5506.2022年9月17日(土) 新しい世界が目の前に開けた!

 「わぁ!綺麗だなぁ!」というのが、今日右眼の眼帯を外した直後の率直な気持ちである。昨日の朝右眼の白内障手術を受けてから、右眼はずっと眼帯で塞がれ狭い世界にいた。それが、明るくはっきりした現実の世界へ戻って来たのだ。まさにこれから新しい世界が始まるかのように感じた。それほど眼鏡のレンズを通さず自分の眼で外をはっきり見ることが出来た感動は大きい。かねがね白内障の手術を終えた友人らから以前に比べて大分はっきり見え、視界が広がったということを聞き、実際自分自身2年前に左眼の手術を受けて、よく見えるようになったなぁと感慨深く思っていたところだ。それが、現実に右眼の手術を終え、改めて今日手術後の検査で眼帯を外した時、新しい世界が始まるような明るい世界が自分の前に現われたような気がした。3日後に再び検査を受けるが、多分このままの状態であれば、眼鏡の必要がなくなるのではないかと密かに期待している。

 看護師の方から目のテストを受けていた時、あまりにも感動したような表現をしたため、つい話が脱線して、眼鏡をかけるようになった大学受験時代の思い出をノリでしゃべってしまったほどである。高齢者になるに従い、肉体的にはすべての面で退潮気味になるのが一般的で、老眼と言われる視力の減退ほど露骨に現れる。その点で両眼がはっきり見えるようになったということは、ラッキーだと思っている。

 ところで、世界的に高齢者が多い日本では、その点でいろいろ話題になることが多いが、今日新聞で知ったのは、2021年国内で100歳以上の高齢者が実に9万人を突破したということである。この内女性が8万人強で89%である。この100歳以上の高齢者は老人福祉法が制定された1963年には僅か153人しかいなかった。それがこの58年間に600倍近くも増えたことになる。これは国家支出にも当然大きく影響を与え、昨年度医療機関に支払われた医療費は、約44兆円強に当たり一般会計予算の約40%で、1人当たりでは35万円になる。高齢者の数が増えることは決してマイナス面ばかりではないが、少子高齢化社会と言われるように、生まれる子どもの数が年々減少していることと、結婚をする若者の数が減っていることも人口動態がアンバランスになる要因となっている。

 しかし、高齢化社会は医学の進歩のお蔭もあり、長生きは昔から祝われる目出度いことでもあり、この現象自体を止めることは出来ない。むしろ少子化社会をどうして解消していくのかと言う点で、議論が尽くされ、国としても打つべき手を充分打ったのか、疑問の残る点である。経費だけの問題を考えれば、防衛費への過大な支出が国家財政を厳しくしている観点からも最も筋が通らないことである。防衛費は確実に国家のために機能的に活用されると保証出来る支出ではなく、はっきり言えば予備費的なもので、医療費などの複利厚生費などとは自ずから異なる。しかもアメリカの言いなりによって高度な防衛施設を購入することなどは、国家財政全体の観点からも必ずしも理解を得られるものではない。増え続ける福利厚生費には、それなりの歴史と説得力があるが、防衛費には国民が納得出来る根拠に乏しい。この辺りの議論をもっと進めてもらいたいものである。

2022年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5505.2022年9月16日(金) 右眼白内障手術を無事終える。

 今朝9時までに東京医療センターの手術室へ間に合うよう8時半前に家を出た。バスとのタイミングが悪く、発車したばかりで次のバスまで15分くらい待っていたが、これなら自宅から歩いて行けば良かった。

 血圧、体温の検査、点滴を受け、何度か目薬を指してもらい、予定通り右眼の手術成功を期待してベッドに横たわった。前回と同じ野田医師の手により手術を受けた。同じ医師の手によるものだが、前回は左眼を大分いじっているような印象を受けたが、今日は強い光線を当てられ少々まぶしく感じて少し印象は異なった。同じように30分程度で終わったし、痛みはまったくなかった。

 ところで、今日は右眼に眼帯を着けていて視界が狭いが、手術が成功となれば両眼ともに以前に比べれば、大分良く見えるようになる筈だ。現在両耳に補聴器、マスクのひも、眼鏡縁を着け、時には眼鏡が曇ることがあり、鬱陶しく思っていたので、これで普段眼鏡を使用しないようになれば、よほどすっきりする。受験勉強していた浪人時代に眼鏡を使用し始めてから65年も経つが、もう眼鏡を使用しないで済むよう願っている。

 明日も早く8時前に検眼に出かけて、20日に最終的にチェックして、眼鏡と今後もこのまま付き合うのか、或いは眼鏡とおさらばするのか、が決まる。

 目の治療が終われば、今通院している糖尿病クリニック、同じ東京医療センターの膠原病内科、かかりつけの内科医院への定期通院だけになる。糖尿病は2年以上通って基本の数値HbA1cが5.9~6の間をうろついているので、今やほとんど回復したと言ってもよい。膠原病の肩の痛みは消えたが、手指が痺れて拳骨が握れない変形性関節症は、高齢者特有の症状と診断されている。薬を飲んでいるが、回復の見込みは薄いと言われているのが、辛いところだ。内科は気休めに通いながら血圧チェック、内科的治療をお願いしている。毎年慶應病院で人間ドックを受診しているので、問題点を指摘されれば、例えば、前立腺関係の泌尿器科や、肛門科のような特定の医院で、その都度医師に相談するという健康維持対策を実行している。まぁ年齢も年齢だけに、常に絶好調というわけにはいかないだろうが、せめて日常生活で不自由を感じない程度の健康は保っていきたいと考えている。

 ただ、とても辛いことだが、この3年間ばかりはコロナ禍のために、海外へ行く機会がない。出来れば毎年ひとりで気ままに海外を彷徨ってみたいと思っているが、それが出来ないことが寂しい。このまま今のコロナ禍が収束しなければ、海外へ出かけるチャンスもなくなるのではないかとそれだけが気になっている。

2022年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5504.2022年9月15日(木) 中学校の恩師から厳しいアドバイス

 13年前に中学時代の恩師からいただいたハガキを読み返してみて、厳しいアドバイスに「普通の感覚ならそう考えるだろうなぁ」とある面で納得もした。その恩師は2年前冥界へ召されてしまったが、当時としてはそのご忠告はとても聞き入れられないものだった。2008年に韓国利川市で起きた倉庫火災事故を日本のメディアが報道しないことを私が批判した拙稿について、「なぜ、マス・メディアは真実を伝えようとしないのかと言う君の記事で初めて冷凍倉庫爆発事故で40名のお即死者を出していることを知りました」と私の言い分を評価していただいた。しかし、その一方でハガキの終わりの部分にこんな風に書かれている。「~旅もよいが、危険な国、危険な場所へは行くな!」と手厳しいご忠告をいただいたのである。私の海外武者修行を平素評価していただいていたが、それでも私の波瀾万丈な旅は危なっかしくとても黙っていられないという親心だったのだろう。

 京都市立中学3年生時の担任教師だった清水義一先生の愛情が籠った厳しいご忠告である。この中学へは、3年生になってから転入し、ちょうど1年後に卒業したので、それほど多くの思い出があるわけではないが、遊び友だちも沢山いて、嵐山と桂離宮にほど近く居心地の良い学校だった。清水先生は私があまり得意でなかった理科を担当されておられ、いつか試験問題でリアス式海岸と九十九里浜がどうして海岸沿いが違うのかという問いについて考えよとの問題があった。その時答えられず空欄のまま答案を提出した。その後答え合わせで、「君は、答が分からないのか?」と尋ねられた時に、咄嗟に「答は分かっていましたが、考えよと書かれていましたので、考えました」と返答したら、私の悪賢い返事を疑っていたかも知れないが、それなら良しと言って私に点数をくれたことを懐かしく想い出す。そんなこともあったせいだろうか、時折手紙などでも首を傾げる問いをいただくことがあった。これもあれも懐かしい。これも少年時代の忘れられないメモリーである。

 8年前に京都新聞の「旧交歓談」欄に、卒業後65年を迎えた我々の学年同窓会が取り上げられた。同級生30人がお2人の恩師をお迎えして京都市内のホテルで同窓会を開いたのである。先生とは卒業後も手紙による文通こそ続けていたが、お会いしたのはその時が卒業後初めてだった。寂しいことにその時ご出席されたお2人の先生はすでにお亡くなりになった。親しかった友人の1人も旅立たれてしまった。今では同級生も83、84歳となり、後期高齢者として健康維持に気を遣っている。

 ついては、来月から後期高齢者は一部の人を除いて、医療費の窓口負担額1割が倍額の2割負担になるが、幸い過渡的な減額措置として、3年間は1か月の外来医療の窓口負担の増加額を3千円までに抑えるとの通達を今日区役所から受け取った。明日も白内障の手術を受けるように、最近医療費の支払い額が増えたので、これは大分助かる。

 うっかりして忘れていたが、今日は今から55年前に高輪プリンスホテルで妻とお見合いをした日である。当時は「敬老の日」だった。それに肖り老いても健康で幸せな月日を送れればと願っていたが、息子2人に孫5人に恵まれ、幸いにも皆健康である。それだけでも佳しとすべきであろう。

2022年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5503.2022年9月14日(水) 天皇・皇后両陛下、英女王国葬に参列

 19日に行われるイギリスのエリザベス女王の国葬に、日本から天皇・皇后両陛下が参列されることが決まった。17日に出発され、20日にお帰りになる。コロナ禍のせいもあり、両陛下には天皇即位後初めての外国訪問である。一時は雅子皇后の健康次第では、天皇おひとりで参列されると報道されていたが、幸い皇后が同行されると知り、ホッとしている。英王室と日本の皇室とは長い交流もあり、公式典礼にはお互いのロヤルファミリーの誰かが出席されていた。不運にもコロナ禍のせいで即位後外国のどこへもお出かけにならなかったが、今年は女王からお揃いでイギリスへ招待されていたので、タイミングが良かったと思う。これも女王の心配りのお蔭であろう。岸田首相は参列されない。

 ただ、ひとつ気がかりなのは、女王が崩御されてから連日多くの国民が弔意を示すために棺へ近づいているが、かつてはヨーロッパでもコロナ感染者が最多だったイギリスのことでもあり、一応備えはしているだろうが、テレビで観る限り他人との間隔が取られていない密集状態であり、加えてほとんどの人がマスクを着用していないことである。両陛下がコロナに感染することはないと思うが、お付きの宮内庁職員らにも感染しないことをただ祈るばかりである。

 さて、アメリカMLBエンジェルスの二刀流大谷翔平選手の活躍が華々しく、すでに2桁勝利に2桁ホームランを打ち、ベーブ・ルースの二刀流以来の選手としてアメリカでも大きな話題を浚っている。その後も勝利投手になり、ホームランを打てば、NHKニュースの合間にも紹介されるほどである。明るく人柄の良さそうな印象からアメリカ人ファンの間でも人気が高い。MLBに人気と話題をすっかり奪われたかのように、日本のプロ野球界が地味であまり話題にならない中で、昨夜ヤクルト・スワローズの4番打者で背番号「55」の村上宗隆選手が、巨人戦に55号ホームランを放った。王貞治選手が55号を放ったのが1964年だったから実に58年ぶりの快挙である。これには、久しぶりにテレビ番組も熱が入り盛り上がって伝えていた。

 日本人選手で50本以上を打ったのは、過去に52本を打った野村克也選手と落合博満選手のようなスター選手しかいない。それこそ久しぶりに各テレビ局がニュースの時間に紹介していた。この夏には、2試合に亘って5打席連続ホームランという離れ業までやってのけている。村上選手はプロ入りしてまだ5年目で、22歳ながら現在打率、打点、本塁打の3部門のトップにいて、3冠王獲得の可能性も高い。ずば抜けた才能を持っていると期待され、今では本塁打日本記録のバレンチン選手の61本、ベーブ・ルースの60本の記録突破を目標にしている。この夢のような目標が達成されることを期待している。

2022年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5502.2022年9月13日(火) 岸田内閣の不支持率が高い原因

 イギリスのエリザベス女王が死去されてから連日女王の死を悼む報道が、イギリスをはじめ日本国内でも次々と伝えられている。19日に決まった女王の国葬が、世界中から惜別と感謝の気持ちで溢れている。

 その一方で、同じ国葬でも日本国内では安倍元首相の国葬については反対の声が日に日に強まり、それが岸田内閣の支持率にも大きく影響している。各メディアの世論調査でも悉く岸田内閣支持率が低下しているが、直近の朝日新聞の調査では、内閣不支持率は発足以来最低の47%まで落ち、支持率41%を上回ってしまった。先月の調査では、支持率が47%で不支持率が39%だった。この1か月間に攻守所を変えてしまったのだ。

 当初岸田首相は、国葬実施に積極的だったわけではないと言われている。今になって後悔しているようだ。実際自民党内にも政府と自民党の合同葬で好いという考えが支配的だった。それを決断力のない首相が、麻生太郎副総裁にすごまれ、決断したという背景があるようだ。これが首相の苦悩の始まりだったらしい。

 昨日鎌倉市議会は「『国葬』実施の撤回を求める意見書」を可決し、岸田首相と衆参両院議長に提出する。近くの葉山町議会や、東京・小金井市議会も国葬を行わないことを求める意見書を可決している。他にも反対を表明している市町村がある。いずれも国葬に明確な法的根拠がない以上、国葬を行うのであれば国会で議論が尽くされるべきだと指摘している。

 もうひとつ内閣支持率が急落した原因として、旧統一教会をめぐる対応の拙さが挙げられている。この1か月間批判に対して首相主導で手を打ってきたが、むしろ火に油を注ぐ形になり、批判は逆に広がった。このほど旧統一教会との関係について自民党議員へ行った「点検」アンケートで、前向きの姿勢を見せたように思わせたが、その結果を公表後になって申告し損なったとか、記憶になかったと申し出る議員が出て来る始末で、全体の信頼度が薄れている。誰でも分かりそうなことを申告は不必要だと思っていたとか、誤解していただけだとか、言い訳ばかり述べて、旧統一教会と手を切る覚悟が見られない。

 今日になっても木原誠二・内閣官房副長官が、2016年に関連団体のパネルディスカッションに参加していたと後追い発表した。参加の証拠を見せられ参加したことを思い出したというお粗末な記憶力だが、こんなおつむで内閣の重要な業務をこなしていけるのだろうか。それにしても関係を持った議員らは、こんな好い加減な気持ちで国を代表する政治家と言えるのだろうか。

 また、こんな闇のような組織との関係を構築した岸信介元首相の孫・安倍元首相の国葬、及び長年のズブズブの関係の中で旧統一教会色に染まった自民党員が主導する国葬を実施する岸田首相も旧統一教会に洗脳されていると言えよう。この事実を国民は知ってしまったのだ。立憲民主党幹部は「自民は地方議員らも教団とかかわりがある。隠せば隠すほど傷口が広がる」と指摘している。当分国政選挙はないが、今実施したら自民党は立ち直れないほどの惨敗を喫することだろう。

2022年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5501.2022年9月12日(月) 沖縄県知事に玉城デニー氏再選

 昨日実施された沖縄県知事選挙で現職の玉城デニー知事が、4年前と同じ佐喜眞淳・前宜野湾市長を破り2度目の当選を果たした。玉城氏の得票は33万9千票、佐喜眞氏は27万4千票で前回とほぼ同じ得票率割合である。選挙戦の焦点は、辺野古基地移設と沖縄経済の振興だった。玉城氏は前回同様に終始アメリカ軍の普天間基地の名護市辺野古への移設反対を訴え、勝利した。一方の佐喜眞氏は、県民の間に反対の強い辺野古基地移設問題を避けるように沖縄経済の活性化をアピールした。沖縄の経済がコロナ禍の影響もあり、最大の収入源である観光収入が落ち込んだことにより沖縄は今や苦しい状況に陥った。佐喜眞氏を支援する政府、自民党は辺野古基地移転に賛成なら、沖縄を財政的に支援しようというあざとい策を囁いたが、功を奏さなかった。

 現在沖縄県には日本全国のアメリカ軍専用施設面積の約7割が存在しており、沖縄本島面積の約15%を占め、沖縄がアメリカ軍基地の島と称される所以でもある。しかし、アメリカ軍が落とすマネーも沖縄経済にとって重要であると言える。だが、いびつな基地経済に陥った沖縄を経済支援するとの条件で基地を認めさせるというのは、経済不況に苦しむ県民の弱みにつけ込むあくどい手法で、国がやるべきことではない。

 基地反対派の玉城氏が勝利したからと言って、日本政府もアメリカ軍も沖縄県民の声を聞き入れることに二の足を踏む状況には変わりない。今後も玉城知事らは県民の気持ちを汲んで、辺野古基地移設に反対を続けるだろう。我々沖縄とは遥か離れた地域に住んでいる者にとっては、アメリカ軍基地が呈する好ましくない問題を、沖縄県民が我々の肩代わりをしてくれているのだということは心の片隅に留めておくべきである。玉城デニー知事のご健闘を祈りたい。

 さて、去る8日に逝去されたイギリスのエリザベス女王の棺が、スコットランドのバルモラル城から車で6時間をかけてエディンバラに到着し、大聖堂に安置された。途中の沿道には大勢の地元の人びとがお見送りをして女王に最後のお別れをした。今日は、テレビのワイドショーでも女王について多くの話題が上がり、英王室と日本の皇室とのつながりや、1975年に女王ご夫妻が訪日された時のエピソードも随分話題となっていた。国葬は19日ロンドンのウェストミンスター寺院で行われる予定で、日本から天皇が参列される予定であり、岸田首相の出席も検討されている。

 それに引き換え、27日に予定されている安倍元首相の国葬は、日本国内の反対の声もあり未だ主要国の出欠がはっきりしない。特に、問題になりそうなのが、中国が出席を公表しない間に台湾外交部が代表を派遣すると回答してきたことであり、一方今月末に日本と国交正常化50周年を迎える中国政府は、「台湾独立勢力が政治工作する舞台を日本は提供してはならない」と早くも警告を発し、ややもすると政治問題化する懸念がある。厄介なことにならなければ好いが・・・。

2022年9月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5500.2022年9月11日(日) 9.11 NY同時多発テロから21年

 ニューヨーク同時多発テロ発生から今日で21年になる。あの恐ろしいテロが発生した4か月前に次男とその現場となった世界貿易センタービルを訪れていた。まさかあのような大惨事が起きるとは考えもしなかった。ただ、事件の予兆は感じていた。それについては拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の冒頭に取り上げた。それはその前年2020年3月にアフガニスタンとパキスタンの国境カイバル峠を訪れた時のことだった。国境手前のパキスタン人集落ランディ・コタールの市場で武器の取引らしい現場を見てしまったのだ。周囲には女性や子どもたちの姿はまったく見られず、殺伐とした雰囲気だった。これらの武器が横流しされ、仮にもテロ集団が手にしたら世界的に反米感情が高まっていた折だけに、何となく反米的事件が起きるのではないかと予感のようなものを感じたからである。爾来9.11テロ後も反社会的な事件は相も変わらず絶えることはない。人類が生存する限り、地球上の揉めごとは永遠になくならないのではないかとつい暗い気持ちになる。
 さて、元新潟県知事の衆議院議員・米山隆一氏が、毎日のようにツイッターをまめに発信しているが、医師と弁護士の免許を持ち英才らしからぬ几帳面さと正当な論理性には敬服している。米山氏は、国際政治学者の三浦瑠璃女史の下記のツィッターに納得出来ないと思われたのか、昨日彼女が発信したツィッターに直ちに返信した。

 一昨日彼女がツイッターで「個々の議員が自分宛の招待状の写真をアップして欠席を表明する(野党議員が国葬への招待状を示し、欠席すると述べたことを指しているようだ)のは、はしたなく見えるのでやめた方がいいと思いますよ。余計なお世話ですが。ほんとにそんなことしても票は増えませんよ」とかなり辛辣にあげつらっていた。これに対して米山氏は「赤の他人に『はしたなく見えるからやめた方がいい』なんて言うのは『なぜあなたの独自の道徳感を他人に押し付けることができるんですか?』と思われ、傲慢に見えるので、やめた方がいいと思います。余計なお世話でしょうが、そんなことを言っても、あなたの見識が高くなるわけではありません」と三浦氏の言い分を正面から巧みに批判している。このツイッターに他の人も割り込んで私見を述べているが、今後米山氏と三浦氏の間で論争に発展するのだろうか。

 ただ、三浦氏は、率直に自らの保守的な考えを押し付けるせいか、やや傲慢と受け取られて反感を買うことが多いようだ。この他にも、学術論文がない国際政治学者とは?とか、或いは天皇の国葬「大喪の礼」について、「たいものれい」と言ったとか、やや上から目線のような話しぶりや、軽率な表現のせいもあって批判されている。彼女は高校の後輩にあたるので、その点ではあまり心地良いものではない。もう少し謙虚であってもらいたいものだ。

2022年9月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5499.2022年9月10日(土) 知らなかったミヤンマーの幻の高山

 NHK・BSで「幻の山カカボラジ アジア最後の秘境を行く」という2時間のドキュメンタリー番組が2015年に放映され、それが去る5日に再放送された。タイトルに何となく興味を覚えたので録画して今日じっくり観た。中々興味深いミヤンマーの幻の山とその登山行である。こんな神秘的な山がミヤンマーにあるとはあまり知られていないと思うが、ミヤンマー最高峰という海抜(5,881m)もさることながら、その位置が未踏の秘境である中国とインドに挟まれた山深い国境の地にあり、山麓までのアプローチが長く頂上を極めたのはこれまで日本人登山家の尾崎隆だけしかいない。番組では3人の日本人登山家がそのミヤンマー最高峰の登攀を目指して約4週間に亙り苦闘した。頂上を目前にして登頂を諦め引き返すことになったが、その精一杯の行動を追ったドキュメントである。映し出される登山ルートとして、前半は蛭や毒蛇が潜んでいる深いジャングルを抜け、一瞬視界が開ける4000mの高地ベースキャンプ、そして最後の雪と雲の中に人を寄せ付けようとしない険しい頂上へのアプローチなどは、登山に興味を持つ者にとっては見逃せないドキュメンタリーだった。

 そして偶然というべきか、この番組が最初に放映された2015年に、その年の「NATIONAL GEOGRAPHIC」9月号が「ミヤンマー『伝説の最高峰』カカボラジ」と題する、同じようなテーマの特集を掲載していたことに一段と興味を抱いた。ここでも男女5人の登山家が、一足先に現地入りした日本隊同様に頂上を目の前に登頂を諦めることになった。そして日本隊と行き交うことにもなった。TVで紹介される登山本来の映像にも増して、途中のミヤンマー人集落の風俗なども興味を惹く。タロン族住人は今や3人しか残っていない。彼らは皆小柄で、たった1人の成人男性の身長は僅か130㎝しかない。その彼らがポーターとして荷揚げを手伝ってくれた。実は、ちょうどこの時期に山頂へ向かったミヤンマー人登山家2人が遭難し、その救助活動をしていたヘリも墜落して3人が亡くなった。そのために多くの住民が狩り出され、日本隊は思うようにポーターを雇えなかった。
 とにかく謎の多い山だが、地元民の山への敬い方も並みではない。もうひとつミヤンマーにはガムランラジと呼ぶ高峰がある。カカボラジより高いという話があったが、地元ではそんな筈はないと一笑に付された。どちらが高いか正確には分からないが、最近のGPSによる調査によると、ガムランラジは5834mでカカボラジの方が47m高いということが分り、地元民を安心させたようだ。

 30頁に亙るナショグラ誌には、迫真的な写真に地図も添えられている。登山とは、天候に恵まれ多くの人たちの協力を得て、なお緻密な計算と体力が欠かせない厳しさを力強く求められる。私も膝を痛める前までは学生時代から会社でも登山クラブに所属して、日本アルプスをはじ3,000m級の山々を数多く制覇してきたが、改めて登山の難しさと奥深さを知った次第である。30年ほど前に大学の登山クラブの後輩で、息子たちの家庭教師をしてくれたT君が、厳しい岩登りが好きでカラコルムで遭難し若くして亡くなった。カカボラジなんか知っていれば、トライしたかもしれないと思うと不憫でならない。登山とは、知れば知るほど奥深い谷底へ吸い込まれるが如く、迷いながらも、自力で明かりを探って出口を見つけ知をも得るものだと思っている。テレビも雑誌も中々魅力的だった。実に観ても面白く読んでも興味をそそり、まさに知の源泉でもある。

2022年9月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5498.2022年9月9日(金) エリザベス英女王崩御 享年96歳

 イギリスのエリザベス女王が日本時間で今朝亡くなられた。女王は一昨日ロンドンから820㎞離れたスコットランドのバルモラル城で、新保守党党首トラス氏を新しい首相に任命したばかりである。その時の写真を見ると杖をつきながらも立ったままトラス新首相と握手を交わしていた。公務を若干控えておられるようだったが、まだまだお元気そうで、このように唐突に彼岸へ旅立たれるとは思いも寄らなかった。新首相に会われてからほんの2日後の他界である。女王は今年4月に96歳の誕生日を迎え、5月には国王最長在位である即位70周年(プラチナジュビリー)をお祝いしたばかりでもある。それはフランスのルイ14世(72年)に次ぐ世界で2番目の長期在位国王となった祝典だった。それらを考えると女王は天寿を全うされたと言えよう。

 エリザベス女王の逝去によって国王の座は、長男であるチャールス皇太子に引き継がれ、正式にチャールス3世の誕生となった。これまでとかくスキャンダルの多かった73歳の新国王も、国王になったらもう目立つような不祥事はやらないだろう。

 女王は1926年生まれで、日本流に言えば7巡目の年女であり、私より1回り上の寅年生まれである。1950年女王がケニア滞在中に父ジョージ6世の崩御により思いがけず女王になられた場所、アバーディア国立公園内のツリートップ・ホテルを半世紀ほど以前に訪れたことがある。木の上のホテルを見学したが、樹上から見下ろすと真下にいろいろな野獣が集まっているのが見えた。女王もまさかそのような環境の中で女王の座に就くとは思いも寄らなかったのではないだろうか。ホテルは女王滞在の4年後に火災で焼失し、私が見学したのは、原型通りに再建された2代目だと後になって知った。

 イギリスの王室は日本の皇室と同じように思われているが、大分異なるようだ。日本の皇室は神武天皇が即位した紀元前660年に始まり万世一系で世界でも最古の王室である。それに対してイギリスの王室は、大分遅れて平安時代の1066年にフランスから上陸したノルマンディー公ウィリアムが、ノルマン王国を創始したのが始まりと言われている。そのイギリス王室はデンマーク王国に次ぎ、世界で3番目に長い歴史と伝統を有している。イギリスの立憲君主制に対して日本は象徴天皇制であり、イギリスの王室は長子が継承するが、日本は戦後の皇室典範により男子が継承することになっている。

 世界の要人から早速数多くの弔意を示されているが、天皇陛下も今日弔意を送られた。ウクライナ戦争の渦中にいるが、女王の生前会ったことがあるプーチン・ロシア大統領からも弔電が送られてきたそうだ。BBCは当然のように国葬はウエストミンスター寺院で2週間以内に営まれると伝えている。

 日英両国の王室の間には、150年に亙る交流があるだけに当然日本の皇室も国葬にはそれなりの対応をすることであろう。それに引き換え、日本国内では今安倍元首相の国葬に対する世論の反発が根強い。同じ国葬とは言え、2つの国葬は大分受け止められ方が異なる。どう考えたら良いだろうか。

2022年9月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5497.2022年9月8日(木) 東京オリンピック、後味の悪いスキャンダル

 2030年に冬季オリンピック招致を目指す札幌市の秋元克広市長が、山下泰裕・日本オリンピック委員会(JOC)会長とともにスイス・ローザンヌで国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長と会う予定でいたところ、直前になってIOC側から今はタイミングが悪いという返答があった。2030年大会には、過去に開催した実績のあるバンクーバーやソルトレークシティが招致を進めていると聞き、つい早とちりをしてしまったようだ。

 実はこの裏には東京オリンピックの贈収賄事件があった。今大きな話題と注目を集めている昨年の東京オリンピックがらみの贈収賄事件が影響して、しばらくオリンピックに関する動きを注視しようとの考えがあるようだ。東京オリンピック絡みの贈収賄については、不祥事が後から後へと暴露され、その中心人物で組織委員会理事だった高橋某が収賄容疑で逮捕された。その一方でスポンサーとして紳士服の㈱アオキ、出版社のカドカワ書店、そして大阪の広告代理店「大広」らが贈賄容疑で次々と社内捜査を受けている。

 かつてはオリンピックなんか金食い虫と揶揄され、金を生み出すなんて発想はまったくなかったが、近年のオリンピックは商業オリンピックと言われて走る広告塔とか、プレイする広告塔と言われて広告に囲まれてスポーツをやっている印象が強い。そのため今やマネージメントを広告会社1社に絞り、大会すべての商業広告を取り仕切る形になっており、それを東京大会では電通が差配していた。その電通の元役員だった高橋某がかつて知った内部事情から、取り巻きをうまく引っ張り込み収賄の旨味を味わっていたようである。
 昨日の朝日朝刊社説に「五輪汚職~札幌招致どころではない」と厳しく批判している。東京大会の贈収賄事件は海外でも報道され、注目されている。また、札幌招致は市民との間に感覚のずれがある。社説では、山下JOC会長の行動についても手厳しい。組織委員会副会長を務めていながら元理事の脱線を招いた当事者として、重い責任がある。その自覚さえあれば、招致運動どころではない筈だと痛いところを突いている。また、室伏広治・スポーツ庁長官が「残念というか、悲しいようなニュースを見るたびに悲しく、つらい思いをしている」程度の発言しか出来ないことに失望したと断じている。オリンピックのような大きなイベントには、それ相当の資金が要る。いかにスポンサーがいようと、それでも大会開催国としては相当の税金を投入することになる。これを公明正大に開催し、世界中の人びとが喜んでくれれば、文句なしであるが、どこかに隙があると必ずスキャンダルが生れる。日本でも、すでに冬季大会は長野でも札幌でも開催した実績があるので、札幌市民の間に開催反対の声が強いなら、無理に開催する必要はないと思う。

 それにしても今捜査中の贈収賄事件は、いつになったら解決するのだろうか。未だに中心人物の高橋氏はすべての収賄容疑を否認している。東京オリンピックはコロナ禍のせいで1年延期されて開催されたが、人一倍の工夫と努力をして開催大成功と世界中から称賛の声をもらった。その裏側でとんでもない悪だくみが行われて、東京大会成功に大きな傷をつけてしまった。残念でならない。

 その点では、スケールは遥かに小さかったが、ラグビー・ワールドカップは成功裡に終わった。2019年日本各地で開催されたラグビー・ワールドカップは、流行語大賞となった「ワン・チーム」のスローガンと、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」の合言葉を流行らせ、大成功を収めたことは忘れられない思い出となった。どこが違ったのだろうか。

2022年9月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com