5704.2023年4月3日(月) 大阪は反対の多いIRをどうするのか。

 来る9日の統一地方選で大阪府知事選と大阪市長選も行われる。実は、大阪では2025年に大阪・関西万博が開かれ、会場である人工島の夢洲に大阪府と市が誘致を進めている統合型リゾート(IR)の用地の賃料が不当に安く決められたとして、昨日市民グループがIR事業者と契約を結ばないよう提訴した。

 実はその前段階として、契約締結以前にIRが賭博場であることを理由にIR自体と契約することに大阪府民から反対の声が強かった。しかし、いつの間にやら契約が締結されてしまった。大阪万博は計画当初から海上を埋め立てて人工島を造成し、そこへ賭博場をつくるという計画自体が大阪府と市の強引さによって決定された。2016年松井一郎市長は説明会でIRとカジノには一切税金は使わないと公言した。だが、21年になると液状化が問題となり対策費の負担を巡って市当局内部でIR推進局と港湾局が対立し、同年10月に市長は大阪市議会で公約違反を冒してまで「費用負担は必要」と表明した。その挙句に昨年4月市長はカジノリゾートである夢洲でカジノを行うカジノ事業者から埋立地特有の課題対策への負担が大きいとして対策費の負担を求められ、790億円の巨額の投入を決定した。松井市長の言い分がふるっている。借地料として毎年25億円もらえば、30年で750億円になるというものである。地方行政のトップとしては、おめでたいとしか言いようがない発言である。

 こうしてとかく問題のある賭博場を当面は赤字で発足させ、万博を一見華やかにしようとしている。この後始末はどうするのだろうか。松井市長は9日投票の選挙には出馬しない。お荷物だけを市に委ねて体よくトンズラするつもりである。市の発展などはまったく眼中にないようだ。万博におんぶして悪評高い夢洲賭博場を残して大阪もその尻ぬぐいに追われることだろう。それでも選挙前の予想では、松井市長と吉村知事の日本維新の会が大阪では大分有利だという。まったく選挙とは分からないものだ。
 さて、先月28日に音楽家の坂本龍一さんが直腸がんで亡くなったと公表された。日本人としては珍しいほど海外でも評価され、国内外で映画音楽などを作曲して数多くの賞を授与されていた。中でも1983年に映画「戦場のメリークリスマス」に出演しながら、その映画音楽ではイギリス・アカデミー作曲賞を受賞し、88年には映画「ラストエンペラー」では、アカデミー賞作曲賞とグラミー賞を受賞している。「戦場のメリークリスマス」は、幸いにして鑑賞したが、映画も音楽もとても素晴らしいものだった。音楽家として活躍すると同時に、社会活動家としても反戦、反核運動で市民と一体となって活動し、東日本大震災の被災地でコンサートを行って被災者を励ますことにも熱心に取り組んでいた。

 先日作家大江健三郎氏が亡くなり、今また音楽家の坂本龍一氏が逝った。いずれも一世を画された文化人である。寂しいことである。

2023年4月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5703.2023年4月2日(日) おかしくないか? 天下り天国日本

 霞が関の役人の天下りは知る人ぞ知る話だが、ここ数日話題となっている天下り要求には空いた口が塞がらない。元国交省東京航空局長が強引に「空港施設」会社の役職に就きたいと要求して役員になり、一昨年代表権のある副社長になったが、今回やり玉に挙げられたのは、東京メトロに天下りして会長職にある元事務次官が、会社に割り込んで当の副社長を社長に任じるよう要望したという。国交省には、運輸省と建設省が合体しただけに大事業の許認可権が多く、民間企業が認可を得るために低姿勢で対応するケースが多い。つまりお役所に対して企業は弱い立場にいる。その弱点に付け込み圧力をかけて民間企業へわがままな人事を押し付けているのだ。

 以前にある私鉄会社の友人に聞いた話では、しばしば国交省から役人を受け入れるよういろいろのルートを通して要望があるようで、会社としては何とかそれを逃れようといつも考えているということだった。財務省や経済産業省、農林水産省なども所管の民間会社への役人の第2の人生探しで画策しているようだ。

 それにしても利便はあるだろうが、民間会社が適正な経営をするために知恵と努力を払ってやっているのを、現場の実務を知らない役人が中途で入り込んで権威をひけらかし高給をさらっていくのは、社内のモラル上も良くないと思う。昔から日本はお役人には逆らえないとの冷めた空気があり、押し付けられれば運命と思い、諦めているようだ。後から後から繰り返される悪習慣を見直すべきだと思うが、常に有利な立場の役人が遠慮するようにならなければ、日本のビジネス界からこの悪習は消えないのではないか。「空港施設」会社役員からは、「奴隷のように言うことを聞けとも聞こえる」との声まで出たという。役人側に反省の気持ちがなければ、これはいつまでも引きずっていく、厄介な問題であると思う。

 さて、このところメディアでも取り上げられている「チャットGPT」が、膨大な個人データの収集に個人情報保護法違反の恐れがあると各国の保護当局が調査に乗り出したという。その中でイタリアのデータ保護当局が一部の使用を一時禁止すると発表した。具体的にこれを使用したことはないが、あるテーマについていくつかの情報をインプットしてより論理的で具体的な文章を得たい場合には効果的だとされて、アメリカの大学などでも学生がレポートを仕上げるのにチャットGPTを使用するケースがあるという。しかし、それでは学生が考えたり、ディベートしたりするのに時間を割かないことになり、考えない学生を生むことになり、一部ではその効果について疑問視されている。日本ではまだあまり使用されたという話を聞いていないので、話題にはなっていないが、イタリアの例を考えれば、そう軽々に使用するのはどうかと思う。大体AIの技術発展は良しとして、頭の中までAIに頼るというのは、あまりにも安易で怠惰ではないだろうか。

2023年4月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5702.2023年4月1日(土) 新年度スタート、悲喜こもごも

 昨日は妻とともに近くにある桜並木の呑川緑道を歩いて花見見物をしながら夕食をしてきたが、まだ桜がかなり残っていた。小中校生の入学式ごろまでは、桜に咲いていてもらいたいものだと思う。そして今日2023年度がスタートした。誰しもわくわくした気持ちになる1日であるが、生憎土曜日でもあり、新年度をスタートする新社会人にとっては空振りのような気持ちだろう。

 プロ野球は一昨日開幕したが、今日阪神甲子園球場では、選抜高校野球決勝戦が行われ、山梨学院高校が7X-2で報徳学園を破り、春夏を通じて山梨県勢として初めて優勝を勝ち取った。最近では珍しく最初からゲームセットまで興味深く見続けていた。思い出すと今から69年前の1954年湘南高校に入学した時、母校は選抜高校野球に2度目の出場を果たした。残念ながら1回戦で負けてしまったが、卒業するまでにもう1度甲子園に出られればと願っていた。期待していた我々が3年の時、夏の県予選準決勝戦で敗れて甲子園出場は叶わなかった。爾来春夏とも甲子園には出場していない。今回の初栄冠は、山梨学院高はもちろん、山梨県にとっても誇りとなり、嬉しいニュースとなったのではないだろうか。

 年度の初めとあっていろいろなルールも改訂される。中でも注目されているのは、改正道路交通法の施行に伴い、今日から年齢を問わず、自転車に乗るすべての人を対象にヘルメットの着用が努力義務化された。この背景には近年自転車事故が急速に増加していることがある。特に、交通事故全体はこの数年間3万件前後でほとんど変わらないが、自転車関連事故については、最近の6年間に自転車事故の割合は全事故に対して2017年の33.4%から漸次上昇し、22年は46%にまで増えている。これほど増えるようでは、警察としても手を打たないわけにはいかないだろう。ヘルメット着用によって事故が減少することが期待されている。

 さて、読書離れが始まってから大分時間が経ち、街の書店が閉店となるケースが多くなってきた。本ブログでもこれまで度々取り上げてきたが、遂にここまで来たかという現象があった。

 年度末の昨日、東京八重洲口に45年前に鳴り物入りで開店した八重洲ブックセンターが周辺の再開発の影響もあり、営業を終了したという寂しいニュースである。開店当時から話題になり、訪れてみたいと思いながら勤務先の新宿から離れているのでつい横着を決め込んで行き損なってしまった。地上8階地下1階の大型店舗で在庫書籍は100万冊になると言われていた。一応5年後の2028年に複合ビルに再出店するようだが、その時私は90歳になっているので、果たしてその新店舗を訪れることが出来るか分からない。

 その一方で、3月に同じ八重洲界隈に三井不動産が開発した総合ビル・八重洲ミッドタウンがグランド・オープンした。38階建ビルの上層階はオフィスであるが、中低層階は各種施設が入店し、地下には遠距離バス・ターミナルがあり、レストラン街には、日本の特色ある飲食店が入るなど日本色を強く打ち出している。ミッドタウンは、六本木、日比谷に次いで3番目であるが、交通の便が良い立地にこういう若者好みの新しいタイプの開発ビルが出来るというのも時代の趨勢であろうか。その内我々高齢者は付いて行けなくなるのではないかとうら寂しい気持ちにもなる。

2023年4月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5701.2023年3月31日(金) 米大統領史上初めてトランプ前大統領を起訴

 今朝ニュースを聞いてびっくりした。アメリカのトランプ前大統領がニューヨーク州大陪審で起訴されたというアメリカ大統領史上前代未聞の出来事である。起訴内容は、2016年の大統領選で不倫していたポルノ女優にトランプ氏が、選挙法に触れる一定額以上の口止め料を支払ったことが問われたという、随分次元の低い話である。これに対してトランプ氏は、疑惑を否定し、来年行われる大統領選挙へ立候補を表明した氏に対するバイデン政権の史上最大の政治的迫害であり、無実の人間を起訴するという不当行為であると非難している。それにしてもアメリカの大統領ともあろう人物が不倫問題で口止め料を払って起訴されるとは、さぞやアメリカ国民も恥ずかしく感じていることだろう。

 詳細は近々明らかにされるであろうが、大統領在職時からとかく派手で、異色な言動とその内容が目立っていたトランプ氏だけに、やはりそうなのかと特段場違いとも思わせない行動である。

 個人的にトランプ氏についてその評判を聞いたのは、初めてニューヨークを訪れた1976年10月だった。五番街の巨大なトランプ・タワー前を通った時に現地ガイドからタワーとそのオーナーである資産家トランプ氏について話を聞いたのが最初だった。そのトランプ氏が、その後政治家となり大統領候補者に指名された時、百万長者がついにアメリカのトップの座へ辿り着いたのかと感慨をすら覚えたほどである。大統領在職中の言動には首を傾げる言動が多く、普通の常識人のそれではないと呆れることも度々あったくらいである。3年前にバイデン大統領に選挙戦で敗れて野に下っても、大統領に未練たらたらでバイデン大統領に不満を漏らしていた。昨年1月にはその大統領選でバイデン氏に不正があったと一方的にバイデン氏を批判して連邦議会議事堂へ支持者が暴力的に乱入し、器物破損で過大な損害を与えたほどそのパフォーマンスは些か常軌を逸していた。

 果たして起訴された後にどんな行動を取るだろうか。来年の大統領選へすでに立候補を表明しているが、仮に有罪になっても大統領選では犯罪歴による制約はなく、立候補自体は可能だということでもあり、トランプ前大統領はいかなる手立てを講じて、自らの考えと潔白、正当性をアピールしていくのだろうか。

 ところで、昨日ニューヨークでひと騒ぎがあった。中米グアテマラを訪れる途次アメリカを訪れた台湾の蔡英文総統が、市内のホテルへ入る前に台湾を支援するファンが歓迎の声を上げていた一方で、その道路の反対側には親中派500人ほどが一斉に「中国はひとつ」とか、「台湾独立反対」とシュプレヒコールを上げて蔡総統の訪米と中米訪問に反対し気勢を上げていた。ところが、驚いたことに彼らは中国当局から日当200㌦で雇われた人たちだったと明かされた。こんな嫌らしい手を使ってでも台湾のリーダーの行動に反対を表したいのだろうかと中国の陰湿なやり方にも首を傾げた。日本の自衛隊の敵基地攻撃能力なども考えると、台湾海峡を取り巻く環境は日本にとっても益々厳しくなることだろう。

2023年3月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5700.2023年3月30日(木) 資質も能力もない日本の世襲政治家

 ネットを見ていて、「世襲」が日本社会に定着して、このまま世襲国家が続くと将来的にろくな国にはならないと厳しい声が載っているのを知り皆不満を持っているのだなと納得した。老舗の商店主や歌舞伎役者が世襲であるのは、それなりに納得出来るが、素質も能力もない二世が、ただ親がそれなりの権限ある地位にいたからというだけの理由で、すべて同じ道を歩むのは本人にとってもプラスにならないし、それ以上に関係者にとっても迷惑千万だと思う。

 端的な例として、しばしば取り上げられるのが政治家の世襲である。これは偶々岸田首相の長男翔太郎氏が、いきなり先輩を飛び越えて首相の「筆頭秘書官」に任命されたことと、岸信夫前防衛相の長男信千世氏が父親の引退と引き換えに次回選挙に打って出ることが、やり玉に挙げられたのである。岸田翔太郎氏は32歳、岸信千世氏は31歳とまだ若く、いずれも父親も本人もまるで自営商店の経営を引き受けたかのようにごく軽い気持ちで、継承が行われるように思える。仮にも国家事業の決定に携わる国会議員という大役を深く考えるのでもなく引き受けたようだが、冒頭から常識的には考えられないようなお粗末な思考回路上にいる。岸田氏は早速父親の訪英に従った折に観光客気分でプライベート行動としてひとりロンドン市内でカメラを駆使していたとか、岸氏の場合は、よほど血縁を自慢したかったのか、首相経験者の曽祖父、祖父、伯父らの名前を公式サイトにアピールして顰蹙を買った。

 そもそも日本は世界でも類を見ないほどの「世襲天国」である。実際現在の岸田内閣の閣僚を見ても首相をはじめ、林外相、鈴木財務相、加藤厚労相、河野太郎デジタル相、浜田防衛相ら閣僚20人の内、12人が世襲政治家である。この他にも自民党幹部には、麻生副総裁、小渕優子組織運動本部長、高木国対委員長、梶山幹事長代行、世耕参議院幹事長ら自民党全体でも約3割の世襲議員がいる。平成以降19人の歴代首相の中に、実に12人もの世襲がいるというから驚きである。アメリカでは、戦後の大統領は14人いるが、世襲はケネディとブッシュ父子だけしかいない。

 かつて自民党内でも世襲問題に疑問符がつけられ、世襲にも条件を付け一定期間立候補を見送ることも検討されたが、いつの間にやら立ち消えとなってしまった。3割も世襲議員がいるようでは、自らの首を絞めるような言動には全体として反対するのではないだろうか。

 一般からネットにも世襲を嘆く声が上がっている。中にはこんなコメントがあった。「日本は世襲富裕層の独裁国家。政治家や企業経営者だけではなく、最近はタレントなどでも世襲、つまり社会の構造は封建時代とかわらない。職業内での競争原理が作用しないので進歩がない。国家全体が衰退していく運命にある」。実力、能力がなければやっていけないスポーツ選手、医師、弁護士、画家や作家、音楽家など芸術家、などを除いては日本では皆世襲制度になって、その世襲主に気を遣ってばかりいて気まずい世の中になるのではないか心配である。

2023年3月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5699.2023年3月29日(水) 過去最大の来年度一般会計予算決定

 昨日過去最大の新年度予算が参議院本会議で可決、成立した。その金額たるや実に114兆3千億円余である。過去最大はこれで11年連続となった。中でも防衛費の増額が大きい。前年度より1兆4,214億円も増え、6兆8,219億円である。私が大学経済学部の学生になった1959年度の一般会計予算が全体で1兆4,192億円だったから、来年度の防衛費増額分だけでそれより更に多いということになる。一時は財源不足分をあまりにも国債に頼り過ぎ、将来に負債を積み残すと問題視され、財政健全化を目指す動きもあったが、それも昨今ではほとんど聞かれなくなった。それどころか、来年度国債費は25兆2千億円で前年に比較して3.7%も増えている。国債残高は増えるばかりで、この借金は直接的には、無責任な現国会議員には恐らく負担となることはないだろう。後世の人々が借金を背負うことになるのだ。財政健全化に視点を向けず、防衛費の大幅な増額に賛同する。まったく国家の将来、国民の意思や、希望とは噛み合わない。それでも最近の岸田首相は、やや支持率が好転したのを好機と捉え、自身の点数稼ぎに出来ることは何でもやってやろうと強引な政策実行が目につく。外交面でのパフォーマンスも得点を稼いでいるようだ。日韓両国の間で最大の懸案となっていた徴用工問題について、韓国側が解決策を示し、尹錫悦大統領が来日して首脳会談を行ったことや、ウクライナを電撃訪問しゼレンスキー大統領と初めて会談したことなどが評価されている。この自民党に吹いている風を巧みに利用して4月の統一地方選挙を勝利につなげようという腹積もりのようだ。政治家というのは、皆同じような腹の内である。

 さて、コロナ渦も少し明るい兆しが見え、観光ブームも多少回復に向かいつつある傾向の中で、昨日京都の鳴り物観光名物のひとつである保津川下りで舟が転覆して船頭ひとりが亡くなり、もう1人の船頭が行方不明となった。幸い子ども3人を含む乗船客25人は全員無事だった。一度はこの保津川下りを楽しんでみたいと思ってはいたが、今日までそのチャンスはなかった。実は、在学していた京都市立上桂中学校(現桂中学校)の傍をトラックが舟を乗せて走っていく光景を度々校舎から見ていた。これは保津川下りに使用される舟だったのである。この船は、嵐山渡月橋近くで乗船客を下ろしてから学校の傍を通り、再び亀岡市の出発地点へトラックで回送されていたのだ。父親が船頭だった同級生もいた。卒業を前にした3年生だったが、舟が畑の中をトラックに乗せられていくシーンが妙に心に残っていた。いつかは自分も乗ってやろうと思っていたが、昨日飛んでもない事故を起こしてしまった。それでも昨年4月に利尻島遊覧船が粗雑な扱いと対応で乗客、及び船員26名が全員死亡、及び行方不明になった海難事故に比べれば、川が増水していたために通常3人の船頭を4人に増やして安全面を心掛けた効果は多少あった。不幸にして操作を誤ったためにひとりの船頭が川へ落ちて舟がバランスを失い転覆したようだが、それでも乗船客25人全員に救命用具を身に着けさせた安全対策が最悪の事態を免れさせる結果になった。

 3年前に京都を訪れ、自宅と中学校周辺を懐かしく思い出そうと妻とこの周辺から嵐山へ行ってみようと計画したが、コロナ渦で旅行を取り止めた。近いうちにまた訪れてみようと考えているが、懐かしく思い出すことが多い。ほぼ70年ぶりの京都の旧自宅環境であるが、何とか出かけてみたいと思っている。それにしてもえらい事故が起きたものだ。

2023年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5698.2023年3月28日(火) 国際社会から敬遠、ミヤンマー国軍記念日

 ミヤンマーの民主派政権が、ミヤンマー国軍の軍事クーデターによって崩壊させられてから早くも2年余が経った。その後ミヤンマーは、ミンアウンフライン最高司令官が指揮する国軍の支配下に置かれ、民主派指導者のアウンサンスーチー元国家顧問ら国民民主同盟(NLD)幹部もほとんどが身柄拘束され軟禁状態に置かれている。

 そのミヤンマーで「国軍記念日」の昨日恒例の軍事パレードが行われた。そこで最高司令官は、スーチー氏らを支持する民主派を一方的にテロリストと決めつけ非難し、民主派への強硬姿勢を改めて強調した。ミンアウンフライン司令官は市民が抵抗することに対しても、テロリストが無実の市民を攻撃し始めたと自らの罪を一般市民に被せるような強弁を行った。

 そもそもイギリスの統治下にあったビルマが、宗主国だったイギリスへの抵抗手段として、日本軍に協力していた。しかし、その後自力による独立を目指したビルマは、日本軍に抵抗するようになり、1945年3月27日にビルマ国民軍が日本占領軍に対して一斉蜂起を開始した。「国軍記念日」とは、まさにその日である。日本人としても些か肩身の狭い日であるが、こともあろうにイギリスから独立を勝ち取ったビルマ国民軍の後継者である国軍が、総選挙で圧倒的な国民の支持を得て選出されたスーチー氏ら国民民主同盟(NLD)を国家の敵と追討しようとは、ミヤンマー国民の気持ちを理不尽にも踏みにじるものであり国際社会からは総スカンを食っている。軍事パレードには、中国、ロシア、インドなどが代表者を派遣していたが、日本、及び欧米など主要国の政治家は誰も訪れなかった。本来なら最も親しい国である日本が、ミヤンマー最大の軍事パレードに人材を派遣しなかったのは、これまでの両国関係からはとても考えられない。日本はミンアウンフライン政権に制裁を課してこれまで親しかった両国関係から一歩下がって、ミヤンマーが民主的な国家へ戻るのをひたすら待っているのだ。

 その後スーチー氏らNLD幹部らの行方は収監されたまま、その生活はまったく知られず、このクーデターの非民主的な残虐行為に対して、国際社会は厳しい経済的制裁を課し、ミヤンマー経済は苦境に追い込まれ国民は貧困に喘いでいる。

 私にとっては、これまで最も数多く訪れた国であり、最も愛着のある国のひとつであるミヤンマーが、厳しい経済下で多くの国民が貧しい生活を強いられていることは何とも言いようがないほど辛い。世界銀行の22年7月発表の報告書に依れば、ミヤンマー全人口の約4割が貧困ライン以下の暮らしを強いられているという。失業率も高まり、生活苦に喘ぐ階層の中にはつい自らの身体を売って生活している女性も多いという。

 今日のテレビ朝日「ワイドスクランブル」にゲストとして、昨年7月にミヤンマーで取材中に身柄を拘束され5か月間収監された後に解放された映像作家の久保田徹氏が出演して、生々しく実態を語っていたが、その中でウクライナへの支援は国際的にも拡大しているが、ミヤンマーにももっと支援をと訴えていたことが印象に残っている。

2023年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5697.2023年3月27日(月) 中央省庁の中で文化庁だけ地方移転 

 東京医療センター眼科で昨年9月に右目の白内障手術を受けたが、今日最終チェックで執刀医師から順調で問題はないということと、今後は数か月置きに近くの眼科で見てもらうようにとアドバイスされた。今では両眼とも手術の結果、視力にはまったく問題がなくなった。

 さて、昨日文化庁が中央省庁としては初めて地方都市への移転ケースとして霞が関から京都市内へ移転した。移転を祝う会合に岸田首相や永岡文科相らが出席した。安倍内閣時代の2014年に計画を打ち出し、16年に決まった。しかし、当初の狙いである中央官庁を地方に分散させて、同時に企業も東京中心から地方へ移転させ東京一極集中を是正し、地方創生に結び付けようとの狙いだったが、文化庁以外には現時点で移転計画のある省庁はない。計画案は良かったが、東京を離れたくないという各省庁の我がままで結局看板倒れに終わったように思う。ふたを開けてみれば、各省庁の移転はもちろん、文化庁にしてもとても全面的と言えるような移転ではない。京都市内の新庁舎に入るのは、文化財関係や宗務課の6部署390人で、霞が関にはなお7部署200人が残る。都倉俊一・文化庁長官ですら、週5日の内3日を京都で、2日は東京勤務と言っているようだが、こんな中途半端な気持ちで業務を支障なく遂行し、移転効果を期待出来るのだろうか。今日から業務はスタートしたが、現状では反って別の問題が生じるのではないかと気になる。

 政府のこの省庁改革では反って無駄が生じ、費用が余計にかかることは明白である。担当大臣の岡田直樹・デジタル田園都市国家構想(この長たらしい名前は何?)担当相は、地方創生に発展すると自身満々だったようだが、果たして京都府民はどう思っているだろうか。

 さて、昨日は沖縄慶良間諸島へ米軍が上陸して78年目になる。沖縄は日本本土が攻撃、占領される前に犠牲になったところである。北上した米軍は一部で日本軍の抵抗を受けたが、6月20日前後にはほぼ日本軍の抵抗はなくなり、22日に牛島満軍司令官が自決したことで日本軍の敗戦は決定的となった。今朝の朝日「天声人語」に当時の悲惨な状況が記されているが、戦争の記憶は少しずつ忘れ去られ、ほぼ全員が戦争を知らない世代、特に臨場感で戦争の恐ろしさを知らない岸田首相以下現在の政治家たちは、アメリカの口車に乗って戦争へまっしぐらに突き進んでいるように思えて仕方がない。

 25日にロシアがベラルーシに戦術核配備する方針を明らかにした。戦争の怖さを知らないプーチン大統領の非道にして無謀な戦術は留まるところを知らない。困ったものである。

2023年3月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5696.2023年3月26日(日) 書籍は売れず、値上げされる。

 昨日に続いて今日も朝から雨が降り続いている。この1週間ばかりは、全国的に天候は安定せず雨模様の日が多いようだ。満開だった桜もこの雨で間もなく散ってしまうだろう。雨の中を庭では「ミソサザイ」が可愛らしく鳴いていた。

 さて、近年書籍が売れないと言う声を随分聞いている。書店も閉店し、出版社自体の数も減少している。書籍の販売が減っているのと同様に新聞の発行部数も激減しているようだ。かつて読売新聞のような大新聞は、年間購読数1千万部と言われたことがあるが、その読売でさえ昨年は686万部にまで減り、朝日は430万部、毎日は193万部まで落ち込み危険水域にいる。これにはいくつか原因が考えられるが、電子書籍化とスマホの影響が大きい。とりわけ新聞より簡便にネットでニュースを知ることが出来ることである。しかし、これだと見出しだけ頭に入り解説記事などを読む機会を失い詳しい内容を知らないままになってしまう。そして文字離れともなり、書籍発行数の減少へつながる。

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」も書籍の他に、電子書籍として市場へ売り出され、それなりの成果を上げているが、今ひとつ相談を受けていることがある。まだ書類を受け取ったばかりでピンときていないが、大手出版社も本腰を入れている「note」というこれまでの出版業界のセオリーを打破するようなシステムだそうである。検討してみたいと思っている。

 それにしてもこの物価高の中で紙の本の製作費まで値上げが押し寄せて出版社のみならず、書店も苦戦しているようだ。出版不況に加えて、配送コストが高騰している。その結果書籍代が大幅に値上げされ、都心の大手書店では「文庫は1千円をこえるものが目立つし、重版の時に既刊本を値上げする出版社も増えている。1,500円を超える単行本も当たり前」と言っている。新刊本の平均価格は1,268円で、10年前に比べて151円も高くなっているという。これらの価格傾向から出版社が何社かと協定を結んで本文用紙を共通化する動きがあるという。

 基本的には、最近新聞や本を読む人が減ったことが根底にあると思う。情けないことに、私自身も近年読書量が落ちた。あれほど本を読んでいたのに、単行本を読むことが大分減ったことは間違いない。一般的には、本を読む習慣が減ってきたことが書籍販売数が減少した傾向としてある。小中校の教育の場で生徒たちにどれほど読書に興味を抱かせることが出来るかということが大切だと思う。その基本として文章を書くこと、本を読むことを現在の初等教育の現場で教えているだろうか。社会人になってから手紙を書かなくなった人が増えた。これは私自身会社勤めのころから実感として感じていた。普段手紙を書かないから、まともな文章も書けない。初等教育の基礎は、「読み」「書き」「ソロバン」と言われている。その内2つが疎かになっているのは事実である。根本的には学校教育の初期の段階できちんと「読み」「書き」「ソロバン」を学習しなければ、後になって本も新聞も読まず、それらが売れなくなると言う悪循環になるということであろう。

2023年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5695.2023年3月25日(土) 2019年以来の湘南125回生会で会話を楽しむ。

 数年前から「湘南125回生会」と勝手に名乗り、昭和31年卒業の湘南高校31回生OB3人と32回生の私の4人の卒業年を足し算して、それが125になるのでそれを名付けて会名とした気ままな同窓会にしている。コロナ渦のためしばらくぶりだったので、今日の開催を長らく楽しみに待っていた。今日は、我々4人の外に早大客員教授の元校長にも加わっていただき、5人で横浜元町の中華街で中華をいただいた。中華街も久しぶりだったが、小雨の降る中を袖触れ合うほど多くの観光客が道路を歩いていて思うように前にも進めない混雑ぶりだった。「湘南125回生会」食事会も前回2019年12月に会って以来コロナ渦のために会合を伸ばし伸ばしにして3年数か月ぶりである。4人の年齢を加算すれば、339歳でありお互いに余生もそう長くはない。出来るだけ会えるうちに会いましょうと以前から約束していたので、久しぶりの顔合わせにお互い活発に話し合って日ごろのうっ憤を晴らした。私自身の気持ちとして、2019年に上梓した共著「新世代の観光立国」を4人の方々に差し上げた。

 メンバーのひとりは度々南極探検隊員として南極に出かけた地球物理学の権威であり、一番元気そうだった。その一方、海外駐在も度々で金融及び実業界で功成り名遂げて、横浜市内のタワーマンに住む先輩がやや元気がないのが気になった。割合最近になって奥さんが軽い認知症で施設に入ったと聞いていたが、やもめ暮らしになったせいかお疲れのようだった。これまで使用していなかった杖をついていたのが、ちょっと気になった。兄については最近の健康状態を気にしていたが、あまり変わった様子がなかったのでホッとした。血圧は平均的で夜なかにトイレに行くことはないと言う話に驚いたほどである。22日に娘家族と台湾旅行から帰ったばかりである。娘が自宅に引きこもり勝ちの兄を元気づけるために2人の子どもとともに旅行に案内してくれたのである。

 そもそも兄は8年前に妻を喪った時に、かなり落ち込んでいるように感じたので、兄を元気づけるために高校時代に仲の良かった地球物理学者にお願いして3人で食事会をしたのが、この「湘南125回生会」の始まりだった。その後、3~4か月ごとに新宿のホテルで会食を重ねていた。一服の清涼剤のようなもので、幸い3人から心待ちされるようになった。それがコロナ渦のためにその後1度もともに食事をしていない。今日はそれぞれに盟友に会えたことで、気も晴れたことだと思う。

 学生生活という青春時代をともに学び、遊んだ思い出ほど懐かしく思い出に残ることはない。時が経つにつれ、同窓会やクラス会なども段々開催の機会が少なくなっている。年齢的に参加しなくなったり、まとめ役の幹事さんが退いたり、開催の間隔を開けたりして、残念ながら出席する機会が減ってきた。私の小学校クラス会は、熱心だった幹事が今ではやや健康を害しているのでこれから先が気がかりである。中学校は、京都だったのでそう気軽には出席できないが、それでも5年ごとの学年会には出席している。高校も割合、クラス会、学年会ともにコロナ期間を別にすれば、毎年開催し、参加している。大学はゼミの仲間とは一番親しく交流している。いつまでも参加して精神的に若帰りしたいと思っている。今日の「湘南125回生会」の食事会は思い切り堪能することが出来た。

2023年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com