5941.2023年11月27日(月) 就職志向により先行きの景気が読める。

 今日の朝刊に就職情報会社が2面に跨る全面広告を掲載していた。就職活動中の大学3年生が、実際に社会人となる2025年3月卒業時の彼らの人気企業ランキングを紹介したものである。

 特徴的なのは、一番人気は6年連続伊藤忠商事で、今世紀に入ってこれほど長く大学生の就職希望でトップの座を占めたのは、初めてだそうだ。そして、私が注目したのは出版会社が、2位講談社、3位集英社、7位KADOKAWA、9位小学館、の4社もベスト10入りしたことである。

 近年メディアの中でも新聞業界と出版業界は業績に低落傾向が目立っていただけに、意外な感を抱くとともに些か驚いている。一種の知的産業とも言われるこれらの業界へフレッシュな俊秀が入社すれば、近未来にこれらの業界を底上げしてくれ、それは社会的にもインテリジェンス機運の高揚に繋がると思う。

 その他に気付いたのは、コロナ渦が一段落して、人々が外へ出る機会が増えたのか、JTB、ANA、JALなどの観光関連企業が順位を上げたことである。その一方で、同じ観光業と関連性があり安定した経営の大手鉄道会社が、前年の57位から77位に下がったJR東日本が顔をのぞかせている程度にまで下がったこと以外、どの鉄道会社も100社以内に顔を出していない。かつては安定企業として上位に君臨していたメガバンクや、生保などの保険会社の人気も低迷している。

 それにしても大学生の企業志向によってある程度景気の先行きが読み取れるのは、興味深いことだと思う。

 さて、人口が減少し、地方の過疎化による交通手段が懸念されている。先月から「改正地域公共交通活性化再生法」という長たらしい名の法律が施行されることになった。地域の足をどう確保すればよいのか。赤字ローカル線をどう再編すればよいのか、鉄道事業者と沿線自治体を国が後押しする制度である。一応3年以内を目途に、鉄道の存続やバスへの転換に向けた方策をまとめる予定である。鉄道の存続にしろ、バスへの転換にしろ、かなりの出費が予想されることを考え、国が費用の半額を補助する計画である。

 東京のような大都会に住んでいると気が付かず、つい見逃しがちであるが、地方都市にとって鉄道路線廃止は生命線であり死活問題でもある。最大の難題は、経費を償う収支改善である。地方の鉄道は乗客が減るばかりで、鉄橋、トンネル、線路などの維持、修繕などに掛かる多額の経費も負担になり、経営上の視点からつい赤字路線の廃止に考えが向かいがちである。自治体からは定時運転と大量輸送が出来る鉄道を出来ればそのまま維持したいとの声が強い。地方の鉄道、例えば、JR西日本の広島、岡山を通る芸備線の一部について、JR側は廃線を視野に入れているが、自治体は存続を望んでおり、両者間の調整をまとめるのも大変である。

 現在自治体と鉄道事業者の間で、解決策が検討されている。確実な輸送が出来る交通機関としては、鉄道ほど利便性の高いものはない。通勤、通学に欠かせず、車を運転出来ない高齢者の足でもある。それだけに利用者、及び自治体にとっては代替手段に頭を痛めることになるが、鉄道から路線バスに替えても利用者にとって使い難いということであれば、それほどメリットはない。そこで費用を自治体が負担することによって鉄道を維持するか、或いは全面的にバスに切り替えるか、各地で検討中である。

 10年以上も前のことである。ある時九州の地方都市をぶらついていた時に、日中ひとりで空いたJRに乗ってのんびり巡って珍しく、且つ穏やかな光景に心打たれたことがある。その時感じたのは、ブームになりつつあったインバウンドをうまく地方の列車の旅に利用すれば、外国人旅行者にとって、バスでは見られない日本の穏やかな地方風景をゆっくり堪能し、日本の良さも分かってもらえる。そんな印象に残るような旅行を企画出来るのではないかと思った。インバウンドにとっては、新しい旅行計画の利用に、鉄道事業にとっては利用者増加に、こういう苦難の時でもあり、ぜひインバウンドと地方鉄道のコラボを活用してみてはどうだろうか。

2023年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5940.2023年11月26日(日) 充実したゼミと仲間のお陰で楽しいコンサート

 半年ぶりに浅草公会堂へ大学ゼミの有志仲間が集まった。今日は、格別寒いとの予報が出ていたが、実際朝から小雨交じりの雨模様で肌寒かった。東京の最高気温が、今季最低の5.5℃だった。これなら浅草界隈も人出が少ないだろうと楽観していたところ、いつもと変わらず浅草界隈は観光客でどこもかしこも人が溢れていた。特に、コロナ前と同じように外国人観光客の姿を数多く見た。

 浅草公会堂へは、ゼミ仲間のひとりがアマチュア・オーケストラでチェロを担当し、今日は半年に1度の定期公演会が開催されるので、出かけたわけである。いつもと同じように聴衆は、楽団員の知り合いが多いようだが、熱心に聞き入っていた。今日期待していたのは、演奏される曲目が私の大好きなチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番で、あの出だしが何とも言えず感動的である。大学受験浪人中だった当時、チャイコフスキー国際コンクールで、当時23歳だったアメリカ人ピアニストのヴァン・クライバーンが優勝して衝撃的なデビューを飾った名曲である。それを初めてラジオか、テレビで聴いて感動し、すぐにLPレコードを買い求めた。爾来この曲がすっかりお気に召して、実家でよく聴いていたものである。

 今日は、その名曲をピアニスト脇岡洋平氏が力強く演奏し、オーケストラと見事に合奏してくれた。藝大出の著名なピアニストとの合奏だけに、オーケストラの楽団員も大分緊張を強いられたようだ。もうひとつの演奏曲は、同じチャイコフスキーの交響曲第4番だった。聴いていて自然と胸に入り込んでくる名曲だったが、初めて聴いた知らない曲だった。

 終演後、予定のある友人は帰ったが、残った9人で会食をして楽しいひとときを過ごすことが出来た。大学を卒業して60年が経過したが、ゼミで学んでいた仲間とは今も時折会って、本音を曝け出し心置きなく話が出来るというのは、幸せなことだと思っている。今では皆それぞれ仕事からは退き、後期高齢者として自由な生活を送っている。

 在学中、サブ・ゼミの講師をしてもらった大学院生の親しかった先輩が、去る8月に亡くなったことが悲しいニュースだった。今日は食事の前に全員でほんの30秒程度だったが、黙とうを捧げて、世話になった先輩を偲んだ。

 大学では、私は個人的には山岳クラブに属していたが、ゼミでは社会政策を学び、良き恩師に恵まれ、勉学でも部活動においても充実した大学生活を送ることが出来た。ゼミの合宿では猪苗代湖で勉学の一方、湖周辺をハイキングして思いっきり楽しんだことも懐かしい思い出である。その流れというのが、今日のコンサートであり、その後の楽しい会食だったと思っている。その意味でも、誰にも負けないほど有益で充実した学生時代を送ることが出来たと自信を持って言える。それもゼミで良き師、良き先輩、良き友人に恵まれたお陰である。次回は来年の七夕の日である。楽しみに待ちたいと思う。

2023年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5939.2023年11月25日(土) 日本一の高層ビル「麻布台ヒルズ」オープン

 昨日日本一高いビル(330m)と言われる「麻布台ヒルズ」が公開された。まだ未公開の付属施設や、ビルがあり、グランド・オープンというわけではないようだ。いずれ他の付属施設は今後順次公開されることだろう。都市ビルとしてはかなり緑地スペースを取り、屋上部には庭園など緑の部分が多く、広場には果樹園などもあり、環境への配慮が覗える新鮮さが売り物のひとつでもある。敷地面積8㌶超で、その3割が緑地スペースだという。昨日オープンしたメイン・ビルは、主にオフィスや、商業施設、最上部13階層に高級マンションが入るが、店舗も150店が入居する。隣接される2つのレジデンス棟には、主に高級マンションが予定されている。年間3千万人が利用する予定だというから、かなり期待の高い皮算用だと思う。

 思い出すのは、今から十数年以上も前だったと思うが、隣の六本木ヒルズ最上階の宴会場で開催した母校・湘南高校OB東京有志会で、当時森ビル社長だった森稔先輩が、この下の道路を含む土地を総合開発する計画を進めつつあると話されたことが強く印象に残っている。森社長は完成を見ることなく、亡くなられたが、それが今このような立派なプロジェクトとして立ち上げられたことを感慨深く感じる。

 昨日は店舗や、屋上部の庭園には家族連れも多く訪れていたようだが、ここの5,6階には毎年人間ドックを受診している慶應病院予防医療センターが、信濃町から移転して来た。来年8月以降の人間ドック検査は、これまでの信濃町の慶應病院ではなく、ここで受診することになる。その際じっくり見学してみたいと思っている。

 さて、パレスチナで今対立の焦点である一時休戦と人質解放問題について、昨日午前7時(日本時間午後2時)から4日間の予定で戦闘が休止された。気がかりなのは、イスラエル軍が常々公言している短い一時休戦である。イスラエル軍は、休戦の直前にガザ地区の住民に向けて声明を出し、「戦争はまだ終わっていない。人道目的での戦闘休戦はあくまで一時的だ」と強調した。そのうえで、報道官が、「ガザ地区北部の制圧は長い戦争のうちの第1段階で、我々は次の段階に備えている。今後は次の段階に向けて計画と準備に集中する」と述べた少々攻撃的な発言が気になっている。

 一方のハマスの旅団報道官は、長期戦に向けてあらゆる準備が出来ており、徹底抗戦を続けるとイスラエルをけん制した。それに対してイスラエル国防相は、「これは短い休止に過ぎない。その後は激しい戦闘が続き、人質解放のためハマスへ圧力をかけることになる。戦闘は少なくとも2か月は続くだろう」と心底から休戦を望んでいるような気持ちは見られない。イスラエルのユダヤ教徒とイスラム教徒パレスチナ人が、止むことなく憎しみ合っている現状では、この諍いは半永久的に止むことはないのではないかと懸念している。これからも多くの犠牲者を生むことになる。両国上層部の過激で攻撃的な公言では、今回の一時戦闘休止も国際世論への単なる配慮であり、根本的な戦闘休止とはならず、例え今後も一時的な休戦はあったとしても、これからも戦争状態は止むことなく、悲劇はいつまでも続くことだろう。パレスチナとイスラエルの国民ばかりでなく、人類全体にとっても憂うべき状況である。

2023年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5938.2023年11月24日(金) 政治家への献金の不条理と韓国従軍慰安婦訴訟

 どうも不透明ですっきりしない事象がある。

 ひとつは、国会議員の政党支部の政治資金である。2021年の政治資金収支報告書の調査で分かったことであるが、国会議員が代表を務める政党支部が、企業や団体から献金を受けるケースの中に怪しい処理があることである。正に癒着を防止するために改正政治資金規正法により禁止されている政治家個人への献金の一歩手前である。政党支部への献金を政治家への寄付に振り替える抜け穴的な資金の流れを行っている政治家が大分いるようだ。

 そして、驚くことは、約700人の国会議員の中で、430人の議員が代表を務める政党支部が、1万2千の企業や団体から約34億円もの多額の献金を受けていたという。その内自民党政党支部が、約31億2千万円で他の野党に比べて圧倒的に多い。献金を受けた自民党政党支部を覗いてみても、上位には1位麻生太郎副総裁、2位田村憲久元厚労相、3位伊東良孝衆院議員、4位茂木敏充幹事長、5位萩生田光一政調会長のように、ほとんど自民党有力者の顔ぶれが揃っている。これについて、政治に詳しい岩井奉信・日大名誉教授は、「企業や団体も政治参画の権利は当然ある。ただ、政党支部のほとんどは議員個人の団体の性格が強く、献金は議員が見返りに便宜供与する疑念につながる」として、節穴だらけの現法を改正すべきだと主張している。現在のルールはずる賢い政治家に都合よく利用されかねない。国会議員は国民のために活動するより、自分の私服を肥やすために活動しているとはよく言われる。この政党支部への献金などは、まさにその典型だと思う。

 さて、もうひとつ気になった案件は、一向に終止符が打たれない旧日本軍の従軍慰安婦問題と元徴用工の損害賠償問題である。日韓請求権協定を韓国は日本と合意したことにより、いずれも解決したとされていた。だが、実際にはその趣旨が生かされていない。昨日ソウル高裁が下した元慰安婦への賠償金の支払いを日本政府に求めた判決には、元徴用工の問題同様に日本政府は遺憾の意を表明した。長い歴史的な裁判であるが、釈然としないのは、ひとつは日本政府が1965年に当時の韓国政府と結んだ「日韓請求権協定」により、日本政府は当時の韓国の国家予算に匹敵するほどの無償供与3億㌦の他に、有償供与として2億㌦を提供し、前記の通り日韓間の財産・請求権、及び慰安婦問題は完全、且つ最終的に解決とされた。

 それが韓国側から無視され、剰えソウル高裁判決では、「国家には他国の裁判権が及ばない」とする国際法上の「主権免除」を配慮せずに、日本政府に対して損害賠償すべきとの判決を下したのである。当然日本は高裁判決を受け入れる筈もなく、これでは事態は一向に前へ進まない。現在96歳になった元従軍慰安婦のひとりは、韓国流の逆転勝訴に喜びを表した。だが、事態は彼女の求める方向には進まないだろう。現状では、これ以上解決の光は見えない。日韓請求権協定は韓国政府が国家の責任の下に受け入れたものであり、この先は韓国政府が韓国国民に対して元慰安婦や、或いは元徴用工を納得させるよう努めるべきであると思う。

2023年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5937.2023年11月23日(木) ジャズ・ライブショーを楽しむ。

 今日は妹の次男坊のジャズ・ライブショーを鎌倉のジャズ・クラブへ鑑賞に行った。これまで銀座、原宿、渋谷、横浜、鎌倉で何度か鑑賞している。彼の母親である妹も鑑賞に来る予定だったが、今朝メールでコロナに感染したので、来られないと連絡があった。コロナ感染者が漸く減少しつつある中で、よりによって身内がこの期に及んで感染するとは、コロナも意地悪だ。

 甥は大学で美術を学んでいながら、どういう経緯かまったく別の道である音楽関係へ進んだ。ピアノ、ベースを主に演奏し、今ではバンドのリーダーを務めながら作曲もしている。クインテッド演奏の合間に挟むトークもジョークを交え中々ユーモアに富んで場を和ませる。彼の新曲、そしてよく知られた曲をアレンジしつつ、♪ライムライト♪とか、♪サマータイム♪、♪枯葉♪、♪上を向いて歩こう♪などを演奏した。中々良い雰囲気の中で充分楽しむことが出来た。プロとして超一流になるには、もっと多くの試練を積み重ねて鍛えられないと成功とまでは言えないと思うが、前向きにやっているところが好いと思っている。

 今日は「勤労感謝の日」で祭日であり、東京に近い観光地・鎌倉は、やはりかなりの人出だった。ここ鎌倉も以前オーバーツーリズムに困惑しているとの報道があったが、確かに駅前から鶴岡八幡宮へ向かう若宮大路に並行した狭い商店街・小町通は、押し合いへし合いの人混みだった。鎌倉は久しぶりだったが、高校時代から度々訪れていたので、何となく懐かしい。

 さて、今以てこれという目に見える解決策が見えない日大アメフト部の大麻事件に纏わる日大は、その対応の悪さが指摘され、文部科学省から今月中に学内の管理状態など具体的な改善計画を報告するよう求められている。そこで昨日日大内で臨時理事会が開かれ、理事長、学長、スポーツ担当副学長の3人を、一時的に理事会から締め出して議論が行われた。残る理事らで人事などを話し合い、責任の所在について議論したが、結論には至らなかったようである。ただ、理事会の意見として、今回の事件の一連の責任を取って酒井健夫学長と沢田康弘・スポーツ担当副学長の辞任と、林真理子理事長の減給50%の処分を決めたようだ。結局理事会の責任については、結論には至らなかった。これが今の日大のガバナンスが機能不全に陥っている現状であるのかも知れない。今月末までには、日大は文部科学省に対して、問題の再発防止策を示すよう求められているが、日大のもたもたした現状から推して、果たしてそれが出来るのか懸念される。

 国際問題では、パレスチナ自治区でイスラエルとハマスが4日間戦闘を休止することに合意した。実際にそうなるかどうかは何とも言えない。ただ、その休止の条件としてハマスは、イスラエル人人質50人を解放することであり、イスラエル側としてはパレスチナ人受刑者150人を解放する。漸くまとまった休戦であるが、4日という短期間で再び戦闘が始まるようでは、対立の解決とはならない。先の見えないイスラエルとパレスチナの対立である。

 もうひとつ人騒がせな事件は、北朝鮮が一昨日夜軍事偵察衛星を打ち上げたことである。愚かな独裁者である金正恩・朝鮮労働党総書記の国連決議違反行為である。今後もこの無謀なロケット発射がエスカレートするに違いない。北朝鮮を支援する中国とロシアが、この危険な動きを制止しようとの行動を示さないことが、北朝鮮に違法なアクセルを踏ませているのだ。中国とロシアにも大いなる責任がある。

2023年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5936.2023年11月22日(水) 理不尽な明治神宮外苑再開発計画

 東京都内や国内、のみならず海外からも再検討するよう求められている明治神宮外苑地区の再開発計画に対して、昨日ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)の日本支部は、事業者や東京都に対して強い抗議を行った。イコモスは文化遺産が危機に陥っているとして事業者に計画撤回を求め、更に東京都に対して環境アセスメントの再審査を求め、先月10日までに回答するよう求めていたが、なしの礫だったことに、改めて強く回答を求めたものである。

 事業者と東京都はこれまで反対や、異見に対して誠実に対応して来なかった。イコモスの要求に対しても誠実で常識的な対応をしていない。イコモスは当計画に対してこれまで10件以上の提言をしてきたが、事業者側はほとんど取り合って来なかった。卑しくも国連の一つの権威ある機関がルールに則って質問したことに対して、無視するかの如く知らんぷりをするのはあまりにも尊大ではないかと思考する。

 イコモスは、環境アセスメントの審議に際しても、事業者のまとめた報告書の内容を問題視して、関連の東京都の審議会に出席し問題点を説明することを求めたが、東京都は拒否した。

 この傲慢な事業者側の言動に対して10月に国会内で開かれた再開発に反対する国会議員や都議の会合に出席した、亀井静香・元自民党政調会長は、「外苑は国民の寄進により出来た。明治神宮の一存で再開発することは許されない」と述べたうえで、神宮には明治天皇が祀られている。そこを見下ろすような超高層ビルなどが建設される開発などは行うべきではないとも話した。

 亀井氏の言うこともよく分かる。外苑は大正時代に明治天皇と昭憲皇太后の遺徳を偲び、神社のある内苑とともに造営された。内苑は国の事業費によって賄われたのに対して、外苑は主に国民からの寄付や勤労奉仕によって造営された。それらの点を考慮すれば、地主である明治神宮の希望であるとか、造営に国民の声を無視するような言動は、とても受け入れられるものではない。

 3月に亡くなったミュージシャンの坂本龍一氏は、亡くなる直前までこの計画の見直しを訴えていた。この他にも特に細野晴臣氏ら音楽家の中には、反対意見を述べている人が大勢いる。8月には、周辺住民らが再開発計画の手続きが違法であるとして、東京都に工事認可の取り消しを求め東京地裁に提訴している。

 そもそもその再開発計画には、建築家らも環境破壊をもたらすと指摘している。三井不動産など三井グループが推進する再開発プロジェクトでは、老朽化した神宮球場などを解体して建て替え、近くに商業施設が入る高層ビル2棟を建設する計画である。しかし、神宮球場を秩父宮ラグビー場と土地を交代させるようだが、そこまでやる必要があるのだろうか。ラグビー場がリニューアルされたのは、昭和51年でそれほど古くはない。建て替えるまでもない。神宮球場だって第二球場を使用しながら交互に再建すれば、済むことではないか。また、高層ビルを神宮近くに建設するのは、お金目当てとしか思えない。無駄な投資をして、明治天皇の権威を蔑ろにし、緑の景観を台無しにするような計画に、小池都知事が賛意を示したことが理解出来ない。所詮東京都民ではなかった、学歴や成績詐称で顰蹙を買ったこともある、上から目線の知事のやることには、愛想が尽きる。

 神宮外苑の再開発計画には、一都民としてその計画自体と都知事を始めとする関係者の対応がどうしても納得出来ない。

 さて、60年前の今日アメリカのケネディ大統領が銃弾に撃たれ、亡くなった。当時見習い駅員として働いていたが、そのニュースはあまりにも衝撃的だった。早いものであれからもう60年も経った。正に「光陰流水のごとし」である。

2023年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5935.2023年11月21日(火) 大学運動部勢力図の変容と功罪

 政治の世界と同じようにウィンタースポーツの華・ラグビー界でも栄枯盛衰が激しい。今年9月にフランスで開催されたラグビー・ワールドカップでは、残念ながら日本代表チームは、今一つ力及ばず、2大会連続での決勝トーナメント進出は成らなかった。それでも一昨日行われた2024年パリ・オリンピック出場を賭けた7人制ラグビー・アジア予選決勝で日本代表チームは男女ともに勝ち五輪出場を決めた。今はラグビー・シーズンたけなわで、明後23日には大学ラグビー伝統の早慶戦が行われる。その伝統ある大学も近年社会人チームには歯が立たなくなった。

 そして大学ラグビー界の勢力地図の変わりようにも興味をそそられる。以前は伝統校である早慶明が圧倒していた大学ラグビー界も、新興の大学が外国人留学生を迎え入れるなどの強化策を講じて、今では勢力地図も大分変って来た。大学勢では、近年帝京大が断トツの力を示すようになり、これまで59回の大学選手権の内、15回優勝の早大に次ぎ、明大が11回であるが、成長著しい帝京大は最近15年の間に9連覇を成し遂げ、優勝回数も明大と同じ11回を誇っている。

 実は、関西ラグビー界でも異変が起きている。関西の雄だった同志社大の凋落ぶりが甚だしい。かつては平尾、大八木ら往年のスター選手を輩出して3連覇を含む4度の優勝を勝ち取った同大が、今年は関西大学リーグで初めて最下位に落ちたのには、昔日の感がある。近日2部リーグ優勝校と屈辱の入れ替え戦に臨む。

 「栄枯盛衰は世の習い」とは言え、あまりの変容に些か驚いている。

 それにしても強かった同志社大に対して母校慶応が10-6で敗れた1977年の大学選手権決勝戦は、今以て忘れられない。後半慶応が中央を抜けゴールポスト直下にトライして逆転と思った直後に、慶応にスローフォワードがあったと判定され、トライの認定は成らず、試合はそのまま同大の勝利に終わったことである。あれが果たしてスローフォワードだったか、どうかについては、今のようにビデオで確認することは出来なかったが、ラグビーファンの間では、今も疑問として残っている。

 その同志社大がアメフト部で不祥事があった。昨年5月、部員4人が女性に対して犯した性的暴行事件に、今日京都地裁で厳しい判決が言い渡された。4人に揃って3年6か月の懲役という過酷な実刑判決である。被告人弁護団は、社会で立ち直る機会を与えられるべきとして執行猶予を求めたが、あまりにも悪質と断定され実刑を課せられた。今話題となっている日大アメフト部員の大麻事件を始めとして、どうしてこうも大学運動部内の不祥事が多いのだろう。1大学だけに任せず、多くの大学が共同し一体となって不祥事を防止する抜本的な対策を講じなければ、いつまで経っても同じような事件が起きる。

 大学、及び運動部の責任者は余程ふんどしを締めてかからないと、大学運動部は悪の温床になりかねない。

2023年11月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5934.2023年11月20日(月) 自民支持率低迷と学会・公明党間の溝

 一昨日ブログに取り上げた池田大作・創価学会名誉会長の死去について岸田首相が哀悼の意を表明した。いずれ盛大に「偲ぶ会」を行うことだろう。公明党の支柱である池田氏が亡くなられたことにより、公明党は苦難の旅を続けることになろう。創価学会は最盛期に比べて会員数も827万世帯に減り集票力が落ち、衰退期に入った感がある。公明党はこれからの舵取りが難しくなるだろう。実際昨日の朝日朝刊には池田氏が公明党結党時に掲げた「平和」の金看板は、変質していると指摘している。かつて安倍政権時代に憲法解釈の変更をめぐって自公が協議を進めていた過程で、創価学会と公明党の間に解釈に齟齬が生まれた。学会が改憲手続きを経るべきだとの主張に対して、公明党は今では敵基地能力の保有を容認もしている。学会自体もやや平和の解釈が少々ずれつつあるが、党とは大きく溝が生まれている。精神的な支柱であった池田名誉会長の死によって、益々両者の溝が深まることになるのではないだろうか。

 公明党の集票力が低下したのと並行して、自民党政権、とりわけ岸田内閣に対する支持率が、雪崩のように滑り落ちている。昨日発表されたNNNと読売新聞が行った世論調査によると、岸田内閣支持率は、過去最低の24%、不支持率は62%という体たらくである。これほどまで支持率が落ちるとは想像外である。比較的政府寄りのコメントが目立つ読売の支持率がこれでは、平素から自民党及び岸田内閣に対して批判的な見方の朝日や毎日は、もっと厳しいのではないかと考えていたが、調べてみると朝日の支持率は意外にも低いとは言え、読売より1%多い25%、不支持率は65%だった。しかし、毎日の岸田内閣支持率は何と21%で、不支持率は74%である。今や岸田内閣も末期的と言えるのではないだろうか。

 岸田首相の余命がそれほど残されていないことを察知したのか、自民党内で見苦しい派閥争いや、露骨な首相批判をする幹部もいる。とりわけ先月参議院議員総会で「首相は内閣支持率が低迷している要因として、国民が期待するリーダーの姿を示せていない。現状において岸田総理の決断と言葉にはいくばくかの弱さを感じざるを得ない」と世耕弘成・参議院幹事長が岸田首相の政治姿勢を酷評した。だが、その後党内であまりにも露骨な詰問に対して、行き過ぎだとか、不快感を感じるなどと批判の声が挙がり、世耕氏は岸田首相に直接謝罪したという。世耕氏は狡い政治家らしく、苦言ではなく助言だとして、首相をしっかり支えていくつもりで質問した。

 一方、創価学会と公明党は、いつまでもお互いに意見の相違を抱えているのか。池田名誉会長の死を機会に初志の「平和」についての解釈をまとめるべきであろう。さもないと一般会員の集票力が低下しつつある中で、学会、党ともに会員の信頼を失い、落ち目のまま下り坂を転がり落ちるばかりである。

 さて、嬉しい話題として、今日行われた第54回明治神宮野球大会、大学の部決勝戦で母校・慶應義塾大学が青山学院大学を2-0で破り、4年ぶり5度目の優勝を飾った。先日の東京六大学秋季リーグ戦に続いての栄冠である。更に言えば、今夏甲子園の全国高校野球選手権で107年ぶりに優勝した弟分の慶應義塾高校とともに、今年度の大学、高校野球大会で大学、高校とも揃って慶應が日本一の座を掴んだ。メデタシ!メデタシ! 陸の王者 KEIO!

2023年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5933.2023年11月19日(日) 忘れられない大記録達成のプロ野球観戦

 子どものころは野球が大好きだった。空き地で草野球もよくやっていたが、好きな巨人軍の試合を観戦するため、終戦直後から後楽園球場へもよく出かけたものである。初めてプロ野球を観戦したのは、終戦の翌年、小学校2年生当時疎開先の房州勝山町(現鋸南町)から父に連れられ、房総西線(現内房線)に乗って両国で乗り換え水道橋駅近くの後楽園へ行った時だった。それからは毎年兄弟だけで安房勝山駅から水道橋まで野球観戦に出かけた。それくらい見るのもプレーするのも野球が好きだった。

 今から74年前の昭和24(1949)年の今日は、勝山小学校から幕張小学校5年に転入した2か月後だった。野球好きの仲間数人と後楽園に巨人戦を観戦に行った。友だちの中には前著「八十冒険爺の言いたい放題」の帯文に、推薦文を書いてもらった椎名誠氏の実兄・研二くんもいた。外野スタンドで背番号16のスター・プレイヤー川上選手や、青田選手らに声援を送っていたところ、場内アナウンスで他球場の試合結果を伝えた、その直後に突然どよめきが起きた。そのわけは、遥か遠い甲子園で行われた東急フライヤーズ対太陽ロビンス戦で、東急の大下弘選手が7打席7安打の大記録を打ち立てたと放送されたのだ。その時は、それが大騒ぎされる理由がよく分からず、きっとすごい記録なんだろうぐらいの軽い受け止め方だったが、それが何と今日に至るまで1試合の個人最多安打記録としてプロ野球界に燦然と残る偉大な記録となった。偶々その翌日は、鎌倉へ遠足の日で、大仏の前で撮った集合写真を今も大事に持っている。この2日間に体験したことは今も忘れてはいない。翌シーズンからプロ野球界は、セとパの2つのリーグに分かれ、今日まで引き継がれている。

 そして、更にプロ野球界の珍しい記録をその場の臨場感で感じたのは、1957年7月7日七夕の日の同じ後楽園だった。この日は大洋ホエールズ対巨人戦が行われた。受験勉強だけに集中しなければならない浪人生が、予備校・研数学館の授業を終えてから帰宅せずに、その足で近くの後楽園球場へ寄り道して、それまで入ったこともない大洋側ベンチ裏で観戦した。この時ここで何が起きたのか。これも今日まで残っているプロ野球記録のひとつとである。

 それは負の大記録と言えるかも知れない。大洋のエースだった権藤正利投手が、55年7月6日対広島カープ戦で敗れて以来、3シーズンに亘り28連敗を重ね、私が観戦したその日7月7日に巨人を相手に3年ぶりに完封勝ちを収め、エースも連敗記録を漸く脱出することが出来たのである。ゲームセットと同時に、私の目の前で権藤投手がチームの選手たちから祝福と歓喜の胴上げをされ、それを敗れた巨人軍の選手たちも祝福して見ていたほどだった。
 権藤投手は、53年にプロ野球洋松ロビンスに入団するや、新人で15勝12敗の好成績を上げ、一躍エースにのし上がった。弱小球団に所属しながら、翌年も2桁勝利を上げたが、55年7月以降勝ち星に恵まれず、負け続けて28連敗を重ねた。私はこの日に権藤投手が登板するなどとは思ってもいず、巨人戦を受験勉強の合間に息抜きとして観戦しようぐらいの軽い気持ちだったが、思いがけずプロ野球の歴史に残る試合を目の前で見る幸運に浴したのである。近年プロ野球を観戦することはなくなったが、終戦直後から父に連れられて後楽園を訪れてから、毎年必ず観戦に訪れていた。その中で上記の2試合は、甲子園での高校野球観戦、及び大学在学中に体験した早慶6連戦とともに、私には強く印象に残っている。

2023年11月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5932.2023年11月18日(土) 池田大作・創価学会名誉会長死去

 4週間に1度の間隔で糖尿病クリニックに通っている。一昨日東京医療センターで変形性手指関節症のその後の診察の際に受けた血液採取の結果、糖尿病の基準数値HbA1cが大分良くなったと言われたが、今日糖尿病の専門医からも、その数値を評価され、現在服用中のジャヌビア錠25㎎を半減するということで、今後12.5㎎の錠剤を服用することになった。その効用はどう表れるか分からないが、歩一歩と回復に向かっていることは間違いないので、楽しみにしている。

 さて、創価学会の池田大作名誉会長が15日に亡くなっていた。享年95歳だった。創価学会という宗教団体なんてまったく知らなかったが、池田氏が60年安保闘争の激しくなった1960年に第3代会長に就任してから、創価学会の活動が大きく報道されるようになり、一応関心が集まるようになった。64年には現在の公明党を創設し、創価学会は政治活動にも積極的に関与するようになった。その後創価学会員の熱心な選挙運動により、学会員が国政にまで進出するようになり、65年には初めて11名が参議院議員に当選し、公明党が初めて国政の場に登場した。67年には衆議院にも進出し、23人を当選させた。このころより国会の内外において影響力を発揮し始め、翌々年の69年の衆議院選では、47議席を獲得して、衆議院第3党となった。その後若干の増減はあったものの、83年には結党以来最大の59議席を得るまでになった。そして93年の細川連立内閣では、公明党から6人が入閣するようになった。その後分裂、中小政治党派と合併を繰り返していたが、99年に自民党、自由党、公明党により「自自公」連立内閣が成立し、爾来形は変われども自民党との連立内閣は今日まで続いている。この公明党の基盤を強化させた人物こそ、池田大作その人であった。創価学会を国際的な創価学会インターナショナル(SGI)にまで育て上げ、海外普及にも力を入れ、世界の要人とも会談して独自の民間外交を展開した。

 79年に一応会長職を退き、名誉会長に就任したが、実権を握り続けていた。今創価学会では「永遠の師匠」と呼ばれ、政治的には公明党を創設した絶大な権力を握っていた名誉会長が、この世から去ったことは、創価学会にとってはもちろん、公明党にとっても大きな痛手であり、厳しい試練を迎えることになったと考えても好い。

 実際党勢拡大を図っていた政治的には、まだ初期の時代には、一般的に生活向上とか、平和憲法順守のようなリベラルなスローガンを掲げて会員を増やしていたような記憶がある。ところが、今では自公連立内閣の一翼を担うようになったことで、保守的で右翼的な自民党に同調し平和憲法改正や自衛隊増強、防衛費増額など公明党創設時のスローガンと矛盾するような動きを示すようになった。これでは初期の学会員の純真な気持ちを裏切る行動ではないかと不審感を覚える。

 現在の党執行部が池田名誉会長とその辺りの整合性について、話し合ったのかどうかは不明であるが、池田氏の初志から考えると納得されたとは思えない。偉大な創設者亡き後、今後公明党はどのような路線を進むのか、明確にすべきではないだろうか。

2023年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com