5724.2023年4月23日(日) 統一地方選後半戦の投票日

 今日は世田谷区長選と区議選の投票日である。投票所はいつも通り息子たちの母校・区立東深沢小だ。今朝はやや肌寒かったので厚着をして出かけた。投票所から少々大回りをしてウォーキングを兼ねて自宅まで戻ってきた。意外だったのは、案外多くの人が投票所におられ、投票用紙をもらうまで少々並んで待ったくらいである。大学生の時選挙権を得てから、投票を1度も棄権したことはないが、今日も一応の責任を果たした。結果は今日中に判明するかどうかは分からない。選挙結果を知るのが楽しみでもある。

 国際的に注目されているスーダンの内戦が激しくなり、外国人の国外退避がスムーズに実行出来ない難しさがあるが、その避難を難しくしているのは、航空機が飛び立つハルツーム空港が使用出来ないからである。国外脱出をしないと述べていたアメリカが、アメリカ人70人を脱出させたようだが、それはアメリカ大使館脇からアメリカ軍のヘリコプターとV22オスプレイで空輸したようだ。現地に自衛隊が駐在していない日本は、ジブチへ迎えの自衛隊機を飛ばして待機態勢に入った。しかし、スーダンの首都ハルツームから約1,200㎞も離れたジブチへどうやって安全に避難民を運ぶことが出来るかが問われていたが、ハルツームからポートスーダンまで670㎞を陸路で移動してそこからジブチまで船舶利用するような話が出ている。多少期待出来るのは、内戦の当事者である国軍と対立する準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)の間で21日から3日間の停戦協定を結んだことだ。だが、舌の根も乾かぬ間に砲撃が聞こえて、どこまで安全に避難する人たちを移動させることが出来るだろうか。一部の声では、個別に国軍とRSFから停戦の保証をしてもらい、その間に脱出することだという。日本人60人の運命はどうなることやらまだ不透明である。

 アフリカでは、このスーダンの内戦が今や危険信号となったが、各国ともロシアのウクライナ侵攻以来ロシア産原油が入手出来なくなり、エネルギー危機をもたらすことになり、石油価格が高騰した。世界的エネルギー不足はスーダンの危険なケースとは異なるが、ウクライナ侵攻によりアフリカ西岸のセネガルで海洋油田の掘削が期待され、セネガル沖合に大きなプラントが建設され、新たなエネルギー資源の開発が急がれている。ただ、得るものがあれば失うものもあり、セネガル沿岸の漁業従事者にとっては、プラント周辺への立ち入りが禁止され、漁獲量が大幅に減り生活が厳しくなったことは致命的である。日本政府もマダガスカル沖合にエネルギー資源開発のための投資を行っているようだが、現地住民を痛みつけることだけは避けてもらいたいものである。

 さて、これまで寡聞にして知らなかったが、今日4月23日は母校・慶応義塾の開校記念日だそうだ。大学へ入学してから64年も経つのに迂闊だった。ただ、日本一番古い大学として起原は、1858(安政元)年ということは、もちろん承知している。開校記念日というのは、1909(明治42)年に決められたそうである。これからも母校が益々発展して社会へ有能な人材を送り出してくれることを期待している。序でに言えば、今日はイギリスの文豪シェークスピアの生まれた日(1564年)でもあり、亡くなった日(1616年)でもある。

2023年4月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5723.2023年4月22日(土) 非民主的な世襲政治に拍車か?

 明日は統一地方選後半戦と衆参議員補欠選の投開票日である。最後の追い込みということから朝から近くを街宣車が走り回っている。我が家は、世田谷区と目黒区の境界のすぐ近くではす向かいのお宅は、目黒区内である。そのため、世田谷、目黒区両区の候補者の街宣車が入り込んでくるし、近くには目黒区の全候補者のポスター掲示板がある。

 そこでポスターを見ていて気付いたことだが、区議選のレベルでは、あまり有名人の世襲議員は立候補していないが、有名人を利用しようとする候補者が結構いるものだ。所属する政党の代表者などは佳しとして、著名タレントの学校の後輩であるとして写真まで載せている候補者もいる。少しでも票稼ぎをしたいため、なりふり構わずあらゆる得票源を拾い集めている印象である。中でも一番驚いたのは、今回目黒区議選に立候補した30歳の大津綾香女史である。今月9日に行われた神奈川県知事選に「政治家女子48党」から立候補して、長年の不倫を謝罪したばかりの黒岩祐治知事に敗れた直後に、すぐに目黒区議選に同党党首として名乗りを上げている。その彼女もポスターに元NHKアナの「池上彰氏の娘役」と書いて池上氏の知名度を利用している。明日の開票結果が見ものであるが、今や政治家が自身の能力だけではなく、否むしろそれより他の虚実入り混じった知名度や評判を頼りにして選挙に打って出るという印象が強い。これも世襲議員が親族や親戚から受け継いだ「世襲資産」をそつなく運用し安定した選挙を戦い、勝って長きに亘り議員となる根拠にしているのと同じことである。

 また、こんな世襲継承者同士の選挙もある。東京台東区長選である。5選を目指していた前区長が、急死した後急遽都会議員の息子が立候補した。対立候補が元衆院議員で父親も衆議院議員だった二世議員女史である。地元民はこれをどう受け止めているのか分からないが、狭い地域でもあり、4選も経験した前区長を支持しようという流れになっていたムードも強いように思うが、果たしてどんな勝敗になるだろうか。いずれにせよ世襲継承者同士の戦いである。

 一方で、明日の衆議院補選で注目を集めているのは、やはり世襲選挙である。今や世襲県とまでいわれるようになった長州山口県2区と4区の補選である。2区は岸信夫前防衛相を父に、安倍晋三元首相を伯父に持つ岸信千世氏が元議員の弁護士・平岡秀夫氏と争うが、やや有利に戦っている。安倍元首相の地盤だった4区では、元下関市議が安倍元首相夫人らの支援を得て一歩リードしているという。

 こうしてみると世襲か、或いは有名人の名を借りた選挙の色がいつも以上に濃くなってきた。こうなると本当に日本の政治を良くしようとする真面目な候補者より、受け継いだ世襲資産を後生大事にミスなく政治活動を行う候補者の方が有利な時代になってきたと言えると思う。世の中のことを知らずにそれほど勉強もせず、ただ後援者巡りだけは欠かさない律儀?な政治家が、能力のある真面目な政治家より当選するチャンスが多いという情けない、ひ弱な政治構造が日本にも定着することになるのではないだろうか。

2023年4月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5722.2023年4月21日(金) 岸田首相狙撃事件容疑者の狙い

 去る17日和歌山市内で選挙応援のための街頭演説を行う直前に岸田首相へ向けて爆発物を投げ、逮捕された容疑者の事前の行動が何かと話題になっている。自宅のある兵庫県川西市市議会議員選に立候補しようとしたが、被選挙権がないことと立候補のための供託金を都合出来ず、誰でも同じ権利であるべき被選挙権や、資金の有無などで差別された公職選挙法の規定を巡って国家賠償請求訴訟を起こした。中でも昨年の参議院選では年齢30歳に満たないために立候補できずに、精神的苦痛を受けたとして国に10万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。

 ところが、容疑者の行動に対してネット上にある有識者が納得して、公職選挙法を見直すべきだとの考えを語っているのには些か驚いた。容疑者の主張を認めるなら、被選挙権の年齢制限を撤廃すべきであるということになり、同時に立候補により候補者の活動にお金がかかることに目をつぶるということでもあり、これこそ公平公正をカムフラージュして無法を許すということになる。法律を作成し、市民にそれを公正に守らせることに水を注すような言動であると思う。容疑者が、地裁に提出した書面には、安倍元首相銃撃事件で元首相は亡くなったが、世論の反対が多くありながら元首相の国葬を実施したことは、民主主義への挑戦であると批判していた。同時に旧統一教会のようなカルト団体と癒着したことと、国会議員が世襲により限られた一部の政治家に恩恵をもたらしているとしてこれらにも厳しく批判した。

 24歳の若者が普段社会人として働いた経験がなく、身勝手な意見を述べることは彼に言わせれば個人の自由と言いたいところだが、その前提として肝心な社会人としての責任を果たしているとは言えないと思う。

 ただ、現実を鋭い目で見ていることはある面で評価出来る。例えば、安倍元首相は旧統一教会との関係、特に選挙における支援などは、安倍家3代に亘り続けられたようで、真っ当な意見が旧統一教会を支援したことにより、かなり歪められたと言える。更に言うなら、世襲国会議員の跋扈である。世襲議員とは、「父母、義父母、祖父母のいずれかが国会議員、または3親等内の親族に国会議員がいて、同一選挙区から出馬した候補」と一応定義づけられている。日本の世襲国会議員は各国の中でも飛びぬけて多い。2021年に実施された衆議院選挙では、全衆院議員465人の内131人の世襲議員が当選した。小選挙区制が導入されて以降12名の首相の内、菅義偉、野田佳彦、菅直人の3人を除く残り9人はいずれも世襲議員である。現在の岸田内閣の閣僚20名の内、岸田首相を含む12名が世襲である。これほど多くの世襲議員が国の政治を操っていのだ。民主主義に悖る行為として非難されている容疑者の言い分の内、旧統一教会との関係と世襲議員の跋扈を批判したことだけは納得できる。

2023年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5721.2023年4月20日(木) スーダンで印象深かった3つのこと

 アフリカのスーダンで内戦が勃発し、同国内の治安が憂慮されている。ことの発端は、2021年軍事クーデターにより30年近く国を率いた独裁者バシル政権を倒した国軍の2人の司令官が、その後互いに対立し国軍と準軍事組織・迅速支援部隊(RSF)に分かれてそれぞれの指導者となり、主導権争いの挙句に内戦となった経緯という低次元の話である。

 国内では内戦によりすでに270人が死亡した。あまりにも市内の中心部で砲弾が飛び交うために思うように外出も出来ない有様だ。アメリカは、自国民の安全の見地から危険が横溢しているスーダン国内からアメリカ人を国外脱出させることは考えていない。ドイツでは、輸送機による自国民150人の救出を計画したものの空港周辺で激しい戦闘が起きており、救出計画は困難だとして中止した。日本政府もスーダン在住の日本人を救出するために自衛隊機をジブチに待機させたままで、彼らを自衛隊機に搭乗させることが難しい苦境にある。果たして日本の救出計画はどうなるのだろうか。

 スーダンは普段あまり世界の脚光を浴びるような国ではない。だが、他のアフリカ諸国同様に、地下資源が豊富でその中では金の埋蔵量が多く、先進国が金を求めてスーダンに接近する。この内戦勃発直後に早くもロシアが軍隊を派遣すると公表した。取り敢えずは、ウクライナ戦火を収めた後に金の採掘権を得ようとの魂胆であろう。ウクライナ侵攻で世界中の非難を浴び、世界が注視する中でよくぞ火事場ドロボー的な行動が取れるものだとロシアの阿漕なやり方に呆れるばかりである。

 ついては、スーダンと言えば半世紀ほど前に1度だけ訪れたことがあり、今以て印象深い事象が3つばかりある。

 そのひとつは観光スポットとして知られる青ナイルと白ナイルの合流地点である。首都ハルツーム市内の崖の上から眼下に水煙を噴き上げて2つのナイル源流の水が混ざり合う様子を見学したことである。迫力満点だった。

 2つ目は、偶々ハルツーム滞在中に国内の交通ルールが変更になり、車の左側通行が右側通行に変更になったことである。夕食を食べようと市内のとあるレストランに入ったところ、支配人からちょうど良い日に良いところに来たと言い、今晩12時を期して車が反対路線を走るようになるので、きっと衝突事故が起きるからそれまでここにいて見ていなさいとふざけたことを話してくれた。食後そこに居座って真夜中になった時、近くの交差点から大きな音がした。支配人が言う通り、どうやら車が衝突したようだった。支配人はニタリとして、予想通り事故が起きた、現場を見に行ったら好いと無責任なことを言っていた。

 3つ目は、ホテルのロビーで偶然居合わせた地元の若者と物々交換をしたことである。私がジョニー・ウォーカー1本を上げて、若者からは子どものチーターの毛皮をもらったことだ。今ではチーターの毛皮なんて持っていたら税関で取り上げられてしまうが、当時はまだルールも穏やかだった。毛皮は実家に置いたまま今ではどこにあるか分からなくなってしまったが、スーダンの懐かしい思い出である。

2023年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5720.2023年4月19日(水) なぜ大阪人はIR推進者を支持するのか?

 このところ暖かい日が続いている。今日も午後ウォーキングに出かけたが、やや暑いと感じた。今日の最高気温は石垣島の29.1℃だったが、関東でも山梨県大月市の28.5℃をはじめ、千葉県市原市27.3℃、群馬県高崎市27.2℃、茨城県古河市26.4℃が夏日だった。世田谷区も25℃だった。昨今あまり外出することはないが、今後夏の蒸し暑さを考えるとうんざりさせられそうである。

 さて、今や伸張著しい「日本維新の会」の勢いと鼻っ柱の強さは留まるところがないが、我が家の近くでも区議会選に候補者を立てている。今維新の会が注目を集めているのは、先日の統一地方選で地盤の大阪選挙区で大阪府知事、大阪市長を当選させ、更に自民党内の内輪もめの隙を突いて奈良県知事選でも初めて自党の候補者を当選させたその勢いの故である。加えて同時に行われた地方県議会選においても圧倒的な勝利を収めたことである。この「日本維新の会」の勢いにたじろいたのか、自民党は同党に妙に気を遣いだした。その典型が、同党が推進している人工島「夢洲」における統合型リゾート(IR)建設計画を保留していたが、直ちに承認したことである。自民党が「日本維新の会」に忖度した結果であることは間違いない。

 そもそもこのIRなるものが、大分きな臭い。国内外からお客を呼べる巨大な観光施設、岸田首相も世界に発信する観光拠点と推奨するが、体の好い大型賭博場、即ちカジノである。計画が噂に上がった段階で地元住民からギャンブル依存症が蔓延るとして賭博場建設に強い反対の声が上がった。主宰者である大阪府と大阪市は、ギャンブル依存症を防ぐためと称して規制を作った。それが、「7日間で3回、28日間で10回まで」しか賭博場に入れないことを説明しているようだが、ギャンブル依存症に嵌った遊び人にとっては、何のハードルでもない。誤魔化しようはいくらでもある。主宰者の皮算用では、年間3千万人の入場者を見込み、その内7割、つまり2千万人強の日本人がギャンブルに熱中するわけだ。しかも、年々歳々増えていく。これでギャンブル依存症が防げると考える方がよほどどうかしている。

 会場の夢洲は埋立地で地盤が安定していないため、基礎工事にかなりの投資が必要である。2016年12月に松井一郎前市長は、IRに税金は一切使わないと公言していた。ところが、実際にはカジノ事業者連合が、埋立地特有の対策費の負担を市に要求し、松井市長はこれに応じて790億円をカジノ事業者に支払う事態となった。それでも松井氏は昨年1月に、施設には公費は入りませんと空とぼけている案配である。

 この公費は大阪の住民の肩にのしかかってくる。どうにも理解出来ないのは、ここまで住民を裏切る自治体を住民が信頼して選挙で支持することである。大阪府民と市民の気持ちがどうにも理解出来ない。

2023年4月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5719.2023年4月18日(火) 公職選挙法に基づく選挙権と被選挙権

 統一地方選の世田谷区長選と区議選が16日に告示され、昨日から街宣車が地域を回り始めた。気が付かなかったが、現職と新人の一騎打ちである世田谷区長選は、67歳の現職に対して29歳の新人が挑む構図である。参議院議員と知事、更に市区長選では30歳以上の候補者に被選挙権が付与されるものだとばかり思っていた。実際には市区長は25歳以上になれば被選挙権が得られると改めて知ることになった。

 こんな釈然としないことがあった。去る15日和歌山市内の漁港で街頭演説直前に岸田首相に対して爆発物が投げられ、辛うじて首相は被害を免れた。その爆発物を投げた容疑者は以前兵庫県川西市議選に立候補しようとしたが、被選挙権がないことから立候補出来ず、それを不満に思ったのか、立候補を制約するのは違憲ではないかと神戸地裁に提訴したものの敗訴となった過去があったようだ。この容疑者は、現在24歳で25歳にならなければ被選挙権がない。爆発物にせよ、裁判沙汰にせよ、本当の狙いは何なのか、理解し難いが、公職選挙法に規定されているルールは、国民としては守らないといけないと思う。

 一方で、日本では2016年選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられた。これは国内から出た声というより、海外191か国の国、及び地域の内9割近い国々が18歳以上を大人と見做して選挙権を与えている。その点では日本の決断は遅かった。ただ、気になるのは、選挙権年齢を2歳引き下げて若者の声を受け入れようという考えは分かるが、現代の若者の選挙における投票率は、他の年齢層に比べて低いことである。つまり、選挙にあまり関心がないことが懸念される。折角親心により若者にも大人と同じ1票を行使する権利を与えてもそれを実行しない権利放棄が気になる。

 さて、一昨日ドイツが原発の廃止を正式に決定した。メルケル前首相ら歴代政権が掲げてきた「脱原発」を漸く実現することになった。福島原発の事故を深刻に捉え、苦難の末放射能廃棄物処分などを理由に廃止の結論を出した。これまで段階的に原発廃止を進めてきて、一昨日最後の原子炉3基が送電線から切り離され、電力供給を止めた。今後は再生可能エネルギーの拡大を進めて原発に替わる電力の供給を行う。ドイツと同じくすでに脱原発を進めたのは、イタリアとリトアニアである。

 その一方、ヨーロッパ各国でも原発に対する取り組みは、各国の国内事情により対応はマチマチである。昨日フィンランドでは、世界最大級の新型原発が運転を開始した。ウクライナ侵攻によりロシアからのエネルギー供給が途絶えたこともあり、電力不足への危機感から原発再開発の動きが広がりつつあった。この他フランスには新たに6基の原発を建設する計画がある。イギリスやポーランドなども新たな原発の建設を目指している。

 日本の原子力政策はどうかと言えば、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の典型で2011年の福島原発事故以後、原発開発・推進を公言することは控えてきた。しかし、内心はエネルギー資源不足の日本が、これまで当てにしていた原発を全面的に廃止することは難しく、現状は政府のグリーントランスフォーメーション(GX)実行会議で基本方針を決めたままである。はっきり言えば、原発再開、推進である。それはGX会議の基本方針の内原子力・再生エネルギー項目の4つのポイントを見てみれば分かる。

    1.再生エネルギーや原子力など脱炭素効果の高い電源の活用

    2.廃止が決まった原発の次世代革新炉への建て替え具体化

    3.運転期間40年、最長60年の原則維持、停止期間の運転延長

    4.核のゴミの最終処分の具体化を進める。

 以上である。はっきり言って原発廃止は考えられないようだ。

2023年4月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5718.2023年4月17日(月) 「チャットGPT」の効用と使い方

 いま急速にAIを活用した技術で利用が伸びているサービスがある。「チャットGPT」と呼ばれているが、IT関係者の間でも話題になっている。ちょうど大学の入学式シーズンに当たり、学長の歓迎挨拶の中でも「チャットGPT」に触れるケースが多いようだ。18世紀にイギリスで起きた産業革命にも例えられることもある。

 ただ、最初にこれを新聞で読んだ時には、こんな都合の好いものがあるだろうかと思うと同時に、これは大学生を「考えない大学生」に仕向けるのではないかと心配になったほどである。現状では、まだ開発途上のようで質問に対して正確な答を教えてくれるとは限らない。間違った回答もかなり多いようだ。アメリカのある調査会社によると8割も間違っているとの報告がある。まだ、データや情報の引き出しが少ないからではないか。

 例えば、今日の昼テレビで池上彰氏の個人情報に関して質問した「チャットGPT」の結果を紹介していたが、以下のような程度だった。カッコ内が正しい言葉である。池上彰氏は1955年(50年)に神奈川県横浜市(長野県松本市)に生まれ、慶應義塾大学商学部(経済学部)を卒業後、日本経済新聞社(NHK)へ入社して経済界を取材した(現場の取材をしたわけではなかった)。これでは、とても信頼して利用することが出来ないだろう。しかし、アメリカでは大学生が大分利用していると伝えられている。特に、レポート作成に当たり、必要な言葉や情報をインプットすれば、立派な論文が完成するというが、とても眉唾にしか思えない。問題は、今後これが多くの情報を取り入れ正確度を増して利用価値が高まれば、信頼も高まり利用者は増えることだろう。

 気になるのは、こういうサービスが、無料で使用出来て何事にも便利になる一方で、手抜きが出来るようになることである。仮に学生が論文を書くに際して多くの単語と情報をインプットして出来上がったレポートは、体裁上は問題なく合格点をもらえるだろう。だが、学生にとって一番大切な「本を読みこむ」「調べる」「ディベートする」「考える」等の作業を自分でやらずに他人任せにして、棚からボタ餅を頂戴しようというのでは力がつかないのではないだろうか。これでは「学問のすすめ」ではなく、「怠惰のすすめ」である。大学で学ぶ、特にゼミナールで学び必要な単位をいただくということは、指導教授や同じゼミナリストらと討論を重ね、その中で自分なりの考えを固め、レポートをまとめることが大事である。そういう経験を重ねて少しずつレポート作成能力も培うことが出来るようになると思う。その意味では安易にこうした手抜き用具に頼らず、ひとつの参考意見として取り入れるぐらいの考えの方が良いのではないかと思う。

 振り返って大学ゼミでは、私自身良き恩師や先輩、ゼミナリストに恵まれ、拙い卒業論文ではあったが、随分時間を注ぎ込んでそれなりに仕上げることが出来たと考えている。

 日本ばかりでなく、海外でも問題が表面化しているようで、実際イタリアでは間違いが多いことを理由に当面「チャットGPT」の使用が禁止されたし、イタリアに追随しそうな国もある。言論統制の厳しい中国については、例えば習近平国家主席について聞くと履歴などの個人情報は教えてくれるようだが、国家政策などの質問に対しては、別の質問をするようにと応答があるという。自由が許されない中国においては、有効なサービスとはならないだろう。良きにつけ悪しきにつけ、まだ半製品で発展途上にあるように思う。

2023年4月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5717.2023年4月16日(日) 「させていただく」という不遜な言い方

 「させていただく」という用法に関する記事が、昨日の朝日朝刊別紙「be」に取り上げられていて、ふと学生時代の場面を想い出した。記者(高橋美佐子氏)が、漫画「サザエさん」のカツオの言葉から話題にしたものだ。今ではこの「~させていただく」という表現は、ごく当たり前のように丁寧語?として受け取られており、椎名美智・法政大教授によればこの言葉が漫画に使われた1969年には「このセリフ、当時は非常に珍しい上、とんでもなく丁寧な言い方」と解説し、加えて「今なら全く違和感がないし、敬意のインフレーション」とコメントしているくらいである。だが、私には椎名教授の説明には違和感を抱かざるを得ない。

 椎名教授が取り上げた年代より前の1961~2年ごろ、当時マルクス経済学者で社会党の思想的バックボーンだった売れっ子の論客向坂逸郎氏が、法政大学で公開講義を行った折に偶々聴講する機会があった。その時向坂氏は、丁寧語のつもりで「させていただく」と言う人がいるが、これは丁寧語ではなく、むしろ話し手が相手の気持ちを斟酌せずに、一方的に「させていただく」と押し付けた不遜な表現であり、これは「したい」とか、「したいと思う」と言うべきであると言われたことを思い出した。その時私も素直になるほど向坂氏の言う通りだと納得し、爾来こういう表現を使用しないよう気を付けていた。それが半世紀以上も経つといつの間にやら「~させていただく」は、丁寧語として普通に使用されている。むしろ今では話し言葉として定着しているというから分からないものだ。

 まだ若い椎名教授は丁寧語だと割り切ってあまり疑念を抱いておられないようだが、私は今以て向坂氏の考え方の方が論理的であり、教授のように丁寧語であるとは考えていない。やや不遜な用法が、丁寧語と受け取られ、普遍化するなら社会も次第に傲慢な世の中になっていくのではないかと憂うる。

 私には次のような経験がある。間違った言葉の使い方の例として、一番多用されている「有難うございました」について、NHKともやり合ったことがある。「有難うございました」は間違いで、正しくは「有難うございます」である。これは「有難う」という感謝を表す言葉に丁寧語の「ございます」を付けただけの表現で、その丁寧語がどうして「ございました」と変化してしまったのか。過去のことを話したので、過去形に変えたとしか考えられないが、元々「ございます」は動詞ではなく、時制の変化なんてあり得よう筈がない。この点について、間違った「有難うございました」を乱発するNHKに対して2003年と05年にNHKに照会し、当時アナウンス部担当部長に質問したところ、文法的には間違いかも知れないが一般的に使われているので、間違いだと断定することは出来ないというような釈然としない考えを話された。そこで再三話し合ってNHKが言葉を乱していると詰問した結果、私の意見を受け入れ今後アナウンサーには「ございます」と言うように指導すると言ってくれた。やれやれと思ってその経緯をNPO誌に2度寄稿した。

 しかし、アナウンサーも最初の内は約束通り「有難うございます」と正しい表現をされていたが、月日が経つにつれて、間違いの「有難うございました」に戻ってしまった。まったく元の木阿弥である。

 事程左様にやはり長年の習慣というか、クセというものは間違いと思っていてもつい「覆水盆に戻らず」ではなく、「覆水盆に戻る」である。NHKのようなある面で話すことをリードしている公共放送ですら、丁寧とか、謙虚という言葉がよく分かっていないような印象を受けた。

2023年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5716.2023年4月15日(土) 選挙応援に来られた岸田首相に爆弾

 40年前の今日東京ディズニーランド(TDL)が開園した。光陰矢の如しというか、実に時が経つのは早いものである。グランド・オープンの前に、義父の友人だったTDL社長だった方から招待券をいただいて2人の子どもと妻と出かけ、日本にも立派な遊園地が出来たものだと感慨に耽ったが、当時としてはびっくりするほど洗練されたテーマパークだった。TDLはその後2001年にディズニーシーを開園し、入園者は増え続け、先月も孫たちが奈良からやって来て楽しんでいた。一時的にコロナ禍で減少しながらも開園以来今までに8億人もの入園者があった。東京近郊では経営的にも安定したテーマパークとなった。生憎TDLはどういうわけか、その後の開園記念日は降雨に遭うことが多く、今日も朝から雨が降って折角企画されていたパレードは中止になった。雨男のミッキーマウスも閉口しているのではないだろうか。

 それにしてもテーマパークがこれほど多くの日本人に愛されようとは、考えてもいなかった。それまでとかく生真面目過ぎると揶揄されがちだった日本人にも少しは気持ちに余裕が生まれたのか、結構なことだと思う。

 そんな穏やかに日に、和歌山市内漁港で岸田首相が衆議院補選の候補者応援に駆け付け街頭演説の直前に、突然爆発物が投げられ爆発した。テレビの画像にも白い煙が上がり、容疑者が取り押さえられる場面が生々しく映された。昨年7月、参議院選の応援で街頭演説をしていた安倍元首相が銃弾を撃たれて死亡するという悲劇的事件が起きてまだ1年も経っていない。比較的海外に比べて治安がしっかりして安全と見られていた日本の要人警護の問題でも、来月広島市内で開催されるG7サミットを考えると今後は余程警戒しなければ危険が身に迫ることがあり得るということを覚悟しなければならない。取り押さえられた24歳の容疑者は何も述べていないが、いずれ行動に至った理由などについて明らかにされるだろう。

 さて、神宮外苑再開発という名の下に神宮周辺の樹木を伐採する東京都の計画に対して都民のみならず、神宮愛好家からも反対の声が根強いが、小池都知事は既定方針通り樹木を減らす計画を進めることを明言していた。ところが相変わらず反対運動が止まないことについて、東京都は開発を行う事業者の三井不動産に対して都民の理解を得ながら事業を進めるよう改めて要請した。事業者と都民との間に入って問題解決に当たるべき東京都が、その肝心な場から逃げているのである。すべては事業者と都民が話をしながらも計画は予定通り実行するようにと理不尽で不条理なやり方を押し付けたのだ。最近の小池都政は種を撒いておきながら、その後の目立たない草刈りなどの管理を他人任せにする不誠実な言動が多い。これでは、都民が求める解決策は実行されないだろう。

 無責任な小池都知事はこんなことまで語っている。

 「事業者の考え方が正しく伝わることが重要であり、これまで以上に主体的に取り組んで欲しい。都民をはじめとする人たちに共感を抱いてもらえるように、今回のさまざまなプランを着実に実行してもらうことが、まず一番ではないか」とまるで他人事である。かつては積極的に前向きな考えや行政が都民の信頼を勝ち得ていたが、今ではかつてスキャンダルで都民を裏切り退任した猪瀬元知事や、舛添前知事と何ら変わらないではないか。

2023年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5715.2023年4月14日(金) 来年度新紙幣発行に際し気になること

 来年上半期に日銀が発行する紙幣3種類のデザインがすべて変更される。デザインが変わるのは20年ぶりであるが、デザインに採用される人物はそれぞれ独自の分野で功績を上げた国民誰もが敬愛する人物である。今回採用されるデザインは、1万円札に渋沢栄一、5千円札のデザインには津田梅子、千円札には北里柴三郎が採用されることになった。

 この中でちょっと首を傾げるのは、1万円札に使用される渋沢栄一である。確かに明治期の日本経済の牽引車として、多くの事業の創設に関わり、創設に関わった企業の数が実に500社とも言われる。第一国立銀行や、東京商工会議所などの創立にも力を尽くし、日本の資本主義の父とも呼ばれている。業績としては申し分ない人物である。しかし、やや気になるのは、私生活面が少し甘く、女性関係も華やかで愛人の数も大分いたらしく、妻及びお妾さんとの間に生まれた子どもの数が20数人といわれる。80歳を過ぎてから愛人との間に子どもを儲けたと眉を顰める人もいた。経済人としては確かに類まれなほどの功績を残した。ただ、1万円札のデザインに採用され、多くの国民が使用する紙幣の顔とするには、人間的にもっと真面目で広く国民から尊敬されるような人物であって欲しいと思う。その点では津田梅子は、女子英学塾(現津田塾大学)を創設した日本の女子教育の先駆者であり、いま男女の平等化が大きな問題となっているだけに、新5千円札のデザインに採用されたのは時宜を得たと言えよう。同時に、新千円札のデザインに北里柴三郎が採用されたのも、近代日本医学の父と言われるほど初期の日本の医学界に貢献し、明治期にペスト菌を発見した。慶応医学部の創設者でもある。これら2人には、人格的な問題はまず見当たらないが、渋沢にはその点だけが気がかりである。選任者は、私生活なんて世の中の偉大な功績に比べれば大したことはないぐらいに思っているのだろうか。その代表者は、決定した時の財務大臣の麻生太郎氏だった。

 ところで、日本では紙幣のデザインがしばしば変わるが、外国ではあまりデザインが変わることはない。例えば、アメリカの1㌦紙幣は1863年以来初代大統領のワシントンである。至極当然のことではあるが、生存者がデザインに使用されると、加齢とともにデザインと本人の実物象に乖離が生まれてくる。昨年亡くなられたイギリスのエリザベス女王のデザインが英国紙幣に初めて使用されたのは、37歳の時で若くきれいだったが、そのままというわけにはいかず、64歳の時に修正された。しかし、植民地では各国とも、若い女王や実年齢に近い女王を使用したりそれぞれまちまちである。

 最も悩んだと思えるのは、タイのお札である。19歳の若さで即位された故プミポン国王が年齢を重ねるごとに新札が発行され、89歳で亡くなるまでに7度も年齢なりの国王のデザインを印刷した新札が発行されたという。

 今更渋沢栄一のデザインを別人に替えるということは無理だろうが、今後はそれら人物の業績もさることながら、人間性も充分考えて欲しいとの思いを言いたかった。

2023年4月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com