4337.2019年3月28日(木) 2019 年度一般会計予算、初めて100兆円を突破

 2019年度国家予算が昨日参議院で可決され成立した。年々歳々その規模が大きくなり、それに伴って国の借金もどんどん増えている。来年度は初めて一般会計総額が100兆円を超えた。税収は62兆円超と過去最大となったが、高齢化の影響で社会保障費が歳出の3分の1を占めている。一般の家計に例えると、年収620万円の家族が1年に1014万円を支出することになる。積もり積もった借金が8970万円である。これでは家計はもたず破綻になるが、こんな家族はまずいないだろう。しかし、国の場合は現段階ではいつでも借金が出来るので、不足すれば安易に借金を繰り返している。

 いずれ将来的には破綻することが分かっているのに、どうして政府は毎年赤字予算を組まなければならないのだろうか。支出を減らそうとの姿勢がまったく見えない。

 新年度一般会計総額は、101兆4571億円である。大学に入学した1959年の一般会計予算は今にして思えば僅か1兆4192億円だった。それがこの60年間にざっと70倍に増えた。一番気がかりなのは、政府内に財政支出を抑制しようという経世的な政治家が誰ひとりとしていないことである。与党政治家は予算をばらまくことを選挙民に約束していて、それを抑えるべき官僚が今では政治家に忖度ばかりしているから歯止めが効かない。最近では健全財政を主張する学者もいなくなった。これでは日本の将来は危うい。かつて、橋本龍太郎元首相、小泉純一郎元首相らはしきりに財政健全化をアピールしていたが、安倍晋三首相になってぐんとトーンダウンした。今では安倍首相は財政健全化を口にすることもなくなった。首相在任任期だけは長くなったが、実績らしいものはまったく皆無ではないか。

 安倍首相の在任中に実績がないことは、「選択」3月号でも取り上げられている。「外交・内政『功績ゼロ』の侘しい宰相」「『レガシー無し』の安倍長期政権」として安倍政権が実績のないことについて手厳しく書かれ、保守的な産経新聞でさえ厳しい注文をつけ、イエスマン官僚依存の政権運営とズバリ突かれている。北方領土返還問題も怪しくなり、日韓交渉に至っては最悪になった。北朝鮮拉致問題も解決の見通しが立たず、お先真っ暗である。もちろんこんな人物を首相に選んだ国民に大きな責任があるが、首相としての資質がない人物を長期に亘って首相の座に就けていたことが今改めてボディブローとして効いてきている。

2019年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4336.2019年3月27日(水) タイ総選挙は民主的と言えるだろうか。

 都内はすでに桜の開花宣言が出されているが、わが家の近くの桜並木はまだ蕾程度である。いずれ満開の花を咲かせてくれることだろう。今日も青空であるが、陽気は寒い。

 24日に行われた総選挙の最終結果がまだ公表されないタイでは、過去5年間軍事政権下で政治活動が禁止されていた。今回の総選挙は民主化へのテストとされている。陸軍司令官だったプラユット暫定首相派と元首相のタクシン派が争っている。タクシン派が農村を地盤にしているのに対して、軍政派は財閥や都市の中間層を支持母体としている。タイの国会は上院250名、下院500名の構成から成っているが、上院議員は全員軍部から選出されるため、ライバル党は下院で大幅に議席を獲得しなければ実権は得られない。軍政派は下院で4分の1の議席を確保出来れば、首相の座を確保出来る。こんな理不尽な制度になったのは、2年前に軍政下で公布された憲法により軍の実権が守られる制度になったからである。しかし、これで果たして民主化への道が切り開かれるだろうか。

 初めて訪れた外国がタイで、良い印象を持つことが出来て、新婚旅行にもタイを再訪しただけに思い込みも強い。タイのことが時折頭の中をよぎる。何とか根が純朴なタイ国民がのびのびと生活出来る民主的な国に戻って欲しいと願わざるを得ない。

 ついては、昨日当ブログで指摘したが、アメリカのトランプ政権がシリア・ゴラン高原へのイスラエルの主権を認めたことに対して、昨日国連安全保障理事会のヨーロッパ5か国がイスラエルの主権は認めないと声明を発表した。安保理事国15か国のうちヨーロッパの全理事国が同調した。当然である。更に「武力による領土の併合は国際法で禁じられている。一方的な境界変更の宣言は国連憲章などに反する」と手厳しい内容である。こうまで言われてはアメリカも立つ瀬がないのではないか。トランプ流儀を推し進めるなら、遠からずアメリカは孤立無援化するぞ! さあどうする! トランプわがまま大王!

2019年3月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4335.2019年3月26日(火) NPO決算について話し合われたこと

 NPO 法人JAPAN NOW観光情報協会の年度末理事会が開かれたので出席した。今年度の決算予測と来年度予算案について事務局長より説明があり、承認することになった。しかし、残念ながら今年度は赤字決算であり、種々話し合い、その赤字穴埋めをどうするか議論した。理事のひとりである須田寛氏のご配慮と果断的な判断により、何とか黒字決算に修正することが出来るようになった。他には来年度の事業計画が発表された。

 同時に須田さんから最近上梓された「私の鉄道人生‘半世紀’」なる新書版をいただいた。国鉄理事やJR東海初代社長を歴任され、現在もJR東海相談役である。国鉄在職中に「シルバーシート」や、「ホームライナー」の名付け親にもなった生粋の鉄道マンである。2012年には旭日大綬章を受賞されたほど社会的評価も高く、著名でご多忙にも拘らず、名古屋に居住しながら当NPOのために献身的に協力していただいている。その日頃の行動とお人柄には、皆敬服している。今日も理事会を終えるととんぼ返りで名古屋へ戻られたが、義理の甥がJR東海に勤めているので、前記新書に署名をお願いしたところ気安く書いて下さり、そのうえ同書をもう1冊いただいた。

 今日の理事会で検討課題となった事業計画についても協会として観光関係の書を出版すべきではないかと提案され、これから実行計画を検討することになった。今日いただいた著書はまだ一部立ち読みした程度だが、国鉄時代の体験論を説得力ある筆致で描いておられる。かつて鉄道員だった経験上須田さんとは何かと共通する点もあると思うので、読み切るのが楽しみである。

 さて、今日の朝刊一面に「ロシア疑惑『灰色』結論」とあり、夕刊一面には「ゴラン高原『イスラエルに主権』承認」とある。いずれもお騒がせ男・トランプ大統領が直接関与した衝撃的な事象の報道である。前者については前回の大統領選挙に介入したロシア疑惑をめぐり司法長官はロシアとトランプ陣営の共謀を認定しなかった。しかし、関係者はほとんど納得していないようだ。後者についても国連安保理事会や国際社会からはまったく受け入れられず反発を買っている。トランプ派の安倍首相の代弁者・菅官房長官ですら受け入れられないと言っている。いずれもトランプ氏にとっては次の大統領選挙に有利になるだろう。ただ、気になるのはアメリカ国民の真実の声が聞こえて来ないことである。アメリカ人は一体自国の大統領の傲慢な手法をどう思っているのか。

2019年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4334.2019年3月25日(月) 大相撲が終わり、楽しみはセンバツとプロ野球開幕か。

 今日の選抜高校野球第1試合は、母校と呼んでも好い龍谷大平安高と三重県の津田学園が対戦した。試合予想も軽視して軽く勝てると考えていたが、テレビを点けると7回を終えて0-0だった。その後真剣に観ていると延長11回の末何とか2-0で勝ち、2回戦へ進出することが出来た。付属の平安中には僅か半年しか在学しなかったが、やはり平安が戦うと懸命に声援するのはいつものことである。ゲームセットとなり選手らが整列し聞きなれた校歌がグランドに流れると、歌詞を思い出してテレビの前でひとり蛮声を張り上げた。先日卒業した公立中学の同窓会を終えた後京都駅へタクシーで向かったが、ドライバーに平安高の正門前をゆっくり走行してもらった。正門にはセンバツ大会出場の大段幕が掲げられていた。夏の大会では1956年に同級生たちのチームが成し遂げた2度目の優勝を含めて3度全国制覇したが、春は5年前に漸くセンバツ初優勝を果たしてくれた。今年はどこまでやってくれるか楽しみにしている。

 ところで、昨日横綱白鵬が42度目の優勝を飾って大相撲春場所は千秋楽を迎えたが、もうひとつ話題となっていたのが、関脇貴景勝の大関昇進が成るかどうかだった。千秋楽に大関栃ノ心を破り10勝5敗として直近の3場所で33勝以上の条件を1勝上回ったので、昇進の可能性が高いと言われている。今朝の新聞でもほとんどが大関昇進と書かれている。だが、正式には明後日開かれる日本相撲協会臨時理事会で決まる。

 ところが、気の早いことに貴景勝の出身地である兵庫県芦屋市役所では市庁舎建物の正面に早くも「祝 大関貴景勝」の大段幕が掲げられた。これでは相撲協会のメンツも丸つぶれである。戦時中住んでいたこともある芦屋市であるが、ちょっと勇み足ではないだろうか。

 さて、このところ逆イールドといわれる長短金利の逆転現象などもあって世界経済の減速が懸念されていたが、ここへ来て欧米の株価が急落した。日本の株式市場も蚊帳の外というわけには行かず、今日の東京証券市場は前週末に比べて日経平均株価が650円も下がった。中国経済がアメリカから輸入制裁を受けて減速気味であり、世界的にも経済市況にとってあまり良い材料はない。しばらくは我慢の時だろうか。

2019年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4333.2019年3月24日(日) 日本は女性活躍社会になれるか?

 今パキスタンからひとりの女子大学生が来日していて、昨日東京都内で政府主催の第5回国際女性会議と主要20か国・地域(G20)に政策提言を行う「Women20」の合同セッションで講演を行った。会議の冒頭で安倍首相は挨拶して日本が途上国での女子教育に支援することを表明した。件の女性は、マララ・ユスフザイさんと言い、2014年に16歳でノーベル平和賞史上最年少の受賞者となった。その2年前の2012年に中学校から自宅への帰宅途上パキスタン・タリバーン運動(TIP)に銃撃され頭部に重傷を負い、2度の手術を受けて一命を取り留めることが出来た。父親が学校を経営していたことから彼女も女性イスラム教徒としては珍しく学校教育を受けたことが、女子の教育を拒絶するTIPから彼女の家族らパシュトゥーン族が住む地域で欧米文化を推進していたとして卑劣にも幼い彼女への犯行を予告していた。銃撃事件から立ち直ってから数々の賞を授けられた彼女は、それを女子教育普及のための基金設立に当て各国へアピールし続けている。訪日の目的も女子教育の普及という自分の考えを訴えたいことと、基金を集めることだった。

 現在21歳のオックスフォード大学生であるが、一番感心したのはスピーチがとても上手なことであり、それはスピーチの内容と話し方による。特に一昨年国連で史上最年少の国連平和大使に任命された時のスピーチは、これが19歳の女性の話しぶりかとジェスチャーを交えたその堂々たるスピーチに舌を巻いたものである。

 そして最近もうひとりの女性に感銘を受けた。それはニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相である。つい最近起きたクライストチャートのイスラム教モスクで起きた残虐な無差別銃乱射により50人もの犠牲者を出した事件で、首相自身が自ら迅速に行った遺族並びにイスラム教指導者への対応であり、加害者犯人への厳しい処置である。首相は事件発生後直ちにイスラム教徒と同じスカーフを纏って事件現場を訪れ犠牲者の冥福を祈ると同時に、犯人が売名行為で行った罪業だとして、犯人の名前を聞きもしなかった。

 何よりもアメリカのトランプ大統領と大いに異なる点は、後援者のご機嫌取りで選挙の有利性など意に介さず、良くないと思ったらそれを直ぐにも止めるよう行動することである。アーダーン首相は、銃の自由な保有が事件発生の原因のひとつであると断定して直ちに一部銃砲類の所有、販売を禁止する法整備を行うと語ったことである。首相自らが率先して間髪を入れず行動に移す機敏な実行力こそが政治家として一番求められることではないだろうか。進んで積極的に動こうとしない日本の政治家たちは、昨年6月に出産したばかりでまだ38歳で昨年6月に出産したばかりの若いアーダーン首相の前向きな行動力を大いに見習うべきではないか。

 日本でも女性の活力を利用すべきとの声が強くなり、第2次安倍内閣では女性活躍推進法を制定し政権下の最重要施策の一つと称している。だが、まだとても満足できる状態ではない。昨年4月現在女性議員の割合は衆議院の10.1%、参議院で20.7%でしかなく列国議会同盟では世界193か国中158位と、「女性活躍社会」とは程遠く先進国の中では最低だった。

 今あまり前向きな意味ではないが、EU離脱問題で苦闘しているイギリスのメイ首相も女性である。日本女性がもっと活躍出来る場を口で言うだけではなく、そろそろ法整備をして考える時ではないだろうか。

 さて、今日千秋楽を迎えた大相撲春場所は、横綱白鵬が全勝優勝で平成時代をきっちり締めて終わった。65年前の春場所は、京都市立中学の友だちと大阪府立体育館まで2度も観戦に行ったが、千秋楽には大関三根山が12勝3敗で初優勝を飾り、その後の優勝パレードで大関と握手したことが懐かしく思い出される。先日中学の同窓会に出席した時、一緒に相撲を観戦した友がやはり懐かしいと言っていた。大相撲観戦は、中学時代最後の楽しかった思い出として心に強く残っている。

2019年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4332.2019年3月23日(土) 高校クラス会に出席

 例年通り藤沢市内で開かれた湘南高校2年生時のクラス会に出席した。今日は昨日までの春爛漫の陽気とは打って変わり、早朝から冷え込んだ。昨日24℃だった気温が半分の12℃にまで下がり、外を歩いている人はほとんど外套を着ている。にも拘わらず最近はほとんどコートを着なくなったので、スェーターを羽織って外套なしで出かけたが、やはり少々寒かった。

 同級生は51人だったが、今日集まったのは14人だった。鬼籍に入った友はすでに17人もいる。三分の一が亡くなったわけだが、出席者や欠席者のコメントを見ると健康を害している友が多い。年齢的にも止むを得ないことであるが、スピーチで引っ込み思案にならないためにも海外旅行が一番効果的ではないかと勧めた。

 ついては、前以て幹事役に話しておいたことがあった。出版後ちょうど10年が経過したので、昨年出版社から書店には今後陳列、販売しないと言われて引き取った拙著「新・現代海外武者修行のすすめ」を署名のうえ出席者に1冊ずつ差し上げたのだ。手の空いた時にでものんびり読んで、武者修行がどんなものだったかを知ってもらえれば有難い。

 今日は昨年に続いて中西準子さんと隣り合わせの席で話をしたが、戦前住んでいた上海市内の旧住宅を昨年訪れたと聞いた。戦前彼女は中国に住んでいたが、中国生まれだとは知らなかった。戦時中に両親と中国から来たので引き上げ者の苦労はなかったと言っていたが、共産党員だった父親が思想的に軍部から睨まれ死刑囚とされたこともあり、苦労されたようだ。父親は我々が高校在学当時は日本共産党員で参議院議員だった中西功氏である。高校時代から優秀だった彼女は、昨年いっぱいである大学の特任教授も辞めたと言っていたが、文化功労者でもあり相変わらずあちこちで環境学者として引っ張りだこのようだ。

 皆必ず口をついて出てくる言葉は、健康に気を付けようということだ。自分自身はもちろんだが、連れ合いを亡くした友も多い。夫婦揃って健康であることが一番の願いである。クラス会の後カフェでコーヒーを飲みながら他愛ない話に耽るのも楽しいひとときである。来年の再会を期して別れることになった。

2019年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4331.2019年3月22日(金) マリナーズのイチロー選手現役引退

 昨夜東京ドームで開催されたMLBの開幕公式ゲーム、シアトル・マリナーズ対オークランド・アスレチックス戦終了後、マリナーズのイチロー選手が引退を発表した。45歳にして現役生活を終えてグランドを去ることになった。日本のプロ野球で9年、大リーグ生活19年で数々の記録を作り、偉大な実績を残した。野茂英雄投手に次いで日本人が大リーグで活躍する門戸を開いた選手である。当初メジャーリーガーから日本人選手がメジャーで活躍出来る筈がないし、舐めるなと言われた時代に、マリナーズへ入団して活躍し、早々に新人王とMVPを獲得した稀有な選手である。

 日本における活躍も群を抜いている。入団3年目にしてプロ野球史上初の年間200本安打を達成して首位打者を獲得し、以後7年間に亙って連続首位打者の偉業を達成した。そのシーズン閉幕と同時に、マリナーズへ入団して早速目を瞠る活躍をした。2004年には、大リーグ記録を塗り替えるシーズン262安打を放った。日本で9年、アメリカで19年プレイして日米通算4367本のヒットを打った。メジャー・デビュー以来10年連続で、200本以上の安打を打ち、ゴールデン・グローブ賞を獲得し、オールスター戦出場を果たした。2006年、09年のWBCでは日本代表チームの連覇にも貢献した。日本人選手としては初のアメリカ野球殿堂入りが期待されている。

 昨日、一昨日行われたメジャー公式戦にアメリカを含む大勢のファンが東京ドームに押しかけたが、イチローの最後の晴れ舞台と知ってか、一種異様な空気が漂っていたようだ。2試合に出場したイチロー選手の成績は芳しいものではなかったが、終了後グランドからスタンドへ向かって長い間手を振ってファンの声援に感謝の気持ちを伝えていた。その後引退記者会見を行ったイチローの語り口も興味深く中々魅力的なものだった。

 これまでのプロ野球選手の引退で印象深かったのは、長嶋茂雄氏の「わが巨人軍は永久に不滅です」の言葉であるが、イチロー選手のグランドの幕引きと1時間20分に亘る記者会見も印象的だった。

 まだあまり期待されていなかったメジャーへ乗り込んで、予想以上の活躍をしてアメリカ人ファンを驚かせて大きな足跡を残したイチロー選手には頭が下がる。今後これだけの選手はもう現れないだろう。イチローは明日も体を動かすことは止めないと言っていた。ありきたりだが、「本当にお疲れ様でした」「ありがとう」という言葉以外に浮かんで来ない。

 イチローの引退については、今日の朝夕刊にかなりのスペースで伝えられた。朝日なぞは、朝刊にトップページから3面を使い、夕刊も朝刊同様に3面に亘って大きく取り上げられている。よほど今日はビッグニュースがないのかと思いきや、気になる海外ニュースが2つもあった。

 ひとつは、トランプ大統領がイスラエルが占領しているシリアのゴラン高原をイスラエルの主権として認めるとツィッターに投稿したことである。ゴラン高原と言えば、1967年の第3次中東戦争の結果、ヨルダン川西岸や東エルサレムと同様イスラエルが奪い占領した地域で、その後一方的に併合を宣言した。しかし、国連安保理事会はイスラエルの撤退を決議要求している。これを認めたのはアメリカというより、トランプ大統領だけである。トランプ氏は一昨年エルサレムをイスラエルの首都と宣言して、昨年5月にはアメリカ大使館を現在の首都テルアビブからエルサレムへ移転している。アメリカはイスラエルとの関係は良くなってはいるが、ことイスラエル問題に関する限り世界との関係は益々遠くなっている。

 もうひとつは、今月29日が期限とされていたイギリスのEU離脱が4月12日までひとまず延期されたことである。EUでは首脳会議を開き、取り敢えず短期間の延期を認めたが、イギリスが求める6月30日までの離脱延期は認めず、最後通告を突きつけた形である。この行方はどうなるのか、注視して見守りたい。

2019年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4330.2019年3月21日(木) 東京、及び各地で桜開花宣言

 桜の季節が近づいているとあって桜の開花宣言が注視されている。春分の日の今日東京でソメイヨシノの開花が発表された。昨日から今か、今かと靖国神社内の標本木の周囲にはメディアを始め、大勢の人が寄って来た。東京管区気象台の職員が標本木の桜を観察しながら、昨日は4輪の開花が見られたが、1輪足りずに開花とはならなかった。あと1輪の花が開いて5輪以上が開花すれば正式に開花宣言がなされると今日こそはとばかりテレビ各局取材班が訪れ、実況中継を行うほどの有様である。期待通り午前中気象台職員が訪れて開花を宣言した。平年より5日早く、昨年より4日遅い開花だそうである。それにしても全国的に桜の開花のような植物の季節的なうつろいを大騒ぎして中継するのは、恐らく日本だけの特殊な現象ではないかと思う。

 今日徳島県美馬では夏日を超える27.3℃を記録して、全国的に夏に近い気温を記録したようだ。これから桜の開花により一気に春爛漫となるだろう。

 さて、イギリスのEU離脱問題がイギリス国内でもめて混沌として一向に愁眉を開くことが出来ない。EU離脱の期限は今月29日である。イギリスはなお離脱期限を延長してもらい次の手を打とうとしてEUに再交渉する予定であるが、EU首脳会議で認められなければ、「合意なき離脱」の可能性が強まる。イギリスの問題解決の手法が、かつての大英帝国時代から徐々に劣化している。今ミヤンマーで問題となっているロヒンギャ難民問題も、原因はと言えば、イギリスの「分割統治」という身勝手な支配によって戦時中に行われたロヒンギャの強制移住のせいである。

 そんなヨーロッパの動きも気になるところだが、アジアの中でも来る24日にタイで総選挙が行われる。このタイの首班選出方法が分かり難い。2006年に当時のタクシン首相が海外滞在中にクーデターにより失脚して以来、軍部、民政と政権がくるくる変わり、現在はプラユット陸軍司令官が暫定首相を務めている。今回は民政移管に向けた総選挙と言われているが、憲法裁判所がタクシン派政党を度々解党させている。だが、依然としてタクシン派の人気は高く、過半数に達しないが第1党の座を占めると見られている。今年に入ってから現国王の姉王妃がタクシン派の首相候補として名乗りを上げたが、王室は政治に中立であるべきとして国王から立候補を取りやめるよう要請された王妃が辞退した経緯もある。

 タイは日本とも深い付き合いのある国であるだけに、何とか安定した民主的な政権を確立して欲しいものである。

 因みに昨20日の国際幸福デーに当たり、国連が「2019年世界幸福度ランキング」を発表した。それによれば、156か国中でタイは52位、日本は昨年の54位から順位を4つ落として58位でタイの方が日本を上回った。この種のランクは、GDPや平均余命のように実態を数値化出来るものなら良いが、統計数値に換算出来ない「社会への寛大さ」「自由度」「社会的支援」などが組み込まれているので、必ずしも実態を表しているとは言い難い。また、世界一幸福な国と言われているブータンが100位にも入っていない点も首を傾げるところである。それでもいつも通り上位国はほとんどヨーロッパ諸国で、1位フィンランド、2位デンマーク、3位ノルウェイで、アジアでは25位の台湾がトップで、次いで34位のシンガポールだった。韓国は54位、ロシアは68位、中国は93位だったが、凡そそんなところだろうと思う。

2019年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4329.2019年3月20日(水) 習近平・中国国家主席の強い権力志向

 先日中国の全国人民代表大会(全人代)で、習近平・国家主席が権力集中をスピードアップ化して権力基盤を益々強化していることを知った。特にメディアを通して「学習強国」なんていう陳腐な言葉を強調して習主席を尊敬、敬服させるような動きが見られたのには呆気に取られた。習主席を学んで国を発展、強化する「学習強国」というプロパガンダを通して、周囲は習主席を歩一歩と神格化させている。

 そこへ一昨日習主席は小中高大学で社会主義理論や道徳などを教える教師らを集めた集会で、学校での思想政治教育を強化するよう指示を出した。教育の押しつけである。習主席自身が提唱した政治理念「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を通して中国の各学校で愛国心を教える愛国教育に拍車がかかりそうで何やら背筋が寒くなるようだ。具体的には、青少年が愛国心や強国の志、国に報いる行為などを社会主義の発展に生かせるようにし、習主席が今世紀半ばまでの実現を目指す「社会主義現代化強国」建設に役立たせていく考えのようだ。しかし、その反面現代の中国の愛国教育が、他国を誹謗、中傷、非難、批判する教育になっていないか。モラルに欠けるところがありやしないか。

 習主席が、自信たっぷりに「社会主義現代化強国」建設をアピールするのは今に始まったことではない。ただ、その押し付けが過重にしてスピードを伴っていることが問題である。社会主義化をしきりに主張する習主席にしても、はっきり言えば、過去において中国革命実現のために行動し、何らかの貢献をしてきたわけではない。すべて先人が成し遂げたことである。取り敢えず革命を成就させるテーゼを国内に啓発し、革命を学ばせる手段として、中国には実在しない社会主義を学ばせることを標榜したに過ぎない。

 しかし、現代中国の政治、社会体制は真の社会主義体制と言えるだろうか。現実に中国が行っていることはマルクス主義からは遠い夢であり、理想でしかない。習近平主席は独裁体制の下に、成長著しい若手共産党員やライバルを遠ざけ左遷、失脚させて周囲をイエスマンが取り巻き権力基盤を固めている。現実の中国は、貧富の差が激しく、巷に失業者が増え、農業改革は中途半端で失敗し、農村は疲弊している。新疆ウィグル自治区の少数民族や、チベット民族に対する厳しい抑圧的監視状態等々、すべてマルクスが志向する社会主義とは大きな落差がある。思想や国民が感じる経済的実感などでも、発展途上国と考えられているキューバ社会主義国家にも及ばない。実態は、まやかしの経済大国なのである。中国が世界で勝っているのは、13億人と言われる人口だけである。国民の民主主義と、自由と言論の自由を抑圧した現状を愛国教育と称して青少年に押しつけ教育することは、後世国家の発展にとってプラスになるとはとても思えない。

 危険だと感じるのは、反対する常識人を抑圧していることである。実際改革派の学者などからは、行き過ぎた愛国主義や思想統制を懸念する声が出ているようだが、これをまた中国当局は押さえつけようとするのではないだろうか。

 第2の天安門事件が、少しずつ近づいているような気がしている。

2019年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4328.2019年3月19日(火) 竹田恒和JOC会長、辞任を表明

 竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が辞職を表明した。2020年東京オリンピック大会招致委員会理事長でもある竹田氏は、来年のオリンピックまで各役職を務めるつもりだった。JOC会長としては2001年以来現在10期目を迎えて定年70歳を超えたが、来年の東京オリンピックまで続投を希望しその意思を表明していた。しかし、JOC会長辞任と同時にIOC委員も辞任することになった。

 竹田氏が辞任に至った理由は、東京大会招致に際して買収疑惑がフランス司法当局の捜査対象になったからである。東京大会招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社に支払った2億円余のコンサルタント料が東京大会招致のための賄賂と疑われたが、そのことについて竹田氏は無実であると言い、事実直接関与していないように思える。IOC会員への贈賄ではなくコンサルタント料であることをきちんと説明出来ていないことが、疑惑を深めたと思う。こういう闇がらみの交渉に手慣れていない点が致命傷になった。竹田氏の潔白を信じるなら、竹田氏ひとりが送金出来るわけのものではなく、そこには当然コンサルタント料送金に関わったJOC関係者もいただろう。JOCも竹田会長ひとりに責任を負わせることなく、何らかの形でことの経緯と疑念がないことをしっかり説明する責任があると思う。フランス当局やIOCにも事実関係をきちんと話して説得すべきであると思う。

  いずれにせよあまりすっきりした辞め方ではない。立つ鳥後を濁すような辞任になってしまって気の毒である。泉下では曾祖父の明治天皇も名誉を汚され落胆しているのではないかと思う。

 おまけのような話だが、竹田会長辞任について問われた桜田義孝・五輪オリンピック担当大臣は、国会答弁と同じように受けた質問に対して付添人から次々と手渡されたペーパーを読んで応えていた。どうもオチが良くない。

2019年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com