4245.2018年12月27日(木) 日本、国際捕鯨委員会から脱退

 このところ世界的に株価が下がっているが、日経平均もご多分に漏れず下がりっぱなしだった。昨日まで5日間も下げ続いた反動から今日漸く持ち直し、日経平均株価は750円も値上げして20,077円となり、何とか20,000円台に戻った。

 こんな経済的に混乱している時に日本政府は、国際捕鯨委員会(IWC)から来年6月を期して脱退することを発表した。これにより7月より日本の排他的経済水域(EEZ)内で約30年ぶりに商業捕鯨を再開することになる。ここに至る経緯について、多くの疑問が呈されている。鯨の保護のために窮屈な行動をさせられては来たが、ここで一転して捕鯨産業の秩序ある発展を目的とするというIWCから脱退し、日本独自の南極海における調査捕鯨を止めることまで行って大丈夫なのかとの疑問と不審感が湧いてくる。

 国際協調主義を掲げる日本が、主張が認められないからとの理由で国際機関から脱退するのは、極めて異例である。反捕鯨国のオーストラリアを始め各国から反発を浴び、今後厳しい目で見られ、来年6月大阪で予定されているG20サミットや、2020年東京オリンピックへの影響も懸念されている。

 この裏には、鯨の街と言われる、和歌山県太地町に近い自民党二階俊博幹事長出身の御坊市や、安倍首相の選挙区に近い捕鯨業の地元・下関からIWCへの反発が強いと言われていた。まさかとは思うが、政府の決断がこの辺りを忖度するようなことはないと信じたい。日本が30年間も調査捕鯨などで我慢していた態度を豹変させた背景の割には、国会でろくに議論もされず、国民への説明も乏しく、大事なことを決めるには些か先を急ぎ過ぎているように思う。日本人の鯨離れはこの30年間にどんどん進んでいる。こんな時世に拙速な結論で折角築いてきた日本の国際的信頼が大きく揺らぐことになっては、国際社会における地位が弱くなるのではないかと心配する。

 さて、もうひとつ日本にとって厄介な問題がある。日本原子力研究開発機構は、昨日高速増殖原型炉「もんじゅ」など原子力関連の79施設の廃止費用が、1兆9千億円に上るとの試算を発表した。これに施設の維持費や核物質の処理費は含まれておらず、実際には数千億円規模で費用が膨らむとの見通しである。現在廃止が検討されている施設は、60~70年かけて順次廃止していくわけだが、今後更に費用がかさむことが考えられる。浮世ばなれしているのは、機構の年間予算は国からの交付金などで総額1800億円だという。これで一体どうやって関連施設を廃止していくのだろうか。

 今に始まったことではないが、毎度のことながら政治家の無思慮、浅薄さと無責任にはがっかりである。

2018年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4244.2018年12月26日(水) 心が満たされ、楽しかったクルージング

 アラームを6時にセットして目を覚まし窓から外を覗くが、まだ外は暗い。船はまだ東京湾には入っていない。やがて少しずつ明るくなると東京湾から右舷に房総半島が見え始める。左舷には三浦半島観音崎が見えた。東京湾内に入ると随分多くの船が走っている。大型客船、タンカーなどが四方八方帆走しているが、これでは衝突事故も起こりかねないのではないかと少々気になった。海上保安庁では当然承知していると思うが、海上交通整理はよほど念入りにされているのであろうと感じた。

 朝食もディナーに劣らず中々立派なもので、食べきれないほどだ。展望の利く船尾のレストランで東京湾を眺めながら、洒落たbreakfastをいただくのは何と気分のすっきりすることか。この時間帯は船首部分の展望室でカフェを自由にいただける。9時に横浜港へ着港するということから8時には下船に備えて船内をぶらぶらする。乗船時間は22時間だったが、上等な食事とスタッフの心の行き届いたサービス、船内でのエンターテイメントなど充分楽しませてもらった。下船する下船口で船長以下が並んで乗客を送り出している。そのひとりに昨日挨拶いただいた川野ゼネラルマネージャーがおられたので、お礼旁々近々「にっぽん丸」を扱ったエッセイを書くことを約束する。妻も随分喜んでいたし、私も満足感をたっぷり味わうことが出来た。やや高価ではあるが、その気になればこんなゴージャスな気分になれるツアーも身近にあるのだと、改めてクルージングの楽しさと面白さを認識させられた。

 神戸港で前泊したために、幸い神戸北野異人館も訪れる機会を得た。神戸ポート・タワーにも昇った。神戸市内を巡回する観光バスにも乗った。名物の神戸牛も味わうことが出来た。クリスマスを挟んで充実した3日間を送ることが出来た。果たしていつかまたこのようなチャンスに恵まれることがあるだろうか。あまり期待しないで、時を待とうと思う。

2018年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4243.2018年12月25日(火) 「にっぽん丸」の心豊かなる船旅

 朝7時にアラームですっきり起きて朝食を執り中突堤旅客ターミナルへ行く。そこはホテルの2階という好立地にあるが、直通のルートがなく一旦外へ出てホテル・ビルへ再び入りチェックインする。手続きを済ませて勇躍「にっぽん丸」へ乗り込む。出帆に先立ち緊急時の脱出方法などの説明を受けてから船は神戸港を離れた。空は晴れていたので、やや寒かったが心地よい。その後船内ツアーに参加してざっと船内各施設を見学する。

 船室へ戻ると川野恵一郎ゼネラルマネージャーから不意に電話があり、部屋を訪ねると言うので待っていると何と川野氏と商船三井客船社長の山口直彦氏が挨拶に来られた。我々が来年金婚式を迎えるというので、船室には挨拶状とお菓子を差し入れしていただいていたが、先般特賞に当選した折に目録をいただき嶋田常務と挨拶を交わしていたので、常務から連絡があったのではないだろうか、とにかく恐縮した。嶋田氏には、近日「にっぽん丸」乗船についてエッセイを書きますと約束したので、約束はきちんと守らないといけない。JAPAN NOW観光情報紙が1月下旬に発行されるので、そのコラム欄に書こうと思っている。

 素晴らしい天候で甲板を歩いていても若干寒いが、気分がいい。食事を含めて全体的に中々サービスが好い。団らん室は飲み物と軽食が無料で子どもたちの賑やかな声がうるさいくらいである。

 この「にっぽん丸」は、22,472㌧で「飛鳥」の半分である。船の長さは160mで、平時17.6ノットのスピードだそうだから時速32㎞ほどになる。ひとつ驚いたのは、レストランのウェイター、ウェイトレスのほとんどがアジア系外国人であることだが、外国人船客に備えてそういうバイリンガル・スタッフを揃えているのだろう。

 船は南下し右に淡路島を見ながら紀伊水道を超え、紀伊半島に沿って潮岬沖を通り東に向かうが、僅か1泊2日のクルージングながらリラックスした気分に浸れる。3日ぐらい航海を続けられれば、充実した楽しい旅になるであろうが、そうなると費用もバカにならない。だが、この1泊2日程度ならそれほど負担にならないと思う。偶には思い切って船旅も思い出としても、精神上も良いのではないかと思う。

 午後には、「にっぽん丸アカデミー」で池田良徳大坂府立大名誉教授の船舶に関する専門的な話を優しく解説した講座があり、ディナー前には風船のパフォーマンスがあり、充分楽しませてくれた。ディナーもフルコースの中々豪華なもてなしにすっかり舞い上がってしまった。特賞でクルージングに当たるようなことがなければ、このような豪華な船旅に参加することは終生なかっただろう。その意味で、ラッキーだったと思う。船室から水平線に沈む真っ赤な太陽を見ることが出来たことも良い思い出となった今晩は良い夢を見られそうだ。

 さて、テレビで知ったが、今日の日経平均株価1,010円も下がり、2万円を切ったのは驚きである。ダウ平均にかなり影響を受けているが、ダウも1896年以来の大幅値下がりとはこれまたびっくりである。経済通と自称するトランプ大統領だが、彼の見境のない暴言が大幅値下げの最大の原因だと思う。やはりトランプ大統領は世界中の発展の足を引っ張っている。1日も早く辞めてもらいたいものである。

2018年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4242.2018年12月24日(月) 神戸・北野異人館街をそぞろ歩く。

 先月末日本旅行作家協会の忘年例会で最後の最後に行われた福引でラッキーにも特賞に当たった。特賞は、明日、明後日の2日間に神戸港から横浜港までの「にっぽん丸」クルージングである。明朝の出帆に合わせて妻ともども今日午前新幹線で新神戸へ行き、「神戸メリケンパーク・オリエンタルホテル」にチェックインした。その後折角来た神戸でもあり、北野異人館街を見学しようと「シティー・ループ」という市内循環バスで異人館を訪れた。バス代は1回260円で安く、少々時間がかかったが、女性ガイドも載っていてうまい具合に市内観光案内もやってくれた。初めて神戸を訪れ、自由に観光しようと思っている人には便利なバスである。ただ、気になったのは市内の交通がこれほど混雑しているとは想像外だった。中々車が交差点を渡り切れず、道路も狭い。そこへ困ったことに無断駐車中の車が多い。交差点に歩道橋がなく歩行者がゆっくり道路を横断していることが、車の進行を妨げている。もう少し工夫したらもっと交通渋滞を減らすことが出来ると思う。観光客も多いことだろうから、自治体も警察も少し考えてみてはどうだろうか。

 異人館街では、英国館、洋館長屋(仏蘭西館)、ベンの家、風見鶏の館などを興味深く見学した。やはり珍しい品が多く、噂には聞いていたが、明治時代の外国人の生活ぶりの一端を知ることが出来たように思う。

 その後は、折角神戸に来たので、名代の「神戸牛」を食べてみたいと元町でバスを降り、商店街の神戸牛レストランで旨い神戸牛を食することが出来た。ホテルへ戻る途中で神戸ポート・タワー昇り、上空からクリスマス・イブに神戸港の夜景をじっくり楽しんだ。それにしてもホテルの2階が船舶の旅客ターミナルになっているとは、幸いだった。明朝「にっぽん丸」に乗船するわけだが、滞在する部屋の真下に「にっぽん丸」が係留されている。明日はのんびり船に乗り、太平洋を横浜へ船旅を楽しめるとイメージしている。良いクリスマスになりそうだ。

2018年12月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4241.2018年12月23日(日) 平成最後の天皇誕生日

 今日は平成最後の天皇誕生日である。天皇は今日85歳の誕生日を迎えられた。平成となってから30年間、天皇は太平洋戦争の戦没者に対する慰霊のお気持ちが強く、美智子皇后ともどもサイパン、ペリリュー、フィリピンなどの戦地へ戦没兵士を弔うため巡礼された。沖縄には前後11度に及ぶ慰霊の旅をされておられる。自然災害に際しても皇后とともに進んで被害者に接触して慰めの言葉をかけておられた。特に、国民が感銘を受けたのは、被害者と話される時に同じ目線で言葉を交わすよう努められ、膝まずいておられた姿が印象的である。 

 戦没者が祀られている靖国神社天皇が参拝しないことにつき、一部に非難めいた言葉くことがある。靖国神社関係者からも不満を露わにした批判的な言葉が聞こえてくる。個人的な意見ではあるが、天皇は昭和時代に起きた戦争について昭和天皇の責任が少なからずあるものと考え、戦争の犠牲者に対して殊更今上天皇としての弔意を示していると思う。同時に、靖国神社に占領軍が戦争犯罪人と断罪したA級戦犯が、一般の戦没者とともに祀られていることに苦慮され、若干距離を置いておられると思う。それが、今も天皇が靖国神社へ参拝されない理由であり、真意だと考えている。

 天皇は「国家の象徴」として30年間天皇の地位におられたが、その平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに安堵していると述べられた。近現代4代の天皇の中でただひとり軍服を身にまとうことはなかった。在位中戦争のなかったのは、今上天皇だけである。先日の会見では、国民に感謝の言葉を述べるとともに、来年には結婚60年を迎える美智子皇后への感謝の気持ちを優しく述べておられた。

 昨年、今年と幸いにも東京オペラシティで開催された東日本大震災復興支援チャリティ・コンサートで、天皇・皇后と同じクラシックを楽しむ一体感に浸ることが出来た。国民の中に溶け込まれた天皇には、ご苦労様というねぎらいの言葉をお伝えしたい。それと同時に、来年4月には譲位され大役から解放されるので、ご夫妻でいつまでも元気にお過ごしいただきたいと願わずにはおられない。

 今晩NHK特集「天皇 運命の物語」が放映されたが、幼い皇太子時代から苦労を知らされていたようだ。懐かしい映像がかなりあったが、皇太子ならではのご苦労が今日人を思いやる姿勢に表れていると感じた。

 今日皇居の一般参賀には過去最大の約8万3千人の人々が訪れたという。これも天皇が譲位されることから多くの国民が別れを惜しみに来られたと思う。本当にお疲れ様です。

2018年12月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4240.2018年12月22日(土) 過去最大級の来年度予算案

 来年度予算が閣議決定されたが、総額が何と過去最大で100兆円の大台を超えた。何といっても少子高齢化の影響もあって社会保障費の伸びが著しい。全体の歳出のうち33.6%を占めている。その他に伸び続けている防衛費は過去5年連続の伸びで、5兆2千億円に達する。かつて、防衛費は全歳出の1%がひとつのシーリングだったが、今では誰もそれを言う者がいない。今や防衛費は聖域と化してしまった。今後トランプ大統領のご機嫌取りのために、高額なイージス・アショアや最新型戦闘機など最新兵器を買わされて、防衛費はうなぎ上りに増え続けることになろう。

 もうひとつ理解に苦しむのは、消費増税に絡む消費対策である。来年10月に消費税を2%引き上げ10%とする。消費税10%自体は、紆余曲折あったが、すでに2012年に決まっていた。来年2%の増税により税収は5.7兆円増える見込みだった。この内4/5を社会保障費の財源に充てて国の借金返済に使い、残りを社会補償の充実に充てる予定だった。ところが、安倍首相はこれを変更して一部を教育無償化に使うことを決めた。この結果、借金返済に充てられる額は増収分の半分の2.8兆円となり、教育無償化などには1.7兆円が充てられる。

 消費税増税にあわせて、初めて導入される軽減税率がまたややこしい。除外品目が多く、例えば弁当を買った店で食べた場合と持ち帰った場合の税率が異なるなど、あまりにも複雑すぎて消費者を困惑させそうだ。ポイント還元制度など中小店舗でキャッシュレス決済により買い物すれば国の負担で決済額の原則5%ポイントがつく点など、反って分かり難く手間をかけることになる。現金決済だけをやっていた零細店舗などではそのためのレジを購入しなければならず、余分な経費がかかる。

 こういう複雑な予算を組ん結果、消費税増税により反って対策費用が増え本末転倒となり、一体何のための増税か分からなくなる。頭の良い財務省スタッフが、身内の不祥事のせいで作成する予算案が遠慮がちになり、そこをしたたかな官邸政治家に付け込まれて利用され、首相周辺にとっては至極都合の好い予算案になったというわけである。結果的に苦しむのは、いつもながら納税者である国民である。

 さて、今日は偶々東京へ出張中で我が家へ滞在している長男が、私の傘寿の祝いに妻ともどもディナーをご馳走してくれた。すでに予約してくれていた深澤不動尊傍の中々しゃれた日本料理店で和食に舌鼓を打った。先日の次男といい、やはり息子たちに食事で祝ってもらえるというのは嬉しいものである。

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4239.2018年12月21日(金) アッと驚くゴーン前日産会長再々逮捕劇

 昨日日産前会長のカルロス・ゴーン氏と同社前代表取締役グレッグ・ケリー氏の東京地検特捜部の拘留延長が却下され、すぐにも仮釈放されるだろうと報道された。ところが、今日になって一転、ゴーン氏は自らが経営する資産管理会社の損失を日産に肩代わりさせたとの特別背任の疑いで3度目の逮捕をされてしまった。ゴーン氏は引き続き拘留させられることになった。ケリー氏については仮釈放が請求されているので、保釈金が支払われ次第釈放されると見られている。東京拘置所前では、ずらりと取り巻いた多くの内外記者団の関心と意気込みが感じられた。

 特捜部によれば、ゴーン氏再逮捕の理由は、これまでと同じ金融商品取引法違反ではない。ゴーン氏の私的資産管理会社と銀行の間で通貨のデリバティブ(金融派生商品)の取引を行っていたリーマン・ショックが発生した2008年、資産管理会社は多額の損失を発生させてしまったが、この時約18憶5千万円の評価損を生じさせ、それを日産に負わせ、それが特別背任との疑いを与えた。これから捜査は進められていくだろうが、それにしても一流の経営者にしては、ゴーン氏の行為はあまりにも悪質で、セコイのではないか。

 このニュースは、国内のみならず、フランスを中心とする海外メディアの関心も呼んでいるが、とりわけフランスでは日本の司法制度の公平性に疑問を抱くところもあり、今後ゴーン氏が直接自らの否認について語る場合に日産にとって不利になる空気を醸成するのではないかと懸念される。

 今日の夕刊には、この他に目を引くニュースが載っている。あのトランプ大統領が政権の中でも信頼していと思われていたマティス国防長官が、来年2月に辞任するとの報道である。昨日アメリカが公表した米軍のシリア撤退にマティス長官が強く反対したことが、原因と言われているが、海軍大将でもあったマティス国防長官は、アメリカがイラン核合意からの脱退でも、大統領と対立したことにそもそもの原因があったようだ。

 問題は、こう度々政府の要職にある人物後から後から替わるというは、政権内部の規律がきちんとしていないせいだと受け取られ、決してプラスはならない。果たして立て続けのゴタゴタが国家の安定的な運営にとって足を引っ張ることにならないだろうか。些か気になるところである。今ではアメリカでは、すべてが大統領の気分次第で閣僚の顔ぶれが変わる。外から見ていると組織が不安定だということと、人間関係がうまくいっていない印象を与える。国の屋台骨までがたついているように見える。世界第一の大国と得意顔のトランプ大統領も、自分の身内さえきちんと押さえられないようでは、自国民に示しがつかないのではないか。これでは、アメリカ人のみならず、アメリカ人以外にも不安を与えかねない。

2018年12月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4238.2018年12月20日(木) 保護主義が生む身勝手

 アメリカのトランプ大統領が「アメリカ・ファースト」を言い出し、自国第1主義を強調してから保護主義の風潮が目立ち始め、困ったことに相手のことは考えず、自らの好都合ばかり主張することが通り相場になってきた。元来資本主義はそういう傾向にあるが、これが行き過ぎると個人の生活にも影響してくる。

 まだ、詳しいことは分からないが、このところ港区南青山の高級住宅地で区が計画中の児童相談所4階建ビルの建設を巡って地域住民が反対運動が起きていることなどはその典型ではないかと思う。反対住民に言わせると自分たちは高額の投資をして土地を買い青山に住んでいるが、その種の施設が出来ると土地の価値が下がると言うのである。待機児童を始め行政が一番悩んでいる問題解決の突破口になる児童相談所の建設を自分たちだけに有利なプライオリティを主張しているのである。これと同じような施設が5年前に江東区?に建設されたが、地域住民によるとまったく問題はないという。青山の反対住民の気持ちは、嫌な雰囲気になる可能性を感じただけで自分たちの利益が損なわれると単純に考えている。一例にしか過ぎないが、多少物質的に豊かになると自己利益ばかり主張するようになる人間性がはしなくも露呈された例である。これに限らず、今後自分の言い分だけを主張して、他人の気持ちを汲み取るような配慮が少しずつ消えていくような気がして寂しい限りである。

 さて、今日東京地裁は、国内外に話題を提供している日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者と前代表取締役グレッグ・ケリー容疑者に対して検察側が請求した拘留の延長を却下した。2人は金融商品取引法違反の疑いで先月19日に逮捕されていた。容疑は多額の報酬を得ていながら、それを会社の有価証券報告書に過少に記載したことから金融商品取引法違反のかどで逮捕されたものである。ゴーン前会長はすでに日産と三菱自動車の会長職を解任されたが、親会社のルノーでは依然として最高権力者の地位にあり、日産とルノーとの間で微妙なさや当てが始まっている。2人は容疑を否認しており、明日にも仮釈放された後、ルノーと対策を練ったうえで日産と三菱へ抵抗してくるのではないだろうか。いずれにしろ、高額報酬を得ていながらそれを違法に隠蔽しようとする悪どさには呆れるばかりである。気の毒なのは、会社と経営者が批判される会社の社員たちである。

2018年12月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4237.2018年12月19日(水) 最近40年間の中国経済の目覚ましい発展

 昨日北京の人民大会堂中国改革解放40周年を記念する式典が開催され、習近平国家主席は1978年以来この40年間で世界第2位の経済大国を築き上げた成果を自信たっぷりに語った。今後もこの路線を突き進む決意述べた。鄧小平主席が社会主義改革の中でも余裕のある限り自由経済も力を注ぐとしてスタートした疑似社会主義的自由経済政策が成功を収めた形ではあるが、習主席としてはあくまで自らが打ち出した政策の正しさをアピールして、あまり鄧小平が緒を付けたパイオニアの功績に触れることまではしなかったらしい。

 中国経済の発展は、確かに目覚ましく、特にIT分野の世界市場における発展にはアメリカが脅威を抱き、米中間で衝突の可能性のあるひとつの事象になっている。それが最近のファーウェイ問題のような軋轢にもなっている。実際この40年間に中国の世界経済に占めるGDP比は8.4倍に伸び、世界GDP市場の15.2%を占めるまでになっている。貿易総額は199倍に増えた。ただ、中国は人口が多いため、総額では圧倒的なGDP生産を誇るが、1人当たりの国民総所得で比較すれば今以て後進国の仲間である。それを世界第2位だと自画自賛する中国の言い分が世界の人々から素直に受け入れられているわけではない。例えば2014年の国際比較をみると1人当たりの所得では中国は19位にしか過ぎない。日本の1人当たり所得に比べても約5分の1である。南米諸国の中でも中国を上回る国は5か国を数える。

 中国政府としては、農村部に多くの貧しい農民がいることを国内外に知らしめず、共産党指導部の威信を強め中央集権体制を固めるために、民主化運動を弾圧し言論の自由を抑圧し、マイナス面をすべて隠したまま習指導部は自らが勝ちえた圧倒的な権力と人事統制の下に、経済も政治も発展していることを国民に啓発することによって国民の不満を抑え、世界に冠たる中華国家が永遠に繁栄するとのメッセージを内外に発信しているのだ。

 しかし、このまま現在の急速な発展が続くのかと問われれば、問題ありと答えざるを得ない。第1に「中華人民共和国」という国名がとても現実的とは思えない。社会主義を標榜しているが、中国は断じて社会主義国家ではない。共産党1党独裁支配体制ですべての権限が共産党に一極集中されていること自体、社会主義のイデオロギーに反する。「口では社会主義、実態は独裁国家」というのが本当のところである。

 国民から自由を奪い、国家主導で発展を続けていけるというのは、確かにすごいと思う。むしろ空恐ろしい気がする。しかし、このまま行くといつか抑え込まれた民主化運動を装ったグループが暴発しないとも限らない。この中国の独裁支配体制がいつまで続くかということは世界にとってもどうにも気になるところである。

2018年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4236.2018年12月18日(火) 日本の男女格差は世界で110位

 世界経済フォーラム(WEF)が、今年の男女格差報告書による男女平等度というものを発表した。日本は情けないことに調査対象の149か国のうち、110位だという。主要7か国では最下位だった。この種の調査では大体上位を北欧諸国が占めるが、ここでもやはりアイスランド、ノルウェイ、スウエーデン、フィンランドなど上位4位までが、北欧である。そして、5位に中米のニカラグア、6位にアフリカのルワンダ、8位にアジアのフィリピンがランクされている。後者3か国は意外だった。その一方で中国103位、韓国は日本より下位の115位だった。

 日本の評価が低い理由には、女性国会議員が少ないこと、労働人口における女性の比率や男女間の所得格差などが響いている。WEF担当者によれば、最近話題になった女子を不利に扱う医学部の不適切入試などは逆行する動きとして厳しく指摘されている。

 さて、昨日のブログに自衛隊の装備について何やら自民党内で密かに具体化を進めている取り上げたところ、早速今日安倍内閣は防衛大綱を閣議決定した。周辺の安全保障環境が急速に厳しく変わったと解釈し、「多次元統合防衛力」の構築を打ち出し、憲法に基づく専守防衛から逸脱する空母の導入を決めた。政府は戦闘機は空母に常時駐機させることはないので、専守防衛の範囲内と勝手に解釈している。同時に、アメリカ製F35戦闘機を現在の42機から、更に105機を追加購入する。すべてトランプ大統領の要望に合わせたものである。防衛大綱が改定されたのは5年前のことであり、早くも現状より強力な装備に改定しようとの腹積もりのようである。相手のサイバー攻撃を妨げるためなどと理屈を言っているが、要は軍事化を一層進めて「敵」からの襲撃に備えて軍事力を整備しようというものである。だが、これでは明らかに憲法に抵触するのではないか。自民党は、創価学会が支援する公明党ともども憲法を犯そうとしているのではないか。内々に決めて手打ち式で済みとするには、事は大ごとであるそんなことなら逃げの論理を展開せず、正面から堂々憲法論を開陳、論理を尽くすべきではないか。

 直近の世論調査によると安倍内閣の支持率下り坂である。当然であろう。沖縄辺野古海岸の土砂投入について、沖縄県民ばかりでなく全国民の約6割が反対している。反対なんかあっても実行してしまえば、何とかなると極悪街道を走る安倍内閣には、国民はうんざりしている。何とか近いうちに安倍内閣を追い出す手段が考えられないものだろうか。

2018年12月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com