5734.2023年5月3日(水) 憲法記念日に思い出す中学生時代の憲法談義

 今日は戦後になって新憲法が施行された日である。1947(昭和22)年の施行に先立って広く公布されたのは、前年の11月3日である。奇しくも私の8歳の誕生日だった。小学校では憲法という国の方針、ルールが決まったと担任教師から話があったことだけは覚えているが、当時はとんと関心がなかった。実際に憲法に関心を抱いたのは、53年京都市立中学3年生時代である。同年に警察予備隊が保安隊と名を変え、54年に自衛隊となり、53年7月には朝鮮戦争が停戦となり社会科の教師から授業で、憲法についてかなり具体的に教えられ、新憲法には終戦後日本は戦争を放棄して、今後軍備は一切持たないことを第9条にはっきり書かれていると教えられたことを思い出す。その折私は教師に「もし外国から攻めてきた場合軍隊がいなければそのまま占領されるが、そのままで良いのでしょうか」と質問した。はっきり覚えているが、その時教師は、そのままで良い、抵抗しない方が良いと応えられてそれ以上何も言えなかったことを今以て覚えている。その時の教師は何を考えておられたのか分からなかったが、学生時代に60年安保闘争に参加するようになって、あの時の教師の考えていることがぼんやり分かったような気がする。

 残念ながら戦後自民党政権は、年を追うごとに憲法を改正し再軍備を行うことに懸命である。今ではわき目も振らずに改憲へまっしぐらである。あの改憲論者だった安倍晋三元首相が、あまりにも露骨に改憲賛成を打ち出したために、毛嫌いされ改憲の支持者が伸びなかったが、岸田現政権になってから狡猾にも表向きは如才なく振舞いながらも安倍氏以上に改憲へ向かい出した。世界最大の軍事国家である同盟国・アメリカ政府の歓心を買うべく、アメリカが望む防衛予算の大幅増額をはじめ、在日アメリカ軍経費の補助、アメリカから軍需品の買い付け、等々アメリカ政府のご機嫌取りにばかり目が向いている。その結果防衛費予算は大幅に膨れ上がった。今年度の予算は、過去最大で6兆8千億円で昨年度の当初予算と比べても1兆4千余億円も過大で、1.3倍と大幅な増額となった。向こう5年間の防衛費予算総額は、実に43兆円となり、それ以前の5年間の総額だった27兆円に比べて約1.6倍にもなっている。

 現状はとうに憲法改正論議以前の問題となっており、再軍備はすでに走り出して自衛隊は明らかに憲法を冒してもう軍隊となっている。このせいか、現状容認の世論調査によると岸田政権になってから憲法改正賛成論者が着実に増え、最近の朝日新聞の調査によれば、「変えない方がよい」が55%で「変える方がよい」の37%を上回ってはいるが、これまでの自衛隊の「専守防衛」義務は、今後も維持すべきとの声が59%もある一方で、見直すべきとの声も急速に伸びており、その差は年々狭まっている。

 怖いのは、防衛費予算拡大に伴って急速に取り上げられている「敵基地攻撃能力」保有について52%が賛成していることである。何が故にこのように戦争へのめり込んでいこうとするのか。戦争の惨めさは、戦争が起こる都度誰もが感じている。それでも昨今の日本人は戦争を知らない世代が圧倒的に多くなり、まるでAIで代理戦争を戦っているような感覚で戦争に悲壮感を抱かずに傍観しているだけである。それ故戦争を知らず戦争に無神経な世代が、各界に進出することが恐ろしい。せめて戦争を知る我々後期高齢者世代がこの世から皆いなくなってから、好き勝手に戦争をやってくれと皮肉のひとつも言ってやりたいものだ。

2023年5月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5733.2023年5月2日(火) 野球人気盛り返しのためルール改定 

 WBC優勝以来、メジャーリーガー大谷翔平選手の活躍がアメリカでも目立っている。日本でもプロ野球の人気が陰に隠れてしまったほどだ。アメリカのMLBの試合が連日NHK・BSで放映されるようになって大谷選手以外の日本選手の活躍もTV画面で観られるようになった。アジア及び太平洋諸島コミュニティを支援する非営利団体「ゴールド・ハウス」が選ぶ2023年同地域を代表する人物リスト100人の1位に、昨日2年連続で大谷翔平選手を選出したと発表した。その団体の権威がどれほどのものか不明だが、それでも大谷選手の活躍が各方面で高く評価されているひとつの証拠であろう。大谷人気も大したものだと思う。

 ところが、野球の本場であるアメリカでは野球人気は近年今ひとつ盛り上がりに欠けるようだ。一番人気のあるスポーツは、アメリカン・フットボール(NFL)、次いでバスケット・ボール(NBA)、3番目が大リーグ(MLB)で、4大スポーツの4番目がアイスホッケー(NHL)である。野球とそれら3大スポーツを比較してみると、野球はプレイする時間と競技場の面積が統一されていないことが他のスポーツとは異なる。例えば、3つのスポーツは、試合時間が決められているが、野球は終了時間が決まっていない。更に競技場の広さは、3つのスポーツはそれぞれ同じようにきまっているが、野球場だけが異なる。各グランドによってホームベースから外野席の塀までの距離がマチマチで、更に塀の高さもバラバラで、仮にホームから外野の塀までの距離が同じであっても塀の高さが異なるため、ホームランになったり、外野手に捕球されたりする。運不運がある。こんなスポーツはあまりない。

 大リーグが、人気の盛り返しを図って、今シーズンから試合中に無駄をカットして時間の短縮を考えルールを一部改正した。ゲーム中に投手がボールを持ったまま何もせずにプレート上に漠然と立っている無駄な時間や、バッターが中々打席に入らないことに制限を加えようとして採用したルールが、投球間隔の時間制限をした「ピッチクロック」と言われるルールで、投手にとっても、打者にとってもぼんやりとしていられない厳しいルールである。他にも極端な変形守備体制、例えば1・2塁間に3人の内野手が守備することを禁じた。大リーグの試合時間が、このルール適用によってかなり短くなった。昨シーズンのMLB平均試合時間が3時間3分だったのに引き比べて、今年は4月30日までの試合の平均時間が2時間36分というから30分ほど短縮されたことになる。初めは慣れないだろうが、いずれ慣れてくれば、試合の緊張感も高まり、人気も取り戻すことが出来るようになるだろう。MLBの生き残りを賭けた実験であると思う。

 それに比べて日本のプロ野球界はこれから検討するというが、どうも感度が鈍いようだ。社会人の日本野球連盟では、今年から「スピードアップ特別規定」として、このピッチクロックの導入を決めた。何事もそうだが、ルールさえ整備すれば良いというものではないが、これをきっかけにもっと洗練された野球を見せなくては元も子もない。日本プロ野球機構もどうしたら、もっとファンに喜んでもらえるゲームを出来るかを真剣に考えるべきであろう。

2023年5月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5732.2023年5月1日(月) 新聞購読者数の減少はどこまで続く?

 いま2つの視点から注目されていることがある。注目されているのは台湾の在り方と、中国との対応である。それは国際的に進む台湾離れと、中国へ経済的に寄りかかって負った多額の負債である。今日判明した南米のパラグアイ大統領選で、台湾との国交維持派の44歳の与党サンティアゴ・ペニャ氏が中国との国交を主張する野党候補に勝利した。南米では今年3月にホンジュラスが台湾から中国へ国交を鞍替えしたばかりで、パラグアイは南米で唯一台湾との国交を継続する国となった。台湾としては正式に外交関係を結んでいる国は、今では13か国に減って中国の外交圧力が強まっていただけにさぞホッとしていることだろう。

 この期に及んで何故パラグアイは恩のある台湾と手を切ってまでして、一帯一路の中国と国交を結ぼうとする声が強まったのか、そこには貿易面で支援を得たいとの腹積もりがあったらしい。台湾はかつてパラグアイの貧困密集住宅を取り壊し、8,500戸もの団地住宅を建設して提供したり、国会議事堂の建設資金を一部援助、また医療施設等社会福祉施設建設資金を供与したり、パラグアイの厚生面で貢献した。貧民住宅に住んでいた住民たちは台湾への感謝の気持ちを語っている。それを敢えて無視しても中国との外交関係を締結することに賛同した国民には、農業国であるパラグアイが中国に向けて農産物の輸出を拡大しようとの思惑があるからである。アメリカにも南米の反米感情をたきつけた原因があることを承知しているので、ペニャ氏のテコ入れのために選挙前にパラグアイを訪れていたアメリカのブリンケン国務長官もきっと胸をなでおろしていることだろう。

 さて、読書離れと同じく新聞購読者離れが加速しているようだ。かつては、大手新聞社の中には1千万人の購読者を誇っていた新聞社もいくつかあったが、今や見る影もなくなっている。例えば、購読読者数は漸減傾向にあるが、その中でも22年上半期時点で5大紙の購読数は大きく後退した。読売686万部、朝日430万部、毎日193万部、日経175万部、産経102万部にまで減少した。当然経営は苦しい。

 実は、今月から朝日は月額500円の値上げをするとともに、今日から紙面の文字を若干大きめにした。出来るだけ読者が読みやすいようにとの配慮であるが、確かに老眼傾向の我々高齢者にとっては読みやすくなって助かってはいる。同時にポストに読売新聞のハガキ大の広告紙が入っていた。それを見ると朝夕刊合わせて月額4,400円の購読料を読売は「価格据え置き」というものであるが、それは4,900円に値上げしたA紙と比べて月額500円、年間6千円もお得とライバル攻撃の宣伝をしている。裏面には、「本紙は値上げしません」「本紙購読料値上げせず」「読者に奉仕 個別配達網を堅持」と得意げに書かれている。だが、その傍に小さく「少なくとも1年間」と書かれている。あわよくば来年からは、値上げさせていただくとの魂胆であり、やせ我慢と嫌らしさを感じる。

 新聞各社は押しなべて今苦境に立たされていて、日経ではこのところ中堅社員の退職者が後を絶たないという。先に毎日新聞社は法人税支払いを中小企業並みの少額に抑えるべく、資本金を1億円まで大幅に減資した。中日新聞社は決して経営状況が悪いわけでもないが、一気に海外支局5か所をクローズすることになった。それもロンドン、パリ、モスクワ、ニューヨーク、カイロの世界でも情報収集に欠かせない大支局でもあり、それを今後共同通信と時事通信に委ねるようだが、社内外から厳しい声が漏れ伝わっている。

 それにしても新聞の購読者が年々減少していくようになれば、ニュースを知る手段としてはテレビとスマホだけになってしまうのだろうか。これでは、益々新聞は読まず、文字を知らず、文章を書けない日本人が増えることだろう。

2023年5月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5731.2023年4月30日(日) GWに観光客は戻って来るか?

 最大で9連休となる今年のゴールデンウィークが昨日から始まった。早くも各地の観光地では多くの人で賑わっているようだ。実際昨日都内中野への往復の交通でも、かなり車内は混みあっていて、計8回の電車、バスの乗車機会に1度だけ山手線の優先席に座ることが出来た程度で、他はラッシュアワー並みの混みようだった。新型コロナ感染対策の緩和が進み、各地に観光客が戻ってきているようだ。しかし、観光業者にとってはお客が戻ってきたのは有難いが、コロナ禍のために従業員を減らしたところでは、急速にその補充が利かず従業員の人手が足りずに対応に苦慮している。空の便も国内線は、93.5%に戻った。JRも新幹線をはじめとして、座席指定列車の予約は順調のようで前年比1.4倍まで回復した。各地の高速道路もかなり渋滞が予想されている。

 JTBがまとめたGW中の宿泊旅行の見通しでは、総旅行者数を2,470万人、総旅行費用額を9,040億円と推計している。この内訳は、国内旅行者が前年比153.1%の2,450万人で、コロナ直前の2019年の数値にほぼ戻ってきた。海外旅行はコロナ予防のための水際対策が昨29日を以て終了した。そのせいもあり近場のハワイと韓国に人気があるようだ。

 一方、訪日客がこのところ目立って増えている。本年5月の外国人訪日客は215万人と見られ、19年の277万人にはまだ及ばないが、昨年は僅か14.7万人だったことから考えればインバウンド市場はかなり回復したと言えよう。来る5月8日から政府が感染症の位置付けについて、「5類感染症」に移行することが決まった。今後の観光業に明るい予測が立てられるだろうか。

 さて、昨日スーダンからの日本人避難者48人を乗せた政府チャーター機がジブチから羽田へ戻ってきた。現地で治療に当たっていた医師の話によると、首都ハルツームから国連の車両群に交じって紅海沿岸のポート・スーダンまでほとんど寝ないで約30時間もドライブし続けたそうだ。道中生きた心地がしなかったのではないだろうか。

 このようにアフリカが緊迫した情勢にある中で、岸田首相が昨日午前エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークなどアフリカ4か国歴訪に出かけ、今日真夜中(日本時間)に最初の訪問国エジプトに到着し、早速シーシ大統領と首脳会談を行った。訪問する4か国はグローバルサウスと呼ばれウクライナ情勢では中間的な立場を取る国々が多い中で、比較的民主主義国であり、連携を図る考えのようである。特に中国がアフリカ諸国へ進出しつつあるのを警戒しつつ、エネルギーや食糧問題などを話し合う予定である。訪問の成果を確実に上げてくれることを期待したいと思う。

2023年4月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5730.2023年4月29日(土) 久しぶりに尺八、御箏、三味線を聞く。

 小田急在職時から熱心に尺八の修行をされておられた先輩が、今ではその道のプロとして活躍され、例年通り今日も都内の「なかのZEROホール」で開催された第45回関東演奏大会で技を披露された。先輩は、会社を中途退職されたが、今では都山流丈清会の代表を務めておられる。この関東演奏大会も公益社団法人日本尺八連盟の東京、埼玉、神奈川各都県支部が主催したものである。入場者はやや少なく寂しい印象を受けたが、尺八、御箏、三味線のお師匠さんやお弟子さんたちが日ごろ鍛えた腕を披露された。先輩はいくつかのグループの演奏では、主にリーダーとして演奏されていたが、ただ先輩だけがひとり独奏もされた。中々格調高いもので耳にする音色は聴き易かった。まぁ貫禄というところであろう。

 ただ曲目は、普段西洋音楽を聴きなれている耳には、和風の音はほとんどが初めてで、尺八、御箏、三味線が織りなす音色は風情があるが、口ずさむというわけにはいかない。特に、島崎藤村の詩に曲をつけた「千曲川旅情の歌」は、まさに「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず 若草もしくによしなし」を表しているのだが、気持ちが曲に入り込めないせいか、高校生時代に国語で習った時ほどの感情移入はなかった。しかし、全般的に普段テレビでやや煩いほどの音量に早口で意味不明の歌詞の曲を聞かされているだけに、歴史のある和風音楽は落ち着くような気持ちがする。

 さて、プロ野球界ではWBCで日本が優勝した結果、活躍した日本代表チームの選手、特にメジャーリーガーの人気が盛り上がっている。最近テレビでは、日本のプロ野球よりMLBの試合実況、当日の試合結果の方が優先されるほどで、日米の時差の関係もありNHK・BSの朝はMLBの実況がある日が多い。このところロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手が投手として、また打者として二刀流で活躍しているせいもあり、日本球界の実力をアメリカ人も見直すようになった。特に大谷選手への評価にはプレイはもちろん、その礼儀正しい受け答えや、いつもスマイルを絶やさぬ姿勢に人気はウナギ上りである。今では多くの日本選手がメジャーリーグで堂々と活躍しており、彼らへの評価は高い。

 このブームはイチロー選手が渡米する前には想像も出来なかったことである。イチローがメジャーリーガーとして活躍して、彼が日米通算安打数もピート・ローズ選手を追い抜いた時、ローズ自身もイチロー如きにライバル扱いされたのが、よほど癪に障ったのか、誇り高いローズが何と言ったかと言えば、プロの選手が記録を伸ばしたらそれは認める。しかし、プロの記録と高校生の記録を足した数字と自分の記録と比べるようでは話にならないというような話をしていた。つまりイチローが日本で作った記録は、レベルが低い中で達成したものだとして話を寄せ付けなかった。一度だけそのローズ選手の試合を観たことがある。それはフィラデルフィアでレッズから移籍してフィリーズに在籍中のことだった。バッターボックスに入るや、ファンは「ピート!ピート!ピー!ピー!ピー!」とそれは煩かったものだ。

 日本の選手がアメリカをはじめ、海外で活躍するのは嬉しいし、力になるものだ。これからも才能ある日本人選手が活躍してくれることを期待している。

2023年4月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5729.2023年4月28日(金) 2067年、百歳以上の高齢者が出生者数を上回る。

 昨今話題になる少子高齢化問題の中でも、とりわけ懸念されているのは、出生者数の減少である。このままでは日本の人口は益々減るばかりである。一昨日厚生労働省が公表したデータに依れば、2070年には日本の総人口は、8千7百万人にまで減少する。しかも、その内約1割が外国人だという。70年の出生者数は、45万人にまで減るというからこのままいけば早晩国が亡びることになる。それを救っているのが、外国人の増加である。20年には総人口の2.2%しか居住していなかった外国人の割合が、70年には実に10.8%になるというから驚く。だが、こういう大事な問題を外国人を当てにして良いものだろうか。このように出生数が減少する中で、高齢者数が減るわけではない。こうなると単に日本の総人口が減ることを悲しんでいるだけではなく、多くの問題が浮かび上がってくる。その最たる問題は、働けない高齢者が増える一方で、働かなければならない働き手の数が減少することである。これでは経済も減速し、日本の将来はお先真っ暗である。

 そもそも人口減少の最大の問題は、若者が段々結婚をしなくなったことが大きい。因みに女性の初婚年齢の平均は、21年から70年の間に、27.2歳から28.6歳に、50歳で未婚の女性は、15%が19.1%に、1人の女性が出産する子の数は1.3人が1.36人になり、夫婦が生涯に得る子どもの数は、1.83人が1.71人となる。そして、平均寿命は男81.58歳が85.89歳に、女87.72歳が91.94歳になる。この間の笑えない現象として、67年には、100歳以上の高齢者の人口が50万人に達して、出生者のそれを上回ることである。

 以上のような将来像から、明白に見えてくるのは働き手不足である。その中でも、先ず介護業界と運送業界にしわ寄せがいく。30年代以降には、人口減少によって日本はマイナス成長に陥り、60年には世界でも突出して人口が増え続けているインドにも国内総生産(GDP)で追い抜かれるという悲観的な未来像がある。

 ところで、昨日の朝日夕刊一面に紹介された81歳になる2人のアメリカ人女性の80日間世界一周旅行が大変興味深かった。介護問題ばかりが取り上げられる中で、こういう若者顔負けの高齢者のエネルギーには元気をいただける。かつて兼高かおるさんが、私が高校に入学した1954年ごろにPAN AMERICAN航空で「80日間世界一周」を実行して世間をアッと言わせて、その後長らく話題になっていた。2人の女性、医師と写真家の親友同士が5年前に計画を思いつき、日本を含む7大陸、18の国々と地域を訪れ、宿泊費の予算は1泊33㌦だったという。私が1966年と67年に1か月弱を東南アジアとアフリカ・中東を武者修行をした当時の宿泊費は1泊約10㌦(当時の外為レートは1㌦=360円)だったというからあまり変わらない。

 彼女らの旅行コースを辿ってみると、アメリカ・ダラスを起点に、アルゼンチン、南極、チリ、スペイン、フィンランド、イタリア、イギリス、ケニア、タンザニア、ザンビア、エジプト、カタール、インド、ネパール、日本、マレーシア、インドネシア、オーストラリアを経てダラスへ戻っている。私は、これら18か国の内、まだアルゼンチン、南極、チリ、カタール、ネパールの5か国を訪れていない。日本では横浜と東京に滞在したようだが、日本ではマスクを着用している人が多かったことと、訪れたどの国よりも英語を話せる人が少なかったことが印象に残っているようだ。それにしても、武者修行とまではいかなくても、海外を自由に旅行したストーリーを知るとつい興味をそそられ嬉しくなる。私自身、コロナ終息後に果たして変形性関節症という症状を抱えてもう1度海外へ行く気持ちになれるだろうか。

2023年4月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5728.2023年4月27日(木) ゼレンスキー氏、習主席と電話会談の真意

 今月社会人となった奈良県生駒市に住む長男家の初孫が、最初の赴任地が決まったと長男から連絡があった。初孫は先月立命館大学経済学部を卒業し、今月初日本鋼管㈱と川崎重工㈱の合併会社・JFEホールディングス㈱の傘下にあるJFE物流㈱の入社式を終えて教習所に入り、昨日辞令が交付されたようだ。最初の赴任地は岡山県倉敷市の西日本事業所に決まったと知らせてくれた。先月会った時に、「初心忘るべからず」という主旨のことを話したが、いつまでも新鮮な気持ちで仕事に前向きに真面目に取り組んで欲しいと願っている。

 さて、昨日ウクライナのゼレンスキー大統領と中国の習近平国家主席が初めて電話会談を行ったとのニュースを聞いて、本心かな? 中国の狙いは何だろうと信じられない気がした。ウクライナからの要望のようだが、ゼレンスキー氏は両国の発展に推進力をもたらすと語り、一方の習主席は大国の責任として傍観することも火に油を注ぐこともないと消極的な発言だった。二枚舌でなければなければ好いと思っている。これまでの中国のロシア寄りの姿勢から推測するなら、中国がウクライナに肩入れすることは考えられない。中国は意思疎通を図ると言い政府の特別代表をウクライナに派遣すると表明した。一方戦争の当事者であるロシアはこの動きをどう受け止めたのか。ロシアとしてはこれまでのロシアの行動に対して常に精神的にも物質的にも支援してくれた同盟国・中国のアンチ・ロシアとも受け取られかねない動きに、内心ショックを受けていると思う。だが、ロシア外務省ザハロワ報道官は「我々の原則的な手法と中国が2月に公表した姿勢が広く一致していると確認できた」と本音かどうか分からない、やせ我慢のようなコメントを公表した。侵攻以来終始ロシアを精神的にバックアップしてきた中国は、国連の場においても常にロシアに同調していた。それが国際世論からロシアを袋叩きするのを防止したり、ロシアが核を使用することにブレーキをかけさせたり、大きな役割を演じてきた。果たしてこれからロシアを支援している中国とウクライナがいかなる話し合いを行うことになるのか、この折角の機会が失われないよう両国ともに賢明なる話し合いを進めて欲しいものである。

 昨日の本ブログにアメリカの次期大統領選に、高齢の民主党バイデン大統領と共和党の同じく高齢のトランプ前大統領が打って出ることを取り上げたが、その後アメリカ国内では、物語の続編が1作目ほど優れていることはほとんどないとして、作られるべきではないと続編「バイデン・トランプ対決劇場」には白けた空気が流れているようだ。実際に続編が上演されるのかどうかは現段階では何とも言えないが、その可能性は高まっている。だが、2人の再出馬を望むアメリカ人は僅か5%で、どちらも出馬しないことを望む人が38%だそうだから、アメリカが民主主義国家だと自認するご両人には、自らの引き際を考えることが大事ではないだろうか。

2023年4月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5727.2023年4月26日(水) 日本人、スーダンから無事避難

 去る23日、知床観光船沈没事故が発生してちょうど1年となった。26人の船員を含む乗客の内、まだ6名が行方不明のままである。観光船会社の安全管理が不備だったことが事故の原因とされ、国の安全管理基準も問題とされ責任を問われた。

 そして昨日、JR西日本・福知山線で列車脱線事故により107名もの犠牲者を生んでから早くも18年が経過した。これはカーブで運転士がスピードを出し過ぎたことから列車が脱線し線路際のマンションへ突っ込んだ大事故だった。この原因についてJR西日本はスピードの出し過ぎを反省し、カーブ地点の列車のスピード制限をするよう規則を改めた。

 いずれも防ごうと思えば、防げた事故である。その点では、昨日漸く日本人の国外脱出を無事終えたスーダンの在留邦人避難は見事と言えるものだった。スーダン国軍と対立する準軍事組織RSFが、停戦に合意しながらも約束が順守されない危険な状況の中で、自衛隊、外務省、現地日本大使館の打ち合わせと連携の下に、サウジアラビアや韓国など他国の協力・支援を得て避難が実行された。中でも韓国は5人の日本人を車両で目的地まで運んでくれたという。落伍者もなく日本人の退避は遂行することが出来た。これには、一昨年アフガニスタンでタリバン政権が再び政権の座に就いた際、混乱する現地から日本人を避難させるのに一部手遅れがあり、救出がスムーズに運ばなかった。今回はその失敗を糧に、早めに準備を進め、ハルツームから陸路を2台の車両に分かれ、ルートも別々にして700㎞以上離れた沿岸都市ポートスーダンまで約30時間かけて移動させ、その後自衛隊機によりジブチまで移送した。

 そのジプチには、かなり以前に1度だけ訪れたことがある。1968年1月エチオピアからアデンに行く途中、ジブチで航空機を乗り換えた時だった。その時アデン行プロペラ機を待っているしばらくの間ジブチ空港周辺をぶらついたが、樹木がほとんど見られず太陽がまぶしく暑苦しかった印象がある。とにかくスーダンを脱出した人たちも日本に無事帰国させるまでは、気を緩めるわけにはいかない。

 さて、来年のアメリカ大統領選に当たって、民主党のバイデン大統領が再選出馬を表明した。共和党ではすでにトランプ前大統領が再挑戦を宣言している。若者の国・アメリカのトップの地位を、2人の高齢者が争うことになるのだろうか。2人の立候補に対して民主、共和両党の支持者の賛同は芳しいものではない。バイデン氏立候補に対する民主党支持者は賛成が26%、反対が70%、トランプ氏の方が多少ましで賛成35%、反対60%である。今後どれだけ賛成者を上乗せ出来るだろうか。

 バイデン氏が2000年の大統領選に勝利を収めた時は、ハリス現副大統領が民主党候補として次の大統領を狙うのではないかと考えられたが、ハリス氏には副大統領就任後さして実績がなく、後継者としては消えてしまった。一方のトランプ氏は、退任後スキャンダル続きで支持が大分落ちている。しかし、共和党のライバル候補がどんぐりの背比べで、トランプ氏に勝てそうな強力な人材もいない。それでもバイデン氏は、トランプ氏が相手なら勝てると思ったのか、老骨に鞭打って出馬を決めた。ただ、バイデン氏は現在80歳であり、アメリカ大統領の激職に耐えられるのか。実際普段でもその歩き方や、話し方を見ていると今ひとつパンチや迫力が感じられない。周囲からも健康面で不安視されている。すでに過去の大統領の中でも最年長であり、仮に再選されても辞める時には、86歳になっている。

 一方のトランプ氏にしても現在76歳で、バイデン氏より4歳若いだけで、いずれが次期大統領になろうとも世界のリーダーとしては最年長者である。現在プーチン・ロシア大統領は70歳、習近平・中国国家主席も69歳で高齢者であるが、フランスのマクロン大統領は45歳、イギリスのスナク首相は42歳である。バイデン氏はもちろん、プーチン氏も習近平氏もそろそろ身の退きどきを考えた方が良いのではないかと思う。

2023年4月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5726.2023年4月25日(火) 「日本維新の会」の急伸と秘めた瞬発力

 この度の統一地方選の結果を見て、かなり議席を伸ばした「日本維新の会」の伸展ぶりに、聊か度肝を抜かれた感がある。どうしてこの政党がここまで画期的に議席を伸ばすことが出来たのか、詳しくは分からない。しかし、自民党の上を行くほどの極右政党で、憲法改正、軍備拡張や、カジノ賭博場に住民の反対を押し切ってまでも開設計画を進めたり、1度は住民投票で否決された都構想を復活させようとしたり、大阪府民を無視するかのような傲慢な姿勢にはとても賛同する気にはなれない。それでも投票率が下がり気味の中で、この党だけはかなり得票率を伸ばしている。その最大の理由は、右翼的であろうと防衛費増大に賛成など極めて明快に自党の公約を主張するからであろう。遠慮して口籠ったような言い方はせずに、反対意見を正面から受け止め論破するなど物事を躊躇することなくはっきり言うことが分かり易く、聞く者の胸に伝わるのだろうか。

 「日本維新の会」はこれまでは、大阪を地盤にその勢力を拡大しつつあった。それが、統一地方選前半戦で奈良県知事を当選させ、後半戦では衆議院和歌山県補欠選で勝利するなど、初めて大阪以外から知事、及び衆議院議員を当選させた。そして今回首都圏でもその勢力を大きく拡大させた。東京では市町村議選、区議選で従来22人の議員を73人にまで急増させた。目立ったのは、選挙区内でトップ当選をした議員が多く、議員選があった都内41市区の内、11市区でトップ当選を果たし、江戸川区では、1位と2位を占めた。神奈川県内では改選前の僅か2議席が、25議席にまで伸び、埼玉県に至っては0議席だったものが、5議席獲得となった。

 「日本維新の会」は、当面野党第1党の立憲民主党を標的に、野党第1党を目指し、国会の場においても自民党はもちろん、公明党をも脅かし始めたと言えると思う。

 従来の政権は交代の都度少しずつ党員、議員を増やして行った印象が強いが、この「日本維新の会」の伸展ぶりはドラスチックで、従来の流れを一気に変えて政権獲得を目指すという空気を感じる。前記のように私自身はとても同党のやり方や考え方には否定的であり、昨年同党推薦で参議院議員に初めて当選した知人の青島健太氏に、「これまでの青島健太とは今後とも付き合えるが、日本維新の会の青島健太議員とは付き合えない」と皮肉っぽい手紙を送ったら、彼からはそれで好いと言ってこられた。

 しかし、ここまで勢力を伸ばした「日本維新の会」の成長ぶりには、代表者や幹部らの努力があるのだろうが、そのエネルギーには日本の政治を変えようとするパワーを感じる。これまでは大して評価していなかったが、今後はこの政党の言動から目を離せなくなりそうだ。

 さて、今日午後セルビア在住のヴァイオリニストの豊嶋めぐみさんが足の静脈瘤の治療のため一時帰国したので、ゼミの友人と3人で新宿駅にて待ち合わせ、今月14日にオープンしたばかりの上層階に高級ホテル2つが入る47階建て高層ビル「東急歌舞伎町タワー」を話のタネに見学し、新しいカフェでゆっくり話をしようということで出かけた。天下の東急グループが鳴り物入りでオープン・セレモニーを行ったばかりで、さぞや豪華な建物だと思っていたが、入り口からして派手にチャラチャラしたような雰囲気で、中に入ると賑やかな飲食店街が騒音の中でお客さんを受け入れていた。あまりにも想像とはかけ離れていて5階のレストラン・カフェに入ろうとしたら、開店は来月19日だと丁重に断られてしまった。高級感のある雰囲気を期待していたが、率直に言って少々品のないビルで期待を大きく裏切られてしまった。周囲も歌舞伎町らしく飲み屋街で若者が多く、果たして高級ホテルとしてやっていけるのか疑問に感じた。

2023年4月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5725.2023年4月24日(月) 統一地方選で気づいたこと

 昨日行われた統一地方選後半戦の結果は、「日本維新の会」を除いて各党とも不本意な結果に終わったようだ。特に立憲民主党は今が限界ではないかと思えるほど捗々しいものではなかった。酷かったのは「政治家女子48党」で、昨年の参院選で当選したガーシー氏の当選以降公職選挙法に基づく選挙では誰ひとり当選出来ないお粗末さだった。党名の変更も党内でもめている状態でこれでは政党と名乗る資格がない。一昨日の本ブログに取り上げた自称党首の大津綾香氏の如きは、目黒区議選でも下位で見事に落選してしまった。衆参補欠選5か所の内、自民党は4勝1敗だったが、その1敗は和歌山1区で自民現職を「日本維新の会」の新人女性が破ったものである。

 今後の選挙を見て新しい現象が現れたことを知った。それは、千葉5区で当選した自民党新人女性候補と、兵庫県芦屋市長である。前者は両親が新彊ウィグル出身でアメリカの大学を出てから国連職員として勤務した、千葉県とは縁もゆかりもない34歳の落下傘候補である。後者は灘高、東大卒後にハーバード大を昨年卒業したばかりの26歳の史上最年少市長である。この2人に共通して言えることは、選挙区にはこれまで住んでおらず地元とは格別のゆかりもない。ただ、2人ともアメリカの大学で学んだ履歴からすれば、地元ばかりではなく鳥瞰的視野が備わっていてその目線は必ずしも地元密着型ではないことが想像出来る。これまで地方自治首長選では、地元に腰を据え地元以外のことは目に入らないというタイプの年配の議員が多かったが、千葉県市川市周辺や、芦屋のようにいずれも田舎臭の感じられない垢ぬけた土地では、そろそろ脱皮する時を迎えたようだ。旧態依然の自民党体質ではこれからは立ち行かなくなる可能性を感じさせてくれる。

 1例として、東京都北区長選ではこれまで5選された区長が、88歳の高齢の故に過去に支持を受けていた自民党・公明党の支援を得られず、敢えて無所属で出馬したが、新たに自民・公明党の支持を得た女性候補者に敗れた。現在88歳ということは、任期末には92歳を迎えることになり、いくら本人が大丈夫だと言ったところで、周囲には不安があるだろう。こうした頑固で古いタイプの候補者がひとりまた消えていった。

 今すぐにということはないだろうが、今後10年後20年後には公職選挙の立候補者の顔ぶれは大分変わっていることだろう。

 さて、スーダンの日本人退避情報であるが、滞在する日本政府の関係機関の職員らが、国連の職員を退避させる車列に加わり、ハルツームを離れたという。スーダン国軍とRSFは、アメリカ、イギリス、フランス、中国の外交官と市民を国外退避させると公表した。その他にサウジアラビアも自国民150人超を退避させた。20日には、空港周辺が危険だとして国外脱出は難しく中止を発表していたドイツも、同じくオランダと同様に自国民を専用機で避難させた。

 スーダンに取り残されたままの日本人は一体どうなるのだろう。

2023年4月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com