5911.2023年10月28日(土) 渋谷ハロウィーン前哨戦と日本シリーズ

 毎年多くの若者たちが、街へ繰り出して騒ぐ光景が目立つようになった。特に最近は、ハロウィーン期間中のJR渋谷駅前スクランブル交差点周辺の人だかりである。今月31日のハロウィーン(Halloween)を迎えるに当たって、仮装した若者たちがスクランブル交差点周辺でアルコールを飲みながら嬌声を上げ、街の人びとの顰蹙を買っている光景が年々エスカレートしている。その前触れ現象が、昨夕からぼつぼつ表れ始めた。最近暴力的行為や、路上飲酒による瓶や缶の投げ捨てなどで地元に多大の迷惑をかけ、手を焼いた地元商店会が、渋谷区とともに、昨日から11月1日までは、極力渋谷へは立ち寄らないよう渋谷区長名でメッセージや、You tubeで英語版の動画を発信する有様である。狭いエリアで大勢の人が密集し、あまりにも危険と考えられていた時、1年前の明日韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)の狭い路地で多数の群衆が押し合いへし合いの挙句に、159人もの犠牲者を生む大惨事を引き起こしてしまった。

 それらの事故を踏まえて今年は、渋谷でもその期間中路上飲酒は禁止され、界隈の酒類販売店で酒の販売を自粛するよう警告が出された。少々厄介なのは、この渋谷ハロウィーンを楽しみにして訪日する外国人観光客がかなりいることで、路上で飲酒し、飲酒禁止のルールを知らない彼らに商店会の人が説得する場面が散見される。

 そもそもハロウィーンは日本では、一般的には40年ぐらい前から知られるようになってきたが、それまでほとんどの日本人は知らなかった。実際私自身1985年10月下旬に旧文部省・兵庫県海外教育視察団にお供した際、アメリカでちょうどハロウィーン期間に当たり、ハロウィーンを体験する機会に恵まれてこれを知った。訪問した小学校で子どもたちが、カボチャで仮装したり、実際に「Trick or treat!」と叫びながら家庭を何軒か訪問してお小遣いをもらうのに同行したことがある。その時同行した視察団の先生らも誰一人としてハロウィーンをまだ知らなかった。それが今では、渋谷を中心に広く、特に市街地でお祭り騒ぎとなっている。

 その起原は、2000年以上も遡る古代ケルト人の宗教が、キリスト教文化に吸収され10月31日の「万聖節前夜祭」だけが、アイルランドからアメリカに渡り、宗教色が薄まった形で子どものお祭りとして伝えられている。アメリカのハロウィーンは、渋谷の行き過ぎた路上飲食や、トラックを倒すような暴力行為とは、まったく別物である。渋谷のハロウィーンは、主催者もおらず、自然発生的に拡大したようだが、本来の「ケルト人の宗教」「子どものためのお祭り」からかなり脱線してしまった。もう少し周囲に迷惑をかけない形で個々に楽しまれるようになって欲しいものである。

 テレビ・ニュースで渋谷のスクランブル交差点の様子が度々伝えられているが、そこかしこに「渋谷はハロウィーンイベント会場ではありません」とか、「ハロウィーンの渋谷は、ゴミ箱でも、ナンパ場でも、灰皿でもありません」の横断幕や、立て看板が掲げられている。外国人観光客も一緒に写真を撮ることが多くなった、渋谷の象徴でもある「ハチ公像」の周囲も板塀が取り巻くようにして隠された光景は、何か心寂しいような気がする。
 一方、関西地方では、今日から始まるプロ野球日本シリーズで、18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガースと、3年連続パ・リーグ優勝チームのオリックス・バッファローズの関西対決が大分盛り上がっているようだ。何せ関西チーム同士の日本シリーズは、1964年の阪神タイガース対南海ホークス戦以来というから、実に59年ぶりである。その時は4勝3敗で南海が日本シリーズを制覇したが、幸か不幸か7回戦当日が東京オリンピック開会式にぶつかり、優勝を賭けた大一番であったにも拘らず、観客は1万5千人程度しか入らなかったという。さあて、今年は阪神が当時のリベンジを果たし、甲子園を満席にすることが出来るだろうか。

2023年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5910.2023年10月27日(金) 前首相急死、外相・国防相解任は習体制に歪みか?

 今朝のテレビ・ニュースで中国の李克強・前首相が深夜に心臓病で急死したと知り驚いた。享年68歳だった。2012年発足の習指導部で共産党内序列は習主席に次ぎ2位となった。そして温家宝氏から首相を引き継ぎ、爾来今年3月まで10年間に亘り中国政府のトップを務めていた。だが、それ以前には習近平・国家主席のライバルとされていたが、李氏が担当して実績を上げていた経済部門を習主席に譲る格好となり、習独裁体制が強化された。一応李氏は健康上の理由で首相を辞め引退したと言われていたが、習主席は自身と距離のある李氏を退けたと受け止められている。

 中国政府の要人では前記のように、李克強・前首相は引退し、今朝急逝したが、実は他に外相と国防相の2人の大臣が、今年になって就任間もないにも拘わらず最近になって立て続けに更迭されている。

 ひとりは泰剛・前外相である。昨年12月に王毅外相の後任として抜擢されたばかりで、しかも習主席に近い期待の若手と見られていたが、駐米大使時代にテレビ局女子アナウンサーとの不倫が暴露されたこともあり、今年7月に解任され、再び王毅氏が返り咲いた。

 もうひとりは、3日前の24日に国防相の地位を電撃的に解任された李尚福・国務委員である。同時に中央軍事委員会委員からも外されることになった。昨年まで軍の調達部門のトップにいたが、装備品の購入にからむ疑惑で捜査を受けていたとも言われていた。就任以来多くの国々の防衛関係者と会談し、国際会議にも出席し、ロシアのプーチン大統領とも会見をしていた。だが、外相同様に唐突に失脚する羽目になった。

 これら中国の外交、防衛のトップとしてその重職を担ってきた2人が、はっきりした理由もなく相次いで解任されることは極めて異例であり、3期目に入った習近平指導体制にとっては、盤石と見られていた体制に異変が起きている可能性があるとして内外から注視されている。

 中国にとっては、こんな話もある。先般北京で巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際協力サミットフォーラムが開催された。「一帯一路」については、グテーレス国連事務総長が、国連で「多くの発展途上国が債務に溺れている」と苦言を呈したばかりである。初めて中国を訪れ、このフォーラムに出席したロシアのプーチン大統領が習主席と会談し、両国の政治的な信頼は深化したとお互いの結束を誓い合っていた。しかし、ウクライナ戦争で多額の戦費を注ぎ込んだロシアは、国家財政がかなり厳しくなった。今まで以上に対中債務が増え続けている。実際中国政府の一帯一路資金の3分の1をロシアに融資してきたが、ほぼ全額が不良債権化しているとの欧米筋からの情報がある。ロシアは返済を石油や天然ガスの輸出で賄うつもりのようだが、中国にすべてを見透かされた状態にあり、これから中国はロシアに対してかなり強気の姿勢を示すのではないかと見られている。

 だが、盤石だった習体制下において人事面で体制内部の不満が表れ、また不動産業を主に中国経済の悪化が伝えられ、香港法人の投資銀行幹部が中国本土から出国を禁止されることにもなり、外国への門戸を閉じようとしているのではないかと懸念の声が出ている。難問を抱えた習近平主席が今後どう国内経済のかじ取りを行っていくのだろうか。しばし、目が離せない。

2023年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5909.2023年10月26日(木) 首相演説、パレスチナ紛争と米銃乱射事件

 23日の臨時国会で岸田首相の所信表明演説に対する各党党首の質問は、内閣支持率が低落傾向にあるだけにかなり厳しいものだった。それはむしろ当然であるが、昨日の参議院本会議では身内である自民党の世耕弘成幹事長の質問が、自民党員としては稀なほど首相演説の内容につき鋭い追及だった。

 支持率の低空飛行について首相の心境、リーダーとしての姿勢が示せていない、首相の「決断」と「言葉」に弱さを感じる、「還元」の意味がよく分からない、等々かなり辛辣な質問だった。自民党内でも驚きがあったようだが、よく言ってくれたとの声も聞かれる。これらは、首相が蒔いた種であるが、ここまで突き上げられるのは、首相の言動、特に政府のやるべきことが充分伝わっていないことを示しているからでもある。首相もこれらの厳しい指摘を受け止め、強い意思を持って政策を実現する姿勢を示すことが重要だと応えていたが、意思があまり強そうにも見えない岸田首相に、それをやり遂げ、実績を示すことが出来るか、鼎の軽重を問われるところである。

 それにしてもこういう質問の仕方は、これまで野党のスタンスだったが、それを与党内の実力者が行うことに若干従来の国会質疑が異質になったような感がある。国民感情としては、両者の質疑を形骸化させることなく、政策を実現することによって国民に返してもらいたいと思う。

 中でもちょっと引っかかったのは、世耕幹事長が、「首相のいう『還元』の意味がよくわからない」と質問していたが、「還元」とは正確には、どちらかと言えば、あまり良い意味には使われない。改めて手元の辞書を見ると「白紙還元」とか、「もとに返す」、科学的用語では「酸素化合物から酸素を奪うこと」など、このような質疑ではマイナスイメージが強い言葉だと思う。言葉の意味はどうあれ、私は個人的には、現在物価高騰などで家計は大変だと思うが、国家の家計簿も累積赤字が溜まりアップアップ状態で、多少税収増があったなら、国民に「還元」することも重要ではあるが、その増収分をまずは国家財政の赤字を埋めることに使って欲しいと希望している。

 一方で気になっているパレスチナ・イスラエル紛争であるが、一昨日グテーレス国連事務総長が国連の場で、パレスチナ・ガザ自治区でハマスとイスラエルの軍事衝突を巡り、イスラエルによる空爆と封鎖が続くガザ地区で国際人道法違反が見られると前置きしたうえで、発言したことがイスラエルの憤りを買い、謝罪と事務総長辞任要求へ発展している。事務総長の発言の要旨は、「ハマスの攻撃が理由もなく起きたわけではない。パレスチナの人びとは56年間も占領下におかれている。彼らは自分らの土地が入植地とされ苦しめられてきた」とパレスチナにやや同情的なコメントを述べた。この発言に対して、イスラエルのエルダン国連大使は、烈火のごとく怒りを表し、この発言はテロを容認するものだと述べ、猛反発している。

 今ガザ地区へのイスラエル軍の地上攻撃がいつ行われるか、緊張したシーンが続いているが、同時に現地では避難民に対する食料品と物資が枯渇状態に陥り、避難民は餓死の危機を迫られている。漸く援助物資がエジプト側から不十分ながらも搬入されたとは言え、とても多くの需要を満たすには不十分である。爆撃により、すでにパレスチナ側で6,500人超、イスラエル側に1,400人超の死者を出している。グテーレス発言以上に、現地では人道上の飢餓が残忍な形で現れないことを祈るばかりである。

 さて、パレスチナ地方において同情を買うような悲劇的惨状とは真逆で、人を無闇に殺害する銃乱射事件が、今朝アメリカ東部メーン州で発生し、少なくとも22人が死亡したと伝えられた。またかというのが率直な感想である。今年に入ってからアメリカ国内で1度に4人以上が殺害された銃撃事件は、何と565件に上がっている。一昨日までに銃で死亡した人は、自殺者を含めて驚くなかれ、35,200人を数える。このようにアメリカ人は人を殺害することに抵抗がなく無神経になり、国は銃規制の出来ない殺人国となり、世界中で戦死者が出ても平気でいられる野蛮人であることが益々明瞭になった。そのアメリカに属国化した今の日本が、アメリカ政府の押し付けで敵基地攻撃能力を高め、軍事費を増額するのは当然なのかも知れない。日本も殺人王国に加担しつつあるということになる。憂うべき情けないことである。

2023年10月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5908.2023年10月25日(水) 僧侶の変貌で退廃する仏教国ミヤンマー

 2021年2月1日ミヤンマーにおける軍事クーデター、8月アフガニスタン・タリバン政権復活、22年2月ロシア軍のウクライナ侵攻、そして今月に入ってイスラエル・パレスチナの攻防、など世界的地殻変動が相次いで起き、2年半前に勃発したミヤンマーの軍事クーデターはやや霞んできた。民主派政権が国軍により崩壊させられた衝撃的なミヤンマーのクーデターは、その後前記の事件が頻発したことによって、世界的に報道されることが少なくなり、やや影が薄くなった印象である。世界から監視が薄らいだその間に、ミヤンマーでは国軍が着実に地歩を固めたようだ。ミヤンマー国民の間では圧倒的な人気を誇る77歳のアウン・サン・スーチー国家顧問は、33年の禁固刑に処せられ、これでは終身刑に科せられたも同然である。国軍のトップ、ミン・アウン・フライン最高司令官が権力を握る軍事政権は、国軍による国家の統制、治安に重点を置いた政策で経済面が疎かなため、国内の避難民が100万人以上も生まれ、公共サービスは低下し、加えて国軍が国連との関係が悪く、国際機関による支援がほとんど期待されない状態で、国民は苦しんでいる。

 その中で昨日の朝日朝刊「見えない明日~ミヤンマー・クーデターが壊したもの①」を読んでショックを受けた。ミヤンマーは国民の約9割が仏教徒で、僧侶は国民から信頼され尊敬されている。市街を歩いているとあちこちで市民が托鉢する僧侶に食べ物を恵んでいる光景を目にして、爽やかな気分になる。ところが、同記事によるとクーデター後にその僧侶たちへの国民の尊敬の気持ちが大分変容したようだ。僅か2年半の間にこれまでの仏教や僧侶への帰依が、「疑念」に代わりつつあるというから驚きである。それは国民の味方と見られていた僧侶が、クーデター後国軍の厳しい弾圧に対して抵抗や反対を唱えることがなくなったことである。クーデター前には、スー・チー氏らの民主派にも国軍側にも立たず、政治的に中立だと繰り返し説いては、困ったことがあれば何でも相談に来なさいとまで言っていた僧侶の長老が、反クーデターデモに参加しないよう信徒らに通達を出したり、彼らが拘束された時には、沈黙していたという。

 更に驚いたのは、これら仏教徒の頂点にいる長老たちが、国軍首脳らに付いて外遊にも同行していたという過去にはなかったような事実が伝えられたことである。経済的に貧しいミヤンマーで、その国家経済とは疎遠である筈の僧侶が、国軍のアン・ミライ・フライン総司令官らとロシアへ旅行してVIP待遇を受けていた。名作「ビルマの竪琴」に描かれているように、ミヤンマーでは、僧侶とは地方都市へ素朴な巡行をするものだと承知している。僧侶らのあまりの変化に呆れ、失望した。現状では世界の目がミヤンマーには残念ながら注がれない。仮に以前の民主化政府時代に逆戻りしたところで、これでは僧侶たちに居場所がなくなるのではないかと思う。

 仏教国ミヤンマーから仏教を体現する僧侶が失せたら、ミヤンマーからミヤンマーの良さが消えてしまう。ミヤンマーには何度も訪れ、思いが強いだけにがっかりすると同時に寂しい気がしてならない。

2023年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5907.2023年10月24日(火) 物足りない岸田首相と林真理子日大理事長の言動

 昨日臨時国会開会冒頭に岸田文雄首相が来年度の施政方針演説を行った。このところ首相の言動についていろいろコメントや批判が飛び交っている。メディアでは今日も首相の演説に皮肉を交えた取り上げ方をしていた。首相の頭の中にあるのは、変化の流れを絶対に逃がさず、経済に力を注ぎ込むとの気持ちを露わにし、演説中「経済!経済!経済!」と絶叫するように力を込めて訴えていたが、「経済」という言葉が29回も発せられたとか、「変化の流れ」の言葉尻を捉えて、「変化の流れ」が13回使われたとの皮肉っぽい取り上げられ方をされた。

 首相は、経済に重点を置いて変革を強く進める「供給力の強化」と、不安定な足元を固め、物価高を乗り越える「国民への還元」の2つを「車の両輪」として総合経済対策をとりまとめ、実行すると強調した。しかし、これでは支出が増えるばかりである。

 実は、首相の本心は、すでに決めたアメリカ政府の要請による防衛費の大幅増額であり、それに伴う増税で、それが国民への負担となることから税収が若干増えたので運用し、その一部を国民に還元することで国民を納得させようと考えたのである。これによって防衛費増額への不満を和らげようとの腹である。しかし、気になるのは、歴代首相がいつも念仏を唱えるように口にする「健全財政」への気持ちがまったく感じられないことである。毎年借金予算を組み、借金が雪だるま式に増えていく現状を是正しようとの姿勢が一向に見られないことである。

 現状からすれば、税収増は財政均衡へのステップとして、先ず国家の借金を返すことを考えるべきであり、防衛費増額を取り止めるか、大幅に減額して、その分で給付金を支給することが最も理にかなっている。さすれば低所得世帯は救われるだろう。尤もそれでは自民党支持者には、反対されるだろうが・・・。

 自民党としては、一昨日投票日だった衆議院長崎地区と参議院四国の補選で、2人の当選を狙った。しかし、これは1勝1敗に終わり、自民ムードを盛り上げたうえで、考えていた解散総選挙を行うというわけには行かなくなった。不人気の岸田首相としては、これから支持率の回復を図りながら「経済」政策を断行しなければならない。どんな手を打つのだろうか。

 さて、懸念されていた日本大学への今年度の私学助成金は不交付と決まった。3年連続で交付されない。3年前には全国の大学で2番目に多い約90億円が交付されたので、3年間も不交付だとすると日大としては全般的に財政が苦しくなる。不交付の理由としては、「ガバナンス体制について改善が見られず、機能不全に陥っている」と不名誉な言葉が付された。実際外へ漏れた日大理事会内部のやりとりや内輪もめも、大麻事件に対応していた澤田副学長が、大麻所持のアメフト部部員が他にもいるにも拘らず警察に届けず、その事実を林理事長らに伝えていなかったコミュニケーションの欠如によるものだと指摘されている。そのあおりで澤田副学長は林理事長から解任を求められている。

 不祥事を起こした田中英壽前理事長による独裁体制から、心機一転外部からOGの林真理子氏を理事長として招いたが、一向に改善されず、執行部内でも意見の対立が甚だしいらしくコミュニケーションが不十分なようだ。これには文部科学省も呆れたのではないか。現状が改善されないとすれば、今年に留まらず来年以降も日大に私学助成金が交付されるという保証はない。

2023年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5906.2023年10月23日(月) アメリカ大統領選で「老人対被告」再戦か。

 イスラエルの緊急事態にバイデン米大統領がテルアビブ入りして、ネタニヤフ・イスラエル首相と会談した。訪問の大きな目的は、国際社会が民間人の犠牲者が拡大する中で警戒を深めており、同盟国のイスラエルとの連帯を強調し人道問題で失敗すれば、その矛先がアメリカ自身に向けられることを懸念してイスラエルに自制を求めることだった。だが、当初予定していたパレスチナ暫定自治区のアッバス議長や、エジプトのシシ大統領との会談は行われず、バイデン大統領はとんぼ返りで帰米した。それには、来月81歳になる大統領にとっては、慌ただしい行程で長く滞在することは高齢者にとってタフ過ぎるからである。

 実は、来年行われるアメリカ大統領選で立候補を予想されている人物が、あまりにも高齢であることにアメリカ国民も憂慮している。現在有力視されているのは、民主党から来月81歳になるバイデン現大統領、共和党からは77歳のトランプ前大統領である。このままでは4年前と同じである。バイデン大統領の言動は、年齢以上に老けた感じがする。言葉に迫力も勢いもないし、歩き方ものろのろして危なっかしい。一方のトランプ氏も2年前の連邦議会襲撃事件を始め、起訴事件をいくつも抱え大統領選前には更に起訴される可能性が高い。

 これら候補者の高齢と老害に民主主義国家を謳うアメリカ国民も流石にイライラしているようだ。バイデン氏に対しては、有権者の77%が年齢を取り過ぎていると考えている。とりわけ民主党支持者でさえ69%が高齢過ぎると受け止めている。共和党支持者に至っては、その89%がそう捉えている。月刊誌「選択」10月号の「米大統領選で『新星』は現れないのか」の見出し記事には、「不安だらけの『老人VS被告』再戦」の副題が付いている有様である。世論が懸念しているのは、仮にバイデン氏が大統領に再選された場合、史上最年長の大統領となり、86歳まで大統領の激職に耐えることが出来るかということである。身体が億劫なせいか、バイデン大統領は今でもメディアとの接触を避ける傾向があり、質問に対しても「YES」か、「NO」と簡単に応え勝ちだそうである。

 半年前にはフロリダ州の共和党候補者として45歳のデサンティス知事の人気が高かったが、今ではトランプ氏に大きく水を空けられている。ケネディとニクソンが争った時は、ともに40台前半で若々しく、いかにもアメリカらしいエネルギッシュな空気が感じられたが、今ではアメリカ政界は老人天国となってしまった。ロシアのプーチン大統領は71歳、習近平国家主席は70歳と世界の大物政治家は、後期高齢者ばかりになってしまった。世界の政治が変化に対応出来ず行き詰まるわけである。

 他方、老人大国の日本の政治家も彼らに負けず劣らず年齢では負けない。平均年齢は衆議院55.5歳、参議院54.4歳と一般企業社員の平均年齢43歳に比べてかなりお年を召している。さらに、所属する政党内で長老が幅を利かせていることが問題である。そんな時に一昨日、菅直人元首相が次回総選挙で政界を引退すると公表した。現在喜寿77歳である。最近健康悪化を理由に衆議院議長を辞めた細田博之議員は、菅氏より2歳も年長であるが、次回の総選挙には立候補するというから相変わらず権力志向が強いのだろう。現在衆参両議院を合わせて713人が在職しているが、その内80歳以上は9人で、私より若いが、最年長の二階俊博氏、麻生太郎氏、小沢一郎氏らを筆頭に彼らは政治をわがもの顔に利用して引退しそうもない。日本のみならず、世界は老人によって支配、運営されるようになりつつあるようだ。

2023年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5905.2023年10月22日(日) 自衛隊にのめり込む岸田首相、木原防衛相

 支持率低下で頭を痛めている岸田文雄内閣に、また頭の痛い問題が公になった。防衛大臣を務める木原稔・衆議院議員が地元熊本に近い長崎県の衆院補欠選挙の応援演説で、「自民候補を応援していただくことが、自衛隊並びにそのご家族のご苦労に報いることになる」と軽率な発言をした。自身防衛相である立場上つい口を突いて出た本音であろうが、自衛隊を政治的に利用した発言として野党ばかりでなく自民党内からも厳しい批判を浴びている。

 これも自民党政権が最近とみに右傾化、防衛力強化へまい進している行動がはしなくも現れた一例であると思う。木原防衛相は、第2次岸田内閣で初入閣したばかりだが、その手腕は党内でもかなり評価が高いという。他国領域のミサイル基地などを破壊する敵基地攻撃能力を具体化させたが、そのため岸田首相と直談判の上で訪米しアメリカ宇宙軍トップと会談し、宇宙領域での協力について同じ方針であることを確認した。ただ、持論がやや先走りする軽い傾向があるようで、防衛政策に精通はしているが、不用意な発言が多い。2015年に沖縄全戦没者追悼式では、当時の安倍晋三首相に「帰れ」とヤジを飛ばした参列者たちに対して、彼らは沖縄県による「動員」だったと陰謀論を唱えて物議を醸したこともある。

 冒頭の長崎の応援演説の発言については、防衛相ではなく政治家として発言したと発言自体に反省はなかったが、誤解を生むというなら撤回したいと一歩後退した。自衛隊の政治利用を巡っては、2017年にも当時の稲田朋美防衛相が軽率な発言をして批判され、発言を撤回したことがあるが、それが教訓になっていない。防衛相は、憲法が認めていない軍事力を保持する自衛隊のトップであるだけに、発言には充分な配慮が求められるが、木原防衛相のタカ派的体質にはブレーキがかからないようだ。木原防衛相は前記のように党内でもこれまで度々物議を醸す発言を行ってきたが、むしろ防衛予算を大幅に増額させた功績?により、党内では着実に地歩を固めている。稲田防衛相は発言の責任を取り辞任したが、木原防衛相は、「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえると防衛力の抜本的強化を着実に進めていく必要がある」として、その気はまったくなく、岸田首相も頼もしい?と考えているのか野党から罷免要求には応じず、このまま留任させるようだ。

 また、昨日は防衛省で殉職された自衛隊員の追悼式が行われ、岸田首相、木原防衛相らが出席され、首相は職務中に尊い命を落とされた自衛隊員の霊を慰められたという。それは由として、同じように国民のために職務を遂行中に殉職された警察官、消防官らを追悼する式に出席したという話は聞いたことがない。やはり右翼政治家であり、防衛力強化を心掛けている首相だけに自衛隊には格別の扱いをしたいのだろう。

 ウクライナ戦争の解決がまったく見えず、新たにパレスチナ・ガザ地区の攻防が注視されて自民党内でも防衛力強化の動きが強まっている。しかし、戦争体験のない日本の政治家が、いくら口ではうまいことを言ったところで、所詮戦争の本質が分からない政治家が、戦争に触れるような言葉を発するたびに、日本が戦争に巻き込まれる可能性がどんどん増していくような気がしてならない。

2023年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5904.2023年10月21日(土) 岸田内閣のバラマキ、所得税減税と給付金

 このところ岸田内閣の支持率が下降傾向で、各メディア独自の世論調査でもその支持率は30%前後がほとんどである。最近の朝日新聞の調査では、2021年岸田内閣発足以来最低の29%まで落ち込んでしまった。この他に読売34%、毎日25%、共同通信32.3%、時事通信26.3%といずれも似たり寄ったりで過去最低を更新した。特に若者の支持率が10%台とパッとしないことが効いている。

 岸田首相の経済対策には5本柱があり、①物価対策、②賃上げ継続、③国内投資促進、④デジタル化など社会政策、⑤国土強靭化、であるが、国民にとってはこのままではあまりピンと来ない。それも不人気を加速させている原因のひとつでもある。財政的に苦しいなかで税収がやや増えたのを知り人気回復策として首相が検討したのは、安易なバラマキ、つまり所得税の減税である。それが自民党内でも賛否両論で中々方向性が見出せなかったが、所得税減税と還元策を同時に実行しようということになりそうだ。つまり減税と給付をセットにしようという腹のようである。ところが、それも実施にはそれぞれハードルがある。所得税減税は、所得税自体にかかる税額が収入の多寡により7段階もあり、高額納税者ほど還元額が多い。また、一定水準以下の収入だと所得税はかからない。非納税者に対して税金の還元を行うわけにはいかず、給付金を配布するという試案である。しかし、こうして税収増になったからと言って還元だけしか頭の中にないようでは、いつまで経っても財政再建は難しい。

 いずれにしても実際に減税となると、その制度設計には現場が相当苦しむことになるだろう。しかし、これはあくまで岸田内閣の不人気のせいで、こういう未来への展望のない政策ばかりやっているようでは、財政悪化が積もり積もって次の世代を苦しめることになることをよく考えるべきである。

 さて、今年も文化勲章と文化功労者の受章者が決定した。文化勲章受章者7名の中でその名を存じ上げている人は、4名だが、その中でサッカーの川淵三郎氏が選ばれたのには少々驚いた。スポーツ界からは古橋広之進、長嶋茂雄に続く3人目だそうである。サッカー選手だった川淵氏はサッカーJリーグの創設に関与して初代チェアマンとして活動し、Jリーグを地域に根付かせてスポーツ文化に貢献した後に、バスケットボールのBリーグ発足にも役割を果たしたことが評価された。川淵氏自身も選手としての功績ではなく、スポーツ文化の発展向上が認められたことが、嬉しいと語っている。他には、狂言の野村万作氏、作家の塩野七生氏、経済学者岩井克人氏の他に3氏が選ばれた。文化功労者には、俳優の北大路欣也さん、卓球の木村興治氏、漫画家の里中満智子さん、グラフィックデザイナーの横尾忠則氏ら20名が選ばれた。

 図らずも時代劇俳優の市川右太衛門の子息である北大路欣也さんが、13歳で銀幕デビューした時の作品が「父子鷹」だったと知り、感慨深く感じている。実は、「父子鷹」は、子母澤寛の原作で高校時代に読売新聞夕刊に1年余に亘り連載されていた、勝海舟父子の波乱万丈の物語に熱中していたが、今時の新聞連載小説がまったく面白くないのに比べて、今以て新聞連載小説の中で一番印象に残っている作品である。

2023年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5903.2023年10月20日(金) アメリカがイスラエル肩入れで安保理拒否権

 パレスチナ・ガザ地区では空爆を受けたうえ、食料、水などの生活必需品が入らず、電気・ガスも止められ、その困窮ぶりは想像を絶する。東京23区の6割程度の土地に新潟県とほぼ同じ人口、約222万人の人びとがひしめき合っている、世界で最も人口密度が高いと言われるガザ地区の被災の様子は、連日テレビで目を背けたくなるような悲惨な光景を映し出している。バイデン米大統領をはじめ、各国の首脳や要人がイスラエルを訪れ、人道危機的状況を何とか回避すべく会話を交わしているようだが、各国それぞれが人道危機より、自分たちの打算的な思惑による発言に終始して一向に解決へのメドが立たない。

 そんな苛立った空気の中で、昨日国連安保理事会が開かれ、議長国のブラジルが提出した、①ハマスによる攻撃や誘拐を非難し、人質の解放を求める、②人道支援のための戦闘の一時的な停止、③イスラエルがガザ地区北部の住民に出した退避通告を撤回するよう求める、など主要3項目を盛り込んだ決議案は、非情にも否決された。15理事国のうち日本を含む12か国が賛成し、ロシアとイギリスは棄権したが、常任理事国のアメリカだけが唯一反対を唱え、決議案は否決されることになった。何故アメリカはこの提案に反対したのか、戦争を嫌う国民は誰もが賛同すると思える提案にアメリカが反対するとは、普段「正義の仮面」を被っているアメリカの言動からはとても信じられない。決議案にイスラエルの自衛権についての言及がないことがお気に召さぬらしいが、平素からイスラエルの支援国であるアメリカとしては、少しでも親イスラエル国の印象をイスラエル国民と自国民に与えたかったのだろう。

 それにしても国連安保理事会で、拒否権を発動するのはこれまで決まって中国か、ロシアでこの両国の否決のせいで国連の機能が充分発揮されないとまで言われていたが、それが今回は中国とロシア、そしてほとんどの国々が賛成する中でアメリカだけが否認するとは、アメリカこそが、国連の機能不全に加担したことになるのではないか。

 さて、昨日のブログに記した日大アメフト部部員が大麻を服用した事件について、日大理事会内でもめていることが外へ漏れ伝わっている。林真理子理事長が、この事件の対応に当たっていた澤田康広副学長に辞任を要求したことである。これには、この不祥事自体の他に、このまま日大自身で大麻問題を早急に処理出来ないと大学としてのイメージが大きく損なわれるということがある。そしてそれが、このところ2年間文部科学省による私学助成金の不交付に繋がったことが影響しているようだ。日大への私学助成金は、2020年度に90億円交付されたが、その後田中英壽・前理事長の背任、収賄事件が明るみに出て、21年度、22年度は交付されなかった。学生による大麻スキャンダルも大きなマイナスだったが、助成金が交付されなかったのは、むしろ日大のガバナンスの欠如が、大分効いているようだ。結局理事会内の対立、ガバナンスの欠如、学生の大麻スキャンダルなどが大きく影響している。澤田副学長の解任を迫った林理事長も漸く真剣な顔で対応するようになったが、「週刊朝日」6月9日最終号で阿川佐和子氏と対談した林理事長が、阿川氏からどうして日大理事長を引き受ける気になったのかと尋ねられて、面白そうだから引き受けたと不真面目な応え方をしていた。理事長も日大理事長の職を遊び半分で引き受けていたのだ。こんな理事長らの対応では世間が納得すまい。況してや私学助成金の原資は国民の税金である。もう少しマンモス大学もしっかりしてもらいたいものである。

2023年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5902.2023年10月19日(木) 不祥事続きの大学体育会運動部

 このところ大学体育会運動部内の不祥事が立て続けに表沙汰となり、運動部存在の意義自体が問われている。

 先般日本大学アメリカンフットボール部の一部員が、大麻服用・所持の疑いで逮捕され、他にも大麻を所持している部員がいるのではないかと疑われたが、他にはいないということで話は終わった。ところが、その部員と合宿所で同室の他の部員が大麻を購入した疑いで逮捕される事態が発生した。日大理事会内ではこれまでの扱いと対応を巡って責任のなすり合いのような事態にまで発展し、林真理子理事長が澤田康広副学長に辞任を求めたことまで公になった。学生アメフト界の強豪として知られる日大アメフト部も、今やその存在すら危うくなっている。

 そこへ近畿大学剣道部で、部員同士の暴力沙汰から1人の部員が死亡するような事件まで起きた。その他にも大学内の暴力事件などが散見される。

 スポーツの強い大学でこれらの不祥事が続出するのは、専門家である大学ジャーナリストの石渡嶺司氏によると、スポーツで一芸に秀でている高校生が、スカウトされて大学に入学した後に正選手になれず、いくら頑張っても上に行けないと分かると大学での目的を失い、落ち込みが激しくなるからだという。特に一芸を見込まれ特待生待遇で入学した場合は、部を辞めるわけにいかず、そのまま堕落して違法行為に手を染めるリスクが高いという。実際大学の授業には出席せずに、合宿所とグランドを往復しているだけで、学業成績二の次という選手がスポーツ強豪大学にはかなりいるとの話はよく耳にする。

 石嶺氏の話では、アメリカには全米大学体育協会(NCAA)という組織があり、ほとんどの大学が加盟していて、一定以上の成績を上げなければ、その学生は練習禁止、チームの対外試合に出場禁止の措置を科せられるというシステムになっているという。学生として身に着けるべき教養を学ぶ目的を持たせているというから文武両道が徹底している。このような個別の学生の成績を外部の組織が把握するシステムは、所属する大学の枠からはみ出して、聊か勇み足のような気もするが、考えてみれば、そのくらい大学生としての良識、学力を習熟させることを大学は求められているわけである。

 実は、日本でも2019年にNCAAを模した「大学スポーツ協会」という組織が発足したそうだが、加盟する大学は少なく、各大学の運動部の活動を制限するような罰則は設けられておらず、自主性に任せている。自校の学生の学業を他の外部組織に規制されることは大学自体が潔しとせず、不本意というのが日本の大学の考えだろう。「学問の自由」、「学問の独立」を主張する各大学にはそれなりの言い分があるだろうが、最高学府学生としての能力や矜持を持たない学生が多いことも事実である。これを大学側として今後どう指導していくのか、対策を生み出さないと勉学にはまったく興味がなく、成績も上がらない多くの学生が大学から社会へ送り込まれては、日本社会もいずれレベルダウンしてインテリジェンスに欠ける社会となる懸念がある。

2023年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com