6011.2024年2月5日(月) 東京都内23区に大雪警報!今冬初めての積雪

 能登半島地震災害の復興に追われている最中に、自民党の裏金問題で自民党内は大分揺れている。自民党に対する国民の批判が高まっている時に、注目すべき地方の市長選投開票が、栃木県県庁所在地の前橋市と古都・京都市で行われた。

 前橋市長選は、3期連続市長だった山本龍前市長を新人で前県議会議員の小川晶氏が大きく差をつけ破った。小川氏は連合群馬と共産党系市民団体の支援を受け、一方の現職山本氏は自民党県連と公明党県本部の推薦を受けた与野党対決の構図だった。山本氏は裏金問題で国民の批判を浴びている折でもあり、自民党本部から応援が駆けつけることはなかったが、それでも裏金の影響が響いて、小川氏の得票が6万票だったのに対して山本氏はかなり差をつけられ、4万6千票にしか届かなかった。保守基盤の選挙区で連続3期当選の保守系現職がこれほどの大敗を喫するのは、明らかに裏金問題の影響があったと思う。

 他方、京都市長選は新顔同士の争いとなり、共産党支援の福山和人氏が自民、公明、立憲、国民が推薦する松井孝治元参院議員に惜しくも敗れた。松井氏は17万7千票、福山氏は僅差の16万1千票だった。普通なら松井氏を推薦する筈の立憲民主党が、松井氏を推薦せず、共産党とともに福山氏を支援していれば、結果は逆になっていた可能性が高い。

 2つの市長選の結果から、やはり裏金問題が保守支持票に大きく影響を与えていると推測できる。こうなると4月に行われる前議員が自民党だった3つの衆議院議員補選(島根1区、長崎3区、東京15区)の結果次第では、今後自民党はよほど党内改革を国民に訴えないと支持層を固められないのではないかと思う。

 さて、今年の冬は比較的暖かいと言われているが、数日前から今日、明日にかけて雪が降るとの予報が出ていた。今朝起きた時には雪は降ってはいなかったが、午後から都内23区でも積雪があると気象庁が発表した。そこでいつものウォーキングを雪が降り出す前にやってしまおうと、午前中にいつも通り自宅周辺の住宅街2㎞を約30分かけて歩いた。帰宅してしばらくすると予報通り雪が降り始めた。今年最初の積雪である。夕刻になると都内23区に大雪警報が発せられた。一般的に東京都内は雪に弱いと言われ、雪が降ると交通機関に支障が出る。都内高速道路では、転ばぬ先の杖であろうか、朝の内にスノータイア装着とチェーンを携行しないと高速道路への進入を認めないと警報を発する有様である。その後の積雪の状態によって、午後には東名は東京~清水間、中央道は高井戸~宮御坂の他にも西湘、小田原厚木道、圏央道などが上下道とも通行止めとなった。鉄道もJRは路線ごとに運休が大分出た。航空機の飛行キャンセルも相次ぎ、今日は日本航空68便、全日空37便が欠航となった。明日も日航、全日空は国際便と国内便を合わせて41便が欠航の予定である。

 自室からガラス戸越しに車や人通りのあまりない外を眺めてみると雪が降り続く様は、やはり詩的で情緒がある。庭の植木にも白く雪が重なり静かで中々の風情である。パレスチナ・ガザ地区でイスラエル軍の銃砲に怯えている人たちにこの静かな雪景色を見せてやりたいものである。ハマスやイスラエル軍兵士らも少しは冷静になるのではないだろうか。

2024年2月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6010.2024年2月4日(日) 日鉄のUSスチール買収に米国人の屈辱感

 11月に行われるアメリカ大統領選で、共和党ではいくつかの州で予備選が始まり、トランプ前大統領が圧勝して選挙選をリードしている。トランプ氏が多くの訴訟事件を抱えながらも圧勝するというのは信じがたいことだが、それがトランプ氏の得体の知れない人物像なのだろうか。ただ、その内の1件でも有罪が確定すれば、そうは問屋が卸さずトランプ氏の思惑通りにはいかないようだ。

 一方の民主党は、遅ればせながら昨日初戦の予備選が南部サウスカロライナ州で行われ、これというライバル候補者がいない中でバイデン大統領が圧勝した。民主党としてはバイデン氏に勝ってもらいたく、戦術でもかなりのおぜん立てをしているようだ。サウスカロライナは人口の1/4が黒人の州で、バイデン氏はここで圧勝した。これにより黒人票の獲得に期待が持てると踏んでいるようだ。これから白人の多い地域へ選挙戦を移すにつれて、圧勝の流れを続けていきたいとの考えである。

 バイデン大統領は、最終的に民主党候補者に指名された後に、対トランプ作戦を練ることになるが、トランプ氏のなりふり構わず強引な言動を表に出す作戦に、バイデン氏がどう対応するかである。しかし、いずれも指名権を獲得して再びこの高齢ライバル同士の対決になった時、どうしても2人の年齢が気にかかる。アメリカ大統領は世界でも最激職であり、80歳を超えた彼らが全身全霊で4年間全力投球できるだろうか。特にバイデン大統領は、来年1月の大統領就任時には82歳となる。4年間無事務め上げれば、退任時には86歳となる。テレビの画像を観ていても、歩き方がどことなくたどたどしく健康問題が気になる。老体を引きずって世界の各地を巡ることが出来るだろうか。現状では、すでに選挙戦の火ぶたは切られた。11月にはまず2人の高齢者による決戦が行われるだろうが、黙って彼らの言動を注目しているより他に手段はない。

 そのアメリカで現在対日経済問題に発展しかねない事象が起きている。それは日本製鉄が世界最大の鉄鋼メーカーであるアメリカの「USスチール」を買収することに、アメリカの鉄鋼業界の労働組合が猛烈に反対しているのだ。日本製鉄は、すでにUSスチールと買収で合意したと発表した。その買収額が実に2兆円だという。この買収について、トランプ前大統領は「私なら即座に阻止する」と買収を認めない考えを明かした。バイデン大統領も、買収に反対と労働組合の後押しをすることを言明した。連邦政府議員の間でも反対の声が強い。買収が大統領選の主題のひとつになっているのだ。

 これには、アメリカ国民が抱いている世界最大のアメリカ企業が乗っ取られたとの屈辱の印象がある。損得勘定よりもプライドの問題だと思う。況してや世界最大の経済国家が成長著しいが敗戦国である日本経済に屈するとのイメージが受け入れられないのだろう。日本製鉄側は、アメリカに対して巨額の投資をし、資金を持っていき技術も送るし、労働組合との協約は100%守ると主張し、この買収によってアメリカがマイナスになる心配はまったくないと言っている。名を取るか、実を取るかの受け取り方だと考えれば良い。それでもアメリカ人にとっては、自国の最大企業が日本に屈した現実は、素直に納得出来ないのだろう。やはり国際商取引は、中々思うようにはいかない一面がある。

2024年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6009.2024年2月3日(土) 戦争好きな政治家が多くの人を殺害している。

 地味な話題かも知れないが、今上海でフィギュア・スケートの4大陸選手権大会が行われていて、昨日2日目に女子シングルスのフリーがあり、千葉百音選手が優勝を飾り、3位の渡辺倫果選手が3位だった。他の女子選手を含めて活躍した選手の名前を見てとてもユニークだと思った。読み難いこともあるが、昔に比べて随分変わったと思っている。これも時代の反映なのだろう。活躍した女子選手の姓名の内、名前だけは確かにきれいな漢字が並んでいる。ざっと挙げてみると、百音、倫果、舞衣、美里、唄菜、梓沙などで、このように想像外に洒落た名前を我が子に付けるのは、我々後期高齢者世代には考えられない。小学校の女子同級生たちの名は「子」、「江」の付く名前が多かった。因みに昭和26年3月に卒業したわがクラスでは、男子29人中「男」「夫」が付いた「〇〇オ」で締める名の同級生は7人もいて、名前に勝利の「勝」の文字がある子が結構いたものである。一方、女子の場合は、26人中「子」で終わる生徒が21人、「江」がひとりだった。その分今では女性の名前は、詩的で中々ロマンチックな名が増えたと言えよう。世の中の移り変わりに連れて女性の名前の中に美とロマンを感じるようになったと言える。これからも変貌を遂げて行くのだろうか。いずれは「エリザベス」とか、「マーガレット」なんてことにならないだろうか。

 さて、一向に戦火が衰えないパレスチナで漸く一時的休戦の話し合いの兆候が見えて、ホッとしていた時に、昨日アメリカ軍がイラクとシリアでイラン革命防衛隊と親イラン武装組織を襲撃した。先月末ヨルダンでドローン攻撃によりアメリカ軍兵士3人が死亡し、40人以上が負傷したことに対する報復だとアメリカ軍は公表した。中東地域における戦争拡大の懸念が広がっている。

 また、ヨルダン川西岸やガザ地区などパレスチナ人居留区にユダヤ人入植者を送り込んでいるイスラエルの極右政党が、「国民を守るため、我々は入植者としてガザに戻る」などと国際法に反する発言をし、イスラエルの後ろ盾であるアメリカをたじろかせ、フランスなどが強く非難している。これにより、益々戦闘が収まる期待が失せてしまう。

 また、並行して戦火が絶えないウクライナでは、ロシアのプーチン大統領はロシア側に主導権があると言い、一方のゼレンスキー・ウクライナ大統領は徹底抗戦の姿勢を強調して、戦闘の長期化は避けられない。ロシア軍侵攻から2年近くが経ち、ウクライナ市民の死者は1万人を超え、中でも悲劇的なのはウクライナから世界各地へ避難した人が645万人もいるということである。ウクライナの人口は約4千3百万人だから、国民のほぼ15%が国外へ避難していることになる。その中でゼレンスキー大統領は、戦闘開始から2年目の節目に当たり、50万人規模の追加動員を望んでいる。軍人集めに難儀しているようで、国外に住むウクライナ人に対して兵役に就くよう求めている。今些か苦境に追い込まれていると見られるゼレンスキー大統領にとって、同盟国からの支援が欠かせない。しかし、アメリカ民主党は昨年12月8兆円規模の軍事支援法案を提出したが、共和党が議会で否決に持ち込んだ。そろそろ支援疲れが出てきたようで、EUもウクライナ支援にあまり積極的ではない。

 現状は、膠着状態に見えるが、ウクライナとしては人的にも物質的にも厳しい状況にある。ロシア軍は、いくら反撃されようとも最終的に追い込まれれば、核の使用も選択肢の中にあるとして戦線を引き上げる様子は見えない。我慢比べであるが、直ちに休戦の見込みはない。いつになったら「戦争と平和」ではなく、「戦争から平和」に向かうことだろうか。

2024年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6008.2024年2月2日(金) 「おバカさん」国会議員の我欲と無責任

 昨日自民党の最大派閥安倍派が解散総会を開いた。安倍派の源流は1979年に結成された「清和会」で福田赳夫元首相が初代会長に就任した。その後、勢力を拡大し、森喜朗、小泉純一郎、福田康夫、安倍晋三らが首相となり、最大派閥になって行った。解散について新聞にも皮肉っぽく書かれた。清話会を創設した際は、田中角栄元首相の金権政治を批判し、「清廉」な政治を目指したが、その行く末が裏金事件を受けた解散になったとは政治史の皮肉と揶揄されている。まったくその通りである。

 一応解散という形になったが、残された問題は山積している。所属議員99人の内、77人のパーティ収入が収支報告書に不記載となって、その後訂正された支出はほとんど寄付と書かれていた。その総額は3年間で何と4億4千万円だった。一番スッキリしないのは、ほとんどの議員が説明責任を果たしていないことで、皆同じように「知らなかった」「秘書に任せていた」という無責任なものだった。だが、派閥が解散したからとて幕引きとはなるまい。それは、形式的には「解散」となったが、誰一人として記者会見に応じようとの誠実さが見られない。記者も流石にふざけていると我慢しきれなくなったのは、記者会見の要請に応じず、手渡された1枚の用紙に「詳細は総務省のホームページで訂正された終始報告書をご覧ください」と書かれていたことだったという。常識を疑う。誠実さの欠片も見られない。

 他の派閥ももちろん批判されているが、とりわけ最大派閥であるか安倍派が批判されるのは、派閥で集めた資金を元手に裏金を使って政治力を生かし、政界を自らの思う通りに動かしてきたことだろう。今では安倍元会長亡き後に、派閥を維持、運営してきた現座長の塩谷立元文科相をはじめ、中核であった五人衆と呼ばれる松野前官房長官、高木毅前国会対策委員長、世耕前参院快事長、萩生田前政調会長、西村前経産相らの責任は極めて重い。彼ら自身が多額の裏金を受け取っていながら責任逃れの言葉を繰り返すばかりだからである。それでいながら、自身の行為について今以て何らの説明がまったくないことである。

 今朝の朝日紙に読者の投稿でも厳しい視点で彼らの悪行を非難している。投書した元市議は、会社はもちろん、市議会でも政務活動費には、すべて領収証を求められ、それが経費に当たらない場合は返還を求められたが、公費支出なので当然である。国会議員は領収証なしでも通ることが疑問だと不信感を呈している。

 自民党は、今日2日から1週間ほどかけて裏金問題をめぐって派閥派の議員に対する事情聴取を始めるそうだが、所詮自民党内の同僚議員が聞き取ることでもあり、どこまで真相に迫る事実が明かされるのか疑わしい。

 普通に考えれば、これほどの悪だくみを集団で行っていた事実からも、自民党は次回の総選挙で多くの議席を失い、現在の1党独裁体制から野党に落ちても不思議ではない。これは国民の責任でもある。にも拘わらず、遅くも来年10月には行われる総選挙で、自民党が第2党に沈むという可能性は大分薄い。国民の間に民主主義が充分身に付いていないからでもある。因みに、4月に3つの選挙区で行われる衆議院補選の結果で分かる。前職はすべて自民党員だった。ひとつでも野党候補者が自民推薦候補者を破ることが出来るだろうか。民主主義のテストでもある。

2024年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6007.2024年2月1日(木) 増える「読書時間ゼロ」の若者たち

 元旦に能登半島地震が発生して今日でちょうど1か月となった。地震に津波、火災に遭い石川県全県が大きな被害を被った。地元民は少しずつ震災の後片付けをしているが、災害の復興にどれほど時間がかかるか絶望的な気持ちの人たちも多い。今日も相変わらず余震が続き、気象庁では今後2~3週間は最大震度5弱以上の地震の恐れもあると警報を鳴らしている。

 そして、海外でも今日ミャンマーで軍部がクーデターを起こして民主派政権を倒してちょうど3年となった。昨年秋以降国内各地へ国軍と少数民族武装勢力の衝突が拡散し、治安が悪化している。政情不安により経済は低迷し、人権状況も悪化している。昨日で非常事態宣言は期限を迎えたが、国軍は更に半年間延長する。従って宣言解除から6か月以内に総選挙を実施することが憲法で決められているが、その期待も空しいものになる。半世紀以上も前に現地で知り合い健康だったミヤンマーの友人たちは今どうしているだろう。

 3年前ミヤンマーの軍事クーデターに対して国際社会より軍指導部は厳しく非難されたが、間もなくロシア軍のウクライナ侵攻が始まり、国際社会の目はウクライナへ向き、そして世界の目は今パレスチナへ向けられている。

 国際社会の大きな衝突の流れに対して、日本国内では自民党の裏金問題が党内に幅広く広がり、連日国会を含めて政界は非生産的な存在となっている。日本の政治のシステムと議員の質とレベルが大分劣化している。困ったものである。

 そんな時にかねがね気になっていた若者の読書ばなれについて「選択」2月号の「増え続ける『読書時間ゼロ』の若者」なる記事が興味を惹いた。近年若者が本を読まない傾向にあるということは承知していたが、東大社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で実施した調査によると、「1日の読書時間がゼロ」の小中高生が49%もいる。少年らのほぼ半数が、1日中1頁たりとも本を読まないなんてとても考えられない。受験勉強に時間を取られる高校3年生になると69.8%になるというから、高3生10人の内7人が本を読まないという。総務省の調査では、インターネットには195分、テレビは46分も噛り付いているそうだから、1日4時間もインターネットとテレビに夢中になりながらも本は読まないのである。この読書敬遠傾向により若者が論理的思考力を身に着ける機会を失い、ビジネスの現場でも文章による指示や状況説明の理解力が低い若年層が増えていると考えられている。

 私自身の経験上からももし少年時代から本を読まなかったら、その後世界へ出かけてもあまり事象を深く突っ込んで見るようなこともなく、おざなりに表面的な情景しか見ようとしなかったのではないかと思う。例えば、「モンテ・クリスト伯」を読んだ後に、マルセイユの街を歩くと街の姿や、作家デュマが描こうとした時代背景がよく分かるし、トルストイの「復活」を読んでからシベリア鉄道に乗って車窓から外を見ているとカチューシャを追っていくネフリュードフ公爵の姿がイメージとして浮かんでくる。若いころに出来るだけ本を読みこんだか否かにょって、かなり知性に差が出ると思う。やはり読書から遠のくのは、社会現象もあるが、家庭の教育が大きいという。実際本をまったく読まないようでは、人生が面白くないし、極端に言って生きていてもしようがないと思う。

2024年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6006.2024年1月31日(水) 身から出た錆、ワリエナ選手と麻生副総裁

 昨日のブログに名張毒ぶどう酒殺人事件と静岡市の一家4人殺害の袴田事件について、すでにいずれも半世紀を経過しているが、今以て最終的な決着は付いておらず、裁判が長過ぎるので、何とかもう少し早く決着出来ないものかと書いた。

 ところで、それらの残酷な殺人事件とは別に、スポーツの世界でも選手の活躍可能期間を考えれば、かなり長期間だったが、漸く決着が付いたケースがあった。

 それは2年前の北京冬季オリンピックで順位と表彰式が、未だ実施されていない女子フィギュア・スケートである。ロシアが女子フィギュア・スケート団体で、1位になったワリエナ選手のドーピング問題が大会中に発覚して処分はそのままになっていた。そこへ一昨日になって漸くスポーツ裁判所が、ワリエナ選手の失格と判断し、ロシア(ROC、ロシアではなくロシアオリンピック委員会)を1位から3位へ、2位のアメリカを1位、3位の日本を2位へ繰り上げることを決めた。すでに発覚してから2年が経過したが、その表彰式はいつ、どこで行われるのか現時点では不明である。ドーピングが発覚したワリエナ選手は、その日ショックのあまり、シングル女子で前日ショート・プログラムまで1位だったが、その後行われたフリーでは再三転倒してメダル圏外の4位に落ちてしまった。

 スポーツ仲裁裁判所は、同時にワリエナ選手に4年間の資格停止他の処分を科すと発表した。問題が発覚してからすでに2年が経過した。当時15歳だった少女は、今17歳になったが、まだ2年間の資格停止期間が残っている。普通の市民ならともかくスポーツ選手にとっては、目の前に他の選手と競い会える場を奪い取られてしまったのだ。何を目標に鍛錬するのか、目標を奪われた選手にとっては茫然としてしまうのではないだろうか。況してやフィギュア・スケートは20歳代前半で選手生命は終わってしまうケースが多い。ワリエナ選手は果たして残り2年間を耐え抜いて行けるだろうか。ドーピングとは彼女も随分安直な近道を通ったものであるが、傍で指導しているコーチらがその辺りは気が付かなかったのだろうか。

 さて、一昨日やはりこのブログで触れた麻生太郎自民党副総裁の軽はずみな上川外相を揶揄する発言が、メディアで大きく取り上げられた。それは、裏金問題により自民党内の派閥がほとんど解散となりつつある中で、断固派閥を政策集団として維持していくと語った派閥会長の発言だけに、余計注目を浴びた。各テレビ局のコメンテーターが批判的な発言が多い中で、当の上川外相は「どのような声も有難く受け止めています」と表面的には気にしない大人の対応を見せた。しかし、外相の発言に対して、どうして真向から抗議しないのか、とかそういう対応が相手をつけ上がらせるのだと、いろいろ厳しい指摘もある。

 麻生副総裁はこれまでにも傍若無人で相手の人間性を傷つけるような言動が多かった。その都度批判は受けるが、いつもそれは一過性のものとなった。テレビ朝日のコメンテーター玉川徹氏は、会社内ではこういうことを言われても上司に仕返しすることは難しいが、政治家の場合は選挙で落選させることが出来る。選挙民がどう対応するかだというようなことを述べていたが、確かにその通りである。ただ、大都市圏ではともかく、地方では伝統的に選挙の現場では昔から土地の顔役が当選すれば、よほどのことがない限り再選される構図になっている。国民が成長しないとまだまだ第2の麻生、第3の麻生がしゃしゃり出て来る可能性は充分あり得る。

 厳しいようだが、15歳でドーピングを犯したワリエナ選手、そして軽薄な麻生副総裁には、身から出た錆だと言ってやりたい。

2024年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6005.2024年1月30日(火) 犯罪の陰で犯人を支える肉親の愛情

 昨日は丸の内の三菱重工ビルを始め連続企業爆破事件を起こした犯人「桐島聡」が半世紀も逃げ通した末に、警視庁公安部が「桐島聡」本人であることを確認出来ない間に、哀れにも末期がんにより鎌倉市内の病院で亡くなったとのニュースがメディアを騒がせた。

 そして今日は、それより10年ほど前の1961年に三重県名張市で毒ぶどう酒を飲ませて妻を含む5人の女性を殺害し、当時世間に大きなショックを与えた事件の死刑囚犯人の10度目の再審請求に対して最高裁判所が、再審を認めない決定をした。

 多くの人が殺害された事件でもあり、事件発生当時は生々しく気持ちとしては避けていた。事件から63年間よくぞ根気よく犯人の妹が再審を訴えてきたものだと兄を思う気持ちに同情を覚える。すでに犯人は獄中で亡くなり、それでも再審を請求して兄の罪を晴らしたいとの妹の兄を思う気持ちには感銘すら覚える。その妹もすでに94歳というから、そういつまでも再審に関わってはいられないだろう。

 この名張毒ぶどう酒事件も生々しかったが、その5年後に静岡市内で起きた一家4人殺害、いわゆる袴田事件の犯人として逮捕され、今も容疑を否定して裁判が継続中の元プロボクサーの袴田巌氏をつい思い出す。袴田氏の場合も実姉が終始付き添って私生活は一切面倒をみている。その姉も90歳である。87歳の袴田氏は体調を崩して心神耗弱状態にあり、車いすの生活を送っている。2014年に静岡地裁で再審開始が決定して、46年ぶりに自宅へ帰ることが出来た。だが、高齢にも拘らず、未だ最終的な処遇は決定していない。

 毒ぶどう酒事件にせよ、袴田事件にせよ、裏社会の話のようであまり爽快な気分で受け止めるようなことではないが、それにしても結論が出るまでにこれほどの時間がかかるとは驚くばかりである。例え、無罪となっても過ぎ去りし過去を取り戻すことは出来ない。失ったものがいかに大きいものか。裁判の結果はともかく日本の司法制度は、何とかもう少し迅速にことを進めることは出来ないものだろうか。

 さて、少子高齢化の時代を反映して、日本の人口が年々減少しているが、今月初め厚生労働省の「国立社会保障・人口問題研究所」が国勢調査の結果を基に、人口動態を公表した。それによると2008年の1億2千万人を頂点に以降毎年人口減少が進み、このまま行けば、2100年には日本人の人口は約8千万人になると予測されている。世界全体では増加傾向にあるが、先進国では日本同様にほとんどの国で人口が減少しつつある。

 全般的に人口減少の中で、東京都を主に首都圏の人口は都市化の進捗により、毎年転入が転出を上回る転入超過現象で人口は増えている。転入超過になった自治体は、東京都を始め、神奈川県、埼玉県、大阪府、千葉県、福岡県、滋賀県である。他の40府道県は軒並み減少している。その傾向は何となく想像出来る。このまま行けば、日本は高齢天国になり、財政的にも苦しくなってくる。裏金作りなどにうつつを抜かしていないで、身の回りの将来像を政治家たちには考えてもらわなければ困る。

2024年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6004.2024年1月29日(月) 人の生き方はいろいろあるが・・・。

 裏金問題が表面化して以来、自民党内の派閥の解消が話題となり、実際自民党内でも大きな派閥がいくつか解散を決めた。その中で麻生派と茂木派が派閥の効用を説明しながら政策集団として続けていくような考えを持っている。しかし、茂木派内では少しずつ派閥を脱退する議員も出て、改めて派閥解消について検討するようだ。頑固に派閥は人材育成の集団だと、派閥解消の気持ちはサラサラない麻生派は、自民党副総裁の麻生太郎派閥会長が若い派閥議員の教育と派内の人材養成について、得意顔で語るが派閥内における自身の教育はどうなのか聞いてみたいくらいだ。

 そんな皮肉のひとつもぶつけてやりたい尊大な麻生氏が、地元福岡で上川陽子外相について物議を醸しそうな発言をしたようだ。普段から軽口で脱線しがちな麻生氏だが、上川外相をそんなに美しいおばさんとは思わないと誤解されそうな発言をしたらしい。上川外相はハーバード大卒業であり、その点を意識したのかニューヨークに出張した際に、他の外交官の手を借りずにテキパキと処理していたと持ち上げていたが、上川外相を女性として初めての外相だと持ち上げたつもりで好い加減な発言をした。実際には田中真紀子外相、川口順子外相がいる。その麻生氏が最も恥を晒したのは、10年以上も前に公の場で中学生以上なら読める「有象無象」を「ユウゾウムゾウ」と読んで恥ずかしく後味の悪い思いをしたことがあった。そういう人物が、他の派閥会長が派閥の解散を行う中で、人材育成に効果があると派閥の効用を訴えているが、その自分自身の教育がお粗末だったのではないだろうか。

 さて、このところ親しい友人・知人で他界する人が増えた。昨年暮れ以来親しかった西木正明氏、日本ペンクラブ元副会長・高橋千劔破氏、そして昨日の新聞で訃報を知ったワインの評論家でもあった弁護士の山本博氏が旅立ってしまった。そこへ今日会社の山岳部仲間だった荒木正弘さんが一昨日亡くなったと連絡を受けた。荒木さんとは、随分一緒に山へ行ったし、彼の結婚式にも出席した。同年だったので、気持ちも理解出来た。数年前から体の具合が優れないということを言っていたが、その彼も天へ召されてしまった。また寂しい気持ちに捉われることだろう。

 亡くなったと言えば、元「東アジア反日武装戦線」のメンバーだった桐島聡らしき70歳の男性が、鎌倉市内の病院で亡くなった。50年前に丸の内の三菱重工ビル爆破事件の容疑者で、他にも連続企業爆破事件に絡んで全国に指名手配されていた。よくぞ半世紀も逃げ通すことが出来たものだと思う。偽名を使って藤沢市内の土木会社に住み込みで勤めていたらしいが、彼の目的は何だったのだろうか。末期がんとなり、仲間に連れられて入院して1週間足らずの間に天へ召されてしまった。人生を棒に振って、目的も果たせず、さぞや悔しい人生だったことだろう。我々60年安保闘争世代から、70年の東大紛争世代は、それぞれ目的がはっきりして、大願成就とはいかずとも社会に対してそれなりの関心と刺激を与えたと思う。しかし、東大紛争以降の学生ら若者の反社会的闘争は、次第に力を失っていった。桐島の願いは何だったのか?尋問を始めた警察も呆気にとられ、残念に思っているらしい。やはり生きている間は、目的を持って精いっぱい前へ進むことが大事だと思う。その点で桐島の人生は、極めて無駄と後悔の多い人生だったのではないだろうか。

2024年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6003.2024年1月28日(日) トランプ前大統領と世耕氏の下卑た言動

 「なんて素晴らしい勝利なんだ!」と、今年11月に行われる大統領選共和党予備選の2連勝をヨイショしたトランプ前大統領の取り巻きも、流石にショックを受けた裁判所の賠償命令である。一昨日ニューヨーク地裁がトランプ氏へ123億円にものぼる高額の賠償命令を下した。トランプ氏の女性への性的暴行事件自体はこれまでにも度々伝えられていたが、騒ぎが伝えられる度ごとにトランプ氏は、バイデン大統領による自らへの魔女狩りだと言い逃れをしていた。メディアに依れば賠償金は天文学的な評決だそうだ。天文学的な金額になったのは、トランプ氏が自分が冒した行為を鼻から否定し、自身への陰謀であると非難し、相手の女性作家は頭がおかしいとか、事件はでっち上げと中傷を重ねたことが被害者の名誉を傷つけたとして性的暴行に名誉棄損が認められ、精神的苦痛を与えたとして更に損害金が課せられ多額の賠償金になった。

 普通なら火事場から姿を消すところだが、常識と羞恥心の欠片もないトランプ氏は反って反抗することによって騒ぎを大きくしてイメージを悪化させている。ところが、我々が理解に苦しむのは、その犯罪人が選りに選って民主主義国家・アメリカ合衆国の大統領選の一番手に名乗りを上げ、その人気たるや、とても罪人に対する評価とは思えないことである。常識的に考えれば、これほど悪行を重ねた人物が国を代表する首脳として行動することは、アメリカ人として恥ずかしいものである。仮に再び大統領に選出され、各国首脳との会談に及んだ際に、若い外国女性首脳にでも手を出したら、どういう事態になるか、危なくて見ていられないのではないだろうか。

 アメリカ人有権者にはもう少し良識的、かつ理知的な判断を期待したいものである。

 一方、国内ではトランプ前大統領とは似て非なる問題ではあるが、世耕広成・前自民党参議院幹事長の行動が物議を醸している。自民党の裏金問題で東京地検特捜部の逮捕、及び立件から逃れたとは言え、後ろめたい議員らが国民から説明責任を求められているにも拘らず、未だに納得出来る対応をしていない。安倍派5人衆の中でも、政治家以外の活動で難しい対応に追われている幹部がいる。それが、世耕広成氏である。

 世耕氏は、現在祖父が創設した近畿大学理事長を務めているが、昨年12月に裏金疑惑が持ち上がると近大教職員組合は、大学の信用失墜行為であるとして理事長辞任を求める要求を大学側に提出した。しかし、大学側がその予定はないと回答した。そこへ世耕氏が1,500万円の還流不記載を明らかにし、「政治資金の管理は秘書に任せきりで把握できなかった」とか、「自分自身還流を受けているという認識がなかった」と述べたうえで、「私は起訴の対象にならなかった。法的な責任については区切りがついたと思う」と語ったことに対して、教職員組合は世耕氏の説明に納得せず、大学理事長である世耕氏に一層厳しい目を向けている。近大としては、愛される人、信頼される人、尊敬される人の育成を教育の目的にしていると訴え、世耕理事長の言動と真っ向から対立している。教職員として学生に何と説明すれば良いのか、と厳しく批判している。

 政治家として違法ギリギリの隙間を逃げ抜けて、世襲した近代理事長の地位を汚すような言動は、大学教職員としてはとても受け入れられないと現場サイドから厳しい突き上げにあっているのである。トランプ氏とは問題は異なるが、自らの身を正して国民への責任を全うして欲しいものである。

  ひとつだけ今日嬉しいニュースがあった。パリ・オリンピックの女子マラソン出場権に期待を賭けた大阪国際女子マラソンで、東京大会にも出場した前田穂南選手が、初めて2時間19分の壁を破る2時間18分59秒の記録を出し、19年ぶりに日本記録を書き換えたことである。

2024年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6002.2024年1月27日(土) 選抜高校野球出場校決定

 毎年2月1日に発表されると思っていた春の選抜高校野球の出場校が、昨日発表された。出場する32校の顔ぶれを見ていると、最近の傾向が分かる。その中でも特に象徴的なのは、32校の内何と公立校が僅かに4校しか選ばれなかったことである。しかもその内の2校は21世紀枠という特別出場である。残りの2校の内の1校、和歌山県立耐久高が創立された幕末の1853年は、ペリー提督が日本開港のために浦賀にやって来た年で、校名も地元の人材養成のための稽古場「耐久社」になぞらえて名付けられた由緒ある名前だそうだ。野球部創部も1905年で今年119年目になる進学校である。今では野球部強化に特化した私立高校でないと激戦区を勝ち抜いていけなくなった中で、こういう文武両道の県立高校があることは特筆すべきことだと思う。

 また、先般の能登半島地震により、石川県の日本航空学園石川高が、微妙な立場にあり、選抜される可能性ありとばかりに、選手たちは兄弟校の山梨キャンパスに移動した、その様子がしきりにテレビで紹介されていた。幸い選抜出場決定の知らせを知った関係者の歓声がテレビでも伝えられた。結局石川県からは星稜高と2校も選出されたことになる。

 他に若干首を傾げたのは、強豪校が多い神奈川県から1校も選抜されなかったことである。過去に東海大相模高、桐蔭学園高、横浜高、慶應高、法政二高、母校湘南高など他県に比べても優勝校は幅広い。中でも昨年夏の甲子園で107年ぶりに優勝したばかりの慶應高もある。それなのに、他地域に比べてレベルが低いと見られたということなのだろうか。

 ともかく3月18日に開幕となる選抜高校野球を楽しみにしたい。

 さて、イスラエル軍のパレスチナ・ガザ地区への激しい攻撃により、多くの市民が犠牲になっている。これに対して南アフリカが、ジェノサイド(集団殺戮)であるとして国際司法裁判所(ICJ)に訴えていたが、昨日ICJは暫定措置としてイスラエルに対して、ジェノサイドを防ぐすべての措置をとることなどを命じた。ただ、これをイスラエル政府が実行するか否かは不明である。実際イスラエルのネタニヤフ首相はこの直後に「イスラエルには自衛権がある。ジェノサイドの疑いを賭けるのは言語道断である」と強気に応えた。ジェノサイド自体は、第2次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を非難する意味を含めてユダヤ系の弁護士が使った言葉である。従って何がジェノサイドかを決めるのは、その攻撃や殺戮に人種差別に基づいた集団全体を消し去ろうとする意図があるかどうかが問題なのである。
 イスラエル国内では、ハマスの指導者や戦闘員が標的で、パレスチナ人全体を対象にしていないとの認識が一般的である。そのためハマスが民間人を人間の盾として使い、生き延びようとしている以上、攻撃はやむを得ない。イスラエルには、ハマスはイスラエルという国家がこの地域に存在することを認めようとはしないと考える市民が多くいる。ハマスの攻撃の方がジェノサイドに近いというホロコーストの経験者もいる。

 今その渦中にあって頭を痛めているのは、イスラエルの後ろ盾となっているアメリカであろう。ガザで多数の民間人を巻き添えにしているイスラエルに苦言を呈しているが、ジェノサイドの罪に問うことには反対だとアメリカは言う。この様子だとまだ当分停戦とはならないだろう。

2024年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com