5862.2023年9月9日(土) 世界は間もなく世紀末を迎えるのか?

 最近あまり日本では話題に上がらなくなったが、今日9月9日は、旧暦5節句の最後の「重陽の節句」に当たる。中国では奇数は縁起の良い数字と考えられ、奇数が重なることを幸運と信じている。今日はご近所に住んでおられ、敬愛する小中陽太郎さんの誕生日で89歳になられた。小中さんは、生年も昭和9年であり、昭和9年9月9日という珍しい「三重吉」の運命を背負っておられる。お名前の「陽太郎」の「陽」も重陽から拝借したと伺った。その小中さんが昨年12月にご自宅で転倒され頭部を強打して、その後入退院を繰り返しながらも今も意識が戻らない。お気の毒としか言いようがない。今日奥様にお電話したら、先月1週間ほど病院にいたが、またご自宅に引き取って毎日看護師さんが来られ、胃瘻の処置をされておられるという。1日も早いご回復をお祈りするばかりである。

 さて、昨日は熱帯性低気圧の影響で一時的に東京でも激しい豪雨があったが、千葉、茨城、福島各県では記録的な大雨により、千葉県茂原市、君津市、鴨川市、大多喜町、茨城県日立市、福島県南相馬市では、観測史上1日としての雨量が1位を記録した。

 そこへ昨晩から奄美地方のトカラ列島で群発地震が発生し、それは今朝になっても止むことなく、2日間で震度1以上の有感地震は、実に200回を上回ったという。どうして日本にはこうも台風や地震など自然災害に襲われることが多いのだろうか。

 海外では、アフリカのモロッコで今日7時(日本時間)過ぎに内陸部でマグニチュード6.8の大きな地震が発生し、通信社によって異なるが、ある報道ではこれまでに800人を超える死者が出たという。この地震で熱暑と建物の崩壊、加えて余震により、更に犠牲者が出ることが懸念される。

 ネットでアフリカの地震を調べていたところ、日本では大きく報道されなかったと思うが、2017年には西アフリカのシェラレオネの首都フリータウンで大規模な地滑りが起き、1,100人が犠牲になった。ちょうど雨季が始まった時期で、人口の都市集中化と森林地域の減少が災害を加速させたようだが、ご多聞に漏れず、ここにも地球温暖化の影響が色濃く表れている。

 世界気象機関(WMO)とEUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」が、3日前に今年6~8月の世界の平均気温が観測史上最も高くなったと発表した。それによると6~8月の平均気温は16.77℃で、平年を0.66℃上回った。海面水温も過去に例のない高温が続いており、8月の平均水温は20.98℃でこれも平年を0.55℃上回り、過去最高になった。この高温のせいで、南極の海氷の面積はこの時期としては記録的に小さくなっており、平年を12%も下回っているという。先に国連のグテーレス事務総長が「気候崩壊が始まった」と危機感を示し、各国に温暖化対策の加速を強く促しているが、それに積極的に応じている国は残念ながら見当たらない。

 局地的な災害、伝染病の大流行、はたまた核の使用などによって地球の破壊、或いは人類の滅亡が一部に懸念されているが、今覇権主義により世界中から非難されながらも戦争に熱中しているロシアや、領海を一方的に拡張して周辺国から強い抗議が寄せられている中国のような国もある。それより何より身近に人間誰もが関わっている二酸化炭素の極度の排出などによって今世紀中にこの地球上から生物がすべて姿を消す恐れがあることを、世界各国の首脳らは心してもっと地球温暖化対策をどんどん進めて欲しい。今や戦争なんかやっている場合ではない。

2023年9月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5861.2023年9月8日(金) ジャニーが冒した「人類史上最も愚かな事件」

 コロナ渦で自粛生活のうっ憤晴らしもあり、先日中学時代の友人から久しぶりにワインで乾杯しようと誘われ、今日東京駅内ステーションホテルで会う約束をしていた。友人はワインに造詣が深く、著書も出している権威でもあり、ワイン談義を楽しみにしていた。ところが、数日前から台風13号の接近が予想され、日が近づくにつれ約束の今日の午前中に強風雨が東京周辺を直撃しそうとの予報が伝えられた。そこで、風雨が激しくなりそうなので乾杯を1週間延期しようと、昨日友人に電話をして今日は自宅に引きこもることにした。これが正解だった。朝起きたら雨が降り、外は肌寒く、線状降水帯も発生した。とても乾杯なんかやっているムードにはなりそうもない。素早く延期を決断したことは正解だったと言えよう。それにしても今日の東京都内の最高気温は、25.2℃で真夏日でないのは、何日ぶりであろうか。明日からまた真夏日に戻るようで、しばらくぶりの秋冷の日はまた遠ざかってしまう。

 さて、世間を賑わせていたスキャンダルについて、芸能タレント・プロダクションのジャニーズ事務所が、先日外部の再発防止特別チームからの提言に基づいて釈明の記者会見を昨日4時間余に亘り開いた。初代オーナーの故ジャニー喜多川が、幼いタレントに長い間性加害を繰り返し、犠牲者は実に数百名に上り、その期間は40年以上も続いていたという。ジャニーズのケースは、独裁者だったジャニー喜多川の破廉恥行為に幼い子どもらが声を出すこともなく、事務所でも噂は承知していながらこれまで放置、隠蔽していた事件である。ひところ週刊文春によって暴かれたようだが、さほど騒がれることもなく、犠牲者は増えて行った。メディアの責任も重い。

 この事件が急速に公になったのは、ロンドンのBBCが取り上げたからである。BBCは週刊文春の記事を後追いして、BBCワールド・ニュースで、「Predator:The Secret Scandal of J-Pop」(J-Popの捕食動物~秘められたスキャンダル)と題してシリーズで4回も放送したという。その後国内でも被害を名乗り出るジャニーズ所属元タレントが次々と現れ、ジャニーズ事務所も知らん顔を出来なくなった。再発防止特別チームは被害者41人と個別に面会し調査の結果を先日公表した。そのリーダーが弁護士の林真琴元検事総長だったからこそ、問題点を厳しく調査し、発表出来たのではないだろうか。

  結論として、1)ジャニー氏の性嗜好異常、2)ジャニー氏の姉メリー氏の放置と隠蔽、3)ジャニーズ事務所の不作為、4)被害の潜在化を招いた権力構造として、その背景に同族企業の弊害、杜撰な管理体制、ガバナンスの脆弱性、メディアの沈黙、等々が挙げられ、再発防止策として1)事務所が性加害の事実を認め謝罪し、速やかにその救済に乗り出すべきであり、社長の辞任、同族経営の弊害の防止、2)取締役会の活性化、の他にメディアとの対話の重要性を提言した。

 昨日の会見では、ジャニー喜多川の姪にあたる藤島ジュリー景子社長に代わって、新社長に就任した東山紀之氏は、「事件を人類史上最も愚かな事件」と決めつけた。懸念されるのは、ジュリー前社長が代表取締役のひとりとして残り、しかも100%の全株式を独占所有していることなどが公表されたことである。

 そう短兵急に解決出来る問題ではないにせよ、同族企業からの脱皮を求められている中で、ジャニーズの名前を残すことや、前社長が代表取締役として留まることは問題を残した気がする。東山新社長にしてもタレント活動を年内に引退して社長業に専念するとの意気ごみはともかく、会社経営の経験がまったくなく、果たして願い通り会社を立ち直らせ、補償を済ませ、再出発が出来るかどうか、疑問が残る。他人事ながらしばらく外野席から眺めようと思っている。

 海外でもBBCが「責任者が虐待を認めた」との報道をはじめ、AFP、ロイター通信、ブルームバーグなどでも批判的に告発報道された。東山新社長が述べたように、まったく恥ずかしい事件である。

2023年9月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5860.2023年9月7日(木) あまりにもお粗末な政治家の常識と無責任 

 政治家の言動には、信用出来ない点が多い。最近あった呆れた政治家の行動2件について批判を込めて報告したい。

 ひとつは、秋本真利衆議院議員の受託収賄罪事件である。洋上風力発電事業をめぐって「日本風力開発」前社長から多額の資金を受け取った容疑で、今日東京地検特捜部は秋本議員を逮捕した。国会中継の秋本議員の質問の場面を観てみると、いかにも日本風力開発の希望に沿った質問をしている。これでは前社長も「してやったり!」とつい贈賄する気持ちにもなるだろう。その資金の受け渡しも前例のない手を使っている。秋本議員を中央競馬の個人馬主に登録させ、競走馬を保有する馬主組合を共同で設立し、前社長が馬の購入費や飼育費として資金を馬主組合に送金し、秋本議員がいただくという手の込んだ金の流れをやっていた。

 秋本議員の常識を疑いたくなるのは、任意聴取で前社長から資金を受け取っていた点について聞かれると、前社長が資金提供の主旨を自白したにも関わらず、これはあくまで競走馬のための資金提供であり、これが贈収賄になるとは信じられないと惚けていることである。こんな不誠実な言動と金銭感覚で国会議員を務めているとは呆れるばかりである。受託収賄金額は、実に約6千万円だというからその怪しい金銭感覚も並みではない。

 もうひとつは、国会議員ではなく地方議員のケースである。度々派手な仮名で各種の選挙に立候補している間に、メディアでも取り上げられ、多少知名度が上がって今年4月に宮崎市議会議員に当選したばかりの「スーパークレイジー君」(本名:西本誠)である。

 このSC君は、同市出身で父親は元暴力団構成員で、母親は1歳の時に家を出て行き、少年院に5年、逮捕歴8回という不幸な半生を送って来た。その経歴を自慢するように選挙で立候補の都度、その華やかな?経歴を隠すこともしなかった。最初は2020年の東京都知事選に出て落選した。次いで21年に行われた埼玉県戸田市議選で当選したが、同市内に3か月居住の立候補要件を満たしていないことが判明し、市選管から当選無効の決定を受けた。最高裁へ上告したが棄却されたため、当選無効が確定した。22年には宮崎県知事選に立候補したが、完敗で供託金も没収された。そして今年に入って4月に宮崎市議選で知名度を生かし、全立候補者61人中第2位の得票で当選した。一部市民には期待されていたようだが、今月6日に知人女性に対する不同意性交致死容疑で逮捕された。議員に選任されてから半年も経っていない。まだ議員を辞めたとの情報には接していないが、早晩そうなるだろう。

 すべての政治家皆が皆、上記2人のようなローレベルの人物というわけではない。しかし、似たような議員が多いことも事実である。国、或いは地方行政に関わる重要な業務を選挙民から委託されて議会で行動出来るようになったわけだが、あまりにも自らの職責を感じることがなく、無責任で破天荒な行動をするのを見逃すことは出来ない。

 他にも随分怪しい議員がいる。彼らに一番考えて欲しいことは、自分は何ゆえに議員になったのか、選挙民に対する責任、常識的な行動、自ら得る所得は税金からだということを肝に免じて欲しいものだ。

2023年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5859.2023年9月6日(水) 懸念されるオーバー・ツーリズム

 5月に新型コロナ新規感染症防止上の位置づけが「5類」と緩和され、規制が緩やかになったが、マスクを着用する人の姿は大分少なくなった。ところが、メディアなどではあまり報道されないが、実際には新規感染者は着実に増えているようである。

 実は、観光業界ではコロナ明けを待望していたので、各地の観光地でも観光客が戻ってくるのを手ぐすね引いて待っている。懸念されるのは、日本のみならず世界的にも観光客がどっと押し寄せ、狭い観光地に観光客が溢れて引き起こされるオーバー・ツーリズム現象である。

 例えば、海外から最近こんなニュースが伝えられた。ひとつは、先月末オーストリアのハルシュスタットで過剰な観光客の訪問に対して、地元の住民が「生活空間を守る」と道路を封鎖して観光客が大勢で村を訪れることに抗議したというのである。30年ほど前に近くのザルツブルグを訪れた時、時間の関係で立ち寄るのを諦めたことがある世界遺産に登録された小さな村である。村民は僅か700人程度であるが、ピーク・シーズンには1日に1万人の観光客が押し寄せるという。村民の気持ちも理解出来る。

 もうひとつは、スペインのバルセロナである。ここには、観光客に人気の世界遺産・サグラダ・ファミリアがある。バルセロナは1992年開催のオリンピック以来年々観光客が増え、今ではスペインで最も観光客が多い都市となっている。同市の観光客数は年間約3,200万人で、市の人口(約160万人)の20倍である。バルセロナ市当局は、オリンピックを契機に観光客の増大を計画し、それなりの効果を上げたが、反面マイナス効果も生まれた。それは観光客が増えたことによる住民への諸々のダメージである。典型的なのは騒音問題と迷惑行為である。品行の悪い観光客が大声で騒いだり、民泊用マンションの共同施設などが壊されたり、禁止地区に無断で侵入したりすることだという。これらは、オーバー・ツーリズムとして近年急激に観光客が増えた他の都市でも見られる現象で、日本でもインバウンド業の発展とともに憂慮されていたことである。

 日本では京都市内などでもここ数年懸念されていたが、最近ではオーバー・ツーリズムが想定外のところで起きている。それは何と日本一の山・富士山で休むことなく一気に頂上を目指す軽装の外国人若者によりハラハラさせられる「弾丸登山」と、都内渋谷など繁華街の道路上におけるアルコールの立ち飲みと空き缶の投げ捨てである。これらの観光地以外にも早晩訪れる難題である。

 中々難しい問題を孕んでいるが、いずれのケースも国、或いは自治体として何らかの規制をせざるを得ないことだろう。実際昨日「弾丸登山」を試みたメキシコ人とアメリカ人の青年が、遭難騒ぎを起こした。幸いメキシコ人は下山し、もうひとりのアメリカ人は救助隊に救助されたが、今や身に迫った深刻な問題となった。このままオーバー・ツーリズムを放置するわけにはいかないだろう。外国人によるツーリズムも財政的には大いに歓迎されるところだが、このような問題が発生するようでは、手放しで喜んではいられない。

2023年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5858.2023年9月5日(火) 中国政府と中国国民のあざとい言動

 先月24日に福島原発の汚染処理水を海洋へ放水してから、中国は日本の水産物の輸入を全面的に禁止した。同時に中国国内から根拠のない嫌がらせ、迷惑電話やSNSを福島を主に日本各地に発信して、福島県の商店などでかなり営業妨害となり困惑している。日本政府としても中国政府が科学的な根拠に基づく情報ではなく、間違った情報で日本を非難しているのは遺憾であり、容認出来ないと中国政府に止めるよう要求している。しかし、これまでの中国政府の悪質な日本非難のやり方を考えると早急に改めるとも思えない。

 汚染処理水とは、国際原子力機関(IAEA)が、トリチウム含有量が基準値以下であると科学的に認めた汚染処理後の水のことである。中国は、日本に対してそれを「汚染処理水」と言わず「汚染水」と言い、まったく浄化されていない核汚染水を放水しているかのような情報を中国国内に流し、中国国民の反日感情を煽っている。

 ところが、この中国がこっそり原発核汚染(処理)水を垂れ流しているのである。それもトリチウム含有量が福島のそれより遥かに多く含まれた大量の処理水である。中国政府は、自国の汚染水は黙って公海に放出し、言論統制により国民には一切伝えず、日本が科学的にIAEAから容認された汚染処理水の放水を汚染水の放水と意図的に悪意を以て批判している。中国政府下の官製メディアも「日本は迷惑行為の被害者として同情を買おうとしている」と主張して、日本への批判を続けている。時に国内にSNS上に良識的な声が上がると削除したり、国民に反日的な言動を焚きつけている。いずれ分かるようなやり方は、中国もそろそろ止めてはどうか。流石にアメリカ政府も中国国内の情報伝達と中国人の嫌がらせ行為は、科学的ではなく、あまりにも政治的であると批判する有様である。

 この中国の日本非難には2つの大きな要因があるようだ。ひとつは、最近の中国経済の低迷、特に国民総生産の約3割を占める不動産業界の不振である。不動産業者へ支払った代金を返してもらえず、不動産も入手できない消費者の苦情に政府もやや困惑している節がある。もうひとつは、8月に河北省の避暑地・北戴河で開催された「北戴河会議」で憲法を冒してまでして第3期目の国家主席の座に就いた習近平主席に、これまでほとんど聞かれなかった習近平批判があったことが漏れ伝わってきたことである。それらの問題から国民の目を逸らせるために日本批判を利用しているのだ。先に就任間もなかった泰剛前外相を解任したり、習近平専制君主体制の強引な中国の領土・領海拡大地図が、アジア4か国から強硬な抗議を突き付けられ習体制に揺らぎが生まれているのではないかとも推察されている。それが来る9~10日にインドで開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議に習近平・国家主席が珍しく欠席することになった原因でもある。
 中国政府もそろそろ緊張感が保てなくなっているのではないか。国民への情報及び言論統制は度を超えている。大国中国の破綻は望んではいないが、もう少し良識的な言動とバランス感覚を備えて欲しいと思っている。今のように辺り構わず恫喝的な言動を続けているようでは、その内ロシア、北朝鮮同様に、どこの国からもまともな共存関係を保とうとの気持ちは示してもらえないと思う。そろそろ傲慢国家の看板を降ろしてはどうだろうか。

2023年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5857.2023年9月4日(月) 近所づきあい。今は昔「向こう三軒両隣」

 今日は台風12号が熱帯性低気圧に衰えたとは言え、その影響で東日本は雨模様の所が多いようだが、我が家の庭も午前中は雨で草木がしっとり濡れていた。月曜日なので燃えるゴミを出す日でもあり、雨の中では段ボールは控えて空き缶だけを外へ出したが、道路を隔てた目の前の道路の角には、段ボールが山と積まれていた。これはいつものことだが、雨の中では段ボールがびしょ濡れになるのも構わないようだ。私たちが現在の場所へ引っ越してきたのは43年前になる。その当時自宅前は古い木造アパートと空き地内に駐車場があった。そこへ10年ほど前に10軒近くの住宅が建設され若い人たちがやって来たが、昔と違って引っ越しの挨拶はもちろん、普段から近所づきあいがまったくない。せいぜい言葉を交わすのは目の前の2軒のご家族だけである。若い人たちは、ゴミ出しのルールも守らず、強風が吹いたりすると出した段ボールなどが我が家の門まで吹き飛んでくる。私たちが越してくる前から居住しておられるご近所の年配の方々は、道路上でお会いすれば軽い挨拶や、立ち話をすることもある。今も「向こう三軒両隣」の情はある。それがどうして近頃の若者たちは、ご近所と交流をしようとしないのだろうかと以前から不審感を抱いていた。

 引っ越し続きだった自分自身の過去を振り返っても、今までご近所さんとは、親しく気軽に何でも話していた。現在の隣づきあいを拒絶するような空気は、平成年代に入ってから特に目立つようになった気がしている。

 そんなことを考えていた時、NHKで「世界ふれあい街あるき」で「シルクロードの青い都―サマルカンド(ウズベキスタン)」を観たことを思い出した。残念ながらまだ1度もここを訪れたことがない。13世紀にモンゴル軍の侵攻によって一時は廃墟と化したが、英雄ティムールによって一大帝国として復活した。現在世界遺産に登録されている。ウズベキスタンの第2の都市であるが、人口は僅か52万人である。市内には青いタイルのイスラム式建築物が立ち並ぶ姿はサマルカンド・ブルーと呼ばれ、多くの外国人観光客を虜にしている。

 実は、この街の人々がとてもフレンドリーで誰彼となく通りがかりの人にも気軽に声をかけ、自宅に招き、ご馳走までしてくれる。彼らもそれがこの街の伝統で住民もそれが普通だと思っていると言い、自宅内で家族を紹介し、楽しいひとときを過ごすことを待っている印象である。こういうおもてなしの風習は、外国でも途上国の地方都市などに多い。実際私自身インドネシア、タイ、ビルマなどで現地の人たちから受け入れてもらい、忘れられない時を過ごしたこともある。結局都市化が進んで人々がお互いに接触する機会が減り、他人と過ごす時間が無駄な時間だと考えるようになり、少しずつ避けるようになった頃から、人間としての情が失われ出したように思う。

 もっと人や自然と触れる機会を増やすことが、今の世知辛い世を温もりのある社会にし、人々を思いやりのある人にするのではないかと考えている。そういう意味でもサマルカンドの人々の考えと行動力を知ったことは、とても参考になった。健康が許せば、何とか1度サマルカンドを訪れて見たいと考えている。

2023年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5856.2023年9月3日(日) 日本バスケットボール・チーム、パリ五輪へ

 このところ日本スポーツ界の力が全般的に上がって、スポーツ・ファンがかなり盛り上がっている。昨日沖縄で開催中のバスケットボール・ワールドカップ(W杯)順位決定リーグ最終戦で、日本はこれまで国名も知らなかったアフリカのカボベルデを破り、アジア最上位が確定して来年開催のパリ・オリンピックへの出場権が決定した。バスケットボール(通称バスケ)のように背の高い選手が有利なスポーツでは、日本は決定的に不利で、他のスポーツに比べても世界のレベルからはかなり遅れ、人気も取り残されている。野球、サッカー、ラグビー、バレーボールはもちろん、女子サッカーにも人気では及ばないかも知れない。

 実際日本バスケ代表の実力は、1976年モントリオール五輪でエジプトに不戦勝して以来ほぼ半世紀の間公式戦で外国チームに勝ったことがない。それがNBAチームに所属する選手も加わるようになり、チーム力も向上し、今年のW杯では格上のフィンランドとベネズエラに勝ち、勢いに乗ってカボベルデを倒し、五輪出場権を勝ち取ったのである。幸い大会がバスケ・ファンの多い沖縄で開催され、熱い声援を受けて選手を力づけたことが大きいが、NBAサンズの渡辺雄太選手や、日本国籍を取得した元アメリカ人・ホーキンソン選手のような本場仕込みの長身選手が加わったことにより、これまでにはない実力を発揮することが出来るようになったと言えよう。今後バスケ・チームの大いなる活躍を期待したいところである。
 ついては、今大会の参加国を見て、昨日対戦したアフリカのカボベルデという見慣れない国があるのに気付いた。偶々昨日日本チームが対戦することになったが、今大会まで寡聞にしてその国名を全く知らなかった。

 改めてこの「カボベルデ」という国を調べてみたところ、1975年にポルトガルから独立したばかりで、その時点で日本とも国交を結んだが、現時点ではお互いに外交官事務所は置いていない。アフリカ大陸から3700㎞も北西部に位置する滋賀県程度の国土に約56万人の人口を抱える小さな島嶼国である。農漁村の島で日本からは遠洋漁業船が補給基地として立ち寄ることが多く、そのためであろうか、日本との貿易は日本の年間5千万円の輸出だけであるが、経済支援では4番目に多い。今回この国は日本人に強く印象に残ったことだろうから、今後交流を深めていければ良いと思う。

 小学生のころは、世界地図でよく外国の地名探しを楽しんだものだったが、その当時ブータンの首都はプナカだった。ブータンという国すら知られていなかった当時、各国の首都名を覚えてはお互いに友だちと教え合っていた。中でもプナカは、名前が面白いと興味を持たれた。だが、今ではブータンの首都はティンプーに変わっている。1955年まではプナカは温暖の地ゆえに「冬の首都」と呼ばれ、1907年には初代国王の戴冠式が行われたが、55年以降プナカは「冬の首都」を返上し、ティンプーが通年の首都となった。この事実もごく最近まで知らなかった。他にも世界にはまだまだ興味深い都市があると思う。手の空いた時に、そんな都市を探してみようかなと思っている。これもバスケのお陰である。

2023年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5855.2023年9月2日(土) メディアの支局撤退で地方の情報は?

 またメディアが一歩後退した。北海道新聞社が今月末を以て夕刊の発行を廃止し、今後は朝刊だけになると公表した。30年前のピーク時には、夕刊だけで約78万部を発行していたが、今年7月には23万4千部にまで減少した。そこへ製紙会社から新聞用紙代の大幅な値上げを求められ、更に新聞輸送代、夕刊配達経費などが重荷になって企業努力だけでは吸収し切れないと廃刊に踏み切った。創刊から81年目で夕刊の歴史を閉じることになった。社員の気持ちを思うと切なく同情するばかりである。これで2020年以降、大分合同、徳島、東奥日報、山陽、高知、熊本日日、静岡新聞に続き、北海道新聞社も夕刊を発行しないことになった。これら廃刊の原因は、基本的には近年若者らが本を読まなくなったことから新聞離れが進み、新聞社の経営にも大きな影響を与えることになったと言えよう。

 そのひとつの現象が、新聞の編集面にも表れている。朝日朝刊の一面フロント・ページの対極面に当たる最終ページには、テレビ番組欄が掲載されている。このページは読者がテレビ番組をチェックするために必ず目を通す。それが最近某有名化粧品会社が一面広告を掲出することが多くなった。テレビ番組欄は内部紙面になってしまった。結果的にテレビ番組欄が捜し難くなってしまった。高額の広告料金を支払うスポンサーの要望を優先するあまり読者は二の次になってしまった。CM欲しさに経営の苦しい新聞社も泣く子とスポンサーには勝てなくなってしまったのである。

 5月には101年間発行されていた「週刊朝日」が廃刊となった。朝日新聞社では、復刊を期して「休刊」と呼んでいるが、その可能性は薄いと見ている。一昨年1月には、毎日新聞社が41億5千万円だった資本金を恥を晒して1億円にまで大きく減資した。この減資により毎日新聞社は中小企業の扱いとなり税法上のメリットを得られるというが、いかにもみみっちい印象は拭えない。苦しい経営になりふり構ってはいられなくなったのだ。

 新聞社同様にテレビ局の経営状態も芳しくないようで、今朝の朝日朝刊「多事奏論」によれば、愛媛県八幡浜市内に新聞社、テレビ局が開設していた支局が大分クローズしてしまったようだ。2年前には4局もあった民放支局が今では1局だけになってしまった。更に遡る今から15年前には、前記4民放支局の他に報道機関8社が記者を置いていたが、近年は地元の愛媛新聞、NHK、読売新聞の3社だけになってしまった。これは何も八幡浜市だけの問題ではなく、他の地方都市でも同じような傾向があるようである。このままだと地方の地方ならではのニュースが、これまでのように全国に届けられなくなる恐れがある。

 かつては新聞記者になろうと希望していた時期もあった。それを諦めざるを得なくなった当時は随分悩んだものの、新聞だけは毎日読み続けて今日まで血とも肉ともしてきた。現在でも2紙を購読している。それらから得る知識、情報はどれほど今日になっても私の執筆意欲を掻き立ててくれているだろうか。知識と情報はテレビより新聞から得ることの方が多い。願わくば、これ以上メディアの衰退がないよう望むばかりである。

2023年9月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5854.2023年9月1日(金) 関東大震災発生から100年

 100年前の今日午前11時58分に関東大震災が起き、10万5千人もの尊い生命が失われた。その悲惨だった1日を忘れないために、また再発に備えるために、今日は「防災の日」と呼ばれている。

 関東大震災は、とかく当時の東京市内の廃墟が紹介されることが多いが、実際の震源地は神奈川県の相模湾北西部だった。従って旧東京市内に劣らず、横浜市でも大規模火災が相次ぎ、地震より火災による死者が10万5千人の内9割を占めたと言われている。経済被害も多く、当時の国家予算の4倍となった。

 多くの犠牲者の中で案外軽視されがちなのは、正確な数は分かっていないが、朝鮮人の死者・行方不明者が多かったことで、その数は全体の1~数%と見られている。中でも今以て外交問題となっているのは、朝鮮人虐殺事件である。大震災発生の混乱の中で、「朝鮮人や共産主義者が井戸に毒を入れた」とのデマが流れ、それを真に受けた官憲や自警団などが、多数の朝鮮人や共産主義者を虐殺したとされる事件である。その犠牲者の数は正確には分かっておらず、数百名から約6千名になると推定されている。

 東京日日新聞(現毎日新聞)紙上に「火に見舞れなかつた唯一つの地として残された牛込の二日夜は、不逞鮮人の放火及び井戸に毒薬投下を警戒する為め、青年団及び学生の有志達は警察、軍隊と協力して、徹宵し、横丁毎に縄を張つて万人を附し、通行人を誰何する等緊張し、各自棍棒、短刀、脇差を携帯する等殺気立ち、小中学生なども棍棒を携へて家の周囲を警戒し、宛然在外居留地に於ける義勇兵出動の感を呈した。市ヶ谷町は麹町六丁目から、平河町は風下の関係から(此所新聞紙破れて不詳)又三日朝二人連の鮮人が井戸に猫イラズを投入せんとする現場を警戒員が発見して直ちに逮捕した」。

 真偽は別にして、かなり朝鮮人に対して厳しい差別的な対応をしたことが想像出来る。この大震災に合わせて官憲は、この機に乗じて社会主義者や無政府主義者らも身柄拘束し、殺害した。甘粕事件もこの直後に起きた。大震災は社会的に大混乱を引き起こし、時の政権や右翼にとって弾圧する好い機会になったとも言える。

 関東大震災から1世紀が経過した今日、大震災は歴史上衝撃的な事象と捉えられてはいるが、格別大きな社会問題とはなっていない。しかし、多くの朝鮮人がいわれもなく虐殺された事実については、日本政府は未だかって謝罪をしていないとして韓国内や北朝鮮国内では日本政府に対して謝罪すべきであるとの声が根強く残っている。

 2011年の東日本大震災以来、近い内に再び首都圏を中心に大震災が勃発するとの警戒予報が伝えられ、対応策等についてしきりにテレビ等で啓発活動が行われている。大震災当時旧東京市内に居住していた両親が、生前関東大震災で体験した恐怖感を度々話してくれ、体験上事前に避難の準備をしておくようにと話していたので、その必要性は承知している。しかし、今もこれという「いざ! 鎌倉!」に備えた準備はせいぜい飲料水を蓄えている程度である。それ以外に格別なことをしているわけではない。我が家が道路より3mほど高い敷地にあることも油断させている原因である。

 30年以内に首都圏直下型地震がやってくる確率が70%もあるという。さあ!どうする?

2023年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5853.2023年8月31日(木) 西武百貨店池袋本店、悲観的スト実施

 まさかと思われていた西武百貨店池袋本店が今日終日ストに入った。1962年の阪神百貨店のスト以来百貨店のストとしては、実に61年ぶりのことである。すでに昨日からニュースはメディアを通じて広く伝えられていたが、かつての西武鉄道の子会社がストに突入するとは全く想像外のことだった。以前とは組織、体制、経営方針が変わってしまったとは言え、かつて堤一族が支配した西武グループは、ストをしない会社として知られていた。

 私が社会人となった1963年当時からしばらく、鉄道業界では毎年春闘によりストを決行する国鉄の国労及び動力車労組と私鉄総連各社は、総連に加盟していない西武、及び加盟してはいるが総連に同調せずスト権を行使しなかった小田急は、1年中電車が停まらないと話題になっていたものである。西武百貨店はその当時西武鉄道の完全子会社で、社内ではストと言う言葉さえ聞かれなかったほどだった。それが、堤一族が西武鉄道の経営権を手放すにつれ、経営上大阪のそごうと合併して、更に経営権がそごう・西武からセブン&アイHDに移ったころから百貨店とコンビニの営業形態及び経営観の違いからか、メインのコンビニは伸びるが百貨店の経営が芳しくなくなった。百貨店の赤字も年々累積され、池袋本店のように過去4期連続で赤字を計上し、この間コロナ渦により営業収益が大幅に落ち、累積負債総額も約3千億円になり、そごう・西武の経営は苦境に陥っていた。

 セブン&アイHDも将来の展望が開けないと判断したのか、躊躇いもなくそごう・西武の全株式をアメリカの投資ファンド会社、フォートレス・インベストメント・グループに約2,200億円で売却することを決めた。フォートレス社は、ヨドバシ・カメラを池袋店の旗艦店と考えた。おしゃれで高級志向の西武百貨店は、その安売り家庭用量販店のイメージを嫌ったが、計画ではヨドバシの売り場シェア拡大により、これまでの優良店舗の面積が減って従業員の一部が解雇されることが明らかになった。組合はヨドバシ入店についてセブン&アイと話し合ったが、結局物別れに終わっていた。

 スト権の行使とは、一般的に労組が経営者と交渉し、交渉決裂の場合止むを得ず実行するものであるが、双方ともに失うものが多い。本件は西武労組が経営者であるセブン&アイと交渉しようとしても、経営者側は西武池袋店を売却することを決めていたので、セブン&アイにとっては大きな問題ではなく、前向きの結論は得られなかった。

 今日開かれたセブン&アイの臨時役員会では、改めて明日付でそごう・西武のフォートレス社への売却を確認し、決議した。これにより西武の従業員の何%かは、解雇されることになるだろう。

 地元商店会でも池袋駅東口に長年構えていた西武百貨店池袋本店のお洒落なイメージは、大きな存在感と吸引力となって地元へ多くの顧客を呼び込んでいたと認識し、評価している。豊島区長らもともども西武株売却に反対し、池袋駅周辺の商業発展のためにもこれまで通り西武百貨店が営業を継続することを望んできた。今それは儚い幻となってしまった。

 ところで、セブン&アイHDの祖業イトーヨーカドーの創業者・伊藤雅敏氏が掲げた同社の社是は以下について誓っている。

 ◎私たちは、お客様に信頼される、誠実な企業でありたい。

 ◎私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される、誠実な企業でありたい。

 ◎私たちは、社員に信頼される、誠実な企業でありたい。

 果たして世間を騒がせているこの一連の流れの中で、セブン&アイHDは社是を守って実行しているだろうか。

 今晩今年最高の満月が見られる筈だったが、空には雲がかかって見られなかった。

2023年8月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com