6382.2024年11月2日(土) 北朝鮮兵ウクライナ戦線へ派遣、何のため?

 先日来世界の注目を浴びている愚行がある。北朝鮮兵のロシアへの派遣である。韓国情報機関・国家情報院は先月18日、北朝鮮が特殊部隊約1万2千人の派遣を決めたとの情報を入手した。そして30日ゼレンスキー・ウクライナ大統領がそれを裏付けるように北朝鮮兵約1万2千人が派遣され、ロシアで訓練を受けていることに危機感を表明した。そしてアメリカ政府も約8千人の北朝鮮兵がウクライナに隣接するロシア・クルスク州に到着し、ロシア軍から訓練を受けていると発表した。そもそもこの自国兵士を他国間の戦争の渦中へ送り込む自殺作戦は、金正恩・総書記の考えであり侵攻開始当初から「ロシア軍を強力に支援するよう指示した」と北朝鮮外相が明かした。

 金正恩の行うことは、とても常人の行為とは信じられない。派遣された兵士たちの内、何人かが亡くなるとすればその償いはどう行うのだろうか。終生遺族から恨み骨髄の怒りを買うだろう。これ以外に国際法により禁じられている核開発に注力し、ミサイルを他国の迷惑なぞお構いなしに発射して国内外へ甚大な迷惑をかけている。不幸にして北朝鮮はこのような苦労知らずの暴君をトップにいただいた無法国家に転落してしまった。常軌を逸しているとしか思えない。一方で、このように北朝鮮のような貧しい国家を当てにして利用しようとするロシアのずる賢いやり方も糾弾すべきである。

 他に世界の人びとの人心を寒からしめているのが、中東レバノンに居住する難民である。これもイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への空爆が拡大して今では難民へ降りかかっている。レバノン南部に拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラに対するイスラエル軍による激しい軍事作戦により、シリア内戦を逃れた難民らが苦境に陥っている。レバノンの全人口530万人の内その2割強の120万人がシリア難民と言われている。その難民たちにとって身に危険が迫って来たことにより、またシリアへ戻る人が出て来た。無事に母国シリアへ戻っても元の自宅は激しい攻撃を受けて平穏に暮らせる空気ではない。

 元々ハマスの襲撃から始まった戦争ではあるが、今ではイスラエルの戦闘的な行動が事態を一層過激にしている。イスラエルとガザ地区、或いはハマスとの対立が解消しない限りイスラエル軍による攻撃は止むことはない。そして、それが多くの難民を悲惨な状態に追いやっているのである。イスラエルの攻撃的な姿勢はイランに対しても向けられている。両国の間で戦争の火ぶたが切られないことを願うばかりである。

 それらの残酷、かつ理不尽な状況に比べれば、先進国内には表面的にはこれほど悲惨な事件はあまりない。だが、怖いのはその陰に「大虐殺行為」の可能性が予想されることである。道を間違えれば、大惨事に発展することが懸念される。

 それは、3日後のアメリカ大統領選の結果、トランプ前大統領が復活当選した場合である。見境のないトランプ氏の行動により、一層イスラエルへの支援が増大し、イスラエルは増長し、周辺のアラブ諸国への攻撃の手を伸ばすのではないだろうか。更にひとつ間違えて、ロシアのプーチン大統領と対立するようにでもなれば、核戦争へ発展する恐れがあることである。人間というのは、昔も今も愚かさにおいては変わりない。

2024年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6381.2024年11月1日(金) 日本野球機構、メジャー人気にやっかみ

 冒頭から尾籠な話で恐縮である。一昨日の本ブログにも記述したことであるが、相変わらずお腹の具合が良くない。夜中に何度も排便したり、さほど時間を置かない内に便意を催したり、これでは長い時間外出も出来ない。更に今回の便意とは別にこの1か月間は、便が黒ずんで気にしていた。7日には慶應病院で大腸のポリープを切除する手術を受けることになっている。そこで月曜日にかかりつけの内科医院に相談に伺ったばかりだったが、症状が悪化しているので、今日改めて医院に伺って実情を話して相談に乗ってもらった。医師も便意が頻繁であることと、便が黒ずんでいることを気になされて、黒い便は腸内で出血して便と混じって黒くなった可能性があるので、便を精密検査する必要があると仰り、お尻に検査棒を入れてそれを検査するので、結果は明日になるということだった。更に血液検査をして明日午前中に再び内科医院を訪問することになった。

 月曜日には、便を和らげる効果のある酸化マグネシウムの一種「マグミット錠」の服用を控えて、新たに整腸剤「ラックビー」を飲むようになったが、今日は更に腹痛や頻回の下痢、便に血が混じるなどの症状に効果のある「ホスミリン錠」を就寝前を含めて1日4回服用するようアドバイスされた。明日の検査報告を検討し、症状がまだ続くようだったら、7日の手術の延期もお願いしなければならないかも知れない。食欲も進まず、精神的にもちょっときついが、これも天の試練だと自分自身に言い聞かせて乗り切るより解決の手段はない。それにしてもこんな症状に罹ったのは初めてである。今は回復を願いながら、静かに医師の診断、アドバイスに従うだけである。

 さて、私的で少々品がない話題を少々変えよう。これもあまりすっきりした問題ではないプロ野球界の話である。今対戦中のプロ野球日本シリーズのTV中継放送で密かに話題となっていることである。

 昨日決着が付いたワールド・シリーズ(WS)がアメリカはもとより、日本国内でも熱気を呼んで活躍した大谷翔平選手や、山本由伸投手、そしてドジャース・ブームの到来が日本中を席巻していたかの感があった。NHKでは全試合放映したし、フジTVでも何試合かを中継していた。このWS人気にひがんでイラついたのか、プロ野球界を統括する日本野球機構(NPB)が今年の日本シリーズへの関心と人気をWSに横取りされたと勘違したような対応を、理不尽にもフジTVに対して行い一時取材パスを回収し、出入り禁止処分を課した。

 それは先月26日日本シリーズ第1戦が他局で中継された時間帯に、フジTVがその日の朝行われたWS第1戦のダイジェスト番組を放送したことに始まる。30日も日本シリーズ第4戦と同時刻にWS第4戦のダイジェスト番組を流し、昨日の日本シリーズ第5戦ではテレビ朝日が中継した時間帯に、フジTVは午前中生中継した優勝決定のWS第5戦のビデオを流し、「MLBワールドシリーズダイジェスト」という2時間番組を打ったことにNPBがイチャモンを付けたのである。

 NPBの言い分は、「12球団、中継局、スポンサーなどが一体となって日本プロ野球のコンテンツの価値の向上、野球ファンの裾野拡大に努めてきた中で、フジテレビのワールドシリーズに関する中継方針は、日本シリーズの価値やプロ野球を取り巻く関係者と団体が築き上げて来た信頼関係を棄損する行為である」として一時フジTVのプロ野球中継を止めさせたとみられる。NPBが激怒したと言われているが、どうも大人げない主張だと思う。人気をWSに奪われたと誤解して日ごろ世話になっているテレビ局に八つ当たりしているとしか思えない。そんなことより日本のプロ野球界がWSに負けないよう力と人気を向上させるよう努めるべきではないだろうか。どうも肝っ玉が小さすぎる。

2024年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6380.2024年10月31日(木) 大谷ドジャース、ワールド・シリーズ制覇

 今日10月31日はハロウィーンである。この半世紀ほどの間に瞬く間に流行し出した奇祭で、元々アイルランドのケルト人が行っていた夏の祭りを、秋の収穫を祝い、悪霊を追い払うという宗教的行事である。アメリカでは子どもたちに人気のお祭りで、学校行事の一環ともなっているほどである。

 このハロウィーンの真っ盛りに、ニューヨークで行われたメジャーリーグ、ワールド・シリーズ(WS)第5戦でドジャースがヤンキースに7-6で逆転勝ちし、通算4勝1敗として世界一となった。所属する大谷翔平選手は、WSでは左肩の亜脱臼などもあり、やや打撃不振で今日もノーヒットで勝利へ結びつくような貢献はなかった。また山本由伸投手は今日は出場しなかったが、勝負が決まってからの各テレビ局の取り上げ方は尋常ではなかった。それは、シーズン優勝を勝ち取ったペナントレースでは、2人とも活躍したので、当然かも知れない。都内では号外が発行されたほどである。

 大谷選手は、昨年まで同じロスアンゼルスを本拠地とするエンゼルスで6年間投打の二刀流で活躍し、MVPを獲得するなどチームに多大な貢献をしてきたが、チームが弱かったために、WSには出場する機会がなかった。優勝を狙えるチームでプレーして世界一になりたいとの夢から、昨年でエンゼルスとの契約が切れたのを機に、今年ドジャースへ入団し、早速今日現実に憧れの夢を叶えることが出来た。山本投手は昨年までオリックスで3年間投手部門のタイトルを総なめにした実績を背に今年から大谷選手と同じドジャースに入団して、2人の活躍によりチームの優勝に貢献した。大谷選手は今年ホームラン王と打点王の2つのタイトルを獲得した。そんな経緯もありメディアで彼らの活躍ぶりがかなり大々的に取り上げられていた。日本人選手がこのような並外れた活躍をするなんて考えられもしなかった時代を振り返ると昔日の感があり、日本人選手のメジャーへの進出や活躍には感慨深いものがある。我々日本人にとっては、2人の活躍によるWS制覇は、誇りと励みになる快挙である。

 さて、衆議院選挙も一段落して、大きく議席数を伸ばした立憲民主党や国民民主党と議席を失った自民党、公明党、日本維新の会などが、存在感を打ち出すために他党との交渉に暗躍し始めた。中でも7人の議席を28人にまで伸ばした国民民主党の玉木雄一郎代表は大きく動き出し、過半数を失い政権運営に支障を来たす恐れがある自民党と政権交代を目指す立憲民主党・野田佳彦代表を測りにかけている。ある政治評論家によれば、あわよくば取引により、首相の座をも狙っているようだが、過去に立憲民主党との合流がまとまりかけていたのに、直前になって裏切って合流を破談にした前科があるという。どうもこの数日玉木代表の動きを見ていると政界でこの機に頭角を露わそうとの思惑らしいものを感じる。自民党政権がこのまま政権を維持できるよう独自に動くと同時に、政権交代を目指す立憲民主党に対しても自党の多くの増えた議席を背に少しでも有利な交渉を勝ち取ろうと立ち回っているように思える。

 一方で、敗北を喫した政党には、悩ましい問題が生じているようで、中でも32人から24人まで議席を減らした公明党は、石井啓一代表まで落選してしまい、代表就任後まだ間もないが、代表辞任の意向を表明している。公明党と言えば、かつては支持母体の創価学会の支援の下に立候補すれば当選確実と言われたほど、選挙には強かった。それが時とともに確実な得票が減少し、例えば比例区では総得票数は596万票で3年前の711万票から115万票も減らしてしまった。このまま推移すれば、自民党もいつまでも公明党を頼るわけにもいかず、公明党との連立が崩壊するのではないかと考えられる。

 また、44議席から38議席へ減らした日本維新の会も共同代表のひとり馬場伸幸代表の辞任論が噴出している。現時点では、馬場代表は来月11日に召集される予定の特別国会を理由に、当面は辞任する気持ちがないようだ。ただ、維新の生みの親である橋下徹・元大阪府知事ですら維新に対してボロクソで、馬場代表を買っておらず、強く辞任を要求しているので、今後党内でどういう形で決着をつけるのか注目される。

2024年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6379.2024年10月30日(水) 深刻な国家的問題と個人的な健康問題

 今日はちょっとショッキングなことがあった。大学の同期生で在住するセルビアから一時帰国している友人の山崎洋さんを囲んで大学ゼミの仲間と7人で、半蔵門のフランス料理店で料理を楽しみながら会食する予定だった。ところが、3日前ごろから体調が優れず下痢状態でかかりつけの内科医にも診てもらい整腸剤を服用しながら大人しく生活していたが、症状が一向に良くならない。昨晩は夜中に4度も用足しをする有様で、今朝になっても腹部が痛く、止むを得ず会食会へ参加することを諦めた。山崎さんの寄宿先へ電話をして断ったが、私が言い出した会食を皆楽しみにしていたのに、他の友人らにも申し訳なく思っている。ただ、彼はしばらく日本に滞在するようなので、来月にでも体調と日程の都合を合わせて何人かで会いたいと思っている。それにしてもこのような下痢症状は初めての経験であり、悩まされる。1日も早く完治したいものである。

 さて、昨日のニュースで注目したい話題が2点あった。

 ひとつは、国連の女性差別撤廃委員会が、選択的夫婦別姓の導入と男系男子が皇位を継承することを定める「皇室典範」改正を日本政府に勧告したことである。同委員会は過去3度に亘り夫婦同姓を定める民法改正を求めている。また、現在の「皇室典範」については、「男系男子」の皇位継承は女性差別撤廃条約と相容れないと、皇位継承における男女平等を保障するよう他国の事例も参照して改正するよう勧告した。

 前者の夫婦別姓は難しい問題ではあるが、可能性は在り得る。それに引き換え、後者の「皇室典範」の改正は、ことが天皇制に関わることであり、中々容易ではないと思う。この問題は、天皇・皇后家に天皇位を継承すべき男子がいないことから、一時悠仁親王が誕生した2006年前までは女性天皇制がかなり真剣に議論されていたが、男子の悠仁親王が誕生したことにより天皇制がそのまま維持されると分かり、今では畏れ多い天皇制に触れる空気がなくなった。この勧告について、同委員会会合に出席した「皇統を守る国民連合の会」の葛城奈海会長は、「父方に天皇を持つ男系男子による継承は、126代続く皇室の根幹伝統であり、毅然と国家の基本を継承していく姿勢を貫くべきで、勧告に従う必要はない」としたうえで、「ローマ教皇、イスラム教聖職者らは男性なのに国連はこれを女性差別とは言わない。世界には様々の民族や信仰があり、尊重されるべきで内政干渉すべきではない。皇統について官民一体となって皇室の在り方を国連にアピールすべきだ」と反論した。この勧告に対して林官房長官は、今朝「大変遺憾である。皇位継承の在り方は国家に関わる事項である。強く抗議をする」と語った。恐らく日本政府はこの勧告を受け入れないだろう。

 もうひとつの話題は、昨日東北電力が東日本大震災で被災した女川原発の2号機を再稼働させたことである。現在原発が再稼働しているのは西日本の6原発12基である。東日本では震災以来原発が再稼働したのは初めてである。世界的に原発稼働については多くの問題を抱え、放射能漏れの懸念から原発周辺地からの反対が強い。女川原発も震災により倒壊し、防護壁を高めたりして防災対策を講じたようだが、その一方で、地球汚染を防止し、多くの発電能力を持ち経済発展に効果的な原発再稼働を求める声もある。その最中に断は下された。原発再稼働へ‘GO’サインが発令されたのである。多彩な問題点を含んだ原発だけに、政治的にも社会的にもこれから大きな国家的問題となるであろう。

2024年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6378.2024年10月29日(火) 気になる与党の政局運営と米大統領選 

 衆議院選挙の結果が判明してから大敗を喫した自民党石破首相の退任論が出る一方で、大勝した立憲民主党や国民民主党からは鼻息の荒い、臨時国会において自党代表を首班指名しようとの声が漏れてくる。総選挙を決断した石破首相の行動については、いろいろ批判がある。中でも1度話したことと反対のことを発言する二枚舌というのが、最も多い。石破首相を庇うつもりはないが、今回の総選挙で自民党が大敗を喫した責任は、党の代表である石破総裁ひとりが全面的に負うことではなく、自民党全体が負うべきことであると思う。確かに党の最高責任者である総裁の選挙に対する指導、監督、選挙対策などに万全の手を尽くしたかどうかという点では責任を負わなければならない。しかし、今回のケースは稀な例で、自民党が裏金問題の不始末や責任問題をそのままにした状態の時に、偶々石破氏が総裁に選出され、火中の栗を拾うことになったものだと思う。仮に他の候補者が総裁に選出されたとしたら、その人物が総選挙を取り仕切ることになり、ほぼ同じような結果になったと思う。その点で石破氏が総裁になったタイミングが悪かったということも考えられる。今回はこのドサクサの中で、首相を短期間に交代させるような無駄は止めて、これから再建策と今後の対策を考える方が賢明であると思う。

 ついては、アメリカの大統領選まで1週間後に迫って来た。一時優勢だったハリス氏がこのところやや劣勢になって、再びトランプ氏が若干優位に立っているようだ。世論調査によるとハリス副大統領とトランプ前大統領のどちらが優勢か、は微妙な情勢にあるという。2人の支持率は0.1ポイントの差ほどで接戦を極めており、予断を許さない状況にある。最後の選挙戦としてお互いに接戦州で最後の集会を開いて獲得票の上乗せを目指している。

 ここへ来てハリス氏は、「トランプ氏の分断と怒りの政治から脱却する必要がある」と訴えているのに対して、トランプ氏はバイデン・ハリス政権がインフレ対策やメキシコとの国境管理で充分な対策を取らなかったとして「ハリス氏は大統領に相応しくない」と批判している。

 確かにハリス氏が言うように、トランプ氏の分断的、かつ独善的行為は、同盟国の間でも顰蹙を買い、敬遠されがちである。特に、非難されるべきは、地球温暖化を阻止するために国連機構変動枠組み条約として2015年に結ばれたパリ協定から一方的に離脱したことと、国連が承認しているイスラエルの首都テルアビブを身勝手にもイスラエルの要望によりテルアビブからエルサレムへの変更を承認し、大使館も移転したことなどである。そのために、国内でもその独善的な言動は批判されている。押し詰まった選挙戦の最後に当たって、民主党候補者のハリス氏は歴代の民主党大統領、クリントン氏夫妻やオバマ氏夫妻らから熱烈なバックアップを受けているのに比べて、共和党の候補者であるトランプ氏には、ブッシュ氏をはじめ、誰一人として積極的に支持を訴えてくれる元大統領や大物がいないことでも分かる。他人を中傷したり、ウソをついたり、その言動が常識人を飛び越えており、信頼感に乏しい。そのうえ人間的にもあまり好かれているような印象がない。

 個人的には、トランプ氏のような不誠実で大ぼら吹きの大統領より、堅実で信頼感のあるハリス大統領になって欲しいと願っている。

2024年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6377.2024年10月28日(月) 完敗or完勝に分かれた衆議院選結果

 昨日行われた衆議院選の最終結果が公表された。自民・公明党の与党が多くの議席を失い完敗し、裏金問題のツケを払う結果になった。一方、野党第1党の立憲民主党と国民民主党が大きく票を伸ばした。自民党は単独で過半数233議席を超える247議席を有していたが、今回は191議席にまで低落し、公明党と合わせても215議席に減らして過半数には18議席も及ばなかった。対照的に野党第1党だった立憲民主党は、98議席から148議席へ大幅に議席を伸ばした。実に1.5倍の急騰である。国民民主党に至っては7議席から28議席と4倍増となった。自民党では裏金問題で非公認となった議員10人の内、7人が落選した。下村博文・元文科相、高木毅・元自民党国対委員長、大塚拓、丸川珠代夫妻も揃って落選した。その他にも大物議員では甘利明・元自民党幹事長、大分2区で14選を目指した衛藤征士郎・元防衛庁長官、石井啓一・公明党代表、音喜多駿・維新政調会長らが意叶わず落選の憂き目を見ることになった。

 この結果を受けて、自民党政権は今後難しい国会運営を強いられる。政権交代を主張していた立憲ら野党各党もそれぞれ政策は異なり、早速野田佳彦・立憲代表は各野党党首と話し合いをすると語っていたが、それぞれ政策の違いや思惑もあり、すんなり野党の話し合いが出来るかは不透明である。

 今回の総選挙で気にしていた点が2点あった。ひとつは、投票率の低下傾向であり、もうひとつは女性議員の当選である。前者については、小選挙区で53.85%だったが、前回2021年の55.93%を2.08%下回り、戦後3番目の低さとなった。衆院選の投票率は、戦後60~70%で推移してきたが、1996年に初めて60%を割り込み、一時民主党が政権交代を実現した09年に69.28%と回帰現象を示したが、12年以降はずっと50%台に落ち込んでいる。

 もう1点気になっていた女性議員の当選者は、過去最多の73人になった。過去最多だった09年の54人を大幅に上回った。これで女性議員の占める割合は、15.7%となった。これからは、存在するというだけでなく、国民のために行動し実績を上げるよう努力を積み重ねて欲しいものである。

 この他に珍しかったのは、成長著しい国民民主党が大きな取りこぼしを冒して、3議席を失ったことである。これは、党の選挙対策本部の失態ということ以外に考えられない。というのは、比例区の北関東ブロックと東海ブロックで計5議席を獲得しながら、比例名簿には2人しか掲載せず、掲載した候補者はすべて小選挙区で当選したために、比例代表候補者がいなくなり、議席を自民、公明、立憲の3党に1議席ずつ譲るボーンヘッドを冒してしまった。国政選挙でこのようなミステークが許されるのだろうか。玉木代表の弁解を聞きたいところである。

 株式市場も与党の完敗に敏感に反映し、全面高の展開となった。対前週末に対して691円高の日経平均株価となった。外国為替市場でも円安が進み、1㌦=153円台で推移している。

 欧米のメディアも選挙結果に注目して外電で伝えている。ニューヨーク・タイムズは、自公の過半数割れを2週間前までこんな結果は予想されなかったと伝えているが、日本のメディアでは早くから伝えられていた予想である。石破首相が首相として今後生き残れるかどうかによって、かつてのように回転ドアのリーダーシップに逆戻りしかねないと皮肉っぽく論評している。フランスのル・モンド紙は、自民党の敗北によって日本で不確実な政治の時代が幕を開けたとコメントした。シンガポールのストレーツ・タイムズ紙は、首相が解散総選挙に踏み切った判断について、賭けに出たが、裏金スキャンダルに対する国民の怒りを読み違え、非常に不安定な立場に立たされたとコメントし、下手をすれば戦後最短の首相になる可能性があるとまで批判的に受け取られている。

 今では日本は先進7か国に入り、日本の政治は世界中からその動向が注目されるようになった。裏金問題が海外から取り沙汰されるようでは、信頼を失うばかりである。日本の政治家はあまり世界に目を向けず、国内に、特に選挙区の地元に目を向けるばかりである。もう少し鳥瞰的な目で世の中を見るようでなければいけない。

2024年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6376.2024年10月27日(日) 衆議院選開票途中経過:与党低迷・立憲躍進

 今日は衆議院総選挙の投票日である。戦後79年で50回目ということから、1年半に1度ぐらいの間隔で総選挙を実施していることになる。午前中に妻とともに、いつものように息子たちの母校である東深沢小学校で投票を済ませた。今回は自民党派閥の「裏金」が大きな政治問題となったので、自民党にとっては苦しく野党にとっては攻勢を強める絶好のチャンス到来である。ただ、立憲民主党は、前回共産党との共闘で票を伸ばせず、また7月の都知事選でも立憲候補者を共産党の支援を得たが、惨敗だったことにより、共産党とは距離を置くことになって残念に思っている。

 3年前の総選挙に比べて、立候補者が293人、27.9%も増え、女性の立候補者も314人と全体の23%で、過去最多である。近年女性の活躍は、政界のみならず、ひとつの社会現象のようになり、その意味では多くの女性が立候補したことは、時代の流れと言っても好い。ただ、彼女らが当選するかどうかは別問題で、時折女性を軽視するような発言が、政界の中から聞こえてくる。実際女性の当選者数と定数に対する割合は、2009年の54人、11.3%が過去最高であり、女性立候補者が増えても当選者が増えるわけではない。

 更に気になっているのは、このところ低迷している投票率である。2015年に公職選挙法等の一部が改正され、選挙権は従来の20歳以上から18歳以上に引き下げられた。これにより若者の有権者数が大幅に増えた。彼らの考え方が選挙の結果に大きく影響を及ぼすことになった。事前に大分盛り上がっていたので、投票率は当然上がるだろうと考えていたが、途中経過では午前11時現在10.45%で、過去3番目に低かった3年前の投票率55.93%に比べて0.87%も低くなっている。若者の投票率が低いことが影響しているのではないかと懸念している。

 諸々の問題点を抱えたまま、午後8時には投票が締め切られ、結果は今夜半に判明することになろうが、締め切り後に各テレビ局が大分時間を割いて選挙の経過、並びに結果について討論を行うようで、日曜日恒例のNHK大河ドラマ「光る君へ」も影響を受けて時間を繰り上げて放映する。

 午後9時現在の途中経過では、予想通り自民、公明党の与党がかなり苦戦して、当選確実は自民112、公明14に対して野党第1党の立憲民主党が92、維新19、国民18、れいわ6.共産5、等となっている。このまま行けば、政界地図はかなり変わることだろう。明日最終結果に注目してみたいと思っている。

2024年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6375.2024年10月26日(土) 総選挙に不可解な行動の小池都知事

 昨日マレーシアで日本人観光客11人が乗っていた観光バスが、高速道路上で前を走っていたトラックの後部に突っ込み、バスは前部を大破して乗客11人の内、70歳代の女性が死亡した。他の10人とドライバー、現地ガイドも負傷した。現地警察も事故原因を調査しているが、現場の状況をテレビ画面で観ると、この辺りを走行中のほとんどの車がスピードの出し過ぎではないかと思えるほど速い。これでは頻繁に事故が起きても不思議ではないと思える現場の状況である。早速ツアー主催会社JTBが謝罪会見をし、事故を起こし犠牲者を出したことを謝罪していた。

 そして昨日同じような観光バスの転落事故が報道された。去る17日トルコ西部でも同じように日本人21人が乗車していた観光バスが道路上から転落して横倒しになり、男性乗客1名が死亡したとのニュースである。原因は不明であるが、これも時速90㎞で走行中だったというからスピード違反か前方不注意だろう。主催会社の近畿日本ツーリストが謝罪していた。

 2つの事故ともに画面上から推測するなら、どうも見通しの良さそうな道路をスピードの出し過ぎで、運転を誤ったように思う。乗客の身の安全確保に責任を有する添乗員が付いていたので、スピードを監視して、早過ぎるようだったらドライバーに任せっきりにせず、速度を落とすよう注意を促すことも必要であると思う。

 さて、明日の衆議院総選挙の投票まで残り1日となった。テレビを観ていると各政党党首が、自党の政策を懸命に訴えている。だが、今回はわが自宅周辺にはあまり街宣カーがやって来て音量一杯に候補者がアピールすることはあまりなかった。その代わりPRハガキの郵送や宣伝ポスターの配布が多かった。今一番注目しているのは、自民党・公明党の与党が合わせて、政権運営の可否を左右する過半数233議席を確保することが出来るか否かである。

 4日前のブログに書いたことだが、今回総選挙の当事者でない小池都知事が理解出来ない行動をしていることである。例えば、自ら創設に関わり、今も特別顧問を務める「都民ファーストの会」の候補者を積極的に応援するような気配がなく、公明党石井代表を応援するために埼玉へ出向いた。尤も石井氏は当選の境界線にいるようで、党代表に就任してから、自民党から岸田前首相、石破首相が個別に応援に訪れている案配である。小池知事は驚いたことに23日には、自民党候補の街頭演説にも駆け付け、「都政を前へ進めるために不可欠な人材」と支持を呼び掛けたというから、与党に貸しを作っておいて都政運営に協力してもらおうとの腹づもりではないか。腰が軽いというか、腰が定まらないその節操のなさには呆れるばかりである。都民ファーストの会の都会議員らは、国民民主党候補者の応援に走り回っているようだが、小池知事と特別顧問を務める「都民ファーストの会」の間でねじれ現象が起きているのではないかと思う。移り気な小池知事らしい言動と言われればそうとも受け取れるが、ちょっと節操がなさ過ぎるように思う。それが小池百合子東京都知事の実像なのである。派手な性格から、とかく行動の幅が広過ぎる。自治体の長としては、自らを売り込むことにばかりに動く、こういう浮ついたような性格の知事は好ましいものではない。もう少し行動を差し控えてもらいたいものである。

 総選挙は、明日投票箱の蓋を開けてみれば、今回の国民の採点はどういう政界地図になるだろうか、注目したい。

2024年10月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6374.2024年10月25日(金) 祝! 高校のクラスメートが文化勲章受章

 高校の同級生からメールがあり、同じクラスメートの環境学者・中西準子さんが文化勲章を授賞されると知らせてもらい、直ぐネットでチェックしたところ確かに7人の受賞者のひとりに中西さんの名前が載っていた。また、今日の夕刊に受賞者の名前と略歴が紹介されていた。2010年に高校の4年先輩だった根岸英一博士がノーベル化学賞を受賞され、その年に中西さんは、博士と我々より21年も後輩のオーケストラ指揮者・大野和土氏と一緒に文化功労章も受章している。

 彼女は環境問題の専門家で、一般には中々理解し難い分野で研究している。高校時代の印象では父親が参議院議員だったこともあり、英語の成績も良かったので文系に進むものとばかり思っていたので、横浜国立大工学部に進学したと知った時は意外な感じがしたほどである。高校1年時には同じクラスだったので、お互いに知ってはいるが、51人のクラスに女性は彼女を含めて僅か3人しかいなかったので、親しく話をするような機会はそれほどなかった。彼女が入学早々教室で♪第1インターナショナルの唄♪を堂々と歌ったのには、度肝を抜かれたことがあった。近年は同期生会もコロナ禍でストップしているが、これを機会に文化勲章受章のお祝いを兼ねて復活させたいものだ。

 授賞式が行われる11月3日「文化の日」は、偶々私にとって86歳の誕生日に当たる。早速彼女にその日お互いに祝杯を上げようと、メールでお祝いのメッセージを送った。するとすぐに「ありがとう」と返信があった。とにかくお祝いごとでめでたいことであり、お互いに年齢を重ねたが、健康に気をつけて充実した余生を送りたいと願っている。

 さて、今日本でアメリカのニュースと言えば、ワールド・シリーズ(WS)に尽きる。特に、微に入り細に入ってメディアが朝から晩までそのニュースを報道しているのは、ドジャースの大谷翔平選手とヤンキースのジャッジ選手の今季の成績を示してお互いの対決を煽っていることが大きい。元ニューヨーカー同士の43年ぶりの一騎打ちも全体のムードを盛り上げるのに役立っている。大谷選手、ジャッジ選手ともに両リーグの本塁打王、打点王でチームの勝敗以上に2人の対決が一掃興味を盛り上げているようだ。その煽りを受けたのが、日本のプロ野球界である。スポーツ報道が大谷一色に染まり、WSと同じ時期に行われる日本シリーズの影もやや薄い。先週(14日~20日)のTV視聴率ランキングでは、3位にMLBナショナル・リーグ優勝決定シリーズのドジャース対メッツ第1戦が、9位のセ・リーグCSシリーズ最終戦・巨人対横浜ベイスターズ戦を大分リードしたほどである。WSの実況も全試合NHKで生中継されるというから、日本のファンも大勢テレビにしがみつくことだろう。日本球界にも大谷選手のようなスタープレイヤーが現れないと、人気も高校野球にも追い抜かれかねない。WS第1戦は明日行われる。

 WSを除けば、アメリカの話題は、金利の引き上げがこれから実施されるかどうかである。もし上げるようなら日本にとっても大いに影響が出て来る。とりわけ外為相場では、円安ドル高が進むことだろう。

 もうひとつアメリカで話題になったのは、大統領選が残り10日に迫った中で、去る22日にトランプ前政権時に首席報道官を務めたジャン・ケリー氏が、トランプ氏は「ヒトラーは良いこともした。アメリカを守るために命を捧げた兵士たちは『カモ』、『負け犬』だ」とまで述べた。トランプ氏はファシストであり、極右の権威主義者、極端な国家主義者、独裁的指導者で憲法も法の支配の概念も理解していないとも語ったのである。この報道を知ったハリス副大統領は、トランプ氏は信じられないほど危険な人物であり、本当はどのような人物であるかをアメリカ国民に示す証拠で、彼は無制限の権力を求めていると批判した。一方、ケリー氏は首席補佐官当時、トランプ氏との関係が悪化してホワイトハウスを去った経緯があり、当のトランプ氏は「ケリー氏が憎悪から話をでっち上げた」とSNSでケリー氏に反論している。ここまで来ると、泥仕合の様相を呈してくる。ここへ来て意外なのはアラブ系のアメリカ人の間でトランプ支持が増えているそうだが、大統領選はどういう結果になるだろうか。

2024年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6373.2024年10月24日(木) コロナで国の支援策を利用する不正

 新型コロナウィルスも表面上沈静化しているように見えるが、感染者が大きく減少したわけではなく、今も感染者が発生しているようだ。2019年以降感染者が急拡大したせいで、民間企業の売り上げも伸び悩み、経営的に苦しい企業が増えた。個人的にも所得が減少して生活困窮者が増えた。その対策として政府は、彼らに無利子で貸し付ける「コロナ特例貸付金」で支援を行った。同時に、特に営業上大きな打撃を被った観光業には、観光支援策として「GO TOトラベル」を実施した。

 ところが、前者については、生活費が減った世帯を対象に無利子で382万件、総額1兆4千億円強を貸し付けたが、その内131万件は、返済者の収入がコロナ禍以前に戻っていないとして4千7百億円の返済免除を決めたという。そのため貸付金の32%が回収出来なくなった。コロナ特例貸付金制度では、返済免除者や延滞者に戸別訪問をして生活再建のフォローアップ支援を行う予定だったが、支援体制が十分整備されておらず、どうも事前審査の簡素化などが貸し付けに実行されたようで、審査が甘く杜撰な印象を与えた。これによって貸付金のかなりの金額が戻ってこないことになる。これでは、税金の無駄遣いと受け取られかねない。

 一方、観光業界を支援する「GO TOトラベル」も悪用され、給付金の不正申請をしていたことが、2021年12月25日付朝日新聞に「GO TO不正疑い 6万泊に」の見出しで取り上げられた。この記事を読んだ時、不正を冒した大手旅行会社と言われているHIS系グループの子会社などが、顧客6万泊分の不正を冒していたという事実に、ショックを受け呆れ果てた覚えがある。観光業界の窮地を救うために国民の税金を投じてもらった支援策を、悪用して騙し取るという会社の悪だくみには、かつて同じ旅行業界に長年務めた者として恥ずかしく、怒りをすら覚えた。

 その4日後のブログに「GO TOトラベルで旅行会社が不正受給」と取り上げて、厳しくHISグループを非難する記述をしたところである。上記2件は、いずれも国民の税金を結果的であろうと、意図的であろうとも国税を騙し取った結果となった。

 さて、世の中の動きが激しいせいか、国内外ともに変化が社会現象に変化が起きている。

 そのひとつに、経済、特に外為市場の変動が激しい。このところ1㌦=140円を行き来していたドル相場が、急激に円安ドル高が進んだ。昨日アメリカの長期金利4.2%の金利上昇を受けて一時1㌦=153円台と円安ドル高が加速した。どうも2週間後にアメリカ大統領選を前に、再びトランプ前大統領が優位を取り戻したとの情報が金利上昇へつながって円安市場を呼び込んだようだ。

 もうひとつ気になるニュースがある。すでにこれまでウクライナや韓国の情報筋が指摘していた、北朝鮮軍兵士のロシアへの派遣である。昨日アメリカのカービー大統領補佐官が、3千名の北朝鮮兵士がシベリアで訓練を受けており、訓練後にウクライナの前戦に向かうだろうと述べた。外人部隊という言葉があるが、これは国家同士が取り決めた兵士の派遣ではなく、個別に、特に民間の組織が兵士を売買する契約が多い。その点では今回の北朝鮮兵士のロシアへの派遣は、両国の密接な外交関係による両国首脳の話し合いの結果であろう。北朝鮮にとっては自国の領土を守るための兵士の外国への派遣ではなく、侵略国ロシア軍兵士の補充のためにロシア、そして戦闘中のウクライナ戦線へ送られるのである。北朝鮮国民がどこまでその事実を知っているのか、仮に知っていたとすれば金正恩総書記は、国民にこの事実をどう説明するのか、とても真っ当な国家のリーダーが行うべきことではない。

2024年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com