

 円安がまた加速して昨日1㌦=140円24銭になった。140円台にまで円安が進んだのは、1998年8月の147円43銭以来である。これで食品の原材料やエネルギー燃料の輸入に頼っている業界は、更に苦境に追い込まれることになる。

 いつもながらこの緊急とも言える事態にも拘らず、政府、日銀は事態の推移を見守るだけで、円安ストップへ向けた動きを一向に示そうとしない。実際食品など多くの原材料を輸入に頼っている日本では、それはそのまま物価高騰に直結する。円安の原因は、日米の金利差であることは分かっているが、これに対して鈴木俊一財務相は、「しっかり緊張感をもって、これからの為替の動向について注視していきたい」と4月と同じ発言をしている。5か月前は1㌦=126円だった。緊張感をもって注視している間に15円も円安が加速してしまったのだ。よく政治家が発言する「緊張感をもって」とか、「~注視したい」と言っているが、どうもその場凌ぎの言葉に思えて仕方がない。やる気があるのかないのか、或いはどうしたら良いのか分からないのだとしたら、岸田首相は鈴木財務相をさっさと替えて、行動する大臣を抜擢した方が円安相場にブレーキがかかるのではないかと思う。

 さて、お隣の韓国では、今K-POPの人気アイドル・グループ‘BTS’(防弾少年団)の徴兵問題が話題になっている。徴兵を猶予すべきであるとのファンの声がある一方で、韓国国民の義務である兵役を彼らだけ特別に免除するのは不公平だとの疑問も出ている。‘BTS’は韓国ばかりでなく、アメリカのヒット・チャートで1位であり続けた7人組のアイドル・グループ(24~29歳)で、グラミー賞の候補にも挙がっている。韓国の徴兵制度は、18~28歳の男子に20カ月間の兵役義務を課している。

 昨日韓国国防相が、国民の考えを知るためと世論調査の検討を指示した。しかし、一部の人の行動のために国が国費を投じて国民に考えを聞くという手法に疑問が出て、結局世論調査は取り止めとなった。かつて1960年代にボクシングの世界チャンピョンだったムハメッド・アリが、その絶頂期にベトナム戦争従軍の兵役義務を拒絶したことがあった。不幸にしてアリは、ボクシング界からすべてのタイトルを剥奪され、追放された。それは財産をすべて失った栄光のボクサーの悲劇だった。BTS徴兵問題は、果たしてどういう結末を迎えることになるのだろうか。決定の期限は、最年長のメンバーの兵役年齢がぎりぎりに迫る今年12月までである。

 軍隊が存在しない日本の若者にとって兵役は絵空事であるかも知れないが、仮に憲法改定によって日本が軍備を持つことが認められ自衛隊が軍隊となった場合には、若者に対して兵役が義務化されかねない。安易に憲法改定に賛成するならその覚悟も持たなければならないが、果たして保守傾向の現代の若者たちは、兵役に対してどう行動するだろうか。

2022年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5491.2022年9月2日(金) 地球温暖化の異常現象に来年以降が心配

 今年の気候は世界的にやや異常で、豪雨・洪水で住宅が流されるような情報がしばしば伝えられている。その一方で、雨が一滴も振らず河川が干上がってしまい水不足に悩んだり、大きな山火事が発生した地方もある。ヨーロッパの一部地域では、7月に40℃以上の高温が続き、水不足に見舞われた。日照り続きの結果、降雨がないため河川の水量が減り、ドナウ川では水位が下がり、第2次世界大戦時のドイツの軍艦が川底から表れる異変まで起きている。

 他方、アジアでは激しい豪雨に襲われ河川の水位が上昇して氾濫し、住宅が水没したり、流された国が目立っている。特にバングラディッシュでは、国土の約1/3が水没し、3千万人が被害を受け、900人以上が死亡した。インド・アッサム州では420万人以上が避難した。韓国でも8月初めに首都ソウルで洪水が発生し、道路が水没し、地下鉄駅構内が浸水する騒ぎとなった。7月にはオーストラリアのニューサウスウェールス州でも、4日間の雨量が平年の8か月分にのぼったという。

 産業革命以降、工業の発展とともに化石燃料の使用が増え、排出された温室効果ガスが大気中に閉じ込められた状態になっている。この熱分が地球上に均一に広がるわけではなく、地域によって異常気象を引き起こす。いま世界中で大気圏内に各国が排出する二酸化炭素ガスが溜まることによって、地球温暖化現象が現出されその防止対策が喫緊の課題となっている。この地球上の温室ガスを減らすこと以外に、これといって地球温暖化現象を防ぐ決定的な方法はない。

 昨日から日本の南方近海に停滞していた台風11号も、北方に方向を変え大型台風となって本州方面へ向かう様相を見せている。その前触れというのだろうか、今日の東京も朝から降ったり止んだりしながら、時には激しい雨を降らせている。テレビで観る豪風雨が襲来した地方の画像では、かなり浸水した道路を車が走行している。今後こういう極端な寒暖気象が襲ってくるなら、山間部、海や河川沿岸部、低湿地帯などでは、早めに対策を講じる必要がある。今も窓から外を眺めていると空は曇り雨が降り続いている。自然というのは、そのパワーを自己コントロール出来ず、正に自然のまま、気ままであるから怖い。

 昨年度の文化勲章受章者でアメリカ在住のノーベル賞受賞者・真鍋淑郎博士が、コロナ禍のため1年近く遅れて昨日ニューヨーク総領事館で総領事から文化勲章を授与された。真鍋博士は昨年地球温暖化を予測する研究でノーベル物理学賞を受賞した。授賞式後に、博士は今では旱魃がどんどん増えており、雨が降る所は大量に降りその頻度が増えていると話した。更に日本についても大洪水が最大の問題になると指摘した。今までのやり方では、コントロール出来ず、これからは大洪水、山崩れに直面することになるとも警告を発している。こうした警告を知ると、いよいよ地球温暖化は抜き差しならぬ事態になりつつあるということをはっきり意識せざるを得ない。

 メディアが、安倍元首相国葬や旧統一教会について報道するのも結構であるが、人類にとって存亡の危機である地球温暖化についてももっと広く分かり易く伝え、国民に警告を促すべきではないかと思う。

2022年9月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5490.2022年9月1日(木) 天災は忘れた頃にやって来る。

 今日は関東大震災が発生して99年になる。恒例により全国各地で避難訓練が行われた。最近大小の地震が各地で頻発しているので、また大きな地震が起きなければ好いがなぁというのが率直で切実な願いである。

 実は、大災害が起きるとその犠牲者にはそれぞれ死因に特徴らしきものがある。関東大震災の犠牲者には焼死者が多かった。また阪神・淡路大震災では倒壊した建築物の下敷きによる圧死者、東日本大震災では津波による溺死者が多かった。関東大震災で焼死者が多かった原因は、日本海沿岸を北上する強風が関東地方に吹き込み、木造住宅が密集していた当時の東京の下町などで、火災が広範囲に発生した火災旋風という現象が起きたせいだそうだ。正午前ということもあって、食事の準備のためにお勝手で火を使っていた家庭が多かったことも火災が多かった原因である。強風や水道管の破裂もあり、火災は3日間も続いた。とにかく10万5千人もの犠牲者を生んだ近代日本史上における最大規模の被害をもたらした。

 「天災は忘れた頃にやって来る」と言われるように、今日の「防災の日」を機に平素より身近に震災が襲来するのを想定して、心の準備をしておくことが大事である。

 ところで今日は、暦の上で台風や豪雨の多い「二百十日」でもある。どうやら今年も南方方面に台風がやって来ている。台風11号が沖縄近海にいるが、かなり強風を伴い今後向きを変えて北上し本州に向かうようだ。中心の気圧も920hPa(ヘクトパスカル)というからかなり強烈だ。東京では今日は一部地域の驟雨を除き、降ったり止んだりだったが、台風が襲来しないことを願うばかりである。

 さて、各省庁から2023年度国家予算の概算要求が出そろった。これは敢えて言えば、第1次要求額とも言えるもので、年末に出される年度予算の予備のようなものだ。しかし、要求総額がすでに110兆円を超過している総額に、今年もまたかとの懸念が消えない。最も多くの予算を求めているのは、例年通り高齢化による社会保障費が自然増の厚生労働省である。実に33.2兆円の要求で今年度予算に比べても1.9%の増加である。しかし、こればかりは国民の生活及び健康に直接関係ある支出であり、止むを得ない点もある。

 その一方、近年最も不自然に要求額が増大しているのが防衛省である。その金額たるや過去最高の約5兆6千億円である。すでに、防衛予算は文教・科学振興や、公共事業予算とほぼ同額の水準に達している。

 今回の概算要求の特徴は、金額を示さずに「事項要求」というへんてこな仮の要求があることである。特に防衛省は、岸田首相が防衛費を国内総生産(GDP)の約1%から2%以上を念頭に置いているとの発言を受けて、増額要求のお墨付きをもらったかのように、5年内に更なる増額を期待しているようだ。

 しかし、ガソリン価格や食料品の値上げをはじめ、円安も加わり、物価の高騰が止まらない現状である。先月かなり多くの一般消費者物価が値上げされ、家庭の主婦も家計のやりくりに頭を痛めているようだ。今月も多くの品目の値上げが懸念されている。防衛省のトップは、増額予算分捕りを当然のように受け止めているようだが、予算担当官は、これらの庶民の家庭の悩みを真摯に考えたことがあるのだろうか。

2022年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5489.2022年8月31日(水) ゴルバチョフ元ソ連大統領、91歳で他界

 旧ソ連の最後の指導者だったミハイル・ゴルバチョフ大統領が昨日91歳で亡くなった。ソ連崩壊後日本ではその消息がほとんど伝えられていなかったが、一時代を画した偉大な政治家であったことは間違いない。独裁者だったスターリン、あわや第3次世界大戦勃発かと思わせたキューバ危機を引き起こしたフルシチョフらと並び、ソビエト社会主義国家体制時代をリードしたゴルバチョフは、一時期東西冷戦時代の一方の旗頭でもあった。社会主義経済の停滞を打破するための市場経済導入を柱とした経済改革を意味する「ペレストロイカ」、そして情報公開を意味する「グラスノスチ」などの改革を行った。この聞き慣れない2つの言葉は当時かなり印象的だった。今どうしているだろうと時折気にはなっていた人物である。

 ゴルバチョフは、外交政策で欧米諸国との対立を緩和するため実行した、社会主義圏の東ヨーロッパの民主化や、東西ドイツの統一を容認したことは、決断力と懐の深さを示したと言えよう。何といっても核軍縮が進まない今日、ゴルバチョフはすでに1985年ジュネーブでレーガン米大統領との最初の首脳会談を行い、87年アメリカとの間で核兵器削減条約の中距離核戦力全廃条約に署名した。89年ブッシュ米大統領と東西冷戦の終結を宣言したことは衝撃的で、昨日のことのように思い出される。これによって翌90年にはノーベル平和賞を授与された。この年共産党の一党独裁体制を廃止して大統領制を導入し、最初で最後のソビエト大統領となった。

 しかし、あまりにも早い民主化を進めた結果、ソビエト連邦の共和国に独立の機運が一気に高まり、1922年12月レーニンのロシア革命によりスタートしたソビエト連邦は、建国70年目の91年12月あえなく崩壊した。ゴルバチョフは政治の舞台から退くことになった。以後ゴルバチョフの動静はようとして伝えられなかった。ロシア大国を崩壊させたとしてロシア国内での評価はあまり高くないようだ。それでも昨年12月ロシアの通信社とのインタビューでは、ウクライナを巡るロシアとアメリカの対立を念頭に、双方が対話を続けることの重要性を訴えていたという。すでに現在のウクライナ戦争の勃発を予見していたのである。そして、2月ロシア軍がウクライナへ侵攻した際には、交渉による一刻も早い停戦の実現を求めていたそうである

 広角的な視野で世界を見ていたゴルバチョフに引き比べて、現在のプーチン大統領には、ゴルバチョフのような洞察力と懐の深さが見られない。ロシア革命時代のスターリンを偲ばせるような独裁的、覇権的言動は、独断専行で周囲に恐怖感を与えているだけに思えて仕方がない。ゴルバチョフの訃報に接して、バイデン米大統領が「世界中の人びとに安心をもたらした」、ジョンソン英首相「常に尊敬していた」、マクロン仏大統領「自由の道を開いた平和の人」、グテーレス国連事務総長「歴史の流れを変えた比類なき政治家」のように世界中の要人からゴルバチョフの死を悼む声が寄せられた。それに引き換え、プーチン大統領からは報道官の話として、深い哀悼の意を表し、直ぐにも遺族に弔電を送ると伝えられただけだった。そればかりか、学校教育の現場にまで愛国教育の徹底を教育庁に指示したというから、末恐ろしい事態が起きなければ好い。

 明日9月1日から新学年が始まるが、教育庁は課外授業で侵攻を正当化し、愛国者は祖国のために武器を取る覚悟があると教えるよう教師に求めているという。当然教育現場からは反発の声が出ているようだが、プーチンのこと故聞き入れる気はないだろう。

 おでこに大きな傷跡が残っていた愛くるしいゴルバチョフに比べ、一切笑顔を見せないプーチンの冷酷非情そのものの顔をイメージすると、プーチンのロシアが今後どれだけのことを仕出かすのか、考えるとゾッとする。

2022年8月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5488.2022年8月30日(火) 強い反対の中で安倍元首相国葬と県民葬

 来月行われる安倍元首相の国葬に当たり、自民党は弔問外交で各国の首脳とのトップ会談を考えているようだが、今のところG7首脳をはじめ、欧米各国の首脳にも訪日はあまり期待出来ない。G7で首脳の派遣を検討しているのは、現状ではカナダのみのようだ。当初フランスのマクロン大統領が出席を表明したようだが、ウクライナ戦線が緊迫している中でロシアのプーチン大統領と話し合いの窓口があるマクロン氏が、来日するとは予想外であったが、案の定外交上の理由で別人が参加するようになった。

 そもそも日本政府は、各国との弔問外交を期待しているようだが、噂によると過去において日本はきちんと弔問外交をやって来なかった。外国のリーダー・クラスの葬儀に首相が出席したことはなく、外国からはその辺りを見抜かれているようだ。例えば、2005年ローマ法王葬儀の際には、欧米の大統領らが列席したにも拘わらず、日本は遥かに格下の首相補佐官を派遣したほどである。19年フランスのシラク元大統領の国葬には、駐仏大使が代理として列席した。去る5月のアラブ首長国連邦のハリファ元大統領が亡くなった際には、弔問式に首相特使として甘利明・自民党前幹事長を派遣した。どうも日本政府は弔問外交の何たるかを知らず、適当に判断して対応がちぐはぐになった印象を受ける。

 国内では国葬について日に日に反対の声が高まっている時に、小池晃・共産党書記局長が出席しないと公言した。他に国葬反対の政党議員は、どういう対応をするのだろうか。

 そのように国葬反対の声が大きくなる中で、安倍元首相の出身地・山口県では10月15日に別途に県民葬を行うことを決めた。これには一部の市民の間から反発の声が上がっている。過去に自治体では、首相経験者や功績があった知事らに対して県民葬を行うケースはしばしばあった。だが、これに投入される自治体の支出はバカにならない。山口県で県民葬を行ったのは過去に5例しかない。安倍氏のケースは6度目になる。その過去5つの県民葬の内、安倍元首相の親族に、父の安倍晋太郎元外相、祖父の岸信介元首相、叔父の佐藤栄作元首相の大物政治家3人がいる。首相経験者で県民葬を行わなかったのは、島根県出身の竹下登氏だけだが、その理由は遺族が辞退したからだと言われている。安倍家からは、一切そのような声が聞かれないようだ。

 さて、昨日日経平均株価が大幅に下落した。一時は850円を超える値下がりだったが、終値で前週最終株価に比べて762円の値下がりとなり、2万8千円を割り込むことになった。これはアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長が、金融引き締めを続ける姿勢を示したことに各国金融筋が過敏に反応し、前週にアメリカ市場が急落し、各国の市場に波及したからである。そのせいで、円安ドル高が一層進み、円相場は一時1㌦=139円近くまで下落した。これが止まらないと日本の経済も大きな打撃を受ける。

 幸い今日の日経平均株価は、大きく反発して昨日の終値を316円上回る28,195円で2万8千円台回復した。円の相場は、ほんの若干戻して1㌦=138円49~50銭で前日に比べて20銭の円高となった。だが、こんな程度では、とても安心していられない。

2022年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5487.2022年8月29日(月) 「NATIONAL GEOGRAPHIC」誌に目を開かされる。

 定期購読している「NATIONAL GEOGRAPHIC」(略称:ナショグラ)日本語版9月号が今日送られてきた。1995年4月日本語版創刊と同時に購読を始めて、今でも毎月発行される新刊号を楽しみに待っている。全般的に内容が充実しているので、読み応えがあり、隅から隅まですべてに目を通すことは出来ないが、興味深そうな特集を拾い読みしている。この雑誌の素晴らしいのは、取り上げた記事の内容もさることながら写真が美麗で、珍しい写真が多いことである。20年間に亘って海外教育視察団お供した折に、アメリカではどこの小中学校の図書館にも必ずナショグラが1冊は置かれているのに気づき、日米の初等教育の視点の違いを知らされたものである。特に自然、歴史、外国文化、冒険に関する特集記事などは、日本の学校教育ではまず習うことがない。日本の学校では目に触れることがないような記事がふんだんに載っていることに驚く。偶々9月号に「戦禍のイエメンで歴史を守る」のタイトル一目見て、紀元前1000年に始まったイエメンの歴史から、今年4月ハディ大統領辞任までの歴史の変転を分かり易く解説しているのに興味を惹かれた。

 イエメン史の節目に「1967年11月独立」と書る。ちょどその直後にアデンを訪れたので、何とも忘れられない史実である。当初は68年1月に独立の予定で、私がその直前に駐日イギリス大使館で入国ビザを取得した。だが、独立が繰り上げされ、私がアデンへ着いた時は、すでに独立国となっており、イギリス大使館で取得した入国ビザが無効となり、直ぐには入国許可をもらえなかった。急遽新独立国で改めて入国ビザを申請、取得して、日本人として初めて入国を許された複雑な経緯がある。

「ナショグラ」には、イエメンの歴史は、砂漠の国として3千年前の発祥当時は隊商王国だったと紹介されている。激しい宗教的対立は今に始まったものではなく、多神教からユダヤ教とキリスト教が広まり、7世紀からイスラム教国家となった。9世紀から1960年代まで北部ではイスラム教でもシーア派の勢力が強まった。そして、拙著「八十冒険爺の言いたい放題」でも触れたが、1939年以降イギリスによるアデン港の28年間に亙る植民地化などが国家歴史上の史実として紹介されている。こういう記事をアメリカの子どもたちは、授業で教えられなくとも知らず知らずのうちに目にして、知識として身に着けていくのではないだろうか。とても日本では外国の歴史については表面的な史実しか教えない。このことが日本人とアメリカ人が史実を歴史的に、また同時に現実的に捉えるか、はたまたイメージ的に捉えるかの差になるのではないだろうかと考えている。

 書物、それとなく読んでいる内に頭の中に想像力が働き、それに歴史的史実が添えられれば歴史はしっかり頭の中に植え付けられ、歴史的史実を思考の中心に据えた思考力、想像力が身に着くのではないかと考えている。

 最近やや読書量が低下している。もう少し気楽に考えながら読みたいと思った書物を読まなければ、知識や思考力は衰えるばかりである。ナショグラに目を通しつつ、知の源泉である読書力を高めていかなければいけないと思っている。

2022年8月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com