6040.2024年3月5日(火) 日大アメフト部事件に見る大学運動部の在り方

 受験シーズン真っ盛りの今、ネットにも受験関連の話題が随分載っている。特に大学受験では、私自身も70年近く前に現役、1浪、2浪と3回も大学受験で苦労しただけに受験生には格別な共鳴と同情を禁じ得ない。また、受け入れる大学側の事情にも苦労があることが分かる。

 そんな話題の傍らで、日大アメリカン・フットボール部員の不祥事が入学志願者の減少につながった話題が取り上げられた。昨年8月日大アメフト部員が大麻を吸引、所持していた事件が発覚してアメフト部のみならず、大学が事実を隠蔽して大学役員幹部同士が内部批判を繰り返し、挙句にスキャンダルに発展し、文部科学省からもお咎めを受ける事態になった。

 実は、その事件の影響のせいであろう、今春の入学試験に際して日大の志願者が大幅に減少し、昨年度は9万8千人が受験したが、今年度は約3割減の7万5千人にまで減った。特に文系の商学部、経済学部、法学部などでは、昨年度比で4割も減少したという。この現象は大学の財政にとっても痛い。仮に受験料が3万5千円とすると、減少した2万3千人分で約8億円が消えることになる。日大受験者の減少により、漁夫の利を得たのが「日東駒専」、中でも東洋大学で、昨年度の受験者数8万6千人から、今年度は5千人も増え、9万1千人になったという。

 日大は、事件の起きる前までは、1年間の私学助成金約90億円を交付され、大学としては財政的に随分潤っていたが、それがこの3年間は不交付となった。学生数が全国一多く財政的にはまだ余裕があるようだが、今後も助成金を交付されない場合は、厳しい財政事情に追い込まれる可能性がある。

 大学は運動部所属学生の管理を学生らの自治に任せっ放しにするのではなく、大学自体が積極的に立ち入った管理をして、大学の組織の一角としてしっかり目を放さないことが大切ではないかと思う。

 それにしても一部の大学運動部では、大学の管理からは自由にされ、合宿所に住み込んだ運動部員も、ほとんど授業には出ないと聞いている。在学中の4年間をほとんど合宿所とグランドで過ごし、勉強をすることもあまりないらしい。これでは時間を持て余した若者が大麻に手を染める隙があり危険である。そもそも強豪運動部を抱える大学の入学に際しては、優秀選手らは推薦入学と称してテストも形だけしか受けず、実力がその大学のレベルに達していない学生が多いと聞く。ある程度の目こぼしは許されるだろうが、学生なのに登校せず、勉強もせず、学力も伴わない状態を知りながら、大学卒業証書を交付する例がかなり多いとも聞く。その辺りは、大学同士でももっと情報を交換し話し合いをして、もう少し正常に戻して4年間の貴重な時間を学生らしく活動出来るよう大学も配慮することが肝心だと思っている。

 さて、71年前の今日、あのソ連の独裁者スターリンが亡くなった。当時中学生だったが、父親から「スターリンが死んだぞ」とびっくりするように話された。諸説あるが、鋼鉄の男と言われ、前代未聞の殺人鬼であったことは間違いない。例え仲間であろうと自らの出世に邪魔だと思った仲間は片っ端から殺害した。レーニンの後継者たるべくトロッキーやブハーリンを殺害し、被害者は数百万人から2千万人とも言われている。6千万人を虐殺した毛沢東に次ぐ、世界史上稀に見る大虐殺者である。スターリンの後継者となったフルシチョフ首相は、次のような言葉を残している。「1人の人間の手に大きな、事実上無制限の権力が集中することが何を意味するか、まだ十分に理解されていない」。今世界には、独裁的に振る舞っているプーチン、習近平、金正恩らのような第2のスターリンがいるが、まさに彼らにとって図星である。

2024年3月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6039.2024年3月4日(月) アッと驚くタメゴロウ ! 3題 

 「アッと驚くタメゴロウ!」ではないが、昨日首都ワシントンD.C.で行われたアメリカ大統領共和党予備選挙で、トランプ前大統領が、よもやと思っていたヘイリー元国連大使に初めて屈辱を舐めさせられた。しかも得票率が、62.8対33.3でヘイリー氏の大勝である。これまでの8度の予備選では、すべてトランプ氏が圧勝してヘイリー氏がいつ白旗を上げるのかと噂されていたくらいである。加えて先週ヘイリー氏はかつて知事を務めたことがある地元のサウスカロライナ州でも完敗しており、まだ大きい票差を詰められない。問題は勝敗の帰趨を決すると言われる明日スーパーチューズデイの結果である。明日は16の州と地域で予備選が行われる。これらの地域で過半数を獲得した候補者が、7月の党大会で正式に指名を得ると考えられている。トランプ氏がどれほどの勝利を収めることが出来るか、それによってヘイリー氏との勝負はつく。その結果次第で、ヘイリー氏も選挙戦から撤退せざるを得ないことになるかも知れない。昨日のワシントンD.C.の勝利のようにうまく行くだろうか。さもなければ、後はトランプ氏が11月にバイデン大統領との決戦に臨むことになるが、トランプ派としては、3年前の議会堂襲撃事件を煽った罪や機密文書を持ち出した罪など4件の刑事裁判を抱えており、これがトランプ氏の足を引っ張っている。実は、トランプ氏が有罪と決まれば、共和党、民主党を問わず、ほとんどの市民が大統領職に相応しくないと考えている。明日スーパーチューズデイの結果と裁判所の評決がどんな結果をもたらすことだろうか。

 もうひとり、タメゴロウがいた。今日の東京株式市場で日経平均株価が、前週末比198円高の40,109円となり、初めて4万円台に乗ったことである。先週末には、あと10円で4万円に届くというところまで来たが、それが今日現実となった。思い返すと2008年にバブルが崩壊して、その年の10月27日には、日経平均が7,162円にまで落ち込んだ。その後じりじり下がり始めて、翌年3月10日にはついに過去最低の7,054円にまで下がった。そこから徐々に回復して今日の4万円台は、実に5倍以上の株価に上ったわけである。株価は日本経済の好況だけではなく、アメリカの金利、物価上昇、株価に大きく影響を受けるので、手放しで喜んではいられないが、まずはホッとしている。

 さて、3人目のタメゴロウもいた。フィリピンのドゥテルテ前大統領が、ミンダナオ島の独立を計画しているとのニュースである。フィリピンは、憲法の規定により大統領は1期6年に決められている。ドゥテルテ前大統領は、大統領職へ未練があったようだが、憲法により再選が禁じられているため止む無く大統領職を諦め、マルコス現大統領に座を譲る形になったが、お互いに対立しているイメージがある。ドゥテルテ大統領は政界復帰をせず、アルバレス下院議員が中心となりミンダナオ島を独立させようとしているのだ。かつて一国の長だった人物が、如何に大きな島で、島だけで民主主義の三原則を行使し経済力を保持出来るにしても、ミンダナオ島民の気持ちはどうなのか、彼らの気持ちを斟酌する必要があるのではないかと思う。1島を独立国として国を二分させようというのだから、これこそただ事ではない。ミンダナオ島の主要都市ダバオにはかつて訪れたことがあるが、途上国でありながら、中々落ち着いた都市という印象だった。ドゥテルテ氏は、中央政府との和平合意に基づき将来的に自治政府樹立を目指すミンダナオ島のイスラム勢力に対して独立に手を貸すよう呼びかけたようだ。

 現状のままか、独立するかはどうあれ、それほど豊かではない国が、独立とは言いながら、それにより内部抗争が起きるであろうに、大統領を辞した人物が敢えて国内を二分しようと考えているのだから、下手をすれば血なまぐさい戦闘行為が発生する可能性がある。中国との間で海洋問題が発生している時でもあり、中国に付け込まれる可能性もなしとしない。大統領卒業生が行うようなことではないと思うが、どうだろうか。タメゴロウもびっくりしているのではないだろうか。

2024年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6038.2024年3月3日(日) ウクライナをネオ・ナチと考えるプーチン大統領

 イスラエルのネタニヤフ首相が、イスラム原理主義組織ハマスを殲滅させるまでパレスチナ・ガザ地区への攻撃を止めないと強弁しているのと同じように、ロシアのプーチン大統領もウクライナのネオ・ナチを排除するまで戦うと述べている。しかし、ウクライナより以上にネオ・ナチ的行動に走るのは、むしろプーチン大統領自身ではないかと自らのナチズムを隠蔽するかのような発言が気になっている。その点については、再三本ブログでプーチンこそナチズムだと批判してきた。

 そこへJBpressが今日配信したネットを見ると、プーチン大統領がアメリカの保守系FOXニュースの取材に応じて、ウクライナ・ナチズム論を述べている。それは、2年前のウクライナ侵攻に際して最大の目標は、ナチズムの信奉者ステパン・バンデラがウクライナで国民的ヒーローにされていることから、偶像破壊及びネオ・ナチ壊滅をすべきと考えている。

 バンデラは第2次世界大戦前のソ連占領下のウクライナ独立運動の闘士だった。ウクライナ民族主義者組織(OUN)というやや右翼的な団体に属し、反ユダヤ主義、反共産主義を掲げたことから確かにナチスとも連携していた。ウクライナには、ナチスに協力的だったバンデラらを英雄として、記念碑が建てられ、首都キーウにはバンデラの名を冠した通りもある。プーチン大統領は、ウクライナ民族主義者らがバンデラを崇敬し、その精神を継承しようとしていることに対して、プーチンはウクライナがネオ・ナチだと主張している。しかし、彼らは必ずしもナチズムではない。歴史的にバンデラらは、ナチス・ドイツと連携していた。だが、その占領政策が合わず、ナチスはバンデラらを捕らえ強制収容所に送ったほどである。むしろナチスから強要されたソ連共産主義との闘いを拒否している。このような経緯から現代のウクライナ民族主義者らも、ナチスの弾圧と戦った英雄としてバンデラを尊敬している。そこには多重的な原因があり、プーチンが一言の下に「ウクライナはナチズム」との主張は、ウクライナ・サイドからは大きな誤りと見られている。バンデラは、戦後ウクライナに戻れないまま、1959年ミュンヘンでソ連のKGB諜報員により暗殺された。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、プーチンがウクライナにナチスがいるとの虚報に対して、すべてでっち上げでウクライナにナチスなどおらず、ナチス排除のための侵略の口実にしていると厳しく非難している。プーチンの主張は筋が通っておらず、ナチスの影響が第2次大戦中から両国間に諍いの種を撒いていたことが分かる。

 それにしても、自己主張の強いプーチンが言う「ナチスをウクライナから徹底的に排除する」との主張は、他の国々からどれほど理解され、納得されるか、疑問の残るところである。

 先日プーチン政権の批判を続けて、刑務所内で死亡した反体制派の指導者ナワリヌイ氏が埋葬されたモスクワ市内の墓地で、昨日多くの支持者らが訪れ花を手向けていた。治安当局は、政権批判の動きが広がることを警戒し、ロシア各地で100人以上の市民の身柄を拘束したという。プーチン大統領は、15日から行われる大統領選の勝利は固いだろうが、国内に反プーチンの動きが徐々に拡散していくことだろう。

2024年3月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6037.2024年3月2日(土) 自覚症状はないが、体調チェックでオヤッ?

 昨年8月慶応病院予防医療センターで恒例の人間ドックを受診した結果、心臓に不整脈が見られるとの所見だった。その後8月、9月、12月に改めて慶応病院循環器内科で心電図の検査を受けたところ、現状では大きな異常は見られないので、定期的に検査をしながら様子を見ましょうということになり、その後血液サラサラのリクシアナ錠剤を毎日服用している。これについてかかりつけの整形外科、内科、糖尿病クリニック、それぞれの医師にもご相談しているが、時折脈拍数値が急落するのは、或いは不整脈と関連があるかも知れないので、次回今月21日に慶応病院で検査した時に担当医師に確認してみてはどうかとアドバイスをいただいた。

 そして今朝いつも通り血圧を測定したところ、脈拍とは別に、実に2022年5月14日以来ほぼ1年10か月ぶりに血圧の上の数値が140を超えて「142」を示した。下は「62」だったが、気にしている脈拍心拍数も「51」と3日連続で50前後を示した。一般的に心拍数は60~100と言われているので、やはり気になる。しかも、普段は90前後だが、最近は50前後の日が2~3日続いて、また正常値へ戻る状態が月に1~2度あるのでちょっと気になっていた。とりわけ今日は、血圧の上限が黄信号140を超えたことが、気がかりである。朝晩に測定しているが、毎回3回測定して中間値を記録している。時折140を超えることはあるが、それは3回の内の1度である。このやや高めの数値も心臓の不整脈症状が影響しているのかも知れない。21日に慶応病院で診てもらうので、担当医師にじっくりお話を伺いたいと考えている。

 さて、途上国の首脳の中には世襲が多いが、昨年カンボジアの首相に就任したフン・マネット首相は、33歳の時に首相となって38年間も同国首相の座に就き、カンボジア人民党党首として独裁的権力をほしいままにしていたフン・セン前首相の長男である。息子は一応総選挙により当選し与党カンボジア人民党も勝利を収め、38年間も首相兼首の父親から禅譲されたものである。父親は完全に政界を引退するわけではなく、それなりの地位に就いて息子を支えていくことだろう。しかし、40年近くも父親のフン・セン前首相が権力を握り、その後どのくらい息子がその地位に留まっていくのか不明だが、カンボジアという人口1千6百万人を抱える国家を一族が長年支配し続けることが、この国と国民にとって繁栄と幸せをもたらしてくれるだろうか。アジアの国々の中では、フィリピンやインドネシア、更に酷いのは北朝鮮だが、一族で政権をたらい回しにして国民は貧しく、されど権力者が私欲を得ているようでは、とても民主主義国家と呼ぶことは出来ない。

 幸い我が日本は、一応民主主義国家の形態を維持している。絶対的独裁者は現れないが、世襲制度は政界に蔓延っていて、二世、三世など親から譲られた世襲により活動している国会議員は、各国と比べても飛びぬけて多い。特に自民党に多く、ほぼ3人にひとりが世襲議員である。まさかカンボジアのようにはならないと思うが、そろそろ世襲制度の欠陥を精査して、もう少しハードルを課した方が良いのではないかと思う。

2024年3月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6036.2024年3月1日(金) 暗黒時代に突入する世界の政治

 昨夕唐突にメディアが伝えたMLBドジャースの大谷翔平選手が結婚したとのニュースに、大げさに言えば日本中の若者が興奮していた。出身地の岩手県では盛岡駅前で号外を配ったり、メディアでも大きく扱うほどだった。街頭でインタビューされた若い女性らはほとんどがショックを受けたと語っていた。1人の女性に大好きな大谷選手を奪われたかのようなコメントを多くの女性たちが述べている有様だった。大谷ロスであり、一種の社会現象でもある。まだ、結婚相手については普通の日本人女性だということ以外は、分かっていないが、考えようによっては、こういう話題が大きく取り上げられること自体日本社会は天下泰平である。

 ところが海外へ目を向けると、パレスチナ・ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃が益々激しくなり、飢餓状態で食料の受け取りを待っていた人々を銃撃し、昨日も112人が死亡し、760人が負傷するなど多数の犠牲者を生んだ。ハマスの攻撃が始まって以来、すでに3万人を超える死者が出て、人道状況は悪化の一方である。流石にグテーレス国連事務総長もイスラエル軍の攻撃を厳しく非難している。しかし、ハマスを殲滅させるまでは停戦せずガザ地区を攻撃し続けると語ったネタニヤフ首相の言葉通り、イスラエル軍の攻撃に国際社会は、ただ手を拱いているだけのようである。

 ガザ地区が壊滅直前に追い詰められている中で、ウクライナ問題についても明るい兆しは見えない。昨日ロシアのプーチン大統領は、恒例の年次教書を2時間以上に亘って演説した。その中で3年目に入ったウクライナへの軍事侵攻については、「ロシア軍が主導権を握って、更に多くの領土を解放している」と身勝手に成果を強調し、また、核戦略は臨戦状態にあると脅しをかけて、欧米を強くけん制もした。今後の戦況については、多くの領土を解放し、戦争を終わらせ、ナチズムを根絶すると軍事侵攻を続ける姿勢を改めて強調した。プーチンこそが、独裁国家体制の頂点に立ち、思うがままに他国へ侵攻し、他国民を痛めつけており、それがロシアという国を横暴で残虐な国へ導いている点については、触れようともせず、ただ戦果を強調し、自らの功を吹聴している。ナチズムの根絶とは、自らこそがナチであり、その根絶を公言するとは自分自身を根絶するようなものである。ウクライナはとてもナチとは思えず、プーチン自身がナチズムの塊ではないか。核保有を見せびらかし、他国を威嚇するなんて最低の人物である。こんな男が15日から形ばかりの大統領選で当選するなら国際政治はお先真っ暗である。

 いずれにせよ、ガザの戦闘、ウクライナの侵攻は、未だ暗闇の中にあり、明るい兆候はまったく見えない。

 残念ながら上記2つの事例を見ていて、アメリカの存在感が薄れていくのを感じざるを得ない。最近「もしトラ」という言葉が、流行り出したが、もしトランプ前大統領が今秋の大統領選に勝利したら世界はどう変わるかとの不安の声である。仮にトランプとプーチンの2悪と、習近平・中国国家総書記が国際政治の場で顔を揃えるようになったら、地球上は修羅場となるのではないだろうか。

 それにしても世界は破滅と背中合わせの嫌な世の中になったものである。せめて大谷選手の活躍で明るい面を見せてもらい、我々は堅実に法を守り、出過ぎた行動を慎むことしか考えられない。

2024年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6035.2024年2月29日(木) 閏日の政倫審に岸田首相率先出席

 今日2月29日は4年に1度の閏日で、平年より1日多い閏年として1年が366日となる特別の日である。今日が閏日となったのは、ローマ暦では3月1日が年始で2月が年末だったことに由来するそうである。この日にお生まれの人で印象に残っている人がいた。5年前に亡くなられた兼高かおるさんである。兼高さんは、私も所属している日本旅行作家協会の会長をされていたこともあるが、一番印象的なのは、ちょうど高校へ入学した1954年に、「世界一周早回り競走」にスカンジナビア航空のプロペラ機で世界一周の世界記録を達成したことである。まだ自由に海外旅行が出来る時代ではなかったが、海外への憧れが強かった時だけに強い印象を受けたものである。まだお元気だったころの兼高かおるさんとその後旅行作家協会パーティでお話した際、誕生日が閏日なので、まだ20数歳だと兼高さんから伺ったことである。お気持ちはいつまでも若かったのだと思う。拙著「南太平洋の剛腕投手」を執筆中に、お互いに主人公のトラック島アイザワ・ススム酋長に会い、そのユニークで個性的な人柄を話し合ったことがある。兼高さんの兄上は、会社の元上司の慶大同級生だったこともあり、元上司からもしばしば話を伺っていた。どういうわけか、今日閏日になると4年に1度しか年齢を重ねない?兼高かおるさんのことが懐かしく想い出されてくる。

 さて、4年に1度という珍しい閏日に、衆議院で政治倫理審査会が公開開催され、岸田首相が出席した。これまで開催された9回の政倫審に歴代首相が出席するのは初めてである。この政倫審の開催要項については、自民党内で調整が難航し、当初非公開としてテレビ取材も許されず、どこまで真実が分かるのか疑問視され、野党やメディアからも批判的に報道されていた。そのため予定通り政倫審がどういう形で開催されるかがまったく分からなかった。そこへ昨日になって唐突に岸田首相自身が率先して政倫審に公開で出席する意向を示した。これにより非公開希望だった他の5人衆も右へ倣えするよう期待したようだ。事実そうなった。

 しかし、首相が自民党総裁としてメディアに説明責任を果たして行きたいと述べたことは、自民党内では幾分ショックだったようである。首相の意図は、今まで各議員が説明責任を果たすよう求めながらも、それは議員個人が決めることとはっきり各議員に要請することは無かったが、率先して出席すると語ったことは、党内に強烈なパンチを浴びせ、派閥からは場違いな不満すら噴出したようだ。しかし、こうでもしないと今批判を浴びている裏金問題に決着が付かないと判断した岸田首相の行動力には、その行為と決断に敬意を表したい。

 今日午後NHKテレビでその様子が公開された。今日は首相と二階派事務総長・武田良太元総務相の2人が出席した。首相の答弁を見た限りでは、野田佳彦元首相とのやり取りが興味深かった。首相が2022年に首相として7回もパーティを開いたのは異常で、勉強会とごまかさず、どう見ても政治資金パーティであり止めるべきだと、繰り返して追求した結果、「首相としてパーティを開催することは考えていない。在任中はやらない」との回答を引き出した。安倍元首相が開いていた桜の花の下のパーティなんか、金輪際やらないと言ったわけである。全党的にそうならなければ、これ自体は必ずしも成功とは言えないが、それでも首相自らが公開の場に出席し、説明したことは、それなりの成果である。

 最大派閥の麻生派会長の麻生太郎副総裁や、茂木派の茂木敏充幹事長、羽生田光一前政調会長らが、いつも騒がしいにも拘らず、すっかり沈黙してしまったのがどうも陰湿で薄気味悪い感じである。

2024年2月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6034.2024年2月28日(水) 驚く拒否権乱発、無断商標登録、カスハラ

 昨日の本ブログに国連五大常任理事国にのみ認められている拒否権の特権廃止をアピールしたところ、偶々タイミング良く今朝の朝日新聞「オピニオン&フォーラム」欄に「国連の存在意義」とのタイトルで国連の現在の問題点について、3人の有識者が揃って現在の国連の機能不全について問題点を指摘している。戦前の国際連盟時代から日本の満州事変や、ドイツのポーランド侵攻、イタリアのエチオピア侵攻を止められなかった無力さ、更に戦後国連になってからも、国連安保常任理事国・ロシアが隣国へ侵略することなどはとても想定されなかったとある大学准教授は厳しく批判している。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に関わり現地で活動している医師グループの統括責任者として活動している医師は、命を救うのは停戦であるが、それが常任理事国の拒否権行使によって実行されないことを嘆いている。もうひとりの日本国連学会理事長は、国連は時代遅れだと断言し、加盟国すべてを拘束する安全保障理事会で5つの常任理事国に与えられた強大な権限「拒否権」行使のために、安保理事会は機能しなくなったとまで述べている。

 しかし、アメリカとロシア、中国が権力誇示のためにこの特権行使で指導権を取ろうと必要以上に拒否権を行使する結果、これを排除するのは相当難しい状況にある。世界に自分勝手な人が増え、良識ある人々が少なくなったせいでもある。

 さて、今年MLBのエンゼルスからドジャースへ移籍した昨年の本塁打王・大谷翔平選手の話題が、今月キャンプインして以来連日報道され、どこのTV局もスポーツニュースは、大谷選手の話題から始まる。そして昨日オープン戦初出場でいきなり2点ホームランを放ち、ドジャース・ファンを興奮させて益々盛り上がり、今年のシーズンはこのまま大谷ブームに終始するのではないかと思っている。

 そこへ驚くようなニュースが齎された。「大谷翔平」の名を中国福建省のある企業が商標登録を申請したそうだ。洋服や水着などに使う商標として申請したそうだが、その企業に問い質すとどこまで本心か、「大谷翔平」を全く知らず、偶然名前がダブったと公言しているそうだが、大谷選手が世界的に名を知られるようになったのに便乗して商魂逞しくしたのは疑いようがない。だが、これだけ有名になった選手の名を本人の了解も得ずに、身勝手に登録するとはあまりにも人騒がせで、モラルの欠片もない企業である。大谷選手本人が知ったら何と思うだろうか。ネットを見ていると、いつものことながら中国人のずる賢い手口には非難轟々である。

 現状では、登録申請があったが、登録が認められたわけではない。かつて中国でも人気のあったフィギュア・スケーター羽生結弦選手のように、現実には登録は認められなかった例もある。それにしてもこの企業の本音は一体何だろうか。

 今日は、現実に目の前で驚く出来事があった。印鑑証明書が必要になったので、午後2時ごろ世田谷区役所玉川総合支所の担当窓口へ入った途端、中年男性の威嚇するかのような大きな怒鳴り声が聞こえた。カウンターで2人の女性係員を相手に罵詈雑言を浴びせていたのだ。書類を書きながら別の案内係に「これはカスハラですか?」と尋ねたところ、苦笑しながら「そうです」と応えられた。先日小池東京都知事が、カスハラについて対応を取ると言っておられたが、このように実際に公衆の面前で出没するのだ。それにしても区の対応は些か拙いと思う。大勢の人がいる中で係員がカスタマーから大声でやり込められているのに、いつまでもそのままの状態である。他の人びとがいることもあり、誰か別の係員が人目に付かない別の場所へ導いたら良いのではないか。このままではカスタマーは図に乗るばかりではないかと思う。結末を見ることもなく役所を去ったが、怒鳴り散らす男性はもちろん悪いが、役所の対応も少々拙かったと思う。そこにいた人たちはただ茫然としているだけだった。それにしてもカスハラはこんな風にどこでもあり得るようになってしまったのだ。情けない話である。救いは小さな子どもがその場にいなかったことである。

2024年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6033.2024年2月27日(火) 国連常任理事国の特権・拒否権廃止を

 今日は全国的に風の強い1日だった。東京でも八王子市内で最大瞬間風速28.1m/s、都心で 26.2 m/sと今年最高だった。通行人が風に押されて前へ歩けない姿がテレビで放映されていた。また、渋谷では強風により街灯が倒壊する有様だった。強風の中をウォーキングに出かけ、極力風の抵抗を避けるよう建物の塀際を歩いたが、それでもかなり風はきつかった。

 さて、ウクライナ戦線で優位を保っているロシアにとって、ややショッキングなニュースがあった。それは、北大西洋条約機構(NATO)へ加盟申請していたスウェーデンの加盟が認められ、200年間に亘って中立国を維持していたスウェーデンが、NATOにとって32番目の加盟国と決まったことである。これによりロシア軍艦船がバルト海を通過することが難しくなった。2022年にロシア軍がウクライナへ侵攻した脅威に備えて、北欧のスウェーデンとフィンランドは長い間中立だったが、これを機にNATOへ加盟を申請した。フィンランドは翌年23年4月に加盟を認められたが、スウェーデンは置き去りにされ認められなかった。そこには、加盟国であるトルコとハンガリーの2か国が加盟に反対していたからである。トルコとはスウェーデン国内に居住する少数民族クルド人の武装組織の活動を承認しているとトルコ側に不満があり、トルコは加盟に反対していた。しかし、話し合いの結果、加盟に同意することになった。残る反対は、ハンガリーだった。NATO加盟には加盟国の全会一致が条件で、1国でも反対があれば加盟は認められない。その1国がハンガリーだった。ハンガリーのオルバン首相は、ロシアのプーチン大統領と親交がありスウェーデンの加盟には反対していた。だが、その強権ぶりはEUから批判されていた人物である。

 しかし、オルバン首相の意向に反して、ハンガリー議会は、スウェーデンのNATO加盟はハンガリー自体にとってプラスになるとして、188対6の圧倒的多数によりスウェーデンのNATO加盟に賛成したのである。

 ここにひとつ別の問題が提起された。物事を決定するに際して全会一致ということは、関連する事情が複雑であればあるだけ至難である。況してや国境をまたぐ国際的な問題については、意思統一が難しい。特にしばしば問題になるのは、国連の場、とりわけ安全保障理事会の採否の際の拒否権である。5大常任理事国の内1国でも拒否すれば議題は否決される。これによりこれまで幾たびか有益と思われる事項が否決された厳しい過去の現実がある。

 今回のハンガリーのケースは、オルバン首相としては当初反対した。だが、それは国意に沿わないと多数の国会議員が首相らの意に逆らった。結果的に国民の過半数が賛成の議会決議により、加盟反対から賛成に代わった。これによりスウェーデンのNATO加盟に唯一反対していたハンガリーが賛成したことになり、全会一致でスウェーデンのNATO加盟は承認された。それが、前記の通りロシアにとって大きなショックとなった。

 国連安保理事会における重大な討議について考えてみると、5大常任理事国の内で反対の1票を投ずるのは、ほぼアメリカか、ロシア、中国が常態となっている。これにより世界中の人びとがどれだけ幸せの恩恵に浴しなくなってしまうかを考えると気持ちが重くなる。つい最近もパレスチナ・ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃を止めさせるための休戦協定がほぼ決まりかけていたが、その停止案についてアメリカが異を唱えて折角の提案が否決されたのである。結果的に同地の一時休戦は流れてしまった。

 多くの国連加盟国の中で、僅か5か国にのみ与えられた「拒否権」という強権によって、重大な事象が左右される。本来国の大小を問わず、ひとつの国は、他国と同等の機会をあたえられるべきであると再認識して、今改めて再検討して拒否権自体を廃止することを検討すべきではないかと考える。多数決制を重視する見地から、現在の国連安保理の常任理事国へ与えられている拒否権の特権は不平等であり、排除すべきであると思う。改めて検討されて然るべきではないかと思う。大国の都合に合わせて彼らの特権をこのまま許すことは、世界平和の足を引っ張るものである。

2024年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6032.2024年2月26日(月) メディアは何をしている! 忘れ去られた2.26事件

 88年前の今日、1936年2月26日軍国主義がエスカレートした象徴的な事件、2.26事件が勃発した。事件も米寿を迎えたわけである。軍事国家大日本帝国は中国大陸へ侵略し、遂に太平洋戦争に突っ込み敗戦を迎えて、アメリカ主導の下に民主主義国家として再興された。同時にこの陸軍青年将校による軍事クーデターから戦争へと進み多くの戦死者を出し、戦後になって国土を荒廃させたとの反省に立ち、民主主義国家として再起を期し2度と戦争を起こさないために新憲法に軍備を持たないことを約束し明記した。

 然るに時代の経過とともに、過去の反省を忘れ、軍国主義が再び頭をもたげだしたのである。その典型は、アメリカの要請を受け入れ、軍隊と寸分も違いのない自衛隊を設置し、戦争反対の国民をよそに憲法に違反する軍事国家へ変貌しつつあることである。散々議論された非核3原則は今では空論となり、アメリカの要請により防衛力増強は防衛予算を一気に5年間43兆円に増額し、敵基地攻撃能力を備え、次期戦闘機をイギリスと共同開発するほどの危ういプランである。まったく憲法の精神は無視され、戦争を知らない今の国会議員が身勝手に戦争へ向かって一直線である。財政健全化が懸念される中で、1年間に8兆円を超える防衛予算は破格である。防衛費は、2023年度国家の一般会計予算の7.5%に該当する。

 このように過去の過ちを反省したフリをしながら、防衛省は自衛隊員に部隊単位で靖国神社に参拝させて自衛隊員を洗脳している。一方、国は国民から搾り取った税金を違法な防衛費へ注ぎ込み、再び戦争を仕掛けようとしている。

 現在の自民党政府は再軍備化のお先棒を担いでいるが、昨今国民に不審を抱かれている裏金問題のように、濡れ手に粟でキャッシュバックされた資金を個人の懐に入れ、個人の所得として納税しない行為については、今の確定申告時期に納税者から税務署員に厳しい声がぶつけられている。しかし、国家財政を与る鈴木俊一財務相は、ポケットに入れた裏金を入手した議員に納税せよとは言わず、納税するかどうかは、本人が決めることだと国民軽視の暴言を吐いている。これでは、益々国民の気持ちを逆なですることになる。

 今後益々防衛予算(国防予算)が増え、政治家が入手するパーティ券代の納税を拒否し、2.26事件の教訓を生かさず軍事国家化することなど、現在の国会議員が日本を壊しつつあることから、多すぎる無駄な国会議員を排除する意味で、議会にとって多すぎる議員数をこの際精査したうえで思い切って大幅に削減すべきではないかと思う。

 さもなければ、2.26事件で犠牲となった高橋是清蔵相、斎藤実内相らも浮かばれまい。

 国会議員以上に気になるのは、2.26事件のような軍部クーデターが当時大きな反響を呼んで戦争へ繋がったことを、今日もメディアは一行も、一言も伝えようとしないのは、メディアの責務を放棄していることである。近年メディアは、2.26事件ばかりでなく、政界について本音を主張するのを避けている節がある。批判的な論調が大分弱くなった。メディアの堕落としか言いようがない。これでは、出来損ないばかりの政治家の思う壺ではないだろうか。

2024年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6031.2024年2月25日(日) 手紙も年賀状も書かない時代に

 今年いただいた年賀状に今改めて目を通していると年賀状の送り手の気持ちと現状が分かり、思わず心がほころんで来る。その中で高齢になったので来年以降年賀状を辞退したいと書かれた年賀状が結構多いのに、ついに来たかという感慨と同時に時代を感じる。偶々長年交誼をいただいている弁護士さんが、その件についてご自分なりの考えを述べられているのを知り、やはりこういう方もおられると意を強くした次第である。弁護士さんによると70代過ぎの方から今年で賀状終いと書かれた終活の一環だろうと思える賀状をいただくことが多くなったそうである。驚くのは、企業からエコ(環境保護)を目的に賀状廃止のハガキが届いたという。「虚礼廃止」の意味もある。しかし、この会社は今まで虚礼で賀状を出していたことを自白して恥ずかしくないのかと思わず差出人の社長の名前を読み返したそうである。そのお気持ちはよく分かるし、年賀状は虚礼だったのかと考えると唖然とする。そして、この弁護士さんは、暑中見舞いと賀状くらいしか、存在することを知らせる名目がないため、敢えて賀状終いの方にも賀状を送っておられるそうである。

 私もこの弁護士さんのお気持ちがよく分かる。私にも来年以降は高齢のため辞退したいとプリント、或いは添え書きをされた年賀状を大分いただいた。恐らく10枚以上もあると思う。ただ、それらの年賀状の送り手は私と年齢は近いが、私より若い人たちである。弁護士さんの言われるように、せめて1年に1,2度は自分の安否を知人に伝え、相手からも教えてもらってともに息災を喜ぶことは必要ではないかと思っている。企業が虚礼廃止の一環として考えていたなんて論外であるが、弁護士さんが指摘されたように、その企業が年賀状の意味や主旨をよく理解していないことに何とも情けなく思っている。

 最近の傾向として普段からあまり本を読まず、手紙を書かない人が増えたことが、年賀状辞退の背景として考えられる。それに小中学生時に両親からはもちろん先生からきちんと「年賀状」について学んでいなかったことが大きいと思う。小学5年生時に内房の勝山町から千葉市内の幕張小へ転校したが、担任の熱血漢の先生はすべての教科で生徒に熱心に、それこそ痒いところに手が届くように丁寧に教えてくれた。年賀状についても版画の年賀状を作成するよう彫刻刀で版画の製作から、その版画で年賀状を仕上げ、年賀状を書く心構えのようなものを丁寧に手取り足取り教えてくれたものだ。年賀状に魂が籠っていたように思う。

 今考えてみて私自身年賀状に拘るのは、そういう小学校恩師の情熱に打たれた一面もあると思っている。もう嫌だというならこれ以上押し付けることはしないが、とても寂しく残念に思っている。

 これからの若い人たちの中には、普段から本をあまり読まず、手紙を書かず、スマホに夢中になる人が多くなるだろう。彼らが大人になった時、或いは人生を終える前に頭の中には思考力というインテリジェンスがなくなっているのではないかと心配している。

2024年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com