6021.2024年2月15日(木) 誤解していたシンガポール陥落の日

 春一番がやって来た。今日は都内でも21.1℃という4月中旬並みの暖かさだったが、風が強く街を歩いている人たちも歩き難そうだった。だが、明日は北から低気圧が襲い急激に冷え込むようである。

 82年前の今日昭和17年2月15日は、太平洋戦争緒戦で勢いがあった大日本帝国陸軍が、マレー半島南下作戦に呼応した陸軍航空隊の支援を受けてシンガポールを陥落させた日である。あまりにも有名になった山下奉文中将が、イギリスのパーシバル司令官にブキテマで、‘YES or NO ?’と迫ってイギリス軍を降伏させた日である。陸軍航空部隊第五飛行師団の南方戦跡慰霊団にお供した時に、実際この航空作戦に参加した飛行第50戦隊隼戦闘隊のパイロットだった方から、15日の払暁に空爆したと伺った。実は、それまで同地陥落はその前日の14日だったとばかり思いこんでいた。私の父親もそう信じて、偶々その14日に誕生した末弟にシンガポールの名を1文字借用して「嘉正」と名付けた。爾来弟を含め家族は、シンガポール陥落の日に弟は生まれたものだとばかり信じ切っていた。だが、大本営は15日午後10時10分、当日午後7時50分に敵軍を無条件降伏せしめたと発表していた。父の誤解により弟はシンガポール陥落の日に誕生したと家族は思っていたが、実際には1日違いで関係のない日に生まれたことになる。

 加えて「嘉正」の「嘉」は、シンガポールの漢字表記「新嘉坡」から引用したと聞いていたが、その後シンガポールを度々訪れるようになってから、漢字表記が新聞などに「新加坡」と書かれていることを知り、「新加坡」が正しいのではないかと思った。そこで地元の人に尋ねてみるとシンガポールの漢字表記は6種もあるそうで、一番多いのは「新加坡」で、その次に「新嘉坡」が多いということだった。弟本人は気にしている様子はないが、とんだたわごとだった。

 しかし、この時代は軍国主義ムードが強くなり、日本は軍事国家へ一直線だった。占領したシンガポールは、昭和天皇が統治する南の島の意から「昭南島」と名付けられ、義姉もこの年に生まれて「昭子」と名付けられたと聞いた。挙句に戦後昭和29年私が進学した高校が、「昭南高」ではなく「湘南高」だったとは、まるでざれごとのようだと冷やかされかねない。

 さて、昨日行われたインドネシア大統領選の結果、戦前の予想通りプラボウォ国防相が勝利を収めたようである。プラボウォ氏は投票数の過半数を獲得した模様で、氏自身勝利宣言をした。正式な発表までには約1か月を要する。

 この国は、いま大きな問題を抱えている。それは、巨大都市になり過ぎた首都ジャカルタの首都機能を、現在のジャワ島から北東の島・カリマンタンに移しヌサンタラという新首都として再出発しようというのである。森林地帯を開拓してゼロから都市化をスタートする膨大なプロジェクトであるが、問題は山積している。カリマンタン島は通称ボルネオ島と呼ばれほとんど自国領土であるが、島内北部にはマレーシアの一部とブルネイもあり、3か国が共存している島である。2045年には計画は完了されることになっているが、かなりの投資を必要とするので、経済的に持ちこたえることが出来るだろうか。

 国内にいくつもの課題を抱えているインドネシアが今最も気がかりなのは、昨年9月に開業した首都ジャカルタとバンドン間の高速鉄道の経営である。出足の人気は上々でほぼ満員の状態が続いているが、日本との約束を反故にまでして中国と表向き好条件の契約を結んで中国へ発注した。結果的に今では中国からの多額の借金に苦しむことになってしまった。そもそも高速鉄道の名称も「インドネシア中国高速鉄道」と名付けられ、資金調達も総工費の75%を中国国家開発銀行からのローン支払いで、残りの25%も中国とインドネシアの国営企業からの出資に頼っている。一帯一路という中国特有の商取引によって、途上国のインフラ整備に貢献しつつも、支払えなくなったローン残額の代償に強制的に資産まで奪い取る中国政府の利己的な政策によって、インドネシアの鉄道会社は背負い込んだ開業投資額を果たして支払えるのだろうか。さもなければ、中国の術中にはまって資産を抑えられてしまう恐れがある。

 新大統領が果たさなければならないノルマはかなり過重である。大丈夫だろうか。意気はともかく、評価は実績で問われることを忘れてはなるまい。

2024年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6020.2024年2月14日(水) 裏金の政治家の傍らで、経済界は景気浮揚へ

 今日はバレンタインデイとして若者たちに持て囃される1日である。しかし、我々後期高齢者世代にとっては、まったく興味も関心もない日である。それでも愛の告白にチョコレートを贈るというメーカーの巧みな宣伝によって、チョコレートの販売はかなり伸びているらしい。

 現実は、チョコレートのような甘っちょろい話ではない。裏金問題が後を引いて昨日も自民党が公表した政治資金収支報告書への全議員アンケートの結果について野党や、メディアから厳しい批判の声が相次いでいる。そもそもそれには、収支報告書への不記載の有無と、不記載の金額だけしか質問せず、裏金作りの経緯や使い道などについて問われなかったからである。2018~22年の5年間で現職国家議員と選挙区支部長ら85人の不記載は、実に5億8千万円にのぼった。

 中でも驚かされるのは、派閥からと資金管理団体からの分を合わせて5,200万円と一番多かった二階俊博元幹事長の使途として、書籍代3,472万円が記載されたことだった。常識的に考えて5年間で書籍代購入にこれほどの高額を支払うだろうか。

 もう一件気になったのは、松野博一前官房長官が、長官退任直前に官房機密費4,660万円を黙って使っていたことが判明したことである。これほどの大金を秘密裏に消費していたのに、使用目的を明記する必要はない規定とか、他の政治家たちが明細開示を求めないのもおかしい。政府寄りの政治評論家・田崎史郎氏は、驚かないと見過ごしているが、どうしてだか田崎氏はその理由を説明しようとしない。二階氏には大量の書籍を購入した目的などを説明する責任と義務があると思う。

 政治家なんて成すべき仕事もせずに、ウソをついて言葉巧みに金を掠め取り、また裏金と称して泡銭を黙ってポケットに入れ、税金を支払わないような不誠実な民族である。このまま今の政治体制の中で、嘘つき政治家たちが国をリードして行ったら、日本の未来にも危険信号が灯る。

 そんな政治家のお馬鹿さんぶりを尻目に、今経済界は大分潤っているようだ。先日公表された2022年の国際収支が大きく改善され、黒字になったことに表れている。そして株式市況の好調が実態を示している。昨日の株価終値は先週末より1,066円も上がり、日経平均株価は37,963円となり、バブル期の1990年2月以来の高値となった。あと千円弱で史上最高値になる。年初の株価が対前年末比175円安の33,288円だったので、この1か月余で4,675円も上がったことになる。好調な理由はいろいろあるが、穿った考え方をするなら嘘つき政治家たちより経済人の方が一生懸命働き、それなりの成果を出したと言えるひとつの証左かも知れない。流石に株高は、そうは続かず、今日の日経平均株価は昨日に比べて260円も下がった。これは政治家の責任かも知れない?

 さて、去る6日珍しく積雪があったが、今日都内の気温は最高が18.5℃の温かさだった。平年なら4月上旬の気候である。今月5日の最高は6.2℃だったのに、随分差があるものだ。それにしてもこのところ寒暖の差が少々激しいようだ。伊豆地方や神奈川県松田町では、河津桜が満開の様子で多くの観光客が花見に訪れている。そこで駒沢公園の一角に1本だけ河津桜の木があるので、今日はウォーキング時に河津桜を見に行った。そこそこ桜の花を咲かせているのではないかと期待していたが、咲いていたのはほんの数輪で、まだほとんどつぼみ状態だった。伊豆地方に比べれば、やはり東京は寒い。暖冬とは言えもう少し待った方が良さそうだ。これから当分の間こちらの河津桜の開花状態をチェックするために、このルートを歩いてみようと思う。

2024年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6019.2024年2月13日(火) イスラエルで想像外の幻想的体験

 先月のNPO紙に今世界中から注目されているイスラエルの世界遺産「エルサレムの旧市街とその城壁群」についてエッセイを書いた。そのNPO紙を今日通いつけの内科医院森先生に差し上げてお話した。

 実は2012年6月に訪れたエルサレム滞在中にこんなことがあった。尾籠な話で恐縮であるが、同地に滞在していた夜間に急に痔の具合が思わしくなくなり、傍に相談相手もおらず、日ごろからご相談に乗っていただいているご近所の森先生へ思い切って国際電話してご相談してみようと思った。時差を考えて翌朝森先生へどうしたら良いか、直接電話でお話をした。先生も驚かれ、「今どこにおられるのですか?」と尋ねられ、エルサレムだと応えると流石に先生もびっくりしたようだった。先生に数日前に塩分の濃い死海で浮いた体験と現在の症状をご説明したところ、先生は極力早く専門医で診てもらった方が良いとアドバイスをいただいたので、直ぐ日程を変更して帰国することにした。この後アブダビを訪れる予定だったが、その日にアンマンへ車で向かい、その後テヘラン経由の成田便で帰国して、翌日早速肛門科クリニックで診察、処置してもらった。

 今日1か月ぶりに森先生に定期健診してもらい、通常の健康状態を毎日記録している血圧表を提出しながら、12年前のその時のお話をしたところ、先生も思い出されたようでご興味を持たれ当時のカルテを表出して、日時、病状の記憶を呼び覚まされた。その後診察してもらった肛門科クリニックの診断についてもメモされておられたのを知って有難いと思った。イスラエル辺りから不躾に電話で病状を尋ねられるようなことは滅多にあることではないし、その時のイスラエルにいる私の存在が想像出来なかったと話された。

 私が感銘を受けたのは、その時の状況は普通ではなかったと思うが、ひとりの患者の質問とその後の処方についてきちんとカルテに残し、いつか役に立てるよう備えていただいたことである。

 海外から不意に電話を受け、先生も困ったと思われただろうが、今もしっかり覚えておられるというのは、有難いことである。普段でも定期的な血液検査などで異常が発見されると直ぐ電話で知らせていただき、大病院への紹介状を書いていただいて、随分助かったことがある。とても頼りにしているご近所のお医者さんである。これからもきちんと定期的に通い、他病院で得た資料なども、作成した血圧表などとともにお見せして、いろいろアドバイスいただきたいと思っている。

 さて、以前から噂には聞いていたが、JRお茶の水駅近くの「山の上ホテル」が今日で休業に入った。休業が公表されてからそれを惜しむ人や懐かしむ人が連日訪れたそうである。施設が老朽化したので、改築するということだが、小規模のホテルなのに、再開の日は未定である。

 川端康成や三島由紀夫、池波正太郎ら、知る人ぞ知る文豪がこよなく愛した独特の空気が醸し出されるホテルは、今流行りの豪華絢爛の近代的ホテルとは趣を異にする。私も何度か食事に利用したことがあるが、落ち着いた雰囲気で玄人好みのホテルだったと思う。1日も早い復活を望んでいる。

2024年2月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6018.2024年2月12日(月) インドネシアとロシアの大統領選の行方

 政治の世界では裏金がまかり通り、国会議員はポケットに入れた裏金を秘書のせいにしたり、知らなかったと惚けたり、納税しなかったりやりたい放題の感がある。ところが、まさかと思っていた大都市の教育委員会が教員団体から毎年賄賂的な資金提供があったことが、メディアで伝えられ問題になっている。この不祥事を引き起こしたのは、名古屋市教育委員会である。

 自民党派閥のキックバックが億単位の裏金だったのに比べれば、各教員団体が市教委に手渡したのは、5千円から3万円前後の現金か商品券だったというから派閥の裏金に比べれば、取るに足らない全額で年間200万円程度ではあるが、その舞台が学校教育を担当する部署だけに見過ごすわけにはいかない。流石にとかくその行動が話題になりがちの河村たかし・名古屋市長も、徹底的な真相究明をしなければいけないと調査を行う方針を明らかにした。

 この上納金を提供したのは、市内の校長会や、出身校同窓会など約80の教育団体で、20年ほど前からだという。問題なのは、現金の他に各団体が提出した校長推薦名簿である。これを市教委事務局で人事を担当する教職員課が受け取っており、帳簿も作成したというから市教委としては恒例のルーティンになっていたようだ。校長人事にどの程度現実的な効果があったのかは何とも言えないが、まったくなかったとは断言出来ない。繁忙期などに食べ物や飲み物などに使って欲しいと言う陣中見舞いの意味で渡されていたというが、長い間の慣習になっていたことに対して、市の幹部は校長人事が金で動いていると疑われかねないと警戒している。

 さて、今年は11月のアメリカ大統領選をはじめ、各国で大統領選、総選挙が実施されることを皮肉って「モンスター選挙年」と言われていて、世界人口の半数が投票権を行使出来るそうである。先月にはバングラデッシュ総選挙、台湾総統選、今月に入ってすでに4日にエルサルバドル大統領選、8日にパキスタン総選挙が行われた。そして、明後日にはインドネシアで大統領選がある。注目したいのは、そのインドネシアと3月15日に行われるロシアの両大統領選である。

 インドネシア大統領選では、2期10年務めたジョコ現大統領が憲法の規定で3期目は出馬出来ず、その後任争いであるが、過去2回ジョコ大統領に敗れたプラボウォ国防相が、ジョコ大統領の子息を副大統領候補にしてジョコ大統領の支援を受けている。当然縁故だと批判の声がある。プラボウォ国防相も独裁者だったスハルト元大統領の娘の元夫としてスハルト氏の支援を受けた。国家経済を豊かにしたジョコ大統領の実績に後押しされて現状では優位にある。

 一方、気になるのはロシアの大統領選である。総選挙が行われない中国総書記と異なり、一応選挙を行うが、その大統領選も自家薬籠中のものにしている。実際2000年に大統領となり、2期務めて憲法の3選禁止により一時的に1期置いて2012年に再び大統領となり、その後18年に再選され在任中に後2回再選に立候補できるよう都合よく憲法を改正し、大統領任期を2036年まで延長出来る。

 自らの権力行使のために憲法までも改正して大統領職にしがみつこうという私利私欲の典型である。これには妨げる者は容赦しないプーチン大統領の横暴な権威主義が見られる。大統領選には、立候補届け出を中央選管が審査し、いちゃもんを付けては、拒否したり、勝てそうな立候補者を容認し圧勝して、プーチン氏圧勝を国民に印象付ける。「プーチン大統領圧勝」の脚本が作られている。まったくの茶番である。それが今のプーチン独裁国家「ロシア帝国主義」である。

2024年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6017.2024年2月11日(日) 公にされたバイデン大統領の記憶力の衰え

 昨日からサラリーマンや学生らは3連休の息抜きを楽しんでいることだろう。今日午後にいつも通り近くの住宅街をウォーキングしていたところ、ある1軒のお宅の玄関だけに日の丸が掲げてあった。今日は「建国記念の日」であるが、近所で国旗を掲げていたのはこのお宅だけだった。国旗自体を掲げる祭日を祝う習慣が段々薄れてきたことと、「建国記念の日」を意識する人が少なくなって、単なる祭日と思っている表れではないかと思う。

 戦前には今日2月11日は「紀元節」と呼ばれて、学校では生徒たちが「紀元節」唱歌を合唱したものである。私自身戦後昭和21年最後の紀元節で、国民学校1年生として後にも先にもこの1回だけこの唱歌を歌ったことを覚えている。いろいろ考えはあるかも知れないが、私には懐かしい想い出として残っている。

 ♪雲に聳ゆる 高千穂の 高根おろしに 草も木も なびきふしけん 大御世を 仰ぐけふこそ 楽しけれ♪

 今年は皇紀2684年に当たる。例年通り明治神宮で紀元祭が行われ、原宿表参道周辺では奉祝パレードが行われた。

 幸い現在の天皇・皇后両陛下をはじめ、皇族方には健やかにお過ごしのようであり、国民からの尊敬と信頼も得られているようで、喜ばしい限りである。

 さて、アメリカのバイデン大統領の自宅から機密文書が見つかった問題で、捜査を進めていた司法省の特別検察官が、8日大統領は故意にトップシークレットである機密資料を保持し開示したとする報告書を発表した。しかし、起訴はしないと述べた。その理由が振るっている。「大統領は記憶力に劣る高齢男性」と結論付けたことである。普通ならこうまで言われては文句のひとつも言いたくなると思う。というのは、大統領は副大統領だった期間や、子息の没年についても思い出せなかったことから、検察官は「故意という心理状態だったことを立証する必要がある重罪について、とっくに80歳を超えている大統領経験者を有罪にすべきだと陪審に説得するのは難しい」と難しく語った。大統領自身が関わったアフガニスタン情勢についても記憶があいまいだったとも言っている。ここまで記憶力に疑問を持たれたのでは、11月の大統領選への挑戦こそ大問題ではないだろうか。

 起訴は免れたとは言え、この言いぐさに対してバイデン大統領は直ちに記者会見を開き、特別検察官の指摘に反論した。子息の没年を捉えてよくもそんなことを言い出したものだとえらいオカンムリである。子息が脳腫瘍で亡くなったのは2015年で、その翌年の大統領選への出馬を見送ったと言われているほど、バイデン大統領にとってはショックだったようだ。大統領サイドの弁護団も報告書は偏見に満ちていると批判している。

 この動きについて、共和党サイドは早速この報告書に小躍りして飛びつき、バイデン氏の記憶の衰えは最も気がかりな点であるとした。そして、機密情報の取り扱いを誤った責任を問われることすら出来ない人間は、間違いなく大統領執務室に相応しくないとこの際とばかりに断じた。更にこうも言った。「耄碌し過ぎていて裁判を受けられないなら、大統領になることだってできない。ジョー・バイデンはこの国を率いるに適しない」と言い切った。

 まだ、大統領選は予備選が始まったばかりで共和党、及び民主党も大統領選候補者が決まっているわけではない。仮想ライバルを叩いて少しでも有利に選挙戦を進めようとする候補者にとっては、ライバルの失態は思わぬ得点となる。この先予備選と本選はどういう戦いになるのだろうか。

 それにしても今後世界最大の国家であるアメリカを率いることになる可能性のある大統領が、高齢で記憶力まで危ういということになれば、国の安定も失われる恐れがある。実際ごく最近公の場で、大統領は外国首脳の国名を少なくとも2度までも間違えている。司法省特別検察官が明かしたように、バイデン氏の記憶力に衰えが見られるとすれば、アメリカは世界中から信用を失い、国の立ち位置も難しくなる。それこそ中国やロシアにとっては願ったり叶ったりとなるだろう。

 それは世界にとってもマイナス以外の何物でもない。そうでないことを願うが、さもなければ、そろそろ大統領にも定年制を設けることを推奨したい。

2024年2月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6016.2024年2月10日(土) 世界的指揮者・小澤征爾氏亡くなる。

 去る6日に世界的指揮者である小澤征爾氏が88歳で亡くなったと昨夕報じられた。日本人なら誰でも知っている有名人で、日本はおろか海外でも「世界のオザワ」としてその名は広く知られている。文化勲章受章者でもある。1981年に旧文部省の教員海外研修団に随行してオーストリアのザルツブルグを訪れた時、現地教育委員会の人たちに小澤について尋ねると皆よく知っていた。ザルツブルグ近郊のカラヤン家の近くを通った時にも、小澤の話が出たくらいである。小澤は音楽への愛情から音楽を広く紹介、普及するための活動にも熱心だった。2002年に日本人指揮者として初めてウィーン・フィルハーモニーのニューイヤー・コンサートを指揮した時は、テレビの前で神妙に耳を傾けていたことを懐かしく想い出す。1973年からほぼ30年間に亘り、ボストン交響楽団の音楽監督を務めていたことでも知られる。中国の瀋陽(旧奉天)で生まれたこともあり、中国への愛情と関心が高く、しばしば中国を訪れては中国の若者たちを指導していた。名前の征爾の謂れもユニークである。歯科医師だった父親が日中戦争時に満州在住の日本人として、日中平和のために「五族協和」を実現しようと奮闘したが、その当時関東軍の参謀長・板垣征四郎と、柳条湖事件や満州事変を起こした陸軍中将・石原莞爾の名前を1字ずついただいて「征爾」と名付けられた。板垣征四郎の子息である正氏は、長らく日本遺族会事務局長を務めておられ、私も太平洋戦争戦没者遺骨収集事業で随分お世話になった。小澤とは関係ないが、何となく因縁を感じる。

 小澤が行動的だったのは、1950年代の終わりにスクーターで貨物船に乗り込み、63日間もかけてフランスへ渡ったのだが、当時日本人の海外渡航は認められていなかった。その行動力は、1966年海外渡航が自由化されベトナム戦争中のベトナムへ初めて出かけた当時の私に比べてずば抜けていると思う。指揮者を目指したのは、ラグビーで指を骨折したためにピアノが弾けなくなり、ピアニストになる夢から志を指揮者へ変えたそうだが、ラグビーをやっていたとは知らなかった。享年88歳だった。心よりご冥福をお祈りしたい。

 さて、海外でイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃が激しさを増し、国際社会で停戦の意向が強まるにつれ、イスラエルのネタニヤフ首相は意固地になって停戦を拒否している有様で、仲介に入るアメリカもほとほと手を焼いているようだ。

 それと並行して、ウクライナ戦線も一向に戦火が止む気配が見えない。こんな時にウクライナでは、ウクライナ軍トップの司令官解任をゼレンスキー大統領が発表した。素人目にも戦争の最中に軍のトップを交代させるような人事は、戦闘員の戦意を後退させるのではないかと気になる。そこには、大統領と解任されたザルジニー司令官の間に軋轢があったと考えられている。2年前の開戦当初には大統領はザルジニー司令官の指導力を高く評価していた。それが、戦争が長引くにつれて兵士の消耗が激しくなり、兵員不足が深刻化して不人気な新規兵士動員をめぐり、大統領側と軍の責任の押し付けがあったようだ。奮戦する軍への国民からの信頼は高く、最近の調査では大統領への62%の信頼を上回り、ザルジニー前司令官への信頼は88%だった。

 アメリカ議会ではウクライナへの支援に反対が高まった。国内が割れていては、友好国からの支援も遠のいてしまう。こうと決めたら新たに任命された陸軍トップのシルスキー司令官に頑張って実績を上げてもらうしかない。

2024年2月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6015.2024年2月9日(金) 猪に襲われた中学卒業直前の大事件

 最近猪に襲われる人が増えたと昨日の新聞に出ていた。2022年度は過去最多で81人が襲われたそうである。クマに襲われるケースはしばしば報道されるが、猪は確かに少ないようだ。どうして猪に襲われたような記事に目を惹かれたかというと、実は私も中学時代に猪に襲わかかって、危うく難を逃れた体験があったからである。

 京都市右京区の阪急嵐山線の上桂駅近くに住んでいた当時のことだった。仲の良かったやんちゃな友だちと2人で嵐山に近い松尾山中にメジロを捕獲に出かけ、山道を歩いていた時だった。後ろの方から不意に「あっちだ、こっちだ」との大きな声にふっと後ろを振り返った時、目に入ったのは我々へ向かって突進して来る1匹の大きな猪だった。一本道を猟師たちが鉄砲を持って猪を追いかけ、その先を我々2人が歩いていたのだった。友だちが「逃げろ!」と先に走り出した。彼は直ぐ左側の傾斜面を登り出した。途中で「ここを登れ!」と私に大声を張り上げた。斜面を何とか登って下を見た時、猪が一本道を体を揺さぶりながら走り去って行った。その後を猟師らしい2人の男がワイワイ言いながら「どっちへ逃げたかなぁ」と言っていた。友だちと下へ降りると道にはところどころに血痕があった。猟師から撃ち損なった手負いの猪だと聞いてギョッとした。猟師は「猪突猛進」と言う言葉があるように、猪は獲物をめがけて一直線に突進するので、斜面を上に登ったのは良かったと言ってくれた。何のケガもなく逃げ切れたのは、運が良かったこともあるが、知らない間に友だちと斜面を一緒に登ったことが良かったようだった。中学卒業直前の考えられないハプニングだった。一緒に逃げたその仲良しの友だち、「登喜さん」こと、湯浅孝康(旧名:登喜夫)くんも宇治市内の商店会役員として活躍していたが、悲しいことに11年前にこの世を去り、もう「猪突猛進」について語り合うことは出来なくなってしまった。

 さて、昨日財務省が公表した2023年の国際収支が、黒字で何と前年より92.5%増の20兆6千億円だったという。貿易収支は自動車の輸出などが好調だったが、全般に輸入が増えて結果的には赤字だった。では何が故に国際収支が黒字になったかと言えば、コロナ禍が落ち着き外国人旅行者が増えたこともあるが、意外にも海外にある子会社から企業が受け取る配当などが増えたことに加えて、円安の影響もあり全体で黒字になったという。

 そこへ今日財務省は改めて2023年末の国の借金を報告した。毎年増え続けている借金が、また増えたのだ。過去最大の1,286兆円に膨らんだ。一時的に国際収支が黒字になっても毎年赤字予算を組んでいるようでは、将来に禍根を残す国の借金は増えるばかりである。財政再建と言う言葉が毎年のように言われているが、真剣にこれに取り組もうとの気持ちが財務大臣をはじめ政治家にはないのだ。毎年増え続けていた借金が、2013年に1千兆円の大台に乗ってから歴代の財務大臣は、増えることを当然と思って予算を組んでいる。今や全国民が1人当たり1,025万円の借金を抱えていることになる。

 借金膨張の原因については、決まって高齢化社会になって福利厚生費が大きな負担となっていると言うが、むしろ防衛費増額が大きく影響しているのではないか。共産党以外いずこの党も防衛費削減には二の足を踏んでいるが、これをバッサリ切れば、せめて借金の増額分は償えるのではないだろうか。

2024年2月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6014.2024年2月8日(木) 確定申告書提出済、途上国大統領の政策と手法

 悪戦苦闘の末3週間近くかけて漸く書き上げた各種書類を持って、今朝玉川青色申告会へ立ち寄り、税務署への提出書類を作成してもらった。その後玉川税務署を訪れ2023年分所得税青色申告決算書及び確定申告書を提出した。時間をかけて正確な書類を作り、何とか提出するまでにこぎつけホッとしたところである。

 我々のような庶民がきちんと税金を納め正しく申告しているのに対して、自民党の悪質国会議員らは、裏金と称して黙ってパーティ券のノルマを超えた金額をポケットに入れ、納税することもなくばれるまで惚けていたのだ。はらわたが煮えくり返るほど怒りが込み上げて来る。

 岸田首相の支持率はかなり低く、これという誇れる政策実績もなく、自民党内がバラバラの中で何とか首相の座に収まっているが、現状では岸田政権の余命はあまり長くないのではないだろうか。今問題になっている裏金問題や、旧統一教会との付き合いなどは、証拠を突き付けられても「知らぬ」「存ぜぬ」と惚けて逃げ切ろうとしている。流石に表面上の極悪さは目に付かないが、存在感の薄さは何とも仕方がない。

 一方海外では、国家のトップが憲法や法律を強引に破ってしまう「大物」が最近目につく。国家の政策を自分自身がすべてを決める北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記をはじめ、憲法を犯して長期政権を続けているロシアのプーチン大統領、同じように共産党医綱領では2期しか認められない総主席を無視して、3期目の任期に入った習近平・国家総主席が、大した実績を残していないにも拘わらず強大な権力を揮っている。

 半面途上国の中には、こういう野武士たちもいる。一昨年6月、6年間の任期を終えてフィリピン大統領の職を退いたロドリゴ・ドゥテルテ氏と、今月大統領に再選された中米エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領である。

 ドゥテルテ前大統領は、国内に蔓延る麻薬とそれを取引していたギャングの撲滅を国民に約束し、約6千人ものギャングを粗っぽくも殺害して撲滅した。その手法は一部ではやり過ぎと非難を浴びたが、ギャングを国内から一掃し、街の治安が良くなった。物議を醸すことも多かったが、結果的に国民から高い支持を受け、歴代最高の支持率を維持した。任期を終えて未練もなく後継者にその座を譲った。

 ブケレ大統領にもややドゥテルテ氏と似たような言動が見られる。まだ42歳のブケレ大統領には、エルサルバドルでは憲法上大統領の再選は認められていなかった。それが国会を通じて最高裁判事をブケレ派に入れ替え、大統領の再選を可能にした。この強権的な手法が、実は国の治安を向上させたというから驚く。実は、2年前に非常事態宣言を発令し、国内最大のギャング構成員ら7万5千人を収監した。その結果治安は大きく改善された。国の人口は650万人であるが、その1.15%に当たる7万5千人のギャングを牢獄に入れてしまったのだ。大統領選でも85%以上の得票率を獲得した。些か強引な手法ではあるが、国民の支持は圧倒的である。

 とても民主国家である日本で、ドゥテルテ前大統領や、ブケレ大統領のような強引な手法は許されないが、国民の気持ちを捉えてそれを斟酌することは、岸田首相も彼らに学んだ方が良いのではないかと愚考する。

2024年2月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6013.2024年2月7日(水) 「ガリバー旅行記」作者に笑われる嘘つき国会議員

 今朝の朝日新聞の一面トップ記事が、昨日本ブログにも触れた盛山正仁文科相の旧統一教会から2021年衆議院選前に推薦状を受け取った事実についてである。文科相は旧統一教会の会合には出たが、推薦状は受領していないと否定していたが、それが真っ赤なウソであることが分かった。これを受けた昨日朝の情報番組では、冒頭からこの話である。この期に及んで今日衆議院予算委員会で、「写真を見てこういうことがあったかなとうすうす思い出した」とか、「充分内容を読むことなくサインしたのかも知れない。軽率だった」と止むを得ず認め、引き続き職責を果たし文科相の地位に留まると述べた。流石に自民党内から辞任論が出ている。また、新たに林芳正官房長官にも3年前地元山口で旧統一教会関係者と会った疑惑が浮上している。まあ国会議員というのはこんな程度である。

 今夕の朝日紙「素粒子」欄にガリバー旅行記作者のJ・スウィフトが300年後の日本を見通したような言葉が紹介されている。「英知、能力、徳を基準に側近を選べ。大衆の利益を考えるよう大臣を教育せよ。大臣の記憶力は短く薄弱なので、用件を済ませた後、鼻をねじる、腕を青黒くなるまでつねるなどして忘却を防げ―」。知らなかったが、的を射た言葉である。

 また、各派閥に所属している議員に対して自民党幹部がアンケートに対する回答を求めた件に関しても、今朝の報道番組の出演者は訂正ばかりですべてがウソで固められ、国民の怒りは収まらないだろうとコメントし、国税庁が国会議員に対して甘い対応を指摘している。国税庁は国民にはすべてに厳しく徴税しながら、国会議員のこのような明らかな脱税行為に対して‘甘い’と批判しているのである。せめて、ある程度裏金の受領が確定した段階で、国税庁はそのすべてを不労所得として徴税すべきである。

 さて、今朝の朝日新聞の片隅に朝日新聞北海道版夕刊を4月1日から休刊とすると出ていた。やはりかというのが率直な感想である。資材の高騰や、デジタルサービス利用者が増えたからと書かれているが、本当の理由は購読者と広告の減少だろう。近年新聞購読者数が減り続け、ピークだった1997年は全紙で5376万部が発行された。その後年々減り続けて一昨年には3084万部にまで落ちてしまった。最盛期から43%も減少してしまったのである。特にここ数年の減少率を見ると2018年は対前年比5.3%減、2020年は7.2%減となり、このままのペースで減り続ければ、20年以内に紙の新聞は消滅してしまう。これは、2月1日の本ブログで「『読書時間ゼロ』の若者」に取り上げた本を読む人が少なくなったことと相関関係にあると思っている。

 かつては、日本人の新聞好きは有名で、世界で発行部数の多いランク10社の内日本の新聞が1~3位を占め他に2社がランクインするほどだった。新聞販売が伸びていた1970年には、1位朝日、2位読売、3位毎日だったが、2011年には、1位読売1002万部、2位朝日805万部、3位毎日391万部と大手3社が圧倒したが、勢力図に若干変化が表れてきた。それが、今では1位読売686万部、2位朝日430万部、3位毎日193万部、4位日経175万部、5位産経102万部にまで低落してしまった。新聞は冬の時代から氷河期へと言われるほど厳しい。

 ニュース・ソースを新聞以外から入手する若者たち、特にスマホ世代にはこれからも新聞購読を期待できないが、さりとて別の問題が生じている。新聞を読まなくなったことにより、読書を敬遠することと同様に論理的に考える力が育たないこと、文字を知らなくなったこと、文章力が衰えたこと等々、問題は新聞の分野だけで済まなくなっていることである。これは大きな教育問題として考え、文科省が初等教育段階から国語力養成のためのビジョンを検討する必要があるように感じている。

2024年2月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6012.2024年2月6日(火) 文科相と旧統一教会との関係、トヨタの責任

 今朝起きて雨戸を開けたら、目の前にはやや古い表現かも知れない「銀世界」が拡がっていた。「銀世界」は一昨年2月以来である。昨日夜半になり、時折雷鳴が轟き雪も深々と降ってはいたが、今朝は一転きれいな雪景色を見せてくれた。ただ、道路は泥水で少々歩き難い。早朝の新聞配達人や牛乳屋さんは大変ご苦労だと思う。今日はそれでも午後になって雪が解けて歩道にも雪がなくなったので、いつも通りウォーキングに出かけた。

 相変わらず、国会では自民党の裏金問題に時間を取られている。旧統一教会に対する疑惑がしばらく話題に取り上げられなかったが、今再び自民党幹部との怪しい関係が炙りだされている。昨年10月文部科学省が旧統一教会に対して解散命令を東京地裁に請求し、今月22日に裁判所は双方から意見を聴取することになっている。そんな折も折、その文科省のトップである盛山正仁大臣が、2021年衆議院選の際旧統一教会関連団体から推薦状を受け取り、選挙の支援を受けていたことが明らかになった。しかし、いつもの通り当人は関連団体の会合には出席したが、選挙支援は頼まなかったとの一点張りである。それはそれとしても、当の旧統一教会に解散命令を請求している文科省のトップが、その旧統一教会との関係に疑念を抱かれるなんてことがよくぞあるものだ。盛山大臣は岸田派であるが、首相も多くを語らず、任命責任を問われないよう鎮火に回っている。

 さて、トヨタ自動車が今年も車の生産台数世界一となり、経営状態も今年度は営業利益が何と前年度比80%増の4兆9千億円の見込みで、これとて日本企業の中でも初めての水準だというから超一流企業の証明だと思う。その天下のトヨタ、及び系列企業の不祥事が些か目に余る。問題なのは、事故に繋がりかねないディーゼルエンジンのデータ不正である。国土交通省はエンジンの出力試験データで不正のあったディーゼルエンジンについて、トヨタに出荷禁止を発表した。現在トヨタ工場では稼働が停っている。系列会社の軽乗用車や軽トラック製造のダイハツ工業や、日野自動車、豊田自動織機も認証検査の不正が発覚している。ことの重大さに責任を感じた豊田章男・トヨタ会長が創業の原点を見失っていると反省を込めて謝罪したが、あまりにも組織が巨大化したあまりトヨタ特有の上意下達が徹底して工場内に自由に意見を言えない文化があるという。

 実は、自民党は裏金問題で政治資金のキックバックを政治資金収支報告書に記載していなかった所属議員のリストを作成し、昨日野党に提示した。今日テレビ朝日の「大下容子 ワイド!スクランブル」に出演した立憲民主党の辻元清美・参議院議員が企業献金の一部リストを無意識にか、意図的にか、偶々漏らしてしまった。日本自動車工業会から7千万円余、トヨタ自動車から5千万円などと、敢えてトヨタの社名を出した。この金額がトヨタにとってはそれほどの高額ではないだろうが、自民党とは強いコネがあることが暴露されてしまった。

 トヨタは日本が誇る大企業である。車の生産高世界一というのは誇りにして良いと思う。だが、コソコソしないできちんとルールを守り、世界一の自動車メーカーとしての矜持を保ってもらいたいものである。

2024年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com