4277.2019年1月28日(月) 厚労省統計不正は政官劣化の象徴か?

 このブログでも何度か取り上げた厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正について、今も問題は解決せず、否むしろ一層怪しい様相を呈している。今日通常国会が召集され、冒頭この不正について安倍首相は陳謝したが、臨席された天皇が平成最後の国会で述べられたお言葉の直後にしては、あまりにも恥ずかしくお粗末ではないかと思う。これも首相の日頃の不遜な言動と人柄の成せる技だろう。

 とにかく非常識極まるものである。厚労省には表面的にはともかく本心ではまったく反省の様子がないようだ。従業員500人以上の全企業に対して勤労統計資料の提出を要求すべきところを、東京都に対しては選別して3割しか請求していなかった。完全に手を抜いていたのである。その結果全体として数字が下がり、支払うべき国の費用が少なくなった。このため再調査したうえで追加支給するため、一般予算支出を追加するという国家財政上の問題を提起するに至った。問題はこれで済まない。この不正を糾弾するため、開かれた特別監査委員会が中立ではなく、厚労省内部の幹部、とりわけ官房長が質問までしていたことが分かった。他にも質問にも時間を費やさず、中にはメールで問い合わせたという杜撰な再調査もあった。これでは厚労省ペースで意図的に資料が作成されてしまう。まだまだ問題解決は先の話である。

 この状況に今朝の朝日新聞「声」欄に企業OBの68歳大学院生が呆れて、「勤労統計 官僚の劣化甚だしい」と厳しく非難している。そして夕刊の「素粒子」欄には、「『身内』の検証どころか、官房長同席の『圧力』検証だったとの新たな問題。きょう開幕の国家で徹底的に膿を」と。いつになったらすっきりするのだろうか。

 さて、昨晩遅く帰宅したところ、人気グループ「嵐」が2020年末を以て活動を休止するというニュースが衝撃的に伝えられた。今日もテレビのエンタメ番組ではどのテレビ局も時間をいっぱい取って「嵐」の活動休止の原因や、今後の行方などについて手取り足取り解説していた。確かに30代の若者たちがメンバーとなっている「嵐」は今絶頂期である。NHK紅白歌合戦でも昨年まで10年連続出場し、メンバーがそれぞれ個性的に活躍している。リーダーの大野智が普通の生活をしたい、やりたいことをやってみたいということを申し出たことがそもそもの発端のようだが、近年人気グループの解散が目立っている。一昨年は‘SMAP’、そして昨年は‘TOKIO’が解散に追い込まれた。‘TOKIO’の場合は、メンバーのひとりがスキャンダルを起こしたことが解散の理由だったが、「嵐」の場合はそうではない。5人のメンバーは、10代でデビューして早や20年になる。外からは本音は窺い知ることは難しいが、ひとりで自由気ままにプレイ出来るのとは異なり、いくら気ごころを知っているとは言え、他人と長い間に亘ってグループを組んでショーを実演するのは難しいだろう。

   それにしても歌とダンスのグループが2年後に活動を休止すると発表したことが、日本中を地響きさせている。些か異常ではないだろうかと思うのは年寄のひがみだろうか。

2019年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4276.2019年1月27日(日) 小学校のクラス会に11人が集う。

 今夕幕張小学校のクラス会「和会」が柏市内のフグ料理店で開かれた。この種の集まりは最近ほとんど昼間に開かれる。年を重ねるに連れて夜遅くなってからの帰途が少々大変だからで、この「和会」も昼間行われることの方が多かった。それでも70年前にともに同じ校舎で学び、遊んだ友と胸襟を開いて飲み交わすひとときは、懐かしくしみじみとして好いものだ。すでに鬼籍に入った友も少なくない。今日の参加者は11人だったが、こうして何人かの友が集いあえるのも、慕われていた担任の湯浅和先生のお人柄によるものであり、小学校のあった幕張周辺に住んでいる友が多いせいだ。同じ小学校で1年上級だった兄に尋ねてみると兄のクラス会はもう20年ぐらい前に幹事役が他界して止めたらしい。我々のクラス会だっていつまで続けられるかは分からないが、元気で会える限りはどこかで会いたいものである。

 ついては、昨年11月に鎌倉散歩を企画したが、都合が合わない人が多くて2人の女性だけしか参加出来なかった。でもあれはあれで参加した女性には喜んでもらえた。今日もそう言ってくれた。そこでまた鎌倉・江の島方面へ日程的に都合をつけて企画しましょうということで提案したら、ぜひにもと言ってくれたので、これから陽気が良くなったら都合を聞いてみて計画を立てようと思っている。

 さて、大相撲初場所は今日千秋楽を迎え、34歳のモンゴル出身の関脇玉鷲が13勝2敗で初優勝を飾った。今場所ほどケガなどで土俵上に姿を見せなかった力士が多かった場所は、あまりないのではないかと思う。千秋楽には3人の横綱のうち誰も土俵上に上がらなかった。稀勢の里は場所中に引退してしまい、残る白鵬と鶴竜は途中休場した。3人の大関のうち、栃ノ心が途中休場し、残りの高安と豪栄道は何とか勝ち越したが、2桁勝利が出来なかった。

 優勝した玉鷲が殊勲賞と敢闘賞を、準優勝の関脇貴景勝が技能賞を、更に途中3日間休場した小結御嶽海が殊勲賞を授与された。途中休場した力士が3賞を受賞したのは初めてである。

 ケガの原因として早速今朝の朝日新聞「角界余話」が、力士の巨大化が原因ではないかと指摘している。1909年の幕内力士の平均身長は171cm、体重は99㎏だった。それが69年には、身長180cm、体重125㎏、と60年間にかなり大きくなり、更に50年後の今場所は、体重が166.2㎏となり過去最高となった。確かに身体が大きくなったことはケガが増えた原因として考えられる。しかし、そればかりではないと思う。相撲協会は営業上賛成しないと思うが、現在の年間6場所は多すぎて、休息を取る間もない。ハードな日程が全力士に相当負担を負わせているのではないかと気になっている。一気に場所数を減らすのは難しいとしても、せめて1年に4~5場所にまで場所数を減らすことを検討してみてはどうだろうか。私が小学生のころは、確か1年3場所だったと思う。

 それにしても、上位陣の不甲斐ない成績とケガがやたらに目についた場所だった。異色づくめで多くの問題が先送りされた初場所でもあった。

2019年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4275.2019年1月26日(土) 大坂なおみ選手、全豪オープン日本人初制覇

 今日は東北地方と熊本で地震があり、日本海側では北海道から九州北部まで厳しい降雪で交通もマヒしているところも多い。厳しい自然の連続パンチの中でもスポーツだけは別格である。中でも今一番注目を集めているのは女子テニスの大坂なおみ選手である。昨年9月女子全米オープンで初優勝を飾り、今波に乗っている。世界テニス界4大大会のひとつと言われる全豪オープン選手権がメルボルンで開催中である。その女子全豪オープンで何と日本人として初めて大坂なおみ選手が初制覇したのである。今日日本人選手として初の決勝進出を果たした大坂選手は、過去に全英オープンを2度も制覇したことがあるチェコのペトラ・クビトバ選手と戦い、2-1で見事初対戦のクビトバ選手を破り世界の頂点に立った。

 実況の解説者も日本人選手が世界ランキング1位に君臨するなんて、かつては想像も出来なかったと語っていた。大坂選手は体力もあり、まだ21歳と若いので、今後他の英・仏オープンでも制覇する可能性も高いと思う。我が家の近くにもいくつかテニスコートがあるが、これから更にテニスはブームを呼ぶことだろう。それにしても並み居る大物選手を相手に世界の頂点に立つとは恐れ入った。脱帽である。大坂選手の今後益々の活躍を祈って止まない。

 最近スポーツ界では日本選手の活躍が目立っている。卓球、体操、ボルダリング、バドミントン、スキー・ジャンプ、アイス・スケート等々である。卓球を除いてこれらはかつて日本人には向いていないスポーツと言われた。それがいつの間にか日本人にはむしろ向いていると思われるようになった。その陰には当該協会を始めとして指導者たちの弛まぬ努力があったものと思う。それが漸く報われるようになった。それには発想の転換が大きかったのではないかと思っている。

 そんな折プロ野球界で活躍しているDeNA横浜ペイスターズの主力選手、筒香嘉智選手が、昨日日本外国人特派員協会で記者会見を開き珍しい提案をした。実は昨日発行の「赤旗」日曜版に筒香選手の行為が大きく取り上げられたところ、今朝の朝日にも彼の提案が紹介されていた。

 その筒香選手は子どもを取り巻く日本の野球環境へひとつの提言を行ったのである。それは勝利至上主義からの脱却を願うもので、例えば投手の投球数制限の導入を求めた。子どもの将来を見据えると無理とも思える過剰な投球数によりひじを痛める子が多いということから提案したようだ。例えば12歳以下の野球日本代表15選手のうち、10選手がひじの内側に障害があったという。実に3分の2の子どもたちが故障してしまうことになる。このように投球数が多いことによって肩とひじを痛める選手を無くすため、一部では投手の投球数を制限しているところがある。しかし、日本の高校野球部などでは、根性野球の塊のような特訓の風潮があり、高校野球では連日連投して一時的に肩を痛め、そのまま潰えてしまう例も多いようだ。それを現場の大物選手が言い出したことに意味があると思う。筒香選手が訪れたことがあるドミニカ共和国では、野球が人気スポーツであるが、日本の子どもたちに比べてドミニカではひじを損傷した子どもは、18%程度だったそうである。

 一貫しているのは目先の勝利ではなく子どもの将来を見据える姿勢が大切だということのようだ。つい勝つことにばかり目が行きがちだが、それを子どものころから健康面に配慮すべきだと、球界の4番打者が声を大にして話したことに意義があると思う。横浜高校時代から甲子園で活躍し、プロでもタイトルホールダーになった筒香選手が、このように前向きな提言をするとは、意外でもあり、驚かされたが、真っ当な提言であり、高く評価したいと思う。

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4274.2019年1月25日(金) ベネズエラ独裁政治下の経済不況と混乱

 政情があまり安定していない南米諸国の中でも最近とかく不穏な空気が伝えられていたベネズエラで、強権を揮っていたマドゥロ大統領に対して、グアイド国会議長が暫定大統領への就任を宣誓した。異常な行動である。だが、これまでマドウロ大統領の言動に辟易していたトランプ大統領がこれを承認した。これに続いてカナダ、ブラジルなど米州諸国も追随して承認した。これに対して、ロシアと中国はマドゥロ氏を大統領として承認している。

 ベネズエラはチャベス前大統領が長年に亘って専制君主として君臨し、その後を引き継いだマドゥロ氏も強い権力を行使したが、経済運営の失敗から昨年のインフレ率は想像を超える169万%という驚くべき値上がりぶりだった。10年ほど前にジンバブエで起きた500億%というハイパーインフレ以来の自国通貨の下落ぶりである。世界最大の原油埋蔵量がありながら原油価格の下落で財政が悪化し、経済危機に追い込まれた。2015年以降人口の10%に当たる300万人もの人々がベネズエラから国外へ逃れ、今後も脱出者は増えるだろうと推定されている。

 マドゥロ大統領は、グアイド氏の行動はアメリカによるクーデターであると決めつけ、ベネズエラ在住のアメリカ人外交官に国外退去を迫るなど対抗意識を強硬に示している。しかし、アメリカ及び中南米諸国の支援なしに、ベネズエラが発展することは極めて難しい。何故ベネズエラではこれほど強硬派人物が天下を獲ることが出来るのだろうか。

 学生時代アルペンクラブの友人の父親が、その当時駐ベネズエラ大使を務めていたので、ベネズエラに特別の関心を抱くようになった。その後父上のお世話をいただいて当時旅行界では未知の分野だったビルマ(現ミヤンマー)への戦跡巡拝団を企画することが出来た。そういう意味では恩人である。父上から直接ベネズエラの話は伺ったことはないが、一度はベネズエラに行ってみたいと思っていたものである。それがこれほど貧しい国になってしまい、国民が他国へ逃げ出すほどの酷い国になってしまったとはとても考えられないことである。

 それにしても豊かな国になるチャンスがありながら、支配者次第で貧しい国になることもあり得る。頭の中にあるイメージと、現実のベネズエラの格差に戸惑うばかりである。能力と資格がない人物がリーダーになるとその国民が不幸になることを象徴したのが今のベネズエラである。

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4273.2019年1月24日(木) 日韓両国で非難合戦

 昨日日ロ関係が厳しくなったと書いたばかりだが、このところ日韓関係も異常な事態になってきた。長らく従軍慰安婦問題が大きな話題になっていたが、昨年10月韓国最高裁に当たる大審院で戦時中日本企業に徴用され強制的に働かされたという徴用工に対して日本企業の賠償を認める判決が下って、またひとつ難しい問題が浮上してきた。そこへ先月日本の海上自衛隊機に対して韓国海軍艦艇がレーダー照射を行ったことが問題になった。この直近の照射問題が問題を拗らせている。

 日本の防衛省が韓国艇に照射されたと言えば、韓国国防省はその事実はないと言い、日本が証拠を示せば、証拠にならないと言いながら、今度は日本の海上自衛隊哨戒機が低空で韓国艦艇に威嚇飛行を行ったとして強く糾弾すると非難した。韓国はこれは挑発行為であり、このような行為が繰り返される場合韓国軍は自衛権的措置を取ると軍事的行動も辞さないとする強い不満を表明した。同時にこの種の情報を各国に流している有様である。最初に自衛隊機に照射していながら、その事実を認めず、証拠も提出せず、今度は日本に罪をなすりつけるような言質を弄している。従軍慰安婦問題にしろ、徴用工問題にせよ、いずれも1965年に結ばれた日韓請求権協定でこの問題は解決していた筈である。徴用工問題では、文在寅・韓国大統領は3権分立上司法の判断には従わざるを得ないとの発言には、国際法が国内法に優先するとの認識がまったく見えない。レーダー照射問題を隠すために新たな哨戒機低空飛行をでっち上げたようにも受け取れる。

 ネット上には、韓国との国交を断絶すべきだと過激な意見も見られる。ここは日韓両国の政治家、外務省関係者が実務レベルでじっくり話し合い、まずは誤解を解く努力をしなければ、話は大きくなるばかりで両国の関係は冷え込む一方である。

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4272.2019年1月23日(水) 身勝手なロシアを相手に先行き暗い日ロ関係

 昨日モスクワで安倍首相とプーチン大統領の首脳会談が行われた。両者の会談は22回目で最近3カ月連続である。それだけロシアにとっても日本にとっても大事な日ロ関係である。だが、最近両国間の関係はあまりスムーズとは言えない。

 最大の課題は日本にとっては北方4島返還問題であるが、ロシア側とすれば欧米と対立している現状から日本との関係、それも優位な立場を維持したく、課題である日ロ平和条約を締結し、日本から大型投資を期待していることである。1956年日ソ共同宣言で歯舞、色丹2島を日ロ平和条約締結後に当時のソ連が日本に返還するとされていた。日本としては、2島ではなくあくまで他の択捉、国後を合わせた4島返還を平和条約締結後に交渉し、最終的には4島返還を実現することを考えていた。

 ところが、ロシアはこれまでの話し合いの過程で少しずつ覇権主義的本音を表し、最近ではロシア世論までもが4島はロシアの領土だと強く言い出している。彼らの言い分は、北方4島は第2次世界大戦の結果、合法的にロシアに編入されたものだと言うのである。しかし、このロシア側の主張は自分たちの身勝手な希望であり、完全に間違っている。日本がポツダム宣言を受け入れ全面降伏して終戦を迎えたのは、1945年8月15日である。旧ソ連軍が日本の北方4島に強引に上陸し、島を占領したのは日本が白旗を掲げてから1ヶ月も経過した後である。そこには合法性なんてまったくない。要するにロシアは土足で乗り込んできて、ここは自分たちの土地、領土であるから出て行けと一方的に宣言しているに過ぎない。交渉上難しいことではあるが、この両国の交渉で最も重要な歴史認識がまるで別次元なのである。

 2島返還のペースで臨んできた安倍首相には、ロシアが残りの2島を返還する気持ちがないことは余り大したことではなく、歯舞、色丹の2島返還に拘るのも自らの実績を上げるためだけのスタンスなのである。それも足元を見られたロシア側のペースになり、今やそれさえ風前の灯火となってきた。したたかさ、というよりずる狡い騙し討ちだけが外交テクニックのロシアは、日本の言い分をまったく受け入れないばかりか、次第に要求が過大になっている。島は返還しても主権は引き渡さないような発言があったり、返還後の島内に米軍基地が配備される恐れがあるか、イチャモンをつけるばかりなのである。北方4島返還、平和条約締結、日ロ経済交流という基本線を動かすことなくいくら時間がかかっても相手に煩わされることなく、地道に交渉する以外、今日の日ロ交渉には解決へのゲートウェイは見つからないということを日本は認識すべきであると思う。

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4271.2019年1月22日(火) 三浦雄一郎さんの4度目のエベレスト登頂を期待

 昨日三浦雄一郎さんが南米大陸最高峰のアコンカグア登頂を断念したことが伝えられたが、今日現地にいる三浦さんとテレビ局との電話交信の様子が放映され、やはり本人は残念がっていた。しかし、新聞などには退却を決めたことについて潔い決断と評価していた。代わりに登頂隊の副隊長だった子息豪太氏が、父親の帽子などを持って登頂した。三浦さんがこれから前向きな気持ちに陰りが射すのではないかと心配になった。ところが、本人は鍛えなおして4年後90歳を迎えたら、再びエベレストを目指すと意気軒高としていた。

 ついては、昨日の本欄でヒマラヤ登山には年齢制限が付けられたと触れたが、4年前ネパール政府が世界最高峰のエベレスト(標高8848m)の登山規制としては標高6500m以上の高山に登った経験のない人は、エベレストに挑戦することが出来ないと決めていた。当然三浦さんにはすでに3回の登頂経験があるので問題はない。

 それはそれとして、ネパール政府の規制を遵守するなら、エベレストへの挑戦は標高6500mより高い高山は、ヒマラヤ周辺とアコンカグアしかない。そうだとするとそれらの山々へ登頂した経験のないアルピニストには、エベレストへ登る資格がないということになる。登頂シーズンになるとエベレストも押すな押すなと多くのアルピニストが押しかけ、混雑と同時に怪我人が出ることを懸念して一方的にネパール政府が決めてしまったらしい。夏のシーズンになると北アルプスには登山者が押しかけ、アルプス銀座なんて言葉も使われるくらいあの細い北ア表尾根は混み合い時には遭難者が出るが、世界的にいずこも同じ現象が見られるようだ。学生時代に登山クラブに所属して日本アルプスを始め多くの山々を登ったが、今にして思えば、良き青春の思い出であり、懐かしいメモリーである。

 三浦さんには、是非とも4年後卒寿記念に4度エベレストを征服して欲しいものである。

2019年1月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4270.2019年1月21日(月) 三浦雄一郎さん南米最高峰の登頂断念

 高齢者、若者を含めて日本中から注目されていた登山家三浦雄一郎さんが、目指していた南米の最高峰アコンカグア(標高6961m)登頂を断念した。朝日夕刊には連日三浦さんの行動が伝えられ、登頂はいつになるのか楽しみにしていただけに少々がっかりした。だが、随行していた医師の健康上のアドバイスがあったので本人はやる気満々だったが、登頂と下りのスキー滑降を取り止めざるを得なかったのだ。

 三浦さんは今年86歳でこれまでに世界最高峰エベレストに3回登頂し、80歳で頂上を極めたのは実に三浦さんだけである。日頃から身体を鍛えることに自分なりの工夫を凝らして、普段使用のシューズも特別に注文して作らせたものだった。以前一度お茶の水のカフェ・シアターでお会いした時、そのシューズを履かせてもらえませんかと尋ねたところ、どうぞと仰って履かせてもらったことがある。本人はなお頂上を目指す気持ちがあったようだが、医師が高所の生活で肉体的に影響が表れていて、これ以上高い標高で登山活動すると心不全を起こす恐れがあるとの警告に、同行していた子息の説得もあり中止を受け入れたようだ。

 三浦さんには同じ高齢者を広く激励する気持ちもあって、毎日ハード・トレーニングを欠かさず、目標を達することによって彼らの期待に応えたいとの思いがあったと思うが、事故を起こして周囲へ迷惑をかけることを大分気にされたのだろう。

 今回の登山断念は、これからの三浦さんの夢や、生きがいを奪うようなことになるのではないかとやや気になる。聞くところによると事故防止のためヒマラヤ登山は年齢制限を設けるようになったという。ならば、名クライマー三浦さんも特別の詮議により登山許可が下りるということは期待出来ない。大変残念なことである。三浦さんがこれから登山に対する意欲を失わないように願っている。

 さて、昨年の高校同期生会で話をした、同級生のひとりから昨日メールをもらった。大学卒業後商社に勤務していたが、その後得意の英語を駆使して、日本人は英語マスターが上手でないとの認識の下に自分なりに英会話早期マスター法を開発し、各方面に売り込んでいるという。海上自衛隊で英語を教えて、その経験からそれ以外の独自のコミュニケーション術のようなプロジェクトを編み出し啓蒙している。彼のすごいところは、世界の著名人に直接手紙を書いてPRすることだ。ドイツのメルケル首相の他に、ニュージーランド首相からは来日の折には紙飛行機の作り方を教えて欲しいと興味深い手紙をもらったらしいが、昨日のメールによると今度はフランスのマクロン大統領からの手紙のコピーを添えて好意的なアプローチがあったと驚くようなことを知らせてくれた。珍しいくらいユニークで貴重な存在である。この次に会ったらじっくり話を聞いてみたいと思う。

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4269.2019年1月20日(日) また巡って来た大学入試シーズン

 今や受験シーズン真っ最中だが、昨日と今日の2日間大学入試センター試験が全国の大学などを会場にして行われた全国で58万人弱の受験生が受験したらしい。奈良にいる一浪中の孫も受験したようだが、今年こそは難関を潜りぬけて欲しい。このセンター試験は今年で30年目だそうだが、再来年には新たな試験に取って変わられるようだ。受験生にとっていくら事前に知らされ、平等に行われるにしてもどうしてこうも度々制度が変わるのだろうか。

 私こういう全国統一のセンター試験なるものは経験しなかった。すべて受験する大学の行う入学試験を受験しただけだった。言うなれば目指す大学との真剣勝負だった。更に言えば、2年浪人したために仮に3年目の浪人生活を送る時新しい制度が導入され、受験科目が大きく変更されたために受験しにくくなるという事情があった。そのため、浪人生活は2年を限度とした。今思い返すと数学の科目変更が一番厳しいと思っていた。例えば、数学には3科目あり、解析1、解析2、そして図形を使う幾何があった。それが、数学1、数学2、数学3という構成になった。私の卒業した浪人1年目と2年目は2のコースからどちらかを選択できた。ところが、それが浪人3年目から後者だけに絞られ、解析派は受験が難しくなった。それが、私が3浪はやらないと決めた理由だった大学入試については随分苦労も悩みもあったので、あまり良いイメージはないが、時折懐かしく思い出すことがある。

 今から50年前の1969年の大学入試は、学生運動が激しく東大安田講堂が学生らに占拠されたため、東大入学試験が開学以来初めて中止となった。竹中平祐元財務大臣は目指していた東大を止む無く諦め、一橋大へ方針変更したと言っていた。今朝の朝日「天声人語」欄に竹中氏と同じような目に遭い東大を諦め、地元の北大に進学した元室蘭工業大学教授の恨み節が載っていた。

 それにしても、大学入学試験で大きなウエートを占めるセンター試験なんて果たして実施する意味があるだろうか。大学が大学独自の事情のうえにそこを目指す受験生を入試成績で合否を判断すれば済むのではないかと思う。そうすれば、全国統一センター試験の必要性なく、何年か経過して制度自体を変えることなんかせずとも良いと思う。

 60余年以前を思い、つい愚痴のひとつも言いたくなった。今年の受験生には、孫を含めて日頃学んだ力を精一杯発揮して狭き門を潜り抜けて欲しいと願っている。

2019年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4268.2019年1月19日(土) 沖縄県民投票に5市が不参加という異常事態

 辺野古米軍基地移設計画について沖縄県内では圧倒的に反対が多いと考えられ、それは昨年9月に行われた県知事選でも反対を訴えて新知事に選出された玉城デニー氏過半数を得票したことでもはっきり示された。勢いに乗って新知事は、「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う」県民投票を行うことを決断し、来月24日に投票が行われることになった。玉城知事による県民の移設反対の意思を明確に示したいとの決意の表れと思われる。

 ところが、早々と県民投票をしないと宮古島市長が表明した。それに続いて宜野湾、沖縄、石垣市などの各市長も県民投票をしないと公表し、更に昨日うるま市長も県民投票不参加を表明した。さらに増える自治体も考えられる。しかし、現時点で県内11市11町19村のうち、大都市5市が県民投票を行わないとすれば、沖縄県民有権者の3割強が投票に参加出来ず、自らの賛否の意思表示を封じられるということになる。

 そこには、複雑な事情があるようだが、ここへ来て自民党の自治体に対する忖度、圧力が効果を上げたのではないかとの風聞が飛び交っている。しかし、狭いながらも地勢的には異なる気風のある島には、それぞれ自治体によって異なる独自の事情があるようだ。例えば、すべて県民は基地問題には反対するオール沖縄の考えがある一方で、実際には基地と離れた地方では米軍基地問題への関心が薄く、投票率も低い。中には基地問題にまったく関心がなく、関わりたくもないという県民も少なからずいると聞く。本土の人たちもまた同じような思考傾向があると考えざるを得ない。また、県民は反自民と考えられがちであるが、実際には県内に保守層がかなり多いという現実がある。県民投票にかかる費用はすべて県が負担するので、それを実施する市町村にとっては経済的負担にはならない。もちろん投票を忌避する自治体の中には県民投票に参加できないことに強い不満を覚えて、中にはすでにハンストを行っている若者もいるようだ。

 大きな問題として不参加の5都市の有権者にとっては、自分たちにとって切実な問題の選挙への参加を封印されることが、ひとつの言論の自由を封じることにつながり、憲法違反にならないかという問題である。

 県民投票まで余すところあと1カ月余である。真の県民の意思表示には必ずしもならない恐れのある現状をどうするのか。果たしてこのまま全県民が納得出来ない県民投票へ突っ走るのか。米軍駐留と日本政府の対応のうえに苦悩させられている沖縄県民にとって、また新たな難問が突き付けられている。

2019年1月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com