5822.2023年7月31日(月) 間もなく炎暑の甲子園大会が始まる。

 連日の猛暑に熱中症で倒れる人も多く、病院はもちろん救急車の出動も予想を超えるほどでいずこも暑さにはお手上げの状態である。国も用事のない人は外出を控えるようにと警告を発している有様である。

 暑い盛りというと間もなく夏の全国高校野球大会がやって来る。昨日の東東京、及び大阪代表校の決定を以て全出場校49校が決定した。主催者もこの暑さを警戒して試合開始時間を早めたり、途中で水分補給をするため休憩を取ったり、大分気を遣っていた。そして決定した49校を見てみると、公立校は僅かに9校で残りは全て私立校、特に常連校や大学付属校が顔を揃えている。この傾向は年々強まり、いずれ野球部のある私立校が1校しかない徳島県を除いて公立校は甲子園から消えていくだろう。6日に迎える開会式に向けてフィーバーは加速していくことだろう。
 この暑さ対策も兼ねて甲子園では、ネット裏と内野席の上にある日除け用の銀傘をアルプス席上まで広げる計画のようだ。かつてはアルプス上にも銀傘があったが、戦時中の金属供出により銀傘を軍へ提供してから今日までずっと熱いアルプス席と呼ばれている。2027年から工事にかかるそうなので、完成した時に果たして見ることが出来るだろうか。あの炎天下の甲子園には、1953年京都に住んでいた中学生当時、開会式から通い詰めた思い出がある。優勝校は空谷投手を擁した松山商だったが、甲子園で活躍しその後中日ドラゴンズのエースとして活躍した中山俊丈(中京商)、西鉄へ投手として入団しながら二塁手として活躍し、近鉄やオリックスの監督を務めた仰木彬(東筑高)、長嶋らと立教大黄金時代を築いた本屋敷錦吾(芦屋高)選手らを目の当たりにしたことが昨日のことのようである。その後小学生だった息子たちを連れて甲子園には何度か通った。あの頃は青空の下で確かに暑かったが、熱中症などで倒れる人もあまりいなかったように思う。甲子園は野球好きだった私にとっては懐かしい所である。
 さて、今朝の新聞によるとアメリカの首都ワシントンにあるスミソニアン博物館内にこれまで展示されなかった広島と長崎の原爆投下の資料が展示されることになったという。ワシントンを訪れる都度、同館を見学した。特に教員海外派遣団にお供した時は、決まって見学したものである。ところがここには原爆に関する資料は一切展示していなかった。日本とは異なり加害者のアメリカにとっては、敵国日本に世界でも唯一の残酷な原爆投下をした事実を公開することに抵抗があったからである。ほとんどのアメリカ人にあれほど残虐な行為だった原爆投下について罪の意識がなかったのである。むしろ退役軍人団体などは原爆投下の正当性を主張する声が強かった。彼らの言い分は、原爆投下により終戦が早められ、それ以上の犠牲者を生むことが避けられたからという至極都合の好い主張だった。原爆により多くの罪もない人々を殺害したことには謝罪や後悔の気持ちがまるでないのだ。この姿勢は世界の核反対の動きに反するものだとの考えから50年目に当たる1995年にスミソニアン博物館は、原爆投下したエノラ・ゲイと、広島・長崎の被爆資料を展示する企画を発表したが、根強い反対論が出て中止に追い込まれた。

 しかし、年の経過とともに次第に原爆投下肯定者の割合は減少し、新規核開発に反対を唱えるアメリカとしてもこの趨勢を軽視出来なくなった。原爆投下を肯定した人は終戦時には85%だったが、2015年には56%にまで減り、特に18~29歳の人々は47%だった。広島と長崎の人々に自分たちアメリカ人が与えた惨状と悲劇をもう無視することは出来なくなったということだ。展示されたら訪れて見てみたいものである。

2023年7月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5821.2023年7月30日(日) 日本に対する中国の嫌がらせ

 最近の中国の様子がまたおかしい。元々中国政府は考え方や立場をしっかり自己都合で説明しなかったり、説明を拒絶したり、あまり質問にも正直に応えてくれない不誠実なケースが多い。今世界中から疑念や質問が集中しているのは、行方が分からない秦剛前外相の消息である。全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、去る25日秦剛前外相の解任を決めるとともに、その後任に王毅元外相を任命したと発表した。今日現在秦剛前外相の消息はまったく知らされていない。
 公式記者会見の場においてすら手元に提供出来る情報がないというように高慢でつっけんどんな回答しか返ってこない。どうしてもう少し誠意ある対応が出来ないものだろうか。

 秦剛前外相は、まだ58歳の若さで習近平国家主席の信任が厚いと囁かれていた。外相就任直後には、副首相級の政治局員へ昇格し、幹部の中でも将来性が見込まれていたと見られていた。外相へ就任したのは、昨年12月である。あれからまだ半年少々しか経過していない。外相の前は駐米大使だった。対立している米中交渉をスムーズな外交関係へ発展させるために活躍が期待されていたその矢先である。だが、専門家筋の間では、女性問題もあったとか、失脚したとの見方がなされている。これほどの要職にある人物の行方が皆目知らされないという中国の闇のような政治組織には、一旦間違いを冒せば許さないとか、独裁者習主席の怒りを買ったというような空気があったのではないだろうか。

 現在日中間の交渉の中でいくつか頓挫している案件がある。ひとつは、福島原発の処理済汚染水の放出に関して中国が認めないという姿勢であり、もうひとつは、中国人の訪日観光に制約を設けていることである。

 前者は主要な放射性物質はすでに除去した。残りのトリチウムについては基準値以下に濃度を薄めて放出することは国際的に認められ、国際原子力機関(IAEA)グロッシ事務局長も科学的に容認したものである。しかし、中国政府は日本の対応を容認せず、日本からのすべての農産物の検査を厳格化し、なお輸入禁止を検討したことによって、日本からの対中輸出は激減した。しかし、ここが中国らしいところだが、自説を正当化する中国は、その裏で2020、21年に福島原発の処理水の予定量より遥かに多くの放射性物質トリチウムを含む汚染処理水を放出していた隠蔽事件が分かった。それはすべて日本海に続く東シナ海に流出している。これに関しては、一昨日の情報ライブ「ミヤネ屋」でコメンテーターの橋本五郎・読売新聞特別編集委員が、堪りかねたのか、こうなったら岸田首相が福島の処理水を飲んで、習近平国家主席に会い、習主席に中国の汚染処理水を飲んでもらったら好いとまで述べていた。
 後者は、中国政府により日本が中国の海外団体旅行の「解禁対象国」となっていないため中国人団体が日本に来られないことである。コロナ感染拡大期に、コロナ渦最盛期の中国人入国者に対して日本が厳しい対応を取ったことを逆恨みしているような仕打ちである。コロナ前には中国人入国者が最も多かったが、今では韓国、台湾、香港、タイからの訪日客に比べてかなり少ない。

 どうも中国政府の対応はまるで子どもの対応で、常識的とも思えないし、不誠実である。中国人旅行者も一番訪れたい日本に来られないことが残念だろう。

 国民の気持ちを汲み取らなければならないその国の政府が、真逆なことを行っているようでは真の友好国とは言えないのではないだろうか。中国人のために惜しむべきことである。

2023年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5820.2023年7月29日(土) コロナ渦で人間の寿命と人口に変化

 人間の寿命が年々伸びているとは承知しているが、この2年間はその反対で寿命が短くなっていることが、厚生労働省が昨日発表した2022年「簡易生命表」で分かった。日本人女性の平均寿命は87.09歳で、男性は81.05歳だった。前年の21年の統計でも短くなっている。その原因はコロナ渦による死者数が全体的に寿命を押し下げたとされている。それでも私自身いずれお迎えが来るだろうが、現在平均寿命を上回っていられるのは、それなりに健康体であるお陰であると考えている。以前から女性は男性より寿命は長いが、1985年以来日本の女性はずっと世界一だというからすごい。男は女性に比べれば4位とやや下がっているが、世界で4位だから自慢しても良いだろう。貧しく衛生環境が整備されてない国が多いアジア、アフリカはとても長生きする環境にはないようだが、先進国の中でも北欧を除く欧米や、ロシア、中国などは長寿ベスト5にも入っていない。

 前記の通り寿命が短くなった現実とその原因は、コロナ渦により多くの高齢者が亡くなったことが大きな原因のひとつであるが、同時にそれは少子高齢化の影響と言われ、別の資料にも表れている。それは、総務省がこのほど今年1月1日の住民基本台帳に基づく人口を発表した。それによれば、前年に比べて日本の人口は80万5千人も減り、総人口は1億2,242万人となった。更にこの半世紀間で初めて全都道府県で日本人の人口が減ったことも想定外の現象である。これまで毎年人口が増え続けていた東京都ですら僅かながら減少した。

 問題は少子高齢化の進捗が刻々と進んでいることで、とりわけ地方で少子化が進んでいる。その中で東京都は毎年人口が増えていた。人口減少率が高い上位4県は、秋田、青森、岩手、山形のいずれも東北地方であることが特徴的である。また、65歳以上の高齢者の割合が高まり、全国平均で65歳以上の人口は29.15%となり、日本国民の10人にひとりが高齢者ということになる。子どもを増やすための異次元の少子化対策とやらを政府は実施しようとしているが、その背反にある高齢者対策も実施しなければならない。当然巨額の経費が必要となるが、一向に明確な根拠と予算歳出の具体案が生まれてこない。その一方で防衛費の大幅歳出には大きな反対の声が聞かれない。

 結局政府自民党は、使用目的を精査せず、自分たちに都合の良いように予算をばらまいているだけなのだ。このままだと、現在の人口流失の傾向は変わらず、一部の大都会は人口が増える反面、地方では人口減少が顕著となり、寂れていく一方であろう。

 さて、今福岡で開催中の水泳世界選手権で、日本選手があまり活躍出来ず、やや寂しい感じがしている。テレビでも中継されているが、今回は欧米豪選手の活躍に隠れて日本選手の活躍が目立たない。今日までに男子400m個人メドレーで銅メダルを獲得した瀬戸大也選手と、男子200mバタフライで同じく銅メダルを獲得した本多灯選手の2人しか表彰台に上がっていない。2020年東京オリンピックでは、女子の大橋悠依選手が、女子200mと400mの2つの個人メドレーでそれぞれ金メダルを、男子200mバタフライで本多灯選手が銀メダルを獲得したのに比べても大分劣る。競泳選手のレベルが欧米豪に離されているのを感じる。この復活対策も大会終了後に課題となることだろう。

2023年7月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5819.2023年7月28日(金) パリ五輪会場のひとつがタヒチとは?

 一昨日、パリ・オリンピック開催までちょうど1年となった。ところが、ヨーロッパにも今猛暑が襲っている。そんな中で約2週間のオリンピック開催期間中、屋外スポーツは猛暑を凌ぎきれるだろうか。年々気温が高くなっているが、中でも真夏は想定以上に高温化しているようだ。世界気象機関(WMO)は、今年の7月は観測史上最も暑い月となる公算が極めて大きいと発表した。国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警告し、各国に気候変動対策を強化するよう訴えた。このグテーレス発言に関連するが、去る23日の本ブログに「人類は灼熱地獄の中で亡びるだろう」と私見を書いた。それは各国が独自に温暖化防止対策を講じてもさほどの効果は期待出来ず、すべての国々が一致して足並みを揃え抜本的な温暖化防止対策を考え実行しなければ、根本的な問題は解決しないとの提言である。
 気温とは関係ないが、パリ五輪開催場所であれっと思ったのがサーフィン会場である。原則的には開催都市、つまりパリ市内で開催され、適切な会場がない場合は、せめてフランス国内で開催されるものと考えていた。パリは内陸都市であるため、当然フランス国内の海岸で行われると思い、どこの海岸で開催されるか考えてみた。南仏の地中海沿岸都市には有名な観光地である海水浴場が並び、とてもオリンピックの会場のために2週間も明け渡すことは考え難い。すると西海岸のビスケー湾沿岸都市か、以前訪れたことがある北西部のノルマンジー海岸かと想像していた。ところが、驚いたことにサーフィン会場は、何と南太平洋のフランス領ポリネシアのタヒチ島に決まったのだ。いくらフランス自治の下にあるとは言え、パリから遥かに離れた地でパリ五輪が行われるとは考えも及ばなかった。こうなるとタヒチがフランスから、独立していなかったことが幸いしたとも言える。パリとタヒチ間の直線距離は、パリから大西洋を横断し南北アメリカ大陸を横切り太平洋の真ん中まで、その距離は実に直線で15,700㎞にもなる。そんなに遠い会場で競技を行ってまでしてオリンピックに特殊な種目を開催することに拘る必要があるのだろうか。

 恐らくパリ・オリンピックは、閉会後いくつかの問題を残すことになろう。2020年東京大会もそうだったように炎天下に戸外で競技を行い、選手や観客に心身ともに影響を与えることの問題点、パリからずっと離れた場所で開催される地元意識のない点、等々は特に再検討されなければならないと思う。中でも毎年暑さが厳しくなるその最中に開催する意義はあるだろうか。オリンピックは世界で最も注目され価値あるスポーツ・イベントでもあり、出場する選手や観戦者にとっては一番気候の良いシーズンに開催して欲しいというのが率直な気持ちだと思う。

 問題は、大会協力スポンサーと広告会社、及びテレビ会社の事情によるところが大きい。総括的に資金が動き、最も儲かるスポーツが一番良いシーズンを選ぶようなところがある。今はヨーロッパのサッカー界とアメリカのフットボール界に秋という1年で最高、最適のスポーツ・シーズンを奪われている。どうしてもサッカー界とフットボール界がプレイをしない夏にしか、他のスポーツ用のスペースは空いていない。近年オリンピックは人気スポーツのサッカーやアメフトが避ける炎暑の下で開催されるようになった。スポーツ・シーズンたけなわの10月に開催された1964年東京オリンピックが懐かしく思われる。

2023年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5818.2023年7月27日(木) 朝鮮戦争に関わって殉職した日本人

 70年前の今日朝鮮戦争休戦協定が結ばれ、戦闘は停止された。北朝鮮では「戦勝記念日」として夜には派手な式典を行い、今年はロシアからショイグ国防相が、中国からも政治局員らが訪れた。しかし、これは「終戦」ではなく、あくまで「休戦」である。いつ再発しないとも限らない。この休戦協定書には、当事国の軍隊である北朝鮮軍、中国人民軍、国連軍が署名しているが、肝心要の韓国軍は署名していない。実は、本戦争中日本にとっても憲法に抵触する違法行為があったのである。これまで表沙汰にはならなかったが、私自身この重大な憲法違反行為があったことを、ネット上の東京新聞「社説」から初めて知った。

 1950年6月北朝鮮軍が、韓国との国境を越えて進軍し開戦の火ぶたが切られた。当時小学6年生でまだ世間知らずの子どもだったが、連日新聞とラジオによって報道される北朝鮮軍と韓国軍の攻防は小学生にとっては興味深く、加えて担任の先生が戦況を地図で示しながらいろいろ教えてくれた。同級生らも挙って韓国の戦場と化した都市名を覚えたものである。強い印象を受けたのは、トルーマン大統領が司令官の勇将マッカーサー元帥を解任し、後任の司令官にリッジウェイ中将を任命したこと、ウォーカー中将の搭乗ヘリコプター墜落による墜死事件、そして一番驚いたのは、劣勢だった韓国軍と国連軍の同盟軍が南端へ押されっ放しの末、乾坤一擲の勝負を賭けて南部から仁川へ電撃的な上陸作戦によって同盟軍は一気に形勢を逆転させ、その後北朝鮮領へ進軍したことだった。
 その当時敗戦で壊滅状態だった日本経済は、この戦争による特需景気により戦後の復興を加速させることが出来た。だが、この裏には日本憲法に抵触するような日本人の戦争行為が度々行われていたのである。日本の奇跡的経済復興は朝鮮戦争の犠牲の結果によるものだと見做したのか、連合国総司令部(GHQ)は、密かに日本政府に対して戦争への支援的協力を要請した。北朝鮮が敷設した機雷除去のため、海上保安庁の掃海艇など54隻の船舶と要員約1,200人を朝鮮半島周辺の海域に派遣した。元山沖合で米軍の大型えい航船が触雷して沈没し、日本人22人が海底に沈んだ事件もあった。他にも米軍の戦車揚陸艦に日本人船員が乗り込み、国連軍兵士とともに朝鮮半島へ物資を運んだ日本人船員の数は、2千数百人に上がるという。この日本の協力行為は戦後制定された平和憲法を蔑ろにするものであり、朝鮮戦争に手を貸していたことになる。

 朝鮮戦時下の掃海作業は戦争に関わることであり、戦争放棄を定めた憲法第9条に抵触するため、当然その活動は極秘下に進められた。実は、その後日本の戦争への関与は、1997年に「日米防衛協力のための指針」改定と99年周辺事態法により、朝鮮半島有事の際、自衛隊はアメリカ軍を後方支援が出来るようになった。いま北朝鮮は度々ミサイルを発射しては、日韓両国を威嚇し、ともに一発触発の不安な状況に追い込まれている。

 現在中国軍の進出により台湾有事の対策が練られているが、韓国と台湾の有事に備えて防衛省はアメリカと密かに話し合い、しかもこれもまた国民を蚊帳の外にしたまま政府は、日米合同国防戦略を練っているだろう。

 朝鮮戦争のように、隣国で戦われた戦闘に日本人が関わったという重大な憲法違反行為に対して、政府、並びに自民党から国民に対して73年間も何らの責任ある説明も行われていない。憲法違反行為を犯し続け、時間の経過を理由に、その責任も一切取らない無責任さと無神経には、危なくてとても国家の統治と運営を任せるわけにはいかない。

2023年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5817.2023年7月26日(水) ビッグモーターと「そごう・西武」、それぞれの対応

 今日もご多聞に漏れず暑かった。東京都内の最高気温は今年最高の37.7℃だった。意外だったのは沖縄県那覇市の31.3℃で、札幌市内の32.7℃より低く国内で最低だったことである。南の島・沖縄の太陽は強烈だが、島内を吹き抜ける涼しい風が気温を下げているということだろう。これから暑さの最盛期である8月へ向け、各地でどこまで人々を悩ませることだろうか。

 さて、世の中には酷い会社があるものだというのが、最近メディア報道を通しての実感である。中古車販売会社のビッグモーターが、損害保険会社へ保険金を水増し請求して世間から注目を浴びている事件である。単に水増し請求していたという単純なものではなく、物件に傷をつけ損害額を高くして請求していたというから悪質である。不正が乱発され公になったにも関わらず、責任者である社長が記者会見すら開いて責任ある対応をしないことにメディアから非難が集中した。慌てたのか、止むを得ないと感じたのか、昨日になって漸く社長以下役員出席の下に記者会見を開いた。

 社長は書類を読み上げながら一通りの謝罪をしたが、事の経緯について報告書で初めて知ったと述べ、経営陣の関与については否定した。同時に、責任を現場の「車の修理を担当する板金塗装部門が単独で行った」と部下にすべての責任を押し付けた。副社長である社長の長男が、かなり事業に関わっていたとの声がある中で、記者会見にはどういうわけか出席せず、社長ともども昨日を期して職を辞すると発表された。

 事件には、過大な請求をされた損保会社にも責任がある。損壊した車の傷をチェックする責任があるにも関わらず、ビッグモーターの言いなりになっていたり、損保会社がビッグモーターへ社員を派遣していた事実からも道義上責任がなかったとは言い切れまい。

 創業者である社長、及び息子の副社長は経営から退くことになるが、上場企業でもなく大株主である以上、今後も引き続き外から会社経営には口出しすることだろう。

 これから道路運送車両法に基づき国土交通省によって、また保険業法に基づき金融庁からも立ち入り検査が行われるだろう。

 それにしても随分酷い会社があるものだ。

 さて、もう1件今話題になり対応に苦悩している会社がある。これはビッグモーターのような悪質な問題ではないが、池袋駅の西武百貨店を舞台にした会社経営に関する当事者と株主の争いとでもいうべき案件である。池袋駅の西武百貨店を経営する「そごう・西武」の全株式を所有するセブン&イレブンが、昨年11月アメリカの投資ファンド会社にその「そごう・西武」全株式を売却する契約を結んだ。その後その投資ファンド会社が家電量販店の「ヨドバシ」と組んで西武池袋本店をはじめ、他の店舗に大規模出店する計画が進行した。これが、これまでの西武百貨店のイメージとはかけ離れている。これに西武の幹部、従業員が反発、更に豊島区長以下地元豊島区が、長年育てた地元文化の土壌が喪失してしまうと反対した。そこで親会社の西武鉄道にもなかった労働組合が、セブン&イレブン、並びに投資ファンド会社に対して反対の意思表示をするべく約4千人もの組合員がスト権確立の是非を問う投票を実施して94%の賛成を得た。百貨店側が前記2社に対してスト権の行使を辞さないとの強い意思を示したところである。

 これは今後どのような形で決着がつくだろうか。関係会社、それぞれが対応に苦慮しているところである。

2023年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5816.2023年7月25日(火) 「山びこ学校」の無着成恭氏永眠と維新・馬場代表の暴言

 無着成恭さんが亡くなられた。享年96歳だった。小学校6年生の時に山形県山元村中学校の教え子たちの綴り方集「山びこ学校」が、出版されヒットして大きな話題となった。担任の湯浅和先生が授業で同書を朗読され、生徒たちは山の中の学校風景を想像しながら聞いていたものである。その後母親にねだって買ってもらった記憶がある。無着さんは、お寺の跡取りに生まれながらも山形師範を卒え純粋に子どもたちの教育に情熱を傾けていた。

 想い起こすとあの時代は、国語は「読み方」と「綴り方」の2つの授業があった。「綴り方」では、教師が生徒の手を取って文章の綴り方を教えてくれた。当時小学校では書くことは普遍的だった。それが、今では「綴り方」の授業は姿を消し、作文を学校内で積極的に教えることが少なくなった。加えて教育界でもパソコンで文を綴るようになり、誤字や脱字が頻発してまともな文章を書ける人が少なくなった。そういう点では、無着氏の教育方針は国語教育の原点であったと思う。

 無着氏は教諭を退職されてからラジオ番組などで視聴者の質問などに応えていたようだが、ある番組で司会進行役を務めた時に、ラジオ局が番組を中断した。ラジオ局が無着氏の発言に対して総務省、政府に気兼ねをしたのが原因とされていたが、以降無着氏はラジオに出演することはなくなった。その後は、メディアに登場することもほとんどなく千葉県多古町の福泉寺でひっそり住職を務めていた。、

 教育、特に国語の作文などは最も地味な分野であるが、後世これほど仕事で必要となり、その巧拙が評価の対象となることは他にはあまりない。私自身文章を書き続けながら自由な後半生を送れているのは、前記の小学校恩師の作文指導と、この「山びこ学校」が大いに影響していると思っている。

 さて、最も自らの発言に責任を持たなければならない国会議員の中に、傲慢にもただ相手を中傷、批判することだけを得意げに喋っている横柄な議員がいるのには呆れるばかりである。その人物とは、一昨日ネット番組で居丈高な発言をした日本維新の会の馬場伸幸代表である。平素から思い付きや、不遜な発言が多い馬場代表が、こんなことを述べたのだ。自民党と維新の会の関係について「維新(馬場氏)は第2自民党でいい」、「立憲民主党(馬場氏)がいても日本はよくならない」、「共産党(馬場氏)はなくなったらいい」などと言いたい放題の発言をしていた。[※カッコ内は馬場氏に置き換えてみた]本心からそう思っているとは思えないし、他党をけん制しているだけだと思うが、非常識であり非礼である。党代表者たるものが、第2自民党と言うなら自民党へ合流して、その中で存在感を示せば好い話ではないか。

 直ちに立憲民主党と共産党から反論が出た。泉立憲民主党代表は、党名を「第2自民党」と変えたらいいと言っていたが、共産党の小池書記局長に至っては、維新は自民政治を変えるつもりがなく、「自民党馬場派」だと認めたことになると批判し、「他党の政策について批判する権利はどの党にもある。しかし、存在そのものを否定するのは、民主主義を根本から否定する暴論」と述べ、発言の撤回を求めた。これだけ公に話しておきながら、馬場代表は、個人の見解と言う前提での発言と言い逃れていたが、無責任過ぎやしないか。これでは何を言っても好いと言っているのと同じではないか。元々屋台骨がガタついてIR問題や、大阪万博などでミソをつけている維新は、子どものようなおふざけはもういい加減に止めたらどうか。

2023年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5815.2023年7月24日(月) 乗り物車内の「優先席」は、「若者優先席」か?

 15日間テレビ観戦していた大相撲名古屋場所も昨日千秋楽となった。たった一人の横綱照ノ富士が途中休場し、大関も今場所関脇から昇進したばかりの新大関の霧島が出たが、もう一人の大関貴景勝は初日から休場。出場した期待の新大関も直ぐ休み、その後再出場したが今日敗れ6勝7敗2休で負け越しとなってしまった。

 そんな上位陣がパッとしない中で、大関争いと見られていた関脇3人の内、モンゴル出身の元横綱朝昇竜の甥っ子・豊昇龍が12勝3敗で優勝決定戦となり平幕北勝富士を下し初優勝を遂げた。いつも厳しい顔をしてニコリともしない関脇豊昇龍だが、優勝の瞬間と優勝後のインタビューでは、初めて普段見せない泣き顔と笑い顔の両面を見せてくれた。やはり苦労の末オジの元横綱に優勝を報告出来ることがよほど嬉しかったのだろう。それにしてもこれまで頑なまでに笑顔を一切見せたことがなかったような人物が、目的達成の瞬間以後しばらくは笑顔を大安売りしていたが、こんなこともあるのだと人間の心理を愉快に感じた。千秋楽では、3敗力士が3人となり、その中に19歳で新入幕の伯桜鵬が、仮に朝青龍に勝って、更に優勝決定戦で北勝富士に勝てば、新入幕力士の優勝として109年ぶりの快事だった。その夢は成らなかったが、まだ若い伯桜鵬の将来には大いに期待が持てる。

 今場所は、外が暑いせいもあり、夕方はゆっくり大相撲を観戦出来たが、15日間も見続けたのは恐らく初めてのことではないかと思う。横綱と大関ひとりが欠場したが、案外内容的には楽しむことが出来た。

 さて、今日も東京都内では35.7℃という猛暑だったが、所用で東急自由が丘駅まで自宅近くに入って来るデマンドバス「東急コーチ」で出かけた。車内はかなり混雑していて空席はなかったが、私がちょっとよろめいたせいか、直ぐに傍の若者が席を譲ってくれた。そして次の停車場に着いた時、腰が曲がった白髪のおばあさんが歩行補助器をつきながら乗り込んできた。ちょうどその前に優先席があったが、何とそれが若いスマホ中の男に占領されていた。混んだバス内で、男は白髪のおばあさんを前に一向に気づかぬかのようにスマホだけに見入っていた。そのまま終点まで来てしまったが、おばあさんは立ちっぱなしで、スマホに夢中の若者は優先席に座り続けた。どうしてこうも思いやりがなく、お年寄りに席を譲るよう手を差し伸べようとしないのだろうか。

 実は昨日の講演でも、外国人と日本人の違いで、日本人には思いやりがあると考えがちだが、乗り物内で若者が高齢者に座席を譲るケースは、随分少ないと感じていることを話した。むしろ当たり前となったような気がしている。欧米では、お年寄りの周囲で若者が座り、お年寄りが立っているシーンはほとんど見られないし、むしろ若者は積極的に高齢者に席を譲ろうと手招きまでする。日本人はその気持ちはあるが、行動に移せないだけなのか、相手の気持ちを理解しようとする気持ちがないのか、とにかく東京オリンピック決定の際のパフォーマンスで、日本人は「おもてなし」の気持ちがある国民性だとアピールしていたが、どうも買いかぶりだったのではないだろうか。

 最近電車内では、お年寄りより若者が優先席を独占している印象を受ける。優先席というのは、「高齢者優先席」ではなく、「若者優先席」ではないだろうかと思ってしまう。近年少子高齢化社会になって、若者への待遇が改善されつつある状況に若者が甘えている気がしてならない。

2023年7月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5815.2023年7月23日(日) 人類は灼熱地獄の中で亡びるだろう。

 東北地方は激しい雨に襲われたばかりだが、それ以前に豪雨により多大な犠牲を生んだ南九州では、今日漸く梅雨明けが発表された。これから全国的に一層暑くなることが懸念される。

 今年は例年以上に世界的な猛暑が襲い、特にアメリカやヨーロッパでも対策に知恵を絞っている。例年のようにギリシャでは熱波に見舞われているようだが、首都アテネでは40℃を超え、うだるような暑さに観光客も参っているらしい。アテネ最高の観光スポットであるアクロポリス上のパンテオンでは、あまりの暑さに従業員の抗議により、午後に閉鎖する手段に出た。世界遺産で、かの敬愛する小田実氏が「ヨーロッパで私が最も感動したものと言えば、私はためらわずアテネのアクロポリスの丘をあげるだろう」とベストセラー書「何でも見てやろう」の中で絶賛している。そのアクロポリスから観光客を締め出そうというのだ。余談だが、アテネ・オリンピックの前年に小田実が絶賛したこのアクロポリスについてエッセイを書き、ギリシャ観光局から賞をいただいたことがある。この古代都市アテネに人々が訪れなくなることは悲しいことである。

 その他にもエーゲ海のロードス島では、山火事が燃え広がり観光客が避難しているという。オリンピックの前年に妻とエーゲ海クルーズに出かけ、このロードス島にも上陸したことがある。アメリカでも灼熱の地として知られ、過去世界最高気温を記録したデス・バレーでは40℃を記録するのはざらで、しばしば50℃前後を記録することがある。ここではこれから灼熱地獄が警戒されている。

 今朝のTBS「サンデーモーニング」でも出演者が年々酷くなる地球温暖化について憂慮していた。各種の防止化対策などではなく、世界各国が足並みを揃えて抜本的な対策を考え実行しなければ、温暖化の荒波は防ぐことが出来ないのではないかというのが共通の考えだった。しかし、そんなことが出来るだろうか。自国の利益ばかり追求している大国が、地球上の全人類のために自国の利を削って他国のために協力するなんて理想的な行為は、残念ながら期待出来ないだろう。況してや現在ウクライナ戦争の最中に、ロシアがウクライナ産農産物の輸出をめぐる合意の履行を一方的に停止したことを受けて、国連安全保障理事会緊急会議で欧米各国が国際的食料危機を招くとの非難に対して、ロシアはそれらの農産物は主に先進国に輸出されるもので、途上国への影響は少ないと言い返す有様である。こんな身勝手で自分本位の空気の中で交わされる議論には、この問題よりよほど深刻な地球温暖化問題はとても真剣に議論されるとは思えず、結局のところ地球温暖化問題は、後回しというより、ずっとずっと後の問題とされることだろう。

 結局現在地球に生存している人間を含む全ての生き物は、人間の我がままによって亡びることになるのだろう。その前に私は確実に耒世へ向けて飛び立っているから、猛熱波で命を失うようなことはないと思っている。

2023年7月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5814.2023年7月22日(土) 講演「9.11テロ予知」とリクルート事件

 今日は吉祥寺の「週刊きちじょうじ」の定例行事として開催の「吉祥寺村立雑学大学」で講師を務めた。ここで話をするのは、6年ぶりである。講演のテーマは「どうやってNY9.11テロを予知できたのか?」で、副題に「臨場感で知る世界の動き」を添えた。この講演会は、大学ゼミの仲間が幹事役を務めて運営に当たっている。今日は藤山一郎さんの甥御さんご夫妻に、北原白秋の甥御さんにも聴講していただいた。

 タイトルではNY9.11テロと決めつけているが、予知した時は単に反米テロを思い事件後にNY9.11テロと結びつけたことと、「予告」とか、「予言」ではなく、あくまで心の内に感じた「予知」、「予感」であると誤解のないようお願いした。主題はあくまでどうして予知するまでに至ったかということを、カイバル峠の手前で銃砲類の積み下ろし現場を見て、これらがタリバンらテロ組織に流れることによって反米テロ行為へ進むのではないかと感じた臨場感、そしてその前に頻発した反米テロ発生を時系列に捉えてそろそろ起きるころではないかと予知したこと、この2つをポイントに私がトライした海外武者修行の体験談と臨場感論について話した。写真もパワーポイント用にセットしたが、準備してもらったパソコンがあまりうまく稼働せず、時折映像が機能してくれなかったことから、使い慣れた自分のPCを持参すべきだったと反省した。

 明日中に28日に発行する次号「週刊きちじょうじ」に講演記を書いて編集部まで送るよう厳しい宿題を課せられてしまった。ほんの500文字程度だが、何とか書き上げなければならない。

 講義後に、聴講者の有志の方々に吉祥寺駅前の大衆食堂で昼食をご馳走になり、前記の5人と食後もコーヒーをいただきながら、久しぶりに心置きなく談論することが出来た。増永夫人を除く4人は三田会(慶応義塾出身者)会員であったので、気持ちが合い六大学野球にまで話が発展した。北原さんは、今年91歳だそうだが、足腰は大分弱っているようにお見受けするが、目、耳は羨ましいくらいまったく問題ないと仰っていた。

 さて、昨晩NHKのドキュメンタリー番組「アナザーストーリー」を観て興味を惹かれた。タイトルは「リクルート事件の真相」と題してリクルート創設者・故江副浩正氏がグループ会社の未公開株を政治家や官僚にばらまいて、贈収賄事件として社会的に大きな話題を提供した35年も前に報道された事件を、当時事件を追った新聞、テレビ記者と主任検事・宗像起夫氏の行動を改めて曝け出したものである。事件の概略はある程度承知していたが、特定の視点から事件の本質へアプローチすると更に興味が湧いてくるものだ。驚いたのは、先日ご本人からテレビに登場すると連絡をいただいた菱山郁朗・元日本テレビ政治部長のインタビューと、菱山氏が在職中に社会党衆議院議員の楢崎弥之助氏がリクルート部長から大金を送られる場面をこっそり動画に収め、楢崎氏は受け取らなかったが、その動画が公開され、リクルート側が贈賄行為を行おうとした事実として大きなスキャンダルとなったことである。昨晩のこのシーンはこの番組用に創作されたものだったが、大事件の裏には金のばらまきが随分介在するものだと改めて知らされたものだ。宗像検事も我が家から徒歩でほんの5分程度の高級官舎に住んでおられたので、名前は良く知っていた。

 それにしてもどうして政治家に対してこのような贈収賄を行うのか。今も形を変えて裏で忖度が行われているようだ。政治が絡むとどうも信用出来なくなる。これで大きな顔をして国民のために努力していると言えるだろうか。

2023年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com