4265.2019年1月16日(水) 横綱稀勢の里の引退と先輩・脇村春夫氏の野球殿堂入り

 昨日懸念したように横綱稀勢の里は、今日記者会見を開き引退することを発表した。今日の夕刊でも夜のニュースでもトップ記事である。32歳でまだまだ横綱の地位を全うできる力を秘めていながら、周囲のプレッシャーに負けて土俵から降りることになった。本人の気持ちの中には忸怩たるものがあるだろう。これまでもプレッシャーに押され、肝心な場面で負けたケースが散見される。それが証拠には、連続4場所準優勝に終わったり、準優勝は10回程度成し遂げている。中々トップを取れない。性格的に真面目で思い詰めるところがあったことが勝負のうえで致命傷になったのかも知れない。引退後は年寄「荒磯」を襲名するそうだが、純粋で真面目な人柄だから、きっと立派な弟子を育ててくれることだろう。

 さて、昨日長年プロ野球界で活躍した元プロ野球選手に授けられる栄誉である今年度の「野球殿堂博物館」入りが決まった。選ばれた2人のプロ野球人は、いずれも元中日の権藤博投手と立浪和義遊選手である。権藤投手は私と同年齢で入団1年目にして、35勝で最多勝、新人賞、最優秀防御率賞、澤村賞など投手部門の賞を独り占めした。監督としても就任1年目で現在の横浜ベイスターズの優勝に貢献した。しかし、私にはもうひとりの同姓、権藤正利投手の方が忘れられない。最優秀投手賞、新人賞など数々の実績を挙げたが、1957年にはプロ野球ワースト記録のひとつ、投手として28連敗という誰も真似出来ない屈辱的な記録を作っている。その次の試合で勝って29連敗を免れた対巨人戦を後楽園で間近に見たことがある。一方、立浪選手は小さい身体ながら引退するまで22年間に亙って中日一筋に活躍し、2千本安打達成と通算2塁打記録を書き換えた。

 ところで、2人の殿堂入りの他にアマチュア球界関係者から選出される特別賞を受賞されたのは、高校の先輩で元日本高校野球連盟会長だった脇村春夫氏である。脇村さんは母校・湘南高校が甲子園初出場初優勝した時、2年生ながら2番を打ち、3塁手として優勝に貢献した。拙著「南太平洋の剛腕投手」の中で母校優勝のエピソードを書いたが、脇村さんの1年後輩だった佐々木信也さんとの関係についても触れた。脇村さんは東大野球部でも主将として活躍されたが、中学生時代に一度神宮球場で先輩のプレイを見たことがある。

 脇村さんが特別賞を受賞されたのは、佐々木信也さんから依頼されて、プロとアマ球界の健全化、及びその橋渡しと融和に貢献されたことが高く評価されたからである。甲子園決勝戦後の表彰式でも会長としての一般的なスピーチの他に、専門的にして技術的なコメントを付け加えていたことが印象に残っている。美智子皇后の従妹でもある先輩の野球殿堂入りを誇らしく、大変嬉しく思っている。

2019年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4264.2019年1月15日(火) 稀勢の里3連敗、横綱の座風前の灯

 旧臘乗船したクルーズ船「にっぽん丸」がグアムから昨日横浜港へ帰港した。グアムで桟橋にぶつけて右舷後方部を損傷したので、外航は大丈夫かと心配したが、新聞写真で見るとぼろ隠しのように接ぎが当てられていた。あれでは波浪が高かったら浸水するのではないかと気になる。航空会社や鉄道会社のように予備がないので、あの破損事故により「にっぽん丸」には予備がないため、代替船がないと会社の営業成績にも大きな影響が出るのではないかと懸念される。われわれは神戸から横浜までのショート・クルーズだったが、幸い素晴らしいクルージングを体験させてもらった。一日も早く船を修理して再びあの夢見心地にさせてくれるクルージングを復活させて欲しいものである。

 さて、大相撲は1年6場所のうち、一番盛り上がる初場所が今行われているが、今場所で最も注目されている話題は横綱稀勢の里の復活と進退である。一昨年大阪の春場所でケガを負いながらも優勝して以来、そのケガのため休場、途中休場が続き、流石に相撲協会も今場所に進退をかける「激励」を示して横綱を激励しつつ背水の陣に追い込んでいる。そして、今日は3日目だったが、その横綱稀勢の里は、立ち上がりから組手が悪く今日も敢えなく敗れ、初日から3連敗でいよいよ追い詰められてしまった。1場所15日制が定着した1949年夏場所以来、不戦敗を除く7連敗を記録した貴之花を越える横綱ワースト8連敗という屈辱的結果を残してしまった。

 かなり同情の声も聞かれるが、それでも勝負の世界ゆえこう負け続けると潔く土俵を去るべきだとの声も囁かれている。それにしても稀勢の里の話題ばかりが注目されているが、他の上位陣も情けない成績だ。今場所は今日3日目で3人の横綱が合わせて4勝5敗、大関3人が1勝8敗の無様な成績ではあまりにも不甲斐ない。ひょっとすると明日にでも稀勢の里引退発表会見が行われる可能性もある。

 優勝争いは混沌として別の意味で騒がれているが、3勝の横綱白鵬を除いて横綱、大関陣の中に優勝争いに絡んでくる関取がいないことは少々寂しい。このままの状態で、千秋楽には果たして誰が賜杯を手にすることになるだろうか。

2019年1月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4263.2019年1月14日(月) 梅原猛・元日本ペンクラブ会長逝く。

 哲学者で文化勲章受章者でもある梅原猛氏が、一昨日肺炎のため93歳で亡くなられた。梅原氏は日本ペンクラブ会長を6年間務められた。今から30年以上も昔知的生産の技術研究会で講演されたことがあり、その時若い男性が反対の強い意志を訴えるためには電車へ飛び込み自殺も厭わないと言って梅原氏を苦笑いさせていたことを想い出す。桑原氏は日本古代史の研究家でもあり、その分野で奇想天外と言えば語弊があるが、度々異色の梅原説を発表して世間をあっと言わせたし、反論もかなりあった。

 寡聞にして知らなかったが、新聞に依るとその有名な説のひとつは、法隆寺は聖徳太子の怨霊を鎮めるために建てられたとする学説「隠された十字架―法隆寺論」であり、もうひとつは、柿本人麻呂は流刑死したとする「水底の歌―柿本人麻呂論」だそうである。通説を覆す独創的な説は梅原古代学とも呼ばれて一部では高く評価されているようだ。ただ、それに対してはかなり反論もあったようだ。リベラルな考え方は終始一貫して、イラク戦争や自衛隊の海外派遣には反対し、平和憲法擁護を訴えておられた。よく存じ上げている小中陽太郎氏の奥様のご親戚だったように思う。

 さて、昨夕テレビ東京で放映された「池上彰の世界を歩く」、現代史を歩くとのサブタイトルで「日本中が胸を熱くした美貌の金メダリスト」を観た。東京メキシコオリンピック体操競技で2大会連続金メダリストだったチェコのベラ・チャスラフスカさんを主人公にオリンピックの裏話と、彼女が関わった「プラハの春」とその当時のチェコの時代性に焦点を当てて興味深かった。

 「プラハの春」については、個人的に1968年「プラハの春」によるソ連軍及びワルシャワ機構軍のプラハ侵入により、プラハ留学の希望を諦めなければならなくなった個人的な事情から強い思い込みもあり、昨年「知研フォーラム」10月号に経緯を書いた小論文を寄稿したほどである。これまでにチェコへ4回訪れているが、チェコ国内のどこかで彼女についてしばしば話を聞くことがあった。それほど名の知られた人物ではあったが、「プラハの春」当時、ヘルシンキ・オリンピック長距離走で3つの金メダルを獲得して人間機関車と呼ばれたエミール・ザドペックとともに「2千語宣言」に署名して、これほど強くソ連に抵抗していたとは当時は思ってもみなかった。

 これとは別に、いつか訪日された時のインタビューで、近年の女子体操界が曲芸のような演技に傾きがちで、本来必要な「美しさ」や「優美さ」のようなものが失われつつあると寂しそうに語っておられたのが印象に残っている。2016年にすい臓がんで亡くなられたが、家庭的にはあまり恵まれず、東京五輪でチェコスロバキアの400mランナーだったオドンネル氏と結婚したが、その後離婚され、2人の間の息子によって元夫が殺害されるという辛く悲しい事件に襲われた。

 「プラハの春」だけに焦点を絞るのならこれでも好いが、チャフラフスカさんを主人公にするならプライバシーも取り上げないと本来の意味で彼女を描いたことにならないと思う。

 このドキュメントでは、「プラハの春」当時の映像を交え、どうして「顔のある社会主義国」、つまり「言論と表現の自由」を認めるチェコ式社会主義国家が破綻したのか、またソ連による厳しい秘密監視社会などについて分かり易く解説してくれた。1989年「ベルリンの壁」崩壊後に、新たにビロード革命を成し遂げて大統領に就いたヴァーツラフ・ハヴェル氏がチャフラフスカさんを大統領顧問に迎えたが、ハヴェル氏に日本人として早々にお会いしたのも小中氏だったと思う。

 それにしても池上氏はしきりにプラハを世界で一番美しい街と持ち上げていたが、確かに世界の古い都市の中で「百塔の街」と呼ばれるプラハは美しい。街の様子を観ているともう一度訪れてみたいと思う。

2019年1月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4262.2019年1月13日(日) 政府はなぜ日米地位協定を改定しないのか。

 以前から日米安保条約で承認しているとは言え、日米地位協定に拘束されて在日米軍が日本国内で犯した罪を、日本が警察権も、裁判権も行使出来ないまま半世紀以上に亘ってそのままにしているのはおかしいと思っていた。それはごく普通の日本人なら誰でも疑問に思うところだと思う。60年安保闘争で、我々学生は安保改定に強く反対したが、自民党の強行採決により法案は通り、その理不尽な日米地位協定というものが容認された。

 この当時は、まだ日本政府にはアメリカに遠慮し、おもねるところがあってアメリカ政府の言いなりだった。だが、同じ敗戦国でもドイツ、イタリアに駐留していた米軍は、国際法通り裁判の主権は米軍に明け渡していない。日本政府はこれまで日本の法律を米軍に原則適用しないと説明していた。その理由について昨今政府は腰砕けのように、敢えて国際法に触れることをやめると述べた。これがよく分からない。どうも基地問題が騒がしくなり、その点への批判の高まりをかわすためにそういう屈辱的なことを言い出したようだ。

 日米地位協定については、本音は別にしてアメリカ政府は国際法上受け入れ国の法律に従うのがルールとの見解を了解している。それなら日本政府がアメリカ政府内に一部反対があろうとも、日米が対等な立場に立つという観点から真剣に交渉して不利な日米地位協定を変更させることは可能である。日弁連も領域主権から考えて米軍に対しても日本の法令の適用が原則であると述べている。日本政府だけが腰が引けているのである。政府は正面から答えることをせず、重箱の隅をほじくる言い訳のような主張を繰り返しているばかりである。しかし、これでは沖縄問題を始め国内で噴火口となっている米軍駐留問題を益々難しくするばかりか、アメリカへの忖度のあまりアメリカの属国と変わらない状態を放置するだけである。

 国会議員に過剰な忖度をしている外務省は、説明から国際法を削除したことについて、「原則不適用」の根拠となる国際法があるという見解は変えていないなどと支離滅裂なことを言っている。これでは、当分日本はアメリカに対して独立国どころか、植民地的対応をされることになる。歴史の逆行である。これで日本は世界に向かって経済大国と言えるだろうか。

 明日成人の日であるが、1日繰り上げて今日成人式を行った自治体がかなりある。60年前に成人の日を迎えたが、当時は何らの催しも行事もなかった。仮に今日のように賑やかな成人式に招かれたとしても、当時浪人生活2年目で大学入試を目前にしては出席など出来なかっただろう。近い将来成人年齢が現在の20歳から18歳に変わる。騒がしく誘惑の多い現代社会で18歳になったばかりの若者に多くを期待することは難しいが、せめて沖縄県民の生活環境を厳しくしている日米安保条約についてもう少し関心を持って欲しいと願っている。

2019年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4261.2019年1月12日(土) 竹田JOC会長贈賄疑惑は意趣返しか。

 ゴーン日産前会長が昨年11月に逮捕されてから保釈される様子がなく勾留されたままである。日本と外国では司法手続きが異なり、ゴーン前会長に対する勾留も外国から見ると疑問視されているところもある。ゴーン氏が君臨しているルノーでは、日産がゴーン氏を解職したのに対して依然として最高位の会長職に留まっている。フランスのメディアも日本の司法に対して疑問を投げかけている。

 そんな折も折竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が、フランス司法当局から2020年東京オリンピックの招致を巡ってコンサルタントに支払ったコンサル料が、汚職に関わった疑いがあるとして竹田会長訴追に向けた手続きに入った。竹田会長はもちろん否定しているが、ゴーン前会長の特別背任罪と同じ次元で捉えられているようだ。

 これについて、今朝の「天声人語」にも「~ルノー会長として、かの国で尊敬を集めてきたカルロス・ゴーン容疑者に対する意趣返しか~」と書かれている。贔屓目に見て、竹田会長にはゴーン氏のような私利私欲はなかったと思うが、悪いように受け取られなければ好いがと思う。嫌なことになった。

 さて、今日は今年度の全国大学ラグビー決勝戦が、明治大と天理大との間で行われ、22 対17で明治が勝ち22年ぶりに大学日本一になった。母校慶応は関東大学対抗戦で明治に勝っていながら、全国大会では準々決勝で早稲田に敗れて今年もダメだった。

 ついては、今夜NHK・BSで戦時中に行われたラグビー非公式試合・東大対京大戦に関するドラマ「キミに最後の別れを~東大ラグビー部秘話」が放映された。元旦のラグビー祭で東大ラグビー部スタンドオフだった後輩のOB会長から紹介され、ぜひ見て欲しいとメールも送ってきたので楽しみにしていた。ドラマの出来は何とも言えないが、部員全員が戦時下ではあり得ない長髪だったり、ポジションがナンバーエイト№8と言ったり、あの時代は№8なんてポジションはなかった。少々臨場感に乏しかったように思う。

 今日初雪が降った。ほんの霰程度だったが、やはり寒い。例年より7日、昨年より12日遅いそうである。

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4260.2019年1月11日(金) 事実認識の感度が鈍い文在寅・韓国大統領

 今お隣の韓国との関係が思わしくない。韓国には難しい対日問題が山積している。現時点で3つの大きなトラブルの火種を抱えている。1つは、従軍慰安婦の補償であり、2つ目は昨年韓国最高裁が判断を下した戦時中の韓国人徴用工への賠償であり、3つ目は日本の排他的経済水域内における海上自衛隊機哨戒機に対する韓国艦艇からの火器管制レーダーの照射である。いずれも韓国政府は日本に責任があり、それなりの対応措置を講ずることを求めている。

 そんな両国の間に緊張状態が続いている中で、昨日文在寅・韓国大統領が年頭記者会見を行った。大統領は悪化する日韓関係について主に日本の対応に問題があるとの認識を示したが、具体的な解決策には触れなかった。

 文氏は日本の政治家が政治争点化していることは賢明な態度ではなく、もっと謙虚な態度を示すべきだと語り、徴用工への賠償を命じた韓国最高裁判決は、三権分立で政府は介入出来ない。日本は仕方がないとの認識を持つべきであると一方的に日本を非難した。それでいながら日韓慰安婦合意に基づいて設立された財団を解散するとした問題や、海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍艦艇にレーダーを照射された問題には言及しなかった。しかも日本人記者の質問を避けようとしたやり取りがはしなくも明らかになり、いかに日本人から追及されるのをさけようとしていたかが露呈された。

 今日のテレビのエンタメ番組を観る限りでは、元駐韓大使、大学教授、メディア、ジャーナリストらはすべて韓国が権利は主張するが、義務を果たさずに自らの都合だけを強調する対応を一斉に非難していた。特に、徴用工への賠償については、かつて外相として協定締結に関わった岸田文雄自民党政調会長が、韓国政府も日韓請求権協定の対象と認めていたにも拘らず、ここへ来て対象外だと発言するのは議論の一貫性を欠くと厳しい見方をしている。また、文氏は司法の独立の観点から最高裁の司法判断には口をはさめないので、日本政府は認めるようにと発言されたが、国内における司法の独立より国際法が優先することはウィーン条約でも決められている。当然韓国は自国内ですでに決められた協定の下に、ごく当たり前の常識的対応をすべきである。

 ただ、この日韓関係はどうもめようとも両国の政治家が論理的にしっかりと話し合って解決すべき問題である。その辺りは日本でも頼りにならない国会議員が多くあまり信頼出来ないが、それこそが彼らの責務であることを国会議員はこの際再認識すべきである。

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4259.2019年1月10日(木) 「兼高かおる世界の旅」の兼高さん亡くなる。

 今月5日に日本旅行作家協会名誉会長の兼高かおるさんが亡くなられた。8日に通夜、昨日告別式が親族とごく一部の関係者だけで営まれたと協会事務局長から連絡があった。すでに亡くなった5日に協会から連絡をもらっていたが、葬儀一切が済むまで㊙にとの断り書きが付いていた。漸く葬儀が終わり昨晩訃報を公に出来ると知らせてもらった。今朝の新聞や、テレビでも比較的大きく扱われている。

 それはそうだと思う。兼高さんは海外旅行がまだ自由化されていない時代に、世界旅行の先駆けとなられ世界中を旅された人で、随分羨ましく思ったものである。1958年世界一周早回り企画にスカンジナビア航空機に搭乗して挑戦し、73時間強の当時の世界記録でこれを成し遂げた。1959年から毎週日曜日になるとTBS系テレビで31年も続けて放映された「兼高かおる世界の旅」に出演したが、中々楽しく興味深く視聴率も高い番組だった。本来なら高い評価を得たこの番組はずっと続く予定だったが、番組で個性的な聞き役をされた芥川隆行氏が亡くなったことで番組は終止符を打たれてしまった。兼高さんご自身もまだ続けたかったようだった。止むを得ない事情ではあったが、残念な終わり方だったと思う

 兼高さんとは2011年5月会長を退かれ、名誉会長に就任された日本旅行作家協会総会の場で初めてお会いして親しくお話を承った。行動的でスポーツウーマンだった兼高さんは、中部太平洋の島々でもよくスキューバ・ダイビングをされた。マーシャル諸島共和国では島の啓蒙活動に力を尽くした功績により無人島を贈られ、その島には兼高さんの名が付けられている。その後拙著「南太平洋の剛腕投手」の執筆中に、兼高さんもよくご存じだったトラック島のアイザワ大酋長の軽い虚言壁について真偽のほどを尋ねたことがある。兼高さんは嘘をつくことはあの島の島民性とも言えるので、あまり深刻に受け取る必要はないのではないかと容認されておられた。愉快だったのは、兼高さんは2月29日生まれ(1928年)で誕生日が4年に1度しか巡ってこないので、まだ20何歳だと誇らしげに話しておられたことである。亡くなられてしまったが、さしづめ享年22歳ということになるのだろうか。

 兼高さんには長い間テレビを通して知的で楽し時間を与えていただいた。父親がインド人貿易商で彼女は神戸で生まれたが、彼女の兄と慶応で同期だった会社の元上司から兼高兄妹についてエピソードを伺ったことがある。あのような行動的で、しかも上品な女性はあまりおられないと思う。「麗珠院薔薇清薫大姉」(レイシュインソウビセイクンタイシ)と戒名を授けられたそうだが、「珠」は母親の名から、「薔薇」は彼女の本名・兼高ローズから取られたそうである。

 心よりご冥福をお祈り致したいと思う。

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4258.2019年1月9日(水) 「にっぽん丸」、グアムで接触事故

 昨日ネット「にっぽん丸」に関する衝撃的な記事を見た。そして、それが今朝の朝日新聞に掲載された。「大型客船が事故 船長飲酒か」との見出しである。何とクリスマスに乗船したばかりの商船三井客船の「にっぽん丸」が、30日午後9時過ぎにグアム島からサイパン島へ出発してまもなく、船尾アメリカ海軍の桟橋に接触して船体の右舷を損傷した。その場で航行を取り止めたという衝撃的な事態である。新年を外洋航海で迎える予定だった乗船客はさぞ落胆したことだろう。にっぽん丸は、26日横浜埠頭に到着してわれわれろしてから、整備を終えてその日の夜グアムへ向けて出港した。そして4日後の30日朝グアムへ着いた。そのサイパンへ向け出港した直後に事故を起こしたらしい。我々が下船してから僅か日後の事故だというから驚くではないか。

 神戸から横浜までのクルージング満足感いっぱい、商船三井乗船記を書くと約束していたので、クルージングの楽しさを満喫したと同時に大満足したとの印象を認めた原稿を書き上げた。その原稿を昨夜掲載予定紙へ送付したばかりである。船は右舷に大きな穴が開いたようだが、乗客、乗員624にケガ人がいなかったことが何よりである。乗客はクルージングを止めすでに航空機で帰国したようだが、新聞記事に書かれたように船長に飲酒した疑いがあるそうだ。

 自動車事故の原因にしばしばドライバーの飲酒が挙げられるが、車ばかりでなく、最近は航空機のパイロットにアルコールが検出されて安全運航面とモラル面で大きな問題になっている。実際本記事の隣欄に「飲酒の時間 虚偽報告~全日空、機長の処分検討~」との記事が載っており、唖然とするばかりである。自分の仕事を何と思っているのか理解出来ず、モラル面でも話にならない。今度の接触事故で船長に飲酒の疑いが生まれたとは、あまりにも軽薄で無責任で、大勢の人の生命を預かっている責任ある立場の人の神経とはとても思えない。

 クルージングを終えた翌日、招待していただいたお礼に言葉に添えて拙著8冊を関係者及び「にっぽん丸」図書室などに贈ったところだが、いずれ近日関係者と話をする機会があると思う。聞けるなら、さらりと本音の一端を聞いてみたいと思う。

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4257.2019年1月8日(火) 51年前の今日自殺したマラソンの円谷選手を想う。

 長らく歯科医院歯を治療してもらっていたが、今日で何とか終えることになった。昨年7月から随分長い時間をかけて治療してもらっていたが、今回の治療はひとまず終了ということになった。やれやれである。やはり入れ歯の具合が悪くなると、治療に手間と時間がかかる。これでしばらく歯の不具合から解放される。

 その歯科医院には、もう半世紀以上も通っているが、かつて勤務していた会社の近くにあり、1964年東京オリンピックのマラソン・コースである甲州街道に近い。オリンピックの際、その甲州街道脇で優勝したアベベ選手が先頭で走って英姿を目の当たりに見た。縁は異なもので、その4年後、メキシコ・オリンピックが開催された1968年の今日、偶然にもアベベ選手の甥ウォルデ・マルタム・ケベデくんにエチオピアの首都アジスアベバのハイレ・セラシュ病院で会っていたのだ。いわハプニングと言っても好い。更に運命的だったのは、帰国後に知ったことだが、その日東京オリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉選手が、その後体調不良だったこともあり、ぱっとした成績を残せず、メキシコ大会の重すぎる精神的負担に耐えられず自殺する悲劇があった。そして、今夕NHK「NEWS WATCH 9」で円谷選手の自殺前後の話を自衛隊体育学校時代の後輩と、メキシコ大会銀メダリストの君原健二さんの思い出話を交えて、円谷さんを偲んでいた。

 偶々歯科へ行ったことが、アベベ選手と甥御さん、そして円谷選手を想い出すきっかけになったとは、随分運命的であると感じる。

 さて、今日は国内外に注目すべきニュースがあった。まず、国内で昨年11月から金融商品取引法違反と特別背任容疑で逮捕され身柄を拘留されている元日産会長カルロス・ゴーン氏の拘留理由を開示する手続きが行われた。ゴーン氏は特別背任事件について日産に損害を与えていないことと、金融商品取引法違反については、役員報酬を有価証券報告書に過少報告したことについて日産復活のために努力してきたと主張を述べ、東京地検の嫌疑を強く否定した。

 一方海外では、今日誕生日を迎えた北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が中国を訪問した。対米交渉を前に中国政府との強い絆をアメリカ、及び世界へアピールした。更にもうひとつ世間を騒がせているニュースが、韓国海軍艇自衛隊哨戒機に対して火器管制レーダーを照射したとされる事件で、韓国国防省はその事実を否定して、日本側の証拠画像に反論する事態に発展している。日本の防衛省は照射されたと言い、一方の韓国がその事実はないと否定している。どちらが正しいのか、お互いに自己主張しているばかりではっきりしない。こういうことが今後も起きると一大事である。アメリカの支援を受けてでも好いので、何とか早めに黒白をつけて欲しいものである。

2019年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4256.2019年1月7日(月) 30年前の今日、昭和天皇崩御される。

 30年前の今日、昭和天皇が崩御され即日今上天皇が即位されて翌8日平成時代がスタートした。あの日行われる予定だった全国高校ラグビー決勝戦も中止となり、対戦予定だった大阪工大高と茨城代表の茗渓学園の両校同時優勝となったことをよく覚えている。中山競馬場のレースも中止され、繁華街のネオンも自粛され国内には暗いムードが立ち込めた。今日天皇は昭和天皇の御陵にお参りされた。早いものであれからもう30年が過ぎ去った。その平成も来る4月30日に天皇が退位され、平成時代も終わる。翌5月1日には次の元号がスタートする。新元号は4月1日に発表される。皇太子が天皇に即位され、その後大嘗祭を始め、皇室絡みの行事が種々行われる。皇室にとっては慌ただしい1年になる。

 さて、今日から新たな税金「国際観光旅客税」1,000円が、国籍に関係なく日本から海外への出国者ひとりひとりに課税される。これの年間収納額は、総額で500億円と予想されている。これまでもなんやかんやと屁理屈をつけては、懐豊かな海外旅行者に目をつけて徴税することになったが、これはれっきとした国税である。取れるところから取るという安易なやり方は止めるべきだと思う。徴収することばかり考えず、政治家と財務省は基本的に徴収した税金を無駄遣いしないようもっと知恵とモラルを働かせるべきではないかと思う。毎年積み重なる国の借金は累積で1,062兆円にまでなった。日本人ひとり当たりにして837万円である。これだけ多額な借金を返せる人はそうはいない。国はもっと真剣にこの現実を捉えるべきである。残念ながらこの重要な問題に対して現時点で政府も財務省も何らの行動も起こしていない。例えば、昨年世間を騒がせた森友学園問題でも、財務省は森友学園に対して無節操にも国有地を8億円も値引きして提供しその明確な理由も国民に説明しようともしない。メディアも追跡に手を抜いている。誰も彼も国民のことをまったく考えていない。こんな好い加減な状態を放っておいて国の財政が破綻しても良いのか。

2019年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com