6208.2024年8月11日(日) ガザ地区へ激しい攻撃止まず。

 相変わらずイスラエル軍はパレスチナ・ガザ地区への空爆を止めず、昨日避難所として使用されていた学校への攻撃により、100人以上が死亡した。ちょうどその時間に学校では夜明け前の礼拝が行われていた。いつもながらイスラエル軍の言い分は、ハマスのテロリストが潜伏し、イスラエルへのテロを計画していたからというものである。ガザ市民への被害を減らすために、攻撃前には情報収集や精密兵器の使用などの措置を取ったと釈明しているが、必要な措置を取れば人間が何人死のうが許されるとの身勝手な言い分は、単なる自己弁護と自己主張に過ぎないと強く非難したい。そういう身勝手なイスラエルに招待状を送らなかったと長崎原爆祈念式典へ共同で欠席するという行為は、原爆犠牲者への冒涜であり、手前勝手で利己的な先進国特有の言動である。今イスラエルを舞台に、パレスチナ市民を支援するイランをはじめとするアラブ諸国とイスラエル1国との対決が、一触即発の危ない状態にある。イランは先日ハマスのハニヤ最高幹部がテヘランで暗殺された報復を誓い、秒読みの戦闘状態にある。この一方で、イスラエルの支援国アメリカは、エジプト、カタールとともに15日に人質救出を条件に両者間の停戦を働きかけている交渉を行うようイスラエルとハマスに働きかけているが、自分たちの都合だけを一方的に優先するアメリカの言動は身勝手過ぎやしないか。

 しかし、ハニヤ最高幹部を殺害されたハマスは、この停戦交渉について反応していない。この状態だとガザ地区から人がいなくなるまで戦争は続けられるのではないかと危惧される。

 まもなく日本でも太平洋戦争終結の日「終戦記念日」がやってくる。日本にもガザ地区のような不幸な状態が再びやってこないという保証はない。終戦から79年が経ち戦争の恐ろしさや怖さを頭と体で知っている世代の人びとが少なくなり、今や戦争を知らない人たちが、戦争に最も近いところにいる。そうしたのは、戦争を恐れない政治家たちが、憲法を無視してその上に日米同盟を配置したからである。恐ろしいことである。

 さて、すでに毎日新聞が9月末を以て富山県内で配送を中止すると発表していたが、このほど産経新聞も同社のサンケイスポーツ、夕刊フジ同様に休止し、宅配の他に駅売店などでも販売を止めるという。朝日新聞も今年2月に北海道内で夕刊を休止している。

 一般的に読書をする人が減って、本が売れず撤退する書店も増えていることが話題になるが、新聞と本を読む人が年々減少していることは社会現象とも言われている。講談社が発行している写真週刊誌「フライデー」もかつての勢いはどこへやら、年々販売数が減少して、今後は発行ベースを減らし、今秋以降は2週間に1度のいわゆる隔週刊誌に変更するという。出版不況は留まるところを知らないようだ。子どものころから読書に明け暮れていた読書ファンとしては、寂しい限りである。

2024年8月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6207.2024年8月10日(土) 南海トラフ地震とは別の地震、昨夜神奈川に

 一昨日宮崎県日向灘を震源とする震度6弱の地震について、気象庁から南海トラフ地震への注意を呼びかける地震臨時情報が出され、各テレビ局でも緊急特集を組み国民に注意を喚起した。その興奮が収まらぬ昨夜に突然短い間だったが家屋が揺れ、テレビがテロップで地震発生と伝えた。神奈川県中央部の厚木市周辺を震源とする震度5弱、M5.3の地震だった。世田谷区は震度3だった。東海道新幹線では、一部区間の運行を停止したり減速したり、神奈川県中央部を通る小田急は全線を一時運行ストップした。

 これについて早速気象庁が会見したが、専門家は一昨日の地震の震源地と離れていることや、過去の地震の傾向から南海トラフの地震とは関係がないだろうと述べた。それでも南海トラフの想定震源域は宮崎県から太平洋岸に沿って静岡県辺りまでと考えられているので、すぐ隣の神奈川県民にとっては、あまり楽観視するわけには行かない。実際気象庁は、今後1週間程度は今回と同じ震度5弱程度の揺れを伴うと地震が発生する恐れがあるとして引き続き注意を呼びかけている。

 実は、元旦に起きた能登半島大地震の因果関係を調査している政府の地震調査委員会が、一昨日の日向灘の地震発生前の今月2日、日本海にある海域活断層を調べた長期評価を公表していた。それによると場所は南海トラフとは離れているが、偶々日本海の海底で長さが20㎞以上、M7以上の大地震を引き起こす可能性がある海域活断層を公表していたのである。南海トラフに限らず、日本列島はいろいろ断層に取り巻かれている地震大国であり、地震災害の恐れがあり、平素より警戒を怠ってはならないということである。すでに台風5号も太平洋上を北上して、この3連休中に北日本へ近づく可能性がある。

 相変わらず猛暑が続いているが、今日から3連休とお盆を迎えて各観光地には多くの人が訪れると予想されている。だが、南海トラフの想定震源域などでは、ビーチへの立ち入り禁止や、海水浴禁止、花火大会中止などで宿泊客によるキャンセルが多く、観光業への影響がかなり大きいと懸念されている。暑さに地震への警戒でこれから観光地はどう対応するのだろうか。

 さて、今日16日目を迎えたパリ・オリンピックもいよいよ大詰めだが、去る5日陸上競技の華である男子100mが行われ、9秒79でアメリカのノア・ライルズ選手が優勝した。短距離2冠を狙ったライルズ選手は、200mでは3位だった。驚いたことにその後ライルズ選手はコロナに感染していたことが判明した。ライルズ選手はレース後選手村を出てホテルへ移動した。それでもその他のレースにも出場する予定だったが、体調が優れずアメリカが復活を賭けた400mリレーには出場しなかった。短距離最強国のアメリカではあるが、意外にもその象徴である400mリレーでは、21世紀に入ってからオリンピックで金メダルを獲ったことがない。昨日行われた決勝でも悪霊に捉われたのか、バトン・ミスでアメリカ・チームは失格になってしまった。流石に、アメリカ短距離陣の低調ぶりに4大会に出場し10個のメダルを獲得したレジェンドのカール・ルイスが、全米陸連に選手選考について勝利より人間関係を基準に選手選出を行っていると厳しく批判した。まあオリンピックという世界最高の檜舞台では、その陰でも思いがけないことが起こるものだ。明後日そのパリ・オリンピックは閉会式を迎える。

2024年8月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6206.2024年8月9日(金) 7月分ブログのグーグルによるアクセス分析

 79年前の今日長崎へ原爆が投下された。当時はまだ国民学校初等科(現小学校)1年生だったので、まったく知らなかった。昨日、一昨日の本ブログに取り上げたように長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典には、岸田首相以下、過去最多の100もの国々、及び地域の代表が出席したが、日本を除くG7、及びEUの駐日大使は出席しなかった。その言い訳のようにアメリカ、イギリス、及びイスラエルの各大使は、都内増上寺で行われた長崎原爆殉難者追悼会に出席した。折角招かれた爆心地の長崎で行われた祈念式典に欠席して、東京の増上寺で行われた追悼会に出席して、殉難者の魂を慰めたつもりだろうか。

 さて、毎月Googleからブログ「ご意見番の意見」へのアクセス数の分析結果を送ってくれるが、数日前に7月分を知らせてくれた。6月分に比較して一番アクセスが多かったのは、高額紙幣の新札のデザインと肖像画が決まったと発表された直後に「新1万円札肖像に渋沢栄一?の疑問」(2022年11月22日記)と題して、渋沢の新1万円札の肖像について疑問を呈したことである。渋沢の経済人としての業績については、誰しも認めている。しかし、問題は彼の私生活面における臆面もなくだらしのない行動である。これでは毎日のように目にする1万円札に描かれた渋沢の肖像を見るのは、あまりすっきりしたものではない。子どもたちがこの渋沢の私生活面を知ったら何と思うだろうか。道義的に大きな問題があると思う。諸説あるが、渋沢には私生活において2人の妻の他に20人以上のお妾さんを囲い、80歳過ぎても彼女らに子どもを産ませたと言われており、いかに有能な経済人だとしてもあまりにも良識、節度がなく、ふしだら過ぎる。ところが、先月新札発行前になるとその種の芳しくないリアルな私生活上の話は、メディアからすっかり消えて、まさに「日本の偉人」と持て囃す有様である。良識的なブログ読者にも強い関心を抱かれたのも当然だろう。渋沢以外に1万円札の肖像画に相応しい日本人は、いくらでもいるのではないか。

 2番目にアクセス数が多かったのは、「日本人の識字率の実態は意外に低い」(本年3月28日記)だった。戦後義務教育制度が徹底してすべての日本人は、9年間の義務教育の間に識字率はほぼ100%に達したと考えられていたが、9年間就学を全うしなかった生徒もおり、その分識字率も下がり、「識字率100%は『共同幻想』だった」と国立国語研究所が発表したことについて感じたことを書いたものである。

 過去のアクセス数では、トータル的に最多は、この数か月変わりなく7月までの1位も、「評価の分かれる盗作作家・山崎豊子さん」(13年9月30日記)だった。最近あまり小説を読まなくなった中で、これは内容的には興味深い山崎氏の作品とは異なるが、現在朝日朝刊に連載中の湊かなえ氏の「G線上のアリア」も今日127回目を数えながら読んでいて、率直に言ってつまらないと思っている。新聞連載小説にしては珍しく、挿絵もない。いつごろから新聞連載小説がつまらなくなったのだろうか。介護に勤しむ50代の女性と、題名のバッハの名曲の関係がまるで分らないし、ストーリー自体も狭い行動範囲内の話で退屈である。2番目にアクセス数が多かったのも6月と変わらない「つまらない新聞連載小説」(22年8月16日記)だった。

 多くの読者の方々からブログを読んでもらえるのは、筆者冥利に尽きるが、意外で嬉しかったのは少数ながらも海外にも私のブログ読者がいることで、6月にはスペインとオーストラリアから、7月にはフランスとイギリスからアクセスがあったことである。もういつの間にか6200回を超えたが、こういう読者の期待に応えてこれからも長く書き続けられるよう努めたい。

2024年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6205.2024年8月8日(木) 長崎原爆祈念式典、先進6か国駐日大使欠席

 案じていた通り、昨日日本を除くG7の大使が、明日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に欠席の意向であることが、判明した。昨日のブログに取り上げたように、イギリス駐日大使の式典欠席をきっかけに、アメリカ大使、更にフランス、イタリア、ドイツ、カナダの各大使が、長崎市が式典にイスラエルを招待しなかったことを理由に、自分たちの欠席について署名した共同文書を長崎市長に宛てて送った。

 彼らには、核軍縮、或いは核廃絶の気持ちがあるのか分からないが、いずれにせよこの事実は、長崎の原爆投下で亡くなった人たちへの追悼の気持ちがなく、ガザ地区を攻撃し続けるイスラエル共鳴の損得勘定を考えた末に、アメリカ及びイスラエル政府への思い入れで原爆犠牲者よりイスラエル政府の行動を評価するもので、原爆犠牲者を弔う気持ちがないということに他ならない。

 長崎市長も戸惑っているようだが、長崎市民にとっては大きなショックである。イスラエルのガザ攻撃が止まない限り、G7は長崎原爆犠牲者を弔う気持ちはないままだろう。長崎市民ばかりでなく、日本国民にとっても失望以外の何物でもない。

 さて、流動的な海外ニュースを2つばかり紹介したい。ひとつは、アメリカ大統領選の民主党候補者・ハリス副大統領の副大統領候補者が決まったことである。ハリス氏が選んだ副大統領候補者は、ワルツ・ミネソタ州知事である。ワルツ氏は、24年間の軍歴に加えて、高校教師という職歴のうえに、下院議員を12年間務め2019年にミネソタ州知事に当選した、実務経験豊富な政治家である。ハリス氏の要請を名誉であると喜んで引き受け、ともにトランプ氏を倒す気概を示した。これに対して、トランプ氏は、「2人が抱く夢は、すべてのアメリカ国民にとって悪夢だ」と相変わらずへらず口を叩いている。やや旗色が悪くなってきたトランプ氏陣営ではあるが、腹にいち物のトランプ氏の嫌がらせの戦術がどうなるか、不見識ではあるが、この先も興味深い。

 2つ目のニュースは、バングラデッシュの血なまぐさいデモの挙句の政変である。このところ公務員採用を巡る問題その他で、政府に対する国民からの不満が一気に湧き上がっていたが、学生らの抗議デモ隊が警察との衝突で、200人以上の死者が出た。去る4日にデモ隊と警察が再び衝突して95人以上が死亡し、1千人以上が負傷したと伝えられている。1996年以来一時的に政権を手放したが、長期間に亘りほぼ首相の座に君臨し続けていたハシナ首相の女性らしからぬ強権政治に対する国民の強い不満と反発があった。政府は4日夜から外出禁止令を出したが、5日首都ダッカ市内に繰り出した群衆は、数十万人に上がった。群衆が首相公邸に乱入した事態に、軍は急遽シェイク・ハシナ首相の辞任を発表した。前首相は逃げるようにヘリコプターでインドへ国外脱出した。しかし、逃亡したハシナ前首相を受け入れたインドに対して、バングラデッシュ国民は怒りを感じている。いずれハシナ首相は、近々イギリスへ亡命すると見られている。

 ダッカ市内の中心街に飾られたバングラデッシュ「建国の父」と呼ばれる父親のムジブル・ラーマン初代大統領の銅像もデモ隊によって倒壊された。自力で国民の不満を解決出来ず、父親の栄誉を無にするようなハシナ首相の国民を見捨てた国外脱出である。権力者の自己主張の強い栄枯盛衰像を見せつけたハシナ首相にとっては「落ち目の三度笠」である。混乱した国内の治安をこれからどう立て直し安定させるのか、当面暫定首相として軍トップが舵取りを行い、首席顧問に経済学者でノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が指名された。近年経済が良くなりつつあったバングラデッシュだけに、早く元通りに復活して欲しいものである。

 今日夕方に宮崎県日向灘を震源地とする震度6弱、マグニチュード7.1の大きな地震があった。気象庁は初めて南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」報を発表した。詳しい被害はまだ分かっていないが、しばらく余震の恐れがある。やはり地震大国にとって心配事はキリがない。テレビではパリ・オリンピック中継が、一瞬にして地震情報に変わった。オリンピックのせいで、昨日始まった甲子園の高校野球も例年に比べてやや影が薄い。

2024年8月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6204.2024年8月7日(水) 原爆犠牲者へ無礼で尊大な米駐日大使

 国内の経済界では、このところ株価の大幅な変動に右往左往させられている。今月2日に日経平均株価が2,216円で過去最大の暴落を記録したが、3日後の5日にはそれを更に上回る過去最大の大暴落、4,451円となった。そして昨6日には反転、反発して3,217円の過去最大の上げ幅を示した。この慌ただしいアップダウンに岸田首相以下政府関係者からは、ただ注意深く見守るとのコメントしか出て来ない。とにかく日本の底力を示す経済の指標がこう揺れていては、政財界人もしばらくはじっとしているより手段がないようだ。

 さて、国際的には相変わらずイスラエルに対する中東諸国の反撃が、いつ行われるか注目の的であるが、これが明後日の長崎市への原爆投下による平和記念式典にイスラエルに対する奇妙なわだかまりから、式典に参加、または欠席の国が現れた。広島の平和記念式典ではロシアとベラルーシは、招待されなかったが、イスラエルは招かれた。ところが、長崎の平和式典にはイスラエルもパレスチナ・ガザ地区に空爆を続けているとの理由で長崎市はイスラエルを招待しなかった。イスラエルに肩入れしているイギリスが、これにクレームをつけ、イギリス駐日大使は招待されたが、出席しないと語った。これをどう受け取ったのか、アメリカのエマニュエル駐日大使も出席を見合わせるという。それだけに留まらず、EU諸国もアメリカ同様欠席するようだ。エマニュエル大使の言動には、かねてより傲慢な一面を感じていたが、親イスラエル感情を間違った方向に露骨に吐き出したのだ。よく考えてみるがよい。そもそもこの長崎へ原爆を投下して多くの犠牲者を生んだのは、アメリカで大いなる責任があるということを気にもせず、気に入らないことがあると阿漕な対応をする。原爆後遺症はすべてアメリカに責任があるということをアメリカ自身よく弁えるべきである。大使もアメリカの原爆投下を「戦争終結を早めることになり犠牲者を減らすことが出来た」とアメリカ特異の都合の良い自己弁護の考えの持ち主らしい。

 アメリカの原爆投下の責任については、この世から核兵器が廃絶されるまで、許してはならないと思う。これまでアメリカの言いなりになることによって、いかに日本の政治、外交は歪められてきたのか。原爆を投下された日本が核兵器禁止条約締約国になろうとしないのも、原爆を投下したアメリカに忖度しているからである。日本の保守政治家はもっと原爆投下に至った経緯を考え、こと原爆についてはアメリカ許すまじとの堅い信念を持つべきである。アメリカの駐日大使が、長崎の原爆犠牲者への慰霊の気持ちを蔑ろにするなんてとても許せることではない。

 昨日テレビで初めて知ったことである。最近になって実情が明かされるようになった疑似爆弾をアメリカ軍は、終戦直前に日本に投下していたという事実である。太平洋戦争末期に、日本各地49都市に原爆投下実験とも思える疑似爆弾を投下し、しかも跡形を残さないカボチャ型(パンプキン)の爆弾を投下して400人が亡くなった。3.25mの長さで、4.5トンもあったという。最近になって日本でも漸くその実態が明かされるようになったが、アメリカはこの資料をまったく開示していない。アメリカの悪質な意図が丸見えである。

 これからも日本政府は、アメリカの指示に従うのだろうが、日本にとってマイナスになると思えるような要望には、毅然として反論し、拒否すべきではないだろうか。

2024年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6203.2024年8月6日(火) 広島原爆投下から79年、遠ざかる核廃絶

 79年前の今日、広島に世界で最初の原爆が投下された。今朝広島市内の平和公園で恒例の平和記念式典が行われた。式典には、被爆者や遺族をはじめ、政府から岸田首相ら閣僚、109か国の大使などおよそ5万人が参列した。この1年間に亡くなった5,079人や、死亡が確認された人を合わせて、34万4,306人の原爆死没者名簿が原爆慰霊碑に納められた。原爆が投下された午前8時15分には、参列者全員が黙祷を捧げた。

 最初に松井一實・広島市長が平和宣言を読み上げた。その冒頭で市長は問いかけた。「自国の安全保障のためには核戦力の強化が必要だという考え方をどう思われますか」、「他国より優位に立ち続けるために繰り広げられている軍備拡大競争についてどう思いますか」と。

 被災地の市民を代表する市長と国の指導者である岸田首相、及び日本政府とは、その考え方において大分開きがある。松井市長としては、核兵器廃絶の決意を訴えながら、それに能動的行動を起こそうとしない日本政府に対して強い不満を訴えたのだと思う。これまで核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議は、2回続けて最終文書を採択出来なかった。これは核兵器について各国の考えに大きな隔たりがあるからである。来年3月には、核兵器禁止条約の第3回締約国会議がアメリカで開かれるが、締約国でない日本がせめてオブザーバーとして参加し、核兵器使用に反対の意思表示を行うよう政府に訴えた。同時に、一刻も早く締約国になるよう求めた。

 1989年ベルリンの壁が崩壊して、東西冷戦にストップがかかった。当時ソ連のゴルバチョフ大統領は、平和を訴え、軍備競争を停止し、核兵器を根絶する決意を表明して、アメリカのレーガン大統領と対話を行い、冷戦を終結に導き、米ソ間の戦略核兵器削減条約の締結を実現した。

 そのゴルバチョフ大統領の尊い志を、ウクライナへ侵攻を開始するや、プーチン大統領はいとも簡単に投げ捨て、ウクライナ軍がロシアに侵入したら躊躇なく、核兵器を使用すると恐喝的に公言した。これにより再び核兵器使用の危険が持ち上がった。ロシアはウクライナ侵攻以来、式典には当然ながら招待されていない。

 松井市長に次いで、挨拶に立った岸田首相は、「現実的、かつ実践的な取り組みを進め、核軍縮に向けた国際社会の機運を高めるべく国際社会を主導していく」と抽象的ながら国際社会で核兵器削減運動を積極的に行っていくと述べたが、その反面核兵器禁止条約には触れることがなかった。いつもきれいごとを言いつつ、スピーチの内容は核兵器削減については、相も変わらず後ろ向きであることが分かる。

 平和記念式典終了後、岸田首相は被爆者団体7人の代表者と面会した。被爆者団体が「核兵器をなくそうと訴え続けてきた政府が、核兵器禁止条約に背を向けている状況下で、被爆者は海外に出かけて活動することに気後れし、恥ずかしい思いをしている」と訴えた。更に来年3月に開かれる核兵器禁止条約の第3回締約国会議に日本がオブザーバーとして参加するよう要請した。これに対して首相は、「核実験や核兵器に使う物質そのものを禁止する具体的な取り組みを、核兵器国を巻き込みながら進めることが日本の約割だ」と述べ、オブザーバー参加についてすら何ら言及しなかった。

 日本がアメリカの傘の下にいる限り、日本政府としてはアメリカの意向に従って行動するだけで、日本政府独自の反核兵器廃絶の考えを述べることはないだろう。しかし、これでは、原爆犠牲者はいつまで経っても浮かばれないだろう。

2024年8月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6202.2024年8月5日(月) 過去最大の株式大暴落!

 パリ・オリンピックは、今やたけなわである。連日テレビ放映が華やかであるが、メディアのあまりにも五輪の過度な取材と報告には、一部には批判も出ている。今日も社会学者の上野千鶴子氏が、ネット上に五輪ばかりの報道にはうんざりで、アスリートに国を背負って欲しくないと少々行き過ぎた批判までしている。特に私を含めてゴルフに興味がないファンにとっては、昨晩のゴールデンアワーを2時間以上に亘ってNHKとTBSが、同じ画像のビデオを流し、今日もまた午後にTBSで同じ画像を放映していたのは、何を考えていたのか分からない。松山英樹選手が日本人選手として五輪史上初めてメダルを獲ったことが嬉しいのは分からないでもないが、一般の視聴者にはやや迷惑で、ゴルフ好きのディレクターらの独りよがりな考えが些か表に出過ぎたと思う。

 一方で、とかく話題になった開会式についても評判は功罪相半ばしている。フランスらしく伝統を巧みに取り入れた洒落た文化的な演出を称賛する声がある反面、カトリック教会からは宗教的信念をあざ笑うかのような表現はあってはならないとの声まで上がっている。セーヌ河畔で演出されたショーが、キリストと弟子を描いたレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」の構図に似ていることから、キリスト教を揶揄していると批判が出ている。ローマ教皇庁は、全世界が共通の価値観の下に集う名誉あるイベントで、多くの人の宗教的信念を嘲笑するような表現はあってはならないと指摘している。これに対して開会式の芸術監督を務めた演出家は、「最後の晩餐」から着想を得たことを否定した。フランス以外の国のカトリック関係者からも一部の演出に抗議が出されている。

 この他に物議を醸した催しは、私自身もチラッと見てちょっと行き過ぎではないかと疑念を抱いた、マリー・アントワネットが収監されていた豪華なコンシェルジュリーを利用した派手なショーだった。コンシェルジュリーは、セーヌの川下りではすぐ傍を通り、その際ガイドがマリー・アントワネットについて語るのが決まりである。開会式では、この収容所のビルのほとんどのベランダに首のない女性が、手に首を持って船に向かって手を振っているグロテスクなシーンがあった。如何に史実に則ったとは言え、少々悪趣味な演出ではないかと思った。

 そこへ大会前からセーヌ川の水質汚染で、トライアスロンが一時延期になるなど揉めていたが、実際にベルギー女子選手が体調不良になったとベルギー・オリンピック委員会から報告があった。他にもスイスやノルウェーの選手が競技終了後に体調不良に陥った。これとて普段から水質汚染が懸念されて遊泳禁止とされていたセーヌ川を五輪のために浄化して一応開催見通しは立ったが、やはり落ちこぼれがあった。五輪後には、部分的に遊泳解除にするというが、大丈夫だろうか。

 他にも、怪しい審判が目立ったという各競技団体からの声も多い。柔道なんて「礼に始まり礼に終わる」と言われるくらい作法や、エチケットに煩いスポーツで、礼を失するような動作を随分観た。このまま放っておくと、いずれ柔道もボクシングか、プロレスのような中途半端な礼をする柔道固有の礼儀が伴わない乱暴な試合が多くなるのではないかと心配である。

 さて、今夕になって東京証券取引所から衝撃的なニュースが入った。いつも通りの株式市況が伝えられたが、一昨日の本ブログに取り上げたように、一昨日日経平均株価が過去2番目の大幅な暴落を引き起こしたが、今日それを更に上回る大暴落があった。僅か今日1日の取引時間内に日経平均株価が、先週の終値35,909円から31,458円にまで下がってしまったのである。一昨日は2,216円の下落だったが、今日はその約2倍に当たる4,451円の大暴落で、世界的に株価が大暴落した「ブラックマンデー」の翌日、1987年10月20日に記録した3,836円安を大幅に上回り、過去最大の下落となった。

 これはアメリカの景気が落ち込み、その警戒感からアメリカ市場の株価が大幅に下落したことが大きいが、同時にそれが円市場にも影響し、更に1㌦=142円台の円高水準がなお進行していることが大きく左右しているようだ。それにしても1日で日経平均株価が4千5百円近くも値下がることなんて想像も出来なかった。

 注目していた鈴木俊一財務相の発言だったが、いつも通り市場の動きを注意深く見守っていきたいだそうだ。責任者として、もう少し具体的に喋れないのか。毎度同じような発言は、もういい加減にしてくれ。

2024年8月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6201.2024年8月4日(日) 今世界を騒がせている3つの話題

 最近特に世界の注目を集めているニュースに、イスラエルによるハニヤ「ハマス」最高幹部の暗殺、ウクライナ戦争、そしてアメリカ大統領選の行方がある。中でも最も世界を驚かせ、アラブ諸国を憤慨させているのは、ハニヤ氏の殺害である。イランの新大統領宣誓式に出席のため、テヘラン滞在中にミサイル、または時限爆弾装置により殺害された。イランとしては賓客を殺害されるという不名誉な事件であり、明らかにイスラエルによるハマス、その他のイスラム組織、そしてイランへの事前攻撃と捉え、イランの指導者ハメネイ師は、直ちにイスラエルへの報復を辞さないと公言し、「ハマス」指導者カレード・カッドミ氏は、「戦争がレバノン、シリア、イラク、イエ―メンで起きている。イスラエルに対してイランも戦争状態に入った」と述べた。今のままだと、イスラエルを取り巻く報復合戦はこのまま当分収束しそうもない。

 流石にグテーレス国連事務総長も声明で「ガザ地区での停戦や、人質の解放などに向けた努力が必要な今、目の当たりにした攻撃で危険は増している」と事態の悪化を懸念した。その一方で、イスラエルの支援国アメリカは、「事態の激化が避けられないとは考えていない。差し迫っているという兆候もないが、注意深く見ている」とあまり深刻には受け止めていないようだ。そのうえ昨日オースティン国防長官は、中東地域に弾道ミサイルの防衛能力を備えた駆逐艦と巡洋艦の派遣を命じたと発表した。アメリカはあくまでイスラエルを支援しようとまた行動を起こしたのだ。イスラエルは、アメリカの支援を背にあくまでもイランをはじめとする中東諸国と正面から戦争をしようというのだろうか。

 それにしてもどうしてイスラエルはこれほど好戦的なのだろうか。レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラ、イエーメンの親イラン武装組織フーシ派も黙ってはいないだろう。

 一方、ウクライナでは、長引く戦争に多くの犠牲者を生んでいる。父や夫が戦争に招集され、一向に帰ってくる希望がなく、初めて残された家族や遺族が戦争の終結を求めたデモを行った。これまでウクライナではこのような反戦的な行動が行われたことはなかった。危険な戦争が当てもなく続けられて、軍隊に招集された家族が帰る希望もなく、国民も疲れ果ててしまったのだ。これは伝えられてはいないが、ロシア国内とて同じだろう。どうしていつまでも戦争を止めることが出来ないのだろうか。

 また、最近アメリカ大統領選で民主党候補者として活動し続けているハリス副大統領への支持が高まっているが、民主党全議員の過半数の票を獲得し、民主党の候補者になることが確認出来たと民主党全国委員会のハリソン委員長が明らかにして、正式に民主党候補者に指名されることが確定した。もしハリス副大統領が大統領に選出されれば、初めての黒人女性、またアジア系の大統領となる。ハリス氏への支持はじわじわと増え続け、今ではトランプ氏と相半ばしている。我々外部の人間としても、人間的に欠点だらけで人間性を信用出来ず、他人を中傷ばかりするトランプ氏などに次のアメリカ大統領になって欲しくない。ハリス氏がこのまま支持を伸ばし、11月5日の選挙でトランプ氏を撃破してくれることを強く望んでいる。

2024年8月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6200.2024年8月3日(土) 円安から円高へ、株高から株安へ

 昨日の株価の暴落には驚いた。歴代2番目の下落幅である前日比2,216円は、市場のみならず、一般投資家に大きなショックを与えている。昨年10月には、日経平均株価は3万円を僅かに超えた程度だったが、それが先月11日には42,224円にまで値上がりしていた。その天国からあっという間に地獄へ突き落され、昨日の終値は35,909円にまで下がって、この1か月足らずの間に6千円以上も値下がりしてしまった。

 株の下落は、これまで植田・日銀総裁が金融緩和策に拘り、円安がいくら進行しようにも市場を注視すると言うばかりだったが、先月31日に総裁が政策金利を0.25%に引き上げることを発表し、円高が急激に進行したことと相関関係にある。昨年後半から徐々に進んだ円安に日本はエネルギー資源を輸入に頼るせいで、輸出で稼ぐ一面はありながらも国内経済は厳しい対応を迫られていた。円安の原因として挙げられたのは、アメリカの高金利に対して日本の低金利で、円安解決のためには、いつ日本が金利を引き上げるか、アメリカが引き下げるかという論点に焦点が当てられていた。そこへ植田総裁の金利引き上げの談話が敏感に市場に反映し、円高が急速に進んだ。今年1月には141円だったドルが、半年程度で161円にまで上がり続けていたが、一転して円高となり、昨日は1㌦=146円台となった。

 アメリカでも金利を下げるような連邦準備制度理事会(FRB)関係者の含みのある発言もある。問題は、国内で金利を上げることになれば、一般的には、金利が引き上げられ、企業や個人は資金を借り難くなり、経済活動が抑制され景気の過熱が抑えられることになる。家計にとって一番堪えるのが、住宅ローンの変動型金利である。長期の住宅ローンで住宅を購入した人の支払額に金利分が追加上乗せされることになる。これに伴って消費者物価に押し下げの圧力が働き、物価は安くなると言える。

 現実に如何なる影響が表れるかは、しばらく経過を見る必要があるが、いつも物価の動向を注意深く見守っていきたいと語って、一向に具体的な手段を講じなかった鈴木俊一財務相の発言を聞きたいところだが、こういう場面になると表に出て来ない。責任ある立場にいながら一向に責任を果たそうとしない困った御仁である。いずれにせよ鈴木財務相の発言を当てにせず、これからの金利引き上げの影響を注意深く見守っていきたい。

 さて、今日は朝から曇天模様だったが、昼ごろから晴れ間が広がり気象庁と環境省は、熱中症の危険が高まるとして、東北から沖縄にかけて37都府県に「熱中症警戒アラート」を発表している。

 気象庁によれば、今年の7月の平均気温は26.22℃で7月として日本の観測史上最も高かったという。昨年も25.96℃で史上最高だったが、2年続けて観測史上最高ということは、この猛暑が一時的なものではなく、今や地球上のみならず、日本列島にも根付いたものだと考えざるを得ない。これまで127年で日本の気温は1.6℃ほど上がったそうである。このまま行ったら10年後、20年後には危険な暑さを通り越して、「外出は死」の標語も生まれそうな時代になるのではないか。

2024年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6199.2024年8月2日(金) 男女共学化反対の本音とこだわり

 静かなる波紋である。今教育界で人格形成から男女共同参画社会構想が進められている一方で、それに反する制度が今も残されている自治体がある。公立高校の男女別学制度である。独自の教育理念のある私立校は別にして、公立校の3年間を在校生が男女どちらかだけにしか認めないということは男女共同の理念に反するとして、近年男女共学化の傾向にある。今から60年前の1964年度は、全国の全公立高校のうち、男女別学の高校は13%もあったが、昨年度には全体の僅か1%にまで減少した。30年前には男女別学の高校が約20校あった福島県などは、県の有識者会議で「男女共同社会が進行するなか、共学化を逐次進めていく必要がある」と答申し、昨年度までにすべて共学化されたという。

 現在全国の公立高校の別学は、42校にまで減ったが、歴史と伝統という名の下に共学に踏み切れない自治体、高校があり、それは関東地方と西日本、九州地方に固まっている。中でも6校も別学がある群馬県と埼玉県が際立っている。

 特に埼玉県では、県立高校137校のうち、男子校が5校、女子校が7校もあり、その別学への拘りは教育委員会や学校側ではなく、保護者やOB・OGらが、多くの人材を育成している別学には素晴らしい校風や伝統があると強く訴え、むしろ共学化は生徒の選択肢を奪うと主張して別学化継続を要望している。過去に度々共学化への要望が県教委などへ寄せられていたが、近年埼玉県で再び大きな問題となっている。その経緯として、一昨年弁護士らで構成する県の第三者機関「埼玉県男女共同参画苦情処理委員会」に、県民から県立の男子校が女子の入学を拒んでいるのは不適切との苦情が寄せられ、同委員会は昨年早期に共学化すべきと県教育委員会に勧告した。02年にも同じような要望が寄せられた経緯がある。埼玉県教育委員会は今月中に報告書を公表するが、どんな結論になるだろうか、強い関心がある。埼玉県には昔名門の旧制高校があった伝統から、今もその郷愁が強いのではないかと推察する。

 因みに男子校の県立浦和高校と深い交流のある我が母校・神奈川県立湘南高校は、戦前は男子校で海軍士官養成学校とも言われたほど多くの卒業生が海軍兵学校へ進学していたが、1950年男女共学制となった。私が入学した1954年は、同学年生401人のうち、女生徒は僅か27人しかいなかったが、今ではむしろ男子より女生徒の方が多いくらい男女共学化が進んだ。埼玉県教育界にもそれぞれ学校、及び地域なりの事情があるとは思うが、長い伝統を誇る浦和高、浦和第一女子高、春日部高、川越女子高など共学化に反対の4校の同窓会長らは、公立校の別学も一つの選択肢として考えられるべきで、女子校の方が女子のリーダーを育てやすいと言う理由で共学に異を唱え、別学の維持を訴えているようだ。

 難しい問題ではあるが、共学反対を唱えている高校には、やや鳥瞰的に見る視点が欠けているように思える。男女共学の方が、長期的に見て教育面でプラスに作用すると思う。埼玉県教育委員会は、今月末までに一応の結論を出すことを求められているが、果たしていかなる決着をつけるだろうか。

2024年8月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com