5852.2023年8月30日(水) カンボジアで軍人の世襲首相就任

 38年間に亘って長期政権を担ってきたカンボジアのフン・セン首相が突然引退を宣言し、後任に45歳の長男、前陸軍司令官のフン・マネット氏が就任することが、去る22日カンボジア下院で承認された。フン・セン前首相は、首相を辞めたとは言え、背後で国の首脳らを操る気であり、実際与党人民党党首に収まり、来年には国家元首代行でもある上院議長に就く意向のようでもある。政界に未練たっぷりである。これでは引退ではなく、息子の施政ぶりを監視し、時には保護者として、また後見人として手助けしてやろうとの親バカぶりが垣間見える。とても民主主義国家とは言えない。

 1977年にポル・ポト派を離脱してベトナムへ逃げ、その後ポル・ポト派を壊滅させたフン・セン前首相はポル・ポト派の虐殺と圧政に苦しんだカンボジア国民にとって救国の父として、国民の圧倒的な支持を得て長年同国を支配してきた。四半世紀ほど前にカンボジアを訪れた当時、かつて内戦で荒れ果てた国土は落ち着き、国民は安定した社会体制の下に生活しているように見えた。そのフン・セン前首相に代わるフン・マネット新首相は、父フン・セン氏がベトナムに亡命した年に生まれ、その父親から首相の座を譲られたというより相続された典型的な世襲政治家である。いかに優秀だとしても、政治家として未経験の息子に身勝手に首相職を譲りたいがために、息子が初出馬の際いきなり断トツのトップ与党の比例名簿1位に据えて難なく当選させたが、これは非民主主義的、かつ私的に息子を国のリーダーに据えることであり、息子自身の能力が国民から支持されたというわけではない。実際7月に行われた下院選挙でフン・セン氏率いる人民党が、定数125議席の内120議席を獲得した圧勝によって政権基盤を固めたが、その背景には最大野党だったキャンドルライト党を書類の不備などを理由に排除したことが大きい。

 このように政治経験の浅い首相が、いくら強力な後ろ盾がいるからとて、これから多難なカンボジアの政界の舵取りをして行けるものだろうか。

 フン・マネット首相はアメリカのウエスト・ポイント陸軍士官学校を卒業し、ニューヨーク大学で経済学の修士号を、イギリスのブリストル大学で博士号を取得するなど欧米との縁が深い。これまで前首相は中国との関係を深めつつあったが、欧米志向の息子に代わって今後の外交はどうなるか注目されている。しかし、元々軍人であり、父同様に中国重視の姿勢を見せており、来月には中国を公式訪問する予定であり、保守的で覇権国家の道を歩むのではないかと懸念される一面もある。

 カンボジアは近年中国への接近から、今国際的には民主主義国家へ向けて進んでいないと厳しい声がある。日本政府としても民主主義を根付かせるべく90年代にカンボジアの和平に積極的に関わり、自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に初参加して文民警察官を殺害されるような犠牲も払いながら、93年に初の民主的な選挙を実現させた。だが、2010年代になって中国が最大の援助国になってから状況は変わった。カンボジアの将来は、中国との蜜月を築くことによってより以上に発展することが出来るのだろうか。はたまた中国との関係は崩さずとも欧米志向と見られるフン・マネット首相が、民主主義的政治を実施する気持ちがどの程度あるか、注目されるところである。

2023年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5851.2023年8月29日(火) 気骨あるジャーナリストの取材行を国が認めず。

 今年6月東京地裁で日本政府に対して訴訟を起こしたフリー・ジャーナリストがいる。一部にはかなりその名を知られている元信濃毎日新聞記者の安田純平氏である。2015年シリア内戦取材のためトルコ国境からシリアへ密入国した直後に武装勢力に捕らえられ、18年10月に3年4か月ぶりに解放され帰国した。その2か月後再び海外取材へ出かけるべく自らの旅券を申請したが、国によって拒否された。海外の厳しい現場取材をベースにしている安田氏にとっては、死を意味するような処遇である。安田氏は処分撤回などを求めて国を提訴したのである。

 憲法が保障する移動の自由である外国への旅行に必要な旅券の申請を、なぜ安田氏は拒否されたのか。安田氏は今回の旅券発給拒否は国際信義に反すると主張している。というのは、12年と15年にも安田氏はシリアへ密入国している。シリアのアサド政権は、外国人ジャーナリストの入国を認めないため、欧米メディアもやっていたように反政府側が支配する地域での取材は、非正規の国境越えしかなかった。政府はトルコから安田氏解放の条件として、安田氏を今後出国させないという理不尽な約束をさせられたという。

 また、安田氏が解放された背景には、日本政府がそれなりの身代金を支払ったとの噂も聞こえる。安田氏に批判的な匿名の人物らから、身代金は国民の税金から支払われているので安易に行動するなとの投書があったようだが、一番大切な論点が欠けている。それは、安田氏のようなフリー・ジャーナリストが身を賭けるようなことまでして危険な戦闘地域に潜入して取材するからこそ、生々しい現地の真に正確な情勢が伝えられるのである。加えて、国が個人の旅行のための旅券発給を拒否してブレーキをかけることは、「行動の自由」、「言論の自由」、「報道の自由」を制約することでもあり、明らかに個人の自由を束縛する憲法違反行為である。

 何といっても安田氏に国外旅行を中止させようとする政府の判断は、個人の行動を国が縛り付ける一種の抑圧行為であり、不条理で認めがたい。更に安田氏のような優れたジャーナリストが真実を伝える現場に足を運ぶことが出来ないことは、その種の情報に枯渇している国民にとっても不幸なことである。

 私は、安田氏を個人的には存じ上げないが、知識はもちろん、正義感、向上心、冒険心などを兼ね備えたジャーナリストとして卓越した人物であると信じて、早くからその行動力を買っていた。2018年10月にテロリスト集団から身柄を解放された日とその3日後に彼への見方と行動について、本ブログにも取り上げて疑問を呈している。私自身も戦地のような危険な土地で、身柄を拘束された経験があるが、それは正規軍隊と警察によるものであった。その点では安田氏は密入国した戦地でテロリストに捕らわれたので、深刻さの度合いは異なるとは思っているが、身の毛がよだつ体験となったことは共通していると思う。その意味でも安田氏の拘束された時の恐怖感と臨場感は、理解出来る。

 少々気がかりなのは、安田氏の旅券発給が認められなかったことについて、一部のメディアを除いては、その実情についてあまり報道されていないことである。自分たちの仲間である不運なフリー・ジャーナリストに対して、メディア全体でもう少し支援する動きがあっても良いのではないかと思っている。

2023年8月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5850.2023年8月28日(月) 1日4千歩で死亡リスク減少

 余程のことでもない限り、毎日ウォーキングは欠かさないよう努めている。以前は1日1万歩を目標にしていたが、このところ5千歩前後が普通になってしまった。特に最近は暑いので、出かけはするが、歩数はどうしても減少気味である。

 今月上旬にヨーロッパ心臓学会が発行している医学誌に、興味深い報告書が掲載された。1日約4千歩であらゆる原因による死亡リスクが減少し、心筋梗塞などの心血管疾患による死亡リスクについては、約2千3百歩で効果が出るという情報にホッとしている。これは、ポーランドのウッジ医科大学研究チームが、22万7千人を対象に7年間のデータを分析した結果、「1日1万歩が健康維持に必要な魔法の数字と言われて久しいが、5千歩未満でも効果が期待できる」と伝えたものである。

 このニュースを知って大分気が楽になった。あまり無理せずに4千歩を超えることを当面の目標にしようと思っている。

 さて、数日前に人間ドックの正式な報告書が慶応病院から郵送されてきたので、今日それをもって前立腺の基準数値PSAがやや高めの心配があり、昨年に続き泌尿器科クリニックを訪れた。医師は全般的に数値がやや高いが、年齢も影響するので、特に心配というほどのことではない。だが、気になるなら局部のMRI検査を受けたら良いとアドバイスをいただいたので、一昨年と同様早速自由が丘にあるメディカル・スキャニングで予約してもらい、明朝受診することになった。

 どちらかと言うと予防医学的には鋭意積極的に対応しているので、一昨年も検査の結果はそれほど心配することはないとのお話だった。今年もそのつもりで明日MRI検査を受けてみるつもりだ。

 さて、このところ消費者物価の値上がりが激しく、多くの食料品や日用品で値上げが見られるようだが、特に円安が進行してから原油を輸入に頼っている石油、ガソリン価格の高騰が止まらないようだ。レギュラー・ガソリンの全国平均価格は、ついに180円を突破して1ℓ当たり181.3円まで値上がりして200円台が目前となり、一般家庭の消費者はもちろんであるが、ガソリンを使用する運送業者、バス、タクシー業者などにとっては営業上かなり厳しいようだ。政府は9月末に期限切れとなる価格抑制のための補助金を延長する方針のようだが、それでも大量のガソリンや灯油を使用する企業からは悲鳴が上がっている。

 5年前に車を処分して現在は車に乗ることはなくなったが、今車の所有者は相当な出費を余儀なくされていることだろう。あの頃は1ℓ当たり135円ぐらいだった。それが、180円台だというから、車の維持費も増え、ある程度経済的に余裕がないと車を所有することも出来ない時代になったということが言えるかも知れない。

 世知辛い世の中になったものだ。

2023年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5849.2023年8月27日(日) 福島原発汚染処理水放水への反響

 去る24日政府の方針の下に、東京電力は福島原発汚染処理水を海洋に放水を始めたが、中国政府の強硬で身勝手な抗議に対してきちんと説明し説得する必要がある。中国の言い分と抗議の気持ちは理解出来ないこともないが、自国の安全基準を上回る汚染処理水を13か所も無断放水したことを隠しながら、中国は日本の国際的な科学的安全基準をクリアした放水を、一方的に誹謗する不条理で身勝手なやり方だからである。

 まず、中国は科学的根拠を一切考慮しない国であることを承知しておく必要がある。国際原子力機関(IAEA)が、福島の汚染処理水は安全基準以下であると科学的に認めたが、中国政府はこれを歯牙にもかけず、日本が行った汚染処理水という言い方ではなく、あたかも日本は汚染されたまま放水したと強弁し、世界中の人々に何世代にも亘って健康上の負担を負わせていると一方的に非難し、3日前から日本の水産物の輸入を全面的に禁止する行動にまで及んだ。報道統制下にある中国国内では、国民は政府の言葉を額面通り受け取ったせいか、昨日辺りから非礼にも中国から日本へ嫌がらせの電話や、メールが数多く送信されている有様である。北京の日本大使館では、トラブルを恐れ日本人ピアニストによるイベントまで急遽キャンセルしたほどである。また、韓国内でも尹錫悦大統領は、汚染処理水の放流を容認しているが、反対する市民も多く日本大使館にデモ隊が押しかけ逮捕者まで出している。

 国連安保理事会でも、中国と北朝鮮が日本に対して上記のように間違った批判を行い、日本の国連大使は、IAEAが認める安全基準以下の汚染水を放流したもので、誤った情報を流さないよう厳重に抗議を申し入れたくらいである。北朝鮮こそが、国連憲章違反の核実験を度々繰り返したり、無断でミサイル発射実験を行ったり、散々日本を含む周辺国に迷惑をかけていながら、中国と歩調を合わせて汚染処理水の放水を非難する身勝手ぶりである。

 アメリカでは、日本の対応を容認しているが、中国同様にThe New York Timesなどの主要紙が、「汚染処理水」と書くべきところを「汚染水」と表現している点などは、正しく理解されるような対応策が必要ではないかと思う。その点では、日本の外交筋は、事態がデリケートな問題だけに正しく理解してもらえるようきちんと説明を尽くすことが求められると思う。

 中国は、現時点では話し合いの余地がないとみたのか、明日から3日間訪中する予定だった山口那津男公明党代表に、タイミング的に適切ではないと山口氏に訪中を延期するよう連絡があり、山口氏もショックを受けながらも受け入れた。それほど汚染処理水の放水は中国政府の神経を高ぶらせている。この様子だと日中関係の改善は大分遠のいたと言えよう。

 中国政府の言い分では、日本は今後30年以上に亘って世界に原子力汚染水を放流し続けるとの過大な言い方をしている。あまりにも無責任な言い方ではないか。このままでは中国の理不尽な言い分だけが独り歩きすることが懸念される。これでは日本の説得がまったく効果を発揮されず、外交力ゼロだと言わざるを得ない。

2023年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5848.2023年8月26日(土) 米大統領選は、またも高齢者同士の争いか。

 慶応高校が107年ぶりの歴史的快挙を成し遂げた高校野球も、その熱気のほとぼりが冷めつつあるところだが、この暑い最中に世界各地で各種スポーツの実力世界一を競う世界選手権が行われている。先日は女子サッカーで「なでしこジャパン」がベスト8に入る活躍を見せたばかりだが、昨日から沖縄でバスケット・ボール世界選手権が始まった。19日からはブダペストで陸上競技大会が開催されていて、これまでにかつてないほど日本人選手の活躍が見られる。そこへ昨日女子やり投げ決勝が行われ、日本記録保持者の北口榛花選手が、最後の一投で上位3人を上回る記録を出して逆転優勝した。昨年の大会では銅メダルを獲得したが、日本女子選手が金メダルを獲得したのはマラソンを除いて初めてである。日本人選手が活躍するのは嬉しいことで、とりわけ女子選手はこれまであまり活躍する機会がなかっただけに、これがひとつのきっかけとなって今後益々活躍をしてくれれば、その影響は他分野にも広がっていくことだろう。

 さて、ロシアと中国の不穏な動きもやや気になるところだが、民主主義国家アメリカ社会の動静もすっきりしない。トランプ前大統領の言動がどうも怪しいのだ。

 4つの事件で起訴されているトランプ前大統領が逮捕された。直ちに保釈金20万㌦(約2,900万円)を支払い釈放されたが、卑しくもアメリカ大統領経験者がこうも簡単に逮捕されるとは呆れるばかりである。23日には、共和党次期大統領候補者8人が初めてテレビ討論会を行ったが、トランプ氏はこれに出席しなかった。対立候補者らを弱くて哀れと小馬鹿にしたような言葉を弄している。トランプ氏は過去に起訴される度に、自らへの政治的魔女狩りだと非難している。不倫事件や、機密書類無断持ち出しなどのスキャンダルを抱えながら、なぜこれほど支持者がいるのか理解出来ない。しかし、我々がメディアを通して知る限りでは、トランプ氏から支持者が離れないのは、「家族の1人が飲酒運転で起訴されたようなもの。悪いことをしたのは知っていても、家族の一員であることには変わりがない」と捉えているようなので、これは最早「トランプ麻薬」に入り浸っているようなものだ。これでは世界をリード出来るようなまともな社会が作れるはずがない。

 現在共和党内の立候補予定者は9人もいるが、トランプ氏は62%の支持を得ている。次いでデサンティス・フロリダ州知事の16%である。他は推して知るべしである。今ではトランプ氏の次期大統領共和党候補者推薦はほぼ確実ではないだろうか。そうなるとこれを阻止するのは民主党候補者である。民主党内にはバイデン大統領に対抗する候補者が見当たらない。何といってもバイデン大統領が気がかりなのは年齢である。現在80歳のバイデン氏の言動ぶりを見ていても声に生気がなく、傍から支えてあげたいような不自由そうな動作であり、実際4月のNBCニュースが実施した世論調査によると、70%以上の有権者が再選出馬すべきではないとみている。トランプ氏にしても現在76歳で似たり寄ったりであるが、若い国、若者の国と言われたアメリカの最高権力者の座がこうも高齢者同士によって争われるとは、よもや思いもしなかったことである。

 J.Fケネディとニクソンが争った1960年の大統領選挙では、ケネディは43歳、ニクソンは47歳だった。今思い出しても清新で溌剌としていた。アメリカはいつの間にか老大国になってしまったのだろうか。

2023年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5847.2023年8月25日(金) 大学ゼミの先輩と辛く悲しい別れ

 去る18日に大学ゼミの先輩が亡くなられた。近年糖尿病の治療に大分ご苦労されておられたが、直接の死因は誤嚥性肺炎だった。先輩は、大学卒業後そのまま大学院へ進まれ、飯田鼎教授のゼミの下でサブゼミを持たれ、我々を指導してくれた。その後JETROに入られ海外駐在も経験された。JETROを退職されてからは、ゼミの先輩として恩師飯田教授や、同期生の小松教授とともに、OB及び学生とともに勉学と同時にプライベートな交流を深め、ゼミは我々にとってアカデミックな場であり、同時に憩いの場でもあった。

 その先輩とはコロナ渦と体調が悪かったせいもあり、この3年ほどお会いしていなかった。今日京王線幡ヶ谷駅近くの代々幡斎場で葬儀が行われ、ゼミでともにお世話になった後輩と出席した。先日奥様から葬儀と同時に初七日も行い、斎場で荼毘に付すとのご連絡をいただいた。こういう場で最後の対面をするのは辛いものだが、優しい死に顔を拝見し、ただご冥福をお祈りすることで長年の御交誼に感謝しお別れを告げた。

 脱線するが、先輩は一昨日甲子園で107年ぶりに全国制覇した慶応高校の出身である。私が受験に失敗して入学が2年遅れたために私は後輩となったが、高校は別だが、同学年だった。高校3年生だった1956(昭和31)年夏の高校野球神奈川県予選で我が母校・湘南高校が準決勝で慶応高校に2-0で敗れ、慶応は決勝戦も勝ち甲子園へ出場した。残念ながら甲子園では初戦で仙台二高に敗れた。ところが、縁は異なもの味なものと言われるように、この夏の大会で全国制覇したのが、何と京都・平安中学時代に短期間だったが在学していた当時の同級生らが活躍した平安高校(現竜谷大平安高)だった。優勝旗を持って場内を行進する同級生らを観て、感慨無量だった。校歌もテレビの前で声を張り上げて歌ったことを思い出す。
 亡くなった先輩らとは卒業後も一緒に集まって食事をしたり、旅行をしたり楽しかった情景が思い出される。年々こうして親しい人が、ひとり去り、ふたり去って世の無情を感じる、と同時に寂しい思いに駆られることが増えてきた。こればかりは年齢を考えれば、ある面で止むを得ないのかも知れない。これからも折に触れて先輩を想い出すことがあるだろう。

 さて、昨日本ブログで取り上げたロシアの民間軍事会社の創設者プリゴジン代表が搭乗していた自家用ジェット機が墜落して、搭乗していた乗員10人がすべて死亡したと伝えられたが、プリゴジン氏の死が確認されていないこともあって、憶測や噂が広がるばかりだった。そこへウクライナ侵攻以来ちょうど1年半になった昨日、プーチン大統領が、公の場で初めて事故に言及し、墜落は悲劇であり犠牲者に哀悼の意を捧げると表明した。プーチン大統領は墜落原因の調査を開始すると述べたが、同時にプリゴジン氏を有能な人物だったが、重大な過ちを犯したとも述べた。プリゴジン氏は憶測されるように自らに弓を引いた人物だけに、心中は穏やかならぬものがあったであろう。直ぐにも、逮捕、そして処刑と見られたが、一度はアフリカで仕事をさせて世界にプリゴジン氏を信頼しているフリをしながら、意図的とも思えないような術を使い、憎きプリゴジンを処分したのだろう。

 プーチン大統領の人非人ぶりは脅威であり、ロシアとは空恐ろしい国である。



 

2023年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5846.2023年8月24日(木) ワグネル創設者墜死と福島原発汚染水の放出

 世界で最も疑念があり危険な国・北朝鮮が、一昨日今月末までの間に「人工衛星」を打ち上げると海上保安庁へ北朝鮮側から通報があった。今朝になって北朝鮮は、国家宇宙開発局を通じて軍事偵察衛星を搭載した新型衛星ロケットの再打ち上げを行い、失敗したと発表した。いつもながらの人騒がせのミサイル発射騒動である。この北朝鮮は、日本をはじめ周辺国に不安と恐怖を与えながらも我が道を往って、失敗に懲りず10月にまた打ち上げを行うと公表した。

 また、世界でも最も怪しい人殺し帝国のロシアでも胡散臭い情報が頻発している。6月にプーチン政権を批判する言動を行ってきたロシア民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン代表が搭乗した自家用ジェット機が昨日ロシア国内で墜落し、プリゴジン氏が死亡したとのニュースが伝えられた。実際に同機にプリゴジン氏が搭乗していたかどうかはまだ確認されていないが、さもありなむと思う。権力者プーチン大統領に盾突いてクーデターを企んだのみならず、自身が取って変わろうとしたような反逆者を独裁者プーチンが黙って見逃す筈がない。事件後、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介により部隊を撤退させ、しばらくプリゴジン氏はベラルーシに留まっていた。その後もアフリカに出没して、アフリカでロシアの権益拡大に動いていたようなニュースが伝えられた。だが、一旦裏切ったような男をプライド高いプーチン大統領が黙って見逃すことはあり得ず、いずれプリゴジン氏は抹殺されるものと思っていた。

 この墜落事故ニュースにアメリカの戦争研究所は、プーチン大統領がロシア軍に撃墜を命じたのはほぼ確実だとのコメントを公表した。私もプリゴジン氏はプーチンによって地獄へ突き落されたと考えている。

 さて、国内では一昨日岸田首相が福島第1原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む汚染処理水を今日にも放水する方針と公表した通り、今日午後1時ごろから東京電力は政府の方針に基づき、基準を下回る濃度に薄めたうえで、海への放出を始めた。国際原子力機関(IAEA)は、「国際社会の目の役割を果たし、放出活動がIEAEの安全基準に合致することを保証するため現地にいる」として福島にスタッフが留まりながらも汚染水処理について一応の理解を示している。

 問題は、世界最大の嫌がらせ国家・中国の対応である。日本の汚染水放出方針に対して当初から反対し、放水したら対抗措置を取ると再三に亘り日本政府に対して警告していたが、日本が放出を始めたことを受け、直ちに中国税関当局は原産地が日本の水産物の輸入を今日から全面的に停止すると発表した。

 中国政府の抗議や、主張は一見筋が通っているように思えるが、実は中国にも汚染水放出の過去がいくつもある。福島のトリチウムの年間総放出量は、22兆ベクレルであるが、「中国原子力エネルギー年間」によると中国国内の原子力発電所のうち少なくとも13か所で、東電の放出量を上回る量のトリチウムが放出されていたことが分かっている。中でも浙江省の泰山原発では、一昨年だけで218兆ベクレルもの放水が行われた。

 相変わらず中国政府は、自らの過ちは覆い隠して、他国のミスは厳しく糾弾するという姿勢は変わらないようだ。日本政府は中国に対して福島放水についての説明ばかり考えているようだが、中国の身勝手な汚水処理についても追求するべきではないだろうか。この厄介な行く末は一体どうなるのだろうか。

2023年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5845.2023年8月23日(水) 何と107年ぶりの優勝とは! 慶応高校

 昨日と同じように朝早く慶応病院へ出かけた。昨日のホルター心電図検査で身体に付けたホルターを外してもらうためである。ただ、器具を外しただけだったのでことは簡単に済んだ。今日はそのまま帰って来た。自宅を出てから帰宅するまでほんの2時間半しかかからなかった。心電図受診の結果は1か月後に担当の医師から詳しい話がある。器具を取り外した際、女医さんからいくつか質問があったが、私にとってはまったく気になるようなことではなかったので、この心電図検査の結果もあまり問題はないような気がしている。取り敢えずホッとしている。

 ♪雲はわき 光あふれて 天たかく 純白の球きょうぞ飛ぶ

     若人よ いざ まなじりは 歓呼にこたえ  いさぎよし

      ほほえむ希望 ああ 栄冠は 君に輝く♪

 今日は第105回全国高校野球決勝戦が甲子園で行われた。戦前の話題としては、慶応高が1世紀ぶりの優勝を遂げるか、或いは仙台育英高が昨年に続き連覇を達成するかという点に関心が集まっていた。試合は先頭打者がホームランを打った慶応がリードを保ち、その後5回に5点を加え8-2で仙台育英高の連覇を阻み、全国3,486校の頂点に立った。慶応の過去の優勝は、世紀を超える107年前のことである。それほど古い歴史を誇る甲子園大会だが、今年は105回目である。実は、過去に米騒動、日中戦争、太平洋戦争、そしてコレラ渦により大会が開催中止に追い込まれたことがあったからである。

 今日もプレイボールからゲームセットまで終始テレビを食い入るように観て慶応高を応援していたが、甲子園アルプス・スタンドの慶応の応援団の数の多さと熱気には圧倒された思いである。選手たちの顔には笑顔が随分見られるようになり、我々のころとは隔世の感がした。かつて甲子園球児らは、歯を食い縛り、真剣な表情しか見せなかったものだが、随分変わったものである。慶応のモットーが‘Enjoy baseball’だそうだから、野球部の指導方針もあるが、自ずからスマイルがこぼれるのだろう。しかし、観戦している側からすれば、楽しそうにプレイしてくれる方がよほどenjoy出来る。高校野球界も少しずつ変わりつつあるのだ。

 ところで我が母校、湘南高校も全国大会優勝の名誉を得ている。かなり古くなってしまったが、1949(昭和49)年の夏の大会である。甲子園で初出場、初優勝を遂げた時は大きな話題になったが、そのひとつに「湘南高の優勝は、第2回大会で慶応普通部が優勝して以来33年ぶりに深紅の優勝旗が箱根の山を越えた」という表現でメディアに取り上げられ祝福されたのだ。勝った相手校は県立岐阜高校だった。それほど東日本勢は甲子園では思うように勝てなかった時代だった。それが今年はベスト4のうち3校も東日本の高校である。これからもかつての地域的力関係は少しずつ変わることだろう。

 振り返ると、母校が全国優勝を遂げ、湘南地方、否神奈川県民から祝福されてから早や74年が過ぎ、今では歴史上の一コマになってしまった。母校は選抜大会には2度出場しているが、夏の大会ではその後甲子園に出場していない。慶応の例もあることだし、望みはいつまでも持っていたいと思う。

2023年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5844.2023年8月22日(火) 心電図受診と音楽会鑑賞で慌ただしい1日

 今日の天候は急に激しい雨が降り出したと思ったら、直ぐ晴れ間が出たり、するとまた突然降雨があったり慌ただしい1日だったが、私自身の行動も少々慌ただしかった。

 1日に慶応病院予防医療センターの人間ドックで見つかった心臓の不整脈について、先々週同病院循環器内科でご相談して、今日心エコー検査とホルター心電図を受診することになった。9時前に病院へ着いて、2つの検査を実施してもらった。いずれも初めての受診ではあったが、スムーズに終えることが出来た。ただ、胸の上部と下部に湿布のようなものを貼り、ホルターという器具を胸部に巻いて明日取り外すまでの間24時間に亘って入浴はもちろん、強打をしないよう注意することを仰せつかった。明日も朝早くに再び病院へ行って今日身体に付けたものを取り外してもらうことになっている。

 それでも予想していたより早く今日の治療は終わった。

 実は、慌ただしかったのは以下の事情による。今日は以前から妻と世田谷区民会館内のせせらぎホールの音楽会鑑賞に出かける予定でいた。それが、上記のように心電図の検査などと重なってしまったために、場合によっては鑑賞に間に合わないかも知れないと妻にも言い、鑑賞出来るかどうかは半々だった。幸い病院の治療が大分早く終わったので、妻とはせせらぎホールで待ち合わせて音楽会を鑑賞することが出来た。

 今日の音楽会は、それほど知名度はないが、カルテット4人が揃って音大卒の実力者である。テノールとバリトンの歌手の他に、ピアニストとバイオリニストがカルテットを組み、2人が唄い、他の2人が楽器を演奏するという珍しい「歌声カルテット」というグループである。音楽会は「昭和歌謡コンサート」と銘打っていて、彼らのスケジュールを見ると10月までほとんど連日関東、東海地方で演奏会を行っている。知名度こそそれほどなくても、実力があり、昭和の懐かしい名曲を唄っていることに郷愁を感じる人が多いのだろう。和洋の名曲を披露してくれるので、聴衆は熱心に耳を傾けていた。聴衆はほとんど中高年者、しかも女性が多かったが、身障者の姿も何人か見られた。進行もスムーズで手拍子を打ったりしながらあっという間の2時間だった。期待していた岡晴夫の♪憧れのハワイ航路♪は、冒頭に唄われたが、大好きな藤山一郎の歌曲は残念ながら1曲も歌われなかった。昭和とは謳っていたが、すべて戦後のヒット曲ばかりだった。近くの落ち着いた雰囲気の中で、久しぶりに懐かしい名曲をプロの歌手の歌声によって生で聴くことが出来たことは、慌ただしい1日の中ではあったが、心休まるひとときだった。今日は何日ぶりかで万歩計は1万歩を超えた。

 ところで、今日の天候は夜半にかけて大気の状態が不安定となり、雨雲や雷雲が流れ込んでくるため、天気が急変する恐れがあるという。今日日中のゲリラ豪雨にはびっくりしたが、明日の天候も雨模様のようで、安心出来そうもない。

2023年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5843.2023年8月21日(月) 真偽取り混ぜ興味深いゾルゲ事件の舞台裏

 セルビアで活動している友人山崎洋氏が、先日メールで新聞記事のコピーを送ってくれた。戦時中のゾルゲ・スパイ事件に関する北海道新聞の3日間(8/11~13)の連載ものである。彼についての記述と写真、それに近著「山崎洋仕事集」も紹介されている。最近はゾルゲ事件に関する報道が大分少なくなったが、それは事件を知る関係者やジャーナリストがほとんど他界してしまったせいでもある。この記事は北海道新聞の「私たちの平和論」というシリーズで、同新聞東京報道センターの女性記者・大沢祥子氏が曽祖父の残した資料や、関係者にインタビューして写真を添付して1日辺り8段の大枠のスペースを取っている。特にゾルゲや同志で山崎氏の実父であるブランコ・ド・ブケリッチが特高に逮捕された時の様子、独房生活等についてかなりスペースを割いている。どうしてこの女性記者が、このような特殊な環境にあったゾルゲ事件関係者について調査したのか、興味深く感じた。実は、大沢祥子氏は、戦時中警視庁特高警察部・鈴木富来警部の曾孫で、偶々曽祖父の遺稿集を見つけ、そこにゾルゲらを逮捕した当時の記録や、収監中の様子などが書かれていたことに興味を持ったようである。

 曽祖父富来はブケリッチに対して「自白を強要したり拷問を加えたような事実はない」と断言している。ところが、アメリカ陸軍省は戦後ゾルゲ事件に関してウィロビー報告を発表したが、その中にはブケリッチが終戦の年、1945年1月に網走刑務所で亡くなったことに触れ、「獄中で死亡したことは彼が拷問されたのではないかという疑問を起こさせる」と咎めている。これに対して、富来はウィロビーがなぜ誤った見解を報告書に載せたのか理解に苦しむと反論している。そして「拘置所内での彼らの処遇は他の日本人被疑者よりきわめて優遇されていた」とまで述べている。曽祖父の主張が正しいのかどうか曾孫は、国会図書館などで関係資料について徹底的に目を通した。「尾崎・ゾルゲ研究会」代表で一橋大学名誉教授の加藤哲郎氏は、拷問はなかっただろうと富来の言を信じている。大沢氏は山崎氏が父ブケリッチの手紙などを出版していることを知り、山崎氏と会って更に詳しい話を聞きたいと希望した。だが、山崎氏はもう60年もベオグラードに居住して、年に1度は帰国することがあるが、会うことは中々難しい。

 結局大沢氏は山崎氏へ書面インタビューという形で連絡を取ることになった。そのインタビューの回答書も山崎氏から送ってもらったが、その中で山崎氏は「『鈴木富来遺稿集』は創作である」と断言している。私も知っているが、ブケリッチ逮捕当日の朝の様子は、山崎氏が母親から聞いた事実と富来の内容が細かい点でかなり異なっていることである。

 山崎氏は現在セルビアで家族とともに過ごしてはいるが、大学を卒業と同時に父親が活動していたユーゴスラビアへ渡り、現地で現在のセルビアと日本の友好のために精力的に活動している。敬服するばかりである。大学の同期生ではあるが、これからも今まで通り活動され、我々にも力を与えて欲しいと願っている。

2023年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com