夕方近藤聰さんの出版記念会が新宿・京王プラザホテル44階で開かれた。彼はこれまで他にあまり類のないほど立派な装丁、内容のワインに関する出版物を上梓しているが、広告会社経営の傍ら広告デザイナーであり、イラストレーターでもあり、芸術家でもある。毎日広告賞、日経広告賞など、いくつも名誉ある広告賞を受賞されている。自ら会社を経営しながら日本旅行作家協会役員も兼ねて、母校武蔵野美大でも要職を務めていた。
今日いただいた出版物「センチメンタルな極上葡萄酒談義」は一見やや専門的ではあるが、ひとつひとつのイラストが良く描けており見ているだけで興味深く、全体的に素晴らしい。抜群のセンスで作品自体芸術品である。
近藤さんとの友人関係は意外なところにある。私立市川学園中学の1年生時に同じクラスに在籍していた。それもただのクラスメートというだけではなく、お互いに同じ近藤姓4人組のひとりだったのだ。出欠簿では毎度4人連続で「近藤」と呼ばれて、名物にもなった。他の2人の近藤氏とは今ではまったく交流がない。2年生に進級した時、4人ともクラスが分かれてしまった。そして私は2学期になって父の転勤で京都の中学校に転校した。それきり4人とも別れ別れとなった。ところが数年前私自身日本旅行作家協会に入会して最初の顔合わせで、名前に見覚えがあったので、ひょっとすると「市川中近藤4人組」のひとりではないかとメールで問い合わせたところ、すぐYESと返事をもらって60年ぶりぐらいの旧交を再開したわけである。
それにしても不思議な縁である。彼は今では実質的に会社を子息に委ねて、会長職に留まりながら特技の発想力とデザイン力、イラストを存分に発揮して活躍している有能な人物である。
今日は奥様にもお会いして2人の関係を話したら驚いておられた。他に日本旅行作家協会の役員の方々や、前から存じ上げているワイン通の弁護士山本博先生にも会えて、美味しいワインと料理をたっぷりいただき、大変有意義で楽しいひと時を過ごすことが出来た。今年傘寿を迎える同じ年でもあり、受付でお互いにあと10年は頑張ろうと記帳した。健康に留意され、益々活躍されるよう願っている。
それにしても今日も寒かった。完全防護で出かけたが、風に当る場所では寒くて地上を避け、ほとんど地下街を歩いた。都心では今日の最低気温は零下3.1℃だったという。