安倍首相と麻生財務相が帰国したが、それぞれ出発前に騒がれていた財務省スキャンダルが一向に収まる様子がない。嫌気が差したのか、自民党内部からも無分別な失言や放言が飛び出している。事務次官のセクハラ事件に抗議するため女性国会議員が財務省にデモをかけたところ、自民党細田派の長尾敬議員が「セクハラとは縁遠い方々」とツィッターに書き、抗議されて撤回した。長尾議員は、民主党から自民党へ鞍替えしたり、政治資金収支報告書の記載漏れをしたり、沖縄・辺野古基地建設では反対住民に対して反社会的行動であるとの不見識な発言をする非常識な議員である。また、下村博文・元文科相が「セクハラと批判しているテレビ朝日の女性記者が、隠して録音したテープを週刊誌へ持ち込んではめられたことは、一種の犯罪に等しい」と言って、これもまた撤回、謝罪したり、どうも次元の低いトラブルで国会も有名無実化している。野党は一連のトラブルや、福田次官や佐川前国務長官らの任命責任を問い麻生財務相の辞任を要求して事態解決のメドが立っていない。いつまでこの不健全な状態が続くのだろうか。
国内政治はこんな按配で揉めに揉めているが、海の向こう側アメリカも酷いものだ。昨日テネシー州ナッシュビルで裸の男が銃で4人を殺害した。アメリカ国内の銃乱射事件は年を追って増加している。2017年には346件の事件が起き、15,590人が殺害されている。銃による事件が起きる度に、その防止対策として銃を持たせない銃規制より、銃で自らの身を守ろうという240年以上も昔の独立以前の西部開拓時代の考えが強く出て来る。ところが、それが反って銃乱射事件を多発させている。今やアメリカ一国の問題ではなくなっている。どうして銃規制に国民の意識が向かって行かないのか。アメリカ人というのは、世間一般の感覚とは別に、内向き志向なのだ。銃所有を憲法で容認している国はアメリカ以外にはない。これでどうして民主主義国と言えるのだろうか。
今注目されている米朝首脳会談に向けても、アメリカは北朝鮮に非核化を要求している。それは当然とも言えるが、翻ってアメリカ自身に非核化の意思があるのかと問いたい。アメリカは常に自らは実行せずに相手に事を要求することを当然と考えている。はっきり言って傲慢なのである。
今日の朝日朝刊でインタビューに応えたリチャード・アーミテージ元国務副長官は、「日本も敵基地攻撃能力を」と日本国憲法を蔑ろにするような不遜な発言をしている。まったく大きなお世話である。アメリカは大統領以下全国民が些か思い上がって幼稚になっていると思う。一昨日の本ブログにも書いたことだが、日本がいつまでもアメリカ追従外交を続けているといつか足元を掬われる気がしてならない。
さて、今日は朗報と訃報が交錯して伝えられた。朗報とは、イギリスのウィリアムズ王子一家に第3子の王子が誕生したことである。キャサリン妃は出産後僅か7時間で生後間もない王子を抱いてハイヒール姿で記者たちの前に姿を現した。日本ではとても考えられず、あまりにも早い退院に驚きの声が上がっている。来月にはウィリアムズ王子の弟ハリー王子の結婚式が行われる。先日エリザベス女王在位66年のお祝があったばかりである。今年はどこまでも明るい祝賀ムードに溢れるイギリス王室である。
一方、訃報とはプロ野球元広島東洋カープの衣笠祥雄氏が大腸がんのため亡くなった悲報である。数々の記録を残して国民栄誉賞を受賞した。フル・スィングを看板に活躍し、鉄人と呼ばれ連続2215試合出場の日本記録を持ち、広島ファンのみならず、多くの野球ファンに愛された。個人的に多少なりとも縁があるとすれば、彼の出身校・平安高校の付属である平安中学にほんの7カ月ほどだったが、在学したことがあり、僭越だがちょびっと衣笠氏の先輩に当たることである。盗塁王のタイトルを獲得したことがあり足も速かったが、あまりにも早過ぎる旅立ちである。享年71歳。心よりご冥福をお祈りする。