今日もとにかく寒い。都内の最低気温は12.3℃で、10月中旬の気候としては60年ぶりの寒さだという。この寒さの中を歯の定期健診のため冬支度で代々木の歯科へ出かけた。雨も降っているのでいつもはJR代々木駅から歩いて甲州街道近くの歯科まで行っているが、今日は新宿南口から地下通路を通り歯科近くの出口から地上へ出た。この辺りは1964年東京オリンピックのマラソンで優勝したエチオピアのアベベ選手が先頭で走っているのを混雑の中で見たところだ。かれこれ半世紀も通っている歯科は歯科医も気心をよく知っているので、安心して治療してもらうことが出来る。入れ歯が多くなってしまったが、今日の検診では、よく歯を磨いているので大丈夫でしょうとのお墨付きをもらった。また、半年後に診てもらうことにした。
さて、昨日開かれた中国共産党第19回党大会で、習近平総書記は自信満々に政治報告を行った。中華人民共和国建国100周年を迎える2049年ごろまでに、世界トップクラスの国力を築き国際影響力を持つとされる、何やら意味不明の「社会主義現代化強国」を建設するビジョンを示した。この頭には「党の強い指導の下で」という枕言葉を挿入して計画を推進すると強調した。これによって総書記個人と国民の党への信頼と求心力を高めようとの狙いがあるようだ。
しかし、習近平総書記はあくまで欧米とは異なる路線を歩み、軍事力強化に力を注いだ独自の中国モデルを理想とするとの考えのようだ。
その政治報告の中味を見ると、「党の統一的指導と社会主義制度を堅持」とか、「今世紀半ばに社会主義現代化強国を建設」、「新時代の中国の特色ある社会主義思想を指導指針として堅持」など、社会主義国建設について誤解とも思える社会主義に拘る文言が目につく。果たして、習近平総書記がどれほど真の社会主義、マルクス経済学説を理解しているのか分からないが、憶測で言えば、これまでの経緯から推すと中国はとても社会主義国家と呼ぶにはほど遠いし、現状から考えると益々マルクスが提唱した社会主義とは乖離する一方である。
13億人の中国国民を励まし、貧困から救うためとはいえ、現状は農村に溢れる貧困層、都市・地方の経済格差、軍事力の強化と言論の自由抑圧などの実態を知るにつけ社会主義どころか、資本主義も超えて一気に帝国主義、更に習近平独裁主義の匂が感じられる。習近平総書記への権力集中、そして個人崇拝的な考えは、社会主義国家を建設し、社会主義体制を定着させたゲバラや、カストロのキューバの足元にも及ばないと思う。習近平総書記、並びに中国は、アメリカを意識しながら何を差し置いても身体だけ大きければ佳しとしているようなあせりが感じ取れ、窮屈そうな似非社会主義国に見えるが、どうだろうか。