6030.2024年2月24日(土) ウクライナ戦線とプーチンの狡猾な思惑

 早いものでロシア軍がウクライナへ侵攻し本格的な戦闘状態に入ってから、今日でまる2年になった。この先の停戦の曙光は一向に見えない。ロシアはプーチン大統領が国内で独裁体制を固めるため、権力を行使して大統領選の圧勝を狡猾に画策している。来る3月15日から3日間行われる大統領選では、反プーチン体制派の有力候補者を排除してプーチンの代わりはいないとの印象を国民に訴えようとしている。気の毒にも反体制派指導者のナワリヌイ氏は殺害され、ナジェージュジン氏の立候補を受け付けられず、知名度が低く必ずしも反プーチンではない候補者の立候補を受け付けている有様である。民主主義の原則である自由選挙が形を成していない。それが覇権国家ロシアの実態である。

 戦局はここへ来てロシア軍の勢いが増し、先日ウクライナ軍は東部アウディイフカから撤退の憂き目を見ている。ウクライナは欧米からの支援がなければ苦境に陥る。昨日テレビで、ウクライナのゼレンスキー大統領の側近であるポドリャク大統領顧問が、テレビ朝日大越MCに現状を語っていたが、ロシア軍は毎日1万2千発の砲弾を撃っているが、ウクライナ軍はせいぜい1千5百から3千発である。驚くのは、ロシアがあの経済的不況で国民が困窮している北朝鮮から120万発もの砲弾を受け取っていることである。この他にロシアは、イランからドローンなどを供与されている。

 他方、ウクライナ軍は、これまで欧米各国から軍事支援を得ていたが、このところそれも滞りEUから届く筈だった1年間の砲弾が、半分程度しか届いていないという。ポドリャク顧問によれば、ウクライナはウクライナなりに、1)砲弾生産に自国の投資、2)ヨーロッパ・パートナーとの砲弾共同生産、3)自爆ドローンの活用、を検討し、更に長距離ミサイルの必要性も考えているという。

 基本的には、最大の支援国アメリカの協力が必要であり、現在内向き志向のアメリカの世論とアメリカ第一主義を掲げるトランプ前大統領の影響力が気がかりと危惧されている。それでもポドリャク顧問は、こんな言い方もした。仮にアメリカがウクライナに610億㌦を支援したら、その資金はアメリカ国内の兵器生産に使われ、資金の9割がアメリカ国内の経済に残るとの説明である。しかし、長引く戦争、しかも国内が徐々にロシア軍によって破壊されていく中で、戦争拒否反応が強まってきた。国民の勝利期待度も昨年7月の71%から今月には42%にまで低下した。去る8日にウクライナ軍総司令官を更迭したゼレンスキー大統領支持率も2022年12月の84%から、1年後には62%にまで下落した。政府への信頼度は一層落ち込み、52%から26%へ大幅に落ちている。

 懸念されるのは、プーチン大統領がこのまま優位な戦争を続ければ、プーチンのような世界の独裁的な指導者たちが、理想としている独裁政治に自信を抱いてしまうことである。そうなれば、世界で日本を含む民主主義国家と独裁国家との分断が強まる可能性がある。今や民主主義政治の真価を問われているとも言える。

2024年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6029.2024年2月23日(金) 天皇陛下、64歳の誕生日を迎えられる。

 今日は国家の祝祭日のひとつ、天皇誕生日である。メディアでは、明後日日曜日までの連休3日を天候や、観光、レジャーの視点から伝えていて、天皇誕生日については昔の天長節に比べればそれほど騒ぐような報道ではなくなった。それでも雨が降る寒い天候だったが、恒例の一般参賀が行われ、天皇は皇后、長女愛子さま、秋篠宮ご夫妻、秋篠宮佳子さまらとともに、参賀に訪れた人々に宮殿ベランダから手を振られご挨拶をされた。スピーチでは例年国民の健康と幸せを祈るとのお言葉を盛り込んでいるが、今年は正月早々に発生した能登半島地震について、犠牲者のご冥福を祈ると同時に、遺族と被災された人々にお見舞いの言葉を述べられた。

 コロナ渦で一般参賀が中止された年もあり、昨年は事前予約制度を取るなど、毎度宮内庁も平穏に行われるよう知恵を絞っている。

 天皇は今日64歳の誕生日を迎えられたが、いつもにこやかで、謙虚な姿勢を崩されず、誠実な印象を与えてくれる。外国の皇室では、近年国王をはじめ皇族らに不祥事が散見され、今では国民からの尊敬や信頼が薄れている国が多いようである。その点日本の今上天皇ご一家は、国民から敬愛され、親しまれ尊敬の対象でもある。天皇ご一家としては、ひとり娘の愛子さまが来月学習院大学を卒業され、日本赤十字社で仕事に就かれるという。愛子さまも大学在学中は、生憎コロナ渦の真っ只中だったために、入学されてから3年生まではすべてオンライン授業で対面授業がほとんどなく、親しいご学友もほとんどいないまま卒業ということになるようである。これからは公務も増えて、社会人としてご活躍されることになるだろう。

 他に現状では、将来の天皇候補として秋篠宮家の悠仁さまの進学問題が難しいようだ。現在優秀な進学校の筑波大付属高2年生であるが、4月から3年生として大学受験が控えている。当初推薦により東大入学を目指していたようだが、その可能性が大分低くなり、さりとて浪人することは容認されていないそうで、現在関係者は都内の相応の大学を調べているようだ。実は、東大に推薦入学制度があることは寡聞にして知らなかったが、その東大推薦入試の2023年度合格率の割合は、志願者253名に対して合格者は88名だった。合格率だけ考えるなら約3倍でさほど難関とも思えないが、その合格者たちは常識を遥かに超えるほどの優秀さで、とてもハードルが高いそうである。週刊誌の記事によれば、悠仁さまの入学大学としては上智大学が有力視されているようだ。皇族が入学されるとなると知名度も上がり学生の人気も高まり、大学経営上プラスになると思うが、受け入れる大学の気の遣いようは並大抵ではないと思う。警備上の問題もあり、他の学生への影響を考えると、痛しかゆしの面もあるのではないだろうか。

 今日も雨が降る中をいつも通り傘をさしてウォーキングに出かけたが、去る11日の建国記念日には日の丸旗を掲げていた家は、僅か1軒だけだったが、今日同じルートを通ったところ雨の中で日の丸を掲げていたのは、11日と同じ家だけだった。昔はほとんどの家で日の丸を掲げていたものだが、今や国の祝祭日に国旗を掲げなくなってしまった。昔は「旗日」と呼んでいたくらい各家庭では門前に国旗を掲げていたが、今では一般的に旗日とも呼ばずに「祝祭日」と呼んでいるからだろうか。

2024年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6028.2024年2月22日(木) カスハラ防止法案と株価史上最高値

 ウクライナにせよ、パレスチナ・ガザ地区にせよ、戦斗解決への糸口が一向に見えず、手詰まり状態である。イスラエル軍がガザ地区最南部エジプト国境にあるラファへの軍事作戦を準備する中で、国連安保理事会が開かれた。ガザ地区における即時の人道的停戦を求める会議だったが、無念にもその決議案は否決されてしまった。15か国の内13か国は賛成の考えだったが、常任理事国のイギリスが棄権し、同じ常任理事国のアメリカが反対したために否決という結果になった。アメリカがガザに関する安保理事決議案で拒否権を発動させたのは、これで4回目である。決議案を提案したアルジェリアをはじめ、多くの国々から失望の声が聞こえている。いつもアメリカと対立するロシアと中国が、アメリカの対応を強く批判している。これでラファにおける即時停戦の機会は遠のいてしまった。

 さて、一昨日小池百合子・東京都知事が施政方針演説の中で「カスハラ防止法案」の策定の検討を表明した。このカタカナ4文字は何を表すのか、直ぐには分からなかった。カスタマー(顧客)ハラスメントの略だと知り、絶対的に「顧客には口答えできない」とか、「お客様は神様」みたいな間違った考えや、顧客の理不尽さや我がままが、近年商売上でも露骨に表れてきたのかとこうなってしまったビジネストークには失望している。東京都としても止むにやまれず法案を検討したようだが、すでに昨年10月に東京商工会議所、経済・労働団体、外部の有識者らの検討会でアイディアが出されているようだ。ただ、罰則などはなく理念条例が適当と考えられているようだ。

 現実に民間の商取引や、公務員との話の中で理不尽で過剰な要求をしたり、従業員への暴言や脅迫、サービスへの不当な言いがかりのような迷惑行為により、心的プレッシャーを感じる人が大勢いるらしい。

 顧客との商取引で多少の意見の相違や、食い違いからもめることはあり得るが、顧客が恫喝や脅しのような言動に及ぶことは自分の有利な立場を悪用したハラスメントと受け取られても止むを得ない。ただ、それが商取引の範囲内で許されるものであるか、また無理な要求を通すために脅しとしてプレッシャーをかけていないか、などその境目を超えた場合の弱い立場側に心理的な負担を与えることは充分あり得る。

 かつて、実際に営業活動に従事していたころに、他人にはとても勧められないが、自分なりに会得したクレーム解決法がある。常識的には認めてもらえないだろうし、法的場面では忌避されるようなやり方であるが、簡単に説明してみよう。

 それは、不本意な言いがかりであっても顧客から散々文句を言われた後に、表面的には堪えて「申し訳ありません」と言って頭を下げることである。相手がガミガミ言ったとしても、また同じ「申し訳ありません」を繰り返す。相手が「『申し訳ありません』ばかりではなく、何とか言え!」と興奮して譲歩の言葉を催促したら、また「申し訳ありません」と応える。このやり取りが繰り返され、その都度「申し訳ありません」と繰り返して頭を下げる。流石に相手も度々の「申し訳ありません」に閉口して「他に何とか言え!」と言ったら、また「申し訳ありません」と言う。文句を言われている間中応えは「申し訳ありません」だけである。最後には相手もこの言葉のやり取りにうんざりして「勝手にしろ!」と捨て台詞を残して去って行く。こういう筋書きである。土下座など多少の演技も必要であるが、これが長年の営業活動で身に付けた不本意、かつ効果的な近藤流苦情処理テクニックである。

 不条理な言いがかりのような苦情を真面目に働いている人にぶつけるなんてことは、まともな人間のやることではない。都知事のカスハラ防止法案で、久しぶりに昔の苦情処理場面を想い出した。

 ついては、夕方になってびっくりするようなニュースが伝えられた。日経平均株価が35年前のバブル期につけた史上最高値38,957円を破る39,068円を記録したのである。アメリカの半導体大手の好決算に引っ張られ、日本でも半導体関連銘柄に買い注文が集中したことが大きく影響したようだ。それにアベノミクスで日銀が大規模な金融緩和を開始し、それが今の円安に繋がり、輸出の好調と外国人投資家が日本株を購入したことが株価上昇に寄与したことが大きい。裏金問題で評判の芳しくない安倍政権の置き土産が、史上最高値の株価を記録するとは世の中も皮肉に出来ているものだ。

2024年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6027.2024年2月21日(水) 地球温暖化による海面上昇で島が水没?

 予報通り今朝から寒く雨が降っている。庭の白梅と白椿もほぼ満開で風情が高まって来た。願わくば、野鳥の来訪を待っているところだが、まだ時折やって来る程度である。部屋から外を眺めているとやや寒々しい。暖かくなったり寒くなったり、今週は週末にかけて真冬の気候が続くようだ。実際昨日東京都心の最高気温が23.7℃だったのが、今日の最高は13.2℃で10℃以上も下がった。三寒四温なんてもんじゃない。それでも小雨の中を駒沢公園まで日課のウォーキングに出かけた。先日ほんの一分咲き程度だった河津桜がほぼ満開に近く見事だった。

 天候不順でつい気にかかるのは、将来的に二酸化炭素放出に伴い地球温暖化による気候変動が進み、これからは気温上昇により環境面、生活面で生物に与える試練が厳しいものになることである。これは世界的な傾向で、昨日のテレビ報道によるとスイスやイタリアのスキー場の雪が少なく、営業を休止したスキー場が大分あるようだったし、アルプスの氷河も年々消え、流れ出た雪解け水で道路も遮断される状態である。国内ではこの1月の平均気温が13.14℃となり8か月連続して対前年月比で過去最高になっている。これまで最高だった2020年に比べても1.2℃も上昇している。気象庁は、今年の夏の長期予報を出したが、全国的に平均気温が平年より高くなる見込みと発表した。赤道付近の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響がインド洋まで及び、日本の南方の高気圧の影響に伴い日本列島に暖気が流れ込むと見られている。

 この地球温暖化現象は、海洋に影響をもたらし北極海の気温が図抜けて上昇しているという。シロクマの生活にも影響を与えているのではないだろうか。北海道大学など日本の研究チームもグリーンランドで北極海周辺の調査を行っている。最近インドネシア・ジャワ島に地震の影響から海水流入があり、その影響が懸念されている。同じジャワにある首都ジャカルタにもかなり海水が流れ込んだようだ。

 海面上昇と言えば、地球上で過去10年間に海面が10cm以上も上昇しており、海抜の低い島々では海水の流入防止対策に苦慮している。南太平洋ではツバル島の水没化がよく話題になり心配されているが、中部太平洋の「気候変動に沈みゆく島」と言われているマーシャル諸島のキリ島の水没が身近に迫っている。このキリ島では、2015年2月にかなりの海面上昇があり、島内に大量の海水が流れ込み、島の9割が浸水した。2100年までに居住不能になると考えられている。周囲が約3㎞、人口は約200人で、15年の浸水で島から離れた人が多く、人口が半減してしまったちっぽけな島である。

 島民は、生まれ育った故郷を去りたくないと頑丈な壁で囲いを構築するとか、敷居を高くするなどと、自営対策を講じているが、島の水没などは考えてもいない子どもたちは、島を離れてアメリカへ行きたいと無邪気なことを語っていたのが、哀れを誘う。

 日本にとっても決して他人事ではない。このまま地球温暖化が進めば、日本列島近海の離島などでも海水流入の可能性が生じて来る。極力パリ協定に倣い、二酸化炭素放出の削減を図る自助努力の他に、排出量世界一のアメリカと2位の中国に対してCO2の削減に努めるよう説得する責任もある。

2024年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6026.2024年2月20日(火) 文科相不信任案否決とお馴染みの渋谷

 裏金問題と同時並行しているスキャンダル、旧統一教会との関係で、盛山正仁文科相がその旧統一教会との深いつながりを裏付けるような証拠がいくつも明かされているが、文科相は旧統一教会とは縁を切ったの一点張りで問題ないとの主張を繰り返している。ところが、後から後から教会との濃密な関係を疑わせるような事実が明らかになった。とりわけ教会関係者とハグする写真が出てきたり、2021年衆院選では教会から推薦状を受け取った証拠写真も出て、教会関係者からもそれを立証する話が漏れて来た。それでも文科相はその事実を否定したり、過去のことで今では手を切ったと疚しいことは一切ないとの立場を崩していない。それでも旧統一教会からは月刊機関紙「世界思想」が毎月定期的に送られてきているそうだ。野党からは大臣更迭要求が出ているのに、岸田首相は否定し、更迭する気持ちがないと言い張っている。ついに野党も堪りかねて今日衆議院へ盛山文科相不信任案を提出した。しかし、自民党、公明党の他に、いつも腰が定まらない日本維新の会が、なぜか反対して否決される結果となってしまった。

 こんなスキャンダルを抱えていながら、一向に解決策を見出せない岸田内閣に対する支持率は、下がる一方である。直近の朝日新聞の世論調査によると支持率21%だったが、これは自民党の政権復帰後の最低である。同じく毎日新聞が発表した岸田内閣支持率は、もっと低く過去最低、歴代内閣支持率でも最低の14%まで下落してしまった。逆に不支持率は、82%である。もう風前の灯火である。ポスト岸田と見られていた有力議員が、裏金を受け取っていた後ろめたさから名乗りを上げない中で、疑念のない石破元幹事長と上川外相が、噂に上がっているようだ。とにかく今の自民党政治家は不誠実な連中ばかりだから、悪事に手を染めないというマイナス志向の期待だけで、ポスト首相の座にランクアップされるような時代になってしまった。総理大臣の座も地に落ちたものである。

 さて、家で音楽番組をテレビでしばしば見ているが、今日は有名タレントではないが若手男性カルテットが昭和の歌を披露してくれる音楽会が世田谷区民会館で予定され、妻と鑑賞に出かけるつもりでいた。ところが、4人組のひとりの体調が優れないとの事情から、公演が5月に順延となってしまった。それでは、偶には外食を楽しもうということから、話題の渋谷スクランブルスクエアに出かけたところ、何と魔の悪いことに、生憎今日は全館休日だった。

 そこで渋谷駅周辺で一度行ってみたいと思いながら訪れていなかった4年前に完成したミヤシタパーク(旧宮下公園)へ行き、ショッピングモール内のレストランで食事をした。ここは、渋谷区立公園だったが、1階の商店街の屋上屋根上が公園となっていて、夜間に野宿する人たちが多く、渋谷区が大手デベロッパーと連携して整備を進めモール、ホテル、公園、駐車場を一体化した複合施設とした。かつて学生時代に安保闘争デモで解散場所になったこともある場所でもある。今日気づいたことがいくつかある。テレビでもよく紹介されるハチ公のスクランブル交差点から代々木公園へ向かうストリートには、小規模ながらもいくつもスクランブル交差点があったことである。また、最近しばしば報道されているように外国人観光客が多く、驚いたことには、ハチ公像と一緒に写真に納まろうとする観光客が長蛇の列を成していたことである。もうひとつこんなことも経験した。レストランに入ったところ隣の席の若い女性ペアの会話の声が大きすぎて煩く、かといって注意するのも気が引けたので、ハタっと思いつき、補聴器を耳から外してみたら騒音が聞こえなくなり落ち着いた。補聴器不使用の利便を知ったことである。いずれも取るに足りないことだが、久しぶりの渋谷の雰囲気に興奮したせいかも知れない。

 それにしても今日は陽気が少しおかしかった。東日本は特に異常だったようで、群馬県伊勢崎市で25.7℃の夏日だった。他に全国の35地点で夏日だったという。東京都心でも23.7℃で初夏の暖かさだった。明日は一気に気温が下がり、気温は10℃以下になりそうだという。政治がおかしいと陽気までおかしくなる。政治家よ、しっかり頼むぞ!

2024年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6025.2024年2月19日(月) 感動的な小澤征爾の指揮と裏金問題の格差

 昨夕は1か月半ぶりに自宅でビールを飲んだ。正月以来である。ここ数年アルコールを飲んだのは、年に7回ほどであるが、これからは毎月飲むようになるかも知れない。実は、現在大阪に勤務している長男がこの4月から東京勤務になるので、今日アパート探しのために1泊2日のスケジュールで久しぶりにわが家へ立ち寄った。息子は、もう10年以上も大阪、京都など関西地区に勤務して東京勤務はしばらくぶりである。これからは家族とも別れて身の回りの世話を自身でしなければならない単身勤務なので苦労することと思う。息子の長男、初孫は昨春社会人となって今広島県福山市に勤務しているが、妻と2人の大学生の娘を奈良に残すことになる。そんなわけで息子と久しぶりにビールを傾けた次第である。

 息子がホテルへ戻って行った後で、先日亡くなった指揮者の小沢征爾のドキュメンタリー番組を観た。NHK・Eテレの「クラシック音楽館『追悼・・・マエストロ小澤征爾』」で、2002年のウィーン・フィルハーモニーと、16年にウィーン・フィルが来日の際小澤が指揮した場面には、以前に観て感動したのだが、改めて懐かしく見とれていた。流石に「世界のオザワ」と言われただけに、その迫力ある指揮ぶりにはいたく感激した。

 それに引き換え、自民党の裏金問題のザマは何と言ったら良いのか。一向に収束する気配がなく、むしろ影響は広がる一方である。今ではキックバックされて国会議員の懐に入った裏金は脱税問題に発展している。普通に考えれば、何らの努力もない濡れ手に粟の不労所得については税金を納めるのが当たり前である。

  そこへ立憲民主党の江田憲司議員が、昨日多額の裏金を受け取っていながら納税しないということは、脱税であり、税務署が「脱税天国」を容認することだと厳しく追及した。先日国会で岸田首相が確定申告の受付を前に、法令に則り適切に申告納税を行うようお願いしたから、余計に騒ぎが大きくなった。自分たち国会議員は脱税していながら、国民には納税をきちんとやるよう語るとは、まったく笑止千万である。むしろ国民が納税を拒否する税金一揆が起きると言っている。テレビ朝日の「羽鳥モーニングショー」で、玉川徹氏が源泉徴収制度を止めて皆確定申告をやったらどうかと提案するなど不満をぶつけていた。

 私も先日確定申告を済ませてホッとしたばかりであるが、1年間の領収証をすべて保存し、現金・預金の出入り額をすべて金銭元帳にメモするだけでも大変な作業である。その後会員である青色申告会にそれらの資料を基に提出申告書類を作成してもらったが、きちんと納税申告するのはその事前の資料作成作業をするだけでも大変なことである。国会議員は、その種の作業を秘書任せにするか、まったく確定申告をすらしないわけである。国会議員の無責任と欲得は益々酷くなっている。こういう悪の権化のような国会議員は、いくら気楽で一面ちやほやされ、金儲けが出来、嘘八百をついても咎められず、税金を納めなくても大きな顔をしているが、人間的には最低の人種であり、軽蔑すべき職業だと思う。来世生まれ変わってもとても国会議員だけにはなりたくないものだ。

2024年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6024.2024年2月18日(日) ナワリヌイ氏の不審な死と刑務所内の言葉遣い

 庭の白梅も大分花を咲かせて、今日は初めて鶯が飛んで来た。昨年は飛来こそあったが、一度もあのホーホケキョという鳴き声を聞いたことがなかったが、今年こそは何とかあのしびれるような声を聞いてみたいものである。

 ロシアのナワリヌイ氏の死亡について案の定というべきだろうか、いろいろな噂が飛び交っている。ロシア政府筋から発表された死因「突然死症候群」のコメント以外は、すべてプーチン大統領による他殺との批判的な声が圧倒的である。ナワリヌイ氏ら反政府的な言動が小心なプーチンを大統領選に圧勝させようとの気持ちにさせ、それがナワリヌイ氏を葬った大きな原因である。それにしてもこのロシアの大統領選は、少々変わっている。すでに投票用紙が公表された。そこには、4人の立候補者の名前が記されていて、この中から1人を選ぶことになる。プーチン以外の3人は、最大野党共産党の下院極東委員長、極右の自由民主党党首、政党「新しい人々」の下院副議長であるが、いずれもプーチン政権に従順な体制内野党と呼ばれ、プーチンの脅威にはなり得ないとされている。亡くなったナワリヌイ氏は収監中だったために、最初から立候補できる可能性はなかった。そして唯一反戦を唱えている独立系のナジェジディン元下院議員は、選管から立候補を認められていない状態である。プーチンにとっては、当然戦う前から外堀を埋めて勝負ありであるが、こうまでして大統領の権限を独裁的に行使したいものだろうか。よくぞ公に自由選挙だなどと言えたものである。その人間性を疑いたくなる。

 ナワリヌイ氏が死亡した収容所における待遇はどんなものだっただろうか。昨年フィリピンを拠点に特殊詐欺に関与したとしてマニラから日本へ移送された日本人容疑者らが、「地獄の沙汰も金次第」とばかり、マニラの収容所内で刑務官を買収していたような奔放な作法が発覚してテレビでも派手に取り上げられた。実は日本では法務省が、2022年に名古屋刑務所内で受刑者が刑務官による暴行を受けたことをきっかけに改革の一環として、今年度中にすべての施設で受刑者の立ち直りと関係者を見直す取り組みとして、刑務官と受刑者の間のお互いの呼称を改めることにするという。

 刑務所や拘置所に収容されているすべての人を、苗字に「さん」をつけて呼ぶことに運用を変えるという。これまでは受刑者らを呼び捨てにすることが多く、中には「やつら」と呼んでいたこともあったようだが、すべて「さん」づけとすることを決めた。一方、受刑者が職員を「先生」と呼ぶことがあったが、これも4月からは「さん」づけで呼ぶことに変更する。しかし、こうなっては映画やテレビの収容所におけるシーンで、受刑者を取り調べる係官が、怖い口調で「○○さん」などと言ったのでは、その場の雰囲気にそぐわないのではないだろうかと些か気になる。

 また、「先生」という呼称は、教育現場の先生や、医師、尊敬されるような実績を上げた人を呼ぶ場合だけで良いと言う声が以前からあった。国会議員は一般的に「先生」と呼ばれているが、彼らが最近の裏金に関して表沙汰になった悪事を知るにつけ、こういう国会議員を先生と敬うような呼称はどうかと思う。この際刑務所の改革と同時に、国会も改革して「先生」と呼ばずに「さん」づけで呼んだ方がすんなり受け入れられそうである。

2024年2月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6023.2024年2月17日(土) 反政権運動指導者・ナワリヌイ氏暗殺か?

 このところ独裁君主を彷彿させているロシアのプーチン大統領が、ついに殺人にまで手を染めたと考えられている。ロシアの反政権運動指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が昨日拘留中の北極圏の刑務所で、散歩を終えた後突然体調を崩して死亡した。死因は不明と発表されたが、これまでの経緯を考えると信用し難く世界中であらぬ憶測を呼んでいる。

 ナワリヌイ氏は、2020年に国内で猛毒の神経剤を飲まされて重体に陥ったことから日本でも知られるようになった、ロシア国内でプーチン体制を厳しく非難していた反政権運動指導者である。死亡には当然プーチン大統領が背後で関わっていたと推察出来る。実際ナワリヌイ夫人は、プーチンがロシア国内で行ったすべての虐殺の責任を負うべきだとプーチン大統領を糾弾し、ノーベル平和賞受賞者でロシア独立紙のムラトフ編集長はプーチンの殺人と決めつけている。西欧の首脳でもマクロン・フランス大統領は、「ナワリヌイ氏の勇気、献身に敬意を捧げる。ロシアでは自由な精神は強制収容所に送られ、死刑を宣告される。怒りと憤りを覚える」とのコメントを述べた。シュルツ・ドイツ首相もロシアはもはや民主主義ではないと批判し、戦敵のゼレンスキー・ウクライナ大統領は、「何千人もの人々と同じように彼も殺された。プーチンは自分のしたことへの責任を問われなければならない」とプーチンを厳しく非難した。昨今存在感が薄くなったアメリカのバイデン大統領も、「今ウクライナで見られるように他国の市民を標的にするだけでなく、自国民にもひどい罪を犯している。間違いなく死の責任はプーチンにある」と断言した。来る24日にはウクライナ侵攻2年になる。国内外に世界中から非難される問題を抱えて、プーチン大統領はいつまでこの泥沼戦略を続けていくつもりなのだろうか。

 来月17日には、ロシア大統領選が行われる。大統領職に執着しているプーチン大統領は当然5選を考えている。長期政権に対する国民の批判を和らげ、盤石の体制基盤を確立するためにも、ここで圧勝したい。政権批判の反体制勢力に対しては、容赦せず徹底的に排除したいと考えている。その頂点にいたナワリヌイ氏を先ずは闇に葬ったのだ。モスクワ市内では厳しい警戒の中で、多くの市民が自発的にナワリヌイ氏の霊に献花している。プーチンは国外では四面楚歌の状態であるが、国内でも少しずつ批判票が増えつつあるようだ。これから国際的なプーチン非難の波がクレムリンに押し寄せることだろう。

 さて、太平洋戦争戦没者の遺骨収集が近年捗々しく進まないようだ。終戦から79年が経過してご遺族の高齢化と減少、コロナ禍、また国民の間でも戦争自体の印象が薄らいでいく傾向が表れてきている。今年度の国による遺骨の収集は、過去2番目に少なかった。個人的にも旧厚生省主催だったこの事業に、ほぼ半世紀前から約20年間に亘って携わり、日本遺族会のスタッフだった水落敏栄・現日本遺族会会長とも一緒に度々遺骨収集作業に立ち会うことが出来た。その時の気持ちは、戦友会や遺族会の戦跡慰霊巡拝団に参加した時と同じである。関係者から厳しかった昔の戦地の様子を生々しく聞かされて戦時を想像すると、ついご遺族の胸の内にもお悔やみと同情の気持ちが生まれたものである。

 その遺骨収集事業が今曲がり角に差し掛かっているようである。かかる費用に対して収骨の割合が少ないことである。実際新年度予算には、過去最高額の33億4千万円を計上した。だが、こればかりは対費用効果で考えるべき事象ではないと思う。極端な高額費用なら別だが、如何に費用がかかろうとも国によって戦地で戦わされ、挙句に命を落として外国の地で成仏出来なくなった戦没者をこのまま放ったままで良いものだろうか。

2024年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6022.2024年2月16日(金) 日本の経済力は劣化したのか?

 日本企業の業績が好調で今年度の国際収支が黒字になった、と日本経済の好景気について一昨日の本ブログに書いた。それは、コロナ禍からの回復で消費や輸出が伸び、物価高もあって日本の2023年名目国民総生産(GDP)は過去最高となり、物価の影響を除いた実質GDPも1.9%増えて、ともに3年連続プラス成長になったからである。それは同時に、アメリカの株式市場の上昇につれて日本の株式市場も好調で、日経平均株価も一昨日にはあと千円も値上がりすれば、史上最高値を更新するところまで上がったくらいである。
 ところが、昨日内閣府が公表した国民総生産(GDP)で日本がドイツに追い越され、3位から4位に転落したニュースがメディアで派手に伝えられた。日本のGDPが4兆2千億㌦であるのに対して、ドイツは4兆4千億㌦である。しかもドイツの人口は日本の約2/3である。実質的な経済力はすでにドイツに負けていた。ニュースでは、日本企業の好調ぶりにはほとんど触れずに、ドイツに追い抜かれた原因を2つ挙げている。ひとつは所得が伸びずに個人消費が停滞した長年のデフレと、もうひとつ円安の影響が大きいことを挙げている。23年の平均為替レートは、1㌦=140.5円で、22年の平均より9円も安くなっている。これが大分効いている。

 ついては日本の未来について悲観的な見解を抱いているジム・ロジャーズ氏という世界3大投資家がいる。彼は今後10年間に「沈む国」として日本をリストアップしている。その大きな理由は、「人口減少」と「少子高齢化」だと言う。日本の65歳以上の割合である高齢化率は、2023年に29.1%となり、過去最高で世界一である。3人にひとりが高齢者となりつつある。このまま日本の人口が減り続けるなら、将来的に日本語という言語も消え、少なくなった日本人は中国語を話すことになるとまで極論を述べている人物である。もうひとつ大きな原因として、日本の借金大国が懸念されると指摘している。人口が減り続け、借金が増え続ける国は衰退すると厳しい目で見ている。その暗い将来に向けて豊かさを取り戻すために、日本人だけの力だけで応えることが出来ないなら、外国人に対して閉鎖的な国民性を改めて移民の受け入れを検討すべきだと提言している。更に日本で将来性のある産業のひとつは観光だと強調している。特に外国人観光客をターゲットにインバウンド業を積極的に推進すべきだと推薦している。

 私自身旅行会社で働いていたが、今から40年ほど前に若干インバウンドに力を注いでいたこともあり、箱根への外国人向きパッケージツアーを開発・企画して、おこがましいが、AMEX誌に取り上げられ大変評価されたことがある。今でも若干手直しすれば、販売できるユニークなパッケージツアーだ。当時はまだインバウンド客が少なく、残念ながら販売は伸びなかったが、少し世間の流れより先行していたせいかなという自負の気持ちはある。

 いずれにせよ日本の将来、就中経済については外国人専門家からも厳しい目で見られていることは事実である。ロジャーズ氏からアドバイスされた提案や問題を軽視することなく、少子化対策や、移民受け入れ、及び財政赤字については、日本政府ももっと真剣に具体的な解決策や対応について前向きに検討を進めるべきだと思う。

2024年2月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6021.2024年2月15日(木) 誤解していたシンガポール陥落の日

 春一番がやって来た。今日は都内でも21.1℃という4月中旬並みの暖かさだったが、風が強く街を歩いている人たちも歩き難そうだった。だが、明日は北から低気圧が襲い急激に冷え込むようである。

 82年前の今日昭和17年2月15日は、太平洋戦争緒戦で勢いがあった大日本帝国陸軍が、マレー半島南下作戦に呼応した陸軍航空隊の支援を受けてシンガポールを陥落させた日である。あまりにも有名になった山下奉文中将が、イギリスのパーシバル司令官にブキテマで、‘YES or NO ?’と迫ってイギリス軍を降伏させた日である。陸軍航空部隊第五飛行師団の南方戦跡慰霊団にお供した時に、実際この航空作戦に参加した飛行第50戦隊隼戦闘隊のパイロットだった方から、15日の払暁に空爆したと伺った。実は、それまで同地陥落はその前日の14日だったとばかり思いこんでいた。私の父親もそう信じて、偶々その14日に誕生した末弟にシンガポールの名を1文字借用して「嘉正」と名付けた。爾来弟を含め家族は、シンガポール陥落の日に弟は生まれたものだとばかり信じ切っていた。だが、大本営は15日午後10時10分、当日午後7時50分に敵軍を無条件降伏せしめたと発表していた。父の誤解により弟はシンガポール陥落の日に誕生したと家族は思っていたが、実際には1日違いで関係のない日に生まれたことになる。

 加えて「嘉正」の「嘉」は、シンガポールの漢字表記「新嘉坡」から引用したと聞いていたが、その後シンガポールを度々訪れるようになってから、漢字表記が新聞などに「新加坡」と書かれていることを知り、「新加坡」が正しいのではないかと思った。そこで地元の人に尋ねてみるとシンガポールの漢字表記は6種もあるそうで、一番多いのは「新加坡」で、その次に「新嘉坡」が多いということだった。弟本人は気にしている様子はないが、とんだたわごとだった。

 しかし、この時代は軍国主義ムードが強くなり、日本は軍事国家へ一直線だった。占領したシンガポールは、昭和天皇が統治する南の島の意から「昭南島」と名付けられ、義姉もこの年に生まれて「昭子」と名付けられたと聞いた。挙句に戦後昭和29年私が進学した高校が、「昭南高」ではなく「湘南高」だったとは、まるでざれごとのようだと冷やかされかねない。

 さて、昨日行われたインドネシア大統領選の結果、戦前の予想通りプラボウォ国防相が勝利を収めたようである。プラボウォ氏は投票数の過半数を獲得した模様で、氏自身勝利宣言をした。正式な発表までには約1か月を要する。

 この国は、いま大きな問題を抱えている。それは、巨大都市になり過ぎた首都ジャカルタの首都機能を、現在のジャワ島から北東の島・カリマンタンに移しヌサンタラという新首都として再出発しようというのである。森林地帯を開拓してゼロから都市化をスタートする膨大なプロジェクトであるが、問題は山積している。カリマンタン島は通称ボルネオ島と呼ばれほとんど自国領土であるが、島内北部にはマレーシアの一部とブルネイもあり、3か国が共存している島である。2045年には計画は完了されることになっているが、かなりの投資を必要とするので、経済的に持ちこたえることが出来るだろうか。

 国内にいくつもの課題を抱えているインドネシアが今最も気がかりなのは、昨年9月に開業した首都ジャカルタとバンドン間の高速鉄道の経営である。出足の人気は上々でほぼ満員の状態が続いているが、日本との約束を反故にまでして中国と表向き好条件の契約を結んで中国へ発注した。結果的に今では中国からの多額の借金に苦しむことになってしまった。そもそも高速鉄道の名称も「インドネシア中国高速鉄道」と名付けられ、資金調達も総工費の75%を中国国家開発銀行からのローン支払いで、残りの25%も中国とインドネシアの国営企業からの出資に頼っている。一帯一路という中国特有の商取引によって、途上国のインフラ整備に貢献しつつも、支払えなくなったローン残額の代償に強制的に資産まで奪い取る中国政府の利己的な政策によって、インドネシアの鉄道会社は背負い込んだ開業投資額を果たして支払えるのだろうか。さもなければ、中国の術中にはまって資産を抑えられてしまう恐れがある。

 新大統領が果たさなければならないノルマはかなり過重である。大丈夫だろうか。意気はともかく、評価は実績で問われることを忘れてはなるまい。

2024年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com