4436.2019年7月5日(金) 海外旅行で大切なこと

 旅へ出るのは、ひとりで行くのが一番旅の面白さを知ることになり、未知の土地でそこに住む人々との積極的な交流を通して得難い貴重な体験をすることが出来ると信じている。また、私自身これまでの半生においてひとりで前向きな旅を実践するようトライしてきた。これまでに執筆してきた拙い作品でも自分自身が今日まで体験した少々普通とは異なるハプニングを取り上げてきた。

 今グレート・ジャーニーの実践家でもある探検家・関野吉晴氏の対談が朝日新聞に連載されていて昨日の会話の中に、冒険旅行を度々行った関野氏らしい相槌を打ちたくなる箇所がいくつかあった。そのひとつは、「よく旅を布にたとえるのですが、移動を縦糸とすれば、寄り道して人と出会う横糸もなければ布にはならない」という言葉である。乗り物に乗ってただ移動して景色を見たり、名所を見学しているだけでは旅の本質とか面白さは分からないと言っている。ここには旅先でそこに住む人々と話し合って交流し相手の考えや生活感などを知ることによって、その土地と人々をともに一層深く知ることが大切だと言っているのだと思う。

 別の例で歌手の中島みゆきが自ら作詞作曲しヒットしたにも同じようなことが言える。

 縦の糸はあなた 横の糸はわたし 織りなす布はいつか誰かを 暖めるかもしれない という歌詞に込められた気持ちにも同じようなことが考えられるのではないかと思う。

 近々上梓される共著に急遽取り組み先般脱稿したので、しばらく脇に置いていた自作品に再び取り掛かった。これも80歳を超えた武者修行老人の一人旅体験から現地の人々との温かい交流とメディアへの批判を著わしたもので、仕上げまでまだ数か月程度かかりそうだ。ここでも関野氏や中島みゆきの布への思いに似たようなことを書き綴っている。

 さて、今年いただいた年賀状のお年玉抽選の結果、最下位の切手シートが7枚当たっていたので、遅ればせながら近くの郵便局に受け取りに行った。昨年も7枚当たっていたので、100枚に1枚の確率から言えば、いただいた約600枚から7枚はまずまずだと思う。

 序に郵便局員に郵便料金値上げについて尋ねてみた。10月に消費税が8%から10%へ値上げされるのに伴い、封書料金が現行の82円から84円に、ハガキ代が62円から63円に値上げされると承知していたが、まだ正式に決まっていないとの回答だった。消費税値上げが参議院選の大きな争点になっている時に、果たしてこんなのんびりした状態で値上げは間に合うだろうか。

2019年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4435.2019年7月4日(木) 参議院選挙公示、21日に投票

 このところ九州地方を中心に日本列島太平洋沿岸に梅雨前線が垂れこめて、このため九州は連日激しい雨に襲われ、鹿児島、宮崎方面では土砂崩れや河川氾濫により被害が続出している。今日は一時東海、関東甲信越地方にも激しい雨が襲った。7月に入ってから青空が見えた時間はほとんどないようで平年に比べると重苦しい天候が続いている。

 さて、こんな天候がパッとしない時に参議院選挙が公示され、いよいよ21日の投票日へ向けた選挙戦が始まった。選挙区定数74人、比例代表50人である。与野党各党の他に諸派としていくつかの会派が候補者を立てているが、諸派の中には「NHKから国民を守る党」「れいわ新選組」「安楽死制度を考える会」など特異な党名を名乗る政党が現れた。中でも「安楽死制度を考える会」は略されて「安死」と表示され、それがテレビ画面になるとどうも穏やかな気になれない。もう少し知恵を絞って真っ当な政党名を考えられないものだろうか。

 安倍首相は第一声の中で憲法改定議論の遅れを懸念して指摘した。一方、志位共産党委員長は消費増税反対を訴えた。だが、政策課題についてツィートを調べてみると国民が一番関心のあるのは、年金であり、次いで介護、老後2千万円、消費増税、憲法改定であり、政治家と国民の間の理解には若干ずれがある。

 東京選挙区は改選定数6人であるが、自民党から現職の丸川珠代氏、武見敬三氏、公明党は山口那津男代表が立つが、「れいわ新選組」を起ち上げ、前回東京から出た山本太郎代表は比例選挙区へ回る。ひとり珍しい人が密かに立候補した。87歳の放送作家で元議員の野末陳平氏である。参院選で過去連続4回当選を果たした後、どこの政党からも公認を得られず引退した。ブログを見ると今日雨の中を落語家の立川志ららと一緒に都庁選管受付に届けを提出しに行ったと書いてある。年齢的にもすでに盛りを過ぎているが、果たして往年時には個性的パフォーマンスで独特の存在感を示したあの陳平さんが見事カンバックすることが出来るだろうか、注目される。

 今日7月4日と言えばアメリカでは独立記念日に当たる。初代ジョージ・ワシントン大統領は軍人として独立戦争に勝ち、1ドル紙幣にも肖像画が使われている。アメリカ人から広く尊敬されている偉大な政治家である。アメリカ初の大統領選挙では、当時13州の内5州のみが選挙人投票を行い、その中で投票率100%を獲得したのは大統領選挙史上ジョージ・ワシントンただ一人である。今のトランプ大統領の仕草を見ているととてもインテリには思えない。相手への配慮が欠け、何でも思い付きでやろうとする身勝手さに付き合わされる国際社会は、トランプ流儀に悩まされ、困惑させられている。少しは初代大統領を見習ってはいかがだろうか。

 1990年の今日、イエローストーン公園を観光した後シアトルに滞在していた。ワーウィック・ホテルでディナーをいただいていた時、レストランのガラス越しに大きな音響とともに夜空に花火が派手に打ち上げられた。見事なものだと見とれていたが、偶々傍にいた長岡市から来ていた花火打ち上げ師が、この程度では大したことはないと言っていたのが妙に印象に残っている。

2019年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4434.2019年7月3日(水) 12年目に入った駒澤大学公開講座受講

 受講を申し込んでいながら、いろいろ取り込んでいたため出席できなかった駒澤大学ジャーナリズム・政策研究所主宰の公開講座を今日今年度初めて受講した。2008年第1回がスタートしてから毎年受講し、メディアについて知らない知識を学んでいるが、開始以来2か月も出席しなかったのは、今年が初めてである。

 今年は今日水曜日に3科目受講することにした。午後1時から80分授業を3科目続けて受講することにした。最初は、日経新聞の石鍋仁美講師が論説講座と題して、上、下期を通して社会保障、アメリカの政治、中国の政治・経済、ブレクジットとEU、朝鮮情勢、日ロ関係などについて講義される。今日の目新しい話は、コンビニ経営の現状とアマゾンの威力だった。アマゾンのために多くの企業が倒産しているという。私は昨年度アマゾン・ジャパンが脱税の疑いで国税庁から告発された件について質問したが、結果は分からないということだった。

 2時限目は3年目の共同通信の山田克講師、3時限目は昨年も受講した朝日の向井貴之講師である。おふたりの講義からは昨年も有意義で斬新な知識を吹き込ませてもらったが、今日印象に残ったのは、山田講師が話された三浦和義のロス疑惑事件、首相官邸の記者質問制限、自民党が党員に配布した謎の冊子、そして三原じゅん子議員の野党に対する高圧的な発言についてだった。また、向井講師が地方勤務時代に経験されたことについて話されたが、政治報道のあるべき姿について伺ったことが参考になった。それにしても国会担当のころ民主党幹事長番だったそうだが、何と後の鳩山由紀夫元首相だったという。沖縄米軍基地問題が今もなお解決の見通しが立たないのは、鳩山元首相の全面返還をすぐにも実現させるような軽口のせいでもある。後の祭りだが、トランプ大統領の日米安保条約破棄発言についてどう思っておられるか、お考えを聞いてみれば良かった。

 昨年の受講者メンバーのうち、知人も何人かおられたので、お互いに切磋琢磨しながら今年も有意義な講座にしたい。

2019年7月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4433.2019年7月2日(火) 商業捕鯨再開は、日本にとってプラスか?

 昨日31年ぶりに商業捕鯨が再開された。一昨日日本が突然国際捕鯨委員会(IWC)から脱退すると表明し、商業捕鯨再開を世界に向かって公表した。再開はまさにその翌日である。これは決して日本にとって待ってましたと喜べるようなことではないようだ。鯨の絶滅を危惧する国際世論に対して、日本は捕獲数を守り、捕獲海域を排他的経済水域(EEZ)内に限定すると約束した。かつての南氷洋における捕鯨とはイメージが大きく異なる。

 30年間捕獲しなかったせいもあり、需要も大きく落ち込んだ。終戦直後には国民が食べる肉食はその半分が鯨肉だったが、今では僅かに0.1%にしか過ぎないという。食べれば食べるほどその割合も増え、価格も下落していくのが普通であるが、鯨肉に限っては捕獲量が限定されているので、天井は見えている。果たして商業的に成り立つのかとの疑問が燻ってる。

 捕鯨基地がある山口県下関市と和歌山県太地町、更に北海道の釧路では、待った甲斐があったと喜びが湧いているようだが、商業捕鯨には将来的に採算性の見通しが立たない。下関や太地では、国の捕鯨予算を当てにしているようだ。下関は安倍首相、太地町は二階自民党幹事長の地元である。いつもながらの嫌らしい政治的な圧力によってこれという将来のビジョンもなく、国際的に反感を買う商業捕鯨がこのまま補助金頼みで続けられて良いものだろうか。

 10年以上も以前に一度国際捕鯨委員会がコンベンションを開催した直後に下関を訪れたことがある。あの時代はまだ捕鯨について懐かしいようなムードがあった。1950年プロ野球が2リーグ制になり「大洋ホエールズ」が新規加入したことにより鯨への愛着が広がった。それが今や国際的反捕鯨団体シー・シェパードのように、調査捕鯨に対しても過激な反対行動が行われる時代になった。

 日本政府も懐古趣味だけに捉われず、外交上、商業上のリスクを精査したうえで商業捕鯨がプラスかマイナスかの結論を出すべきであろう。

 朝日夕刊「素粒子」欄にこんなことが書かれていた。

「31年ぶりに商業捕鯨を再開した日。それは国際協調を重んじてきた戦後日本が、自らの主張が通らぬからと国際機関に背を向けた日でもある」。何やら国論二分になりそうである。

2019年7月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4432.2019年7月1日(月) 偽りの北朝鮮帰国事業「地上の楽園」

 昨日朝鮮半島国境線・板門店でアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が電撃的に会談した。60年前その北朝鮮へ日本から在日朝鮮人を帰国させたプロジェクト・帰国事業が始まった。

 そのプロジェクトの実態が昨日NHK・ETV特集で再放映された。「北朝鮮への『帰国事業』知られざる外交戦・60年後の告白」というテーマだった。最初の放映を見逃したので再放送を録画して今日じっくり観てみた。中々興味津々の内容だった。この放送直後に虚偽やデマが混じっていると北系の朝鮮総連がNHKに抗議文を突き付けたという。彼らにとって都合の悪い内容だったのだろう。

 我々多少戦争体験を背負っている世代として、また長らく旧厚生省主宰事業の「太平洋戦争戦没者遺骨収集」に携わっていた関係から、この種の報道に少なからず関心が高い。終戦時国民学校初等科のクラスに「金田くん」という頭のいい朝鮮籍の同級生がいた。近くに住んでいたので毎日仲良く遊んでいたが、終戦直後に何の別れの挨拶もなく居なくなってしまった。近所の噂では一家で朝鮮へ引き上げたらしい。2学期が始まってもついに登校しなかった。

 暫くして6年生になった1950年6月25日、朝鮮動乱が勃発した。担任教師は授業中によく朝鮮戦争について分かりやすく話してくれた。3年後の7月27日停戦協定が結ばれ戦争は止んだ。何かと戦争に絡んで朝鮮に関する話題が多かった。

 朝鮮半島は太平洋戦争後南北に分断されたため、日本在留の朝鮮人は在日朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と在日本大韓民国民団(民団)に分かれてそれぞれ母国とつながっていた。戦後彼らは母国へ帰る意思がありながら、思うようにならなかった。個人的事情もあったが、それ以上に当時東西対立が影響し問題を難しくさせた。その中で北出身の朝鮮人は北朝鮮への帰国を強く希望、日朝両国政府に働きかけ日本・北朝鮮政府の合意の下に計画は実行された。1959年に初めて帰国船により母国へ帰って行った。それが北朝鮮帰国事業の始まりである。そして、84年に帰国事業が終息するまでに10万人近い朝鮮人が母国へ帰って行った。

 今回取り上げられたドキュメントは、「地上の楽園」という甘い言葉に誘われ在日朝鮮人が帰国はしたものの、北朝鮮国内においてその期待はものの見事に打ち壊され、困窮した生活を余儀なくされた実態を当事者の話を交えて構成したものである。

 一時帰国を許され一旦日本へ戻ったがそのまま日本に留まった人、及び耐えられずに脱北した人らは、家族を北に残したまま、彼らに会うことが叶わず、後悔の気持ちを胸に寂しい余生を送っている。

 この問題の背後には、社会主義社会の素晴らしさを世界にアピールするために、当時のソ連、中国、北朝鮮が談合して、殊更北朝鮮の裕福な生活を偽装してPRした。北朝鮮こそ極楽浄土であると世に訴えたのだ。今再び日本へ戻った人たちは、後悔の念とともに北へ渡った浅慮を悔やみつつ、このプロジェクトに携わった関係者に対して「地上の楽園」どころではなく、偽った情報に踊らされて厳しい生活を送らされたと彼らの責任を追及している。

 戦前植民地化した日本にも応分の責任がある。そのしわ寄せとなった人たちこそ気の毒でならない。

2019年7月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4431.2019年6月30日(日) アメリカの日米安保条約破棄は望むところ

 今日朝鮮半島国境・板門店でアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正温・朝鮮労働党委員長が会談した。その後の記者会見によると今年2月に物別れに終わって以来、ともに疑心暗鬼のまま先が見えない両国の関係だったが、今日の会談で次の実質的首脳会談へ向けて一歩踏み出すのではないかと期待される。今日の会談も昨日になって唐突にトランプ大統領がツィッターで会談を申し出たのだ。G20 を終えたばかりの大統領は韓国へ飛び、今日文在寅・韓国大統領とともに板門店へ向かい金委員長と会ったのである。金委員長は直前まではっきりした返事を送らなかったが、やはりせっかくの機会を逃すわけに行かず、会うことになった。アメリカの現職大統領が国境を越えて北朝鮮領内へ入ったのは初めてである。

 こうした行動にしても、やはりトランプ大統領の一連の言動には、思い付きのようなパフォーマンスがあると改めて認識した。

 昨日安倍首相と会談した際、日米安保条約は不公平で片務的な条約であると伝えたと公表した。しかも、過去6か月間言い続けてきたという。これまでもとかく身勝手なアメリカ大統領の発言は、一方的にして軽く少々異常でもあり、同盟国である日本に対して些か失礼な発言だと思う。このトランプ発言に対して、政府は片務的ではないと反論しているが、それならトランプ大統領やアメリカ政府に対して、きちんと説明し、間違っている点については明確に訂正を促し、抗議をすべきではないだろうか。どうも政府の対米スタンスは弱腰に過ぎると思われる。

 いくら日米貿易交渉を有利に進めるための牽制球であるにしても、トランプ大統領は安保条約の中身を完全に理解しているようにはとても思えない。1960年に改定された条約以降、国内で大きな問題になりながらも、自衛隊の海外派遣や集団的自衛権などアメリカに配慮した法改正を行っている。アメリカ軍基地の駐留経費の負担も他国の駐留負担割合に比べて日本は多い。例えば、イタリア、韓国、ドイツの米軍駐留経費負担がそれぞれ41%、40%、32%であるのに比べて、日本は74.5%を負担している。年間の在日基地米軍駐留経費としても年間2千億円も負担している。このトランプ発言に対して日本原水爆被爆者団体協議会・田中熈巳代表は、「日本政府は『では沖縄の基地を返してほしい』と言えばいい』と語っている。アメリカ軍基地が存在することによって基地周辺住民が現在騒音問題等でどれほど苦しんでいることか。

 私は、問題の本質である日米安保条約を解消すれば、基地問題はとりあえず解決出来ると考えている。突然飛び込んできたチャンスを逆手に取り、日本は早々にアメリカ政府と安保条約破棄に向けた交渉に入るべきだと思う。少なくとも日本政府はアメリカにこうした国民の声を率直に伝えても良いのではないだろうか。

 さて、来年秋行われるアメリカ大統領選挙を控えて、トランプ大統領の選挙目当ての言動が外国に対する押しつけがましい圧力にもなっている。そのトランプ大統領と闘う民主党内候補予定者も少しずつ意見が伝えられるようになった。すでに民主党内では党内の指名を巡って22名もの候補者が名乗りを上げているが、一昨日テレビ討論会が開かれた。その中でトップを走っていたバイデン元副大統領と、彼を追いかける若者に人気のサンダース上院議員に対して、黒人女性ハリス上院議員が人種差別問題で舌鋒鋭く追及し、立場が変わったのではないかと言われている。バイデン、サンダース両氏はともに年齢的に厳しいと考えられている。2人とも仮に大統領に選任されると任期満了時にはそれぞれ81歳、82歳となっている。ワシントン・ポスト紙は「ハリス氏が圧倒的な演説でバイデン氏とサンダース氏に圧勝」と報じた。これからの行方が注目される。

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4430.2019年6月29日(土) G20 における日本の評価と存在感は?

 昨日開幕と思ったらG20 サミットは、今日もう閉幕である。各国お互いに考え方が異なる中で、僅か2日間の会合で同じ方向へ足並みを揃えるようなことを期待することは難しい。その中で対立を懸念されていた米中両国が、首脳同士の会談を行った。米中は新たな制裁、報復措置の発動を見合わせ、貿易戦争打開に向けた通商協議を再開することで同意した。ひとまず最悪の事態は先延ばしされた。しかし、トランプ大統領の気は移ろいやすく、不意に思い付きで発言するので、どこまで実効性があるのかは何とも言えない。

 首脳宣言を採択して閉幕した後で安倍首相は記者会見を行い、「自由で公正、かつ無差別な自由貿易の原則を明確に確認出来た」と述べ、「力強い経済成長を牽引していく決意で一致した」と強調したが、今年もトランプ哲学に配慮して首脳宣言に「保護主義と闘う」の文言を盛ることは見送られた。地球温暖化については昨年アメリカがパリ協定から離脱すると一方的に述べていたことから、予めフランスのマクロン大統領は各国が考える温暖化抑止のハードルをアメリカが下げるのではないかと懸念していたが、海に流出するプラスチックごみを2050年までにゼロにする日本の「オーサカ・ブルー・オーシャン・ビジョン」提案が合意された。

 少々分かり難いが、大きな成果はないものの堅実な実績があったと海外メディアの評価はまずまずのようである。ドイツのツァイト紙は、議長を務めた安倍首相について、国際政治の場で対立が深まる大国間の調停役に適任と評価し、一定の成果を挙げたとコメントしている。この背景には、G20サミット ばかりではなく、25日にイギリスで発表された5年ごとの通信簿「フューチャーブランド・カントリー指数」による高評価が影響している一面もあるのではないかと思う。その指数で日本は前回5年前に続き世界最高だった。1位の日本に次いで2位はノルウェイ、3位スイス、4位スェーデン、5位フィンランドで、トランプ大統領の言動が影響したとされるアメリカは7位から12位に転落、EU離脱で混迷のイギリスも12位から19位に順位を落とした。因みに韓国は20位、中国は29位だった。

 今回日本及び安倍首相の評価が高かったこと自体は喜ぶべきであるが、サービスが良いとされる日本への評価は、残念ながら額面通りに受け取れない点があることも事実である。一例を挙げれば、電車やバス車内でシルバーシートを若者が占領して傍にいるお年寄りに席を譲ろうとしない光景が日常化している。シルバーシートに座っている若者のほとんどは、スマホに夢中になっている。これなんか外国人が見たら首を傾げるのではないだろうか。日本人の「おもてなし」に疑問を感じる点である。

 さて、今日TBSテレビの長寿番組「世界ふしぎ発見!」で、新事実を知った。これまでに10回近く訪れたことがあるイタリアの古代遺跡ポンペイの歴史上の史実を変える出来事である。古代ローマでヴェスヴィオ火山が噴火してポンペイの街が一瞬にして消滅した日は、これまで西暦79年8月24日とされていた。しかし、昨年「ポンペイ第5地区」発掘調査の結果、家屋の壁に書き込まれていた日時から、実際には同年10月7日であることが明らかになった。歴史上の大きな訂正である。日本でも長い間鎌倉幕府は1192年に成立したとされていたのが、近年1185年と変更された。これからも新しい事実が発見されれば、修正や訂正があるだろう。歴史というものは確実な証拠が証明されれば、いつ変わるかもしれず、中々難しいものだ。

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4429.2019年6月28日(金) G20サミット、大阪で開幕

 どうも天候がすっきりしない。アメリカのトランプ大統領が日本へ台風を持ち込んだのではないだろうか。ロシアやポーランドの記者によるとトランプ大統領が日米安保条約について不満を述べたのは、日本に対して牽制球を投げて今後の日米貿易交渉を有利に進めようとの意図があり、今度の主要20か国・地域首脳会議(G20)でも最も関心がある話題だと語っていたことが気にかかっていた。G20 サミットと言っても、欧州連合を含む20か国の他に、国連や世界貿易機関(WHO)などの国際機関やベトナム、タイなどの招待国を含め37の国・国際機関が出席している大コンベンションである。

 安倍、トランプ両氏ともに午前中に行われた日米会談で、安保条約については話が出なかったとわざとらしいコメントを述べていた。先日唐突にトランプ大統領が日米安保条約破棄を望むような話が外に漏れた。それが事実なら、日本こそ安保条約破棄は望むところである。安保条約廃止のために安保反対闘争に関わった我々安保世代としては、正に棚から牡丹餅である。政府としては突然で戸惑うかも知れないが、米軍基地問題は解決し、沖縄が抱える問題はすべて解消するのではないか。真剣に考えるべきで、準備が整い次第、アメリカと正式に安保条約破棄に向けた話し合いを進めるべきではないだろうか。

 そのG20 サミットが今日早速幕を開けた。冒頭で安倍首相が「大阪トラック」などという聞き慣れない言葉を発したが、何を意味しているのかとんと分からなかった。解説によると「デジタルデータの流通や電子商取引に関するルール作りを進めるための交渉の枠組み」だそうである。まだすっきりとしない。ところが、これに対する米中の考えが異なるようだ。明日貿易摩擦問題を抱える米中首脳は、首脳会談を行う。これこそ注目すべき世界的な関心事である。ここで決裂でもすると世界経済にとって大きな影響を与える。さて、どうなることだろうか。

2019年6月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4428.2019年6月27日(木) G20サミット出席の大物首脳ら来日

 明日、明後日の2日間大阪湾内の人工島・咲洲で開催される主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)出席のため、各国首脳が続々と来日している。周辺は厳重な警戒で厳戒態勢が敷かれている。安倍首相は議長としてサミットを仕切るわけだが、今回のサミットは討議すべき難問が山積しているにも関わらず、例年になくパワーが感じられない。それは、これまで存在感が強かったイギリスのメイ首相、同じくドイツのメルケル首相が間もなく辞めるからだと思う。話題は、軽口が多く朝令暮改のチャンピオン、アメリカのトランプ大統領とスマイルと本音を見せない中国の習近平国家主席が出席し2人の首脳会談を行うことだろう。お互いに角突き合わせたうえで当面両国の貿易摩擦が世界中に大きな影響を与える2人は注目されている。こういうまたとない売り込みのチャンスを得た安倍首相にとっては国際的に名を上げる千載一遇の機会である。

 ただ、日米同盟の結束が固いとされているアメリカが、最近とかくの過剰なアメリカ第一主義を押し付けようとするあまり、日米の蜜月同盟も危なっかしく見える。各国首脳の安倍首相への注文も厳しくなっている。昨日来日したフランスのマクロン大統領の如きは、地球温暖化を目指したパリ協定の順守を求めており、脱退を宣言したトランプ大統領との話し合いをどうまとめるのか注目されている。これらの声に対して安倍首相がいかに首脳陣らをある程度納得させる妙案があるのかどうか、鼎の軽重を問われるところである。もし、だれもがある程度納得出来る内容をまとめないと信用もぐらつくことになる。国内では巧みにすり抜けてきた首相が今度は名うての外交家をうまくまとめることが出来るだろうか。

 さて、今日はオウム真理教により猛毒サリンがまかれ、多数の死傷者が出た「松本サリン事件」からちょうど四半世紀になる。朝日夕刊社会面によく知る元朝日新聞記者の阿部和義さんが写真入りで取り上げられていた。お気の毒にも阿部さんの信州大学生だったご長男がこの事件で犠牲になられた。関与したオウム真理教の幹部ら7人が昨年処刑された。

 当然であるが、亡くなられた故人はもう戻らない。その悲しみを他の遺族とともに語っておられた。何かの折にはしばしば取り上げられるが、遺族の気持ちは誰にも分らないと思う。奇しくも今日今年初めての台風が発生した。嫌な思い出は台風に持ち去ってもらいたいものである。

2019年6月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4427.2019年6月26日(水) トランプ大統領の無責任な軽口

 今朝の新聞一面を見て、またかという思いだった。口軽男のトランプ大統領が友人との私的会話の中身とは言え、日米安全保障条約の破棄を口走ったそうである。それをブルームバーグ通信が伝えたから始末が悪い。大統領はアメリカには日本を守る義務があるが、日本の自衛隊がアメリカを守る取り決めがなく、不平等だと言ったのである。日米安保条約と言えば、日米両政府が同盟国の絆として1960年に改定して以来固く守られてきた条約である。それを後先考えないこの大統領のおしゃべりはとても信用出来ない。尤も大統領の性癖を分かっている側近や、ホワイトハウスでは日米安保条約の破棄は全く考えていないと言っている。それにしても大統領の軽口を何とか阻止出来ないものだろうか。さもないと悪いフェイク・ニュースばかりが世界を飛び回る。

 我々安保世代は、まさに安保条約が改定された60年に全国民的運動として日本各地で学生と同労者が連携した安保反対運動が広がり、官憲との抗争に発展した。今もまざまざと記憶に蘇ってくる。極端に言えば、その後の人生はこれがキッカケになったと思えることが数知れずある。

 今の人がどう考えようと、私としては今も安保条約には反対であり、アメリカが本気でそう言うなら有難い。条約を破棄してもらいたい。彼らはこうも言っている。普天間基地を返還するならその土地は1兆7百億円以上の価値があり、それを返してもらいたいなど他人の家に押し入っていながら自分の資産だと主張する厚かましさは、あまりにも世間知らずで傲慢である。

 来年の大統領選を意識して国内向け実績を誇示したいがために焦っているのか、一昨日も経済制裁と称してイランのハメネイ師のアメリカ国内の資産を凍結して、イランとの緊張関係を煽っている。

 さて、夜になって奈良の孫娘から朗報があった。県立高校2年生のハンドボール部員だが、国体の強化選手に指名されたという。高2で指名選手に選ばれたのは、彼女だけだというから大したものだと思う。先週妹の学校に決勝戦で敗れインターハイ出場を逃したが、この試合でも活躍したことを評価されたのか、これで姉が国体へ、妹がインターハイと持ちつ持たれつとなってお互いにハッピーだったと思う。

2019年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com