6521.2025年3月21日(金) 次期IOC会長にジンバブエの女性を選出

 ちょっと意外な結果に終わった会長選出選挙だった。昨日国際オリンピック委員会(IOC)会長選挙が行われ、7人の立候補者の内、唯一の女性候補者だったジンバブエ・スポーツ相のコベントリー現理事が当選したのである。歴代9人の会長の中で初めての女性会長である。コベントリー氏は五輪競泳5大会に出場し、金メダル2個を含む7つのメダルを獲得しており、選手としての実績においては申し分ない。これまでの歴代会長が皆欧米出身者だったエリート組織でそのトップに黒人ではないが、アフリカ人が選ばれたというのは画期的で意義のあることである。欧米地区以外からの初めて会長をとアジアを代表して立候補した国際体操連盟会長の渡辺守成氏は落選したが、新会長が欧米以外の国から選出されたので、その点では由とすべきであろう。

 さて、また驚いたのは、トランプ大統領の強引な手法である。ひとつは、ウクライナ停戦問題でロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったが、全面的にロシアの了解を得ることが出来なかった。しかし、話合いの過程でエネルギー施設への一時的な攻撃を止めることで一致した。そこに付け込んだトランプ大統領は「インフラ保護の最善策としてウクライナの原子力発電所をアメリカが所有する」ことを提案したというから、仲介役と称しながら自らの利はしっかり手に入れようという算段である。ガザ地区をアメリカの所有とすると先般公表して国際社会から顰蹙を買ったばかりである。あまりの強欲と利己主義には呆れるばかりである。

 更にアメリカ国内でも問題が広がりつつある連邦予算経費節減である。約230万人いる連邦職員の内試用期間中の職員を極力解雇するよう命じたが、昨日教育省廃止を目的とする大統領令に署名した。理由として「アメリカでは生徒1人当たり教育費が他国を上回るが、成果は最下位に近い」と批判して、教育省を出来るだけ早く閉鎖して教育行政を各州に戻すと表明したのだ。これでは州によって教育方針が異なり、州によって教育レベルに差がつくようになる。はっきり言って、国は教育に責任を持たないと言っているようなものである。

 大統領就任2カ月でこれほど問題発言をしている大統領は前例がないと思う。周囲を惑わせ迷惑かけているのは、プラス面もあるにせよ嫌悪されている方がよほど多いだろう。退任後もどんな評価を受け、その評判もどんなものか、顰蹙を買いそうだが、その点では今から楽しみでもある。

 国内でまた馬鹿馬鹿しいニュースとなったのは、16日の千葉県知事選に立候補、落選したばかりの「NHKから国民を守る党」立花孝志代表が、また地方の首長選挙に出るという落語話である。女性との性的関係で永野耕平前市長が失職したばかりの大阪府岸和田市長選へ立花代表は出ようというのである。前市長は市議会から2度の不信任決議を受けて失職したものであるが、本人から反省の気持ちは感じられず、立花氏の「2馬力選挙」をプラスと考えているようだ。どうしても理解出来ないのは、その立花氏は、去る16日に千葉知事選に立候補し、それから4月6日の岸和田市長選の投開票日までは僅か21日しか経っていない。公職選挙法上では選挙権はその土地に最低3カ月間居住するという条件が必要であるが、市区町村長選の被選挙権は最も条件が緩やかで25歳以上なら誰でも立候補出来ることである。立花氏はそれを都合よく利用したということだが、市民にしては舐められたような気持ちになるのではないだろうか。本人に最初から当選する気がないようなので、無駄な立候補と言える。選挙権と同じように、公職選挙法上の市区町村長の被選挙権行使にも最低3カ月以上の居住を義務付けることにしても良いと思う。

2025年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6520.2025年3月20日(木) 拙著英語版電子書籍化のための準備

 このところお陰様で寄稿する機会が多くなった。同時に今年になってからある出版社から提案があった。4年前に上梓した「八十冒険爺の言いたい放題」英語電子書籍版の出版を考えてみてはどうかと提案があり、おの話を聞いて現在その計画を進めている。そもそもこの話のきっかけは、日本に在住する日本語を理解する外国人の間で、この本は外国人にとっても興味深く面白いので、英語版が発行されたら結構受けるのではないかという話が出版社の耳に入ったそうである。そこでその話を最初に聞いた時に、誰が英語に翻訳するのか、海外に通じている適当な人がいるかと尋ねたところ、今流行りのAIが日本語を英語に翻訳すると知り、本当だろうか、今流行っているAIが、微妙な内容や会話を私の考えた文章通りに英訳できるのだろうか半信半疑だった。それでも拙著自体は3版も発行されたし、日本語版電子書籍もAmazonで売れ筋5位にランク入りした実績もあるので、不安と同時に多少の期待感はあった。それで英語版電子書籍化を承諾した。

 そしてAIによる最初の校正原稿が先月中ごろに送られて来た。初めて人間による翻訳でない英文を目にして、翻訳が少々おかしいと感じたのが第1印象である。そして、大学のゼミの仲間で滞米経験が長く英語に精通してこれまでに翻訳書を何冊か出しておられる遠藤靖子さんに翻訳のチェックをお願いした。彼女は友人で早大講師のイギリス人ロバート・ジョーンズ氏に依頼してくれ2人で拙著の初校を視てくれた。いろいろやり取りを行った末に、今日何とか初校原稿の校正を終え、原稿や貼付書類を出版社に送信したところである。翻訳文のチェックをしてくれたお2人は献身的に校正作業に努めてくれ、大いに助かった。これから校正を見て出版社が何と言ってくるか分からないが、しばし待ちたいと思う。

 さて、阪神大震災が発生してから、今年でちょうど30年になったが、30年前の今日は別の人為的に恐ろしい事件が起きた日である。折も折今日は春分の日である。呪わしいオウム真理教による地下鉄サリン事件が起きたとは想像も出来ない。東京メトロの霞が関駅の電車内で有毒ガス・サリンが散布され、14人が死亡、6千人以上の人が負傷した事件である。事件の中心人物・麻原彰晃をはじめ首謀者らはすでに処刑されたが、残った教団の幹部らが名称を変えて今も宣教活動を続けている。

 当時教団本部は、私が勤務していた代々木の会社の近くにあり、夕方になるとJR代々木駅前で♪ショウコウ ショウコウ アサハラ ショウコウ~♪と盆踊りのように手振りよろしく踊っていた光景を何度か見かけたものである。警察庁は2度とこのような残酷な事件を起こさないように警備を強めており、法的にもオウム真理教宗教法人の解散命令が確定したが、後継者が名称を変えて新たに同じような組織を結成し運営している。後継とされる「アレフ」を主に分派した2つの組織だけでも全国に30施設、信者が1,600人もいるというから一気に壊滅させるわけには行かないだろう。こういう怪しげな組織に簡単に取り込まれてしまう人がいることが問題だし、その原因が中々分かり難い。よほど気丈で、妙な勧誘に負けない強い精神力を培わなければ、つい虜になってしまうのかも知れない。怖い世の中である。

2025年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6519.2025年3月19日(水) 大谷効果か? MLB開幕戦が大盛り上がり

 昨年大谷翔平選手の大活躍で日本でもアメリカの大リーグMLB人気が盛り上がって、今年の野球シーズン幕開けは日本のプロ野球開幕に先んじて、昨日東京ドームで行われたMLBのドジャース対カブス戦だった。特別番組を組んだり、選手の都内における行動を追ったり前人気も大変だった。民放テレビで観戦していて驚いたのは、CMがものすごいボリュームで、イニングの終わる度にどっと連続的にスポンサーのCMが連発されることである。両チームの対巨人、阪神戦を含めた4試合で22社のCM提供により、100億円が供出されるというからただ事ではない。実際試合を生中継した日本テレビの視聴率は、世帯平均で31.2%、瞬間最高は35.7%だったというから並外れていて宣伝効果はあったのではないかと思う。MLBコミッショナーも選手と一緒に来日し、野球をアメリカ国内ばかりでなく、日本や韓国などのレベルも上がり野球人気の拡大を図り、野球を世界的なスポーツへ発展させたいと語っていた。昨年亡くなった生涯にMLB最多の4,256安打を記録したピート・ローズ選手が、かつてイチロー選手が日本の記録を合わせて3千本安打を放った際に高校野球とは一緒にしないで欲しいと日本の野球のレベルの低さを皮肉ったことを思うと昔日の感がある。大リーグの開幕戦に日本人選手が4人も出場し、ドジャースの開幕投手・山本由伸投手が勝ち投手となった。これから日本のプロ野球も開幕し、野球人気も期待通り広がっていくだろうか。

 一方で、昨日はセンバツ高校野球大会も開会式を迎えた。ちょっと目立ったのは、選手宣誓で和歌山市立高校の川辺謙信主将が、「~野球人口が減少する中で、高校野球は新たな時代へ向かい、歩み始めています。~ここで改めて問います。みなさん、高校野球は好きですか?」と観衆に問いかけたのである。かつては、決まりきったように「全力で戦うことを誓います」と硬い発言していたのが、今ではここまで自己主張、考えを述べるようになったのだ。高校生の間にも、野球がサッカー人気に追い越されていくことに危機感を感じたのだろうか。高校野球もこれから変わっていくことだろう。

 そして昨日は開催中の大相撲春場所にも異変があった。10日目で早くも新横綱豊昇龍が休場してしまったのだ。場所前にはひとり横綱だった照ノ富士が引退して、横綱不在場所の大相撲に期待の新横綱が誕生し、横綱自身も責任感を感じてやる気満々の表情を見せていた。それが前日9日目までに5勝4敗という、新横綱としては期待を裏切る屈辱的な結果に相成った。新横綱の場所中の休場は、双羽黒以来39年ぶりということである。場所前には「何が起きても休場はしない。負けても休場はしない」と言ったが、結局フェイク発言だった。横綱も段々政治家に似て来たものである。やはり大阪の春場所は荒れるとの言葉通り、尋常ではない。横綱豊昇龍には来場所こそ捲土重来を期して欲しいものである。

 さて、今日は妻と長男とともに甥っ子のジャズのライブショーを鑑賞に現座「スウィング」へ出かけた。朝の内は雪がかなり降っていたが、天気予報通り午後には晴天となりしばらくぶりの銀座界隈の混雑ぶりには少し驚いたが、やはり懐かしい。体調が万全でない中だったが、今月末に長男が大阪へ転勤となるので、以前から自分のバンド「イメージ」を抱えて活動を続けている甥のショーを見せてやりたかったのだ。以前に同じ場所で兄らと鑑賞したことがある。久しぶりだったが、雰囲気が良く、ベースを演奏した甥も中々好評で良かったし、食事も美味しく息子も満足したようだ。忙しくても、体調がやや不良であっても偶には息抜きは気分的にすっきりする。また、しばらくしたらまたいずこかで甥のライブショーを楽しみたいと思っている。

2025年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6518.2025年3月18日(火) きな臭いアメリカとイスラエルの関係

 昨夕から夜にかけてまた不意に下腹部が痛み出し、お腹を摩ったり体勢を変えたりして何とか痛みを和らげようと試みたが、中々痛みは消えない。今まででも一番痛いほどだった。これが当たり前のようになると困ると思っている。先日の診断で小腸に原因がありそうだというまま服用薬による処方をしているが、薬で痛みが消えない場合はどうしようもない。結局ベッドで休むまで痛みは消えなかった。そのままぐっすり眠り、今朝起きたら痛みは感じなかった。睡眠は充分取れるので、その点は救われる。尾籠な話で恐縮だが、最近は夜中にトイレへ行く回数が1晩に3回もあるが、昨晩はたったの1回しか排尿しなかった。眠りが深かったのだろう。それにしても原因がはっきりしないままこうしばしばお腹に痛みを抱えるのでは旅行も出来ない。不本意だが、もう少し様子を見るより仕方がないのだろう。

 さて、トランプ大統領のウクライナ停戦案が、ウクライナの賛成は得たが、一方のずる賢いロシアのプーチン大統領にはあまり評価されず、今晩トランプ、プーチン両大統領による電話会談が行われる。それに合わせてプーチン寄りのトランプに対してヨーロッパ連合(EU)議会の批判と反発が厳しく、フランス中道左派議員が、自由、平等、博愛の精神を忘れてしまったアメリカに自由の女神像の返還を求めると言い出した。トランプ大統領のフランス版である。よほどアメリカの強引さに我慢ならなかったのだろう。自由の女神像は、アメリカの独立を祝って当時のフランス政府が、アメリカ政府に贈呈したものである。今では観光名所となり世界遺産にも認定されているほどである。

 そのアメリカと心をひとつにしているイスラエルは、ガザ地区の攻撃は1月以来停戦中であるが、その第一段階が過ぎた今、ガザ地区に対して今日イスラエル軍が激しい攻撃を仕掛け、ガザ地区の住民の間に400人以上の死者を出した。この攻撃の前の16日アメリカはアラビア半島沿岸の紅海やアデン湾洋上を航海する商船を不意に攻撃し53人が死亡した。この地域に強い存在感を持っているイランによる支援を受けているフーシ派を壊滅させようとの狙いである。このとばっちりを受け一昨年11月に拿捕された日本郵船の貨物船も攻撃を受けた。イスラエルとアメリカは、思い通りに行かないと話し合いや交渉より、直ちに軍事行動で圧力をかけ、戦争へ走る好戦的な国である。

 ウクライナ停戦が成るかと世界中が注視している中で、イスラエルのガザ攻撃を支援したり、紅海で民間の船舶を空爆して、肝心のウクライナ戦争を停戦出来ず、アメリカの発言と存在感にどんな重みがあるだろうか。

2025年3月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6517.2025年3月17日(月) 何が原因か? 劣化した地方選挙の実態

 セルビアの首都ベオグラードにいる友人山崎洋氏から12日にメールを送ってもらったが、それには15日に学生デモに交じり野党が国会内へ突入するようだと書かれていた。彼が案じていた通り、実際15日に首都で反政府デモが行われ、10万7千人が参加したと伝えられ、テレビ画面で観ると国会内では発煙筒までたかれ、議場内では傘で防止しているような光景も見られた。議場内は煙が咽んでいるようだった。そもそもの原因となったのは、昨年11月に中国政府の提唱する「一帯一路」路線に基づく中国企業による駅の杜撰な改修工事が行われ、屋根が崩落して15人が死亡したことが原因のようである。これは親中国路線を歩むブチッチ政権が、中国企業に改修工事を依頼したことによって事故につながったと見られたからである。

 抗議を主導する学生らの活動は、3カ月以上も続いており、この間にブチッチ首相は辞任を表明したが、圧力には屈しないし、街頭デモによって国のルールを決めさせるようなことはしないと強気な姿勢を貫いている。

 どこの国にも諍いはあるものだが、中国企業による手抜き工事によって死者が出たことが、中国に対する反感となり、それが親中国路線を走るブチッチ政権への反発となったようだ。

 一方、国内でも石破首相の商品券配布問題のように、お詫びを繰り返しながらも法律には反しないと弁解しているが、常識的に考えても今裏金問題など微妙な時にこういう違法すれすれの事象をやること自体、誰が考えてもおかしいと思う。その点でこれからも当分の間首相は追求されるだろう。

 ところで、いま全国のかなりの大小自治体で、首長選が行われている。昨日投開票された千葉県知事選が勝負は別にして注目されていた。それは現職知事を含む4人の立候補者の内、とかくの噂のある2人が立候補したからである。ひとりは「NHKから国民を守る」立花孝志代表であり、昨日選挙外の霞が関で演説の休みの間に暴漢に襲われケガをした人物である。もうひとりはこれも政治団体「つばさの党」黒川敦彦代表である。黒川氏は、昨年の東京都知事選で小池候補の後を追いながら選挙妨害のような行為をして、選挙違反に問われたような政治を真面目に捉えていない人物である。いずれも泡沫候補である。戦前から予想されていたように、これという対抗馬がおらず、現職の当選が確実視されていた。

 その結果投票率は懸念されていたように35.7%で4年前の45.03%を9.33%も下回るような結果となった。近年は選挙における若者の投票率が低下傾向にある、今回も惨めな結果となったが、選挙権行使の年齢を下げるばかりでなく、もっと選挙に対する関心を高め、投票所に足を運ぶことを考えないと似たような次元の低い選挙が展開されるようになるだろう。

 もうひとつの地方選挙の例を挙げておこう。それは千葉知事選・千葉市長選と同じ昨日行われた東京都武蔵村山市長選の結果である。現職に対抗して新人が立候補したが、その候補者の名前が何と「AIメイヤー4号」という選挙民を愚弄したような候補者だった。案の定シラケ切った選挙は、投票率が過去最低の22.15%で11年前の前回の32.33%から実に10.18%も下落した。自治省を含めて自治体でもまともな選挙が実施されるよう対策を練るべき時ではないだろうか。

2025年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6516.2025年3月16日(日) 文化人に倣う難しい言葉と表現

 文芸春秋社から今月初め「昭和100年の100人」と題するムック、3部作「リーダー篇」、「スタア篇」、「文化人篇」が出版された。先月店じまいした自由が丘駅前の「不二屋書店」で最後の買い物をしたのが、「文化人篇」である。中々興味深い。100人の名前は10人ばかりを除いてほぼ知っているが、中に印象深い人も何人かいる。

 岡本太郎は義父の慶應幼稚舎時代からの竹馬の友であり、石原慎太郎は高校の先輩で在学中に当時世間を驚かせた「太陽の季節」で芥川賞を受賞した。直木賞作家の向田邦子は、1981年に台湾で航空機墜落事故により亡くなられたが、偶々その時台湾を旅行中だったので事故については概略を現地で知った。山崎豊子は「大地の子」、その他の人気長編作品で知られているが、実際には大分盗作が多く、批判した松本清張を恨んだりいていた。どうして清張の外に盗作について彼女を批判する人がいないのか、疑念を抱いている。実際私がブログにその批判を綴ったことが、ブログ読者の関心を呼んだのだろうか、Googleの月間アクセス記録で山崎批判ブログは毎月トップ3に入っているほど高い関心事となっている。

 この他に興味と関心を抱いたのは、日本人最初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士についてコメントした、同じ物理学賞を24年後に受賞した江崎玲於奈博士の感想である。江崎博士は湯川博士こそまさに日本人の「心」を持った学者であると感じられたようである。同時に、「心」という日本語について感じた疑問についても書いている。西欧人の心の中ではハートとマインドは一応別居しているが、日本人の心の中ではハートとマインドが同棲している。このため、日本人には西欧にはない「こころ」という言葉が存在すると感じておられるようだ。そして江崎博士は、「湯川博士が西欧の多くの優れた原子核物理学者に先駆けて中間子の存在を予言された。この魔力的な『日本人のこころ』が勝利を収めたというところにこそ、湯川博士の偉大さが存在し、日本人の心を捉え、勇気と希望を与えたのであろう」と述べている。考えさせられるコメントである。

 言葉と言えば、ノーベル賞受賞学者の次元の高い考え方とは異なるが、最近(3月11日付)朝日新聞投書欄に75歳の女性が以下のような私見を投稿していた。高齢者が亡くなったときに、「老衰で死去」と報じられることが多いが、病気もなく、天寿を全うされた高齢者に「老衰」という言葉は如何であろうかと疑問を呈したのである。彼女には、近所に93歳の女友だちがいて、ひとり住まいで自分で何でもこなし、杖を突きながらも電車でどこへでも出かけるという。しかも安全確認のために、家族や友人たちとは毎日連絡を取り合っている。そして彼女自身も「老衰」という言葉を嫌い、むしろ「老逝」という言葉が好いと言って、投稿した女性ともども「老逝」派だという。確かにあまり考えたこともなかったが、私自身そろそろその域に入って来たが、私も「老逝」の方がリアルだと思う。

 日本の政治家の表現や言葉については、隠された意味があるケースが多いようだが、もう少し事実が明快に分かるよう単刀直入の表現で発言してもらいたいものだと思う。よく使われる「前向きに善処させていただきたいと思う」なんて、最低の表現であると思う。

2025年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6515.2025年3月15日(土) 国内、外交問題とも理不尽なことが多すぎる。

 通常政治的、或いは社会的なデモが行われることはそんなに抵抗感はないが、珍しく経済的なデモが行われたので、アレっと思った。物価の値上げなどで日常生活が苦しくなってきたことなどから、経済の大本営である財務省解体を叫んで、霞が関の財務省前でデモが行われた。物価の値上がりに不満を感じていた人たちがプラカードを掲げてデモを行い、「増税反対」や「消費税廃止」などを訴えたのである。これは今までにも密かに行われていたが、最近ではSNSで拡散され、昨日は全国10カ所で行われたという。

 値上がりの中でも特に、主食であるお米の値が大分上がり、とりわけ昨年夏以降急上昇し、小売り物価統計によると、昨年2月にはコシヒカリは5㎏2,441円だったものが1年後の今年2月には、約2倍の4,363円に値上がりしている有様である。これにはお米の在庫が減り、卸売り業者がお米を貯め込んでいるとの説もあるが、政府は備蓄米を放出することを決めた。昨日早速放出を予定していた備蓄米の入札を行った。

 そんな時にデモが行われた財務省近くで、選りによって何の目的のためであろうか演説に来たのか、「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が演説の合間に暴漢に襲われ、立花氏がケガをするという穏やかならぬ事件が起きた。どうにも理解出来ないのは、立花氏は明日行われる千葉県知事選に4人の候補者のひとりとして立候補している筈である。そのご当人が、最も大事な投票日直前になって選挙区を離れ、知事選とはまったく関係のない財務省解体などに関わっている意図が分からない。立花氏は昨年11月に行われた兵庫県知事選にも立候補したばかりだが、当選した斎藤元彦知事を当選させるための「2馬力候補」と揶揄され、公職選挙法改定の事態にまで話を発展させてしまった。その立花氏は選挙地盤を離れて、デモ行為を行っている人たちに自分を売り込んでいる。こういう無駄な経費こそどこから出費されるのか。ケガを負ったのは、不幸だったが、立花氏の行動は、世間を舐めているとしか思えない。

 ついては、トランプ大統領の強権発動により、関係諸国はいずこも恐れをなして言いたいことも言えない状態であるように思える。そのとばっちりは同盟国の日本とて他人事ではない。鉄鋼品、アルミの対米輸出に関して対日貿易赤字削減のためと称して、自動車には25%の関税を課し、他の日本製品には一律10%を課すと通告してきた。岩屋外相が渡米し、適用除外を願ったが、聞き入れてはもらえなかった。これに便乗するかの如き、新駐日大使に指名されると予想されている実業家のジョージ・グラス氏が、対日貿易で厳しい対応をする対日圧力を強める発言をしている。特に、その言い分は、2027年度に日本の防衛費を国内総生産(GDP)比2%に増額し、在日米軍の駐留経費の日本側の負担を増やす必要がある、等の強弁をしている。

 戦後生まれの政治家は、日米を問わず戦争に関わる実態がよく分かっていない。駐留米軍はそもそも戦争直後に占領軍として日本を蹂躙した部隊であり、本来駐留経費は全額占領軍自体が賄うべきものである。その後日本にとっても国防上、安全上貢献してもらったとの主旨で少しずつ日本も彼らの駐留費用を負担するようになった。しかし、最初の主旨からして占領軍の意向によって負担額を一方的に決めるなどの植民地主義は、とても許されるものではない。その辺りは一方的にアメリカの要望を受け入れるのではなく、よく主旨と両国の実情を検討したうえで考えるべきことである。アメリカ・トランプイズムの横暴を許してはいけない。

2025年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6514.2025年3月14日(金) 創刊季刊誌の好評と石破首相の疑念の行動

 昨日東京医療センターで原因不明の腹痛に小腸に問題があるのではないかと担当外の医師に言われたので、今朝かかりつけの森内科へ行って医師に相談してみた。先日医療センターで胃カメラ映像を見ながら胃、十二指腸、食道などには特に支障がないと担当医師から聞かされたが、その後医療センターから森内科へ送られて来た手紙によると、遠慮しがちに小腸に問題があるかも知れないと書かれていたと言われた。小腸は胃カメラでははっきり映らないそうだ。小腸の検査は中々大変なようであまり大ごとにはしなかったようだが、これからは小腸に症状の原因ありと考えて、治療に務めなければならないだろう。取り敢えず当面の服用薬を処方してもらったが、これから行く末を考えると少し憂鬱な気分になる。

 さて、NPO「知的生産の技術研究会」久恒啓一理事長以下会員仲間が編集、発行した季刊誌「イコール」の評判が友人たちの間でかなり好評なので嬉しくなる。昨晩は「イコール」を送り届けた元「出版ニュース」社社長の清田義明氏から電話があり、主要な編集者のひとり、橘川幸夫氏とは今から45年前にNHKの番組に出演した際知り合ったので、「イコール」に橘川氏の名前が掲載され、また一昨日の朝日朝刊に橘川氏が取材に応じて、偶然にもそこに「イコール」について書かれていたが、あまりの偶然に驚いたと仰っていた。私は直接編集には関わらず、一文を寄稿しただけだが、全体の構成自体が面白くユニークなように思っている。現状では広告ひとつ載っていないので、経営的には厳しいと思う。いずれ久恒理事長に実情を尋ねてみたいと思っている。

 ところで、トランプ大統領と石破首相が蹴躓いたようだ。トランプ氏は得意になってウクライナの和平交渉を推し進め、ウクライナにプレッシャーをかけてまとめ上げた和平案に賛成させたが、当然直近の米ロ歩み寄りの成り行きからロシアのプーチン大統領も賛成すると思いきや、プーチンは首を縦に振らず、大統領就任後に直ぐにも和平をまとめるとのトランプ氏の目論見は頓挫してしまった。

 一方石破首相は、昨日自民党新人議員に商品券10万円分を配ったことが公になり、社会通念上おかしいとか、政治資金規正法上問題ありと与野党内で騒がれている。首相は謝罪したが、法的には問題ないと居直った。もう少しまともなことを言うかと思ったが、ちょっとがっかりである。こういう裏金とか、献金のような問題には縁遠いと思われた首相が、明らかに問題となりそうな商品券配布の問題に容易に突っ走ったのがどうも解せない。実は、日本維新の会の前原誠二・共同代表が同じように首相は不可解な金で問題を起こすような人とは思っていなかったような主旨のことを言っていたくらいである。前原代表と言えば、私にはむしろかつて民主党政権下で八ッ場ダム建設工事を止めさせると断言していた建設大臣だった当時、大して反対行動もせずに結局ダムが完成し、住民は立ち退かされた。以後なかったかのようにダム問題へは目もくれず、公約を実現しなかった責任を取るわけでもなかった前原氏が、今では別の党の代表という要職を務めながら、石破首相の行動をせせら笑うが如き発言をしていることが笑止千万である。政治家なんて所詮そんなものだろう。

2025年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6513.2025年3月13日(木) 赤字化に傾く日本郵政社長の泣き言

 昨夕いつもとは違う下腹部に痛みを感じていたが、次第に痛みの箇所が上の方へ上がりいつもの痛みと同じ個所が痛んで、3時間ほど激痛に悩まされた。今朝になって痛みは引いたが、偶々今日は東京医療センターで変形性関節症の定期診断の日だったので、事の序に担当医師に症状を話してみた。実は胃カメラでも小腸内の異状は発見し難いので、或いは小腸に異常があるのではないかと考えられるそうである。そこで明日かかりつけの内科医院で相談してみようと思っている。

 さて、一昨日の本ブログに「日本郵便の顧客無視の値上げと手抜き」と最近の郵便局のサービス低下について批判したところ、今日のNHKビジネス特集の熊本版としてネットに、「岐路に立つ郵便」と題して日本郵政の増田寛也社長が郵政の苦しい現状を語っていた。

 それによると郵便は150年以上の歴史を持つが、メールやSNSの普及で郵便事業は減少し、時代に合わせて変化しなければ郵便サービスを維持出来ない危機感に捉えられているという。郵政民営化が叫ばれた当時は、そんなことは一切口には出さなかった。ところが、実際には2022年度に民営化後郵便サービスが初めて赤字を出した。翌年度も赤字だった。そこで昨年2024年度に郵便料金の値上げに踏み切り赤字をカバーした。しかし、このままだと2026年度には再び赤字に転落するという。幸い日本郵政グループとしては、ゆうちょ銀行とかんぽ生命からの収益で郵便事業の赤字を穴埋めしている。

 全国的に過疎化が拡大していく中で、日本郵政として全国に散在する2万4千局もある郵便局を有効的にどう活用するかが最大の課題である。過疎地の郵便局を赤字だから即閉店というわけには行かず、2019年以降日本郵政は、全国39自治体と事務の包括的な受託の契約を結び、地元の郵便局が住民票や税務関連の証明書の交付などの行政事務を代行しているという。更に地方の鉄道会社とは無人駅で、駅業務と郵便窓口を一体運営を始めているところもある。

 郵便局をよく利用する立場から言えば、過疎地の施設を有効活用したり、多少閉鎖することは検討しても良いが、本業の郵便事業にあまりしわ寄せをすることは考えてもらいたい。仮に郵便局がなくなったとしたら、手紙はすべてメールなどに頼ることになるが、それでは手紙を書く習慣や、文字を書く機会まで失ってしまうのではないだろうか。この辺りは、学校教育の現場も関わってくる問題でもあり、日本郵政と文部科学省も話し合いすべきではないだろうか。

 一昨日指摘したように、郵便局によって昼休みの休憩時間が異なるのは、顧客にとって迷惑であり、こんなことは経営には関係なく現場で横の連絡さえ良ければ、起こり得ないことでもあり、率先して休み時間ぐらい統一して然るべきであると思う。

2025年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6512.2025年3月12日(水) フィリピンで現・前大統領が対立

 随分昔の話になってしまったが、51年前の今日、フィリピンのルバング島から旧日本軍の小野田寛郎元少尉が多くの人が出迎える中を30年ぶりに羽田空港へ帰ってきた。偶々元第五飛行師団所属の軽爆撃機隊・第8飛行戦隊のビルマ慰霊団にお供して羽田を出発する時に小野田さんに遭遇し、「往く人還る人」との見出しで、小野田さんとともに第8飛行戦隊のことを翌日の新聞に紹介されたことがあった。

 当時旧厚生省の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業の中部太平洋地区収集団に携わっていて、毎年2月の1か月間はサイパン島に滞在していた。1972年グアム島の岩窟内に潜んでいた元日本兵の横井庄一さんが発見された。当時の遺骨収集団長の厚生省課長は陸軍士官学校出身だったせいで、2人とよく話が合い裏話を混ぜていろいろ聞かせてもらったことがある。興味深かったのは横井さんが女性に強い関心があり、グアムの病院で治療中に看護師の手を握って離さず、異常な行為に早くお嫁さんを見つけてやって夫婦2人にした方が好いと言っていた。その一方で小野田さんは女性にまったく関心を示さなかったと伺った。2人は間もなく良い相手を見つけて幸せな結婚生活を送られた。とにかく今日3月12日と言えば、横井さんと小野田さん、性格の異なる2人の旧日本軍兵士のことが思い出される。

 さて、その小野田さんが戦後潜伏していたフィリピンで異常な事態が起きた。ドゥテルテ前大統領が逮捕されたのである。大統領就任以前のダバオ市長時代から麻薬撲滅に力を入れ、超法規的なやり方で6千人を超える死者を出したくらいで、その手法は荒っぽかった。充分な取り調べや裁判を経ずに多くの人が殺害され、無実の人もいたとみられていた。その荒々しい行為に対して国際刑事裁判所(ICC)は人道に悖るといて逮捕状を出した。フィリピンはICCの加盟国ではない。だが、マルコス大統領は逮捕に踏み切り、香港から帰国したドゥテルテ前大統領をマニラ空港で逮捕し、ICCの本部があるオランダへ向かわせた。

 不思議なのは、マルコス政権の副大統領が、ドゥテルテ前大統領の長女サラであることである。その経緯は、以前からマルコス家とドゥテルテ家の間で対立があり、2月には下院でサラ副大統領が大統領により弾劾訴追され、7月に罷免の可否を審理する弾劾裁判が開かれる。本来なら大統領に忠誠を誓うべき副大統領が、大統領から愛想を尽かされたような理解し難い対応をされている。他にも両家の対立には、原因があるようだが、国を代表する大統領と副大統領が家族も絡んで国際逮捕劇を演じるようでは、救いようがない。2人は同じ大統領府に留まっていないで、対立点があるなら国民にすべて曝け出し、公開の席で国民に説明し支持を問うべきではないか。いつまでもこのような了見の狭い争いをしているようでは、国内はもとより国際社会からも見放されてしまうだろう。

 他国のことであるが、大雑把に知っただけでも普通では考えられないようなトラブルであり、恥ずべき対立であると思う。

2025年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com