5595.2022年12月15日(木) インドネシアのイスラム的法律改正

 インドネシアと言えば、経済的にはまだ発展途上国と見られているイスラム教徒の多いイスラム国である。1万7千余の島々から成り、人口も2億7千万人を抱える世界でも中国、インド、アメリカに次いで4番目に多い。戒律の厳しいイスラム教の国であるだけに、普通の市民生活でも日没までいかなる食物も口に入れない厳しい戒律に慣れないと日中は随分戸惑う。普通ではアルコールも飲めない。アラブのイスラム教国ほど女性用スカーフ・ヒジャブについて厳しくはないようだが、インドネシアの女性は、見知らぬ男性には素肌を見せないとされている。

 初めてこの国を訪れたのは、1967年の元旦で、以後4回ほど訪れている。最初は背後から強盗に襲われて戸惑ったようなこともあったが、インドネシアという国を知って慣れるに従い親しみを覚えた。特に意外だと思うことは、戦時中旧日本軍が侵略してインドネシアを支配していたにも拘わらず、国民の間に親日感情が強いことである。日本軍が駐留していた地域では、普通なら反日感情が特に強いと思われがちだが、そうではなくむしろ親日的であることである。駐留していた日本の兵隊さんが戦時中から現地の人たちに厳しい態度ではなく、隣組感覚で接していたからだろうと想像している。私自身初めてジャカルタを訪れた時にボゴールとの中間地点で、現地の警察署長さん家族と集落の人たちに歓迎され、インドネシア民謡の♪ブンガワンソロ♪や、スカルノ元大統領の十八番である♪愛国の花♪をはじめ、いくつもの軍歌を一緒になって歌ったことがある。もう半世紀以上も昔のことになるが、今でも懐かしく思い出す。

 ついては、このインドネシアで今月6日に刑法改正案が可決された。正副大統領や国家機関への侮辱を禁止する規定などが盛り込まれ、後段の話も含めて民主化や信教・言論の自由を後退させ、差別を助長させると早くも国内外で指摘されている。ところが、この改正案には他に大きな目的があった。何と結婚していないカップルの性交渉の禁止である。婚外の性交渉は「犯罪」と決められたのである。婚前の同棲や性交渉も禁止され、不倫なんてとても許されない。ただ、今の世の中では、男女間の交渉はかなり自由で開けっぴろげになっているので、欧米や日本などでも今どきの男女にはこの法律はとても理解を得られないだろう。その刑法改正の目的は、政治家が自分たちの思い通りに国政を運営すべく国民を抑圧して、イスラム教の教義を巧みに利用しただけではないかと思える。この法律改正によりしわ寄せは、外国人にも及ぶ。外国人がインドネシア人女性と交渉を持ったら、その外国人も罰せられるそうだから、ホテル業界などでは早くも頭を痛めているようだ。LGBTなど性的少数者などへの差別も当然厳しくなるだろう。

 イスラム教の教えは理解出来るにしても、また風紀上の取り締まりに効果的であるにせよ、あまりにも今の自由と民主化から踏み外れたやり方ではないかと、私にはインドネシアは好きな国であるだけに、ちょっとがっかりである。

2022年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5594.2022年12月14日(水) お粗末な自民党防衛費支出議論と寂しい友人の死

 最近政府、及び自民党内で行われている話し合いが、意図と順序、話し合いの過程、社会通念の点でお話にならない。第1に防衛費増額について政府が独断で一方的に決めたことである。この点については野党もほとんど追及していない。そもそも防衛費が増える根拠は、自衛隊の拡充であり、防衛設備の拡大、充実である。それが故に先制攻撃につながりかねない敵基地攻撃の能力などを謳い出し、日米協力を都合よく解釈しアメリカから兵器を購入するという寸法である。日本国憲法に基づき国会で議論の末決めた専守防衛などはどこかへ忘れ去ってしまったようである。5年間に43兆円もの防衛予算を決めたようだが、まだ国会で承認をされたわけではない。防衛費増額に対する一連の動きに対して、共産党をはじめ野党の反対の声があまり聞かれないのが不満である。

 第2に、そのための財源の問題として岸田首相は安易に増税はしないと言いながら、自民党税制調査会が防衛費増額分については2027年度まで段階的に1兆円を増税する方向で検討している。その結果税調は防衛費の増額に伴う財源に、法人税、所得税、たばこ税の増税分を充てるとの結論を出した。所得税には、「復興特別所得税」の転用を考えているようだが、東日本大震災の復興資金を防衛費に転用しようというのだから、何を考えているのか非常識も甚だしい。震災被災者にどう説明するのだろうか。その話題が出た時に一部自民党員の間から反発が出ていたし、秋葉復興相から疑問を呈されている。呆れかえるばかりである。本意を理解せず、よく根回しもせずに簡単に決めてしまうから、自民党内で岸田首相の拙速な手法に益々不満と反発が強まっている。このままだと一段落したところで政争になりかねない。大体政治家のやることなんて「その場しのぎ」や、「のど元過ぎれば熱さを忘れる」類の感覚とパフォーマンスばかりである。

 さて、今日高校時代の友人から同じクラスのKくんが亡くなったと連絡があった。先日やはりクラスメートのひとりが亡くなったと奥様から知らされたばかりである。Kくんは大手化学会社の駐在員として長くブラジルに勤務していたことがある。その彼が7年ほど前に偶々ブラジルへ旅行すると知り、カイロで知り合って以来半世紀近くに亘って交流し、我が家にも来たことのあるブラジル人の友人と最近連絡が途絶えたことが気がかりだったので、無理をお願いしてブラジル人の友人の消息を確認して欲しいと頼み、ブラジル人宅を訪ねてもらったことがある。その結果体調が優れなかったことが分かり、間もなくそのブラジル人の友人は亡くなった。その経緯を拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の1章に取り上げたこともある。Kくんは割合近くに住んでおりお互いに第2の人生を迎えてから急速に親しくなったが、父親は、古代ギリシャ文学の権威である元東大教授で、小田実の恩師でもあった。つい最近もコロナが収束したらまたクラス会で会おうと語り合ったばかりだった。またひとり親しかった同級生が逝ってしまった。残念であり寂しい。心よりご冥福をお祈りしたい。

2022年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5593.2022年12月13日(火) 頻尿かな? 自らの健康管理について

 健康について、尾籠な話で恐縮であるが、トイレ利用回数を主に話をしてみよう。年齢を重ねるに従いトイレへ行く回数が増えるそうだが、私自身もそう実感している。いわゆる頻尿である。日中に限らず夜間就寝中にも尿意を催し、嫌々ながら起きて用を足しに行く。日中外出した際に、3時間は大丈夫だが、これが2時間ほどになれば、映画やショーも観られなくなる。実は、若いころは夜間の睡眠は早く途中で目を覚ますことはほとんどなかった。海外へ出かけても夜間に、また航空機内でも眠れないことはなかった。だが、加齢とともに夜中にトイレへ行くことが多くなった。昨朝偶々テレビで尿意について取り上げていたが、それによると夜間の2回はまだましのようだが、3回以上になると頻尿ということになるようだ。そして死亡率も高まると言っていた。私はこのところ夜間にトイレのために起きるのは大体2回で、時折3回になることもある。頻尿派の入り口にいるわけだ。それが不思議なことに、この3日間夜間に排尿したのは1回きりである。まだ、3日間なので頻尿派から遠くなったわけではないが、良い傾向だと思っている。1回の排尿なら安眠出来ていると言えると思うので、今日以降も1回の排尿で済ませられるよう願っている。

 頻尿になるのは、①水分(特にアルコール類)の摂り過ぎ、②塩分の摂り過ぎ、そして③運動不足が大きいという。もちろん体質的に泌尿器に原因があるが、毎年行う人間ドックの受診では、腫瘍マーカーとしてPSA数値がやや高く、その直後に泌尿器科医師の診断を受け一応セーフとなっている。上記3つの要因の内、アルコールは今ではほとんど飲んでいないし、塩分も糖尿病検査で引っかかった時に、医師から塩分を控えるように言われ、注意するようにした結果、糖尿病もほぼ症状は以前に戻った。そして運動不足については毎日自宅近くをウォーキングして1日5千歩を最低目標に歩いている。取り敢えず、現時点では頻尿の一歩手前ではあるが、まだ未踏の域にいると信じている。現在夜ベッドで横になれば割合早くスヤスヤと眠りに入ることが出来るし、朝7時の目覚ましで起こされるまでコンスタントに7時間は熟睡しているので、比較的健康体だと思っている。

 かかりつけの医師にいつも診ていただく都度、毎日の血圧、脈拍、体重、体温を一覧表にしてお見せしてアドバイスをいただいている。そして、1年に1度慶応病院予防医学センターで人間ドック検査を受け、健康管理についてご指導いただいている。幸い近くに国立東京医療センターがあるので、かかりつけの医院で医療装置が備わっていない場合はここでお世話になっており、現在も変形性関節症の後遺症のために膠原病内科で、また9月に右目の白内障手術をしてもらった事後の検査のために定期的に通って、健康管理の点では精一杯時間を注ぎ込み気を遣っている。これからも自分自身の健康については、自分で管理し、異常があれば早めに医師に相談してその処方を仰ぎ、末永く健康体でいられるよう努めるつもりである。

2022年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5592.2022年12月12日(月) 使い難いカードと年賀状に感じたこと

 去る3日に「不便で使い難いキャッシュ・カード」なるブログを書いた。現在使用している2つのキャッシュ・カードの内ひとつが有効期限内であるにも関わらず、使用出来なかったのである。しかも昨年も使用出来ず、その直後カードを再発行してもらったが、それがまたもや機能不全で少々おかしいのではないかとカード会社へ抗議した。他にも問題があったが、最大の問題は有効期限内であるにも拘わらず、肝心のカードが使用出来なかったことである。今日カード会社より最終的な解決方法について連絡があった。残念ながら利用者としては到底納得出来るものではない。だが、カードを誤魔化したり、悪用する悪質な業者などが多いことから、それぞれのカード会社ではその防止対策に頭を痛めているようだ。そこで当該のカード会社の申し出とは、原則としてすべてのカードにセキュリティをかけ、直前にカード会社に電話をしてセキュリティを解くことによって使用可能とするということだった。いくらまでかは知らないが、金額が少額の場合はセキュリティをセットしないという。従って毎年カードで支払えなかった幾分高額の人間ドックの受診料については、電話番号も教えてもらったので、その前日にカード会社に電話をしてセキュリティを外してもらうことにした。カードがこれほど厄介で使い物にならないとは思いも寄らないことだった。

 すっきり解決したとはとても言えないが、現状ではカード会社の言う通りにするより方法がないので、面倒ではあるが、カード会社の指示に従うことにした。

 さて、昨日から恒例の年賀状のあて名書きを始めた。年々差し出す年賀状の枚数も減っている。数年前まではプライベートな年賀状だけでも約500枚を書いていたが、今年は400枚にも達しないのではないかと思っている。偶々今朝の「羽鳥モーニングショー」で年賀状を取り上げていたが、実際年賀状の発行枚数は大分減っているようで、日本郵政の発行数が20年前に比べて6割も落ちているそうだから、全体的に年賀状が少なくなったのも宣なるかなである。ある会社の如きは、社員にメールで年賀状を送るようアドバイスしたそうだが、ちょっと理解に苦しむ。

 私は昨年創立150周年を迎えた千葉市立幕張小学校の卒業生であるが、恩師は年賀状の意味と書き方を小学生にも丁寧に教えてくれた。特に版画が効果的であるとして版画の彫り方を彫刻刀を使いながら丁寧に教えてくれた。爾来毎年版画で年賀状を作成し、恩師からも版画の年賀状をいただいていた。その交流は恩師が亡くなるまで続いた。恩師が教えてくれた、相手を思いやりながら万年筆であて名書きをするものだとの教えも、現在のように枚数が増えてもしっかり守っている。とても宛名を印刷して送るなんて考えもつかないことである。

 このデジタル化の時代に効率性ばかり優先して、若い現代人は年賀状を書く意義を理解していないようだから、気持ちの籠らない年賀状を送るようになったのではないか。最近の様子では、高齢になると書くことが億劫なせいもあり年賀状を辞退したいとの連絡をしばしばいただくが、ある程度止むをえまい。ところが、こちらが送っても相手からは送ってこずに無視されるようなケースも多くなった。なぜ一言ぐらい年賀状の交換を止めるとの断りの連絡がないのかと相手の無神経に呆れている。年齢を重ねるに従い、普段あまり会う機会がなくなったというケースが多いと思うが、それだからこそせめて年賀状にその思いを込めて近況を伝える努力をすることは、人間社会で和やかに生きていくうえに大切なことであると思う。

 今年は不幸があったとの連絡をすでに23通もいただいた。そういう方には、弔意を示しつつ、ご遺族のお気持ちを受け止めるようにしている。自分なりにまだ書ける内は、年賀状という古くからの良きしきたりをいつまでも守り書き続けていきたいと考えている。

2022年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5591.2022年12月11日(日) 不審だらけの臨時国会閉会

 昨日臨時国会は69日間の会期を終え閉会となった。昨日参議院本会議で旧統一教会に関する被害者救済新法が可決、成立した。安倍元首相銃撃事件を発端に、旧統一教会に対する不透明な組織、並びに政界と旧統一教会との密着ぶりがおぼろげながら公の前に表出され、問題点の解明と被害者に対する救済措置を検討してきた。問題の旧統一教会と最も強く密着していた安倍元首相が亡くなったことにより、自民党と旧統一教会との後ろめたい関係は闇に包まれたままになってしまった。しかし、銃殺された元首相に同情、遠慮した自民党と当局の追求が弱かったことは否めない。今なお日本の信者から集められた多額の資金及び献金は、韓鶴子理事長の韓国の統一教会本部へ次々と送金される一方である。結局昨日の国会では可決した法案は、日本の被害者である献金者や、信者二世が養子に出され個人の主権を奪われた点について少しでも支援しようという法律であり、とても完全なものとは言えない。取り敢えず信者二世にも理解はされたようだが、なお追及を緩めないで欲しいというのが強い要望である。

 政府は、子育て支援策として出産育児一時金を来年度から現在の42万円を50万円に増額することを決定した。他には、すでに話題になった防衛費の増額を決めた。今朝のテレビでも議論されていたが、最大の問題は財源である。国民に増税を課すのかどうかどうもすっきりしない。向こう5年間に43兆円の防衛予算を組むことを首相は公表しているが、論客の寺島実郎氏は防衛予算の外に駐留アメリカ軍の経費のうち約6割を日本政府が負担していると述べた。これまでもこの事実は闇に伏されていたが、実際の金額はどれほどになるのか、分からない。しかし、これも公に公表すべきである。或いは、駐留米軍費用を含めた全防衛予算は実質的には、一般会計予算の対GNP比2%ではなく、3%に達する可能性もある。

 臨時国会で懸案の法案を可決して、取り敢えず岸田首相はホッとしているだろうが、短期間に3人の閣僚が辞任したり、防衛予算の決め方について自民党内にやや反発もあり、取り急ぎ安全地帯へ逃げ込んだとの印象が拭えない。朝日朝刊が指摘しているように、(旧統一教会にからむ)新法の成立によって世論の批判をかわす狙いが透けて見えた。会期を延長せず閉会することを最優先に、小出しで野党に譲歩し、必要最小限の審議時間と野党が賛成し得る内容に留めた。

 さて、サッカーWC準々決勝は昨晩残り2試合が行われ、アルゼンチンとモロッコが勝ち上がり、ベスト4はアルゼンチン、クロアチア、フランス、モロッコに決まった。モロッコのようなアフリカ勢がベスト4に残ったのは初めてである。それにしても、昨日のアルゼンチン対オランダ戦では、両軍選手に対して計15枚もイエローカードが出されたというから如何に荒れた試合だったか見当がつく。乱闘寸前の場面も大分あったようだが、場外からもあまりにも多くのイエローカードが出したレフェリーに対して疑問と不信の声が出て、レフェリーにこそレッドカードを提示すべきだとの声が聞かれたという。準決勝は更に熱っぽくなることだろう。

2022年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5590.2022年12月10日(土) 新聞社の試練の経営と責任

 今朝の朝日新聞の最終頁にファッション・ブランドのルイ・ヴィトンの広告が全面を占めていた。いつもならテレビ欄が掲載されている頁であり、これでは見たいと思う番組をすぐ探せない。先日も同じようなことがあったが、かつてはこのページは、月曜日朝刊が休刊となる日曜朝刊を除いてほぼ絶対的にテレビ欄が占めていた。どうして読者にとって不親切で不便な編集を始めたのだろうと疑問に思っていたところ、偶々友人から電話で最近朝日が購読者離れで苦境に陥っていると教えてくれた。かつて、学生時代に新聞記者を目指すことを考えたこともあっただけに、新聞社の経営がやや気がかりである。

 新聞発行数の減少は朝日新聞だけの問題ではなく、全出版業界を含めて文字離れの傾向が如実に現れた結果のようだ。因みに一般紙の購読総数は、過去20年間に61%にまで落ちている。新聞の総発行部数は1997年の5,377万部を頂点に以後下がり続け、昨年はその数が3,303万部にまで減少した。中でも政治や大手企業の経営手法に辛口の報道をする朝日、東京新聞などに対して、企業はスポンサーとなることを避けるようになった。例えばルイ・ヴィトンのような外国企業の場合は、日本企業の経営事情にはお構いなく、日本の大手企業が広告掲載から手を引いたこの機会に、強引に指値で効果的な最終頁1面を希望の価格で買い取ったのではないかと思う。こうなると新聞社の経営にも響いてくる。発行部数が約4割も減少し、広告掲出も減ることになると経営的にも大分厳しい。こんな時、誘惑に駆られてつい新聞紙上に筆を曲げることがないか心配である。下手をすると論調が曲げられ、読者にあらぬ誤解を与えかねない報道をしないとも限らない。

 「選択」10月号に依ると、今年に入ってから日本経済経新聞社内で若手や中堅記者の大量退職が止まらないという。昨年の退職者が53人だったが、今年はそれを上回るペースで退職者が出ているようだ。彼らは、経営とは関係のない金融、証券部門に属する専門記者であり、社内的な特殊事情があるようなので記事への圧力云々はないそうだが、朝日以外の新聞社でも会社の外から圧力や影響を受けて、真実の記事を曲げることのないことを願うばかりである。いずれにせよ今や新聞業界には厳しい風が吹いている。ジャーナリストの使命感を失わず、同時に新聞社は経営者が自分たちの責任を理解、納得したうえで、しっかりと経営の在り方を考え、健全なメディア経営にまい進して欲しいものである。

 さて、サッカーWCも昨晩から準々決勝が始まり、日本がPK戦の末敗れたクロアチアが世界1位の優勝候補筆頭のブラジルをPK戦で破った。過去21回のWCの内5回も優勝を飾ったブラジルが敗れるという番狂わせに前大会準優勝だったクロアチア国内は熱狂的である。そのクロアチアに惜しくもPK戦で敗れた日本代表チームは昨日帰国して、首相官邸に岸田首相を表敬訪問して、首相から労をねぎらわれ、健闘を称えられた。

 優勝候補筆頭のブラジルが敗れたことで、今後の優勝争いが分からなくなってきた。まだ、当分WCの熱気は続くことだろう。

2022年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5589.2022年12月9日(金) 杜撰な防衛予算の決め方と実施計画

 岸田政権が来年度以降の防衛費予算に大幅な増額を決めた。財務省としては元々その財源に頭を痛めていたところへ、一気に5年間で43兆円の巨額の防衛歳出である。とてもその財源を生み出す余裕なぞない。岸田首相は、当初表向きは国民に税負担を負わせる気はないと話していたが、本当に約束は守れるのか、またそれでは財源不足を何によって賄おうと考えているのか。

 そもそも今話題に挙がっている防衛予算の計画と実施については、最初からなすべきことを行わず、またなすべき順序が逆ではないかと思う。巨額の防衛予算については、まず国民に分かり易く説明する機会を設けるべきである。その上で賛否両論があるはずであり、双方の意見を正面から戦わせ、双方が納得した時点で、次にそれに対する予算措置を講ずるべきである。ところが、今回の防衛費43兆円捻出については、「予算先にありき」で国民への納得出来る説明はなく、国会での論戦も行われない。国庫の金を政治家たちが勝手に理屈をつけて使おうとしているのだ。しかも足りない分は、腹の内では国民に税負担を負わせようと、この物価高のご時世にとんでもない身勝手なことを考えている。

 例えば、この防衛予算43兆円は、各年度8兆円強を支出して来年度以降2027年度まで実施される。問題は、その後である。防衛力の中身については、今後政府・与党で協議するというが、計画も決まっていないのに、費用だけは先に決めようという魂胆である。項目別に何に資金を投じるかが決められていないのに、前以て資金だけは極力多めに確保しておこうという寸法である。こんな安直な考えで財政政策を行うようでは、利益を負う民間企業ではたちまちのうちに倒産である。その倒産会社社長が、岸田首相ということになる。防衛予算が国家予算の対GDP比2%に届くためには2027年度以降も毎年4兆円の追加財源が必要だと考えているようだ。岸田首相は、個人の所得税が増えるような措置は取らないと言っているが、財源不足を承知のはずである。各歳出の削減を行ったうえで、不足分1兆円程度について所得税以外で穴埋めするといい、財界からは法人税の引き上げについて早くも警戒の声が出ている中で、そんなことが出来るのだろうか。とにかく岸田政権は、取らぬ狸の皮算用が多すぎる。

 岸田政権は、日本国内の事情で税制を運営するのではなく、外からの圧力に屈して日本国民にしわ寄せしているのである。しかも武力を放棄という日本憲法違反を犯しながら、日本の防衛予算を増やして外国の要望に応えている。今年5月に首相がバイデン米大統領と会談した際、防衛力の抜本的強化について防衛費の相当な増額を確保すると約束してしまった。もちろん日本国民には内緒で早まった判断をした。こうしてアメリカの意のままに動かされているのが、同盟国日本の現状である。他人の意見を良く聞くと自画自賛していた首相は、強いものに巻かれているだけではないか。そろそろメッキが剥げてきたようだ。

2022年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5588.2022年12月8日(木) 開戦記念日に厭戦、反戦の声は僅か

 今日12月8日は、あの忌まわしい太平洋戦争が始まった日であり、日本人としては決して忘れてはならない1日である。その割には、今日テレビではほとんどその報道がない。私の知る限りでは、やっと夜9時になってNHKがニュース番組「ナイトウォッチャー9」で伝えた程度である。語呂合わせで、11月22日を「いい夫婦の日」などと騒いでいるが、12月8日が開戦記念日であることはもう忘れてしまったのだろうか。敗戦直後には日本国民が誓って戦争はもうしないと約束したことまですっかり忘れたかのようである。遺族や戦友会の人たちの数も毎年減り続け、赤裸々に戦争現場を知り、戦争の怖さを知っている人たちが少なくなった。戦争につながることを避ける行動を取りながら、密かに敵基地先制攻撃のような戦争に直結する国家予算の獲得に策略を巡らしている有様である。流石に反戦派の朝日夕刊には、第1面をほぼ全面に亘って真珠湾攻撃に参加して帰還した海軍大尉の写真やメモと、ハワイの追悼式典と合わせた記事で埋め尽くしている。

 ハワイでは今日真珠湾攻撃の日として、撃沈された戦艦アリゾナを望むマウイ島の「アリゾナ記念館」広場で追悼式典が行われた。この日日本海軍機の襲来で約2,400人が亡くなったという。ハワイで戦闘から生き残った人の数も年々減っている。この日から81年が経ち実戦を体験したり、戦争を知る人がアメリカでも少なくなっている。日本でも広島、長崎の爆心地では2度と悲劇を繰り返さないと誓って毎年慰霊祭が行われている。だが、その都度戦争は絶対避けなければいけないと口では言うが、実際はどんどん戦争が忘れられ、その一方でじわじわと実戦能力に磨きをかけ、国防予算を増やして敵地と睨んだターゲットへの先制攻撃まで備えようとしている。この仕掛けはすべて戦争を知らない愚かな政治家どもによって行われている。

 残念ながらこういう戦争知らずの戦争大好き政治家たちが国会で権力を握っている以上、いずれ遠からず日本が戦争に巻き込まれる悲劇に追い込まれることであろう。それはせめて我々多少なりとも戦争を知る世代が、この世を去ってからにして欲しいものである。

 さて、去る3日本ブログにキャッシュレス・カードが機能不全で役立たずであるとしてカード会社社長へ直接手紙を送ったところ、昨日カード会社から電話で連絡があった。それは2つの事案について抗議したものだ。ひとつはカードの支払いが出来なかったことであり、しかも再発行されたカードがまた使用出来なかったというダブル不都合と、2つ目は交通機関で使用するPASMOが駅で使えなかった例について解決を依頼した。後者については、私の勘違いで別のカード会社のカードの案件だった。今はカード自体が使用出来ない最も肝心なトラブル解決手段をカード会社から連絡してくれるのを待っている。それにしてもカードが使えないことは不便だし、そんな初歩的なトラブルがなぜ起こるのか、大手カード会社に反省を求めたい。

2022年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5587.2022年12月7日(水) 11月分ブログのアクセス数による評価

 Googleが毎月ブログへのアクセス数を通知してくれる、恒例のGoogle Search Console レポート11月分を送ってくれた。1か月間にアクセス数が伸びたブログを3つ挙げてくれた。1位は11月21日のブログに書いた「『週刊新潮』が悠仁さまの成績を赤点報告」、2位は8月16日の「つまらない新聞連載小説」、3位が11月7日の「天才ピアニスト・ブーニンを通してロシアを見る」だった。それぞれ私なりに思うところを自由に書いたものだが、書いていて特に気になったのは、1位の悠仁さまの学業に関する成績を「週刊新潮」誌が憶測であろうが、暴露したことである。いずれ天皇を継がれるご身分の宮様の個人的な学業成績を、成績の良し悪しに関わらず国民に公開しても良いものだろうか。況してやあまり誇れる成績ではないとしたら少々疑問に思った。何年後かに、天皇に即位された折に、この週刊誌記事を覚えている人はかなり多いだろう。悠仁さまが姿を現すたびにあらぬ憶測で、言動、人格までを判断されかねないことを懸念している。悠仁さまも有名験高校なぞに入学せずに、小学校から通いなれた学習院に通っておられれば、学習院なら皇族方の対応や扱い方が分かっているだろうから、このようなプライバシーを晒すこともなかったと思う。いずれ天皇となって海外へ行かれた時、海外のメディアから日本の天皇は学校の成績は優れなかったとオチがついて報道されかねない。その意味では日本国民としても恥ずかしく思う。「週刊新潮」以外にも過敏な報道をやった週刊誌があるようでもあり、週刊誌の「ただ売れれば良い」との姿勢を疑問に思っている。それにしても宮内庁のガードも甘いものだ。

 アクセス2位の新聞連載小説についても、アクセス数が多かったことは私なりに納得出来る。朝日新聞に8月まで連載されていた多和田葉子の「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」が何を読者に訴えようとしているのかまるで分からず、ストーリーに全く興味が湧かず面白くないと批判的に書いたが、その後現在連載中の今村翔吾の「人よ、花よ、」が結構面白い。今NHK大河ドラマの「鎌倉殿の13人」と時代的に同じころであり、タイトルを見ただけでは、2つとも見当がつかないが、今村作品はよほどストーリーが分かり易く面白い。

 3位のブーニンに関するブログは、旧ソ連でKGBから終始監視され、個人としての活動が思うように出来ず、母親とともにピアニストが西ドイツへ亡命した経緯から、現在のロシアのパフォーマンスが推察出来ると取り上げたものである。

 いずれにせよ多くの方々に拙いブログを読んでいただき、有難く思っている。書き始めてからもう16年目に入っており、今日で連続5587回目を書いたことになる。気ままに書いているので、失礼な表現や、時には実名を挙げた人には迷惑だと思われることもあるかと思っているが、私としては嫌がらせのような気持ちは全くない。感じたことを自由率直に書いているに過ぎない。この先いつまで書き続けられるか分からないが、気力のあるうちは書いていきたいと思っている。ただ、整形外科医からあまりパソコンをやりすぎると手指に支障が表れると言われている。今変形性関節症で両手指先が硬直化しているのも、パソコンを使い過ぎたせいとも言われている。さりとてPCを止めたら、文章が思うように書けなくなり、高齢者としての大きな生きがいを失うことになる。難しいところである。

2022年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5586.2022年12月6日(火) 熱狂的なサッカー熱の陰で、防衛費予算過大に

 昨夜行われたサッカーWC決勝トーナメント1回戦で日本は、前回準優勝の強敵クロアチアと対戦して先取点を得たが、惜しくも1―1で引き分けとなりPK戦の末敗れた。テレビ視聴率は、深夜にもかかわらず34.6%だったというから、サッカー人気には驚いている。残念ながら念願のベスト8進出はならなかったが、過去のWCに比べてもその盛り上がりは、サッカー・ファンのみならず日本中を巻き込んだと思う。前大会に続き、ベスト16へ4度目の進出であり、優勝候補だったドイツとスペインにも勝った。メディアの取り上げ方も異常なくらいで、勝った日のテレビ各社は朝から晩まで日本のゴール場面を繰り返し放映していた。

 もともとサッカーは今や世界で最も大衆的で人気のあるスポーツであるが、4年に1度開催されるWCに世界中がこれほど興奮し、盛り上がるとはその人気の原因は何だろうかと改めて考えている。他の野球、バスケット、ラグビー、アメフト、ゴルフなどのスポーツは、そのプレイ側の人間と参加しない一般庶民がともに一緒に夢中になる度合いは、とても及びもつかない。しばらく興奮の余韻は収まらないと思うが、今回の日本代表チームは実によく戦ったと思う。森保監督の適切な采配なども素晴らしかったと思う。次回への期待も益々高まることと思うが、間違いなく実力を付けた日本チームの今後の活躍が楽しみである。

 さて、そのサッカーの興奮の陰で、昨日岸田首相は、防衛力の抜本強化と言いながら、2023~27年度5年間の防衛費を総額約43兆円という馬鹿げたほどの巨額の支出を鈴木財務相と浜田防衛相に指示したという。従来の予算に比べて毎年1.5倍以上の増額である。どうも自民、公明両党が反撃能力のある長距離ミサイルの開発計画が盛り込まれていることに納得し大幅増額となったようだ。しかし、その前に首相をはじめ、政府は基本的にやるべきことがある。これはまだ計画であり、今後国会で議論すべき課題であり、国民にも納得のいくよう説明する責任と義務がある。防衛費は自衛隊にかかる費用であり、現在自衛隊の存在が憲法に抵触している点が問題として残っている。にも拘わらず、出費ばかりを急いでいる。しかも苦しい国家財政の中から増額する費用を捻出するのは、極めて厳しい。岸田首相は財源については具体的に述べていない。国家財政は国債発行額が年々増額するために国の借金で賄っているわけだ。歳出改革、剰余金や税外収入の活用、税制措置などと可能性のある財源には首相は触れていない。子ども手当が約束通りに実施されていないし、高齢者への支援も捗々しくない。国民への増税は避けられないだろう。そんな中で政府が一方的に防衛費だけに突出する法外な出資をするのは、国政を預かる立場から、あまりにも国民を軽視し、舐めているのではないか。

 苦しい財政下においてこれだけ巨額の無駄遣いに対して、大きな反対の声が上がってこないのが不思議であるし、こんなことで日本の将来は果たして大丈夫だろうかと心配である。若い人たちが立ち上がり、学生団体、労働者団体を中心に反対の狼煙を上げるようでなければ、いずれ日本は軍事大国になるだろう。

2022年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com