3870.2017年12月17日(日) ベトナム戦争脱走兵に関する好企画

 40年前の1967年10月末、横須賀港に停泊中だった米空母「イントレピッド」から乗組員4人が脱走し、中立国スウェーデンに亡命した。その後東京都内で4人の脱走兵が日本人に対して支援した日高六郎氏、鶴見俊介氏、小田実氏、開高健氏らとともに脱走に至った経緯を発表しビデオを公表して世間をあっと驚かせた。全米に厭戦気分が横溢し、ベトナム戦争反対運動も盛んになっていた時期である。そのビデオを撮ったのが、小中陽太郎さんだった。ベトナム反戦運動が盛んになっている時に生まれたのが、ベ平連(「ベトナムに平和を!」市民連合)だったが、小中さんはその中心人物のひとりでもあった。

 その小中さんの「小中陽太郎、ベ平連を語る」というトーク・ショーが御茶ノ水で催された。聞き手はペンクラブの知人・柏木隆雄氏だった。当時のビデオや写真を交えて小中さんが、当時の懐かしい内幕を洗いざらい話された。その年の1月にサイゴン入りして厳しい戦争状態というものを実感した私には、とても他人事とは思えず、この事件は大きなショックだった。小中さんは国内潜伏中の4人を一時自宅に住まわせたたほど彼らの支援活動に力を尽くされた。その勇気ある行動とその時代の社会現象も含めて話された小中さんの魅力的なストーリーは興味深かった。

 寡聞にして知らなかったが、昨年ニューヨーク・タイムス紙に4人の脱走兵のひとり、クレイグ・アンダーソン氏のインタビュー記事が掲載されたと聞き驚いた。その後アンダーソン氏は来日され、講演された。以前小中さんから4人のその後の消息はまったく分からないし、無事逃げ切ればそれはそれで好いと言っておられた。小中さんもアンダーソン氏がアメリカに在住されていることに驚かれたようだ。トーク・ショーの休憩時間に去る9月そのアンダーソン氏にアメリカで会った若い毎日放送の津村健夫記者といろいろ話をした。アンダーソン氏は、脱走兵として軍から厳しい処分を受けたので、年金も生活も厳しいようで、そのため生活費のあまりかからない国境を超えたメキシコ側で生活しているようだ。

 ベトナム戦争は私にとってもエポックメーキングな出来事だったが、そこには勇ましい戦闘場面とは別に、隠れた喜怒哀楽の側面があることを今更ながら思い知らされた。

 今日のイベントは、その点で青春の厳しかった1頁をいろいろな意味で想い出させてくれた有意義な企画だった。小中陽太郎さんには、よくぞお話しいただいたという気持ちしかない。

2017年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3869.2017年12月16日(土) 来年度税制大綱決定、増税へ

 10月に行われた衆議院選挙で大勝した自民党は、その余裕からかここで税制大綱を決定し、主に個人を対象に増税を考えている。財政改革とは口癖のように言うが、一向に実が上がらない国の財政事情の下で、年々国の借金は累積される一方である。政府は財政改革を本気で行おうとせず、またまた安易に増税を考えているのだから好い加減してくれと言いたい。

 今度の税制大綱の内容を見て目につく「国際観光旅客税」は新たに創設するものである。出入国者数が伸びているのに便乗して、もらえるところからいただこうとの安易な発想から考え出されたものだ。その他にもうひとつ創設された新税がある。「森林環境税」というのだそうだが、これまで話題にも上っていなかった抜き打ち新税である。国民の誰しもが呆気に取られている間に法制化して、全国民から一斉に徴収しようというもので、これまで関係者は密かに機会を狙っていたのであろうが、いかにもだまし討ちのような陰険なやり方で勝利に酔っている自民党が考えそうなことである。これは住民税に1人当たり年間千円を乗せて課税しようというのである。名前から考えて森林を守る資金なのだろうが、どうも徴税の主旨が理解出来ない。これも課税の方法としては強引だと思う。

 所得税の見直しでは、個人向けには年収850万円以上の勤め人、年間2400万円超のフリーの人、年金所得が1千万円を超える年金所得者は増税となるが、それらには関係ない私は幸いにも増税からは免れることが出来る。また、医療費が現在の1割から2割負担になるようだ。後期高齢者でもあるので、これも何とか来年度は免れそうだ。国の医療費負担が限界に近付きつつあるので、早晩後期高齢者の医療費も厳しくなってくるような気がする。

 一番辛いのではないかと気になるのは、生活保護世帯への生活扶助費が来年度から引き下げられることである。厚労省の報告では、生活保護を受けている世帯は全国で約150万世帯と言われる。その内高齢者世帯が半数強である。人数にして全体で212万人だそうだが、彼らに一様に生活扶助費の減額を迫ることになる。親1人、子2人で都市部に住む世帯では、現行基準月額が15万5千円から14万5千円か、14万4千円へ支給額が値下げされる。65歳以上の高齢者の都市居住者の場合は、7万9千円が7万3千円か、7万4千円に下げられる。これは今後も続けられ、減額される一方ということである。これでは彼らは年々厳しい生活を強いられる。高収入者に対して増税したり、生活扶助費を削減するなら、政治家にもやたらに与えられている月額歳費やそれ以外の経済的特権についてももっと厳しくメスを入れるべきではないかと思う。

 さて、昨日の国連安保理事会で、北朝鮮に対して条件を付けずに対話すると噂されていたアメリカのティラーソン国務長官は、出席した北朝鮮の国連大使に向かって強気に核放棄を要求し、北朝鮮がこれに反論した。今日の朝日夕刊にはトップ記事扱いで「米長官、圧力路線へ修正」と書かれていた。ティラーソン氏自身も先日来の発言に疑問を持たれていて責任感の所在や国務長官としての権威がない。どうもアメリカの高官らの節操のない言動が些か気になる。

2017年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3868.2017年12月15日(金) 一夜明ければ、アメリカは元のまま

 昨日取り上げたばかりのアメリカのティラーソン国務長官が、北朝鮮に対して条件なしの対話を考えているとのニュースは、どうも「フェーク・ニュース」らしい。そうだとすれば、甚だ人騒がせである。トランプ大統領はそんなことは考えていないと言うし、国務省報道官からは大統領と意見は一致しているような発言があった。では世界的に大きな影響を与えるような情報がどうしてこうも容易く政権の外へ漏れてしまうのだろうか。もう少し機密情報遺漏防止のためのガードをしっかり固める必要があるのではないか。少々がっかりさせられたが、今のアメリカの政治家は真っ当なことをやらず、世界中の人々を混乱させるばかりか、誠実さを欠き、「アメリカ・ファースト」で典型的なオポチュニストになっている。これもフェーク・ニュースだったのかも知れないが、いずれ近い内にトランプ大統領は辞任に追い込まれるだろうとの期待は裏切られてしまった。

 今沖縄で米軍ヘリコプターから小学校校庭内へ窓枠が落下して、跳ね返った破片でひとりの生徒がケガをした問題が注目されている。つい先日も幼稚園の屋根に米軍名入りの瓶らしいものが落ちた。以前からずっと心配されていた危険極まりない事故の連発に、沖縄住民はもとより日本各地から懸念の声が挙がっている。早速翁長知事が米軍、並びに小野寺防衛相に抗議に出かけたが、米軍司令官は落下した瓶は米軍機からの物とは断定できないと応え、窓枠については謝罪したが、沖縄が要求した原因判明まで米軍機の飛行中止には応じられないと応えた。政府の言い分はあってはならないことだと沖縄県民に寄り添う発言はしたが、米軍にどのように責任を追及し、今後事故防止のために何を要求をするかについては、まったく触れなかった。

 在日米軍の安全上、騒音上の問題が指摘されてから今日まで事態は一向に望む方向へ進まない。米軍、並びにアメリカ政府の沖縄植民地意識が強いうえに、日本政府の弱腰が事態の解決を遅らせている。

 現在の日米間の防衛関連機材売却交渉の経緯を見ると、先般トランプ大統領が訪日の際アメリカの一方的な押し付け販売を、否応なく日本が引き受けさせられている。日本国民にまったく情報開示することもなく、強引にトランプ大統領の直談判に安倍首相が応じさせられて高い買い物を掴まされている。正当な商取引でアメリカが背負った日米貿易赤字額を防衛機材の押し付けで解消させようというアメリカ政府のヤクザ商売的魂胆なのである。米軍の沖縄駐留経費も日本に可能な限り負担させようとの腹積もりなのだ。これを安倍政権は断り切れず、ずるずると防衛費負担を増やされている。

 これで果たしてアメリカは、日本にとって友好的な同盟国と言えるだろうか。

 さて、毎月恒例の日本ペンクラブ理事会が開かれた。いつも通りの議案審査はほぼ滞りなく終わった。ただ、はっきり言って会議の進行にまだ馴染めないせいか、疑問がいくつもある。今日もその一部を質問し応えてもらったが、納得したわけではない。議事の進め方と結論の出し方にどうも釈然としない。何とかしないといけないと思っている。

2017年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3867.2017年12月14日(木) トランプ大統領、対話路線へ踏み出すか。

 傍若無人の言動で顰蹙を買っているアメリカのトランプ大統領も、政権内及び共和党内で求心力にやや陰りが見えて来たように思える。

 まず、これまで強気一辺倒で北朝鮮に経済封鎖やその他あらゆる圧力をかけて、対話を一切拒否していたが、ここへ来てティラーソン国務長官が、対話の機会を探っているような報道がなされている。同時にこの間トランプ大統領と国務長官の間に不協和音が漏れている。そこへ昨日行われた共和党の牙城であるアラバマ州上院補欠選挙で、本命の共和党候補者が民主党候補者に敗れて、上院の勢力図も民主党「49」:共和党「51」の際どいバランスになった。共和党内にも大統領に批判的な議員が声を出し始めた。

 これからトランプ大統領は北朝鮮に対してこれまでの出方を変えるかどうかは分からないが、そろそろ圧力一辺倒のやり方に限界を感じているのではないだろうか。私も最近本ブログでそろそろ対話を考えてみてはどうかと何度か提言している。昔から日本では「押してもダメなら引いてみよ」という諺がある。そろそろ膠着状態も転換期に来ているのではないだろうか。それと同時にちょっと気になるのは、安倍政権がこのトランプ異変にあまり関心を寄せていないことである。

 さて、裁判でまたややこしい結審があった。岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長が、受託収賄で有罪判決が確定し、今日辞職が決定した。

 藤井前市長は4年前に当時28歳で全国最年少市長として初当選した。その後市議会議員時代に業者から賄賂として30万円を受け取ったとして受託収賄の罪に問われ、1審無罪、昨年の名古屋高裁2審では執行猶予付有罪判決を言い渡された。藤井氏は辞任した。その後藤井氏はこれを不服として今年1月に行われた市長選に再び立候補し、得票率82.3%で対立候補者を圧倒し再選されていた。

 しかし、前記のように今日市長の座を去ることになった。ところが、これで一件落着というわけにはいかず、藤井前市長は来週初めにも最高裁に異議申し立てを行うと見られているが、自らの意を通すことが出来る可能性は小さいようだ。どこでどう狂ってしまったのか、若手の有望だった筈の政治家も忍び寄る悪の手につい目がくらんだのか、間違った道へ踏み込んでしまった。82%もの支持者がバックにいたことを考えると、藤井氏は有能と見られただけではなく、相当な血縁、地縁があったのではないかと考えられる。罪は罪として反省したうえで、再起を期して出直して欲しいものである。

 藤井氏が嵌まったのは、自分だけの不始末だけではないと思う。権力に擦り寄って来る輩はどこの世界にもいるものだ。地方の若手政治家も悪徳国会議員を悪い手本にしてうっかり誘惑に乗ってしまったのであろう。政治家たるもの、常に住民のことを考えて謙虚にして清潔で真面目であれと言いたい。

2017年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3866.2017年12月13日(水) 四国電力伊方原発3号機運転禁止

 休止していた原発が再稼働へ大きく舵を切る中で、今日広島高裁は四国電力伊方原発3号機の運転を禁じる仮処分を決定した。高裁の決定は、伊方原発から約130㎞離れた熊本県の阿蘇火山に活動の可能性があり、その場合伊方原発が影響を受ける恐れがあると判断されたことによるものらしい。阿蘇火山が仮処分を申し立てたのは、広島市と松山市の住民である。この3号機は現在再稼働中であるが、定期検査のため停止中だった。東日本大震災で東電福島第1原発事故から6年9カ月が経ち、ほとぼりが冷めたかのように最近では地元地裁が関西電力の高浜3号、4号機の運転差し止めを決定しながら、その後抗告審で取り消されている。どうしてこんな大事な決定をひっくり返すことが出来るのだろうか。各地の原発が順次再稼働の動きを見せていた。

 こんな時であるが、この仮処分は直ぐにも法的拘束力を持つため、今後の司法手続きで覆らない限り、再稼働は出来ないことになる。

 四国電力はこの仮処分決定に対して、承服出来ないとして異議申し立ての手続きをするという。

 「のど元過ぎれば熱さを忘れる」と言われるように、国としてはエネルギー源として二酸化炭素が排出されず、(事故さえなければ)経済的な原子力発電を推進する政策を主導したいところだ。ところが、今や地球温暖化が世界的に大きな課題となり、同時に核開発が敬遠される中で現在需要を賄うことが出来る発電能力があるのに、事故の恐れのある危険な原発を必要とするのかとの根源的な論議が充分交わされていない。政府は危険を顧みず安易に原子力開発、原発再稼働に頼ろうとしている。現在の原発政策は、国家、国民にとってゆるがせに出来ない重要な問題であるのに、未だ国民的議論になっていないのである。これは、安倍政権の体質によるものではないだろうか。

 時恰もパリで気候変動サミットが開かれた。55カ国の各国首脳の他に、日本からは河野外相、グテーレス国連事務総長らが出席しているが、パリ協定から離脱を宣言したアメリカのトランプ大統領は招かれていない。今世紀後半には世界の温室効果ガス排出の実質ゼロを目指しているが、サミットでいかなる有効的なアイディアが採択されるのか、注目したい。

2017年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3865.2017年12月12日(火) 今年を表す1文字漢字は「北」

 毎年発表されるその年の世相を1文字で表す漢字は、今年も例年通り京都清水寺貫主が筆で書いた。それは「北」に決まった。これは日本漢字能力検定協会が広く募集した応募15万余案の中から最大得票の漢字の中から決められるという。それ故に今年世間を騒がせた北朝鮮のミサイル発射と何かと騒がしい北朝鮮情勢から「北」に決まったのではないかと思っている。九州「北」部豪雨もあるらしい。貫主はそれ以外にも「北」という文字は、右と左の作りがそれぞれ背を向けていることから、必ずしも北朝鮮ばかりでなく、左右に分かれている現在の世界の情勢を表していると話してもいた。

 因みに昨年はリオ・オリンピックで日本が金メダル12個を獲得したことから「金」に決まり、2015年は、安保関連法案が通過したことから「安」となったらしい。しかし、個人的な見方を言わせてもらえば、この一昨年の「安」は1強多弱を背に勝手気ままな手法で「森友」「加計学園」問題をあやふやにして我が道を往く傲慢政治を行っている安倍首相の「安」を指しているのではないだろうか。

 さて、タレントとして何かとその言動が世間を騒がせ物議を醸していた元プロ野球界の三冠王で、監督としも実績を残した野村克也氏の妻‘サッチー’こと沙知代さんが、8日突然虚血性心不全で亡くなった。朝食を食べて午後口を利かなくなったのでおかしいと救急車で病院へ運んだがそのまま亡くなったという。まるで突然死のように周りに迷惑をかけない死だった。その言動はあまりにも派手で、随分叩かれてもいた。特に、女剣劇の浅香光代やデヴィ夫人との罵り合いが凄まじかった。

 突然の訃報にちょっと驚いていたところへ、北朝鮮拉致被害者の曽我ひとみさんの夫ジェンキンス氏が昨夜自宅玄関前で倒れているのが見つかり、病院に運ばれたが今朝そのまま亡くなった。まさか「北」のせいではあるまい。死因は致死性不整脈である。77歳だった。

 不思議なつながりと言えば、ジェンキンスさんの死に合せるかのように同じ北朝鮮拉致被害者の増元るみ子さんの母親も今朝亡くなった。「北」の不誠実な対応のため娘に一目会いたいと願いながら逝った。享年90歳だった。

 拉致問題は一向に解決の見通しが立たず、政府は誠意努力するとは言うものの、手強い相手の北朝鮮が、一方的に拉致問題は解決済みと宣言しているだけに問題解決は至難である。況して日本がアメリカとともに核開発とミサイル発射問題で北朝鮮に経済制裁を課し、北朝鮮を追い詰めているので、益々解決は困難となっている。現状のまま時間が経過するのをただ待つだけなのか。アメリカの圧力一点張りの強気政策も行き詰っている。そろそろ対話を検討することも考えてみてはどうだろうか。

2017年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3864.2017年12月11日(月) 日本人の新たな世界的活躍のイメージ

 今年のノーベル賞は日本と関係のある人物や組織が受賞したことで、例年とは少し変わった印象を受ける。昨日オスロで行われたノーベル平和賞授賞式では核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が受賞した。101カ国の468団体が参加している組織だが、授賞式では日系カナダ人のサーロー節子氏が受賞講演を行ったり、広島と長崎の被爆者らが出席した。また、ストックホルムで行われた文学賞授賞式には日系イギリス人のカズオ・イシグロ氏が出席したが、イシグロ氏は長崎生まれである。

 近年は日本人の受賞者が多くなったが、例え日本人が受賞しなくても日本と関係の深い外国人が受賞する現象が目立っているのは別の意味で心強い。

 さて、このところスピード・スケートのワールドカップで日本人女子選手の活躍が目立っている。アメリカのソルトレーク・シティで行われた第4戦の今日、1000mで小平奈緒選手が世界新記録で優勝した。2位も日本の高木美帆選手である。前日はパシュートで女子3人のチームがやはり世界新で優勝した。この種目で日本チームの世界新記録優勝は3回連続である。小平選手は500mでも優勝したし、1500mではパシュートの優勝メンバーのひとり、高木美帆選手が優勝した。大したものだと思う。こうなると2月の平昌オリンピックが楽しみだ。あとはまだ調子の上がらない昨年まで常勝を誇っていたスキー・ジャンパーの高梨沙羅さんの復調に期待したいところである。

 ところで今日こんなことがあった。今朝自由が丘駅まで車で家内を送る途中、目黒区立宮前小学校前の上り勾配の直線道を走行中、突然T字路の横路からタクシーが飛び出して右折し私の前を通り過ぎて行った。一旦停止を怠った明らかな交通違反である。咄嗟にブレーキを踏み、クラクションを鳴らしたのだが、次の信号停止でも運転手は知らん顔である。帰ってからタクシー会社の名前をネットで調べて、プレート№、場所と時間を書いてメールで危険だと注意したところ、30分ほどしてタクシー会社から謝罪の電話があった。運転手もこの件は承知していたということから、記録されているドライブレコーダーを使って今後安全教育をしていきますと恐縮していた。その後しばらくしてお詫びとお礼のメールもあった。苦情解決は直ちに行動することが大切だ。その点でこのタクシー会社の対応は素早く納得が行った。

 それに引き換え、これまでの経験上メディアの意見、苦情に対する対応は不誠実で話にならない。返事すら寄こさないことが多い。これまでの経験上朝日新聞社、日経新聞社、テレビ東京はまったくお話にならない。NHKは訂正の約束はするが、その約束を守ろうとしない。

 今日のタクシーのルール違反の件は一瞬ハッとしたが、その後の丁寧な対応に救われ悪印象は失せた。やはり客商売というのは、敏感である。

2017年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3863.2017年12月10日(日) ノーベル平和賞受賞に際し日本政府へ厳しい声

 師走も半ばになりこのところ寒い日が続く。当分この寒さが続くようだ。昨日セルビアのヴァイオリニスト豊嶋めぐみさんから頂いたメールによれば、現地では霙から雪に変わるという。

 そんな寒い中で今日オスロではノーベル平和賞授賞式が行われた。平和賞以外の授賞式は、アルフレッド・ノーベルの生誕地スウェーデンのストックホルムで行われるが、平和賞だけはノーベル自身の意向によりオスロで行われ、今年は国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞の対象となった。

 ICANは国連で圧倒的多数の賛成を得て成立した核兵器禁止条約を結実させることに貢献したことが高く評価され受賞することになった。ところが、被爆国である日本政府はこの条約に冷たい対応を取り、原爆被爆者ら関係者から非難の声が聞かれている。一歩譲って、核兵器を所有する国と所有せず廃棄を求める国との間に隔たりがあることは理解出来ないこともない。しかし、核兵器を無くしたいという国際世論を考えれば、唯一の被爆国である日本が核兵器を禁止する条約に賛成しないということはどう考えても不合理で理解出来ないし、この条約に賛成した国々から不信感を持って見られて当然である。

 一旦ことがこじれて世界戦争になれば、核兵器が使用されることは間違いない。これは人類の滅亡を意味している。現在核保有国が保有する核弾道の数は、1980年代に比べれば1/4近くに減少している。しかし、依然として現在世界9カ国の中ではロシアの7,000発を筆頭にアメリカ6,800発、フランス300、中国270、イギリス215、パキスタン130~140、インド120~130、イスラエル80、北朝鮮10~20発と推定されている。このうち1発でも使用されれば、反撃して拡大使用され破滅への道を辿ることは明白である。恐ろしい人間抹殺兵器である。

 どうして日本はこの核兵器禁止条約に賛成出来ないのかと言えば、同盟国である核保有国アメリカの核の傘の下にいるので、アメリカに盾突くことが出来ないからである。河野太郎外相は次のように言っている。①政府には国民の平和と安全を守らなければならないという責務がある。②アプローチは違っても核廃絶というゴールは共有している。③北朝鮮の核の脅威が現実となる中、日本は「非核三原則」を堅持しているので、核抑止はアメリカに頼るしかない。外相のコメントは詭弁に過ぎない。問題の本質から逃げているとしか思えない。外務大臣が国家、国民のことを考えていないと言っても好い。かつては自民党内でも比較的リベラル派と見られていた河野外相も、大臣の椅子が近づくに連れて保守化傾向を強めている。その挙句がこのコメントである。

 これに対して平和賞授賞式で被爆者の日系カナダ人サーロー節子氏は、授賞式前に、核兵器禁止条約について日本や、アメリカ、カナダ政府などは見下した態度を取っていると手厳しい。特に母国日本に対しては、日本政府が国連に核兵器廃絶決議案を提出しているが、言葉だけではないか、ふりをしているだけだと強く批判していた。そして今日の授賞式では被爆体験から「がれきの中で聞いた言葉を今皆さんに繰り返します。『あきらめるな、押し続けろ、光の方にはっていくんだ』」と訴えた。

 また、フィンICAN事務局長も「核兵器を終わらせるか、私たち人類が終わるかの選択をしなければならない」と述べ、すべての国が核兵器禁止条約に参加すべきだと訴えた。

 彼らの日本政府への厳しい言葉を政府、河野外相はどう受け止めるのだろうか。

 サーロー氏はこうも言っている。「日本政府が核保有国との橋渡しをするなら、自分たちに反対している相手の問題がどこにあるかを知る必要がある。ICANと語り合わず、核兵器禁止条約の交渉会議にも出席せず、なんで橋渡しができますか」と。

2017年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3862.2017年12月9日(土) アメリカ、国連安保理事会で孤立

 案の定アメリカは完全に孤立してしまった。今朝未明に開かれた国連安全保障理事会の緊急理事会で、エルサレムをイスラエルの首都として承認するとのトランプ大統領の発言が各国から厳しい批判を浴びた。これまでアメリカに同調する国は当事者のイスラエル以外に見当たらない。アメリカは完全にその孤立ぶりが浮き彫りになった。このままでは問題は解決しない。一番手っ取り早いのは、難しいとは思うが、アメリカが大統領の発言を撤回することだ。ここはアメリカ人の良識を期待するより術はないと思う。大統領を差し置いて連邦議会が発言を承認しないことである。

 どこまで本当か分からないが、つい最近トランプ大統領の話しぶりがろれつが回らない点があると一部メディアで伝えられた。本当ならすぐ次の手を打たなければいけない。後継者によって大統領の発言を取り消してもらうことだ。だが、こんな他人の不幸を期待するようではお終いである。事の真偽はともかく、こういう緊急時に妙な噂話が出て来ること自体アメリカに病巣があるということではないだろうか。

 さて、このところ日本海沿岸に北朝鮮籍の旧式の木造船がやたらと漂着して沿岸市町村の住民に不安を与えている。先月から急に漂着船が増えて、中には死体も数多くある。

 そこへ昨日北海道松前町の無人島へ一時避難していた木造船が、地元警察が任意取り調べ中につないでいたロープを切断して逃走し、海上保安庁監視船が追いかけ捕まえるという寸劇があった。無人島では、漁業者用の避難小屋から何の目的か、1千万円近い電気製品を盗み出し、窃盗罪で逮捕される事態になった。

 どうしてこうも北朝鮮籍の船が日本にやって来るのか。先月1カ月間だけで28件が確認されたという。北朝鮮では生活が苦しく慢性的な食料不足に加え、国が「冬季漁獲戦闘」と称して漁を戦闘、漁師を戦士と呼んで漁獲高にノルマを課して荒波の日本領海へ駆り立てているというからすごい。普通の常識では考えられないような国家が最前線の労働者を危険に追い込む施策を堂々とやっている。

 仮に朝鮮半島有事なら、北朝鮮から多くの難民が日本に押し寄せて来るだろうとまことしやかな噂がいよいよ現実味を帯びて来た。

 他にまるで次元は異なるが、東京都内の由緒ある神社で実際に起きた訳の分からない凄惨な殺人事件にびっくりした。当事者たちが日本刀で殺害したり自殺して運転手を除く3人が亡くなった。その舞台が江戸時代から伝わる江戸3大祭のひとつ、深川八幡祭が行われる富岡八幡宮だというからびっくり仰天である。伝統ある富岡八幡宮は創建が寛永4年(1627年)で、江戸勧進相撲発祥の由緒ある神社である。境内には「横綱力士碑」があり、今年6月には横綱に昇進した稀勢の里関が手数入りを行った。また、5年前にはお祭りに天皇・皇后両陛下が臨席なされた。ところが、この名門神社で血なまぐさい尊属殺人事件が起きた。大分以前から宮司の地位を巡って姉弟の間で諍いが絶えず、宮司だった父親の後にそれぞれが宮司となってこの10年以上の間2人のトラブルは近所でも有名だったというから舞台が神社であるが故に恥ずかしい話である。

 賤しくも氏子にお説教をするような崇められる宮司が、日本刀を振り回して尊属殺人を行うとはただ絶句するばかりである。富岡神社は神社本庁から除籍処分を受けて、空席だった宮司の座に現在の姉が自分たちだけの判断で踏襲したというから神社本庁も早や手に負えなくなったのではないだろうか。

 時代が変わって我々が想像出来ない事件が、起きるようになった。この先日本はどうなってしまうのだろうか。

 非常識という点では、北朝鮮も富岡八幡宮も似たようなものか。

2017年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3861.2017年12月8日(金) トランプ大統領の「首都エルサレム」案に非難轟々

 今から37年前の今日ビートルズのジョン・レノンが暗殺された。ビッグニュースだった。偶々その時旧文部省の教員海外派遣団にお供してフランスのマルセイユに滞在していた。テレビで事件を知り驚いたが、現地では号外が出てホテルのボーイさんまで噂話をしていた。実はその前日の7日、明日は太平洋戦争開戦記念日になると先生方と話し合っていたところだった。翌年以降ニューヨークを訪れる度に暗殺現場でもあり、ジョンとオノ・ヨーコが住んでいたダコタハウスの前を通る都度ビートルズのことを想ったものだった。

 そして戦争に因縁めく開戦記念日の今日は、アメリカのトランプ大統領の愚かでノーテンキな発言が世界中を揺るがせている。「エルサレムをイスラエルの首都と正式に認める」と突然宣言し、同時に現在首都テルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転するよう国務省に指示したとの発言である。エルサレムの扱いは、当事国であるイスラエル政府とパレスチナ自治区政府との間の和平交渉の場で決めるとの約束だったし、国連もそう確約している。それを部外者であるアメリカが無視し、僭越にも他国の首都を決めようというのだから、あまりにも無謀で不遜であると言わざるを得ない。案の定世界中からアメリカに対して非難の声が挙がっている。我が意を得たりというのは、当事国のイスラエル一国のみである。同盟国のイギリス、フランス、ドイツの他に、ロシアや中國、当然ながらイスラム諸国から厳しい非難が浴びせられている。国連のグテーレス事務総長もイスラエルとパレスチナの和平の可能性を危うくし、この一方的な措置に対して強く反対している。

 アメリカ議会はこれまでクリントン大統領時代の1995年、エルサレムの首都承認と大使館移転を法制化した。ところが、歴代大統領は緊迫した状況を考えその実施を延期してきた。大統領の取り巻きも一様に慎重だった。それにも拘わらずトランプ大統領は強引にパンドラの箱をこじ開けてしまったのである。トランプ大統領は今のままでは事態は解決出来ないので、イスラエルとパレスチナ間の争いに新しいアプローチを始めると得意げだったという。現状把握がまるで出来ていない。

 気になるのは、日本政府の対応である。世界中が猛烈に非難しているこの首都移転という失態に対して、アメリカとの緊密な同盟関係の故にアメリカ政府に対してはっきり‘NO’と言えず、忠告や、再考を促すようなこともなく、ひたすらあいまいなまま日本の立場を表明していない。アメリカの出過ぎた行動に忖度して、まったく動こうとはしないのだ。

 過日も国連で採否を問われた核兵器禁止条約が圧倒的多数で承認された中で核所有国は悉く反対した。これに対して被爆国である日本はアメリカの核の傘の下にいる立場から棄権を選択して、条約賛成国から厳しい対応を迫られている有様である。これもアメリカに対する忖度が過ぎることが原因である。

 また、在日米軍基地における様々の不祥事の対応についても言える。対応を自治体に任せてアメリカ政府に対して国としてきちんと改善を申し入れることをしない。これでは国としての責務を回避してはいることにならないだろうか。いつか長崎原爆被爆者代表が安倍首相に対して面と向かってあなたはどこの国の首相ですか、と詰ったことでも推し量れる。現状は、情けないことに日本はアメリカに対して何も言えないロジックに嵌まっているということである。果たしてこれで日本は主権国家と呼べるのだろうか。

 トランプ大統領とアメリカも酷いが、日本の行動だって無責任で恥ずかしい。

2017年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com