5536.2022年10月17日(月) サッカー天皇杯の大番狂わせ

 スポーツでこれほどの番狂わせはそうざらにないと思う。昨晩行われたサッカー天皇杯決勝戦である。延長戦でも決着が付かず、PK戦でJ2のヴァンフォーレ甲府が、J1のサンフレッチェ広島に勝って初優勝を決めた試合である。いわゆる下克上である。何と甲府は今季J2リーグ22チームの中でも、下位の18位に低迷していた。地元チームの予想もしていなかったまさかの優勝に甲府市内では号外も発行されたようだ。チーム自体もよもやサッカー界の頂点に立てるとは思ってもいなかったようである。

 トーナメント戦では運不運が作用することはあり得るが、長期間に亘って多くの試合をこなすリーグ戦では実力が表れるものだ。弱いチームが上位チームに勝つチャンスはそう多くはない。それを甲府は短期決戦のトーナメント戦で成し遂げたのである。ともかく3回戦以降はJ1所属チームを5試合連続で破って栄冠を獲得した。これで来シーズンのアジア・チャンピオンズ・カップへの出場権も得た。まぐれではこう連続して強豪チームに勝つことは難しい。予想外の天皇杯獲得にヴァンフォーレ甲府は、1億5千万円の賞金を獲得してニタリとしているだろうが、その一方で来季はアジア・チャンピオンズ・カップ出場のため海外へ出かける機会が多くなり、その間隙にリーグ戦に出場しなければならず、日程調整に頭を悩ませることになるだろう。最大の問題は現在のホーム・グランドが海外チームと公式戦を行うための条件をクリアしておらず、これからグランド問題をどうするのか知恵を絞らなければならない。

 それに引き換えてプロ野球も日本シリーズを前にして、セ・パ両リーグとも早々に出場チームが決定した。今年は昨年に続いてセ・リーグ優勝チームのヤクルト・スワローズとパ・リーグ優勝のオリックス・バッファローズの対戦となるが、ここには下克上は早や消滅した。いずれもリーグ優勝チームがクライマックス・シリーズで勝ったからである。そもそもこのクライマックス・シリーズが厄介ものである。各チームが長いペナント・レースを戦い、漸く勝ち抜いたチームがリーグの代表チームとして日本選手権に出場するのは当然のことである。にも拘わらず、一旦決まったリーグ戦の順位を軽視するようなクライマックス・シリーズなんて制度を設置して、折角勝ち得た優勝チームのプライドとヴァリューを傷つけるようなシリーズを行うなんてペナント・レースの権威を台無しにしてしまう。

 例えば、クライマックス・シリーズの出場チームはリーグ戦で3位以内であるが、仮に3位のチームの勝率が5割を割っていて、そのチームがシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでも勝った場合、1年間戦って半分も勝てなかったチームが全12球団の中で最も強いチームと認定されてしまう。今年は結果的に日本シリーズへ出場すべきチームが出場することに決まったが、何かが欠けているような気がしている。アメリカMLBのポスト・シーズン・ゲームとは考え方が違う。金儲けのためにクライマックス・シリーズを実施するなら、他に観客を呼び込む別の方法があると思う。

 日本のプロ・スポーツも年々盛んになり、華やかになってビジネスとしても成り立つようになったようだが、考えてもいないレア・ケースが発生する可能性がある。中々難しいものだなぁと思う。

2022年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5535.2022年10月16日(日) 王室、皇室が平穏に存在するためには?

 イギリスのエリザベス女王が亡くなられてから1か月余りが経過したが、女王は70年という最長期間に亘り在位され、イギリス連邦国家の象徴としてその地位におられただけに国葬には、英連邦諸国をはじめ世界中から多くの首脳、要人が参列された。だが、今後の王室に対する不安や懸念が囁かれてもいる。とりわけ女王の後を継がれたチャールズ新国王が皇太子時代に私生活面でとかく問題児であっただけに、王室の将来が危惧されている。世界的にかつての王家、王室が少しずつ姿を消しているが、そのほとんどは政治的権力を握り独裁的に君臨して、軍事クーデターや民主化運動などで追放された例が多い。特に歴史的に長く王制を踏襲していたエジプト、エチオピア、イランなどでは歴史と伝統を誇った王室が廃止され、今やかつてのように国王、皇帝は王座に就いていない。

 ヨーロッパでは国家の象徴としての王室が今も残されている国が大分あるが、時代の流れもあり、その存在に対する見方も厳しいものがある。そのため王室は国民にとってある程度模範的な存在であることを意識して愛される王室であるよう心掛けているようだ。

 その中で最近王室内に内紛のような話題を提供した国がある。それは国民の間にも絶大な人気があるデンマーク王室で、先月28日にマルグレーテ女王が、突如次男で王位継承順位第6位のヨアキム王子の4人の王子と王女の称号を来年1月以降使用出来なくなると公表したことである。この唐突な知らせにヨアキム王子が激怒して、王室内の内輪もめを公衆にさらす前代未聞のスキャンダルに発展した。女王はその公表のやり方について遅ればせながら今月3日に謝罪したが、公表した事実を取り消すことはしなかった。

 女王には2つの考えがあったようだ。そのひとつはヨーロッパ各国の王室には近年スリム化の傾向があり、王位継承順位第1位の長男フレデリック皇太子にも称号を持つ4人の子どもがいて王族が多いということに配慮したことと、2つ目に王族の称号を持つことは、多くの責任と義務を伴うので、ヨアキム王子の4人のこどもには王室の義務に煩わされることなしに普通の生活を送れるようにしてあげたいというのが本心だったようだ。

 マルグレーテ女王の深謀熟慮は理解出来るにしても、突然自分の子どもたちが将来の道を塞がれたことを事前に連絡もなく公表されたことに、ヨアキム王子の怒りが表れたのだろう。いずれにせよ、公表の仕方や、手順を誤ったことは女王、並びに王室の拙速な公表の仕方だったと思う。

 王室の経済的スリム化は当然であるが、翻って日本の皇室については支出がスリム化されているとは言えないように思う。最近皇族方のお住まいの新築、改築の情報が聞かれるが、国民の知らないところで全て決められている。これは皇族方の考えというより宮内庁の責任であるが、もう少し国民の負担、及び知る権利を配慮してもらいたいものである。

 いずれにせよ昔の王族はその必要経費を自らの力で産み出したがために、他人が口出し出来るものではなかった。しかし、今日ではそれらの必要経費はすべて国民が収める税金によって賄われている。その点を国ももっと考えるべきであると思う。

2022年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5534.2022年10月15日(土) 求心力が低下したプーチン大統領

 ロシアが9月に発表した30万人の予備役招集の結果、反対のデモや国外へ脱出する若者が相次いでロシア国内は混乱し、そのうえ第2の招集が噂され動員拡大への不安が広がっている。プーチン大統領の支持率も低下して政権基盤がやや揺らぎ始めた。プーチン氏はこの状態から当分追加動員を先延ばしすることを決断した模様だ。

 プーチン大統領への信頼はロシア国内ばかりでなく、旧ソ連邦独立国の間でも気持ちが離れている。昨日カザフスタンで開かれた旧ソ連構成国の独立国家共同体(CIS)首脳会議でプーチン氏が結束を呼び掛けたが、明らかにウクライナ侵攻後は影響力が低下しており、CISの盟主であるロシアの地位が揺らぎ始めていることを示した。CISはソ連が崩壊した1991年12月に発足し、現在9カ国が加盟している。そのCIS加盟国の内、12日の国連総会でロシア非難決議に反対したのは、盟主であり被非難国ロシア自身とロシア侵攻を支持しているベラルーシの僅か2か国だけだった。ウクライナ侵攻の直接的な理由としてロシアが挙げたのは、ウクライナ国民をネオナチの非民主的抑圧から解放することだった。だが、実際にネオナチ的言動を行っているのは、今のロシア自体であり、それはCIS加盟国にも見透かされている。去る7日プーチン氏の誕生日に合わせてCIS非公式の首脳会議を開催した時には、キルギスのジャパロフ大統領は欠席し、CISで作る軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)は予定していた合同軍事演習を理由もなしに前日に中止した。ロシアによるタガは緩みっぱなしである。

 CISを開催したカザフスタンは、プーチン大統領が一方的に併合宣言をしたウクライナ4州について、「領土保全の原則を尊重する」として承認しない考えを表明した。これまで盟主のロシアの言いなりになり、押さえつけられていた旧ソ連独立共和国が、主体的にロシアの檻の中から飛び出しつつある。今や疲労困憊気味のロシア、並びにプーチン大統領に対して同盟国、或いは国内から少しずつ反対者が出て、ロシア離れが加速し、いずれプーチン帝国も瓦解することになるのではないかと期待を込めて注視したいと思っている。
 そして、アメリカとロシアが互いに首脳会談を避けている中で、アメリカのロシアへの非難は手厳しい。だが、アメリカ自体も足元を見てみると国内に多くの問題を抱えている。来月行われる中間選挙を睨み、やや旗色が良くないバイデン大統領の民主党にとって、図らずも共和党のトランプ前大統領の疑惑を追及する動きが強まって来た。トランプ氏を追い詰めている疑惑は3つある。ひとつは、昨年1月の議会襲撃事件への関与であり、2つ目は、大統領退任時に大量の機密文書を自宅へ持ち帰った疑いであり、3つ目は、ニューヨークの不動産価格を不当に高く評価して有利な条件で融資を受けたとする疑いである。

 最初の議会襲撃事件について、一昨日下院特別委員会でトランプ氏を証人として召喚する決議を可決した。民主党としては、トランプ氏の責任追及を中間選挙の追い風にしたい思惑があるようだ。いずれにせよ、アメリカも足元に火が点いた騒ぎで、内憂外患というところだ。アメリカはロシアの求心力失墜を他山の石とすべきであろう。

2022年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5533.2022年10月14日(金) 理系第2東大設立の意図と方針

 噂では知っていたが、今日新聞に正式に発表された記事を読んで、これはどういうことだろかと疑問に思った。それは大学統合の一環とも言える、名門国立大学の東京工業大学と東京医科歯科大学が統合されるというニュースである。今日のHP「東工大ニュース」にも今日基本合意書を締結し、統合時期は2024年度中と告知されていた。いずれも天下に名高い名門大学で、入学試験も厳しい。これら名門大学が伝統に則って独自の行き方で研究し、優秀な卒業生を世に送り出すことに集中してはいけないのだろうか。受験生にとっては理系の東京工大は東大と1,2を争う優れた難関大学であり、東京医科歯科大も東大理3に次ぐ難関大学である。これらをこれまでの独自の歴史と伝統を捨ててまでどうして統合させなければならないのだろうか。

 そこには、政府が大学の国際競争力の強化を狙い、大規模な大学ファンドによって支援する制度を創設し、2024年度から年数百億円を配るそのややふざけた称号の「国際卓越研究大学」の公募を開始して、研究力を強化するために資金の提供を受けられる大学を作りたいとの考えのようだ。

 しかし、聞くところによれば、この他に文系の一橋大学と東京外国語大学もその候補に上がったが、両大学は置いてきぼりとなり地団駄を踏んでいるらしい。だが、アピール出来る研究力のない文系大学では、文部科学省の希望とは合致しない。それに新大学は理系ではあるが、所詮第2東大ではないだろうか。どうも文部科学省の考えには、全体的に事象を捉える視野が欠けているように思える。しかも、これとて多くの有識者が知恵を出し合って出した結論ではなく、当事者同士が納得のうえに出した答えでそれを文科省が支援するということだが、他の国立大学はどう思っているだろうか。

 さて、このところ外国為替市場では円安が昂進して、ついに昨日1ドルが147円台後半にまで下落し、1990年以来32年ぶりの円安相場になった。そのキッカケとなったのは、アメリカが発表した9月の消費者物価指数が、市場予想を上回る前年9月より8.2%も上昇したことによる。激しいインフレを抑えようとアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを続けるとの見方から金利が上昇し、金利の低い日本との金利差が広がることから円を売って金利の高いドルを買う動きが広がった。これに対して日本のみならず、ワシントンで開催中の主要7か国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議でアメリカの利上げを牽制した文言が共同声明に盛り込まれた。

 日本では、急速な円安が物価の高騰に拍車をかけている。アメリカ同様に昨日日銀が発表した9月の国内企業物価指数によれば、前年9月より9.7%も上昇し、1981年以降で2番目に大きな上昇となっている。従って、輸入物価に円安の影響は、今年初めは2割台だったが、今や5割超となった。ワシントンにいる鈴木俊一財務相は、いつもながらの「投機による過度な変動は容認出来ず、為替市場の動向を高い緊張感をもって注視していく」と前の為替介入直前と同じ決まりきった台詞を言うばかりで、直ぐには動く様子が見られない。結局日本の経済政策というのは、成り行き任せということだろうか。

 今日は♪汽笛一声 新橋を~♪と新橋駅から横浜駅へ向けて初めて列車が出発してから鉄道開業150年目に当る。奇しくも亡母の111歳の誕生日でもある。母は明治44(1911)年生まれで、1984年に他界してもう38年になる。戦時中は父の出征もあり、5人の子どもを抱えて戦中、戦後は苦労が絶えなかったろうと思う。生前はわがままばかり言っていたので、苦労をかけ、充分親孝行出来なかったことを申し訳なく思っている。弟妹からも静かにご冥福を祈ろうとのメールが届いた。その通り母のご冥福を祈るばかりである。 合掌

2022年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5532.2022年10月13日(木) 国連の機能不全と明石市長の引退

 昨日国連総会は緊急特別委員会を開き、ウクライナ東部・南部4州で強行された「住民投票」と「ロシアへの併合」は違法だとして非難する決議を賛成多数で採択した。日米欧など143か国が賛成し、反対はロシア、北朝鮮、ベラルーシ、シリア、ニカラグアの僅か5カ国だった。但し、棄権した国が中国、インドをはじめ35か国にも上っている。決議の主旨には賛成だが、ロシアへの同情から採決から逃げたのだろう。2月にロシア軍の侵攻が始まって以来、国連総会決議は4回目である。少しずつロシア非難決議への参加国が増え、ロシアの国際的孤立が浮き彫りになっている。決議では4州の帰属変更を承認しないよう各国や国際機関に訴え、ロシアに対しても一連の決定を撤回するよう求めた。しかし、残念なことにこの総会決議には法的拘束力がない。この点で、国連の機能不全に対する不満がまた噴き出ている。国連安保理事会の決議は、例え多数票を得ても5大常任理事国の内1国でも反対票を投じれば、決議は否認される。そこには必ず反対票を投じるロシアや中国のような国がいるからである。これではこの先国連が何を提案してもよほどロシアや中国にとってプラス面に寄与することが明らかにならなければ、両国はいかなる決議採択にも反対し、その他の多数国の意向は拒絶されることになる。ここに国連改革の声が生れる理由があるが、いくら話し合いをしても改革自体に異を唱える国がある以上無意味であるような気がしている。

 国連決議がたった2か国の身勝手な行動で提案が無効になるのを防ぐためには、8~9割以上の国が賛成なら承認と認めるか、或いは、一度拒否権を使用されてももう一度審議のうえ採決を行い、2度目の拒否権は不使用とする少々強引な手法を取り入れることを考えても良いのではないかと愚考する。
 さて、これまでとかく傲慢な発言をしてメディアを賑わせていた兵庫県明石市の泉房穂市長が、突然まだ59歳で政界から引退すると爆弾発言をして新たな話題になっている。少々口が悪く、下品な発言をして職員を怒鳴りつける不遜な態度や発言に顰蹙を買ってもいた。私自身随分乱暴な市長だと思っていたが、ここへきて再び市議会で市議との間に諍いを起こし、挙句に職を去ると公言した。

 この度物議を醸した原因は、市長に対する問責決議案を提出しようとした市議に対して、「選挙で落とすぞ!」と恫喝的な発言を浴びせたことが、広く報じられ、「暴言市長」だとか、「民主主義に対する冒とく」と非難された。実際問責決議案が可決されたことを受け、市長は暴言の責任を取るとしてさっさと引退を決めた。この間市長側と市議側との間には、真摯的な話し合いはなく、互いに自己主張を繰り返すだけだったようだ。

 それにしても市民から信頼され市長の職に就いていながら、思い付きのように職を投げ捨てる泉市長の良識には、辞めても当然と受け取られる空気もあったようだ。だが、市民からの信頼は抜群で、3年前にも暴言で辞職した直後の出直し選挙で圧勝した。そこには、地道で高い評価を受けた「子育て支援策」があったからである。それでも正規職員の削減や、市長・職員の給与カットなどを自分の思い通りに実施して、その財源を子育て支援に向ける経緯があったという。少々政策の実行過程にワンマン的な決断があった。市長を擁護する声も多いようで、「政策を実行し、世の中を変えてゆく市長と、口ばかりで何もせず、利権を守ることに熱心な議員のどちらが市民にとって有益なのか」との声もあり、挙句の果てにこんなツィッターもあったようだ。「暴言は論外としても、あの程度の発言で政治家引退なら、自民党の麻生さんや二階さんなんて100回ぐらい引退だよ」

 蚊帳の外の我々には何とも言えないが、もう少し話し合いが出来なかったのかとの印象が拭えない。

2022年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5531.2022年10月12日(水) ロシア連日のミサイル攻撃

 一昨日ロシアがウクライナへ80発以上のミサイル攻撃を行ったが、昨日もミサイル攻撃を仕掛けて、民間人やインフラ設備に多大な損壊を与えた。一時首都キーフを攻撃したロシア軍はその後、当初東部地域の住民が民主化と自由が奪われているので彼らを救うためとの口実で東部州を攻め、東部4州を主に戦闘を繰り返し、それこそ攻撃の言い分の正当性を身勝手にアピールしていた。

 ところが、今回のミサイル攻撃では、ロシアが建設したクリミア半島と本土を結ぶクリミア大橋がウクライナ軍によって攻撃されたとの理由で、東部ばかりではなくキーウやウクライナ全土にミサイルによる報復攻撃を実施したのだ。これではロシアのいう東部の人民解放のために東部をウクライナから守るとの言い草は、つじつまが合わない。ロシア国内でも強硬派を抑えるためプーチン大統領が、強硬な総司令官に交代させたとの噂がある。

 しかし、今度のミサイル攻撃については、ウクライナはもとより、欧米、NATOの非難はかつてないほど激しいものである。早速主要7か国はゼレンスキー・ウクライナ大統領も加わり、緊急のオンライン首脳会議を開き、共同声明を発表した。その要旨は、罪もない市民に対する無差別攻撃は、戦争犯罪であるとプーチン大統領を厳しく追及している。プーチン氏が核兵器使用の可能性をちらつかせていることに対しても、意図的に事態を深刻化させ、世界の平和と安全を危険にさらしていると非難した。更にロシアによる生物化学兵器や核兵器の使用は厳しい結果をもたらすと述べた。岸田首相もロシアの核兵器の威嚇、使用はあってはならず、ウクライナを新たな被爆地にしてはならないと強調した。

 ウクライナにおける戦火は益々エスカレートするばかりだが、その影響が世界のエネルギー価格を高騰させ、世界経済の先行きも暗いものとなっている。昨日国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通しを公表したが、2023年の世界経済の実質成長率は、前年比2.7%になると発表した。最大の原因は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー・食料価格の高騰による経済危機である。アメリカは40年ぶりのインフレに悩み、連邦準備制度理事会(FRB)が5回連続で利上げを実施し、コロナ禍の20年に主要国で唯一プラス成長を維持した中国も今年度以降減速する方向で、この30年間で最低水準となる。

 日本の円安傾向にも思うように歯止めがかからない。今日1㌦=146円台にまで下がり、24年ぶりの円安相場となった。この様子ではまた近日政府・日銀は為替介入に入るのではないかと推測される。

 さて、ウクライナ戦争により、ロシアから多くの外国籍企業が撤退しているが、サンクト・ペテルスブルグにある日産工場が休業状態だったが、現状では再開の見込みが立たず、このほど工場をロシア側に売却して撤退することになった。その売却価格が何とたったの1ユーロだという。弱い立場をずる賢いロシアにつけ込まれたという感じであるが、それにしてもたったの1ユーロとは、開いた口が塞がらない。戦争では何でもありということだろう。

2022年10月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5530.2022年10月11日(火) アントニオ猪木の隠れた意外な人気

 先日亡くなった元プロレスラーのアントニオ猪木について、彼がこれほど多くの人に愛され、功績を評価されていたとは意外な感がした。所詮プロレスは真剣勝負ではないとプロレスラーを過少評価していたが、昨日日本のプロレスの歴史、選手を後世に残していくための組織「日本プロレス殿堂会」で、猪木の追悼セレモニーが行われた。弟子だった藤波辰爾、長州力らが涙が止まらなかったと師匠の死を悲しんだという追悼の言葉には見直したような想いである。たかがプロレスラーと思っていたが、人間的に他人の面倒をよく見て多くの人から慕われていたという。参議院議員としても、彼一流のパフォーマンスで、イラク戦争時には日本人人質解放に貢献し、その後も日本の国会議員が誰ひとり積極的に訪れようとしない北朝鮮に個人の資格として33回も訪れ、北朝鮮でプロレスを披露してあの北朝鮮で人気が高い。

 猪木には幾分パフォーマンス過剰の傾向があり、絶頂期のボクシング世界チャンピョンだったモハメッド・アリと一戦を交え、世界中が注目した。私もテレビで熱戦を期待していた。だが、彼の試合はファンの期待を裏切りはっきり言って顰蹙を買うほどつまらなくずるいものだった。開始から最後までラウンド中は、アリの強力なパンチを恐れたのか、猪木はほとんど仰向けに寝たまま足で蹴ることしか出来なかった。試合は結局両者とも相手に有効なダメージを与えなかったとドローに終わった。試合後メディアから酷評されたし、アリにとっても不愉快な試合だっただろう。プロの超一流選手同士がよくぞあんなお粗末な試合をファンに披露したものだというのが、試合後の私の感想だった。

 しかし、これらは我々門外漢があまり猪木へ深入りせずに、直観で思っていることで、彼が他人にはおいそれとは見せない隠れた本性があったのだろう。人を表面的な一面だけで見てはいけないということを知らされたようなの人間性でもある。あまりにも無責任に思っていた仮面の猪木像と、骨身を惜しまず、人のために尽くす人間的に優れた猪木像とのあまりに大きなギャップに愕然とした次第である。

 どうしてアントニオ猪木が亡くなってからなぜ彼に関心を抱いたかと言う、彼の生きざまに似たある女性について書かれたドキュメントを偶々読んでいたからである。その女性とは軍事アナリストの小川和久氏の母上フサノさんの半生に至極共通するところがあった。先日小川氏から「『アマゾンおケイ』の肖像」なる高著をいただき、9月30日付本ブログにも取り上げ現在読書中であるが、主人公「おケイ」と母のフサノさんのことで、猪木と同じように7歳で叔父叔母に付いて移民としてブラジルへ渡り、その7年後単身帰国した。その間尋常小学校しか通わなかったが、自ら英語や、英文タイプを身に着け、カフェ、ダンスホール、クラブなどを経営し、手に仕事を覚えてから上海へ渡り、アメリカ人外交官と恋に落ち、厳しい試練の中で日本へ戻り、42歳で小川氏の母となり97歳で亡くなられた。まだ読み込んでいない箇所に新たな意外性があるかも知れないが、猪木も幼時ブラジルへ渡り17歳で力道山に素質を見出され、日本へ帰国してプロレス界の巨人となった。2人には共通性があるように考えている。

 それにしても私にはその根拠がよく理解出来ないが、昨日の朝日朝刊に作家夢枕獏氏がアントニオ猪木を悼むとして「ファンタジーに捧げた肉体」という寄稿文が載っている。夢枕氏は猪木が大好きだからと、日本が世界に誇る3大偉人として、空海、宮澤賢治、アントニオ猪木ら3名の名を挙げていほど病膏肓に達している御仁である。真面とは思えないほど少々異常に買い被っておられる。

 だが、考えようによっては、人間というのはそれほど多面性があり、ある側面だけ見ただけではその人物の本質は分からないものだということを改めて思い知らされたような気する。

2022年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5529.2022年10月10日(月) 甥のジャズ・ライブを久しぶりに鑑賞

 今日は「スポーツの日」という祭日で、3連休最後の休日に当たる。連休は天候に恵まれなかったので、予想していたほど観光地への人出はなかったようだが、各地でいくつか交通事故が起きている。

 ついては、ジャズ・バンドを率いている甥から、コロナ禍の中で活動を停止していたが、鎌倉で再開するので、都合がよかったら見に来てほしいという連絡を先日もらった。4年ぶりなので妻と久しぶりにライブショーを楽しみに出かけた。甥の母親である妹も来ていたので、4年ぶりの再会となった。以前に2度ばかり同じ会場でライブを鑑賞した。会場には30人強ほどのファンがいたが、流石に目の前で演奏されると反響がすごい。バンド・リーダーである甥はベースを担当し、他にサックス、ピアノ、ドラムの3人と息の合った演奏をしていた。おしゃべりも流暢というわけではないが、演奏曲をコミカルに解説してくれた。かれは1曲だけピアノも演奏したが、普段から作曲や編曲もやっているようで、その辺りの話も面白かった。バンドは有名なジャズ曲、シャンソン、童謡、映画音楽、アニメ曲などをジャズ風にアレンジして聞かせてくれた。構成は2部から成っていたが、休憩を挟んで約2時間半に亘ってまずエンジョイすることが出来た。東京、横浜は雨が降っていなかったが、鎌倉駅に着いた途端雨が激しく降り出し、急遽傘を買ってランチを食べている間に小降りになり、ライブが終わった時には晴れ上がっていた。近い将来に再びライブをやるなら、また来たいと思っている。甥もコロナ禍にめげず頑張って乗り切っているようだが、今後もこれまで以上に頑張って今の苦境を乗り切って欲しいと願っている。

 久しぶりに懐かしい鎌倉を訪れたが、雨だったこともありジャズクラブ周辺を少し歩いただけだった。今鎌倉はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の人気もあり、普通なら多くの観光客で溢れている筈であるが、コロナ禍のせいもありそれほど多くの観光客の姿は見ない。それに外国人観光客の姿はほんの数人見ただけだった。明日から全国旅行支援が始まるが、旅行者はもちろん観光業者にとっては経営的に大きな助けになる。同時に外国人の日本への旅行の制限を大分緩和したので、今後インバウンド客が増えることだろう。当然鎌倉にも多くの外国人観光客が押し寄せることを期待している。

 さて、ロシアのプーチン大統領の70歳の誕生日の翌8日、クリミア半島のクリミア大橋が爆破されたが、物質的な損害より、クリミア大橋はロシアが半島を占領後に建設し、ロシアのクリミアにおける権益を誇る重要な建造物であるだけに、ロシアとしては許しがたいウクライナの破壊工作と判断し、今日ウクライナの首都キーウにミサイル83発を発射し激しい報復攻撃を行った。これはこれだけに留まらず、今後もウクライナに対する徹底攻撃を仕掛ける恐れがある。このところ前線においてやや旗色が悪かったロシアの起死回生の攻撃とも見られる。これから戦線は拡大するのだろうか。心配である。

2022年10月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5528.2022年10月9日(日) ロシア、中国、北朝鮮の身内の論理

 危惧していた通り今年のノーベル平和賞を身内が受賞したことについて、早速ロシアとベラルーシがイチャモンをつけた。自国の個人、及び組織が平和賞を授かったことは、名誉であるにも関わらず、両国はこの授賞が平和を追求する影響となって世界に広がっていくことに戸惑っている証拠だろう。両国では、多くの政治家がノーベル委員会の決定に激しく反発している。ノーベル委員会が「それぞれ自国の市民社会を代表する存在」と位置づけ、「平和と民主主義の重要さを示している」との見解に、冷静さを通り越すような苛立ちを露わにしている。曰く「まるで軍事作戦だ」とか、「平和賞は政治的な道具と化した」、「西側のダブルスタンダードに追随し、自ら平和賞の価値を貶めている」など、ここまでこき下ろして自分たちの国民が栄えあるノーベル平和賞を授与されたことを誇りに思わない変質的な考えには、呆れるより仕方がない。

 ロシアの軍事侵攻に賛同するベラルーシは、独裁者同士が自らの権力基盤を固めるためにお互いに手を結んでいる。2020年ベラルーシ大統領選挙の不正疑惑や反政権デモの弾圧を巡って、欧米から激しい批判を浴びた際には、ともに欧米から経済制裁を受けながら、国内の反政権派に対する弾圧を強めた。悪の枢軸は、気に入らない身内への称賛を逆に弾圧に振り向けるような蛮行を繰り返し、国際社会の信頼を益々失っている。

 ウクライナ戦線は泥沼化しつつあり、ロシア軍が苦戦して奪われた領土をウクライナ軍が奪還しつつある。昨日クリミヤ半島とロシア本土をつなぐ自動車と鉄道用のクリミヤ橋が爆破された。推察するにウクライナが仕掛けたものだろう。

 ロシアの陰湿な意地悪さは、今に始まったことではないが、最近小ロシア的に外国に迷惑をかけるような悪事を頻繁にやらかしている北朝鮮が、今朝未明にまたもや弾道ミサイル2発を発射した。いずれも日本の排他的経済水域の外へ落下したが、先月25日以来僅か2週間で7回も発射している。今北朝鮮国民の1人当たり国民総生産は、韓国の1/50と言われるほど貧しいもので、当局は貧しい中で巨額を要するミサイル発射が国民に知られることを警戒して、最近では国民には知らせていないという。未明に発射したのも国民に隠したいからだろう。北朝鮮はいつのまにやら秘密国家となってしまった。

 もうひとつ世界の3悪人のひとり、習近平が権力を握る中国に対して、さほど大々的には伝えられないが、8月31日にミシェレ・バチェレ国連人権高等弁務官事務所長が、中国の新疆・ウィグル自治区の人権侵害に関する報告書を公表した。報告書には、中国が人種差別撤廃条約、拷問等禁止条約、女子差別撤廃条約、国際人権規約の社会権規約などに違反すると指摘し、①恣意的に自由を奪われたすべての人を解放する、②行方不明者の所在を明らかにする、③関連する法的枠組みを見直すことなどを中国に求めている。この国も経済大国であることを利用して、経済的に豊かであることを一帯一路政策で、利己的に活用しているが、中国内に居住する多くの少数民族への弾圧は一向に止まない。それでいて毎度きれいごとばかり主張している。

 最近の上記3か国について、ニュースを探るといくらでも首を傾げるような質の悪い事実が出て来る。まるで底なし沼である。これら3カ国との外交関係は難しい。

2022年10月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5527.2022年10月8日(土) 意外だったノーベル平和賞受賞者

 このところ連日今年のノーベル賞各部門賞が発表されている中で、昨日平和賞が発表された。受賞3者それぞれの国籍を知って些か驚いた。今年の平和賞は、異色と言えば異色である。というのは、今世界中を騒がせておよそ平和とはかけ離れたロシアのウクライナ侵攻の過程で、その当事国の人や団体3者が選出されたからである。戦火の中の小さな平和賞ともいうべきものである。ひとりは、ロシアの支持国、ベラルーシで「ヨーロッパ最後の独裁者」と言われる6期在任中のルカシェンコ大統領不正疑惑に対し、国内で抗議活動を拡大して逮捕され、その後も度々逮捕されながらも権利保護などで主導的な役割を果たし、今も獄中にいる人権活動家ビャリャツッキ氏である。獄中や軟禁下にいる人物への授賞は、過去にアウンサンスーチー氏や劉暁波氏がいる。

 ふたつ目の受賞は、何と戦争仕掛け国ロシアの人権団体「メモリアル」である。ソ連崩壊後、政治的抑圧や人権侵害に関する情報を収集し、政治犯の取り扱いにも注視してきた。チェチェン紛争ではロシア軍と親ロシア派による市民虐待と戦争犯罪の情報を収集し検証してきた。昨年12月にはロシア最高裁から解散を命じられたが、解散を拒んで活動を続けている。3つ目はウクライナの「市民自由センター」である。ロシアの侵攻が始まってからロシアの戦争犯罪の特定と記録に取り組み、罪を犯した当事者に責任を取らせる活動を行ってきたという。

 いずれも「戦争犯罪と人権侵害、権力乱用を記録するための卓越した努力」が授賞の大きな理由である。いかにも平和賞らしい台詞である。しかし、これらの選考と授賞が必ずしも誰にも評価されるわけではない。賛否両論がある。それは日本に住むウクライナ人でも同じである。「ロシア人も含めて誰にでも人権がある。国に関係なく、平和を祈る人権団体が受賞することはよいことだ」という声がある一方で、「平和な時ならばわかるが、戦争が続いているなかでロシアの団体が選ばれるのは疑問だ」との声もある。

 このウクライナ、ロシア、ベラルーシ3者へのノーベル賞授賞について、アメリカのバイデン大統領は、「戦争の暗黒の日々においても、脅迫や抑圧に直面しても、権利と尊厳を求める人類共通の願いが消えないということを思い起こさせる。彼らの業績は評価されるに値する」と称賛した。一方、ロシアの「メモリアル」は、ロシア最高裁から昨年12月解散命令を受けた後、建物を関連組織に寄付した行為を違法と判断された。いずれロシア政府から歓迎されざる辛辣な言葉発せられるだろう。

 いずれにせよ今年のノーベル平和賞が、戦争への問題意識を高めたことは間違いないように思う。これをきっかけに紛争へ至る小さな種でも、見逃さず取り除く努力を日頃から実行することが大事なことだ。

 さて、1か月ぶりに糖尿病クリニックで受診した。基準数値のHbA1cが5.9と、先月の6.0よりまた下がり、ほぼ安定していると医師に言われた。血圧は毎日ほぼ120前後にあり、気にしている脈拍のアップダウンが激しいと尋ねたところ、この範囲なら問題ないとのお話しだった。医師からも随分元気ですねと言われた。目も白内障の手術後は、視界がはっきり開けたこともあり、極めて順調である。後は、変形性関節症による両手指の痛みであるが、こればかり残念ながら高齢者特有のもので完治の可能性は少ないと言われている。止むを得ないので、毎日のリハビリで悪化を防止するために毎日両手指をこねくり回している状態である。健康面は現状では、全般的にまずまずと言ってもよいと思っている。

 今月から高齢者医療費が倍額に値上げされたが、今日がその1回目である。支払い額は確かに2倍だったが、これから毎回こうなるのだ。政府のお年寄り苛めの始まりである。

2022年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com