5565.2022年11月15日(火) 今日世界の人口が80億人になった。

 少子高齢化と言われ出して人口の伸びが鈍化してから久しいが、それは日本や中国、欧米などの先進国には当てはまる。しかし、世界的な規模で考えるとその流れはむしろ逆であることに意外な感がある。世界の人口は平均寿命の伸びや幼児、赤ちゃんの死亡率の低下を背景に年々増加を続けて、この10年で約10億人も増え、今日80億人の大台を突破した。私が中学生になった頃は、概ね世界の人口はまだ25億人程度だった。このまま増え続けて、2080年には104億人を超えてピークとなり以後減少に転じると見られている。それでも南アジアの一部の国々やアフリカなどでは、今後も大幅な人口の増加が見込まれて、何とインドが来年には長年の一人っ子政策の結果人口減少が目立ってきた中国を追い抜き、世界で最も人口が多い国になるという。

 現段階では、2050年まで人口がこのまま増え続ける国は、インド、パキスタン、フィリピンのアジア3か国に、エジプト、ナイジェリア、エチオピア、タンザニア、コンゴのアフリカ5か国の計8か国だそうだ。この中でナイジェリアとコンゴ、タンザニアは訪れたことがないが、他の5か国を見た限りでは、やはり経済的にはかなり遅れていることを国民の生活実態から実感したものである。人口増加の波は特にアフリカに目立ち、現在その人口は世界全体の18%を占めているが、2050年までには4人にひとりがアフリカの人々となるという。

 ついては、今アメリカは多民族国家と言われて種々雑多の人種が生活しているが、国内の人種差別が一向に止む兆しが見えない。そのアメリカでは主流派の白人アングロサクソンが減り、ヒスパニックや黒人が増加している。例えば2014年には、白人の割合は62.2%だったが、2060年には43.6%にまで減少すると見られている。白人は全アメリカ人口の半分以下に減ってしまうのだ。いずれさらに少数派となるだろう。この趨勢を考えると、2年前までトランプ前大統領が無許可移民阻止のために築いた国境の壁は何のために築かれたのか意味不明である。この間ヒスパニックは、17.4%→28.6%、黒人12.4%→13.0%、アジア人5.2%→9.1%となり、白人王国のイメージは湧いてこない。今後白人が極端に減った場合、アメリカの人種差別はどういう結末を迎えることになるだろうか。

 現在インドの人口は、約14億人であるが、国連の人口機関などは、人口の増加に伴って貧困、栄養失調、教育などに十分なサービスが行き届かなくなることを懸念している。実際ユニセフが食糧難で多くの子どもたちが命を失っているとしてボランティアや寄付を呼び掛けているが、その依って来る原因はすべて貧困からである。つまり貧困が人間の生育を妨げるということが心配なのである。果たして、このまま貧しい国々で人口が増える傾向を同じ人類として黙っていてもよいものだろうか。「貧すれば鈍する」や、「衣食足りて礼節を知る」を肝に銘じるべきであろう。

2022年11月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5564.2022年11月14日(月) 今の中国は国民にとって幸せだろうか。

 ウクライナへ強引に軍事侵攻を冒したロシアに対して世界中から非難が集中したが、そのロシアへの非難に手を挙げない国々がいくつかある。それはロシアとの経済的に強い関係からロシア非難が、自国に仕返しとして跳ね返ってくるからである。その中で中国が、国連のロシア非難宣言に同意しなかったのは、ロシアを支持するとか、経済関係を考えること以上に、アメリカのリーダーシップに従うことに抵抗があった対米視点と対応から採ったポーズだろう。

 その中国が、途上国を一帯一路政策により、途上国への支援、援助の担保として経済的なメリットを掌中に収める国策によって、途上国を支配しようとしていることや、国際法違反の公海上の海洋進出が、日欧米ら資本主義国側から厳しく非難されている。

 中国では、先月16日習近平総書記政権3期目がスタートしたが、この3期目に毛沢東時代の文化大革命のような恐怖政治に陥る脆弱さを秘めていると言われている。習政治には2つの危うさがあると指摘されている。

 ひとつは、先の中国共産党20回全国大会で世界に晒した胡錦涛前総書記が職員に腕をつかまれ退席させられた一件である。これは胡錦涛氏が党の規約改正案の採決に賛成しそうもない可能性があることから、その場を国民に見せたくないために習主席が先手を打ったと見られている。その胡錦涛氏の反対場面を映像で見られたくない習主席が、強制的に退場させたものだと言われている。これで規約改正案採択の際は、全員が賛成となる。その後胡錦涛氏は病院に強制入院させられたと言われている。

 2つ目は、習総書記が台湾統一について、武力行使を放棄せずあらゆる必要な措置をとると断言したことである。これは3期目の公約でもあり、これさえうまく行使し実績となれば、第4期目も狙おうと権力へのこだわりと欲望は衰えるところがない。あるシンクタンクが危惧しているのは、習総書記に対して意見を言う人がいなくなったことであり、同時に現在の最高指導部の中には習氏の後継者となりうる人物が見当たらないことだと指摘している。

 経済援助により貧しい国々を抱え込んだ中国ではあるが、中国にとって気がかりなのはその経済がこのところやや鈍化しつつあることである。例えば、胡錦涛時代にはGDPの成長率が、2007年には14.2%を記録した。ところが、習政権になって最も成長率が高かったのは、昨年の8.1%だけである。最大の悩みは、人口政策である。長年のひとりっ子政策のため、中国では極端な少子高齢化による生産年齢人口と非生産年齢人口の極端なアンバランスが目立ち始めた。女性の意識も大きく変わった。出産や結婚を忌避する若い女性が増えた。飛躍的な経済成長を遂げたのに、女性の地位には全く変化がない。こんな社会では結婚して家族を持つなんてまっぴら御免と考えている若い女性が多いことである。国連の世界人口予測によると中国の人口は、今の14億人から今世紀末にはほぼ半減する。

 このような現実を習近平総書記はどう考えているのだろうか。結局は毛沢東と同じように自らの権力行使のためだけの政権担当で、中国自体も、中国国民も無駄な時代を過ごしたということになるのではないだろうか。

2022年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5563.2022年11月13日(日) 岸田政権の先行きと日ロ戦争の残像

 第2次岸田内閣の評判が頗る芳しくない。発足してやっと3か月が経過したばかりだが、支持率は下がる一方で、ついに危険水域である30%台にまで落ちてしまった。昨年11月に菅前首相の後任として政権を発足させた当初は、暗い感じだった前首相に比較して、明るくクリーンな印象で徐々に支持率は上がり、今年に入ってから7月参院選まではほぼ60%だったが、その後急激に下がり出し、ついに38%に下がった。

 その岸田内閣不支持の理由は、新型コロナ対策、旧統一教会問題、安倍元首相国葬、物価対策などへの拙い対応が大きいが、最近はそれらに加えて閣僚人事問題が批判に晒されている。とりわけ昨日更迭と報道された葉梨康弘・法務大臣の軽薄な「死刑囚にハンコ」発言が、メディアで広く流布され自民党内からばかりでなく、野党や国民からも大きな反発が起きている。法相としてはテレビに出る機会が少なく、死刑実行にハンコを押せば、メディアが取り上げてくれるというような軽率な発言は、政治家として首を傾げざるを得ず非難轟々となった。問題は葉梨法相の発言自体にあるが、それに対する任命責任者である首相の解任の決断が遅すぎるという厳しい批判がある。結果的に首相は海外出張を遅らせることになり、かの地でアジア要人との会談の予定をキャンセルせざるを得なくなった。国内政治の遅滞が外交にまで影響したことになる。法相解任に加え、直前に辞任せざるを得なくなった山際大志郎・前経済再生相の処分が遅れたとの批判も与野党の間で燻っている。

 どういうわけだか、第2次内閣にはいわくつきの閣僚が他にもいる。「説明を尽くす」の一点張りで一向に説明しない「尽くし3兄弟」と自民党内から批判され、立憲民主党からも山際大臣を含めて秋葉賢也・復興相や寺田稔・総務相が「『山寺』炎上」と皮肉られている。また、3週間足らずの間に2人の閣僚が辞めたことから過去にも竹下内閣や野田内閣にその前例があった「辞任ドミノ」が今後あるのではないかと囁かれている。

 岸田首相には側近がしっかりしていないのか、どうも毅然とした判断と即応体制が取れず、決断力が弱い。岸田内閣発足時には、比較的好意的に見ていたつもりだが、今のままではこれから前途に横たわる難問を解決出来ないのではないか、また国際社会において日本の利益を損なわずに外交問題をこなして行けるのか、極めて不安である。

 さて、昨日の外電でウクライナを侵攻したロシア軍が、ウクライナ南部のヘルソンから撤退し、ウクライナ軍が国土を奪還したことを、ウクライナのゼレンスキー大統領はこの日を歴史的な1日と胸を張って公表した。このところやや旗色が悪かったロシアが敗戦のイメージを強めるヘルソン放棄は、ロシアにとっても認めがたいことだと思っていたが、ロシア政府のプロパガンダを担っている国営テレビが、珍しく沈痛な面持ちで歴史的敗北と認めたようだ。テレビ司会者は過去のロシア軍の戦いに触れ、その第一に日ロ戦争の敗北を挙げたという。日本では学校で日本史の一端として習うが、ヨーロッパでは想像以上に大事件?として見られている。

 かつてこんなこともあった。2002年のサッカーのワールドカップ日韓大会予選で日本がロシアを破った時、ちょうどイギリスの湖水の町ウィンダミアを旅行中だったが、その翌日ロンドンで買い求めた新聞のトップに「日ロ戦争で再び日本がロシアを破った」と大きな見出しが出て、ロシア人が日本車の上に乗り、傷つけている写真も目にしてびっくりし、強く印象に残っていた。それほどヨーロッパでは日ロ戦争は歴史的な事件と考えられている。今ロシアはヘルソンを失ったことで、世界中から注目されている。そのおまけに日ロ戦争と日本の存在も脚光を浴びただろうか?

2022年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5562.2022年11月12日(土) もし彗星が地球に衝突したら・・・。

 天体に関してはあまり知識がないが、1994年7月に彗星から分裂した核の一部が木星に衝突したということを知人がFacebookで知らせてくれた。残念ながらこの事象について記憶はないが、これは史上初めて人類が目撃した地球大気圏外での物体の衝突だった。もともと彗星は地球の1/3ほどの大きさで木星は地球の約11倍の大きさと言われている。衝突後の木星には、地球と同じサイズの跡があったというから、仮にこの核が地球に衝突したら地球はひとたまりもない。我々人類をはじめすべての生物は死滅してしまうだろう。

 これほどの規模で衛星同士が衝突するのは、約1,000年に1度の稀な現象とされているが、これ以降1997年に木星に斑点があることが日本人の調査によって判明し、2009年には500m程度の小さな衝突跡が発見されているので、そう容易には起こらないとは言えない。そう考えるとウクライナ戦争や、中国の海洋進出のような地球上で領土拡張のための戦争なんかやっていることが馬鹿げている。地球規模ではなく、もっと大きく宇宙規模で遥か上空から地球を見てみることが重要だと分かるだろう。こういう物の見方が世界大国の首脳らに仮に出来るとするなら、地球上からいつか争いがなくなるのではないかと期待も出来る。

 さて、このところ強まっていた円安傾向が、一時1㌦=150円台にまで進んだこともあるが、以後少し収まっていた。そして、一昨日辺りから円高の兆候が見えたと思ったら、昨日は一時1㌦=138円台にまで戻った。1日で7円の急騰ぶりにやれやれという気持ちである。この円高は日経平均株価にも平行して影響し、終値は急激に上がった。昨日の日経平均株価は、前日に比べて実に817円も上がり、28,263円にまで上昇した。これは、円安をもたらしたのがアメリカ経済の高インフレに伴う高金利だったように、その原因であるアメリカの消費者物価指数の上昇率低下を受け、物価高がピークを迎えたとの観測から強まったものと見られている。更に昨日連邦準備制度理事会(FRB)幹部が大幅な利上げに慎重な発言をしたこともある。ただ、この円高感はあくまで一時的だと思われ、円高水準に戻ったと安心するわけにはいかないようだ。いま日本を一時的に潤わせている外国人観光客にとっては、出費が増えることになるが、いずれあるべき相場に戻ることだろう。輸入業者や、一部の大手企業の決算は概ね高利益を上げているようだが、国民一般にとっては消費者物価の値上げにより大きな打撃を被っている。一日も早く平常の外為市場に戻ることを願っている。

 今日1か月ぶりに近所の山内クリニックで糖尿病検査を受けたが、基準数値HbA1cは今年6月以降10回の検査ですべて6以下に落ち着いており、医師からは大分安定していると言われた。実は8月に慶応病院で受けた人間ドックの結果まで遡るが、その際2点ほど注意喚起があった。ひとつは、前立腺の基準数値であるPSAが基準より高いということと、今年初めてオプションとして受けた脈波測定で血管の硬化が疑われるとの指摘だった。PSAについては、泌尿器科医師から一昨年と同じ数値で昨年のMRI検査時より良いとの診断だった。後者については、来る14日に今日と同じ医師の検査を受けることにして、その結果を前者と合わせて慶応病院へ報告するつもりだ。

2022年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5561.2022年11月11日(金) 長く深く関わった遺骨収集事業への想い

 昼前に電話を受けた。意外にも文化の日に旭日大綬章を受賞された水落敏栄氏からだった。先日この受賞のお祝いに拙著「八十冒険爺の言いたい放題」に添えてお祝いの手紙を送ったことに対するお礼と、久しぶりに私と話をしてみたかったと言われた。直近の参議院選で落ちてしまったが、3期18年もの間参議院議員として活動されていた。昨年政界引退を語りながら今年3月後任不在のため、改めて立候補の決意を固めたが、準備の遅れや、日本遺族会会長として組織の少子高齢化もあり、希望は通らなかった。数年前文部科学副大臣だったころに、甲子園の開会式で始球式をされた直後に電話でお話したことがある。遺族会が中心となる旧厚生省主宰の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業は私にとって在職中最も大きな仕事のひとつだったが、そのリーダーは常に水落氏だった。約20年間に亘りマリアナ諸島の遺骨収集団のお世話をさせてもらい、この地域を水落氏とも随分あちこち旅をして多くの思い出を作ることが出来た。

 水落氏からもあのころは楽しかったと言ってもらい、近々会いましょうということで、来週はアメリカへ行くので、再来週にも会いましょうと九段会館内の遺族会事務所を訪ねることを約束した。以前に送った「南太平洋の剛腕投手」にミクロネシアの実情がよく書かれていたので随分参考になったとも言っていただいた。それこそ30年ぶりなので、お会いすることを今から楽しみにしている。

 さて、政治家のお騒がせ事件が相次いでいるが、無責任な言動が原因のことが多い。今日は昨日までは現職に留まり最善を尽くすと語っていた葉梨康弘法務大臣が辞任することになった。法相は自民党内の会合で自分の職務を「死刑のハンコを押し、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職」と世間から顰蹙を買うような発言をした。それが騒がれるや、一昨日は誤解させたが、発言は撤回しないと語っていたが、昨日になって撤回すると述べ使命感と緊張感を持って取り組んでいくと辞任の気持ちはまったくない姿勢を示した。それが急転直下辞任し、陰では更迭と言われるようになったのは、山際大臣の辞任に次ぎ、人気・支持率が低落傾向にある岸田内閣としては、党内外から批判が集まり、何とか食い止めようと法相の辞任を認めることになった。岸田首相としても悪い流れを断ち切りたいとの気持ちがあったものと思われる。

 それにしても葉梨法相の発言はあまりにも軽率だと思う。仮にも死刑囚とはいえ彼らの命を絶つ書類にハンコを押す行為を地味な仕事だと公言するとは呆れるばかりである。今朝の朝日「天声人語」にもイギリスの作家ジョージ・オーウェルが植民地ビルマの刑務所所員だった実体験に基づいた話として、処刑台に向かう死刑囚が、足元の水たまりを避けようと身体を脇によけることは、生きている人間にとって当たり前の日常の動きであると見て、「1つの生命を絶つことの深い意味、言葉では言いつくせない誤りに気がついた」とある。まもなく死地に赴く死刑囚ですら些細なことに神経をとがらせている。そんなことにはまったく気がつかない人は、大臣を辞めるだけではなく、国会議員も荷が重いのではないだろうか。

2022年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5560.2022年11月10日(木) 地球温暖化で日本に厳しい声

 今年は世界各地で異常気象による自然災害が多い。地球温暖化による影響が大きいと言われているが、北アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカでは雨量が少なく広範囲な干ばつ状態の一方、南アジアでは異常な降雨により河川の氾濫が起きている。特に、パキスタンでは夏の大洪水の後、9月の大水害により国土の1/3が水没したと伝えられている。更に南太平洋では、温暖化により海水が上昇し島嶼が冠水する被害が続出している。

 そんな折今月6日から18日までエジプトのシャルム・エル・シェイクという個人的に印象に残っているシナイ半島の突先にある地で、気候変動対策を話し合う国連の会議COP27が開かれている。100以上の国や地域の首脳たちが演説し、深刻な被害を訴える途上国に対して、先進国がどれだけ支援することが出来るか、激しい駆け引きが行われたようだ。日本からは小池百合子・東京都知事が出席した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ビデオ・メッセージで「ロシアによる軍事侵攻は、世界的なエネルギー危機を招き、多くの国に石炭火力による発電所の再開を余儀なくさせた」と述べ、軍事侵攻が温室効果ガスの排出量が多い石炭への回帰の原因になっていると批判した。パキスタンのシャリフ首相は、ヨーロッパの3つの国に相当する広さの3,300万人が影響を受けたと述べた。

 また、COP27の場で世界の環境団体で作る「気候行動ネットワーク」(CAN)は、公的資金を石油や天然ガスなどの化石燃料に拠出した国として、カナダ、韓国、中国らを追い越しダントツに資金を投入した国として日本は、3年連続して不名誉な「化石賞」を贈られた。会場周辺では、化石燃料への巨額の公的拠出を続ける日本を標的に抗議デモも行われた。

 警戒しなければならないのは、先日も岸田首相が電力不足に直面していとも軽々しく原発再開、解除に触れたことである。今や電力が不足気味であり、加えて温暖化ガス排出にブレーキがかけられている中で、クリーンな発電ではあるが、放射能の危険を顧みず、いとも気軽に原発稼働に回帰することである。

 さて、アメリカ中間選挙の総括が少々ややこしい。当初共和党が文句なしに圧倒するとの前評判だったが、開けてみると尻すぼみだった。それでも民主党にとってはこれまで以上に苦しい議会運営を求められる。ややこしいのは、各州のルールにより難しい判定があることである。例えば、ジョージア州上院選では2人の候補者が接戦を続け、現時点で2人とも過半数に達せず、州法により12月6日に決選投票することになったという。上院は現在まで民主党が48議席、共和党が49議席を得て、残りは僅か3州である。その3州の中にジョージア州があるとすれば、最終的な結果は来月まで待たなければならない。それにしてもIT技術の先進国であるアメリカの大きなイベントである中間選挙に、ITの技術が生かされていない。

 現時点では、最終結果を知ることが出来るのはいつになるか分からない。アメリカでは大統領選における選挙人というアメリカ独自の選挙制度のように、獲得総数が多くても必ずしも勝利というわけではない。かつてゴア氏がブッシュ大統領に、またクリントン氏がトランプ大統領に獲得総数では上回ったにも拘らず、大統領にはなれなかった。アメリカの選挙制度はとにかく複雑で分かり難い。

2022年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5559.2022年11月9日(水) 気にかかるアメリカ中間選挙の行方

 昨晩は皆既月食と天王星が重なる珍しいダブル現象が、夜空に見られた。午後7時15分過ぎにテレビの言われるままに夜空を見上げて月が徐々に隠れるのを双眼鏡で見ていた。このダブル現象が見られたのは、1580年以来というから驚きであるが、よくぞ調べたものだと感心する。織田信長が見たのではないかと言ったタレントがいたが、それほど昔の天文の現象が分かるというのも驚きである。挙句には、次回のダブル現象は322年後の西暦2344年と調べ上げたようだから、これにも脱帽するばかりである。だが、こういう空を見上げてロマンを想像するのは、爽やかな気持ちになるものだ。国内外に残酷な事件や、暗い事件が溢れている中で余程すっきりする。

 さて、アメリカでは大統領選挙の中間に行われる連邦議会上院及び下院の改選議員、知事選の投票が昨日行われた。すでに今日開票が進み、刻々とその状況がテレビで伝えられているが、戦前から与党民主党の旗色が悪かったが、途中までの結果でもやはりその通り民主党が共和党に先を越されている。これまで、上院50:50、下院220:212でバイデン大統領の民主党がほんの僅か抜け出ていた現勢力だったが、今日の途中経過を見る限りどうも民主党の敗色が濃いようだ。

 実は昨今のアメリカ国内の社会を見ていると、民主主義の本家を自任するアメリカが、選挙でこれほど非民主的な言動を弄するとは思いも寄らなかった。特に共和党はトランプ前大統領が前面に出て、民主党候補者を徹底的に攻撃する。重箱の隅をほじくるように小さな失策を厳しく追及すると同時に、何の証拠もないのに相手を誹謗中傷するような演説で民主党候補者を追い詰める。そのトランプ氏自身2年前の大統領選で敗れ、意に反して再選が叶わなかったが、その直後から選挙に不正があったと一方的に選挙のやり直しを求め、当選したバイデン氏に祝意を告げることはなかった。その後トランプ支持の多くの群衆が連邦議会堂へ暴力的になだれ込んで乱暴・狼藉を行ったが、その背後でトランプ氏が糸を引いていたと言われている。

 一応民主的に行われた選挙に対して敗れるや、不正が行われたとして、一方的に選挙を認めないとするなら、アメリカの民主主義は一体どこにあり、どうしたら民主主義国家らしく行動出来るのだろうか。トランプ氏の口車に乗って各地の共和党候補の支持者が、異口同音に大統領選の不正を肯定している現状からは、アメリカには民主主義の種も実もなくなってしまったのではないかと危惧している。それが、具体的に表れているのが銃砲所持の認可である。これほど銃乱射事件で多くの尊い生命が犠牲になりながら、古い西部時代の論理をぶち上げて自らの身を自らが守るために必要だなんて、時代錯誤の考えを尤もらしく言っているようでは、とても民主主義がアメリカ社会に根付いているとは言えまい。

 現時点で、やや優勢な共和党が仮に議会の多数を占め、これに味を占めたトランプ氏が2年後に再び大統領選に打って出たら、どんな喜劇が演じられるだろうか。トランプ氏は15日に自身の今後について考えを公表すると言っている。アメリカも選挙ゴッコでふざけているようでは、いずれ同盟国が愛想をつかして次第にアメリカから離れていくだろう。

 今日5回目のコロナ・ワクチン接種を受けた。先月31日には、インフルエンザの予防接種も受けているので、取り敢えずこの冬を乗り切っていけると思っている。

2022年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5558.2022年11月8日(火) Googleによるブログへのアクセス評価

 毎月恒常的に送られてくる‘Google Search Console’の10月分が今日メール送信されてきた。先月1か月分のHPのブログや拙稿へのアクセス数の動向を知らせてくれるので、いつもどんな結果であるか期待しながら待っている。

 アクセス数の多かったベスト3は、①8月16日のブログ「つまらない新聞連載小説」だった。今年8月まで半年間朝日朝刊に連載された多和田葉子氏「白鶴亮翅」(はっかくりょうし)について意図も内容も分かり難かったと批判したものだ。以前に加賀乙彦氏から作品のタイトルは、短いほど良いと直にアドバイスされたことがあるが、多和田氏の書名「白鶴亮翅」は確かに短いが、書名の意味もストーリーもよく分からない。普通の連載小説の約半分で終わりホッとしたところだった。このブログへのアクセス数は飛びぬけて多く、多分来月もランクアップされるのではないかと思っている。

 ②は、ブログではなく、「論稿・エッセイ」欄掲載の「なぜ世界遺産に登録されないのか?」(JAPAN NOW観光情報紙2010年1月号)で、この当時まだ世界遺産として登録されていなかったビルマの古跡や、これまでに訪れた印象的だったクノッソス宮殿、ハトシェプスト葬祭殿、エフェソス遺跡、ベルガモン遺跡などについて、なぜ登録されないのか、疑問を呈したものである。

 ③は、2013年9月30日ブログに書いた「評価の分かれる盗作作家・山崎豊子さん」で、世間の文学的評価は別にして山崎さんのウソと裏切り行為など、山崎さんの人間性について厳しく指摘し、非難したものである。これまでに何度かランク入りしたことがある。

 その他にこれまでのアクセス数に比較して急上昇アクセス3項目の中で、今まで一度もランクアップされなかったが、今回初めて3番目にアクセスが増えた昔の小文がある。「文化財の発展費用は誰が負担するのか?」と題して、大学同期生の有志が発行した同人誌「慶38」2号(2003年5月発行)に寄稿した文章である。父が亡くなった後無人だった湘南鵠沼の自宅の庭へ文化財が埋葬されている可能性があるとの理由で、市役所が無断で勝手に立ち入り土地を掘り起こし、あまつさえその費用まで我々兄弟に請求してきた理不尽について取り上げたものである。20年近く以前に書いた拙稿が、どうして不意に多くの人の目に留まったのか不思議なことである。これについては改めて読み直し、極めて理解しがたい役所の暴挙だと思う。それだけに20年近くも経って、どうして今更読まれるようになったのかとという感がなくもない。

 1位の前記8月16日のブログ、2位10月2日ブログ「菅元首相は弔辞が恥ずかしくないのか?」と安倍元首相の国葬で、当初は評価された菅氏の追悼文の中に大分盗作があったことや、紹介したストーリーも二番煎じではないかと噂されていることにつき糾弾したものである。それらが随分伸びていた。

 それはともかく、拙い文章を書き綴っていながらも多くの人々の目に触れ、関心を持っていただけるのは有難く、もう少し頑張ろうとの勇気をいただいたような気がする。

2022年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5557.2022年11月7日(月) 天才ピアニスト・ブーニンを通してロシアを見る。

 ウクライナへ侵攻したロシアの身勝手な言い分と行動には愛想を尽かしているが、これはリーダーたるプーチン大統領だけが悪いのではなく、ロシア人の本質とスターリン的帝国主義に基づく非民主主義的体質が関係しているように思えてならない。

 一昨日夜NHK・BSで天才ピアニスト、スタニスラフ・ブーニンを描いたドキュメント「それでも私はピアノを弾く~天才ピアニスト・ブーニン9年の空白を超えて」が放映され、引き込まれるように最後まで観てしまった。ブーニンというそのロシア的名前は、早くからよく知っている。19歳の時ショパン国際ピアノコンクールで優勝して天才ピアニストとして持て囃される。その4年後の1988年、有名人となったブーニンはKGBの監視に身の危険を感じて母とともに母国ソ連から西独へ亡命した。ソ連が崩壊したのはその3年後のことである。ブーニンが母国を捨てたのは、著名人に対する監視に耐えられなかったことと、旧ソ連の自由と人権を抑圧する厳しいソ連式社会主義体制の締め付けがあったからである。ソ連政府はこれら芸術家を外貨稼ぎの道具とみて、同時に国威発揚のシンボルとして都合よく利用し、監視した。文化人が外国で稼いだ所得はその多くをソ連政府に掠め取られ、行動は常に監視付きで心の休まる閑もなかった。海外へ出かけてもその行動は、常にKGBに付きまとわれ、外国での演奏会も指図されかねなかった。

 KGBの監視がいかに気持ちを落ち着かせず、恐ろしいものであるかということは、実際に経験してみなければわからないものだと思う。かつて、東西対立時代の1983年旧東ドイツのカール・マルクス・シュタット(現ケムニッツ)で、旧文部省教員海外派遣団と一緒に同地に滞在の間、派遣団は四六時中シュタージと呼ばれた東独のスパイ監視組織に付きまとわれ、教室で質問すると、応える東ドイツの教育者はいちいちシュタージの顔色を見て答えるように気持ちの休まることがなかった。我々視察団より我々を世話してくれた同地の教育関係者が随分迷惑をこうむっているようで気の毒だった。

 ブーニンもKGBの被害者のひとりであるが、幸い亡命することによって西欧では演奏活動を続けることが出来た。ただ、KGBの追求は逃れることが出来たが、その後は個人的に不幸にして左手が麻痺するというピアニストにとっては致命的な症状に襲われた。他にも転倒して痛めた左足が縊死し、手術を受けたことによってピアノのペダルを踏むのに苦悩したようだ。それらの苦労を乗り越え、ブーニンは長い9年間の空白期間の後に復活した様子が、このドキュメントで分かりやすく紹介されている。

 一時は復活を諦めかけた時期もあったようだが、本人の強い意思と日本人の榮子夫人の愛情溢れる支えがあったからである。八ヶ岳高原音楽堂の復帰公演における夫婦の睦まじい様子や、日本とドイツ・ケルンの間を往来する生活などがとても温かく、心を和ませてくれる。

 それに引き替え、ブーニンに愛想尽かしをされた旧ソ連と現在のロシアには、自由と民主主義が全く見られない。国際社会の厳しい非難を浴びながら、盟友・中国の支援を頼りに何とか無理して侵略戦争を戦っているとの印象が拭えない。

2022年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5556.2022年11月6日(日) 人情と思いやりが薄くなった昨今の世相

 最近あまりお世話になった人や行為に対して感謝の気持ちを素直に表さないという話を、しばしば耳にする。特に若い人たちが、親切な扱いを受けても心に感じることもなく、当然のような態度を示すことが世の中をギスギスさせているのではないかと思っている。

 昨日、妻からこんな話を聞いた。昨日友人に会うために駅へ向かって歩いていた時に、スーパーの前を通ったら小学3年生ぐらいの女の子が自転車を引きながら、大きな声を上げて泣きじゃくっていたという。人通りもある中で、このままでは心配だと案じた妻が、その子に「どうしたの?」と声をかけたら、母親とはぐれてしまったと言い涙が止まらないようだった。妻はそのまま見過ごすわけにもいかず、携帯を持っているなら、電話をしてみたらと尋ねてみたところ携帯を失くしてしまったという。「お母さんの携帯№を知っている?」と聞いたら知っているというので、妻のスマホで母親の携帯へかけてみたら、留守番電話だった。妻は携帯へメッセージを残して、しばらくお嬢ちゃんをなだめていたところ、妻のスマホが不意に鳴ったので出たらその子の母親からだった。妻が事情を話し、今ここで待っているから娘さんを引き取りに来て欲しいと居場所を伝えた。やがて母親が駆けつけてきて、娘に自分(母親)から離れないように随分言ったでしょうと言うだけだったという。妻がそれまでの事情を話すと「それはどうも」と言って、娘が世話になったとか、ありがとうございますの一言もなかったという。妻はそのまま2人と別れたというが、その話を聞いて妻より私の方がカチンときた。

 これが今どきの若者気質というのだろうか、若い母親の態度には呆れてしまった。同時に、こんなことはあってはいけないと自らを戒める「人のなり見て我がふり直せ」を噛みしめている。

 これは偶々身内が出会った「他人の気持ちがわからない思いやりのない人」の例だが、世間には同じようなことが山ほどある。気になるのは、以前はどこにもあった人の情が近年見られなくなったことである。

 ついては、最近アメリカでツィッター社を紆余曲折の末に、総額440億㌦(約6兆4千億円)の巨額で買収した起業家イーロン・マスク氏が、買収直後に自らツィッター社最高経営責任者(CEO)に就任して実権を行使して、他の役員を全員解任した。その後、全世界のツィッター社全従業員7,500人の内、半数を一方的に解雇すると述べた。そのやり方も前代未聞のスケールで、思いやりの欠片もない。全社員宛てのメールで自宅待機を命じ、解雇対象者にはメールで通達するというものだったようだ。労使の話し合いなんてあったものじゃない。このような一方的で、社員の人権や立場を考慮せずにその場でバサッと首を切るとは、人情の片りんも見られない。これも最近の世相を反映しているようで、情けがなさ過ぎる。前段の妻の話とは異質であるが、今や世界は分断、争いが溢れるようになった。このような世情で人の情けや思いやりも消えていくのだろうか。実に辛く寂しいことである。

2022年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com