5526.2022年10月7日(金) 大谷翔平選手のあっぱれな活躍ぶり

 今月に入ってから5日まで気温が20℃を上回っていたが、昨日から雨模様となり急激に冷え込み出し最高気温が14.1℃を記録したのに続いて、今日の最高気温も13℃となり、家でもセーターを身に着け、暖房スイッチをいれる状態である。10月初めにしてこの寒さは88年ぶりだというから驚きである。寒いのは、明日が二十四節気の寒露に当るからであろうか。

 そんな気分的に寒々しくすっきりしない中で、一昨日話題になった人・細田博之衆議院議長が、今日文書で旧統一教会との関係を追加で認めた。これまで4回教会の会合に出席していたと説明していたが、この他に4回、計8回出席し挨拶もしていたこと、そして祝電を3度送っていたことなどを認めた。どうも自民党として党員に対する説明が生ぬるいのか、各党員からは大分抜け落ちた申告になっている。国民の前に事実を隠し通そうとする心がけが良くない。是々非々はあると思うが、不真面目な議員は選挙で落選させることに効き目があるが、その他にも国会活動における「裁判官審査」のようなもので、国民が国会議員の前期の仕事ぶりを投票の場で審査、採点する制度を検討する必要があるのではないかと思っている。

 海外では、相変わらずロシアのプーチン大統領の強引な手法が内外から批判を浴びている。予備役招集を行ってからロシア国内でもかなり反感が持ち上がっているようだ。先にウクライナの東・南部州を一方的にロシア寄りの選挙の挙句に、ロシア領へ編入することを決定したが、昨日は更にエスカレートして占領したザポリージャの原子力発電所をロシアのものと言い出したりして、国際的に顰蹙を買っている。この無法の仕打ちに、国内からも批判が出ているが、フランス人歴史学者エレーヌ・カレールダンコース女史が、かつてソビエトがアフガニスタンに侵攻し、戦争が泥沼化したことがソビエト崩壊の一因となった歴史を引き合いに出し、プーチン政権の終えんにつながりかねないと指摘してもいる。

 さて、国内外に暗く、嫌な話題ばかり湧出した中で、明るい話題と言えば、アメリカMLBで活躍して昨日シーズンを終えたエンゼルスの大谷翔平選手の話題が飛び抜けている。MLBはまだポスト・シーズンが残されているが、それに出場しない大谷選手の今シーズンの評価についてMLB担当記者の間でも高く評価されている。

 これまでMLBで活躍した日本人選手に比べても目覚ましい活躍をした大谷選手には、日本でも大人から子どもまで大きな関心が寄せられている。その大谷選手は一昨日投手として登板し、勝ち星こそ得られなかったが、15勝(リーグ3位)9敗、防御率2.33(4位)で、規定投球回数(162回)に達し、二刀流の打者としても規定打席(502打席)に達して586打席160安打の打率0.273(25位)、34本塁打(4位)、95打点(6位)を挙げており、二刀流の先達だったベーブ・ルースの記録を優に追い越した。今や61年ぶりにロジャー・マリス選手の本塁打記録61本を破り、1シーズン最多本塁打62本を記録したヤンキースのアーロン・ジャッジ選手とア・リーグ最優秀選手(MVP)争いを演じている。とにかくこの半年間日本中に数々の明るい話題を提供してくれた。

 1901年にMLBが2リーグ制になって以来、打撃部門と投手部門で規定の投球回数及び規定打席をクリアした選手は本場のアメリカ人選手の中にもおらず、大谷選手が成し遂げたことが素晴らしいと思う。画像から見る大谷選手の笑顔と人柄が、人気を更に上乗せしているようだ。昨年MVPを獲得したので、もし今年も獲得するようであれば、まさに不世出の選手になったと言えよう。今朝の「天声人語」でもべた褒めである。我々もこの好青年を誇りにして、来年以降も大谷選手を応援したい。

2022年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5525.2022年10月6日(木) ポーランド、ドイツへ戦時賠償金請求

 今朝またも北朝鮮が2発の弾道ミサイルを日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)外へ発射した。いくら日本政府が北朝鮮政府に抗議し、各国が国連安保理決議違反と非難しても、知らぬ存ぜぬを繰り返す北朝鮮のやり方には最早打つ手もない。昨日の国連安保理事会で欧米を中心に安保理事会決議違反であると北朝鮮を非難する声が相次いだが、ロシアはアメリカの北への対応が問題とし、中国も制裁は人道状況を悪化させるだけで効果はないと主張して北朝鮮への対応方針は示されなかった。北朝鮮も酷いが、この北朝鮮に同調するようなロシアと中国も事態を悪化させるだけである。相手国にお構いなしに自国のやり方で自らの存在感をアピールする傍若無人ぶりである。金正恩・朝鮮労働党総書記につける薬はないというより言いようがない。

 ついては、当事国にとっては真剣だが、こんなややこしい話がある。先月ポーランド与党「法と正義」のカチンスキ党首がドイツに対して、第2次大戦中のナチス・ドイツの侵略に対する損害賠償として約183兆円の支払いを求めて交渉する方針を示した。ドイツ国民もびっくりしている。何とドイツの年間予算の約3倍の巨額である。ポーランドとドイツは隣国であり、それがナチ侵略にもつながることになったのだが、ドイツ政府としては受け入れられないという当然の反論である。歴史的にも1953年当時東ドイツに対してポーランドも、同じ東ヨーロッパ体制下にあったため、ソ連と一体となって賠償請求権を放棄すると声明した。その後90年ドイツ統一の際にドイツの国際法上の立場が確定し、戦後処理はすべて終わったとドイツはもちろん国際社会も理解している。日本もドイツと同様に国際的な視点から日韓請求権を持ち出されても、すでに日韓両国間では請求権は解決しており、韓国政府が妥結しているにも拘らずしばしば請求権を叫ぶが、日本が今更これをそのまま受け入れることはない。北朝鮮が時折日本に対して戦時賠償を口に出すことはあるが、これとて韓国との約束と同じで応じることはないだろう。弾道ミサイルの連射は、まさか腹いせのひとつではないと思っているが・・・。

 戦争の都度終戦後の賠償が取り沙汰されるが、今ロシアがウクライナへ仕掛けた戦争が、終戦となった際にはいかなる賠償がいかなる形でロシアからウクライナへ支払われるのだろうか。戦争には平時では考えられないことが起きるものだ。

 さて、3日に臨時国会が開会したが、安倍元首相の負の置き土産とも言える自民党議員と旧統一教会との釈然としない関係が後から後から明るみに出る。昨日の衆議院会議場では立憲民主党の泉委員長が、後ろを振り返りながら細田衆議院議長にいくつも質問を浴びせていたが、議長はまったく応じる様子がなかった。尤もこの質問については、自民党から非常識と批判が出たり、共産党からは野党が協調して問い詰める予定を無視したとか非難されている。細田議長は文書で回答すると応えたようだが、この議長も議長として旧統一教会との関係が闇のまま疑問に応えていない。今国会の問題点のひとつである、国会議員と旧統一教会との関係が明らかにされない以上国会も揉めるばかりだろう。

2022年10月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5524.2022年10月5日(水) 友人の講演と習近平党主席3期目

 先月セルビアから3年ぶりに一時帰国中の友人山崎洋さんと奥さんが、高輪のセルビア駐日大使館で、セルビアと日本との友好140周年を記念した特別イベントでセルビア人詩人の翻訳書出版について講演したので、ゼミの友人とともに出席した。

 冒頭に挨拶されたアレクサンドラ・コヴァチュ駐日大使は、山崎さんがベオグラード大学で日本語を教えていた時の教え子という奇縁で、その後奥さんも大使に日本語を教えたことがあり、山崎夫妻は恩師に当ると話された。大使は長身の女性で上手な日本語で挨拶され、山崎さんが話している時は、しきりに相づちを打っていた。山崎さんはその作品が第2の聖書とも呼ばれているペトロビッチ・ニェシュの「山の花環」について、また佳代子夫人はボスニア生まれのノーベル賞作家・イボ・アンドリッチの作品について語った。普段はあまり接することがないセルビアの作品だけに中々有意義なイベントだった。

 ついては、来る16日から始まる中国共産党大会で、かねがね噂されていたように国家主席である習近平・共産党総書記が、慣例を無視して3期目に就くことが確実視されているようだ。これで習主席の権力集中と独裁化が益々鮮明化して、集団指導体制は色あせたものとなる。本来最高幹部は68歳で引退という暗黙のルールがあり、現在69歳の習近平主席は次期最高幹部になる資格を喪失している。独裁者の常套手段は、ルールを無視して自らの都合の良いルールを採用することである。習近平主席は、毛沢東の終身体制につながった「党主席制」はさすがに見送ったようだ。文化大革命を招いた毛沢東への個人崇拝の反省から、毛以降鄧小平、江沢民、胡錦涛ら先代の国家指導者はそれぞれある時期に後進に道を譲っている。しかしながら、習近平はそれらの前例を無視しても主席の座に固執し続け、権力を行使しようとする強い意思である。そこには習主席には、この10年間で長年解決出来なかった多くの難題を克服した自信があるようだ。

 これで習近平主席、それに今世界中から非難されているロシアのプーチン大統領、更に国際世論を無視し続けて核実験を強行している北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記が揃って、世界の3悪人として権力の座に居座り続けることがほぼ確実となった。

 プーチン大統領は、2000年に大統領に就任して以来、ほぼ20年間に亙り権力を握り続けているが、その間に味わった甘い汁が忘れられず、今や2036年まで大統領の座に居続ける野望を抱いている。この挙句がウクライナ侵攻であり、世界中に恐怖と憎しみの種をまき散らしている。

 これら世界のワースト権力者3人が、国家・国民の利のためというより自らの私利私欲のために権力の座へ居座り続けようとしている。彼ら3人は、国家自体に社会主義、共産主義のスローガンである「民主福祉国家」「万民平等」などを掲げて、国のリーダーとして行動しているが、ロシア、中国、北朝鮮のお国柄は、まったく共産主義とか、社会主義とは乖離し、むしろ真逆のものである。国民は利己主義者のリーダーに飼いならされているが、このままあるべき姿の未来へ突き進むとは思えない。一日も早くまともな反体制組織が確立され、平和裏に国内が民主的に統一され、真っ当な国家として世界の民主国家と対等な友好関係が結ばれることを願って止まない。

2022年10月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5523.2022年10月4日(火) 北朝鮮、中距離弾道ミサイルを発射

 今朝7時22分過ぎ、北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射した。最近は日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)外へ落下することが多かった。先月25日以来7度の短距離弾道ミサイルが発射されているが、今日は中距離弾道ミサイルで飛行距離もこれまでで最長である。日本の東北地方上空を飛び青森の東約3,200㎞周辺、北朝鮮の発射地点から約4,600㎞地点に落下したと見られている。日本の上空を弾道ミサイルが通過するのは、実に2017年9月以来である。これに対して、早速松野官房長官が国連安保決議違反であると厳しく北朝鮮を非難し、日本政府は北朝鮮政府に対して厳重に抗議をした。アメリカと韓国政府も日本と韓国の防衛に対するアメリカの強い決意を示した。気がかりなのは、今後ICBMの発射や、7回目の核実験を強行する可能性である。今朝この報道でバタバタしたため、NHKでは定例の朝ドラが中止となってしまった。

 さて、昨日の朝日新聞朝刊に2頁の見開き全面広告が掲載されていた。ある投信会社のメディアに対する暗黙の抗議であり、アドバイスでもある。「報道機関のみなさまへお願いです」と最上段に横書きで書いてあり、その下に更に大きな文字で「投資と投機を区別して報道してください」と書かれている。「投資」と「投機」を誤って報道し、誤解した顧客が投資したつもりが投機になり散財した人が少なからずいたのではないか。察するところ怒った顧客が、投信会社へクレームをつけたケースが多く、正確に「投資」と「投機」の違いを理解したうえで執筆しない経済記者に、もっと勉強し、正確に報道しろと巨額を注ぎ込んでアピールしているように思えた。新聞社としてはどんな気持ちだろう。

 経済記者と言えば、「選択」10月号によると日本経済新聞社では、このところ若手や中堅記者退職の雪崩現象が止まらないようだ。昨年の依願退職者が53人もいてその8割が20~30代の働き盛りだというから深刻である。更にその悪しき流れは今年に入っても続いているという。日経のケースは、執筆など本業に関わる退職ではなく、社内の職場環境が悪化したせいだというから始末に負えない。しかし、新聞記者は学生時代に目指した職業のひとつでもあり、仕事自体は責任感とやりがいを感じて取材活動に当たり、記事を書いていると思う。それがそんな気持ちが失われたのか、或いは職場環境の良い他社で同じように記者を目指すのか、記者は専門職で仕事にプライドを持っているだけにそう簡単に辞めるわけには行かないと思っている。いろいろ悩みがあるのだなぁとつい同情心が湧いてくる。

 ついては、今日Google Search Consoleから先月分のブログのアクセス数についてメールで知らせてくれた。それによるとアクセス・トップ3は、①2013年9月12日「川勝平太・静岡県知事のやりたい放題」、②2011年7月25日「グエン・カオ・キ元南ベトナム副大統領死す」、③2015年1月13日「アルペンクラブ後輩の遭難死を想う」が、アクセスが多かったが、皆かなり古いブログである。しかも①は以前にもリストアップされた。ここでは人格的に問題のある知事について批判的にブログを書いた。今もJR東海との間でリニア新幹線の大井川トンネル工事についてもめている。そのため事業が一向に進まない。②は、懐かしいが、生前手荒な軍政を指導した旧南ベトナムの軍人兼政治家の死について書いた。サイゴン陥落後、故国を追われるようにアメリカへ亡命し、静かに波瀾の人生を終えた。私が初めて戦時中のベトナムを訪れた当時は、意気ようようとしていたものだ。③は、大学山岳クラブの後輩で本当に山好きの好青年だった。2人の息子の家庭教師を引き受けてくれ、単独行で国内外の山へ年がら年中登り、南アルプス・農鳥岳で人命救助して表彰されたことがある。惜しくも27年前にヒマラヤのシプトン・スパイヤー(5,850m)の岩壁から転落して一命を落としてしまった。妻と葬儀に出席したが、ご両親のお気持ちを考えると哀れで涙が止まらなかった。

 来月のアクセスはどんな具合だろうか。段々興味が増してきた。

2022年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5522.2022年10月3日(月) 臨時国会開会と村上選手56号及び最年少三冠王

 今日から臨時国会が開かれた。会期は12月10日まで69日間の予定である。内閣支持率が低迷し明日発足1年を迎える岸田内閣にとっては多くの課題を抱えた安定政権へ向けた正念場となる。その課題であるが、後から後から自民党議員と旧統一教会との密接な関係が明るみに出てくる。まずは旧統一教会との闇深い関係をすっきりさせて欲しい。その旧統一教会との怪しげな関係を築いた安倍元首相の国葬も終わったところで、国民の大半が反対する中で強行したことに対して、岸田首相は如何なる説明をするだろうか。さらに難しいのは、コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻の中で円安市場が進み、ありとあらゆる物価が値上げされ、国民に大きな負担がかかっていることである。岸田手法のお手並み拝見と呑気なことも言っていられない。しかし、国会議員は長い夏休みを取り、これらの問題に解決策を示さないと更に国民の不信感は増して、内閣不支持率は更に高まるだろう。

 さて、最近プロ野球が面白くない。メディアでも報じていたが、かつては野球のTV実況はゴールデンアワーに放映されることが多かったが、近年はBS放送が多くなった。日本の野球を押しのけMLBの大谷翔平選手の活躍を取り上げ、NHKのニュース番組内でも報道する有様である。昨日は、大谷選手の桁違いの43億円という来年度契約金の話題を伝えていた。それに引き換え、日本のプロ野球はヤクルト・スワローズの村上宗隆選手のホームランが騒がれるだけで、少々寂しい。

 ところが、昨夜は久しぶりに熱い試合で盛り上がった。パ・リーグの優勝チームが決まったのである。その決まり方がドラマチックだった。前日まで、1位で最終試合に勝つか、引き分けで優勝が決まるソフトバンク・ホークスが敗れ、1ゲーム差だった2位オリックス・バッファローズが勝って、オリックスの逆転優勝が決定した。しかも、両チームがともに76勝65敗、勝率0.539の同成績である。どうしてオリックスに優勝が決定したかというと、両チームの直接対決でオリックスが15勝、ソフトバンクが10勝という結果からオリックスの2年連続、14回目の優勝が決まった。セ・リーグではすでにヤクルトの優勝が決まっていた。

 そして今日待ち望んでいたヤクルトの村上選手が、今季最終試合の最終打席で14試合ぶりに56号本塁打を放った。これは王貞治選手の55号を抜いて日本人選手として歴代最多本塁打である。同時に、22歳という最年少で三冠王も獲得した。昨日、今日とプロ野球界もシーズン最後になって漸く盛り上がって来た。来年こそは、もう少し早くから盛り上がった試合を見せて欲しいものである。

 ついては、1日夜インドネシアで行われたプロ・サッカーリーグの試合後にスタジアムの観衆の間で暴動が起き、何と125人が亡くなり、323人が負傷するという大惨事が起きた。世界のサッカー界でも珍しい惨事に、国際サッカー連盟(FIFA)もショックをうけている。そもそもの発端は、ホーム・チームが、普段負けたことのないチームに2-3で敗れ、興奮した地元ファンが暴れ、それに警察隊が催眠ガスを発射する荒療治をしたことが事態を大きくさせた。その決勝ゴールは日本選手によるものだという。

 大体4万人のスタジアムにそれ以上の観客を入場させたことと、FIFAの保安・警備規則では、スタジアム内で小銃や催眠ガスは所持も使用も禁止されていた。地元のサッカー協会の姿勢も問題だろう。過去にサッカー試合場での事故は、1964年ペルーの首都リマで行われたペルー代表とアルゼンチン代表の試合後の暴動で、死者が328人だったのが最悪と言われている。インドネシアのケースは、それに次ぐ大きな暴動である。その点では、幸い日本ではそんな心配は今のところないようだ。

2022年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5521.2022年10月2日(日) 菅元首相は弔辞が恥ずかしくないのか?

 先日の安倍元首相国葬の際、友人代表として弔辞を述べた菅義偉元首相の評判が予想外に良かった。菅氏が銀座の焼き鳥屋で、第1次政権が短命に終わった安倍氏に対して2度目の挑戦を促し、かなり時間を費やした後に安倍氏からOKの回答をもらったことを自画自賛した。評判が良かったのは次のエピソードで、岡義武著「山縣有朋」を引き合いに、山縣有朋が先立った伊藤博文を偲んで詠んだ一首、

「かたりあひて 尽くしゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」

 について安倍氏の書の中にマーカーが付いていた。それに気づいた菅氏が、山縣が伊藤を慕った気持ちと同じように、安倍氏への想いを重ねていると言った。このスピーチを聞いた時、菅氏のプライベートなスピーチを聞いたことがなかったが、中々気が利いたものだと思った。

 ところが、今日あるツィッターを見て驚いた。何とこの山縣有朋の話は、安倍元首相が亡くなる1か月前に葛西敬之・JR東海名誉会長の葬儀で述べた弔辞の内容と同じだったというのである。安倍元首相が述べた弔辞を、今度はこともあろうに安倍氏への弔辞に菅氏が使ったわけである。菅氏の場合は、あまり私的な言動が公に伝えられることは少なかったが、それが偶々国葬という場でそれなりの評価を得た弔辞となったが、使いまわしだったとは驚いた。よくもやるものだなぁというのが本音で、呆れるばかりである。

 政治家の発言というのは、あまり信用出来ないが、これほど恥ずかしい盗人的行為は他にあまり知らない。それにしても国葬という国の行事で、亡くなった人物のスピーチ内容をそっくりその人物へ伝えて泉下の安倍氏も面食らっているのではないか。この破廉恥行為には、よくぞこれで総理大臣まで務めることが出来たものだと呆れるばかりである。それだけ政治家の倫理レベルが低いということだろう。

 さて、早くも10月に入ったが、今月は日用品から電気・ガス・水道料金が軒並み値上げされる。聞くところによれば、今月だけで6,600品目の値上げが予定されているという。これに加えて、高齢者にとっては厳しい後期高齢者医療費が、これまでの1割負担から倍の2割負担となる。収入源が限られた高齢者にとっては、かなり堪える筈である。そこには社会保障関係費が国家財政にとって過大になり、その負担が若者にしわ寄せされている事実がある。

 しかし、大きな議論を国会や、一般社会で話し合ったり詰めることなく、ただ過大な負担であるとの理由だけで医療費を2倍にするという乱暴で浅はかな考えは、愚かな政治家たちだから出来ることだろう。苦しくなった財政の中でも他に賄える費用がある筈である。元々多過ぎる国会議員の数と給与を減らすことも当然考えても好い。とりわけ防衛費なんて現状緊急的支出ではあるまい。防衛費の支出に関しては、自民党議員は誰も歯止めをかけようとしない。アメリカから高額な軍事物資の購入を求められれば、黙って支出する。一方で、高齢者の医療費負担は増額を黙認するだけである。真の意味で予算管理を行っているとは言えない。

2022年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5520.2022年10月1日(土) 中華人民共和国建国記念日

 今日は中国の建国記念日「国慶節」に当る。1949年10月1日、北京の天安門広場で約30万人の民衆を前に、毛沢東・中国共産党総書記が「中華人民共和国人民政府は本日成立した」と宣言して今の中国がスタートした。爾来紆余曲折を重ねながら中国は自力で経済発展とともに成長した。経済の発展と同時に、中国の覇権的言動も目立ち始めた。来る16日には、第20回共産党大会が開かれる。国家主席は憲法で任期は2期10年までと定められているにも関わらず、国家を私物化しつつある習近平国家主席は、強引に次の第3期まで主席の地位に留まるべく、憲法改定を画策しているようだ。

 中国のそういう共産主義らしからぬ疑似共産主義国家を見ていると、中国共産党とは縁を切り今年創建百周年を迎えた、日本共産党に比べて27年も若く、主張と行動力の差は弟分として力不足であり、いつまで経っても差は埋まらないと思う。

 最近は中国が世界でもその覇権的行動が批判を浴びる度に、どうして中国がそのような道を辿るようになったのか、不審と疑問を感じている。

 2010年に国民総生産(GDP)で中国が日本を追い抜いて以来、年々その格差は開く一方であり、19年以降は日本の成長率が対前年マイナス成長を続けたせいもあり、21年には、中国の17,498億㌦に対して日本は中国の28%に該当する4,937億㌦にまでその差が開いてしまった。

 日本がまだ中国に実質的に負けていない点は、両国の大きい人口差のため、1人当たりのGDP比較では、21年時点で中国の19,259㌦に対して、日本が44,738㌦と日本が2.3倍も上回っていることである。しかし、これさえもこの先の両国の経済力次第ではどうなるか分からない。
 果たして中国が今後もこのまま経済発展を続けて行けるのかは何とも言えない。中国は政治、経済の権力が中央政府に集中しており、それが共産主義の理想とは逆向して富が中央に集中して万民平等が普遍化されておらず、農村地帯では昔ながらの貧しい農業の状態のまま、農民は都市部への移動が許されておらず、貧しい中で生涯を送る運命にある。典型的な都市重視・農村軽視型である。中央政府は全国から搾り取った財を、見せかけの国力を海外へ示威することによって「一帯一路」で途上国に恩を着せて、彼らの首根っこを押さえつけている。とてもカール・マルクスの唱える社会主義、共産主義とは相容れないものである。日本も彼らの言動を注視して寝首を掻かれないよう注意することである。

 さて、文化庁が国語に関する世論調査を実施して、PCやスマホによる普及により言葉の使い方が影響を受けたとする人が9割に上ったという。街中でスマホの氾濫ぶりを見ているとそれも頷ける。その影響程度は、「手で字を書くことが減る」と「漢字を手で正確に書く力が衰える」と言う人がいずれも9割もいる。それは若者が、手紙を書こうとしないことからも分かる。これでは文章力が培われないわけだ。会社など組織内で年長の上司が、レポートにせよ、対外的な書類にせよ、部下の文章力を磨くように業務の中でもっと指導するよう実践してみてはどうだろうか。

 ついては、有名人の訃報が続いた。昨日落語家の三遊亭円楽師匠が肺ガンのため72歳で亡くなったと思ったら、今日はプロレスで一世を風靡したアントニオ猪木が心不全のため79歳で亡くなった。近年体調が優れず、すでに5年前に生前葬を執り行っていたことは承知していたが、私より若いとは言え、同じ世代が旅立つのは寂しいものである。 合掌

2022年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5519.2022年9月30日(金) ロシアの乱暴な国盗り物語

 昨日までロシアが実施していたウクライナ東南部4州の住民投票の結果、ロシアへの帰属を認めるとの投票が約90%だったと言われ、今日ロシア政府はプーチン大統領がウクライナからそれら4州を併合すると宣言し、署名を行った。当然ウクライナはもとより、欧米諸国はこの住民投票を認めず、ロシアを激しく非難している。グテーレス国連事務総長も厳しく非難した。

 そもそもこのようにひとつの国家が他国領土の所属を左右したり、侵略・占領を一方的に宣言するような明らかに国際法に違反する住民投票は、ロシアが行う権利はなく、住民の自由と権利を無視して侵略的である。しかも、テレビ報道で観る限りその住民投票たるや、住民に強圧的な投票を強いて自国へ投票させようとする意図がミエミエである。投票箱にしてもガラス張りで丸見えであり、傍に付きそう怖そうなロシア派兵士の無言の圧力もあり、とても尋常な投票になるとは言えない。

 旧ソ連邦のひとつだった、カザフスタンのトカエフ大統領は、これまで比較的プーチン大統領寄りだと言われていたが、プーチン大統領の今回の手法に賛成しかねる姿勢を示した。ウクライナ侵攻以降、少しずつロシア国内及び旧ソ連邦周辺国の間でも、反プーチン的動きが表面化しつつあるが、この住民投票とロシア国内の予備役組み入れが、一層反プーチン感情に火を点ける懸念がある。

 さて、知人の軍事評論家・小川和久氏が新たに著書を出され、昨日贈っていただいた。これまでの軍事の専門書とは異なり、「『アマゾンおケイ』の肖像」と題して1903年に生を享け、2000年に97歳で往生された母上の波瀾万丈のほぼ20世紀に亙る生涯を400頁近くに亘って綴った生々しいドキュメントのようである。頁をめくったばかりだが、母上のご苦労が思いやられる。写真で見る限り、20世紀を逞しく生き抜かれた女性とは思えないほど、垢抜けた職業婦人らしく生活力のある女性だったようだ。そもそも熊本に生まれながら、13歳の時、叔父・叔母に付いてブラジルに移民として渡り、農園で働き21歳で故国日本へ帰り、その後は上海へ渡ったりアメリカ人との交流を通じながら多忙な生活を送られたようで、これから読むのが大いに楽しみである。

 小川氏とは10年ほど以前に偶々同じ高校の同窓生ということが分り交誼を始めるようになった。同じ高校とはいっても小川氏は、今では廃止された通信課程を卒業された。家庭の事情で中学卒業後自衛隊へ入隊され、数々の体験をされて高校卒業、大学を中退して、今ではNPO理事長、静岡県立大学特任教授として活躍されている。2015年の「南太平洋の剛腕投手」出版記念会にも出席していただいた。大変論理の明快な方で、人格的にも好感の持てる人柄でこれからも長くお付き合いを重ねていきたいと思っている。

 まだ読んでいないが、私の実家があった湘南鵠沼にご親戚か、どなたかの別荘があったとその写真も載っていたので、これからどんなストーリーになるのか興味津々で楽しみにしている。

2022年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5518.2022年9月29日(木) 日中国交正常化50周年を迎える。

 1972年北京で田中角栄首相と中国の周恩来首相の間で日中共同声明に調印して日中国交正常化が成立してから、今日はちょうど50周年に当たる。然るに近年両国間の関係は冷え込んだままである。この3年間両国の首脳会談は開かれていないし、今日東京都内で開かれた記念イベントで日中首脳のメッセージは披露されたが、肝心の岸田首相は出席しなかった。

 両国の友好が遠のいた最大の原因は、中国が国際的に覇権主義的な動きを強めて各国との間に国境線を巡る諍いを生じさせていることが大きい。日本近海でも沖縄県の尖閣諸島周辺海域では公船による領海侵入を繰り返したことが、中国への警戒心を呼んでいる。本来なら同じ共産主義を母体にした日本共産党が、いち早く祝賀イベントに加わる筈であるが、2016年あまりにも非共産党的な中国の言動に日本共産党が愛想を尽かして、中国に三行半を突き付けて絶交を言い渡した。

 今日も出版関係の会社を経営していた知り合いから電話をいただいた時、知人はもう少し歩み寄って祝賀を盛り立てた方が良いと言っておられた。

 50年前は日本の国内総生産(GDP)が3,180億㌦だったのに対して、中国はその約1/3の1,136億㌦にしか過ぎなかった。1978年当時副首相だった鄧小平が、「改革開放」を国家目標に掲げて市場経済に舵を切り、以後日本の対中投資が大幅に増え、中国のGDPは10年間で約2倍近くに伸びた。その後中国経済は年々成長を続け、2010年には中国が6兆871億㌦と日本の5兆7,590億㌦を初めて追い越した。その後日本の経済の伸び悩みに比べて中国は成長率が6%(19年)、2.2%(20年)、8.1%(21年)と発展し続けて、2021年のGDPは、17兆4千億㌦となり、日本の13兆3千億㌦を遥かに凌駕してしまった。

 中国は、アメリカに次ぐ経済大国として著しい経済発展により一帯一路という手練手管を弄して、途上国を意のままに操って債権国として君臨している。日本経済界としては日中間の協力により、相互発展の気持ちが強いが、問題が前向きに解決出来ない原因は旧統一教会との腐れ縁もキレない日本の政治家にもある。

 かつて1970年代に中国を訪れた時、中国はまだ発展途上で素朴ながらもそこここに温かい空気が流れていた。バスは日本製の中古バスで、街行く人々は人民服を着て自転車が多く、街中には壁新聞が多く貼られ、公衆トイレは日本では見られないほど非衛生なものだった。それからほぼ四半世紀が経ったころ、中国はすべてが近代化され街の空気は一変していた。しかし、その時何か気持ちが満たされないような妙な苛立たしさを覚えたことがある。人びとの気持ちも温かく、ホテル内でもチップは受け取らず、スタッフの笑顔が優しかった。それが大分変ってしまったのだ。あんな半世紀前の中国が、今や懐かしく感じられる。日本も中国人にとっては、嫌らしい国民になったのだろうか。

2022年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5517.2022年9月28日(水) セルビアから一時帰国の友人と語り合う。

 セルビアにいる友人・山崎洋さんが夫人ともども、13日に日本へ一時帰国され、10月末まで日本に滞在しているということで、親しいゼミの友人に声をかけ7人でランチをともにした。久しぶりに打ち解けた会話をして楽しいひと時を過ごすことが出来た。山崎さんとは毎年のように会っていたが、コロナ禍のせいで今日会ったのは、実に3年ぶりである。お互いに傘寿を過ぎたのに皆元気でいられるのは、ラッキーだ。

 いま世界中の話題になっているロシアのウクライナ侵攻について彼とメールのやり取りをしていて、彼はどちらかというとロシアに近い立場にいると思っていた。日本に留まって日本のメディアからの情報だけに頼っている日本人の立場からは、恐らくとても彼の主張は納得出来ないと思う。だが、1999年のNATO軍によるベオグラード空爆で生死の境を潜り抜け、NATOの攻撃を許せないとの憤りを胸に秘めているので、体験者ならではの考えから彼の考えは本心だろうと思っている。論理的にも彼と同じ主張は、日本ではほとんど受け入れられていないが、我々の仲間は、山崎さんの率直な考えを聞いた限りでは理解出来る。

 今回一時帰国の目的のひとつに、来月5日セルビア大使館で開催される、日本とセルビアの友好140周年記念イベントで、彼が作家の夫人ともうひとりの翻訳者との3人でセルビアの著名な詩人、ニェゴシュの詩集を翻訳した経験談を語り合う企画に出席することがある。

 日本の詩人とは少々異なる詩であるが、そのイベントにも参加する予定である。どんな話が聞けるか今から楽しみにしている。

 さて、所属するNPOから定期観光紙今月号が今日送られてきた。今月号は「マルセイユの『石鹸』」というコラムを書き、その冒頭に南仏マルセイユに列車で着いた時、ビートルズのジョン・レノンがその前日に殺されたことを知った。号外を配る駅の雑踏の中でレノンの死を知り、そこでの興奮の雰囲気に重ねて今月号のコラムを書いたのである。1980年12月だからかなり昔のことになる。ところが、偶々今夕の朝日一面にビートルズが1966年に日本公演を行ったことと、警視庁がその幻と思われていた公演をフィルムに撮り、この度開示されることになったとのニュースが大々的に紹介されている。そこには、厳しい制約があったらしい。ビートルズ・ファンのNPO理事長が歴史的映像として警視庁に情報公開を請求した。警視庁からは、そこには一般人の顔が映っているので、ぼかして公開することを求められた。NPOは50年前の映像で個人の識別は出来ないと反論して全面公開を求めて裁判で争った。最終的にビートルズ以外の人物の顔にはモザイクが施されていたという。どうも個人情報に過剰反応して非公開にする例が多いようだ。

 あの日本公演の際の大騒ぎは、今も目に焼き付いているが、気の毒だったのは、メンバーの4人が身の安全のために、ホテルから一歩も外へ出られなかったことだろう。ビートルズの曲の中では、何といっても♪イマジン♪が一番好きだ。いま秘蔵だったフィルムが公開されるに至り話題になっているのもレノンの非凡さと素晴らしい楽曲の故であろう。レノンが亡くなって間もなく42年になる。偶々南仏マルセイユでその訃報に出会ったことに、何か縁のようなものを感じる。

2022年9月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com