5951.2023年12月7日(木) ドイツとアメリカの対イスラエル政策の変化

 イスラム教の過激派組織ハマスとイスラエルの戦争が始まってから今日で丁度2か月になった。日を追うにつれ双方の攻撃は激しさを増し、双方の死者は会わせて1万7千名を超えた。先月末から1週間の戦闘休止はあったが、パレスチナ・ガザ地区住民の願いや国際社会の希望はむなしく、休止延長という願いが叶わず、ガザ地区には攻撃が加えられ、市街地区は残骸化している。

 先月9日ドイツで「水晶の夜事件」発生85年を迎えて、ナチス下で犠牲になったユダヤ人に祈りを捧げた。私が生まれて1週間後のことである。85年前ナチス隊員がユダヤ人を襲撃し、礼拝所シナゴーグも破壊され、多くのユダヤ人が殺害された。割られて散乱したガラスが月の明かりで水晶のように光ったという事実に則り、そう呼ばれるようになった。それが端緒となり、ホロコーストを引き起こすことになり、600万人のユダヤ人が虐殺される運命となった。

 今ドイツでは、第2次世界大戦後ドイツのイスラエルに対する謝罪が、イスラエルへのトラウマとなり、しばらくして両国の同盟関係が結ばれた。ドイツのショルツ首相は、「イスラエルの国家の存立と安全のために立ち上がることがわれわれの使命だ」と今後もイスラエルに寄り添っていくと述べた。だが、このショルツ声明に対して、このところあまりにも強引なイスラエル政府寄りの方針に、ドイツ国内でも批判の声が挙がっている。イスラエルに対する負の姿勢として、G7主要7か国の首脳として、初めてイスラエルを訪問したショルツ首相は、ネタニヤフ・イスラエル首相に対して、「ドイツがイスラエルの安全のために取り組むことは国是である」と表明し、ドイツ国民を困惑させている。

 ドイツ国内ではイスラエル軍のガザ地区への激しい攻撃により民間人の犠牲者が増えるにつれ、政府の姿勢に対して反発の声が上がり始めている。ハマスのロケット攻撃が始まって1週間後のドイツ人の「国是」に対する世論調査によると、政府のイスラエル寄りの姿勢を正しいと肯定的に受け取る国民は、2/3の66%だったのに対して、市民の犠牲を伴うイスラエルの軍事行動に対しては、61%もの国民が正当化できないと判断している。最近の調査は手元にはないが、恐らく前者については1/3程度に下がり、後者については80%前後にまで上がっているのではないだろうか。

 世界で初めてイスラエルの建国を承認した、親イスラエル国家アメリカでも、同じような現象が見られる。更に国民の1/4を占めると言われるキリスト教福音派信徒は、イスラエルを支持している。10月7日にハマスによる大規模攻撃直後に、バイデン大統領は、「アメリカはイスラエルとともにあり、確実に支援していく」とショルツ首相と同じような主旨の言葉を述べていた。礼拝では、牧師が「私たちが祝福されるのはイスラエルとユダヤ教のおかげだ。イスラエルに寄り添おう」と呼びかけてもいた。しかし、今やアメリカ各地で異変が起きている。若い世代の間では、イスラエルではなく、パレスチナを支持する声がじわじわと広がっている。因みにCNNが10月中旬に行った調査によると、年代層による賛否に大きな差が生じている。「イスラエルの軍事的対応に完全に正当性があるか」との問いに対して、65歳以上の後期高齢者の81%が、50~64歳の56%、35~49歳は44%と年齢が下がるにつれてyesと答えた人が減っている。それが18~34歳になると実に27%の若者しか正当だと認めていない。

 これからこのままイスラエルが徹底した攻撃を続けるなら、国によって、また年齢層によってイスラエルへの支持者は益々減少することだろう。イスラエルもこの辺りの傾向を理解して対策を考え直すべき時に来ているのではないだろうか。

 今日は12月にしては珍しく、八王子市や府中市など東京都内でも最高気温20℃を超えたところがあったようだ。恐らくパレスチナ戦争の熱気が流れてきたのだろう。

2023年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5950.2023年12月6日(水) PCソフト販売のためのビジネスモデル

 今年も年の瀬が日一日と迫っている。年末になるとサラリーマン時代何となく慌ただしく、仕事に追われているような気になったものだ。だが、それは今も変わらず、せわしなくあれこれ雑用をこなしている。とりわけ現在は恒例の年中行事である年賀状の作成と、来年2月税務署へ提出しようと考えている青色申告書類作成のための準備がある。これだけでかなり仕事としてのボリュームがあり、神経もすり減らす。

 年賀状については、むしろ前向きに取り組んでいる。いつも思い返すことだが、幕張小学校時代の恩師だった湯浅和先生からいろいろご教示いただいた教えを胸に、いろいろ考えながら作成に当たる。昔は私的な年賀状はすべて恩師に教えられた版画で作成していた。郵送相手先の知人を想いながら、出来るだけ万年筆を使用して宛名を書くことも恩師のアドバイスに従っている。今では版画作成は大分以前に止めてしまったが、考え方は変わらず教え通りに、相手の名前と住所はどうしても機械的になりがちのパソコンでプリントすることはせずに、すべて手書きにすることを今でも心掛けている。

 最近は年賀状の文面は、自分なりにパソコンで図柄を拾い出して作成していたが、送付枚数こそ減ったが、まだ300枚ほどの年賀状を送っている。そこであまり時間をかけないよう手抜きをしようと、先日年賀状作成用ソフトを購入した。ところが、「素材たっぷり30万点」の宣伝文に誘惑されて買い求めたが、インストールがうまく出来ずに、いつも世話になっているITコンサルタントに教えを乞いながら何とかインストールする始末だった。それでもその先からは一難去ってまた一難で悪戦苦闘だった。はっきり言ってガイドブックも字が小さ過ぎて中々読めない。ソフトを使うのを止めてしまった。使い方が難しいのだろうか、ソフトに添えて1枚のチラシが入っていた。よく見てみると、インストールの方法などの基本設定とか、ソフトの使用方について訪問レッスンをする「年賀状作成ソフト訪問パック」と称する有料の案内である。このソフト自体が簡単に使えるものではないことを改めて知らされた。そして、ソフト登録後に間髪を入れずに度々メーカーのCMが送られてくる。そのしつこさには辟易している。その訪問レッスンの料金が3種類もありすべて1万円超で、このIT業界のがめついビジネス・モデルというものを改めて思い知らされたわけである。取り敢えず、時間的な点を考え、今日ソフトを使わずに旧式なパソコン方式で200枚ばかり作成した。

 年齢的な面もあるが、IT業界のしたたかな罠にまんまと引っかかってしまったような気がしている。散財はするし、反省しきりである。

 年賀状について最近思うところがある。それは年々年賀状を辞退したいという連絡を友人からもらうことが多くなった。昔は親しくても近年はほとんど会わなくなったような友人からその種の連絡をもらうと寂しい気持ちになる。相手も同じ年代なので、大変だということは理解出来るが、それでもつい友人から縁切りされたような気になって悲しい気持ちにもなる。でもこればかりはダメだとは言えない。寂しいことだが、受け入れるより仕方がない。

 近年は年賀状の意味や目的を知らない人が増えたようだ。小学校の恩師は、親しく友だちと話をして嬉しい気持ちになっているのだから、丁寧に心を込めて書くようにといつも仰っていた。私は心身ともにまだ書ける内は、そして相手が遠慮したいというまでは相手を思いながらひたすら万年筆で名前と住所を書き続けるつもりである。

2023年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5949.2023年12月5日(火) 岸田首相と林・日大理事長の軽薄な発言

 昨日のブログに岸田首相をはじめとする国会議員の「ウソ」と「おとぼけ」について呆れたと書いたが、首相の虚言をバラすような写真が今朝の朝日一面トップに載った。昨日首相は自民党政調会長時代の2019年に、党本部を訪問されたアメリカのギングリッチ元下院議長との面談の際、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合ジャパン」のトップ梶栗正義議長が同席していた事実が明らかにされたにも拘わらず、大勢の人と会ったので、誰と会ったかは記憶にないと言い逃れをしていた。

 ところが、今朝の朝日新聞一面トップに首相と、ギングリッチ議長、梶栗正義議長にアメリカ人のアメリカ旧統一教会会長の4人が並んで撮った記念写真が掲載されたのだ。首相の発言がウソでない限り、首相の記憶力もまったく当てにならないことを証明したことになる。そして、今日の朝日夕刊に首相が子どもが悪あがきするようなコメントが載っていた。「面会した際に、同席者を含めて写真を撮ることはあり得る。写真があったとしても認識は変わらない」として、面会に教団関係者が同席したことは知らなかったと強情に繰り返した。首相にはわが身に危険が迫ったら、ウソであろうとも押し通す強い虚言癖があるのだろう。だが、これでは世間が納得しないことが分からないのだろうか。岸田政権の末期症状を象徴しているようだ。

 それにしても自民党内のキックバック、及び脱税行為は常態化していて、この件について野党は近々国会で質問するであろうし、東京地検特捜部も調査を進めるようなので、この際当たり前になっている政治資金規正法に違反する政治資金パーティに絡んだ裏金について、ぜひともメスを入れて欲しいものである。

 同じように昨日取り上げた林真理子・日本大学理事長が記者会見の場で、一連の不祥事に絡んで自らの進退を問われ、「改革の途中なので、成し遂げなければならない」として意外にも続投する意向を改めて示した。林理事長は、減給処分を受けたが、学長と副学長が辞任する処分に比べてさほど重い処分には思えない。林理事長ら日大執行部には、本当に改革の意欲があるのだろうか。理事長就任直後から浮ついた様子だった林理事長は、実際「週刊朝日」の最終号となる23.6.9休刊特別号上に、28年間掲載された対談「マリコのゲストコレクション」でエッセイストの阿川佐和子女史をゲストに呼んで対談した。(以下「週刊朝日」から抜粋)

 阿川「~日本文藝家協会の理事長をなさって超多忙なのに、その上、日大の理事長なんて、なんでそんな大変なことを引き受けたんですか?」と尋ねられ、林「だっておもしろそうじゃないですか。阿川さんもどうですか、『母校の慶應の塾長になってください』と言われたら」、阿川「ダメ、そういう能力はない」、林「例えばもし今、つぶれかかったどこかの女子短大から『立て直してくれませんか。好きなようにやっていいですから』って言われたら、おもしろそうだな、やってみようかなって思わない?」、阿川「思わない。『おもしろそう』のベクトルが林さんとは違うんだな。~」

 という流れの中で、林理事長は旧知の阿川女史との対談で気持ちが緩んだこともあろうが、楽観的に面白半分の気持ちで理事長職を引き受けたことが、この会話からもよく分かる。この期に及んで、辞めたら「それ!見たことか!」と顰蹙を買うことは当然である。ここは、せめて本気を出したフリをしてでも、出来るかどうか不透明な改革路線を軌道に乗せるまでは辞めるわけには行かないだろう。

 それにしても岸田首相にせよ、林真理子日大理事長にせよ、どうして責任ある立場にいる人が、事実をぼかそうとしたり、大仕事を真剣にやろうと思わないのだろうか。

2023年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5948.2023年12月4日(月) 首相の党内統率と林理事長の大学管理

 昨日の本ブログで国会議員の悪質な法令違反であるキックバックについて批判したばかりだが、今日の朝刊で岸田首相が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関係者と面会したことが明らかにされた。初めて統一教会との自民党議員との接触が問題視された時、首相は、教団とは知る限り関係はないと応えていた。今回明らかになった接触については、首相が自民党政調会長時代の2019年に、党本部を訪問されたアメリカのギングリッチ元下院議長と面談中に、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合ジャパン」のトップ梶栗正義議長が同席していた事実が分かった。この事実について岸田氏の事務所に問い合わせたところ、ギングリッチ氏とのプライベートな面談だったと応え、梶栗氏の事務所からは、いくら尋ねてもまったく返事がなかったという。結局岸田首相は、ウソを言っていたことになる。

 今朝になって岸田首相は、こういう自己弁護の回答をした。ギングリッチ元下院議長と面会した際に、「大勢の同行者がいたと記憶しているが、どなたがいたかは承知していない」と述べたのだ。梶栗議長は、面会した時に名刺を手渡したと語っていたが、首相の記憶にはないということである。法律を冒して政治資金パーティで金儲けをしたことや、多くの破産被害者を出した旧統一教会との接点はないと言ったことなど、いずれも虚偽だった。こういう人間失格の人物を日本の首相として戴いているようでは日本の将来に希望は灯らない。しかし、今の政治は、世襲政治家によって操られている。岸田首相も世襲である。先代以来の取り巻きによって庇護されている。結局普通の国民は、邪な心を持った世襲の政治屋どもに振り回されるだけなのだろうか。これから先が一層心配である。

 さて、自民党内をまとめきれない岸田首相と同じように、理事長として日本大学をまとめられない林真理子氏の記者会見が、今日午後日大本部で開かれた。違法薬物事件という最高学府内で起きたとは思えない日大アメフト部の不祥事について、その後の大学の対応に疑念が集まっていたので、林理事長も漸く神輿を上げて会見を開く気になったのだ。流石に関心が高いだけに報道陣は110人超、テレビカメラが19台も集まったという。何せ運動部内で3人の逮捕者が出てから先月1人が書類送検されている。

 会見の冒頭林理事長は謝罪した後、先月文部科学省に提出した内部統制監査部署の新設や、ガバナンス体制の見直し、競技スポーツ部の管理体制の再構築などの改善計画について説明した。最も関心を抱かれた、薬物とはまったく関係のない部員らや、他大学のアメフト部からも存続を要望されていた廃部については、継続審議をすることで結論を持ち越した。自身の引責辞任については、改革の途中を理由に否定した。

 改善計画には「アメフト部のことはアメフト部内で収める」といった「ムラ意識」が秘密主義を生み出した点など、組織風土の問題も指摘されていた。一部には、疑念を抱かれていたアメフト部の監督は出席しなかったし、監督に対するコメントも話されなかった。まだまだ改善計画も途上にあると言えよう。一旦落ちた信頼をこれから大学当局はどうやって取り戻すことが出来るだろうか。お手並み拝見と行こう。

2023年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5947.2023年12月3日(日) 法を犯して金儲けに執着する国会議員

 岸田内閣の支持率が過去最低を記録し相も変わらず低空飛行を続けている最中に、自民党内の派閥の中でも有力な派閥の会計責任者らを、先月神戸学院大の上脇博之教授が政治資金規正法違反容疑で告発した。

 とにかく真っ当な国会活動をしない悪賢い政治家が増え、近年彼らは国民をないがしろにして金儲けのために政治活動をやっているのではないかとの印象が拭えない。つまり金儲けのための政治屋である。政治家の「資金集めパーティ」は、政治資金規正法により収支報告書に記載するよう義務づけられている。ところが、2018~21年の収支報告書には、安倍派1,900万円、二階派950万円、茂木派600万円、麻生派400万円、岸田派200万円、計約4,000万円もパーティ券収入分が記載されなかった。上脇教授は、これはほんの氷山の一角だと不信感を募らせていたが、東京地検特捜部が疑問を抱き、内偵を進めていたところ自民党の最大派閥である安倍派(清和政策研究会)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた収入を裏金として組織的に議員にキックバックしていた疑いがあることが判明した。特捜部は、大掛かりで意図的だとして政治資金規正法違反容疑で立件すべく調査中である。

 安倍派のケースでは、派閥の収支報告書には、収入として議員のノルマ分だけを記載し、それを超えた分は収入に記載せずに議員側にキックバックして、派閥の支出としても記載せずに運用していた。キックバックを受けた議員側も自らの政治団体の収入として記載せずに、ノルマを超えた分は裏金になっていた。

 そして今朝の報道によると安倍派の裏金作りに次いで、二階俊博元幹事長の派閥・志帥会でもパーティを巡る収支報告で巨額の不記載が明らかになった。その金額は、直近の5年間で安倍派と同じく1億円を超えるものと見られている。東京地検特捜部は、安倍派に続いて二階派にも政治資金規正法違反容疑で立件を視野に調査を続ける。他の派閥の違反もいずれ露見して摘発されるだろう。

 それにしても最大派閥である安倍派による組織的な裏金作りは、衝撃的であり悪質でもある。そして、派閥の中で権限を発揮できる事務総長らは質問に対してはっきり応えず、一層疑念を深めている。松野博一官房長官は「政府の立場での答えを差し控える」であり、西村康稔経産相は「個々の政治団体の話で、政府の立場としてのお答えは差し控えたい」で、塩谷立元文科相に至っては、キックバックの仕組みはあったと思うと述べた直後に、事実を確認しているわけではないと前言を撤回し、その後、これから事実を確認すると語り、最後には今日の取材はお断りするといった案配である。皆言い訳を考えたが、中々悪知恵が思いつかずに「逃げの一手」で答えようとしない。

 「キックバック」という言葉について今朝の「天声人語」氏によると、その意味が直ぐには分からなかったようだが、我々旅行業界人にとっては使い慣れた言葉で、航空会社とよくキックバックのやり取りをしていたものだ。ただ、悪人政治屋らと異なり、我々はキックバックで得た収入を必ず、収入として計上し、航空会社でも支出として計上していた筈である。国民を騙し、こっそり法の網をかいくぐって組織的に私服を肥やすような悪事を重ねるのは、悪漢政治屋だけのようだ。はっきり言って世の中の極悪人は政治屋である。今朝のTBS[サンデーモーニング]で政治評論家の寺島実郎氏は、国会議員を3割削減するべきだとはっきり言われた。大賛成である。

2023年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5946.2023年12月2日(土) 「アレ」が今年の新語・流行語大賞に

 今年の新語・流行語大賞に「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。プロ野球日本シリーズでしきりに伝えられた阪神タイガースの岡田彰布監督の言葉である。阪神は38年ぶりに日本一になったが、シーズン中「優勝」という言葉は、プレッシャーになるためにそれをぼかして言った言葉だった。知らなかったが、2021年の「リアル二刀流/ショータイム」、22年「村神様」に続いて3年連続でプロ野球関連の言葉が選ばれたようだ。

 実は、「アレ」に関連したこんなこともある。今月22日に知人でもある「日本維新の会」所属の青島健太・参議院議員のパーティが開かれる。その案内状を手にした時、パーティのテーマが「アレ やります!」というもので、首を傾げた。元々「日本維新の会」は私自身賛同出来ないので、青島議員に参院選当選直後に個人的なお付き合いは別にして「日本維新の会」には賛同出来ないので、政治家としての青島健太議員の言動には賛成できないと直接青島氏に伝えたらそれでも結構だということだった。その後も互いに連絡は取っているが、今回のパーティについては欠席の返信ハガキにこの謳い文句というか、ネーミング「アレ やります!」が品格を欠くと記して投函したところである。青島議員も元プロ野球選手だったから、「アレ」がすんなり胸に入るのかも知れない。

 さて、戦時中住んでいた兵庫県芦屋市が、地味ながらも最近2つの話題で注目されている。ひとつは、高級住宅地でもある芦屋市が、今年5月の市長選で全国で史上最年少の市長を当選、誕生させたことである。26歳の高島岐輔新市長が現職市長を破り新市長に就任したのである。市長はエリート・コースである地元灘中、灘高から東大へ進学しながらも中退して、ハーバード大学を卒業したばかりのエリートである。地元でもかなり評価が高く、若さと高学歴が注目を集めている。

 先日町職員に対するパワハラ行為が問題視され、町議会で不信任案まで提出された愛知県東郷町の井俣憲治町長が、自身の母校愛知大学を自慢したかったのか、職員らを「三流大学を出た職員ばかりだ!」と暴言を吐いていたが、高島市長の経歴を見たらどんな気持ちだろうか。少しは大人しくなるだろうか。

 もうひとつは、その高島市長が新教育委員に元さいたま市教育委員長を任命するよう提案したが、議会で反対多数により否決された。市長選では、若く爽やかな印象と優秀な経歴を評価されて現職市長を破った英才市長も、現実的な地元行政のスタートで躓いてしまったのだ。いろいろ意見があるようだが、市長が推薦した教育委員候補者は教育面では東大講師も務めるほどの教育専門家ではあるが、芦屋市からかなり遠い埼玉県に居住して、頻繁に芦屋市を訪れることが出来ず、市内の学校現場を知る機会も少なく、行事への参加も難しいのではないかと危惧されたようだ。一番の難点となったのは、その委員候補者は、他にも多くの役職を抱えているので、芦屋市の教育が最優先されるのかどうかが懸念されたことである。その辺りは、新市長もあまり考えなかったのではないだろうか。

 高島市長も部分的な現実は見えるが、全般的に地元の庶民生活面にはまだ目が届かないようで、今後よほど考えないと当初の長期的な教育改革の信念や計画が、幻想となってしまう恐れもある。

2023年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5945.2023年12月1日(金) アウシュビッツ収容所に関する拙稿

 所属するNPOの定期機関紙に毎号拙稿を2つばかり書いているが、そのひとつに1,000字程度で連載中の「世界遺産物語」がある。11月号に「負の文化遺産・アウシュビッツ強制収容所」について、6年前に訪れた感想を記した。それを私のHPに掲載し、出来る限り読んで欲しいと思い、機会を捉えて知人や友人らにメールで知らせている。それに対して友人らからいろいろコメントをもらうことがあるが、昨日知りあいの菱山郁朗・元日本テレビ政治部長から「とても深い感銘を受けました。これまでで最高の秀逸原稿です」と過分にお褒めのメールをいただき、その後追伸で「友人知人に転送します」と再びメールをいただいた。菱山氏からは、毎度それなりの評価をされたメールをいただいているが、これほどまでに高く評価していただくと張り合いはあるし、嬉しく思っている。これまで地道に毎日書き続けている本プログ執筆にも力を与えてもらえる。

 その世界遺産について執筆するに当たり、これまでに訪れた200か所近い世界遺産の中で、どの世界遺産を取り上げるか、いつも考えるのだが、次号では前号にアウシュビッツについて書いた経緯から、ホロコーストで多くの犠牲を被ったユダヤ人が、今ではそれとは反対にパレスチナ人を壊滅せんばかりに攻撃している現状から、エルサレムの世界遺産を取り上げるのがタイムリーではないかと思っている。今から11年前にイスラエルを訪れた時、パレスチナ領内のベツレヘムにあるイエス・キリストの生誕の地だった「聖誕教会」や、「嘆きの壁」、キリストが十字架に磔にされたゴルゴダの丘の「聖墳墓教会」、イスラム教信徒の聖地「岩のドーム」を訪れたので、それらについて触れてみたいと考えている。でも、1,000文字には収まりそうもないのが、やや気がかりである。菱山氏のコメントは嬉しく本当に有難いと思っている。

 さて、日本人にとっても忘れられない人物、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官が一昨日亡くなった。享年100歳だった。アメリカの国務長官として華々しく活躍され、世界中を目まぐるしく飛び回り、ノーベル平和賞受賞など歴史的な史実にもその名は刻まれている。

 だが、ユダヤ人系ドイツ人として生まれついた運命のせいだろうか、その人生においてとりわけ戦争や紛争に関わることが多かった。一番印象に残っている事象は、同盟国である日本には一切話さず頭上を飛び越えて、当時国交がなかった中国を極秘裏に訪れ、ニクソン訪中のお膳立てをして、その後の1979年カーター大統領の下で米中国交回復を実現させたことである。

 しかし、ユダヤ人としての出自のせいもあり、その現実的な考えは、平素から外交面で発揮された。彼は国益の追求こそ国家の本性であり、力の均衡によってこそ国際秩序は守られると考えていた。それは、ベトナム戦争でカンボジアへの爆撃や、チリの社会主義政権の転覆に関与したり、国益のためには手段を選ばなかった点に見られ、その活動は功罪相半ばすると思われる。沖縄返還交渉でも大きく関わったが、今もその手法には傷跡が残るような、緊急時に沖縄への核兵器の持ち込みを秘密裏に合意したことが、その後日本にとっても重荷となった。

 1973年にはベトナム和平協定を成立させ、ベトナム戦争は75年に終結した。その功績は大なるも、どうも我々日本人の立場から見るとひとり芝居をやっているような印象が強かったように感じる。今後はこういうタイプの政治家はあまり現れないと思う。

 今日パレスチナとイスラエルの7日間に亘る戦争休止が終わり、また戦闘が始まった。この戦争の行方は誰にも分かるまい。古来対立してきた両国の争いは今に始まったことではない。休戦は難しいと思う。

2023年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5944.2023年11月30日(木) 「絶対安全」の米軍オスプレイ、屋久島沖に墜落

 暦の上で今日は秋の最終日である。このところの寒さも厳しく、今日北海道・陸別町では全国でも最低の-13.9℃だったという。今年は秋らしい季節は、あまりなかったような気がする。そんな秋の終わりに際して、とんでもない事故が起きた。

 アメリカ空軍の輸送機オスプレイが屋久島沖で墜落した。絶対安全で多用な行動に有効との前触れで、自衛隊も2018年度からアメリカに強引に購入させられた横田米軍基地所属の最新型ヘリである。現在UH-2型7機とCV-22型13機のタイプを保有している。ところが意に反して、絶対安全とPRしていた自衛隊の宣伝が空言のように、アメリカ空軍は、通常の訓練中に事故に巻き込まれたと他人事のようなコメントを発した。乗員の数も何度か修正のうえ、最終的に8人と伝えられたが、少々軽口に思える。自衛隊も現在佐賀基地をはじめとして住民の反対を押し切り、オスプレイの常駐を画策しつつ、アメリカ軍にも必要以上の気遣いをしている。墜落現場で捜索と乗員救出に当たっていると述べたが、すでに日本の海上自衛隊に1人の遺体が収容されている。昨晩も海上自衛艦は夜を徹して海上で捜索を行うと語っていたが、まだ7人も行方不明であるとして、今夜も一晩中捜索に当たるという。この日本側の行動についてアメリカは自衛隊に感謝の気持ちを伝えたが、これもアメリカ軍への配慮であり、普通日本国内の山中で日本人が遭難しても、夜を徹して捜索することはない。日本政府は、アメリカ軍側に対して、安全が確認出来るまで飛行を中止するよう要請したが、現時点ではアメリカ軍は容認していない。しかし、陸上自衛隊は保有するオスプレイの飛行を当面停止する。

 よもやの事故に続き、相変わらず日本側のアメリカへの忖度には些かうんざりである。近年鹿児島県の離島を中心に、オスプレイなどアメリカ軍の軍用機が着陸する回数が増えている。今嘉手納基地移転計画で政府と対立している沖縄県では、玉城知事が素早く「直ちに訓練を中止すべきだ」と語って、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に、海兵隊所属機も含め原因究明までのオスプレイの飛行停止を求めた。当分このオスプレイの墜落事故がメディアのエンタメ番組などでも話題になることだろう。

 さて、コロナ渦の影響が薄れつつある中で、インバウンドを主に国内各地の観光地への観光客の増加が目立っている。一部の有名観光地ではオーバーツーリズムが、懸念されている。そんな時に、国際空港でカウンター業務や荷物の運搬のような地上業務を手掛けているスイスポートジャパン労働組合が、時間外労働などに関する労使協定を今月限りで止めると経営側に通告し、航空機の運航に影響が出る可能性が出てきた。同社は業界大手4社のひとつであるが、コロナ渦で減った国際便が再開した昨年10月以降仕事量が急増し、人手不足が続いている。来月以降航空機の欠航が続出する可能性がある。航空業界のみならず、インバウンド観光業界にとっても無視出来ない点である。

 今や3年以上に亘って感染が拡大していたコロナのせいで、多くの業界がそれぞれ固有の深刻な問題に思案投げ首である。バスやタクシー業界では、運転士不足に苦難して、在庫車に空きが出て、タクシー乗り場には、タクシーがあまり来ないようだ。

 しかし、考え方によっては、この機に乗じて近未来的に景気の動向を予測して早めに対策を立てることなどを考えたら、「瓢箪から駒」で案外良いアイディアが生まれるかも知れない。

2023年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5943.2023年11月29日(水) 日大アメフト部、ついに廃部に

 昨日当ブログで取り上げた日大アメフト部の大麻事件と日大理事会内のガバナンスについて、今日日本大学本部は「競技スポーツ運営委員会」を開き、同部の廃部を正式に決定し、併せて林真理子理事長の減給、酒井建夫学長と澤田康広副学長の辞任を発表した。あまりにも唐突な廃部の決定に驚いている。

 日大アメフト部と言えば、学生アメリカン・フットボール界の名門で、過去に21回の大学チャンピオンを含めて数々の栄冠を獲得し、栄光の伝統を築いてきた。チーム名「フェニックス(不死鳥)」もスキャンダルにより不本意にも「フェニックス」ではなかったことを証明してしまった。

 それにしても現在大学から無期限活動休止処分を受け、関東学生連盟からも出場停止の処分を課せられている名門アメフト部が、本気で大学本部とアメフト部が一体となって取り組むべき再生の機会と努力もせずに、安易に廃部を決定したことには、これがアメフト部のみならず、日大全体にとっても正しい選択と解決方法だろうか、疑問が残るところである。運動部の活動は、在学生にとって息抜きの楽しみであり、光明であり、救いであり、誇りでもある。運動部が強力であれば、殊更気力にも向上心にもつながる。大学にとっても学生たちへ努力、練習、勝利などは、彼らの教育の一環でもある。それを止めてしまう決断をあっという間に下したとは、少々早計に過ぎたのではないだろうか。

 今回の廃部決定の過程で、今後どうしたらアメフト部を立ち直らせ、再建させることが出来るかとの話し合いがまったく行われなかったようだ。どん底に落ちたアメフト部を、外部の有識者の声を聴くなりして、反省したうえで、再び第一歩から再スタートさせるためにどう対応すべきかの議論がまったく欠けていたと思う。これでは誇れる全盛期の実績を作り上げたOB部員らに対しても申し開きが出来ないのではないだろうか。実際あるOB部員は、残念であり、復活できることを期待していた。大学はもう面倒で手に負えないとばかりに、アメフト部の活動を一刀両断に切り捨ててしまったのは、あまりにも不見識であり理不尽だと思う。今後日大の歴史に禍根を残すことになるのではないだろうか。これまで違法を行った不幸な事例を頭に入れたうえで、大学内、外部識者、アメフト部OB・部員らを交えて広く知恵を借り、次善の策を徹底的に話し合うことは出来なかったものだろうか。

 今回のトラブルには、経営者である理事会のガバナンスの欠如があったことは明らかで、内外からも指摘されている。林真理子理事長には、大麻所持の事実と副学長が所持していたことは伝えられなかったという。理事の中で恐らく知っていたのは、運動部を統括していた澤田康広副学長だけだったのだろう。この廃部決定という処分は、大学内はもちろん、他大学においても恐らく他人事ではないのではないか。日大は短兵急に結論を出さず、一時的な部活動休止処分を課したうえで、広く意見を聞いて最終決断を下しても良かったのではないかと思う。そんなことすら出来ないようでは、大学は学生たちに夢を与えられないと思う。当分の間、この大学スポーツ廃部問題は、議論を呼ぶことだろう。

2023年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5942.2023年11月28日(火) 日大大麻事件の泥沼化、理事会の内紛へ

 日本大学アメリカン・フットボール部員の違法薬物事件を捜査している警視庁が、大麻と認識していながら密売人から薬物を譲り受けたとして、また新たに3年生部員を麻薬特例法違反容疑で逮捕した。これで8月、10月に続き3人目の逮捕者である。こう度々逮捕者が出るようだと、正に「どこまで続く泥濘ぞ」である。大学の運動部としての存在の意義が問われ、存在自体が消滅し兼ねない。アメフト部の寮から麻薬らしきものが発見され、寮に住む部員らの無法が罷り通っていたことが次々に明らかにされている。

 その一方で監督すべき大学当局は、露見時の初期対応からその後の対応、及び対策が世間を納得させるような常識的なものでなく、理事会内の一致した管理体制に疑念を持たれている。ガバナンスの欠如とも言われる由縁である。流石に監督官庁の文部科学省は、来年度私立大学への助成金を日大に支給せず、日大が大学内の情報伝達や警察への連絡が遅れたガバナンス上の問題について、調査のうえ報告書を提出するよう求めた。大学のトップ組織である理事会を運営する林真理子理事長、酒井建夫学長、澤田康広副学長らの間に、対処方法や責任のなすり合いで意見が対立している。理事会として、林理事長に減給、学長、及び副学長には辞任するよう勧告した。ところが理事会内の言動を巡って対立が一層激化し、理事長がスポーツ競技担当の澤田副学長の責任を追及し、学長と副学長に辞任を迫り、これを副学長が納得しないと拒否した。

 そして、昨日辞任勧告の回答期限となり、副学長は学長とともに辞任勧告を受け入れると応えた。しかし、同時に副学長は、林理事長に対して辞任を迫るパワハラを受けたとして、1千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたのである。ここまで経営陣が対立するようでは、組織としての体をなさない。確かにアメフト部員の不祥事は続いたが、それを止めさせ、堅実な運営を図る手段を講じなければならない大学トップの組織が、こんな体たらくではガバナンスの欠如では済むまい。

 田中英壽前理事長の背任事件という不祥事の温床となった旧体制からの脱皮と決別を掲げて現体制はスタートしたが、新体制発足から1年余で再び組織の刷新を迫られる事態となった。その元凶ともなった澤田副学長とガバナンス欠如の責任を取らされ辞任せざるを得なくなった酒井学長にとっては、納得出来ず、悔やんでも悔やみきれない胸の内だろう。

 しかし、「日大理事長の職を面白半分で引き受けた」林理事長にしても、毅然とした理事長らしい行動が見られなかった。これまで組織体の運営、管理、監督の経験がなかった林理事長は、再々発足する日大を果たして立ち直させることが出来るだろうか。薬物事件や理事会の意思決定などの経緯を調査した、第三者委員会綿引万里子委員長は、先月31日の記者会見で林理事長と澤田副学長が対立し、組織内が内紛状態にあることについて、「今のような状態を続けていたら日大は再生出来ない」と厳しい見解を述べている。

 今一番悩んでいるのは、日大の学生たちだろう。就職活動中の学生は、希望の企業から大学名を尋ねられた時、自分が日大生であると話すことにためらいがあると述べていた。学生たちを指導、監督すべき立場の大学経営者が彼らを悩ませ、コンプレックスを抱かせるような状況を生み出しては、酷というものではないだろうか。こんなふしだらな理事会が存在することで、マンモス大学・日大の再生は可能なりや?

2023年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com