5575.2022年11月25日(金) 大学ゼミの本質とは無関係な事件

 帝京大学経済学部のゼミで教授が、ゼミ希望者を面接するに当たって女子を優先するような条件を付したと男子学生がツィッターで投稿し、学生へのハラスメントではないかと学内外で物議を醸している。教授の言い分では、すでに決まっているゼミ生の男女比が10:1だったので、残り4人のゼミ生を認めるに際して、出来る限り女子学生に入ってもらいたいとの気持ちが、歪んだ形で公になったようだ。しかもテレビでも報道されるようになって教授自身手に負えなくなったのか、その対応を大学側に任せるような発言をしている。

 この事案が発覚したのは、偶々SNSで当該のゼミを希望した男子学生の名前が「聖奈」という女子と勘違いされそうな名前だったため、教授は男子学生の聖奈を女子と思い込み、直ちにゼミ生と認めたうえで、確認のため性別を本人に直接尋ねて男子だと判明した。ネットによるこの間の教授と学生のやり取りをみると、ゼミで学生として学び研究する真摯な学問から遊離して、アカデミックな空気が感じられない。

 翻って私自身大学経済学部3年生となり、専門課程へ進んだ時、当然のようにどの先生のゼミへ入り、2年間何を専門に学ぶかと考え悩んだ。取り敢えず社会政策系のゼミに入りたいと考えていたので、その中から専門分野の研究課題を見つけて学びたいと思ったものだ。面接していただいた恩師には、これまでに読んだ、或いはその時読みかけていた書物を尋ねられ、河上肇の「自叙伝」、「貧乏物語」を読んだことを伝え、感想をお話した課程で、先生からそれではゼミに入って河上肇を研究してみてはどうかとアドバイスされた。ゼミに入り卒業するまでに河上肇関係文書をかなり読み込み、卒論も拙いながらも何とか「河上肇論」を書き上げた。先生の厳しく懇切なご指導を受けて楽しく充実した2年間のゼミ生活を送ったものだ。

 この帝京大のケースは、ゼミの入り口で起きたやや軽率に失したトラブルだと思うが、ゼミナールは入ってから何を、どう学ぶかということが大事で、ひとりの学士として卒業してから時を経て、ゼミで学んだことが身についているかが問われるのではないかと思う。そういう意味では、ゼミ生活が厳しいながらも楽しいものでなければあまりゼミで学ぶ意味はないと思う。

 この件については、帝京大のホームページに「本学は教員の立場を利用した学生へのハラスメント行為(アカデミックハラスメント)や差別的行為を許容しておらず、決して許されるべきものではない」と公表している。大学では、教授本人に事実関係を確認しているが、本人の説明などは調査委員会の結論が出てから公表すると言っている。

 当教授にやや軽はずみの面があったようでもあり、同時に学生たちにもやや甘さがあったのではないかと考えている。それにしても大学ゼミナールの話題が本題から外れてはいるが、大学のゼミが話題になるのは懐かしく、久しぶりに学生時代を想い出す。

2022年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5574.2022年11月24日(木) WC初戦で予想を覆し強豪ドイツに逆転勝ち

 嬉しいことだが、「あ~ぁ びっくりした!」というのが結果を知った時の率直な本音である。昨夜行われたサッカー・ワールドカップ(WC)第1戦で日本代表チームが、優勝候補の一角で過去4回のWC優勝実績がある世界ランク11位の強豪ドイツに2―1で逆転勝ちを収めたのである。テレビで中継を観ていたら開始早々見事な縦パスを受け右ライン際を駆け上がった伊東選手からパスを受けたトップの前田選手が見事にゴールを決め、幸先の好いスタートだと思ったところ、オフサイドと認定されゴールは取り消されてしまった。その後はドイツに押されっ放しで逆にドイツにペナルティ・キックを決められ前半を0―1で折り返した。試合が進むにつれて終始押されっ放しになり、後半途中で真夜中近くなったので、今日は負けたと諦め床に就いた。

 ところが、今朝起きてテレビ・ニュースを観て驚いた。日本が後半に2点連続してゴールを上げ逆転勝ちしていたのだ。朝刊には、「日本、ドイツを破るー逆転2ゴール 歴史的勝利」、夕刊は「日本サッカー 新たな高みードイツ破る 優勝経験国に初勝利」と朝夕刊ともにトップ記事として取り上げている。得点の経緯を見てみると、選手交代が効果を上げ、途中から出場した選手が大分活躍して得点に絡んでいた。森保監督の機を見るに敏の名采配の賜物だろう。

 恐らく同点ゴールを決めるまでは、ほとんどの日本人は負けを覚悟していただろう。日本中が歓喜に沸いたような喜びようで、朝からテレビでゴール・シーンを何度も何度も放映していた。勝てると信じ込んでいたドイツのファンは、流石に日本に負けてショックを隠し切れないようだった。これで昨日午後秩父宮ラグビー場で行われた第100回記念ラグビー早慶戦で母校慶応が、前半10―0でリードしていながら、後半逆転され13―17で敗けたうっぷんを多少晴らすことが出来た。

 カタールの首都ドーハにおけるこの奇跡の勝利は、いみじくも29年前の1993年日本チームが同じこの地で味わった屈辱の「ドーハの悲劇」を思い出させてくれる。それはWCアジア予選最終戦で日本はグループ1位にあり、WC出場に王手をかけていた。それが、リードしていたタイムアップ寸前に相手チームのイラクにゴールを決められ、引き分けとなり一転して予選で敗退となり代わりに韓国が出場した。韓国とは勝ち点が同じだったが、得失点差で本選初出場を逃してしまい、日本にとってのドーハの悲劇は痛恨の極みであり、韓国にとっては天から降って湧いた「ドーハの奇跡」と呼ばれた。

 爾来29年、奇しくも同じこのドーハの地で韓国が体験した歓喜「ドーハの奇跡」を日本人も味わうことが出来た。この出来過ぎのストーリーを誰が予想することが出来ただろうか。勝負は水ものである。最後まで勝敗の行方は分からないものだ。特に実力が伯仲している場合は殊更である。昨日のWCでは日本は世界ランク24位で、ドイツには実力的には大きく差をつけられていただけに、多分勝てることはないだろうと諦めかけていただけに意外感があまりにも大きく、夢物語を見ているようである。日本はこの後、同じグループの31位コスタリカとドイツより上位の7位スペイン戦を控えている。特にスペインは強豪であるが、今後の戦い方次第では、決勝トーナメント進出の希望と可能性が高くなった。しかし、簡単に諦めることを戒めると同時に、油断大敵であることも重々心しなければならないことを思い知らされた昨晩の初戦ドイツ戦の逆転勝利である。

2022年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5573.2022年11月23日(水) 閣僚の辞任ドミノとカタールのWC開催事情

 このところ岸田内閣は荒れ模様と言ったら好いだろうか。この1か月間に3人の閣僚が辞任、実は更迭で、昨日は3人目の寺田稔総務相が辞めたが、その後任として総務相になった松本剛明氏が、早くも政治資金規正法違反の疑いを持たれている。加えて、昨日の衆議院本会議で早速居眠りを始めたのである。隣席の加藤厚労相が熱心にメモを取っている間も、上向いて目をつぶったり、下を向いて俯いたり、壇上でスピーチしている岸田首相や議員の話を聞いている素振りがまったく見えなかった。テレビでもその一部始終が放映され、流石に記者に質問されたが、自分は目が細いのでそう見えたのだろうと全く意に介していないようだった。こういう大臣では、また粗相を冒すのではないかと懸念している。

 そこへ秋葉賢也・復興担当大臣が新たに自分の政治団体が妻と母に地元事務所の賃借料を支払っていた事実がおかしいと、政治とカネの問題で追及され、4人目の辞任が囁かれている。下手をすると4人目、5人目の辞任、更迭のドミノが実現しかねない。

 これは岸田首相が、大臣としての適性を見抜けない人間観察眼の欠如と、彼ら更迭された大臣らの人間性に大きな問題がある。特に気になるのは、これまでに辞任した3人と新総務相は、いずれも東大出身者で、しかも官僚出や政治家系出身であることである。世間知らずで大したことをしなくても暮らしていけるご身分である。一般的に政治家の資質に欠ける連中が大臣になって日本を引っ搔き回しているという印象を受ける。今の政治に国民の関心が薄れるのは、こういう政治家がのさばり出したからだ。

 そして、新たに岸田首相にも政治とカネの問題が浮上した。昨年10月に行われた衆議院選に際し、選挙運動費用収支報告書に添付された領収書が公職選挙法違反の疑いがあるという。辞任した閣僚には、説明責任を強く求めていたが、首相自身の説明責任は果たすことが出来るだろうか。

 さて、話題を変えてサッカーWCに目を向けてみたい。一昨日の深夜から開会式に続き、各ブロックの1回戦が始まった。開会前からカタールの地で開催されることにとかくの噂があったが、依然として尾を引いているようだ。イラン国内でヒジャブを着用しなかった女性が警察に拘束され死亡した事件以来、イラン国内でデモが絶えないが、女性が死亡したことに抗議するためにイラン代表チームの選手が、イラン国歌を歌わなかったり、カタールの人権侵害に抗議してイングランド選手が試合前に片足を膝まずいたり、グラウンドでも何かと問題が噴き出ている。

 実は、石油産出国の新興国カタールは、世界へ向けてWC開催を自国を売り込む機会と捉えているようだ。そのため人権侵害や液化ガス排出などの悪いイメージを払拭するよう、国家がらみでなりふり構わず開催ありき、前進あるのみの態勢である。あの暑い国で屋内スタジアムでないメイン会場が涼しいほどエアコンを利かせていることも地球温暖化を加速させると批判を浴びている。開催にかかる費用総額は約42兆円と見積もられ、東京オリンピック開催費用の約30倍、日本の年間国家予算の約40%だというから、人口僅か293万人の国にとっては途方もない金額である。

 WC開催によって多くの外国人観光客が訪れ、その一時的賑わいと彼らの落としたドルがカタールを潤したとメディアによって世界中に伝えられ、カタールの知名度を上げることが、果たしてカタール国民にとってどれほどのプラスになるのだろうか。

2022年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5572.2022年11月22日(火) 新1万円札肖像に渋沢栄一?の疑問

 今日11月22日は、1122の語呂合わせで「イイフウフ(好い夫婦)」の日と呼ぶそうだ。今日に限らず、いつも円満で「好い夫婦」ならそれに超したことはないだろう。「好い夫婦」の日に際し、ちょっと気になることがある。

 それは2024年に現在使用されている紙幣が20年ぶりに新札に替えられ、現在のお札の人物像が、新しい人物に変えられるが、それら人物のひとりに気がかりなことがある。現在の1万円札の人物が福沢諭吉から渋沢栄一に、5千円札が樋口一葉から津田梅子に、そして千円札は野口英世から北里柴三郎にそれぞれ変更される。彼らの肖像が選ばれたのは、それぞれが果たした業績が高く評価され、偉人として尊敬できる立派な人物であると見なされたからに他ならない。毎日国民が手にするお札に人物像が取り上げられる以上、その人物は個人としての業績はもちろん、人間的にも尊敬に値する人格者でないとモラル上困る。仮に外国人からどういう人物であるかと尋ねられた時、胸を張ってこういう立派な人物であると答えられないようではお札に顔を見せる価値がない。

 ところが、問題なのは、新1万円札に描かれる明治の実業家・渋沢栄一に、性格上及び家庭生活上大きな欠陥が見られたにも拘らず、最高の紙幣に登場する人物に決定したことである。

 確かに渋沢が明治黎明期の日本経済界に広範に貢献したことは間違いない。しかし、私生活面においてはとても模範となるような人物ではなかった。昨年NHK大河ドラマ「青天を衝け」で主人公として取り上げられ、持て囃されたが、テレビでは1人の愛人だけしか紹介されなかった。しかし、私生活面で他にも数々のスキャンダルを演じている。因みに正式に結婚した妻は2人だけだったが、妾、愛人は数知れず、愛人との子どもの数は一説によると50人とも言われていたらしい。中には、幕末新選組隊士の女性に手を出して、新選組に襲われたという話まである。また、1866年幕臣としてヨーロッパに派遣された折には、現地の女性にまで手を出したと言われている。80歳代になってから愛人に子どもを孕ませたという生涯現役というほどの稀代の女たらしだった。ある面では世間に紹介するのも恥ずかしいくらいの人物である。世に憚られる不倫をいくつも重ね、私生活は真っ当な家庭生活を営めなかった男である。その点では、尊敬どころか、軽蔑の対象でもある。

 表の世界では、実業界の父と言われ、日本資本主義の父とも呼ばれて、明治になってから日本国内に日本で最初の銀行を設立したのを皮切りに、500社以上の会社の創設に関わった経済人として華々しく紹介されている。確かに明治期の日本の経済界の発展の先鞭をつけ、牽引車となったことは疑いようがない。それでも倫理的に問題なのは、女性にあまりにもだらしなかったことである。女の経済的な面倒こそみたとは言え、これほど女性との火遊びに投資した男も珍しいと思う。こういう人物が一番高価な日本銀行券の表面にその顔を現すのは、道義上にも問題ではないかと思う。その私生活面は聊か常軌を逸していると言わざるを得ない。渋沢を1万円札の顔としていかなる基準で選出したのか、とても理解出来ない。渋沢を明治の偉人として学んだ小中学生らの幼い子どもたちが、後年になって渋沢の隠れた不倫行動を知った時、散々その功績を教えられていた彼らの気持ちはどんな思いだろうか。

 渋沢を1万円札の絵柄に選んだ有識者?の判断には、大きな間違いがあったのではないかと彼らの常識をさえ疑いたくなる。

2022年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5571.2022年11月21日(月) 「週刊新潮」が悠仁さまの成績を赤点報告

 「週刊文春」と並んで、芸能人のスキャンダルを報じて話題を提供している「週刊新潮」の11月24日号を久しぶりに読んでみた。その話題のひとつは、マサカリ投法で鳴らした元プロ野球投手の村田兆治氏である。200勝投手であり、近年は離島の子どもたちに野球をする機会を作って離島甲子園大会を設けてあげ、彼らに野球の楽しさを教えていた。その村田氏が自宅の火災で不慮の死を遂げた事実を不審感を持って報じていた。素晴らしい剛速球投手だと知っていただけに、プロ野球ファンとしては寂しい気がしている。

 更にその記事もさることながら、もうひとつ興味深かったのは、秋篠宮家の悠仁さまの高校生活に関する赤裸々なレポートである。

 将来の天皇になられる悠仁さまのプライバシー、それも学業成績という外部に覗かれたくない部分をこれだけ露骨に暴かれて、よくぞ宮内庁は黙認していたものだと疑問を覚えた。記事の主題は「『悠仁さま』‘赤点危機’で赤門赤信号⁉」と悪ふざけとも受け取られかねないものだ。副題が2つも添えられている。ひとつは、「初の『東大天皇』悲願の『紀子さま』が焦燥」で、もうひとつは、「超進学校の授業に戸惑い 追い詰められ『背伸び』の末の『学業』懸念」というもので、まるで悠仁さまの成績が悪いような表現で悠仁さまと紀子妃殿下を晒しものにするような内容である。

 そもそも悠仁さまは他の皇族方が幼稚園から大学まで学習院へ通学するのが、通例だったが、悠仁さまは入学したお茶の水女子大付属中学の成績が良かったからか、今春進学校として知られる筑波大付属高校に入学した。実は、その時点で大きな話題にはなっていた。筑波大付属高は東大入学者が全国でもトップ10に入る名門進学校である。しかし、仮に入学しても校内でトップクラスの成績でなければ、東大へ入学出来る保証があるわけでもない。

 それより何より、どうして他の皇族方と同様に学習院を卒業されてオーソドックスに天皇の道へ歩もうとしないのか理解し難い。記事から憶測すると秋篠宮紀子妃殿下が初の「東大出身天皇」に拘っていたのではないかと思える。昨年亡くなられた紀子妃の父川嶋辰彦氏は東大経済学部を卒業され、ペンシルヴェニア大学院博士課程で博士号を修得され長年学習院大学教授を務めておられた。紀子妃殿下は父親と同じように何としても東大卒の肩書を子息の悠仁さまに背負ってもらいたかったのだろうか。

 しかし、その結果は、週刊誌に「赤点、赤点」と興味本位に取り上げられ、悠仁さまが高校では成績が優れず、東大はとても無理との思わせぶりな内容に、秋篠宮ご一家は気恥ずかしい思いをされておられるのではないだろうか。ご一家にとって、「真子様旋風」がやっと過ぎ去ったが、新たにあまりも不名誉な週刊誌の取り上げられ方になってしまった。

 秋篠宮家には災難だったろうが、悠仁さまに東大に合格してもらいたいためにあまりにも軽々しく動きすぎたような気がしている。それにしても取材し報道した新潮社に対して、宮内庁ももう少し思いやりと警戒心を持ち機密事項を守るよう配慮すべきことを要望すべきだったのではないかと思う。この「赤点」の噂が終生悠仁さまに付いてまわり、心を傷つけることにならなければ良いが、と思っている。

2022年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5570.2022年11月20日(日) さあ!いよいよワールドカップ開幕だ!

 待ちに待っていたと言うべきだろうか、4年ごとに開催されるサッカーのワールドカップ(WC)開会式が今日深夜(日本時間)に行われる。12月19日までの長い1か月間は慌ただしさと熱気に一喜一憂させられることになるだろう。日本は1998年フランス大会に初出場して以来7回連続で出場し、過去3回ベスト16に入っている。今回こそベスト8入りを狙っているが、どんな結果になるだろうか、目的を果たせるよう期待したい。因みに通産成績は、21試合5勝4分12敗である。

 サッカーのWCは一説に依れば、オリンピック以上に多くの人びとの関心を呼ぶそうだが、100年近いWCの歴史の中で、今回初めて中東の地で開催されることになった。今回カタールに開催地が決定したが、決定の経緯とその背景に多くの疑問を持たれている。ブラッター前国際サッカー連盟(FIFA)会長は、カタールがWC開催地に決定したことについて、サッカーとWCはこの国にとって大きすぎて間違いだったとまで述べている。FIFA執行委員会で最終的な開催地決定に際して、プラティニ・ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)会長がカタールに有利になるよう票を動かしたと非難までする有様である。開催地決定に関しては、リベートの存在も明らかになり、前回のロシア大会とカタール大会の開催をめぐっては、広範な汚職があったと告発があった。2015年にスイスの検察当局とアメリカ司法省による捜査が開始され、昨年ブラッター前会長とプラティニ氏は詐欺、業務横領、文書偽造などの罪でスイス当局に起訴され、今年7月無罪判決が言い渡されたばかりである。

 近年ファンの多い人気スポーツのビッグ・イベントは、うまくすれば大儲けが出来、政治的な力も得られるので、既存のスケジュールを変更してまでも開催したがる傾向がある。特に、WCは大会開催地の決定によってアメリカTV会社の放映権料とスポンサー企業の支援が、開催経費を賄う好条件のため、大会運営自体がテレビ会社やスポンサーの意向に左右されることが大きい。今回スポンサーがらみで次のような話もあったと聞く。スポンサーの主要企業はアメリカのビール会社バドワイザー社だが、イスラム教国のカタールは禁酒国であり、サッカー場でビールの販売が禁止されたという。ところが、それでは大会開催資金を提供するスポンサーであるビール会社の営業に非協力的で、営業妨害になるということから、ひと悶着あった。その挙句に、ビール販売を解禁したというが、これでは今度はアラーの神が怒るのではないかと思っていたところ、何と販売するのはノン・アルコールビールというオチまでついたらしい。

 スポーツ大会ももう少しスポーツ本来のあり方を考え、金儲けなどのしがらみから逃れ、もっとすっきりとした開催を考えてもらいたいと思う。その点では、プロであるよりアマチュアの方が、心からスポーツを楽しむことが出来るような気がする。

 さて、今日はアメリカのバイデン大統領の80歳の誕生日、傘寿である。アメリカ史上最高齢の大統領となった。声の張りや動作にやや衰えを感じるが、本人はいたって前向きのようだ。2年後の大統領選で再選され、任期を全うすれば退任時には86歳となる。トランプ前大統領が立候補すれば、その時点で78歳である。2人とも随分高齢である。それに比べれば、1960年の大統領選でケネディ大統領が対抗馬のニクソン共和党候補者を破った時は、ケネディが43歳で、ニクソンが47歳だった。若い国と言われたアメリカも、このところ年老いてすべての言動が硬直化したような印象を受ける。若々しかったケネディ時代が懐かしい。

2022年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5569.2022年11月19日(土) 公職選挙法改正はまだ不十分

 衆議院の1票の格差を是正するため小選挙区を「10増10減」とする改正公職選挙法が成立し、次回衆議院選挙では選挙区が見直されて行われる。この施行により、これまでの1票の差が2.096倍から1.999倍にほんの僅か縮小する。区割りを見直される選挙区は、全国25都道府県の140に及ぶ。このほかに比例代表ブロックでも「3増3減」となる。こういう国民の権利行使の比重バランスを少なくすることももちろん必要であるが、むしろこの機会に抜本的に国会議員数が、妥当かどうかを別の視点から検討して欲しいと思っている。

 この法律改正により国民の投票の権利は、少し公平に近づいたと言えるが、これら選挙区で実際に立候補する政治家にとっては苦悩があるようだ。元々人口の移動、偏りによって1票の重みが是正されることになったので、歓迎されるべきであるが、選挙区が増える地域は好いとして、減少させられる地域から選挙に打って出る政治家にとっては、当選する確率が減るわけでもあり、悩みは尽きないようだ。一般的にそれほど激しい選挙戦が繰り返されなかった地方都市では、比較的保守系候補者が多い。これまで安閑としていられた選挙で当選回数を重ねてきた保守候補にとっては、うかうかすると自分自身が所属する政党から公認されない可能性がある。

 吉田松陰、高杉晋作、木戸孝允ら多くの長州藩士を生み、伊藤博文ら歴代首相を最も多く輩出して保守王国として知られる山口県の場合、現在4選挙区であるが、これが3選挙区となり1議席減らされることになった。現在の4人とは、いずれも自民党員で岸信夫前防衛相、林芳正外相、前副総裁・高村正彦氏の子息正大氏に、死亡して空席となった安倍元首相である。幸か不幸か、後継者選出が不安視されていた安倍元首相の選挙区から誰も立候補しないとすれば、現職3人がそれぞれ党公認を受けるだろうが、地域割次第によっては難題が残る。その一方で、選挙区が増える都市圏では、新たに改正される区割りには別の難しい問題があり、早急に区割りが決まるとは言えない。

 この改正公職選挙法はあくまで議員数を固定しているが、現状の衆議院議員数465名、参議院議員数248名はアメリカの上下院議員533名に比べても多すぎる。この議員数調整の際に、減らすべき議員数は減らし、増やすべき議員数を増やさず、現状に留めておけば、今回の改正で10名の議員を減らすことが出来る。

 現在の国会の様子や、議員の行動を見ていると、真面目に国のため、国民のために活動している議員がほとんどだと信じたいが、最近旧統一教会問題で炙りだされた後ろめたい議員活動を行っていた議員や、参議院文部科学委員会で自分のCDレコードを売り込むような歌手議員がいたり、かなり次元の低い国会議員も散見される。次回の改正公職選挙法では、数合わせばかりせず、議員数を減らすことも検討した方が良いのではないかと思っている。

 昨日に続けて今日もまた北朝鮮は懲りずに、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17型」の試験発射を平壌国際空港から行ったと報じられた。金正恩総書記が対北朝鮮で連携を強める日米韓をけん制して「敵が引き続き脅威を加えるなら、断固として核には核で、正面対決には正面対決で応える」と強調した。

 金総書記はその場に初めて妻子を付き添わせたというから、どういう気持ちか益々総書記の意図が分からなくなる。

2022年11月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5568.2022年11月18日(金) 税金による半導体新会社設立に疑問符

 一昨日ニュースで半導体開発の新会社が経済産業省のお声がかりで立ち上げられたと聞き、かつて世界でも半導体技術の先頭を走っていた日本の半導体が、近年世界から大分遅れていることを思い起こし、この新会社が期待通り成果を上げられるのか、若干気がかりではあった。新会社はトヨタ、ソニー、NEC、NTT、デンソー、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行など日本の大手IT企業を中心とする8社で構成され、その名も意味不明の「Rapidus(ラピダス)」と称している。経済産業省の後ろ盾もあって設立記念記者会見では威勢だけは良かったようだ。

 しかし、1988年ごろには日本のシェアが世界でも50%もあったものが、その後徐々に下がり出し、2020年には僅かシェア6%にまで地盤沈下している現状から考えると、今改めて官民一体となって新会社を立ち上げテコ入れしたところで、かつての勢いを取り戻せるのか聊か疑問である。

 このニュースを知った時一番気になったのは、政府はすでに昨年度補正予算で日本国内誘致のために、台湾の半導体業界世界一のTSMC社に6千億円を投じたことである。これ自体が異例である。国民が知らない間に巨額の国の資金が民間のIT業界のために使われているのである。そこへ今また政府が新会社に700億円の補助金を出すことを決めたことである。もちろん政府が日本企業の再建のために投資をすることは理解出来ないことはない。

 しかし、昨日財務省が公表した10月分の貿易統計に依ると輸出は20か月連続の増加の9兆15億円(+25.3%)の反面、輸入も21か月連続の増加で11兆1千億円(+53.5%)で、その差額は▲2兆1千億円で15か月連続の大幅な赤字である。現在日本の財政は、高齢化による社会保障費などの増加でお手上げ状態である。このような状況下に国民に直接利をもたらすものではなく、一部の企業だけに限って補助金を供出するのはいかがなものかと思う。加えて、8社の内1社は3億円しか出資せず、他の7社と合わせても投資額は73億円しかならない。新会社が、実際に生産工場を建設するには、今後約5兆円規模の投資が必要とされており、今後も追加で供出が予想されるだろう。

 そもそもこういう闇に隠れた国民の目を反らすような国費の支出は問題ではなかろうか。もうすこし国会などで議論して、遍く国民にその趣旨と経緯を知って貰うべきであると思う。産業を発展させたいとの意図は理解出来るが、その過程と国民軽視に疑問を抱かざるを得ない。国会で論議されることもなく、国民のほとんどが知らずに、財務省と一部の企業のなれ合いでことを運ぶ。奇しくも昨日の朝日社説でも取り上げ、「半導体新会社 国の主導で成算あるか」と問題視している。

 さて、今日も北朝鮮のミサイル発射が大きなニュースになった。今日発射された弾道ミサイル(ICBM)は、何と排他的経済水域(EEZ)内の北海道・渡島大島の西200㎞地点に落下した。偶々岸田首相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席のためタイ・バンコックに滞在中だったが、即座に北朝鮮を非難する声明を発した。北朝鮮は今年に入ってからすでに34回50発以上のミサイルを発射しているが、そこには支援国である中国が北朝鮮に対して何の非難もしないことが北朝鮮をつけ上がらせていることもある。中国も、ロシアも不埒な北朝鮮をバックアップすることばかり考えず、もう少し自らの問題として捉え、行動する良識を持つべきであると考える。

2022年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5567.2022年11月17日(木) コロナ第8波を前に外国人入国は大丈夫か。

 10月に入って水際対策がほぼ撤廃されてから訪日観光客が増え続け、10月の外国人入国数は50万人弱となり、対9月比で15倍以上の伸びとなった。コロナ禍以前の状況から推して円安になった今では、外国人の訪日は益々増え、多くの外貨を落としてくれるだろう。インバウンドは、年々増加して今では貿易収支上も大きな収入となって国家財政に寄与している。実際コロナ以前の2019年には、3,188万人の外国人が日本を訪れていた。政府としても今後の伸びに更に弾みをつけようと考えているようだが、少々したたかなのは、金持ち外国人、つまり富裕層をターゲットとして考えていることだ。その割合は、全体の1%程度と考えられるが、それでも消費額にすれば11.5%にもなるという。そしてこれら富裕層が多いのは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、中国の先進6か国である。世界の大金持ちが今後5年間に1.5倍になると見込み、取らぬ狸の皮算用をしているというから、かつては国から冷遇されていた観光業界も今ではインバウンド・マーケットを主に政府の懐具合に大きく貢献するようになったものである。

 ところが、コロナ禍が収束傾向にあるとの判断で、外国人旅行者入国の制限を緩めた途端に、コロナ新規感染者が再び増え始めた。東京都内ではその数が2日連続で1万人を超え、北海道でも1万人を超え過去最多、長野県も過去最多となった。専門家の間では、第8波に入ったと言える状態にあるという。せっかく戻ってきた外国人旅行者をまた厳しく締め出すような対策も講じなければならないかと思うと切なく残念な気がする。

 さて、今年もお歳暮のシーズンがやってきて、いつもの通り新宿のデパートへ出かけた。かねがね承知していたことであるが、新宿地区の駅周辺を中心にした再開発プロジェクトがスタートしたようだ。新宿駅西口周辺の改築が始まり小田急百貨店本館は閉店となり、建物自体を取り壊し跡地に新たに地上48階、地下5階の超高層ビルを2029年までに建設する計画である。工事が始まったためにJR駅構内も改札口からプラットフォームへのアクセスが分かり難い。元の西口改札口は撤去され東口と西口がつながり、地下道を自由に通れるようになっているが、鉄骨の大きな柱が露出していて、視界がよくない。

 将来的には2046年を目途に東口と西口を結ぶ大規模再開発が行われる。在職中はほとんど新宿をベースに仕事をしていたので、以前の新宿西口開発工事を長年見続けていただけに、今再開発が始まるとは感慨深いものがある。

 ついては新宿からの帰り道、東急渋谷駅で東横線急行に乗ったところ空席がなく、つり革に掴まっていた。疲れた高齢者と見られたのか、目の前のシートに座っていたアジア系の若者が、さっと立って席を譲ってくれた。そのままその席に座り自由が丘駅で降りる直前に英語で、次の駅で降りるので有難うと改めて感謝の気持ちを伝えたところ、感じの良いスマイルで‘You are welcome’と言われ、すっかり温かい気持ちになった。それにしても今日も座席を譲ってくれたのは、外国人である。これまで電車内で座席を譲ってくれたのは、決まって外人と女子小中学生である。日本人の男性と若い女性から席を譲ってもらったことはない。親切のおねだりをするわけではないが、どうして外国人は電車内で高齢者に席を譲ってくれるのに、「おもいやり」のあると言われる日本人にはそれが出来ないのだろうか。

2022年11月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5566.2022年11月16日(水) トランプ氏次期米大統領選立候補を表明

 昨日インドネシアのバリ島で、主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)が開催された。ロシアのプーチン大統領は自身への批判・攻撃が激しいことを予想して代理にラブロフ外相を派遣した。議長国インドネシアのジョコ大統領が開会のスピーチで「戦争を終わらせなければならない。世界を分断すべきでない。もうひとつの冷戦に向かわせてはいけない」と戦争回避について述べたが、これはロシアのウクライナ侵攻を深く追い詰めはしないもののやんわりと非難したものであり、中立の立場を貫いてきた国々からも戦争終結を求める声が相次いで出された。

 しかし、ロシアのラブロフ外相は戦争停止の交渉を拒否するウクライナ側に責任があると、ロシアの責任を回避するような発言をする有様である。例年なら会議の最後に出席者全員が揃って壇上で記念撮影するところだが、今年はそれすらしなかった。救いどころは、前日14日にはバイデン氏と習近平総書記による米中首脳会談が初めて行われたのをはじめ、各国首脳による個別会談が開かれ、お互いの主張を述べ合ったことである。昨晩開かれた晩餐会にはアメリカのバイデン大統領が欠席した。どうもギクシャクしたような雰囲気があるようだ。

 明けて今日は、突然ポーランド東部のプシェヴォドヴォにロシア製ミサイルが着弾し、2人が死亡した。そのことを各首脳が話し合ったが、どうやらウクライナがロシアのミサイルを標的に地対空ミサイルを発射したものがポーランドに墜落したらしい。G20 会合は「大半のメンバーがウクライナ戦争を強く非難し、甚大な人的苦痛をもたらし、世界経済の既存の脆弱性を増幅していると強調し、情勢・制裁について異論や異なる評価があった」との首脳宣言を採択して閉会となった。

 ついては、バイデン大統領がアメリカを離れている今日、かねがね噂されていたトランプ前大統領が、2024年の大統領選へ出馬することを表明した。「アメリカを再び偉大で輝かしい国にするために大統領選挙への立候補を表明する」と異例の出馬宣言をした。出馬表明は選挙の前年に行われるのが通例である。それを敢えてこの時期を選んだというのは、それなりの計算というか下心があったからである。最大の理由は、連邦議会襲撃事件や機密文書持ちだし事件などを巡り、トランプ氏自身が訴追される可能性があることであり、もうひとつの理由は、先日行われた中間選挙直前のメディアによる予想が、かなり共和党に有利な風が吹いていたことから、積極的に支持候補者を売り込み彼らの当選によって選挙地盤を固めておこうとの思惑があったからである。この思惑は、中間選挙で共和党圧勝の予想が外れたことにより狂ってしまったが、それでも当初の計画通り出馬を公表するに至った。

 残念ながらトランプ氏の思惑通りには、支持した候補者が当選しなかったことによりトランプ氏への支持が弱くなり、あまつさえ共和党の次期大統領候補には、他にフロリダ州デサンティス知事や、ペンス前副大統領らが浮かび上がっている。

 それにしてもトランプ氏が性懲りもなく次期選挙に打って出ようとしているのは、アメリカに再び栄光をというより、虚栄心と自己満足のためであるとしか思えない。バイデン大統領は、これまでトランプ氏を公然とは批判しなかったが、よほど腹に据えかねたのか、「金持ちのために経済を不正に操った」、「大恐慌以来の水準に雇用を悪化させた」、「医療保険制度を攻撃した」とトランプ氏の大統領在任中の政策を批判した。トランプ氏は選挙で負ければ不正があったと騒ぎ立て、卑しくも連邦議会堂へ暴力的になだれ込むなんてとても常識人のやるべきことではない。残念ながらアメリカ大統領選への投票権はないが、もし仮に投票権があったとしても、とてもトランプ氏へ一票を投じる気にはなれない。

2022年11月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com