5684.2023年3月14日(火) 大江健三郎氏死去と袴田事件

 東京の桜開花宣言が行われた今日、寂しいことに現代の文豪・大江健三郎氏が亡くなられたことを知った。大江氏は、川端康成に次いで日本人としては2人目のノーベル文学賞を受賞された。芥川賞も受賞されているが、その作品「飼育」は読んでいない。谷崎潤一郎賞を受賞した「万延元年のフットボール」は読了したが、万延元年1860年から60年安保までの100年を観察した書であるが、意外にも世間の評価とは異なり、あまり印象に残っていない。大江氏は作家として活動する一方で、社会活動にも力を入れていた。特に、核兵器開発反対、憲法改正反対、特に9条を守る運動には積極的に関わっていた。また、海外でも文人、科学者、社会学者らと親交を重ねてベルリン自由大学をはじめ、国内外の大学で学生たちを指導していた。私が敬愛する小中陽太郎氏とも同年齢で交流を重ねておられた。その小中氏も今病の床に伏しておられる。かつて影響を受けた方々も年齢的にそう活動は出来なくなっている。残念であるし、反面寂しくも感じている。

 また戦後の最大の残虐な事件のひとつ、一家4人殺し犯人と見なされた袴田事件容疑者・袴田巌氏にひとつの判断が下された。東京高裁が検察側の即時抗告を棄却し、再審開始を認める決定を下したのだ。2018年の高裁決定は再審開始を認めなかったが、20年の最高裁の審理やり直しを受けて東京高裁が判断を一転させたものである。事件は1966年に静岡市内で起きた一家4人が殺害された残忍なものだが、その後延々58年間に亘って犯人とされた袴田巌氏の動向を追って、裁判が何度となく繰り返されたものである。袴田氏は長い間犯人と疑われ、収容所収用と放免を繰り返して身柄は法の監視下にある。ほとんど人生を棒に振ったような生活を送ってきた。今や87歳となった袴田氏を陰になり日向になって献身的に支えてきたのは、90歳の実姉である。この姉がいなければ、裁判が続かず、事件はこれほど脚光を浴びることもなく、本人も無理やり軍門に下らされてしまったのではないかと推測される。

 実は、この袴田巌氏は元ボクシング選手だったが、現役時代に試合を観たことがある。大学1,2年生ごろにファイティング原田選手の試合と同じ日に後楽園ジムで、袴田選手が戦い、相手選手名は忘れてしまったが、突進に次ぐ突進で打たれても前へ突っ込む攻撃的なボクシングスタイルは勇ましかった。どちらが勝ったかも覚えていないが、随分積極的な選手だなと思った。そしてそれから数年後に殺人事件の犯人として逮捕された新聞記事を見て驚いたものである。

 私自身いま84歳になって過去に思いを巡らしてみるといろいろ思うことがある。大江健三郎にしても同時代人として同じように憲法改正反対についても意を同じくしていたし、袴田巌にしても図らずも現役時代の試合を観たことで、その後の彼の行動をメディアで報道される限り関心を抱いている。

 多くのことに関心を抱き視野を広げるということは、世の中と自分をすり合わせながら協調していくことでもあると改めて思っている。

2023年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5683.2023年3月13日(月) 中国は台湾問題を根源的に考え直すべき時

 昨日までの快晴をよそに今日は午前中から雨が降り出し、庭の木々を見るとついに満開だった白梅もほとんど花びらが落ちてしまった。今年は鶯の鳴き声を聞くことは出来なかった。やはり住宅地域である拙宅の周辺でも緑がなくなっている。近所でも庭付きの大きな住宅が取り壊されて、その跡地へ2~3戸建ての庭なし家屋が新築され、緑がなくなり寂しく思っているが、土地の価格も値上がりしている現状を考えるとそれもやむを得ないのだろう。だが、それによって野鳥も飛んで来なくなった。鳴き声も聞かれないし、餌を啄む愛らしい姿も影を潜めた。我が家でも鶯が2度ばかり、シジュウガラが2度、後はヤマガラのような野鳥がやってきた程度で、詩情をそそるようなほのぼのとした光景は見られなかった。この様子だと来年以降もあまり期待出来そうもない。

 今日から新型コロナウィルス感染対策として求められていたマスク着用が、屋内外を問わず個人の判断に委ねられるようになった。早速国会では岸田首相以下閣僚らは皆マスクを外していた。三越本店玄関脇に鎮座しているライオン像も今日マスクを取り外された。

 さて、去る5日から中国で開かれていた中国人民代表大会(全人代)は、今日幕を閉じた。国家主席として3期目に入った習近平国家主席の演説には、格別目新しいことはなかった。昨年の中国共産党大会で、中国共産党総書記に就任した習近平氏は、今日国家のリーダーとして異例の第3期目に入り、これからは国家、党、軍の3つを統率、支配することになる。演説の中で習主席は、「今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を全面的に建設する」と述べ、またもや「社会主義」と強調したが、中国は決して社会主義国家ではない。リーダーが社会主義という言葉自体が分かっていない。従ってこれからどういう方向へ向かって国を導いていくのか見当がつかない。

 もうひとつ習主席の言葉で気になるのは、「安全は発展の基盤だ。国防と軍の現代化を推進し、国の主権と安全、発展の利益を守る鋼の長城にしなければならない」と述べ、更に台湾問題に触れて主権を守ると強調した。アメリカを意識して「外部勢力の干渉と独立の分裂活動に断固反対し、祖国統一のプロセスを揺るぎなく推進する」とも述べた。

 そもそも中国が台湾を自国領土の一部と称して、近い将来において台湾を吸収併合し、台湾は元々中国領であると国際社会へ向けて宣言する心づもりのようだが、台湾は民族的には中国人と見られている台湾人が、刻苦奮励努力の末、中国の手を借りずに自分たちの力だけで今日の台湾を独自に築き上げてきた。つまり大小2つの中国が、それぞれ独自に国を作り上げてきたものであり、中国が台湾を国土の一部と称するのは越権行為であり、台湾人の誇りと努力を蔑ろにするものである。お互いの国民の合意により1つの国家を創建しようと考えるならともかく、中国が力任せに台湾を併合しょうというのは、天に向かって唾を吐くようなものである。台湾は今や途上ではなく大きく経済発展を遂げている。とても中国が自国領土などと身勝手な暴言を吐けるような国土ではないことを、中国は思い知るべしである。

2023年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5682.2023年3月12日(日) 全人代で習近平専制君主制が益々強化

 中国でいま開かれている全国人民代表大会(全人代)で、一昨日李強氏が李克強氏に替わって首相に選任されたが、これは習近平主席の指名によるものであり、習氏の強い意向を反映したものである。李強首相は浙江省で習氏がトップの書記に就いていた当時の秘書で、爾来習主席との関係が続き、今日最高指導部でも習氏に次ぐ序列2位にまでのし上がっていた。昨日は李首相に次ぐ筆頭副首相に序列6位の丁薛詳氏を起用した。丁氏も習氏の信頼が厚く、「側近中の側近」と言われている。これにより習近平主席の独裁体制は一層強固になり、国民の声は指導部に届きにくくなり、「社会主義国家中国」を声高に叫びながらも、社会主義の思想、体制とはまったく逆で、反社会主義国家・覇権国家ともいうべき得体の知れない国家体制を構築しつつある。

 実はいま話題になりつつある「チャットGPT」が中国では使えなくなるだろうと悲観的な見方がある。それは、中国のIT技術が高いレベルにありながら、共産党を批判するようなインターネット上の書き込みは検閲されて直ちに削除される。そのため「チャットGPT」のような機能が、中国の高いネット環境で実現できるのか疑問視する見方がある。その前兆として2017年に対話サービスが停止された前例がある。それは「中国共産党万歳」という呼びかけに対して、「あんなに腐敗して無能なのに何が中国共産党万歳だ」と回答した場面が出回り、それが停止されたのである。

 全人代の会場を見てみれば何かおかしいと首を傾げる人が多いと思う。3千人もの選民を一堂に会して、習主席が指導する共産党幹部が習主席にまったく反対意見を述べることがなく、すべて言うがままの1党独裁体制と言う以上に1人独裁体制が民主的である筈がない。この反対を許さず、すべて習国家主席の言いなりがとてもいつまでも続くとは思えない。外国人ジャーナリストの声はもちろん、中国人ジャーナリストはこの現状をどう思っているのだろうか。そして天安門事件の時は、表に出てきた若い学生世代はこの息が詰まるような専守政治を見てどう感じているのだろうか。

 幸い中国の科学技術は世界でも最高水準にあるが、国家の仕組み、国民の思想教育面では遥かに遅れている。もう少し毅然として国家、国民を未来永劫に発展させていくイデオロギーを浸透させて欲しいものだと思う。

 さて、WBC予選1回戦で今日日本はオーストラリアを破り、4戦4勝でグループ1位となり、準々決勝進出が決まった。期待の大谷翔平選手は3ランホームランを放って見事期待に応えた。

2023年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5681.2023年3月11日(土) 東日本大震災追悼式と熱狂的なWBC

 東日本大震災が起きて早くも12年が経った。今日は東北地方各地で慰霊祭が行われたが、福島県飯坂町では福島県主催の東日本大震災追悼復興祈念式が行われ、岸田文雄首相が地震発生の午後2時46分に黙とうをささげ、犠牲者を悼んだ。そして岸田首相は追悼の言葉として、福島第1原発の廃炉と、住民の帰還に向けた生活環境の整備や産業の再生支援への取り組みを今後も国が全面に立って進めると述べた。ただ、どうも引っかかるのは、福島第1原発の廃炉に触れ1日も早い復興を誓ったと言ってはいるが、昨年末公表した政府の脱炭素社会への基本政策は、エネルギーの安定供給のためと称して原発政策を強引に進めようとしていることである。それは原子力発電の最大限の活用と、実質的に上限の60年を超える原発の長期運転を認めることや、その内容には、更にこれまで想定してこなかった次世代型の原子炉の開発・建設に取り組むことを盛り込んでいることである。

 被害が最も大きかったのは地形的に海岸沿岸が広い宮城県で、死者15,900人のうち、半分以上の9,544人、建物被害は全壊・半壊を合わせて40万戸のうち、34万戸を占めている。避難者は福島県が多いのは、原発汚染地域が広域的なせいで、全避難者3万1千人のうち、福島県人が2万7千人である。

 追悼復興祈念式では1日も早い復興を誓っていたが、その一方で多くの犠牲者を生んだだけにテレビで現地の様子を見ているとどうも暗い影が漂っているように思えてならない。いつまで経っても震災はそう簡単に忘れられないし、原発の幻想は消えるわけではない。

 さて、そんな空気の中で派手に騒いでいるのはプロ野球ファンである。彼らは一昨日から開幕した2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)で、日本代表チームの活躍に大分盛り上がっている。昨年カタールで行われたサッカーのワールドカップで日本代表チームが期待以上の活躍をしてペスト16入りして大盛り上がりして以来のお祭り騒ぎである。日本は一昨日の対中国戦、昨日の対韓国戦にいずれも快勝した。試合そのものの外にもWBCに絡む野球グッズがバカ売れのようで、業者もほくほく顔のようだ。チームがまとまり、勝ち進むとファンが一心同体となって国内にブームのような雰囲気を醸成する。今年の日本チームは、日本のWBC史上最強と言われ、何人かの日本人メジャーリーガーも加わりそれぞれ活躍している。球場も満員でその声援がすごい。今年のチームでは、エンゼルスでも大活躍している二刀流の大谷翔平選手への注目度がずば抜けている。期待に違わずその大谷選手も期待に応える活躍ぶりである。チームには珍しい選手もいる。母親が日本人のメジャーリーガー、ラーズ・ヌートバー選手であり試合で大活躍しその存在感を強くアピールしている。

 今日の試合前、チームは全員揃って震災発生の時刻に黙とうをささげた。相手のチェコ戦では160㎞の剛速球を投げる佐々木朗希投手が先発登板し、10対2で完勝した。佐々木投手は今日の試合の優秀選手にも選ばれた。彼の父親と祖父母が震災で津波に流され亡くなっている。奇縁にも今日登板するに当たっては、きっと心に期するところがあったのではないかと思う。

2023年3月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5680.2023年3月10日(金) 忘れられたか、東京大空襲の日

 昭和20(1945)年の今日、アメリカ軍の大量無差別爆撃作戦によって東京は下町を中心に大きな被害を受けた。東京大空襲である。全体の被害は、死者11万5千人以上、負傷者15万人以上、被災者は約310万人以上で、前年11月から終戦まで何度も東京は空爆に襲われた。被災者の数は、太平洋戦争で亡くなった全戦没者の数に匹敵する。その後広島、長崎に原爆が投下され、日本は降伏することになったが、アメリカ軍部内では日本国内に毒ガスや細菌兵器の使用まで検討されていたというから恐ろしい。仮に戦争が長引いた場合には日本国内は生き地獄になっていたのではないかと想像される。アメリカ国内では日本に原爆を投下したことについて、犠牲を与えて申し訳ないとか、世界で初めて原爆を投下したことに反省の声はあまり聞かれないのは、アメリカ人の独善的な考えである。むしろ戦争を早めに終結させたことにより犠牲者を増やさなかったと無神経に評価する人たちが結構いることである。アメリカ国民が他国の人々が苦しんで命を落としたことに、同情の気持ちをあまり抱かないのはあまりにも無慈悲でありやるせない。

 それにしてもこれだけの犠牲者を生んだ東京大空襲から78年が経った今日、明日の東日本大震災発生12周年に焦点が当てられ、東京大空襲についてほとんどメディアでも報道されないのはどういうことだろうか。NHK「ニュース7」の終盤にやっと放映した程度である。これは、先月26日の2.26事件発生87周年記念日にテレビはもちろん、新聞にもまったく報道されなかったことと同様、日本国民が体験した画期的な大惨事や事件が、現代人の間ではすでに風化してしまったことを意味しているのだろうか。特に反省すべきは、戦時中軍部の御先棒を担いで戦争を煽り戦争に加担したことを反省し、戦争反対の行動に理解を示していたメディアが、今ではそんな気持ちはほとんど感じられず、「のど元過ぎれば熱さを忘れる」の格言通り、むしろ知らず知らず戦争の怖さを忘れているように受け取れる。正しい世論をリードすべきメディアがその気持ちをすっかり忘れてしまっては、忌まわし大惨事も忘却の彼方へ流れるに任せるままになるのではないだろうか。

 これからも日本人として必ず覚えていなければならない事件や事柄を軽視することのないようメディアには心してもらいたいものだ。

 さて、去る5日から始まった中国の全国人民代表大会(全人代)6日目を迎えて、国家主席に習近平氏が3期目の任務に就くことが決まった。形ばかりの選挙を実施し、出席者2,952名が投票し、習主席が獲得したのは、2,952票だった。つまり3千名近い有権者の内例外なく全員がただひとりの候補者・習主席に1票を投じたのである。これでは選挙を実施する意味がないのではないだろうか。投票が1種のジェスチャーではないかと思える。こんな選挙があること自体民主化された世の中の出来事とは思えない。このおかしな政治体制がいつまで行われるのか不透明だが、習近平による作為的な政治体制がそういつまでも続くとも思えない。

2023年3月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5679.2023年3月9日(木) 辞任すべき2人の国会議員

 いま新聞紙上で批判的に取り上げられ、世間を騒がせている国会議員に高市早苗・経済安保担当相と、ガーシー参議院議員(本名:東谷義和)がいる。今朝の朝日社説では、2人を別々に取り上げ、それぞれ厳しく国会議員としての言動と責任を追及している。

 高市氏については、本ブログでもこれまで再三に亘りその行動を非難してきたつもりである。放送法の政治的公平という解釈を巡って、総務省の内部文書に官邸が圧力をかけた様子が生々しく記述されている。その当時高石氏は総務大臣だったにも拘わらず、質問をはぐらかして正面から応えることをせず、文書は捏造であると言い張り、事実なら国会議員を辞めてもいいなどと口走る有様である。総務省は捏造に関わる者はいないと信じていると言い、松本剛明総務相が「文書は総務省が作成した公文書に間違いはない」と言明するに至っては、高石氏には最早逃げ場はなく窮地に追い込まれたと言わざるを得ない。高石氏は自民党内でも人望がないのか、その言動を支持する議員がいないようだ。いよいよ猪突猛進の高石氏も国会議員として自身を瀬戸際に追い込んでしまった。社説では「公文書管理の徹底は、政府あげての課題だ。このような物言いを繰り出す人物が大臣についているようでは、この国にまともな公文書制度を根付かせるのは難しい」とまで厳しく言い放っている。高石氏もそろそろ観念して正直に事実を述べ、さっさと国会議員を辞めたらどうだろうか。

 一方、ガーシー議員は、昨夏の参議院選で「NHK受信料を支払わない国民を守る党」から立候補し、28万8千票も獲得して比例代表制で初めて当選した。どういう人物かまったく知らなかったが、暴露系ユーチューバーとして著名人の名誉を傷つける言動により、彼らから告訴され追及を逃れるためにドバイに滞在して帰国しなかったようだ。国会が開かれても1日たりとて出席したことがなく、その懲罰として昨日参議院本会議場で陳謝の言葉を述べる予定だったが、それにも出席せず、いよいよ議員除名の懲罰を受けるようだ。これまで半年以上に亘って国会議員としての責務である国会に出席せず、高額な歳費だけを手にして税金ドロボーと言われている。

 所属する「NHK受信料を支払わない国民を守る党」は、党名を度々変更し、これまでの名称「NHK受信料を支払わない国民を守る党」から「NHK党」に7度目の変更をしてNHKもかなり神経をとがらせていたと思う。ガーシー議員が昨日欠席したことの責任を取り、同党党首の立花孝志氏が党首を辞任し、また党名をどこまで真面目に考えたのか「政治家女子48党」のような非常識な党名へ変更すると発表した。

 いずれにせよ上記2人の国会議員は、理由はそれぞれ異なるが、一般国民の常識とは相当ずれており、この際辞めてもらった方が国民にとってすっきりする。それにしてもどうしてこんな手前勝手な国会議員が輩出するのだろうか。日本の民主主義社会がまだ成熟していないからだろうか。

2023年3月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5678.2023年3月8日(水) 宇宙ロケット打ち上げ失敗、あ~ぁ!

 昨日駒沢公園へウォーキングに出かけたら、河津桜が見事に満開の花を咲かせていて何人かの人がカメラに収めていた。昨日は都内で19℃だったが、今日も21.3℃とGW並みの陽気であり、まさに春爛漫というところだろうか。

 ところが、浮かれてばかりはいられない。科学の分野で大きな失望を抱かされた。昨日期待されていた宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発した大型ロケット(H3)が種子島で打ち上げられたが失敗に終わった。先月の打ち上げでは、主エンジンが点火後に異常が分かり直前で中止となった。しかし、この時機体は損傷せず、そのまま昨日再トライに使用された。昨日の失敗は、打ち上げ後に第2エンジンの着火が確認出来ず、打ち上げ13分55秒後に信号を送りロケットは破壊されフィリピン沖合に落下した。今後検証が必要であるが、機体が失われたために、原因究明には大分時間がかかりそうで開発費用も2千億円以上がかかっておりかなりの痛手だという。文部科学省をはじめ関係機関の失望は大きく、頓挫した宇宙開発事業を再試行のために時間をかけて研究を続けなければならない。この次はいつ打ち上げが行われるのかは予測出来ないが、日本の宇宙開発事業発展のために地道に研究を続けていくより仕方がないと思う。なお、このロケット打ち上げ失敗は、株式市場にもすぐに反映された。三菱重工業の株式は打ち上げ直後に値を上げたが、失敗が伝わると一時前日の終値より3.1%も下落し、H3の補助ロケットをつくるIHIも一時1.9%下落したという。

 ところで、今日3月8日は「国際女性デー」であるが、有名女子大と女子学生とが多く在籍している工業大学、女子のジョッキーが増えた地方競馬会が朝刊に共同で全面広告を掲載していた。そこには、敢えて男女の区別をなくした一般的な呼び方を列記している。例えば、「看護婦→看護師」、「女優→俳優」、「父兄→保護者」、「女医→医師」、「キーマン→キーパーソン」、「保母→保育士」、「主人→夫」、「未亡人→故○○さんの妻」、「嫁・婿→子の妻・夫」といった類である。確かに理解出来る。これも男女同一視化の流れの一環で、男女を敢えて別の表現でする必要がない言葉である。今ではLGBTなど性的マイノリティーの人たちの権利を確立するため、立憲民主党などは同性同士の結婚を法制化する民法の改正案を国会に提出したくらいである。

 こうした動きは、これからも進化することだろう。これによって男女差別が減少することが望ましいが、頑なな保守志向の人たちにとっては果たしてすんなり受け入れることが出来るだろうか。

 因みに世界銀行が190の国と地域における経済面での男女格差に関する調査結果を発表したが、日本は前回調査時より更に後退し、104位で先進国最下位、且つOECD加盟の38か国の中でも最低だった。

 同時にイギリスの経済誌が主要29か国を対象に、女性の働き易さランキングというものを発表した。それによれば、この種のランクでいつも上位にいるアイスランドが1位で、2位スウェーデンなど上位はほぼ北欧諸国が占めていて、最下位は韓国でその前が日本という恥ずかしい順位である。その差は詰まれども欧米並みの男女平等まではまだ時間がかかりそうである。

2023年3月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5677.2023年3月7日(火) 警視庁からの電話にびっくり!

 昨日韓国政府は、戦時中の徴用工の訴訟を巡る問題で、戦後最悪の日韓両国の対立を解消すべく、韓国大法院(最高裁)から日本企業に命じた賠償を韓国政府傘下の財団が寄付金により肩代わりする提案を発表した。これに対して日本政府は、植民地支配の反省とお詫びを盛り込んだ歴代内閣の歴史認識の継承を表明することで韓国政府に対する誠意ある対応をした。これにより日韓両国政府とも一応の政治決着を図る考えである。

 そもそもこの問題は、1965年日韓国交条約締結の際に「日韓請求権協定」を結び、日本が戦前占領下の韓国国民に対して慰安婦や徴用工問題などで迷惑をかけたとして謝罪の意を含み有償・無償合わせて5億㌦を供与した。これにより日本サイドは、戦前の日韓間の問題はすべて解決したと受け止めた。ところが、2018年韓国大法院が日本製鉄と三菱重工等日本企業に対して徴用工らに賠償を命じたことによって、日韓請求権解決の筈がご破算のような状態となり、両国間の問題は暗礁に乗り上げてしまった。2国家間同士の約束が一方の国家の身勝手さによって反故にされたわけである。爾来両国の対立が深まり、北朝鮮問題を抱えてアメリカも同盟国である日韓両国の対立には困惑していた。昨日この韓国側の発表にアメリカも早速歓迎の意を表した。しかし、問題はまだ残されている。この発表に納得しない徴用工や遺族が反対を唱えているのだ。更に、慰安婦問題が未解決のまま残されている。

 発表された韓国の対日融和策の背景には、尹錫悦大統領の就任時からの日韓関係を改善したいとの強い思いがあった。北朝鮮との国交改善を優先し、対日政策には力を注がなかった文在寅前大統領が、任命した親しい大法院院長が、反日的判決を下したのである。それでもこの度一歩前進したということは、長い日韓両国の将来にとっては喜ばしいことであると思う。お互いに歴史的にも強いつながりのある隣国同士であり、これからは未来志向で相互発展していきたいものである。

 さて、今朝警視庁特殊詐欺対策センターから電話があった。昨日受けた詐欺まがいの電話を確認するためのものだった。

 昨日突然玉川警察署署員と名乗る男性からちょっと尋ねたいことがあるという電話があった。私の名前と住所を確認のうえで、見知らぬ2人の人物の名をあげ、知らないかと尋ねられた。1千万円の詐欺事件があり、私の名が出されたという。他に自宅に誰がいるのかと尋ねられ、妻は外出中だったが、ハッと思った。最近頻発する詐欺事件の中で、メディアで話題になり、電話で誘導する詐欺事件がテレビで紹介されたパターンがあるが、どうも尋ね方がそれによく似ていると思ったのだ。そこで、電話をかけてきた警察署員と称する男性に本当に玉川警察署の人かどうかを聞き返したところ、そうだと答えて疑問に思うならすぐに警察に確認したらよいというので、いったん電話をOFFにして玉川警察署に問い合わせてみた。すると直ぐにそれは詐欺だと言われて、経緯などを話したところ間違いなく典型的な詐欺行為だと断言された。今朝の警視庁からの電話は、その事実確認と今後の注意事項として電話は会話を記録するために留守番電話にしておくようにとアドバイスされた。

 いま流行りの巧妙な詐欺事件は全国的に広がっており、パターンがほとんど同じである。それだけに警戒し用心することは出来るが、どうしてこうも単純な事件が頻発するものかと思っていたところである。それが撚りによって私が標的になるとは、本当に油断ならぬことである。これからも気を許すことなく警戒していきたい。それにしても何とか早く気づいて後悔のどん底に突き落とされるのを防ぐことが出来たということは、幸いだった。

2023年3月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5676.2023年3月6日(月) トルコ大地震発生から1か月

 一昨日の本ブログで放送法に政治的な関与を否定した高市早苗・経済安保担当相に対して辛口のコメントを書いたが、昨日ツィッターに高石氏の言動に対して前川喜平・元文部科学事務次官が同じように厳しい皮肉を込めたコメントを発信していた。「ひょっとすると高市大臣は、放送法の政治的公平の解釈改変について、安倍首相と電話したことを完全に忘れているのかもしれない。そうだとすると高市氏は、極度に記憶力が薄弱なのか、或いはこの問題の重大性をまるで認識していなかったのか、どちらかだということになるだろう」。

 同時に立憲民主党の小西洋行参議院議員が政府内部文書を入手して高石氏を問い詰めたことに、文書の信憑性が疑問だとか、捏造されたとか、正面から応えず、挙句に文書が真実だとしたら職を辞めることも厭わないような発言をした。当の小西議員もよほど腹に据えかねたのか、ツィッター上に秘密厳守の政府内部文書80頁分を公開した。部分的に拾い読みしてみると小西議員の問い詰めた通り、2015年と翌年に高石氏の発言が記載されている。

 嘘つき国会議員の高石氏は、自民党内でもしばしば事を荒立てているようだが、4月に行われる地元奈良県の知事選挙では自ら推薦する候補者を強く推し、自民党内で揉めている。現職知事に対して、高石総務相時の秘書官を自民党候補者に推薦し、党内で分裂選挙になる可能性があり、下手をすると日本維新の会が推薦する候補者に漁夫の利をさらわれる心配がある。この人は、どこでも騒ぎを起こすのが普通と見られている。よくぞ総務大臣などを務めることが出来たものである。

 ついては、時は流水の如く流れるというが、トルコ大地震発生から今日で1か月が経過した。被災した現地の状況は復興の気配が感じられないようだ。死者が5万2千人以上も出て、146万人の人々が仮設住宅に入れず、未だテント生活を余儀なくさせられている。この地震では、実に22万棟もの家屋が倒壊した。その後も近くで余震があったので、被災者は復旧する気力も失せたかのようで、日本からも救助隊やボランティア支援の人々が現地入りしているが、中々元の状態へ戻るのは大分先のことのようだ。1999年8月私自身この地震の震源地の近くで発生したイズミット地震に現場で遭遇して被災地の現状をじっくり見たので、他人事ではいられない。

 日本でも来る10日は、東京大空襲以来78年目となり、翌11日には東北大震災が発生してから12年になる。今年9月1日には、あの関東大震災発生100年の記念すべき1日を迎えることになる。そのせいか、最近では南海トラフによる地震発生の可能性や、東北大震災をドラマ化したテレビ番組などが放映されているのが目立つ。いろいろ手を尽くすにせよ、人間にとってこんな厄介な災難、人災は何とかして逃れることが出来ないものだろうか。

2023年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5675.2023年3月5日(日) 懸念される覇権国家中国の行く末

 今日から中国北京の人民大会堂で5年に1度の全国人民代表大会(全人代)が始まった。昨年10月に中国共産党大会が開催される前には、珍しく習近平国家主席を批判する横断幕が掲げられたり、若者たちが白い紙を掲げてデモ行進した。これを警戒して会場周辺では厳しい警戒が行われている。

 開会の冒頭にこれを最後に首相の座から退く李克強首相が施政方針を述べた。李克強首相と言えば、首相就任当初は習近平のライバルとしてその地位を脅かすと噂されていたが、次第に飼いならされた猫のように習主席に自己主張することなく、この大会を最後に7人の最高指導部政治局常務委員からも外れ第一線から退くことになった。後任の首相には、李克強の中の1文字「克」を除いた李強氏が就任する。中国はコロナの影響により政府が掲げたGDPの伸び率が、目標5.5%をやや下回って3%に留まったが、2023年は新型コロナウィルス対策に決定的な勝利を収めたとして、経済成長率の目標を5%前後とした。更に米中関係が対立し、台湾情勢を抱えている中で国防費予算は22年の7.1%を上回る7.2%の約30兆円で軍拡の勢いを緩めない姿勢を示した。

 それら予算以上に懸念されるのは、昨年の党大会で習近平国家主席が憲法で2期10年までと制約されていた国家主席の任期を、憲法を改正してまで1期延長し3期目へ入った身勝手な権力志向により、更に独裁体制を固めるのではないかと見られていることである。そして中国国内で民主的な総選挙を導入せずに、すべてを上意下達で国民を抑え込む専制君主制度に固執することである。国家体制としても覇権国家体制を益々強め、国民の声を聞き入れず、今後も国内外にむけてナチズムを継承し民主政治の欠片も見られないことが警戒される。

 何故習近平は、憲法で決められた2期10年の在任期限を憲法改正してまで3期15年に延長したのか。何故総選挙制度を採用しようとしないのか。国際的にもまったく共鳴されないロシアのウクライナ侵攻に対して、どうして侵略者ロシアを支援しょうとするのか。不遜な習近平国家主席が当面考えを変えるとは考えられないが、このまま総選挙を採用せず国民の声を聞き入れようともしない独裁体制を続けていくなら、いずれ習近平ナチズムは崩壊の危機に陥るであろう。

 前記のように昨年一時的に見られた「習近平退陣」要求の声は、もう盛り上がってこないのだろうか。いまの若者たちに天安門事件当時の若者たちのような行動力を期待出来ないものだろうか。一帯一路と名付けて、経済支援を口実に被援助国家のインフラを整備して相手国の国家的存立基盤を取り込み弱みに付け込むような政策をいつまで続けるのだろうか。このままでは、中国は世界中から嫌われる国家となるであろう。あまり期待出来ないが、今年の全人代が少しでも民主的な明かりが見える大会であることを陰ながら望んでいる。

2023年3月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com