5793.2023年7月1日(土) 電動キックボードなんて禁止したらどうか。

 今日から道路交通法が改正された。その中で一番気がかりなのは、電動キックボードの利用に際して従来のルールが緩和されたことである。電動キックボードは、脱炭素化の解決につながるとしてその普及が期待されたようだ。そのために、まず免許証を必要としなくなったことであり、これまで装着を義務付けられていたヘルメットは自転車と同様に努力義務となったことである。更に16歳以上なら誰でも利用出来る。しかし、この利用者が車で渋滞している中を走り抜けるイメージを描くと危なっかしく危険で、どうしてこんな子どもの玩具のようなボードを混雑した車の傍を走るような舞台を設定したのか、理解に苦しむ。

 最初にこのニュースを聞いた時、先ず近々に事故が起きるのではないかと気になった。一番懸念されるのは、この電動キックボードが道路上を走行するにはあまりにも不安定なことである。小さな障害物によって転倒でもしたら普通のケガでは済まないのではないかとの懸念である。更に二次的な事故が気がかりである。割合倒れやすく、転んだ場合直ぐ背後を走行していた車と衝突しないだろうかとの不安である。また、自転車走行が可能な歩道を走行する際は、時速6㎞と制限されてはいるが、歩行者の間を縫って走行する場合、転倒して巻き添いになる歩行者が現れるのではないかとの心配である。

 このような不安定で危険な乗り物をどうして警察庁は認可したのだろうか。現場の警察官も恐らく事故が起きないか心配でハラハラしているのではないだろうか。憶測に過ぎないが、新しい商品として販売される電気キックボードのメーカー、関係業者らの強い要望に応えて政治家、役所が認めたのだろう。ごく限られた利用者のために、法改正を行い、事故の限りない発生を危惧しつつ安全のための配慮をしなければならない。これこそ無駄な費用と手間を弄することになる。

 電動キックボード先進国のフランスでは、事故の多発に各種の対策、利用上の制約などを実行している。パリ市内では時速10㎞に制限しているが、今年3月に電動キックボードの規制強化を発表した。約250万人の利用者がいるとされるフランスでは、事故の多発により、今年4月パリでレンタル電動キックボード禁止の是非を問う住民投票を行った結果、7.46%と投票率は低かったが、90%以上が禁止を支持し、パリ市長もその結果を地元の民主主義の勝利と評価した。パリ市内では今年8月末を期限にひとまずレンタル電動キックボードの営業は禁止されるという。パリ市と逆行する日本は事故の頻発を警戒し、これらの情報も有効に生かして慎重に精査して実用に生かして欲しかった。

 さて、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン代表が起こした反乱が、いろいろ憶測を呼んでいる。反乱1週間前にはワグネル解体の動きがあり、ワグネルが国防省と契約しなければ、ウクライナ侵攻作戦から除外され資金や物資の供給を受けられなくなると通告されたとか、ごく最近総司令官から副司令官へ降格されたスロビキン氏が反乱に関わった疑いで拘束されたとか、その他真偽を取り交ぜ情報が洩れ伝わってくるようだ。キンメイジ・米カトリック大学教授は、プリゴジン氏はプーチン大統領の身内のような存在だったが、今やコントロールが利かない危険な存在になっていたという。プーチン氏の権力地盤は今や限定的で、プーチン氏自身が権力を示すためにウクライナ戦争を激化させる恐れがあり、プーチン氏の力が落ちれば、ロシアは制御不能の状態になり、核兵器の管理に問題が生じると警告を発している。プーチン大統領がどうなろうと世界は危機を迎えることになりそうだ。いやはや我々は空恐ろしい時代に生きているということだ。

2023年7月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5792.2023年6月30日(金) 1年の半分6月が終わって思うこと

 水無月も今日終幕である。今年2023年もちょうど半ばに達した。6月と言えば梅雨の時節でもあり、気分的にはあまりスッキリとしない。今日も昼前から雨が降り出した。

 ついては、過去6月にあったことについて振り返ってみると、まず補聴器を使い始めたことがある。話す人の声がやや聞き辛くなり6年前に補聴器を使用し出した。状況によって効果のほどはいろいろだが、必ずしも完璧とは言えないまでも今ではこの補聴器がないとテレビの音声などは聞きにくくやゝ不便であると感じている。その点では補聴器に救われていると言える。その後も今日まで定期的に販売業者を訪れ補聴器の調子を診てもらっている。もうこのまま手放すことは出来ないだろう。

 その他に5年前には車の運転免許証を返納し、愛用していたフォルクス・ワーゲンも友人に譲って60年近いドライブ人生ともおさらばした。車との思い出は尽きない。ニューヨークで公認会計士をしていた、今は亡き友人と高級車コルベット・スティングレーを共有して彼の家に預けて、NYを訪れるとその車を運転してボストンなどへ出かけたものだ。サイパン島では毎年1か月の滞在中仕事上レンタカーを借りて役所などを周っていたものだ。海外ではしばしばレンタカーを利用した思い出がある。

 車に慣れ切ってしまったせいで、車を手放した現在若干の不便さを実感している。特に妻とはお互いが病院へ行く時や、自由が丘駅まで送ることが出来なくなって、若干不自由さを感じている。それでも最近変形性手指関節症により両手指が硬直化したので、仮に免許証を持っていたとしてもハンドルは握れないだろうし、運転はもう出来ないと諦めはついた。

 もうひとつ今月意外なことがあった。今年度4月分から国民年金と厚生年金が、物価変動による給付基準額の改定により引き上げられたことであり、68歳以上の受給者には原則1.9%分支給額が増え、6月から振り込み金額が増額されたことである。こんなことも現実にあるのだ。銀行口座を確認したが、まったく期待していなかったことであり、大した金額ではないにせよ嬉しい6月以降の置き土産である。

 さて、3年前の今日6月30日、香港で反中国的な言動を取り締まる悪名高き「香港国家安全維持法(国安法)」が施行された。1997年7月1日、香港の主権はイギリスから中国へ返還され、中華人民共和国の特別行政区となったが、1984年12月イギリスと中国が英中共同声明を公表したが、その中には50年間は1国2制度をもとに、社会主義政策を香港では実施しないことを約束した。

 しかし、毎度自国の都合だけで動く中国政府は、この約束を一方的に反故にして2014年に香港に対する全面的統帥権を明確化した。同年これに反対する市民、学生らが香港行政長官選挙の民主化を求めてデモ「雨傘運動」を展開し、国際世論に訴えた。2017年香港返還20周年式典で、習近平主席は「1国2制度」の1国を重視すると一方的に強調した。これはイギリスが中国に裏切られたわけであり、イギリスも中国政府に強く抗議し、共同声明を約束通り順守させるべきである。19年6月には、逃亡犯条例改定案反対運動で200万人の市民がデモに参加し、11月香港区議選で民主派が8割超を獲得した。それでも中国政府は市民の声を無視して、翌20年の今日6月30日に中国国会である全国人民代表大会(全人代)常務委員会で、香港国家安全維持法を可決成立させ、即日施行された。およそ民主主義的手段を選択しない中国政府は、傍から何を言われようと理不尽な政策を強引に実行するのだ。

 香港及び香港人民に対する中国政府の非民主的施策によって、自由を奪われた香港市民の中には、国外へ逃れる人々が絶えない。特に香港政庁に働く公務員に対しては、政府へ忠誠を誓う宣誓書まで書かされ、職場における密告なども茶飯事のようである。このため旧宗主国であったイギリスへの脱出、渡航が増え続け、イギリス政府はこの2年間に香港市民16万6千人に特別移民ビザを発給したくらいである。息苦しいと感じる公務員の数は年々増加して、今年3月には公務員が減って、欠員は定員19万人の1割に達して、一般業務に支障が生じているという。中国政府の狡猾、不条理、かつ非民主的な圧制については常に監視し、糾弾していかなければいけない。

2023年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5791.2023年6月29日(木) 自民党への献金額、医師連盟が断トツトップ

 今日も暑い1日だった。昨日東京都内で今年最高気温を記録したが、それも1日限りで早々にその記録を破り、今日も33.8℃の今年最高値を記録した。気象庁の発表によると、明日から明後日にかけて広い地域で雷を伴った激しい雨が降り、大雨や、落雷、竜巻のような突風に注意を促している。毎日続けているウォーキングは、午後6時過ぎにしたが、陽は落ちてはいてもまだ暑かった。

 昨日NHKが各経済業界の自民党への献金が多い団体名について報道していた。業界の狙いは容易に想像がつく。昨年四季報が発表した「自民党への献金額が多い上場企業TOP20」によると上位5位は、上からトヨタ自動車、日立製作所、キャノン、日産自動車、野村HLDだったが、トップのトヨタは、6千4百万円を献金したという。同時に発表された業界別献金額は、1位が日本医師連盟で2億円、2位は自由社会を守る国民会議という政治団体で8千8百万円、3位には、トヨタ社長が会長を務めている日本自動車工業会の8千万円、以下4位日立、富士電機が会員の日本電機工業会、5位に日本製鉄の日本鉄鋼連盟である。どうして清廉であるべき医師の団体がこのように断トツと思える献金を自民党に提供するのか理解出来ない。よほどのキックバックを求めていることは当然であるが、その医師にとってのKBとは一体何だろうか。

 一般的にこのような献金を行うことによって企業、並びに業界と自民党及び自民党議員とのつながりは一層強くなり、当然自民党はお返しを検討し、企業は見返りを期待する。これが、公には出来ない怪しげな密室とか、闇と言う言葉が使われる遠因になっている。

 このリストには挙げられていないが、手続き上漏れたのか、意図的に隠蔽したのか、ゼネコン業界と言われる日本建設業協会の献金がリストアップされていないのが不可解でもある。しかし、この中で日本建設業協会加盟企業の内93社が2021年までの過去10年間で20億円超の献金を行い、そのお返しとして大型開発工事発注の恩恵を受け、27兆円を受注していたことが明らかになった。去る19日の本ブログに「失態続きの大手建設会社」として取り上げた大成建設の手抜き工事と一方的な工期延長で、建設会社は一旦工事を受注さえすれば、あとは完了させれば好いと甘く考えていた節がある。しっかり監視しなければならないことは、自民党が工事費を支出するのではなく、工事代は国民の税金から支払われるものだということを忘れてはならないことである。

 オリンピックや万博開催に伴い新たに建設される国家的プロジェクトには、時の政権の介入と影響力が大きい。実際それを見通して経団連は、かつて自民党への献金の総額を決め、業界団体などに献金を割り振っていた。しかし、その後ゼネコン汚職が摘発され、経団連は1993年に割り振りあっせんを行わずに、献金は各企業の自主判断にゆだねると宣言した。それが、今年に入って実際に日本建設業連合会では、加盟各社に献金を割り振っていたことが内部資料から判明した。利権政治は財界の覚悟の甘さ故健在だったのである。

 実際、先日閉会となった国会では国土強靭化基本法改定法案が通ったが、大型開発推進が可能となり、ゼネコン界の社長たちが岸田首相をはじめ自民党実力者へお礼に訪れたようだ。こうして国の大型公共事業は、献金額の多いゼネコン業者に決まっていくのだろう。

2023年6月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5790.2023年6月28日(水) 「ワグネル」騒動、真実は分かり難い。

 今日は雨が降るのではないかと警戒し、傘を持参して出かけた。ところが、雨どころか日は照るし、蒸し暑く少々閉口した。午後には都内で32.3℃を記録して今年の最高気温となった。西日本や北関東を中心に各地で激しい雨と雷でゲリラ雷雨と言われるほどの荒れ模様だった。今日出かけたのは、セルビアから一時帰国中の友人、山崎洋氏と大学ゼミの仲間を合わせて5人で新宿のハイアット・リージェンシー東京内の「なだ万」でランチをともにする予定だった。すでに16日にセルビア大使館で開かれた彼の大著「山崎洋仕事集」の出版記念イベントで会っているが、いつも通り気の置けない仲間とじっくり話をしようということから今日食事をともにしたのだった。

 主たる話題は、例によって国際問題、特にセルビア人の気持ちと政治的立場についてだった。日本では、ユーゴスラビアが解体され6、或いは7つの国に分離した経緯について正確な情報を知る人は少ない。結局アメリカから伝えられる情報が主流となる。従って西側ではNATOのセルビア空爆は抵抗なく受け入れられているが、セルビアに住む山崎氏らの立場に立てば、それはとんでもない見当違いでNATO空爆は断じて許せないということである。大分以前まだ山崎氏の母上がお元気で電話でお話した時、母上もNATOの空爆を厳しく非難されておられた。中々真の情報を入手するのは難しいことだが、その間隙を突かれて現場に流れている間違った情報が日本に伝えられ、正誤に関わりなく信じることがよくある。気を付けなければいけない。

 さて、このところ話題をさらっていたロシアの民間軍事会社「ワグネル」とその創設者・プリゴジン代表について、一時消息が伝えられなかったが、結局ベラルーシへ入国した。消息は不明だったが、昨日になってベラルーシのルカシェンコ大統領が、彼は現在ベラルーシにいると正式に公表した。ワグネルの反乱で独裁者・プーチン大統領の権威は大きく損なわれただけに、大統領の裏切り者・プリゴジン氏への恨みは骨身に達するほどでとても許すことは出来まいと思っていたところ、ルカシェンコ大統領は、ワグネルの活動資金はすべてロシア政府が出資するとも語った。どうも解せない。プーチン大統領が、よくぞプリゴジン氏を許したものだ。しかもプリゴジン氏は、ルカシェンコ大統領を通してプーチン氏に、ショイグ国防相とゲラシモフ軍参謀総長の解任まで要求したという。プーチン氏がこんな要求を呑む筈がない。この辺りの駆け引きや結論をどこまで信用して良いのか分からない。もう少し、時間を置いてその時点の情勢を現実のものと受け止めるより仕方があるまい。

2023年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5789.2023年6月27日(火) 市川猿之助逮捕とプリゴジン行方不明

 歌舞伎役者の4代目市川猿之助が、逮捕された。容疑は母親の自殺ほう助である。まだ父親市川段四郎に対する自殺ほう助の疑いで再逮捕される可能性もある。1か月前に自宅で両親と彼自身が自殺を図り、両親は亡くなり猿之助は死を免れたが、ぐったりした状態で見つかった。命に別状はなかったが、その後しばらく入院していた。猿之助は立役と女役をこなす人気、実力ともに当代随一と言ってもいい歌舞伎界を背負う大物役者だった。これまでに歌舞伎界には見られない斬新な企画や舞台で、存在をアピールし、集客も歌舞伎界№1で47歳にして脂の乗り切った現在、これから歌舞伎を発展させていくうえで、無くてはならない看板役者だっただけに、親と相談してこの世からおさらばして来世で出直すとの意気込みはどうにも素直には受け取れない。何が原因で持てる才能を捨ててしまうのか。これから気持ちを入れ替えて再び舞台に立つこともあろうが、その意図がまったく理解出来ない、惜しい大役者の自殺未遂劇だった。

 さて、この数日、ロシア国内の民間軍事会社のワグネル反乱が国際社会で大きな話題となっている。音沙汰がないと言われた創設者プリゴジン氏が、昨日SNSで11分間の音声メッセージを送ってきた。「政権転覆のために進軍したのではない」として、プーチン政権の崩壊を狙ったものではないと釈明した。一方、プーチン大統領は昨夜国営テレビで演説し、当初から流血回避を指示し、ワグネルの処罰はしない形で収拾させた自らの対応の正当性をアピールした。そのうえで反乱の首謀者たちは国と国民を裏切ったとプリゴジン氏を改めて非難した。

 この一連の行動について、アメリカ政府高官はワグネルによる武装蜂起は中国指導部を不安にさせたとの見解を示した。だが、私は個人的にはそうは思わない。むしろ中国はにんまりしているのではないだろうか。中国は近年アメリカに匹敵する大国との自負が強いが、内心は第2次大戦後東欧諸国の超大国だった、ソ連、その後のロシアに対して社会主義国家の2番手で、ロシアの後塵を拝しているとの歯がゆさがあった。この機にワグネル反乱が勃発したことで、ロシア国内のプーチン体制に割れ目が生じ、内乱の可能性さえあったことはロシアを蹴落とす望外のチャンスだと感じたことと思う。習近平国家主席らは内心ほくそ笑んでいたのではないかと思う。

 中国がロシアの評価を下げつつあったのは、ロシアで去る5月9日「戦勝記念日」のパレードの際にも感じられた。プーチン大統領が、ウクライナ侵攻の成果を誇示出来なかったことから国際社会からの孤立と存在感の低下がみられたが、中国の元・前2人のウクライナ大使が、ロシアの敗北は時間の問題と述べたことでも中国のロシア観が透けて見える。大使らは、今後もプーチン大統領指導下での復興は不可能とまで決めつけている。

 同じように中国・ロシアとの関係について、アメリカのナショナル・インタレスト誌が秦剛・中国駐米大使が5月18日号に「中ロは同盟ではない」とか、「中ロ枢軸と騒ぐのは危険な誤解である」との認識を示すなど2国間に距離を置き始めたことも象徴的である。

 それにしても今やロシアの社会主義国家や共産主義国家のイメージは、ロシアの現体制からはまったく感じられなくなった。中国も、自称社会主義国家を唱えているが、まるで正反対の独裁主義による覇権国家へと豹変している。ただ、中国も調子に乗らずに自重自戒をしないと、プーチン体制と同じ道を歩むことになる。ワグネル反乱と同じような事件が起きることは覚悟していた方が良い。

2023年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5788.2023年6月26日(月) ワグネル反乱騒ぎの決着は?

 世界中が昨日のワグネルの反乱から急遽部隊撤収に至った経緯と原因について関心を寄せている。昨朝の朝日一面の記事に引き続き、今朝の一、二面にも専門家の解説が載っていた。見出しだけ見ても一面に「ワグネル、部隊撤収」、「プリゴジン氏、罪問われず」、「プーチン政権打撃」、二面には全面に解説が紹介されている。「プーチン氏 窮余の追放」、「衝突回避 プリゴジン氏へ配慮」、「国内不安定 侵攻継続に難題」、「ベラルーシに『借り』」、「軍の士気低下に拍車か」、「最大の造反 揺らぐ政権の足元」という具合である。昨日は反乱だ、とか許せないと憤慨していたプーチン大統領のトーンダウンが目立つ。

 今朝も各テレビ局の報道番組では、識者がそれぞれコメントを述べていたが、全体として、ウクライナ戦争をいつまで続けられるかということと同時に、プーチン大統領の存在感の低下が話題になっていた。

 アメリカのブリンケン国務長官は、ロシア国内に深刻な亀裂が生じていると述べ、ロシアはウクライナ侵攻が失敗したうえに内憂も抱え込んだとウクライナにとって有利になるとの見解を示した。プリゴジン氏がベラルーシに向かったとの情報が伝えられて以降、氏は広報担当とも連絡が取れない状態にあり、ベラルーシに到着したことは確認出来ていない。CNNの元モスクワ支局長は、プーチンは裏切り者を決して許さないだろうから、ベラルーシで殺される可能性について言及している。ロシアの独立系メディアは、ロシア軍の将校クラスの話によるとプーチン大統領は、ワグネルの兵士に対しては反乱を不問に付すが、プリゴジン氏に対しては暗殺指令を出したと伝えた。プーチン氏の性格から推してこのままプリゴジン氏を見逃すとは考え難い。いつ決着がつくのやら、当分世界中の関心を集め続けるだろう。

 それにしてもこの問題はロシア国内の軍事作戦の方法論の違いと、権力争いでもある。内輪の問題をこじれさせたところでウクライナの国民には何の益ももたらさない。それよりこれからウクライナ戦争はどうなるのだろうか。ロシア国内の対立よりこちらの方がよほど重要である。今日の朝日夕刊「素粒子」欄には、「民間会社が侵略戦争をする異様さのなれの果てを見る。プーチン政権崩壊の序章か」とある。

 さて、新型コロナウィルス感染症新規患者数が一時の上り坂から落ち着き、減少を始めたということから、政府が5類移行と警戒度数を下げ、5月8日からマスク着用を強制しないなどと対策を緩和している。実際街でマスクを着けてる人はめっきり減った。毎日公表されていた新規感染者数も公表されなくなった。その後大きく報道されることもなく、沈静化しつつあると思っていた。ところが、今朝コロナ対策分科会会長を務めた尾身茂氏が、岸田首相と意見を交わし、「第9波が始まった可能性がある」と述べ、直近のコロナ感染者数の平均は、前週に比べて2.1倍に増えていると語った。尾身氏は、高齢者は特に要注意として、6回目のワクチン接種を勧めている。幸い先月20日に6回目の接種をすでに済ませた。

2023年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5787.2023年6月25日(日) 「ワグネル」に翻弄されたプーチン大統領

 今朝の朝日トップ見出しが「ワグネル、ロシア軍に反乱」だった。昨夕突然ウクライナ戦線にいるロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者、エフゲニー・プリゴジン代表が、ロシアのショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長を厳しい口調で批判し、もう我慢できないとばかりに武装蜂起を宣言し、これからワグネル部隊とともにモスクワを目指すとSNSで厳しくロシア軍指導部を非難した。これに対してプーチン大統領は、国営テレビで緊急演説し、プリゴジン氏が反乱を画策したと断定して、必ず氏を罰すると強調し、ワグネル戦闘員に対して投降を呼びかけた。

 プリゴジン氏がプーチン大統領とは20年来の知友として、国際社会に名乗りを上げた時から、少々怪しげな人間だと見ていた。ロシアのように管理体制が整備され、軍或いは国家組織に対してこのように批判的言動をする例は極めて珍しい。それもプーチン大統領の後ろ盾があったからこそである。他にも強硬派勢力の中には、政治団体「怒れる愛国者クラブ」を設立した参戦経験のあるイーゴリ・ギルキン氏のような戦闘的な人物もいるが、プリゴジン氏はプーチン氏が構築した体制護持を強調しながらもロシア指導層は取るべき行動が分かっていないと批判的である。

 プリゴジン氏は、戦時態勢への即時移行を主張し出した。「ロシアがウクライナで損失を積み重ねれば革命が起きかねない」と述べて、大統領に戒厳令の全国発令を求めた。これには、プーチン大統領も手を焼いていたのが実態である。

 プーチン大統領は、表向き強硬派勢力の言動を静観視している。しかし、プーチン政権の内部の動向に詳しいカーネギー財団ロシア人研究員は、強硬派勢力は穏やかに政治的資本を蓄えており、プーチン氏に対する我慢が限界に達すれば、政権に挑む可能性があるとも指摘していた。

 上記について今朝のテレビ報道で知るまでは、前記のように反プーチン的行動に火が点いたと信じていた。ところが、急転直下今暁に至って以下のように事態は収束に向かったようだ。プリゴジン氏が、ワグネルの戦闘員に対してモスクワへの進軍を停止するよう命じたとSNSで公表した。これにより首都モスクワ市内におけるワグネル部隊と治安部隊が衝突する事態は、ひとまず回避されたようだ。この舞台裏には、ベラルーシのルカシェンコ大統領が、プーチン大統領の意を受けてプリゴジン氏と長時間に亘る電話会談の末、ロシア国内で流血の事態を避けることで一致したようだ。ここにも腹に一物あるルカシェンコ大統領の仲介で、事態解決に合意した可能性がある。詳細はまだ明らかにされていないが、プーチン、ルカシェンコ、プリゴジン3氏にとって、内戦ともなりかねない事態は決してプラスにはならないことを了解したのであろう。

 しかし、反乱は絶対許さないと言っていたプーチン大統領が、その裏では直ちに事態収拾のために悪名高いルカシェンコ大統領に仲介役を依頼するとは、これまで強気一点張りだったプーチン氏に弱気の虫が巣食いだしたのだろう。盤石に思われていたプーチン体制にもひび割れが見えてきたと言えよう。

 浅はかではあるが、元々ロシアのウクライナへの理不尽な侵攻によって始まったウクライナ戦争であるだけに、このまま収まらず共倒れになって欲しかった。

2023年6月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5786.2023年6月24日(土) 刻一刻と進む地球温暖化現象

 地球温暖化による地球上の平均気温が年々上がって、地域によっては生存上の問題も発生している。特に南太平洋上の島嶼では、海面が上昇して島が水没しそうなところもある。

 月刊誌「選択」6月号によれば、地球温暖化の進行について警鐘を鳴らしている「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の数値が間違っているのではないかとの声が、いま北欧の研究者の間で出ているらしい。研究者の生活圏に近い北極圏では温暖化のスピードは、IPCCの予測より速く、深刻な影響を与えているというから一大事である。北極周辺の深海の水温は、40年前との比較で地球全体の平均よりも4倍も高いそうである。今後北極の気温上昇で、地球全体の温暖化は更にスピードを増しそうだという。現実的にはIPCCのモデルより大分厳しいと警戒している。

 極北の寒冷地の島などが急速に暖かくなると、次のように夢想だにしないようなことも起こるという。それは、永久凍土が夏に溶け出し、地滑りや土砂崩れが頻発すると墓地が遺体とともに流される事故となり、島での埋葬は難しくなる。普段は地中に氷結している遺体が、土砂崩れで地表に姿を現すからだ。そんなこともあり、現在ノルウェー政府ではこれら島での埋葬を禁止している。臨終が近いと診断されると本土に緊急搬送し、最後のひとときを本土で迎えてもらうようにしているというからジョークではないかと思うくらいである。

 また、長期間氷が消えることによって北極海では太陽の光を反射しなくなり、北極海の氷の消滅は一段と進む。実は、この現象は北極ばかりでなく、地球の反対側の南極でも起きている。南極の巨大な氷河が大陸から分離する現象が進行している。暖かい海水が氷の一番底の部分を溶かしながら内部に入って来る。氷河の底の空洞部分が大きくなると氷河は崩壊し、南極大陸から分離して以下のように恐ろしいことになる。アムンゼン海にスウェイツ氷河という日本の本州に匹敵する面積を持つ氷河があるが、やがて南極大陸から切り離され究極的には解けて消滅すると見られている。その氷の厚さが3㎞以上あるとされ、これが溶ければ世界の海面は約60cmも上昇する。そうなれば、前記の南太平洋の島々は危機的な事態に追い込まれる。同時に、過ごしやすい都市として知られる南半球のシドニーでは、夏でも平均25℃台であるが、近年それが40℃を超えることがしばしばある。いずれシドニーで人々が暮らすことは不可能になるとの悲観的な予測まで聞かれる。

 今や地球温暖化現象は見て見ぬふりは出来ない。トランプ前大統領当時、環境問題解消のためのCOP25から脱退したアメリカや、ロシア軍のウクライナ侵攻で地球温暖化問題を一時棚上げしている国際社会が温暖化の対応をそのままにするなら、いずれ太平洋の小さな島々は海中に没してしまう。

 この雑誌記事を南極の専門家で、懇意の神沼克伊・国立極地研究所名誉教授にコピーをお送りしたところ、単純には結論は出せないのが温暖化だが、気候変動は長周期と考えていたので、貴重な意見をいただいたとご返信いただいた。

 さ~て、明日から再び暑い日が続くようだ。地球温暖化対策に手を抜くようなことはしないでもらいたい。

2023年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5785.2023年6月23日(金) 戦後78年、沖縄「慰霊の日」を迎える。

 78年前の今日、沖縄戦は牛島満・第32軍司令官の自決により組織的な戦闘は終わり、8月15日に終戦となった。沖縄では今日戦没者に鎮魂の祈りを捧げる「慰霊の日」を迎えた。正午糸満市摩文仁の丘で、行われた沖縄全戦没者追悼式には、玉城デニー県知事の平和宣言に続き、岸田首相も挨拶された。玉城知事は、平和宣言の中で、戦争で痛めつけられ、戦後は米軍基地に悩まされ、今も日米地位協定は見直されず沖縄県民は苦しんでおり、そのうえ昨年12月に閣議決定された国家安全保障戦略、防衛戦略、及び防衛力整備計画が県民に大きな不安を与えていると近くの席にいた首相の耳に痛い言葉を述べた。この摩文仁の丘・平和祈念公園内の「平和の礎」には、24万人余りの名前が刻銘されている。

 日本国内で戦闘が行われたのは、唯一沖縄だけだった。それも日本の敗戦間近い昭和20年3月に米軍が慶良間諸島に上陸してから、日本は軍民を問わず、米軍に対して戦いながら逃げ惑い、最終的に多くの犠牲者を生む残酷な結果になった。この沖縄戦では、日米合わせて約20万人の人々が亡くなった。県民も戦闘や看護に動員され、4人にひとり、約12万人が犠牲になった。沖縄には、この他に大きな悲しみのストーリーがある。終戦前年の昭和19年8月集団疎開のため学童を乗せていた「対馬丸」がトカラ列島沖合で米潜水艦の魚雷攻撃を受け、沈没し1,484人が海の藻屑となって消えた。このほかにも女子師範学校と第一高女のひめゆり部隊の犠牲者も忘れられない。

 しかし、いつも問題になるのは戦後から引き続き沖縄には、戦争と結びつく危険が存在し続けることである。今も中国の脅威による緊張に対して安易に沖縄に自衛隊配備を計画し、敵基地攻撃能力を持つミサイルの配備が取りざたされている。

 タイミング的に昨日昨年度の一般会計の税収が好調で、初の70兆円が見えたと発表された。正式には7月にならないと確定しないが、それでもこの情報に小躍りしている愚かな防衛族議員がいる。国債発行額が膨張を続けて財政の健全化が叫ばれる中で、税収増加分を防衛費に投入できるチャンスと狙っているのだ。防衛費増額のかなりの%が、沖縄のミサイル設置に投資されることになる。ここでもまだ沖縄と戦争の接点は続くことになるのだ。沖縄県民にとっては最も触れてもらいたくない事象である。

 さて、19日付ブログに取り上げたことだが、大西洋海底に1世紀以上もの間沈没したままになっていた豪華客船タイタニック号の見学に向かった潜水艇「タイタン」の行方が分からず、乗員を含む5人の乗客の安否が心配されていた。そこへ艇内の緊急用酸素の残量が枯渇する昨日になってタイタンの残骸が発見され、同時にアメリカの沿岸警備隊か海中から音を感知したと明らかにした。どうやらタイタンは海中へ潜ってまもなく爆発したようだ。5人の帰還は絶望的のようである。

2023年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5784.2023年6月22日(木) 世界的に男女格差が大きい日本

 男女平等の度合いを指数化した今年度版「ジェンダーギャップ報告書」の数値が、昨日世界経済フォーラムから発表された。調査対象となったのは146か国であるが、その中で日本は何と前年を下回る125位となり、過去最低であると同時に、主要先進国の中でも最下位である。男女同権が強く叫ばれる今日、国際社会から日本の男女間にこれほど差があると見られているのは、聊か恥ずかしいことである。日本の125位というのは、4つのカテゴリーの総合順位であり、教育と健康の分野はいずれも中位内に入っており、格別見劣りするものではない。懸念されるのは、予想通り政治と経済の分野である。政治分野では何と138位というから、下から数えても9番目で世界でとても大きな顔は出来ない。特に政治の世界では、ヨーロッパ諸国で女性首相が度々選出される今日、日本には過去にはひとりもおらず、今後も現状から推察すればその可能性は極めて薄いと言わざるを得ない。

 現在女性の衆議院議員も全体の10%の48人に留まり、女性閣僚に至っては僅か2人である。政界において女性があまり評価されないのは、徳川時代から伝統的に引き継がれた「女は家庭内に留まる」の意識が、長く続いたことから、外で働く女性を無視する風習があった。もうひとつ女性が政界で活躍出来ないのは、長年続いている特有の派閥組織に妨害されているからでもある。派閥の長が自分のやりやすいように人選する現状制度では、まず女性を高く評価するようなことはない。

 それは政界ばかりでなく経済界にも引き継がれている。経済分野でも、政治と同じようなムードがあり、女性が企業などで男性に伍して地位を上げていくのは至難である。私自身が勤務した会社を考えても、女性の採用は庶務係、体裁の好いお茶くみ係をその対象としていたと言っても言い過ぎではない。従って当時は全女性が高校卒で、短大、大学卒はいなかった。

 近年IT産業などでは優秀な人材の枯渇もあり、採用の門戸を広げ、大学卒、高卒を問わず優秀な人材を採用しているようだ。その点では経済分野ではいずれ男女の格差は狭まってくるだろう。問題は政界における男女格差が修正されない限り総合的に日本のジェンダーギャップが好転することはないだろう。

 ただ、この報告書を見て少々首を傾げたのは、中国が日本より上位の107位にいることだ。中国の全国人民代表大会の広大な会場における数千人の全国代表者の内、テレビで女性の姿をほとんど見ることが出来ず、とてもジェンダーギャップが大きい国と見ていた中国が、日本より上位にいるのが解せない。それにしてもこのような調査の都度、北欧諸国が上位を独占していることに敬服している。5位以内に1位アイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランド、5位スウェーデンが入り、4位のニュージーランドを含めて、近年いずれも女性首相を輩出している。日本の政治家はこれらの例を真摯に参考にするべきではないだろうか。

2023年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com