5803.2023年7月11日(火) ケネディ大統領家を扱ったドキュメンタリー

 昨晩NHKで放映された「世紀の映像~バタフライエフェクト」で「JFKをつくった3人のケネディ」と題するドキュメンタリー番組を観て、いろいろな思いと興味を交錯させて楽しむことが出来た。ケネディ大統領を生み、育てた大統領に最も影響を与えた身近な3人を取り上げた番組だった。毀誉褒貶の激しかった富豪の元駐英大使・父ジョセフ、弟で公民権法案成立に貢献した元司法長官ロバート・ケネディ、そして良き伴侶のジャクリーヌ・ケネディを取り上げた実話である。

 ケネディ大統領については、絶頂期にちょうど大学生だったので、その行動力に強い関心を抱き、その言動に随分興味を惹かれたものである。42歳でアメリカ大統領選へ初めて名乗りを上げた行動力とその存在感は、同じく若かった対立候補のニクソン氏との、丁々発止とした激しいテレビ討論でのやりとりは、迫力があり大統領選への関心はいやが上にも盛り上がったものである。それに引き比べて来年の大統領選では、民主党、共和党ともに4年前と同じ顔触れのバイデン大統領とトランプ前大統領の高齢者同士による一騎打ちになる公算が強いが、所詮二番煎じで新鮮さに欠け、年齢的にはともにJFKのほぼ2倍で、若さと新鮮さ、活気、行動力がまるで違う。

 JFKについては、とりわけ黒人への差別、虐待が激しかった時代に人種差別を認めない公民権法案を成立させたこと、キューバ危機を回避したこと、そして悲劇的な暗殺事件が思い出される。特に、ダラスで狙撃された暗殺事件については、1975年6月ルイジアナ州シュリーブポート市で開かれた「アメリカ自然食品協会全米大会」に日本人として唯ひとり参加した折に、帰途ダラス市に立ち寄り大統領を狙撃した犯人オズワルドが潜んでいた教科書会社倉庫を訪れてみた。事件後そこはケネディ暗殺現場記念館のようになり、暗殺の流れを時系列的にマネキンを使ってショー化していたのを見て許しがたいような印象を抱き、強い違和感を覚えたことが後々まで気になっていた。

 キューバ危機もまさに危機一髪だった。下手をしたら第3次世界大戦開戦となったかも知れない。JFKが暗殺されてから今年でもう60年になる。私が大学を終え、社会人になって半年後のことである。

 父親のジョセフを始めとして、ケネディ家には政治家的資質の血縁が流れていた。ジョセフは資金的に面倒を見て、子どもたちを一流大学で学ばせ、弁舌を訓練した。JFKもロバートも名門ハーバード大で学び、ジャクリーヌ夫人はパリ大学で学び夫のためにスペイン語で応援演説を行うなど、日本の世襲政治家とは大分違う。

 日本の政治家には、このようなストーリー性に富み、実績を上げた経歴を持つ人はほとんどいないと言っても好い。アメリカ社会は、日本社会に比べて広く人材を拾い上げ、それを生かす伝統と環境があると思う。ジャクリーヌ夫人にしても学歴もさることながら、家庭も稀にみるほどの資産家だったというから、知と富を国のために効果的に活用したと言えよう。その点では、残念ながら日本では知と富を兼ね備えた人物や家庭が、国のために貢献した例はほとんどないのではないかと思う。

 さて、九州地方の水害被害は少しずつ犠牲者が出ているし、関東地方は今日も暑かった。そんな中で今日も午後6時過ぎにウォーキングに出かけた。いつも通るバス道路に沿って竹藪があるが、その奥から何とホーホケキョと鶯の鳴き声が2度聞こえてきた。猛暑の中で梅の花から聞こえる筈の鶯の声を聴くことになると一瞬暑さを忘れる。真夏にホーホケキョなんて84年の生涯で初めてである。

2023年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5802.2023年7月10日(月) 円安の影響は国際統計資料にも及ぶ。

 円安によって日本に意外な損得勘定が生じるものである。とかく話題にされ比較されるのは、1㌦が日本円でいくらに該当し、いかほどの価値があるかということであり、それは毎日外国為替相場で取引されるドルと円の物量に依って決まる。今日の相場では、1㌦=142円87銭であるが、これが上下する度に一喜一憂する人たちも多い。今年の年明けは、1㌦=115円で始まった。従って現時点では正月に比べて大分円の価値が下がり、円の価値としては約23%も下がったことになる。外国人旅行者にとっては日本で買い物すれば、23%安く感じるし、逆に日本人が海外へ出かければ、買い物をする都度23%ほど物価高感を抱くことになる。かつての1㌦=360円時代を思えば、それでも海外でのショッピングは安くなったとも言える。

 実は、今まであまり考えてもいなかったことだが、円安により日本の最低賃金が低くなったことも外国為替ルートによって露骨に判明してきた。もちろん基本的には、その国で最低賃金がそれなりの額で、引き上げ率も納得できるものであることが前提であるが、円換算で見ると日本の最低賃金は、主要先進国だけでなく、韓国よりも低くなってしまったり、オーストラリアに比べると2分の1以下になった。

 労働政策研究・研修機構によると韓国の最低賃金は今年5%引き上げられ、約1,060円になった。これに対して日本では昨年の引き上げ額が、3.3%で961円であり、韓国より1割ほど下回っている。これも円安のマイナス効果であり、かつて20年前には日本の最低賃金は韓国のそれの2倍以上だった。今では、アメリカの一部の州や、イギリス、ドイツ、フランスなどの先進国の最低賃金はほとんど日本の2倍である。これはこれらの国を往来しない限りはピンとは来ないだろうが、円安によるマイナス効果であり、いつまでこの状態を続けることになるのか、暗澹たる気持ちである。

 一般に海外の方が、物価上昇率が高いという事情もあり、必ずしも先進国の国民に経済余力があるというわけではない。その点で若干調整された実感は、例えば2020年経済開発協力機構(OECD)による物価水準を考慮した購買力平価ベースのデータが参考になると思う。但し、これでも日本は8㌦だが、オーストラリア12.9㌦、フランス12.7㌦、韓国8.9㌦など主要国より低い。まだまだ日本の最低賃金は低いと言うべきであろう。同時に、現在の1㌦が140円台を上下しているようでは、輸入に影響が表れ、日本経済もSOSを発せざるを得なくなりそうだ。1㌦が果たして円でどの程度が適当かは、何とも言えないが、円安がずっと続いて経済界が苦しむようだと政府及び日本銀行の責任を問わないわけにはいかない。何とか為替相場を安定させて欲しいと思うし、政府もその気にさえなればできると思う。

 さて今日も東日本は暑い。東京都心では今年初めて36.5℃を記録して猛暑日となり、今年の最高気温を記録した。九州地方は引き続き激しい降雨にやられて、福岡と大分県では大雨特別警報が出され、各地で土砂災害や、河川の氾濫が頻発している。犠牲者も増えているようで、高齢者には早めに避難を呼びかけているようだが、中々大変なようだ。

2023年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5801.2023年7月9日(日) 浅草に外国人観光客が溢れていた。  

 1年に2度浅草へ行く機会がある。今日はその1日である。もう大分前から大学ゼミの仲間が、アマチュアのオーケストラで趣味だったチェロの技を活かしてチェリストとして活動している。そのオーケストラ「上野浅草フィルハーモニー管弦楽団」の定期公演会を鑑賞に浅草公会堂へ出かかたのである。ゼミの仲間とはいろいろな機会に会合を重ねているが、クラシックを直に聴けるということから、これまでも大勢の仲間が集まった。今回の公演会がオーケストラにとって74回目というから随分地道に堅実に続けてきたようだ。曲目は、ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲、シューベルトの「交響曲第3番」、それにドヴォルザークの「交響曲第7番」だった。「魔弾の射手」以外は、初めて耳にする曲目だった。それでもじっくり聴くことが出来て心が豊かになったような気持ちである。

  コロナ渦によりしばらく集会が途絶えたことと、先輩諸兄は、体調が優れなくなった人もおり、かつては我が家を含めて夫婦揃って集まっていたのが、今日は8人でやや寂しくなった。浅草は今日と明日の2日間、浅草寺で年中行事のほおずき市が開かれたようだが、暑くてそこまで行かなかった。最近コロナがぶり返しているが、一般的にはコロナは消えつつあるとの誤解もあり、浅草雷門周辺は観光客で溢れており、特に外国人の姿が目立った。外国人を乗せている人力車夫を見たが、かなり上手な英語でガイドをしていたのは、少々意外だった。外国人を標的にすれば、マーケットも大きく伸ばすことが出来るということだろう。特に目についたのは、貸衣装の浴衣姿の外国人である。歩いていても前がつかえるような状態で、表面的には観光業は不況から回復したような印象を受ける。かつてはそれほど感じなかったが、今では浅草には観光の繁栄衰退を映し出している感じがしている。11月にもう一度公演会があるので、またその時を楽しみにしたいと思う。

 東京は今日も暑く、九州方面のようにひどい風雨に晒されてはいないが、九州から西日本方面、特に島根県ではこのところ線状降水帯が襲い、土砂崩れなどで道路や鉄道にかなりの障害が出ているようだ。特に近年は、7月に自然災害に襲われることが多くなった。2年前に熱海市伊豆山地区で大規模な土砂崩れが発生し、28名が亡くなった。3年前には熊本県の豪雨で67名が命を落とした。5年前には西日本一帯を襲った広島県の115名を含む237名の犠牲者を生んだ。過去においては、台風、豪雨は9月がシーズンと見られていたが、今では炎暑の時期に激しい災害がもたらされるようになった。今年は警報が早めに発せられているせいか、現在までの犠牲者は以前に比べ、少なくなっているようだが、油断はできない。

2023年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5800.2023年7月8日(土) 銃乱射事件、後ろ向きのお国事情

 先月27日、パリ郊外で17歳の少年が警察官に至近距離から銃で撃たれ、死亡する事件が起きた。その直後からこの警察官に対して群衆から強い非難が浴びせられ、警察はこの警察官を意図的な殺人の容疑で取り調べた。だが、この事件は人種差別だとして若者を中心に抗議が上がったのだ。フランス全土にデモの余波は広がり、3,500人の逮捕者を出した。射殺された少年は、北アフリカ系の移民で警察官から身分証明書の提示を求められ、咄嗟に逃走を図ったとして直後に銃により撃たれた。この背景には、フランス国内における人種差別、特にフランスが植民地化していた北アフリカの国々から多くの移民を受け入れていることにある。以前にも同じような人種差別が原因で大きなデモになったことがある。

 フランス政府はともかくデモを抑え込んだが、今後再び発生しないとは言い切れない。マクロン大統領は、ドイツを公式訪問の予定だったが、緊急事態と考えその予定を先送りした。フランスとしてはかつての植民地政策の下で抱え込んだ移民問題であるが、国としてそれなりに移民らに対して責任を持って問題解決に当たらなければいけない。

 フランスで人種差別問題が注目されるようになったが、多民族国家のアメリカでは差別による殺人事件は今では日常茶飯事となっている。アメリカでは、西部開拓史上自らの身を自らの力で守るという考え方が主流となり、銃砲類の所有も許されて来た。文化面ではかなり先端を歩む近代国家となったが、民主主義国家と自称しながらも個人が自らの身を護るためと称して、平素から自宅に銃砲類の所有を認め、侵入してきた外部の人間を射殺しても厳しく問わないようなことは真の民主主義国家と言えるだろうか。恐らくこんな野蛮な国は今日アメリカだけであろう。銃砲類は市内のどこにもあるということになった。これにより、身近に殺人事件を誘発する環境が出来上っている。毎年のように大小の殺人事件が発生するようになった。特に、小中学校のような教育施設内で残虐な殺人事件が勃発するようになった。

 今年も例外ではない。今年に入ってから銃が絡む殺人事件や自殺などで死亡した人は、今月5日現在で実に2万2千人に上がり、4人以上が死傷した銃乱射事件は350件以上も起きているという。普段から銃が身近になく、銃を握ったこともない日本人にしてみれば、想像もつかないことである。アメリカ人も現状をすべて肯定しているわけではないと思うが、武器保有の権利を憲法第2条で認めていることこそが銃乱射事件や、銃による殺人事件が多発する原因である。こんなことが分かっていながら、止められないのがアメリカ人の銃砲執着現象であり、アメリカ人の弱さであろう。銃所有の法規制が出来ない現状では、このまま毎年貴重な生命が無駄に失われていくことだろう。銃砲製造者の団体である全米ライフル協会が政治家に巨額の資金を寄付している現状では、政治家も簡単に銃規制を打ち出す訳にはいかないようだ。政治家たちが反省することもなく、メーカーが市場へ銃砲類を供出して、貴重な命が毎年失われていく。こんな国家が民主主義国の模範と言えるだろうか。

2023年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5799.2023年7月7日(金) 有毒ガス漏出を隠している防衛省の無責任さ

 先月29日北海道蘭越町の山中で、三井石油開発㈱が地熱発電の掘削調査中に突然地下から水蒸気を伴ったガスが噴出した。昨日になって噴出ガスの中に有毒のヒ素が、通常の約1,590倍も含まれていると公表された。近辺の住民に迷惑をかけたことは間違いない。日本は火山国であるため、地下にガスや鉱物が埋蔵されている場合が多く、それが温泉の源泉ともなっている。しかし、前以てそれなりの情報が知らされるなら身を護ることは出来るが、前触れもなく突然地下からガスや熱湯が噴き上げられたのでは防ぎようがない。幸い今回は街中でなかったので被災は免れたが、ガスが噴き出し続けているので、蘭越町は住民に安全対策を周知させるようだ。こんなことが始終発生していたのでは安心して眠ることも出来ない。

 一方で、人工的に有毒ガスらしき化学物質を排出して、周辺に大きな不安と迷惑をかけ意図的に公式に発表しなかった悪質な事件があった。

 今から10年ほど前にアメリカ軍横田基地から発がん性の疑いのあるPFASという泡消火剤の漏出があった。このPFASは、高濃度の場合、人体に有害な可能性があるとされている。それが市街に流れ出ていたのである。実際基地周辺の多摩地域では水道水に使われていた一部の井戸でPFASが検出された。10年前に在日米軍側はその旨を日本側に伝えたようだが、防衛省それを自治体に伝えず、その間の事情についても説明を拒んでいる。

 そもそもこの件については、2018年にイギリス人ジャーナリストがアメリカ政府への情報開示請求で得た文書を基に初めて報道された。東京都はそれ以後先月までの間に4回防衛省に事実関係を問い合わせたが、いつも米軍に確認中との回答だった。当然ながら周辺自治体の立川市長や、武蔵村山市長らは憤慨し、詳細な情報を迅速に提供すべきだと主張している。小池東京都知事も同じ考えのようだが、都知事はいつもながらの煮え切らない言い方である。対応が練られることになるので、詳細を伺いたいと言いながら、記者団から「東京都として基地への立ち入り調査を求めるのか」と質問されると「状況を確認してからになる」と相手次第だと応えるぬるぬるした応え方だ。横田基地周辺の住民は、こんなことが度々あったのでは落ち着いて生活出来ないのではないだろうか。しかも防衛省は、ほぼ10年間も事実を把握していたのに、それを関係自治体の住民に実情を話さなかった。こういう対応で、国の防衛が出来るのだろうか。

 このPFAS漏出は、明らかに人体に害を与えるので、無責任な人為的なミスである。これをそのまま放置する国民を守らない防衛省の無責任さは、許されるものではない。

 さて、今日は七夕であるが、全国的に今年一番の暑さになったところが多い。全国で最高は、新潟県新津市の37℃、東京都内は34.2℃だった。いずれも今年最高だった。気がかりなのは、このところ九州から西日本方面にかけて激しい雨が降り続いていることである。九州では来週後半にも連日降雨があるというから住民の気持ちを考えるとつい同情してしまう。

2023年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5798.2023年7月6日(木) 世界水泳福岡大会は、電通主導で収支は真っ赤っか?

 暑い! 妻は午前中外出していたが、目が眩むような暑さで身体がふらついたというようなことを言っていた。高知県四万十市では36.7℃を記録して全国でも最高気温だった。これから炎暑の季節が続くので、よほど注意しないといけない。毎日日課となっているウォーキングもこの暑さでは危険なので、今日も6時過ぎに陽が落ちてから出かけた。

 さて、東京オリンピック閉会後に組織委員会委員と業者の間で談合事件があったことが、明らかになり、独占禁止法違反の疑いで罪に問われた容疑者の初公判が昨日東京地裁で開かれた。すでに電通グループなど6法人と各社の担当幹部ら6人が起訴されている。この談合事件により中心となった電通と博報堂は、国或いは東京都、大阪府などから指名停止の処分を受けた。それについて去る2日の本ブログで「2025年大阪・関西万博は大丈夫か?」と懸念のコメントを書くことになった。万博では、東京オリンピック談合事件により手慣れた大手広告代理店の電通、博報堂らが入札禁止となったため、万博の準備万端整うに至らず、大分遅れが目立っている。

 そんな時に今月14日から17日間に亘って水泳の世界選手権が福岡市内で開催される。福岡市ではコンパクトの大会と銘打ちながら開催へ向けて突き進んでいる。電通は福岡市からは排除されていない。電通は、オリンピックの談合事件の反省もなく運営の中核を担っている。そうなると会場の看板には「コンパクト」どころか、「福岡がウルトラになる」と掲示され、派手な大会になりそうな予感がする。驚くのは、大会の組織委員会に電通、及び子会社電通九州の現職社長が委員として加わっているそうだから、両社長が水泳に関するそれなりの知識を有するにしても、これが談合とは無関係な純粋な世界の水泳大会だろうかと首を傾げざるを得ない。実際これで137件の契約の内懲りない電通が32件を随意契約で扱っているという。

 なお、開催が近づくにつれて大会の全体の収支目算もやや狂ってきたようだ。収入源である前売り入場券の販売もあまり芳しくないうえに、とりわけ支出額が当初予定の3倍と言われている。いくらコロナ渦や物価の高騰が影響を与えているにせよ、3倍とは常識を逸脱していないだろうか。あまりにも原価計算が甘かったのではないか。いずれにせよ大会の赤字額は、福岡市民が将来に亘って背負っていかなければならない。

 2030年の冬季オリンピック開催に札幌市が名乗りを上げたが、物価の高騰、東京オリンピックの不祥事などから、今市民の間にも開催に否定的な声が上がり、当初の札幌開催への熱気は薄れた。この種のビッグ・イベントの大会主催者は、熱気などに浮かされず、収支計算はもとより、大会準備のスケジュール、利用施設の建設などに長期的な視点からきちんとチェックする姿勢を堅持しなければならないと思う。

2023年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5797.2023年7月5日(水) 盛り上がらない来年の米大統領選

 来年秋アメリカ大統領選挙が行われる。現在の状況から推察すると、再び民主党のバイデン現大統領と共和党のトランプ前大統領の決戦となる見通しである。アメリカでも、否世界でもリーダーとなるアメリカの大統領には、それなりの力量を備えリーダーシップのある大統領の選出を願っていると思う。しかし、現状では2020年の選挙と同じ対決でやれやれという気分になる。それに対してアメリカ人の本音などが雑誌などに書かれているが、我々日本人が見ても候補者と見られている2人は、急に老いた感じがしてならない。実際にバイデン氏80歳、トランプ氏77歳でともに後期高齢者である。特にバイデン氏は、最近体力と知力が衰えた兆候が目立ってきたらしい。就任後の記者会見の回数もオバマ元大統領の5分の1以下だそうだ。かつてオバマ大統領の下で副大統領を務めていた当時は、しゃべり過ぎと失言が多いと言われたが、今ではメディア露出が極端に減った。だが、4月にバイデン氏が再選出馬を正式に表明すると民主党内での雑音はピタリと止まったそうである。それには、共和党内でトランプ前大統領が再選候補者になる可能性が高まったことがある。民主党内では、現在のトランプ氏なら民主党内の嫌トランプ氏の空気から推してバイデン氏は勝てるとの読みがあり、バイデン氏を推す動きが強まった。

 一方、6月に行われた世論調査でも、バイデン対トランプ戦になる可能性が高いとの結果が出た。そのマイナス・イメージたるや、バイデン氏の再出馬を望まない人は59%、トランプ氏を望まない人は56%だったというから、アメリカ国民の半分以上が望んでいないのに2人の再戦となる。バイデン対トランプ戦は、面白くもなく、望まれてもいないのに行われる可能性が高い。民主主義国家を吹聴するアメリカとしては、最終的にはルールに則ってどちらかを次の大統領に選ぶことになるだろうが、我々が普段テレビで観る印象から推して、バイデン氏には世界のリーダーと呼ぶには、あまりにも言動に元気と迫力がなく、当選後4年間の任期を全う出来るのか懸念材料である。一方のトランプ氏が再選されてもバイデン氏同様に健康不安があるようだ。どうも盛り上がった選挙戦と言うわけにはいかない。

 1960年代初頭に民主、共和両党が若手の論客と推したケネディ氏とニクソン氏の丁々発止と論戦した63年前の迫力のあった選挙戦が懐かしく思い出される。

 さて、この1週間ばかり天候が変わりやすいが、特に九州、西日本方面では激しい雨が局地的に降っている。熊本県では昨日2度も線状降水帯警報が発令された。また、各地で竜巻警報まで出された。そういう時に奈良県生駒市龍田川の流水が緑色に変色し、川面が緑一色に変わる珍現象が見られ、各テレビ局がその画像を放映していた。普段は清流が流れ、魚も泳いでいるという。生駒市が調査したところ、変色した箇所の鉄製の手すりに赤色の粉のようなものが付着して、この赤い粉が水に反応すると蛍光色に変色したということで、衛生的には問題ないことが分かった。実は、長男家族がこの生駒市に在住しているので、テレビ・ニュースを観て何事が起きたのかと驚いたが、格別問題はなさそうなので、ひとまずホッとしている。

2023年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5796.2023年7月4日(火) 大谷選手の活躍をピート・ローズはどう思うか。

 HP上に意外な現象が見られた。それはアクセス数の異常である。かつては1日に平均百件ほどのアクセスがあったが、今年に入ってから大体80件前後のアクセス数に減じた。それが、先月17日に361件と突然増えた。この前日のブログには高校のクラスメートだった文化功労者で環境学者・中西準子さんの朝日朝刊紙上のインタビュー14回連載が終わったので、それとその他について書いたらどういうわけか、これほどのアクセス数があった。そして、昨日はそれを更に上回る733件のアクセスがあった。これは、一昨日のブログ「2025大阪・関西万博開催は大丈夫か?」と万博の開催準備が大分遅れていて開催まで2年を切った現時点で、予定通り開催にこぎつけられるか否か、不安な情報が伝えられたのである。その点について私見を書いたものだが、多くの方に読んでいただき有難く思っている。

 そこへ今日朝日朝刊も「大阪・関西万博 計画に甘さなかったか」と社説で取り上げている。メディアとしてとても見過ごすことが出来ないのだろう。基本的には、コロナ渦で物価高が亢進し、建設業界の深刻な人手不足による資材の高騰も加わり、外国各国及び地域と日本の建設会社との協議が滞っている恐れがあると指摘している。だが、社説が心配しているのは他に大きな理由があるからである。再々指摘されているカジノを含む統合型リゾート(IR)計画との同時並行である。万博、IRともに人工島「夢洲」を会場に予定している。大阪維新の会が大阪府と大阪市の首長を押さえて、大阪の景気回復をこの万博とIRが起死回生策として打ち出したが、肝心要の開催が不透明では、どうにも手の施しようがない。

 さて、今日はアメリカの独立記念日である。アメリカは大国と自称しているが、独立してまだ247年だから世界でも新興国と言っても好いかも知れない。その前日の3日、MLBのエンジェルスで活躍中の大谷翔平選手が、彼自身にとって6月では3度目の月間リーグMVPに選ばれた。3月にWBCで活躍し日本の優勝に貢献してからも、直ぐ始まったメジャーリーグで投打二刀流の大活躍をし、6月にはベーブ・ルースらと並ぶ月間15本塁打を放ち、打率0.394、29打点をマークし、同時に週間MVPにも選出された。かつてイチロー選手が活躍し始めた当時は、まだ日本選手の実力はあまり評価されていなかった。しかし、今では大谷選手以外にも大勢の日本人選手がMLBで活躍している。

 有名な話として、イチローの「世界記録」にピート・ローズが噛み付いたことが話題になった。イチロー選手が日米合計で通算安打数4,257本を打って、4,256本のピート・ローズ選手の記録を1本破った時、ヒットの世界記録と報じられたことにローズが反論したのだ。「私をヒットの2番手にしようとしている。次は高校時代のヒットまで加えるんじゃないか」と皮肉たっぷりに恨み節を述べて、MLB以外の記録なんて全く評価しなかったことである。そのローズ選手がレッズからフィリーズに移籍したフィラデルフィアで彼のプレーを実際に観たことがある。ヘッド・スライディングが代名詞のローズが塁に出ると観客は立ち上がって「ピー!ピー!ピー!」と叫んで大変な騒ぎだった。そのローズは試合中に賭博行為を行って野球界、また野球の殿堂からも永久追放され晩年を汚した。

 現在の大谷選手の活躍を見て、今や82歳になったローズ選手はどう思っているだろうか。相も変わらず、まだ日本のレベルは低く、高校野球並みだと思っているだろうか。

2023年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5795.2023年7月3日(月) 反スパイ法施行に中国の傲慢さ

 国際社会に理由もなく恐怖感を与えている独裁国家・中国が、また一昨日から世界中を萎縮させる一方的な法令「反スパイ法」を施行した。これによって中国は、行動が人目につき易かったり、不審感を抱いた外国人を容赦なくひっ捕らえるつもりである。国際社会に向かって中国は、「開かれた市場」をうたい文句に世界各地上に広く進出しようとしているが、反スパイ法は、接触した外国人を怪しい奴と決めつければ、強引に身柄拘束したり、国外追放しようというものである。これが海外へ広く進出しようとしている国家と言えるだろうか。「国家安全や利益に関わる文書、データ、資料、物品の窃取・提供」とか、「重要な情報やインフラへの侵入や攻撃」をその対象にした中国流反スパイ法について、具体的な防止策を立てられない日本企業は、途方に暮れている有様である。

 この法律が施行される直前の6月27日、世界経済フォーラムの「夏季ダボス会議」で、李強・中国首相は出席した各国の財界人を前に「企業の皆さんが中国に深く分け入ってくれることを希望する。中国は開放的で包容力のある大国だ」と嘘八百の鼻持ちならないスピーチをやったようだが、当然ながら出席者からは冷めた受け止め方をされた。

 昨日付朝日新聞で国際社説担当村上太輝夫氏が解説で、次のような興味深いことを書いている。それによると、中国には「独裁」と言う言葉はないそうだ。それは「ナチス」を思い出させる言葉だという。先月アメリカのバイデン大統領が、習近平国家主席を名指しで「独裁者」と呼んだのは、両者の思惑は少し異なったようだが、中国高官は直ちに反応して、外交儀礼に反すると非難した。

 岩波文庫の「世界憲法集」によれば、中国の現行憲法第1条に「独裁」と言う言葉が以下のように表現されている。「中華人民共和国は労働者階級が領導し、労農同盟を基礎とする人民民主独裁の社会主義国家である」。しかし、これは日本語訳であり、中国語の原文では、「独裁」ではなく、「専政」となっている。「専政」とは中立的な意味だそうである。しかし、中国現行憲法も習近平・現政権によって言葉通り民主義的な運用が行われていないと思う。それを現実的に書き換えて表現するなら「中華人民共和国は中国共産党が領導し、共産党及び軍部を基礎とする共産党独裁の覇権国家である」となる。実際村上氏も「独裁か専政かを問う前に、中国を本当に労働者と農民が主導しているのかと疑いたくなる。実際は民主政治にほど遠い共産党の独裁だ」と決めつけている。一国の憲法にこれほど実態とかけ離れた理想を掲げて、国民をそれに従わせようとする中国共産党とは、国民を支援するのではなく、国民を欺いているだけではないだろうか。

 中国はいつまで身勝手な自己主張を繰り返すのだろうか。反スパイ法の主旨と内容、注意点などについてももっと真摯に説明するべきである。さもないと外国からも次第に見放されてしまうのではないかと老婆心ながら気にしている。

2023年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5794.2023年7月2日(日) 2025年大阪・関西万博開催は大丈夫か?

 2025年4月から半年間開催される大阪・関西万博のパビリオン・テーマ館の建設が、入札業者が決まらず、万博協会事務局は随意契約を結ぶことを検討しているようだ。特に生物学者の福岡伸一氏、映画監督の河瀬直美氏ら各界の著名人がプロデユースする8つのパビリオンは独創的なデザインのせいか、昨年6件の入札も不成立に終わった。どうもスタート時点から会場に予定した埋め立て夢洲人工島計画、そして万博後に施設をIR賭博場に転用する一連の計画が、すべて市民の賛成を得ているわけではない。特に賭博場については環境、風紀上などから住民の反対が根強く、大阪市及び大阪府では計画をひっそり進めているらしい。

 これらの入札が決まらない背景には、例によって世界的な原材料不足や原油高、円安などが影響して工事費用が相当値上げされていることが大きいようだ。おまけに先年の東京オリンピック談合という不祥事により大手広告代理店の電通、及び博報堂が1年間入札から排除されていることも響いているようだ。

 この万博には当初経済効果は2兆円、来場者は2,820万人と見込まれていたが、経費の高騰により、入場券は当初大人が4,500円だったものが、6,000円に改定され、最終的に7,500円に決定した。当初料金の2倍近い値上げで、果たして予定している3千万人近い来場者を呼び込むことが出来るだろうか。

 そこへ万博に参加する海外の国や地域が建設する海外のパビリオン建設に必要な申請がまだ大阪市に1件も提出されていないことが明らかになった。万博には153もの国と地域が参加を表明しているが、開催まで2年を切った現時点でまだ1件の申請も出されておらず、当然建設に取り掛かったところもない。現状のままだとオープンに間に合わない恐れがあると悲観的な見方が出ている。

 賭博場の転用や、入場料金値上げ、パビリオン建設交渉不調、等々の芳しくない問題を抱えながら主体的な役割を務める大阪市は、果たして責任を果たすことが出来るだろうか。

 さて、このほどアメリカで大学生に関するひとつの悩みに対して回答が出された。アメリカでは大学入学選考で人種の考慮は、連邦最高裁判所により憲法違反とする判断を示した。この人種考慮という実態が詳しく分からないが、アメリカでは1960年代以降人種差別是正の観点から「積極的差別是正措置」が導入され、入学試験でも黒人やヒスパニックなどの出願者が優遇されてきた。これを今回の連邦裁の判決で、「人種を考慮することは、法の平等保護を求める憲法の規定に反する」との主張を認めたことになる。そのやり玉に上がった名門ハーバード大は、同大学2027年度の卒業予定者の内訳は、白人が4割、アジア系が3割、黒人・ヒスパニック系他が3割となり、白人以外の入学者が増えて白人の差別主義者の願いにはそぐわなくなっている。いずれにせよ、この判例により「積極的差別是正措置」が停止されれば、反って大っぴらに、かつ密かに差別が行われるのではないかと懸念される。時代が経過してもアメリカには、いつも人種差別が解消されない空気があるように思えて仕方がない。

2023年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com