5694.2023年3月24日(金) 寂しい女子大閉学と東芝上場廃止

 暖かい陽気に誘われるように所用で銀行に出かけたが、我が家から東横線都立大学駅を越えて、ずっと先まで呑川緑道と呼ぶ桜並木が続いていて、今や盛りとばかり満開の花を咲かせている。カメラを手にした人たちが三々五々散策しているのも恒例の風景である。随分暖かいと思っていたら今日の都内の気温は、25℃を超えて今年初めての夏日ということである。庭の白梅も散って寂しくなったが、不思議にも昨日辺りから鶯が散った白梅の枝に留まって「ホーホケキョ」と囀っている。風情があるが、少し遅い。梅が咲いている時に飛んで来て欲しかったと身勝手なことを妄想している。

 さて、陽春を迎えようとしている時に、2つばかり寂しい話があり些か気になったので取り上げてみた。

 ひとつは、昨日奈良にいる孫が立命館大学卒業式に出席したと連絡があったが、今日も都内では東大安田講堂をはじめ、日本武道館では法政大学の卒業式が行われ、卒業シーズンも真っただ中である。ところが、女子大学の中には入学者が募集人員を大きく下回り、ついに来年度以降女子大学学生の募集を中止して、女子大学の経営から手を退く大学が現れてきた。いずれ卒業式が姿を消すことになる。東京では恵泉女学園大学が来年度から大学と大学院の新入生募集を中止し、すべての在学生が卒業した後に閉学するという。近年高校を卒業後大学へ進学する女子学生が年々増えてきた。ところが、18歳人口の減少や共学志向などで女子大入学者の定員割れが続いていた。つまり、社会的に大学へ進学する年代の学生数が漸減し、更に女子大よりも男女共学の大学へ進学する女子高生が多くなった。これには大学の立地も関わっていると思う。世田谷区に位置する恵泉女学園中高は、創立113年の名門女子校として知られているが、大学だけは多摩市内にあり、立地は都内とは言え、あまり都会的な空気が感じられない。その点で青春を謳歌したい女子大生には敬遠されたのではないかと思う。同じく2017年にすでに閉学した名門の東京女学館大学も、付属中・高校は130年の伝統があり、渋谷区広尾の高級住宅街にある。今も良家の子女が通う名門校であるが、都内町田市にあった大学は、市の中心部からかなり離れていた。この点は恵泉女学園と同じような環境だった。これからも同様のケースが出て来るであろう。女子大学にとって厳しい時代を迎えたところである。

 もうひとつの寂しい話題は、天下の名門・㈱東芝の株式市場の上場廃止が決まったことである。かつては日立製作所と並んでいた日本を代表する大企業の衰亡ぶりである。あまり詳しいことは分からないが、国内投資ファンドである日本産業パートナーズ(JIP)からの買収提案を受け入れることになったそうだ。家庭電化製品などで業界でも先陣を切っていた東芝が、このような窮地に追い込まれようとは思いも寄らないことだった。東芝のラグビー部は強く、知人も活躍していた。名門国立大を出て勢いのあるころ東芝へ入社した高校同級生は3人もいた。この凋落ぶりは、経営の失敗にあるとされているが、一時は栄耀栄華を極めていた企業がこうも落ちぶれるとは、身から出た錆もあるとは言え、浮き世の厳しさ、辛さと寂しさを感じる。もう手遅れであるが、いつも気持ちを詰めてまい進しないといけないと改めて教えられたような気がする。 

2023年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5693.2023年3月23日(木) 中国、ロシアがナンセンスな共同声明

 中国の習近平国家主席がロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行い共同声明を発表した。しかし、これほど欺瞞的で実効性のない共同声明は滅多にない。アメリカに対抗する両国が、結束をアピールするためだけの会談であり、声明だった。

 共同声明のポイントを見てみると、主要な問題はウクライナであり、3点に要約される。①中国の客観的で公正な立場を評価し、②和平交渉の早期再開に向けたロシアの考えを確認し、③国連安全保障理事会の議決を経ない独自制裁に反対する、というものである。すべて身勝手でまったく説得力のない声明である。中国の客観的で公正な立場とは、何か。両国だけで吹聴しているだけではないか。中国が客観的で公正な立場を取っているとはとても思えない。また、ロシアに占領地は返還しないと言いつつ和平交渉を行う気持ちがあるとはとても思えず、ポーズを取っているだけであるし、国連安保理事会の議決をいつも否定しているのは、中国とロシア両国ではないか。こんなナンセンスな共同声明を国際社会に開陳して恥ずかしくないのかと問いたい。他にも両国の身勝手な見解と言い分を盛り込んでいる。

 中国とロシア両国の腹の内は、とうに見透かされている。ロシアはウクライナから撤退の意思がなく、対話と和平を主張しているだけである。それを承知しながら、ロシアに恩を着せてロシアを手の内に取り込み、アメリカや西欧諸国、日本、韓国などに対抗しようと考えている中国の腹黒さは今に始まったことではない。心配なのは、中国・ロシアとアメリカとの間に一層の亀裂が生じて、一触即発の事態を招かなければ好いのだがと願うばかりである。

 昨夕NHKが伝えたウクライナとロシアの関連ニュースの中で、ロシア人に対するアンケート調査の結果を公表した。それによると、プーチン大統領の政策を評価するかとの問いに対して83%が賛成と答え、戦争をこのまま継続することに43%が同意し、和平交渉に50%が賛成だった。そういう風に国民をプーチン思考に洗脳し、国際社会の一般的な考えとは逆の方向に誘導するのがプーチン体制下のロシアである。また、それを上手に利用し、付け込もうと言うのが中国の腹の内である。そんなことは常識人なら察しがつく。中国とロシアは猿芝居をやって世界に不幸をばらまいているとしか思えない。

 さて、日用品の値上げが続いているが、これまで日本の経済を支えてきた酪農業がピンチに追い込まれている。このところ農業の中でも酪農農家の経営が苦しいという声が聞かれる。我が家でも毎日200ml瓶を配達してもらっている。それが4月から1瓶143円が148円に値上げされる。牛乳販売店から数枚の値上げ事情を記した丁寧な説明書を受け取ったが、牛乳には他の商品とは異なり、難しい事情が潜んでいる。現在乳牛の飼料代が経営コストのほぼ半分を占めているが、その飼料代が急騰したのだ。そして酪農家が抱える難問は、乳牛は暑さに弱く夏に乳が減少する。生乳の四季による需給調整が難しい。飲用牛乳は、日持ちがしないことから輸入が出来ず、すべて国産である。これらのことから酪農家としては、生乳を得るまでに相当頭を悩ますようだ。私自身父親が乳業会社に勤務していたが、こういう酪農業の実情についてはあまり聞かなかったので、今改めて乳業の経営の難しさを知ったところである。健康のために子どものころから毎日牛乳を飲み、それが今まで健康体でいられた原因であると思い、今も毎朝ヨーグルトとチーズを食しているが、気持ちのうえでも乳製品を食べていると気分的に落ち着くような気がする。政府の農業政策には、格別農業経営に配慮する気持ちが見られず、それが農家を一番困惑させているようだ。

2023年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5692.2023年3月22日(水) 岸田首相ウクライナ訪問直後に日本WBC優勝

 昨日夜のニュースを聞いて些か驚いた。インドを訪れていた岸田首相がお忍びでウクライナを訪れ、昨夜ゼレンスキー大統領と首脳会談を行ったのである。1月末に大統領からウクライナ訪問を要請され、首相は5月開催のG7広島サミットで議長を務める立場上、更に各国首脳がすでにウクライナを訪れていることに鑑み、首相自身何とか訪れたいとの希望がありながら、諸般の事情から実現されなかった。首脳会談後の共同記者会見で、首相はウクライナへ殺傷能力のない装備品を支援することを明らかにし、大統領は広島サミットにオンラインによる参加を表明した。

 岸田首相は早くからウクライナを訪問して、日本の経済支援を直接ゼレンスキー大統領に伝えたかったが、昨日までそれが出来なかった。それは国会開会中の首相外遊が難しいということの外に、警備上の問題があった。自衛隊が護衛することは問題があり、適当にして厳重な護衛手段が見つからなかったという。そのため今回は大掛かりな警備体制を行わずに、密かに相手国の協力を得たうえで忍者的行動によりウクライナ入りした。首相は19日にインドへ向かい、今年G20主要20か国首脳会議議長国を務めるモディ首相と会談を行い、その後21日には日本へ帰る予定だった。一部の自民党幹部にしかその行動は知らされず、外務省課長もメディア関係者もまったく寝耳に水だった。日本からチャーターした民間機でニューデリーから、ポーランドへ向かった。そしてポーランドから陸路列車で首都キーウへ到着した。この行程はバイデン大統領が2月に訪れた時と同じである。岸田首相としては、念願を果たしたと言えよう。それにしても将来のことも考え、こんな忍者行動をしなくても済むように要人警護体制を考えるべきではないか。

 岸田首相のウクライナ訪問は、欧米のメディアではそれなりに評価されているようだ。ホワイトハウス報道官は、ウクライナへの強い支援を示す一つの例であると語った。イギリスのBBCは、偶々中国の習近平国家主席がロシアを訪問したことに触れ、「中国と日本の指導者は、紛争で敵対する国々にそれぞれ戦略的に訪問した」と述べたうえで、「習近平主席がモスクワを訪問したのは、影響力を拡大させるためで、同じ時期に岸田首相がウクライナを訪問したことは、地政学的な混乱の中で日本の立ち位置について強いメッセージを送るものだ」と岸田首相の訪問の意義を分析した。

 さて、WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)野球の日本代表チーム「侍JAPAN」が、今日決勝戦で前回の優勝チーム・アメリカを3X-2で破り14年ぶりに3度目の優勝を成し遂げた。中々迫力のあるゲームで途中一部テレビを消したが、最後の場面では再び緊張して観ていた。アメリカの選手は強打者揃いで、実績だけ比較したら勝てる根拠はまったくなかったが、日本はまとまってそれぞれの選手が自分の役割を果たしていた。注目の大谷翔平選手は、3番DHで出場したが、9回には投手として試合を締めた。結局大会最優秀選手、最優秀投手、最優秀DHの個人賞まで獲得した。

 3月9日に始まって今日まで約2週間昨年のサッカー・ワールドカップに劣らぬ人気で日本中を興奮させたが、この人気に配慮したのか、伊藤忠商事㈱のように社員にゆっくり見せてあげた方が、その後のやる気を起こさせるとして都内本社ビルの2,500人収容の大会議室で、出勤扱いにしたうえプロジェクター・スクリーンで社員にWBC決勝戦を観戦させたようだ。

 社員の勤務意欲を失わせないよう配慮しているのも時代の移り変わりの影響であろうか。間もなく日米ともプロ野球がシーズンインし、半年間に亘る激しいペナント争いが始まる。WBC出場選手たちも気持ちと体のコンディションの調整にはしばし戸惑うことだろうが、WBCで活躍した選手たちが、更に飛躍されんことを期待している。

2023年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5691.2023年3月21日(火) WBC準決勝で日本チーム逆転サヨナラ勝ち

 春分の日である今日午前、マイアミでWBC準決勝・日本対メキシコ戦が行われ、日本は最終回に昨年最年少で三冠王を獲得した村上宗隆選手が逆転サヨナラ二塁打を放ち6X-5で勝ち、明日の決勝戦アメリカ戦へ臨むことになった。これまで一時予選、準々決勝では比較的余裕のある戦いぶりで順当に勝利を重ねてきたが、流石にベスト4まで勝ち進むと手ごわい相手が待っている。メキシコ・チームはほとんどメジャーリーガーが占めていたが、日本チームにはメジャーリーガーが4人しかいない。明日の相手アメリカはもちろん全員がメジャーリーガーであり、勝つのは容易ではないだろうが、投打以外のチームワークとか、試合運びなどは日本の方が優れていると思う。予選ではアメリカは、今日日本が勝ったメキシコに敗れている。アメリカのスポーツ・メディアの中でも日本の優勝を予想している記者がかなり多いようだ。油断しているだろうアメリカに一泡も二泡も噴かせて、3大会ぶりに世界一のタイトルを奪回して欲しいものである。

 さて、昨日57年前に起きた袴田事件に関して、東京高裁が検察の即時抗告を棄却して再審開始を認める決定を下した。これについては、14日の本ブログに触れたところである。これは東京検察庁が最高裁に期限である昨日までに特別抗告を行わなかったので、静岡地裁で再審を開始することが決まったということである。

 再審開始が決定となるや袴田事件の支援者は、大きな喜びを爆発させた。40年以上も以前に死刑が確定してから漸く袴田巌に疑いを晴らす機会が訪れたのである。これまで死刑が確定した事件で再審が開かれたのは袴田事件が5件目で、過去の4件はすべて無罪が言い渡されている。長年に亘って弁護人を務めてきた弁護士らは、感極まったのか涙を流して喜びを表していた。昨日のテレビ映像を観ていると、散歩から帰ってきた袴田巌にこの吉報を伝えても彼は直ぐに喜びを表すようなことはなかった。87歳となった現在若干認知症の兆候が見られるようである。半面これまで死刑囚の袴田を支えてきた90歳の実姉は、支援者とともに抱き合って喜んでいた。この姉なくしては、とてもこの裁判は続けて来られなかったと思う。

 袴田には、数多くの支援者が団体を立ち上げて支えた。日本プロボクシング協会が正式に支援を表明してから、世界ボクシング評議会が名誉王座を授けたり、袴田が獄中で洗礼を受けたこともあり、キリスト教人権団体や、アムネスティ・インターナショナルが無実を訴えていた。

 今後は、自由の身となるまでそれほど時間はかからないと思う。弁護団も一刻も早く無罪判決を勝ち取ってその結果を袴田姉弟に聞かせたいと、裁判所に迅速に裁判を進めるよう働きかけていくらしい。袴田巌はいつ自由の身になることが出来るだろうか。失った時間があまりにも多かったため、人生ももうあまり長く残されてはいない。それだけに早く事件を決着させ袴田を自由の身にしてあげたいものである。

2023年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5690.2023年3月20日(月) 天才棋士・藤井聡太新棋王、6冠に

 昨日将棋・棋王戦で20歳の藤井聡太5冠が、渡辺明棋王を破り、新たなタイトルを獲得した。これで藤井新棋王は、「王将」、「竜王」、「王位」、「棋聖」、「叡王」、「棋王」の6つのタイトル・ホルダーになった。6冠は羽生善治9段以来2人目で、しかも20歳8か月の6冠は、羽生九段の24歳2か月を上回る史上最年少である。残されたタイトルは「名人」、「王座」の2冠であり、これを獲得すれば、8冠になる。彼はもう天才であろう。一層の活躍を期待したいと思う。

 さて、いまから20年前の今日、イラク戦争が始まった。ちょうど私が会社を辞めたころである。以前に下重暁子・日本旅行作家協会会長から、近藤さんはイラクやラオスを訪れたら現地で良い取材が出来るように思うので訪れてみてはどうかとアドバイスされたことがあるが、確かにイラクにはメソポタミア周辺やバビロンには歴史的観光地がある。訪れてみたいと考えていたが、その間に戦争が泥沼化して残念ながらその機会を失ってしまった。その後イラクでは延々戦闘が続けられ、8年8か月後の2010年8月、オバマ大統領の「戦闘終結宣言」によって漸く戦火は止んだ。そもそもこの戦争は、ほとんど国際社会の理解を得られていなかった。ウクライナ戦争と同じである。アメリカが9.11テロにつながる恐怖心とアフガニスタンでアルカイダを追放したとのおごりから始まったものである。「有志連合」と名乗ってはいたが、アメリカの他にイギリスとオーストラリア、それに一部部隊を派遣したポーランドが参加しただけの一部の軍事介入だった。特に問題となったのは、イラク国内に大量破壊兵器があると疑心暗鬼に陥り、「有志連合」は非民主的なフセイン政権打倒のためと称して軍事行使に踏み切ったことである。しかし、肝心要の大量破壊兵器は発見されなかった。アメリカがこれほど国際社会に恥を晒したことはなかった。これもおごりと客観的に検討することが不十分だった機能不全と言うべきものだった。

 戦争とその後のイラク国内における混乱により、イラクでは20万人以上の死者を出し、アメリカ兵やその関係者も約9千人が犠牲になった。その後のアメリカ軍による占領政策は、イラク人の気持ちを配慮出来ないまま、フセイン政権下ではスンニー派が支配したが、フセイン政権崩壊後はシーア派が勢力を盛り返す宗教間の対立もあり、国内は混乱するばかりだった。結局アメリカのひとりよがりの占領政策は失敗と言って良かった。

 イラク撤退と同じように一昨年アメリカ軍が占領下のアフガニスタンから撤退した後、追放されていたタリバンが再び権力を取り戻して、徹底した女性差別やイスラム教義の信仰などでイスラム化を強要した民主主義の破壊行為を繰り返している現実を見れば、アメリカの占領がここでも失敗だったことは明らかである。

 これらのトラウマと屈辱が、いまアメリカがウクライナ侵攻について声を大にしてロシアを非難出来ない理由ではないかと思う。

2023年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5689.2023年3月19日(日) 公益財団法人日本相撲協会の改革を

 一昨日我が家に泊まっていた3人の孫たちが奈良へ帰って行った。見送りがてら横浜市内に住んでいる次男家族4人と待ち合わせ、新幹線新横浜駅近くで会食をした。2人の孫娘は大学生でまだすべてに子どもっぽい印象を受けるが、来月から新社会人になる孫息子は、幼いころに比べて大分成長し、大人になったような印象である。本もよく読んでいるようで考え方も頼もしくなったし、行動もしっかりして、あまり雑事に物怖じしなくなったようだ。高校生になったころは、やや引き籠り気味で何となく頼りなかったせいもあり、少し外国の実情を見せた方が良いと考えて、1年生の夏休みにサンフランシスコとヨセミテ公園に連れて行ったことがある。これから社会人となってどれだけ成長するだろうか、楽しみにしている。

 さて、WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)で大盛り上がりの野球に比べて、いま春場所最中の大相撲が、どうも今一つ盛り上がらない。先場所優勝した大関貴景勝が、今場所横綱昇進を目指したが、それが6日目で3勝3敗となったうえに、左膝の故障で昨日の7日目に休場してしまった。これで横綱・照ノ富士の休場と併せて、昭和以降で初めて横綱と大関が不在の場所となった。昨日7日目の結びの一番が、関脇・若隆景と前頭4枚目・阿武咲の対戦という些か物足りない取り組みとなってしまった。これでは盛り上がらないのも無理はない。平成時代には、若貴兄弟横綱時代や、白鵬、日馬富士、鶴竜のモンゴル出身3横綱が覇を競った時期もあったのが、今では横綱、大関がひとりも土俵に上がらない寂しい場所となった。照ノ富士、貴景勝のいずれも膝を大きく損傷しているようだが、この責任は日本相撲協会にもあると思う。
 それは、力士にケガが多く、それを回復させるための時間があまりにも少な過ぎることである。現在1年に6場所も行われるが、それだけで90日も土俵上に上がらなければならない。その上次の場所が開かれるまでの間隔が1か月半しかない。しかもこの間地方巡業という本場所以上に厳しい稽古の日が続く。これでは、とてもケガを直している時間が足りない。かつては「1年を20日で暮らす好い男」というくらいお相撲さんは、次の場所までのんびりと休むことが出来た。これならケガも直しやすい。
 いまの幕内の相撲を観ていると身体中に包帯や湿布をしている関取が目立つ。相撲協会も金儲けばかり考えず、協会の財産である力士の健康管理に気を遣い、年間6場所の内1~2場所を削減することを検討してみる必要があるのではないだろうか。

 日本相撲協会はプロスポーツ組織の中では珍しく、公益目的事業の公益財団法人として認められ、国から税制上の優遇措置を受けている。両国国技館も自前の施設であるため、大阪、九州場所以外は本場所の出費もそれほどかからない。全収益の内約85%が相撲事業による収益で、利益は100億円を超えていながら、支払った法人税等は僅か15万円程度である。この規模の株式会社なら税金は、通常2億3千万円ほどになる。1場所くらい減らしても財政的に苦しいことはないと思う。この優遇措置に対して実際一部に批判的な声が聞かれている。一般論として気がかりなのは、相撲協会内には「改革」、「成長」、「発展」の産声が上がらないことである。観客の入場料とNHK放映権料が安定した主たる収入である上に、幕下以下の力士には給与も支払っていない。理事長以下の人事も力士OBだけに委ねられ、有識者や外部の現実的な声は採り入れられない。大分以前から旧制度を継承し、人事の刷新も見られない。旧態依然のままである。国が直接介入、指導しても高市大臣のように圧力を加える3流の政治家が口出しするようでは問題になるが、もう少し監督官庁が普段から実態をチェックして、財産である力士の健康管理のためにも力士が過重労働に追い込まれていないか、場所数を減らしではどうか、等々彼らの健康面での負担を軽減するなど、適宜アドバイスするなりして硬直化した組織と運営を進歩的な組織へより改革する必要があるのではないだろうか。

2023年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5688.2023年3月18日(土) プーチン・ロシア大統領に逮捕状

 昨日国際刑事裁判所(ICC)は、ウクライナ戦争における犯罪の容疑でロシアのプーチン大統領に逮捕状を出したと発表した。容疑は、昨年2月の侵攻以降、ロシアが占領したウクライナから子ども1万6千余人を含む住民を、不法な移送によりロシアに連行した行為に責任があるとしている。これを欧米では評価している。ゼレンスキー大統領は、子どもの連れ去りは国家の悪だとして、ICCへ謝意を表した。EUのボレル外交安全保障上級代表は、「説明責任を果たすためのプロセスの始まりだ。われわれはICCの活動を評価し、支持する」と表明した。

 その一方で当のロシアでは、メドベージェフ前大統領をはじめ高官らが一斉にICCに反発した。プーチンと同じく逮捕状を出された子どもの権利担当のリボワベロワ大統領全権代表は、ICCが問題視したウクライナの占領地からの子ども連れ去りは「保護」であると都合良く考え、今後も仕事は続けると宣言した。ぺスコフ大統領報道官は、逮捕状は言語道断で容認出来ないと述べ、ロシアがICCに非加盟である以上決定は無効であるとの立場を示した。

 アメリカやロシアが非加盟なICCであるにしても、国際的に容認された裁判所の判断を容疑者が同意しなくとも、この判断は国際社会で広範に行き渡り徐々に説得力を持ってくる。ロシア国内では不満があろうとも、戦地から幼い子どもを連れだし、虐げたり洗脳教育を施すのは、行き過ぎと言われのも当然である。

 しかし、ロシアには、プーチンに同調した同じような軽薄な考えを抱いている御仁も少なくない。昨年10月には、国営テレビRTの司会者が、ウクライナの子どもを「溺死」「焼死」させる必要があったと番組で発言し、国内外で大きな問題となったことがある。この時は流石にロシア連邦捜査委員会も調査を指示し、RTは司会者の出演を打ち切ったことがある。ロシア国内には、こうした人道的にも許されない甘い空気があるが、それが今回ICCの裁きの遠因となったのではないかと思われる。この結果、考え難いことだが、プーチン大統領が無防備に外国を訪れるとその地の警察によって逮捕される可能性もあるということである。

 そうした非道の国ロシアへ中国の習近平国家主席が、20~22日に公式訪問することが発表された。訪問はプーチン大統領の招きによるものであるが、怪しげな匂いも漂ってくる。それは、中国がロシアに対する国際世論が厳しいこの時期に敢えて招待を受け、利のない公式訪問を行うのは、それなりの打算的な考えがあるからだと思う。現状では中国は対立しているアメリカと友好関係を強めたところで所詮何事もアメリカの後塵を拝することが分かっており、それは極力避けたい。それより一方のロシア側に支援し近寄ることによっては、ロシアを自家薬籠中のものにさせることにもなり、アメリカに対してライバルとして立ち向かえるという読みがあるのではないか。ロシアのやり方が国際社会で受け入れられることはないということは分かり切ったことである。にも拘わらず、この機に中国はアメリカの対抗軸としての立場を明確に打ち出そうとしているのではないだろうか。

 

2023年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5687.2023年3月17日(金) WBC熱気の中で、高市大臣の処分は?

 日本中がWORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)に盛り上がり、湧き上がるような興奮した雰囲気である。昨年行われたサッカー・ワールドカップと同じような空気である。だが、サッカーより年配者、女性ファンが多い野球なので、その熱気は分かる。それにしても試合会場の東京ドームには開始時間の何時間も前から多くの人々が集まっている。日本代表チームは、9日から12日まで行われた4連戦では、すべて危なげなく勝ち1次リーグを1位で通過した。スタンドは連日満員で、そのうえ放映された全試合のテレビ視聴率が並外れて高かったことが分かった。ビデオリサーチによる先週の世帯視聴率は、WBCの日本戦がすべて上位を独占し、その視聴率も韓国戦の44.4%を筆頭にすべて40%台だったというから驚いた。昨日の準々決勝戦は更に上がり48%だったそうだ。これを上回るのは、2006年サッカーのワールドカップ・ドイツ大会で対オーストラリア戦の49%、対クロアチア戦の52.7%だけである。

 いつもなら大相撲がベストテン入りするが、初日の大相撲がやっと10.6%で20位に入った程度である。通常トップでもせいぜい20%を少々超える程度であるのに、ほぼその2倍にあたる人々がテレビを視聴していたから、いかにWBCの試合が人気があって多くのファンが楽しんでいたかが想像出来る。

 メディアが大きく取り上げている大谷翔平選手も投打に活躍し、「ショーヘイ・フィーバー」襲来である。昨晩はトーナメント準々決勝でイタリアを破り、日本はベスト4に進出したが、その直後の今朝3時過ぎには、取る者も取り敢えずチーム一行は、専用機で準決勝、決勝戦が行われるアメリカのマイアミへ向けて「優勝」を期して羽田を飛び立った。今度はアメリカから熱風を吹き込んでくれることだろう。

 さて、去る9日のブログで高市早苗・経済安保担当相とガーシー参議院議員の言動について批判したところだが、2人は一向に反省することもなく、返す刀で反論している有様である。特にガーシー議員は、一昨日参議院本会議場で議員除名を言い渡された。それでも自分に投票してくれた有権者以外には、誰にも謝罪する気持ちはないと述べた。議員失格を機にガーシー氏は国会議員の不逮捕特権を失ったことから警視庁は逮捕状を出した。旅券の返納命令も出されて、その効力が発生したら外国に滞在する資格を失い、強制送還される可能性が高い。ガーシー氏の言い分はまったく自己本位で、誰からも理解されないと思う。ガーシー氏はもう帰国しないと言い張っているようだが、旅券が無効となったらどの国にも滞在出来ない。どうも理解し難い人であり、その行動である。よくもまあこんな人が、28万票余も得票できたものである。彼の不祥事には彼に投票した有権者にも大きな責任がある。

 他方、高市大臣「行政文書捏造」については、相変わらず説得力のない詭弁を弄してメディアをはじめ各界から批判が出ている。ネットではラサール石井氏や、江川紹子氏から厳しい非難が浴びせられている。もともとやや傲慢に見えた高市氏だが、総務省の行政文書に関する自身の説明について「捏造」と断じ、そうでなかった場合は議員辞職をするとまで公言した。しかし、総務省自体が正式文書だと認めるや、「事実じゃない」と反論した事実に対して15日参議院予算委員会で野党から、「発言が変わって答弁が信用出来ない」と痛い点を突かれると、高市大臣は開き直って信用出来ないならもう質問はするなと突っ張った。このやり取りにラサール氏は、「信用出来ないから質問するのだ。前言を翻して信用しろとは傲慢にもほどがある」とすっかりおかんむりである。ラサール氏は、高市大臣が行政文書と国会答弁の正当性を貶めたことは、「万死に値する」とまで批判した。

 他にも高市大臣に対する非難が集中している。それでも一部を除いて与党自民党内からはガーシー議員は非難すれども、高市大臣を批判し、攻撃する声は聞こえてこない。素直に謝罪もせず、自らの極論を押し通そうとする狂った大臣をこのままにしておいて良いのか。こんな国会議員は国家、国民にとって存在すること自体がマイナスであり、即刻辞職させるべきである。

2023年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5686.2023年3月16日(木) 社会に出てから60年、退職してから20年

 いまから60年前の1963年の今日、社会人としてスタートした。まだ大学の卒業式を1週間後に控えていたが、新たな気持ちで入社式に臨んだ。その日入社式会場である経堂の教習所傍を小田急新型ロマンスカー(NSE)が警笛用メロディーを鳴らしながら通過して行った。その日からNSEは運行を始めたと聞いたが、その斬新なデザインが人気を呼んだ。この日から40年間小田急に勤務して、社会人として悲喜こもごもいろいろな経験をさせてもらった。

 いただいた初任給は普通の学卒者の平均額18,000円だったが、6月に新年度の昇給があり19,600円に上がった。いま世間では、年中行事である春闘による労使の交渉が行われているが、物価の高騰のせいもあり多くの企業が賃上げに応じている。因みに三井住友銀行の今年度の学卒者の初任給が、昨年度より5万円も上がり255,000円になったという。我々の初任給に比べて14倍余に上がったことになる。

 それに比較すると最初に勤務した町田駅(当時は新原町田駅)から新宿まで片道90円だった運賃が、いまは370円であり4倍ほどで、物価に比べればそれほど値上げされてはいない。基幹産業である鉄道運賃は比較的低めに抑えられている。いまでは鉄道会社もコロナ渦による乗客減少で経営が厳しくなったが、それまでは日銭が入り、それも利用者前払いで確実に入金されるので経営的には割合楽で、監督官庁の国土交通省も運賃値上げを中々認めようとはしなかった。経営が安定した鉄道会社で旅行会社の立ち上げに関わり40年間務めることが出来た。そして退職したその日から今日までちょうど20年が経過した。長かったが、短かったような気もする60年である。この60年間一時的に落ち込んだ時期もあったが、大筋ではひたすら前を向いて歩いてきたつもりである。憧れだった海外にも度々出かけることが出来て、多くの人と知り合い、臨場感で多くのことを学んだ。残りの人生はそう長くはないと思うが、改めて身体が続く限り前向きに進んでいきたいと思っている。

 今日韓国の尹錫悦大統領が来日した。韓国大統領が訪日したのは、実に12年ぶりである。最悪の日韓関係を両国ともに打開したいと考えていたが、一向にその動きは見えなかった。それが、良好な日韓関係を回復させたいとの思いが強い尹大統領が、行き詰まった元徴用工問題の賠償支払いを日本企業に科した韓国大法院の判断について、韓国政府の下にある財団が原告に支払う解決策を発表した。韓国サイドが掘った穴を埋め戻した印象である。それはともかくこれに岸田政権は応える形で、日本が半導体などの製造に必要な品目について対韓輸出規制の解除を決定した。これに韓国もただちに日本の輸出規制措置に対する世界貿易機関(WTO)への提訴を取り下げることを決めた。幸先はまずまずである。

 そして午後岸田首相・尹大統領の首脳会談によっていくつかの懸案事項について前向きに話し合われた。日韓間には、慰安婦問題、領土問題などいくつかの未解決の問題が残されている。これまでにも両国政府間で協定を結んでも韓国が一方的に蔑ろにする国際問題を起こしている。その点をじっくり話し合って2度と同じ失態を繰り返さないでもらいたい。今朝も北朝鮮が日本海にミサイルを発射した。北朝鮮は日韓両国の足元を見ている。日韓両国が正常な外交関係を結ぶようになれば、北朝鮮もおいそれとは邪魔だてすることは出来まい。

2023年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5685.2023年3月15日(水) 小学生時代の英雄・橋爪四郎選手逝く 

 昨夕奈良に住む長男家の孫たち3人がやってきた。3人とも大学生で、初孫になる男子が4月から社会人になるので、妹たちと最後の春休みをのんびり過ごしたいと我々祖父母宅に滞在しに来たものだ。今朝早々にディズニーランドを楽しみたいと3人は揃って出かけた。その折初孫が、今朝のニュースでロシアとアメリカの航空機が衝突したことを知ったと言うので、これはドえらいことになるぞと気にかけていたところ、黒海の上空でアメリカのドローン機が、ロシアの戦闘機と衝突して墜落したことが分かった。ロシア側は、ロシア機は直接接触はなかったと説明したという。双方に死者は出なかったし、それほどの大事ではなかったようなのでホッとした。ところが、米ロ両国は、互いに相手の無謀を攻め対立してまったく嚙み合わない。国際上空域内のことであるが、いま黒海周辺はクリミア半島をロシアが一方的に併合して以来緊張感に包まれている。しかし、このような事件が今後も起こる可能性があり、正に一触即発状態になってきた。それが大事に至らなければ好いのだがと今後の動向が懸念される。

 さて、昨日作家・大江健三郎氏の訃報について書いたが、今日は子供のころに憧れたスポーツマンのひとりが亡くなったと朝日朝刊死亡欄に載っていた。戦後日本の水泳界を「フジヤマのトビウオ」古橋広之進とともに引っ張って行った橋爪四郎氏である。戦後疎開していた千葉県勝山町(現鋸南町)の小学生時代にラジオ中継放送を聴いていたが、全米選手権に出場した日本選手が活躍し、中でも古橋、橋爪2人の活躍は目覚ましかった。古橋は1着、橋爪は2着になったが、その記録は出場した400m、1500m自由形ともにその数か月前に開催されたロンドン・オリンピックの優勝タイム、及び当時の世界記録を上回るものだった。

 日本がオリンピック参加を認められた1952年ヘルシンキ大会では、日本水泳陣は大いにその活躍を期待されたが、すでに全盛期を過ぎていた古橋は、400m自由形で8位だった。その一方、橋爪は1500m自由形でフォード・コンノに次いで銀メダルを獲得した。古橋が敗れてプールから立ち去る姿に寂しさが漂いNHKアナが涙を流しながら古橋を責めないで下さいと放送した実況シーンが強く印象に残っている。古橋はその後日本水泳連盟会長や、JOC会長などの要職を歴任したが、2009年8月世界選手権中に開催地ローマで亡くなり、橋爪は「~ヒロさんとともに競技できたことを誇りに思う~」と哀悼を込めたコメントを述べた。奇縁なことに不幸が連鎖するのか、橋爪の実兄(玉置正和・元千代田化工建設社長)も今月2日に亡くなったばかりである。

 我々が子どものころは娯楽が少なくテレビなんてなかったせいもあり、ラジオだけを頼りに人気スポーツや、そのスター選手に憧れて中継放送を聴きながら胸をワクワクさせていた。野球なら川上、大下選手、相撲なら羽黒山、千代の山、水泳なら古橋選手に橋爪選手らである。今の時代の子どもたちはどうだろうか。なんでも不自由で思うように希望を満たせない、そんな時代だったからこそ、今以て橋爪選手への応援と思いは尽きない。橋爪選手は享年94歳だった。心よりご冥福をお祈りしたい。

2023年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com