4466.2019年8月4日(日) 殺人大国アメリカ社会の劣化と機能不全

 日本時間の今日アメリカで銃乱射による殺害事件が2件もあった。最初の事件は、アメリカのメキシコ国境の街・テキサス州エルパソで起きた。日中自動小銃を持った男がショッピングモール内で買い物客に発砲して20人以上が死亡し、26人が負傷したと言われている。エルパソは人口68万人のうち約83%がヒスパニックと言われ、逮捕された白人の若者は移民に反対していたと見られている。

 2つ目はエルパソ銃撃事件から僅か4時間後にオハイオ州デイトンで起きた。9人が犠牲になり16人が負傷した。犯人は銃殺されたが、あまりにも残酷な事件の連続的な発生に唖然とするばかりである。

 それにしてもこの1週間以内でも、先月28日にカリフォルニア州で子ども2人を含む3人が19歳の男に銃で殺害され、30日にはミシシッピー州で2人が同じく銃犯罪で殺されている。

 こう度々銃乱射により多くのアメリカ人が突然見も知らぬ男たちから命を奪われるようでは生きた心地がしないのではないだろうか。一向に事件はなくならない。これはつべこべ言っても憲法を含むアメリカの法治制度に問題があると考えざるを得ない。アメリカの治安というのは一体どうなっているのか。大統領が先頭に立って移民を排撃するようなヘイトスピーチを行っている。それでいて銃規制の話は持ち出さない。銃所有に反対の声がありながら、憲法で銃の所有を認めているからといい法律で何の規制もかけないということは、大統領並びに国家が国民を殺害していると言っても好い。殺人を容認するような憲法ならさっさと憲法改正をすれば良いではないか。

 過去にもたびたび銃乱射による殺害事件が起きている。過去3年間をみても16年6月にフロリダ州のナイトクラブで49人、17年10月にラスベガスで58人、11月にテキサス州教会内で26人、18年2月にフロリダ州の高校生ら17人、10月にはピッツバーグのユダヤ教礼拝所で11人、今年5月にバージニア州市庁舎内で12人が殺害されている。理由はいろいろあろうが、根本的な原因は、他国では考えられない憲法が認める銃所有条項があるからである。銃規制さえ徹底されるなら事件の撲滅は可能である。にも拘わらず銃規制をせず殺人事件は一向に減らない。他国では銃の所有を厳しく取り締まっているので、アメリカのように常態化した銃乱射による殺害事件はほとんど起こらない。アメリカではこんな無法者の取り締まりも出来ずに、彼らを野放しにしている。アメリカ連邦政府は国民を銃から守れず西部劇時代の無法国家と変わらない状態にしたまま手を尽くそうとしていない。これもまた犯罪である。トランプ大統領以下アメリカ国民は、どうして他の国の人たちが出来る大量殺人防止ができないのか。それは私利私欲によって銃砲製造企業に銃の製造を認め、販売をも許しているからである。それは武器・銃製造企業から大統領を始め、多くの関係者に多額の資金が流れているからである。結局武器製造会社と大統領府との間で贈収賄とあまり違わない殺人行為が行われているからである。彼らにとって自分たちさえ潤えば、同じ同胞たちがいくら血を流そうとも気にすることはないと思っているのだ。自国民を銃から守れないこんな国を民主主義国家と呼べるだろうか。酷い国だと思う。アメリカは地上最低の大統領を追い出し、国民が揃って反省するようでなければ、これからも多くの国民が犠牲になるだろう。

 それにしてもトランプ大統領は、アメリカ・ファーストと呼んでいるアメリカで、世界に類のない大量殺人事件が繰り返され、国民の尊い生命が数多く失われていることを恥ずかしく、国辱ものと思わないのだろうか。あまりにも銃乱射殺人行為の再発防止に無為無策ではないだろうか。これでよくも世界一の大国とほざいていられるものだ。ちゃんちゃらおかしい。

2019年8月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4465.2019年8月3日(土) 核軍縮からむ米ソ冷戦時代の再来か。

 日韓対立が決定的になった。昨日日本政府が発表した韓国をホワイト国対象から外すとの措置に対して、韓国政府が無謀と猛反発して対抗策を講じると述べた。日本国内では冷静に受け止められているが、韓国国内では反発が強く日本商品不買運動が派手に行われている。この行方が今後どうなるのか現時点ではまったく見当がつかない。

 この他にも昨日世界的に歓迎されざる軍縮に逆行する動きがあった。米ソ冷戦終結の象徴だった米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約が失効することになったのだ。同条約は東西対立の中で長い間米ソ両国による話し合いやら揺さぶり、駆け引きの末に当時のレーガン大統領とゴルバチョフ書記長の署名調印を得て発効され、当時世界中で驚愕的に歓迎された条約である。そもそもこのほど失効に至ったのは、オバマ米大統領時代にアメリカがロシアの新巡航ミサイルの射程は条約違反であると指摘したが、ロシアがそれに対応せず、今年2月にトランプ大統領が一方的に60日以内にミサイル破棄を求める最後通告を突きつけたものである。米ロの身勝手な戦略で世界中の平和愛好家を大きく失望させることになった。

 もうひとつこの条約失効の背景には中国の存在がある。この条約に縛られない中国は、INF発効以後の90年代からミサイル開発を加速させて最新鋭中距離弾道ミサイルの開発を進め、一部にはINFが禁止する射程に近いミサイルでは今やアメリカを質量ともに凌ぐと言われている。この中国の中距離ミサイルはグアムや沖縄などの米軍基地を射程内に収め、有事の際にアメリカ軍が中国周辺に接近するのを防ぐ戦略の中核になっているという。アメリカとしてはロシアばかりでなく、中国を加えた米ロ中条約の締結を目指したいところであるが、中国に軍縮を受け入れる気持ちがない現状では当分新たな核開発戦争が加速する一方だろう。

 このINFが結ばれる前年に意外にも日本が存在感を示す役割を演じたことがある。当時の中曽根康弘首相が、ヨーロッパでは中距離ミサイル全廃だが、アジア地域では半減させるとの暫定案に異を唱え、アメリカを説き伏せ、すべてに全廃とさせたことである。安倍首相もアメリカ従属主義をそろそろ止め、この失効に怒りを表している広島・長崎の被爆者らの声を汲み取って、中曽根首相のように日本の存在感をアピールするメッセージを発して、米ロ中の核保有巨大国を説得して核戦争の危機から逃れる手を打って欲しいものである。

2019年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4464.2019年8月2日(金) 日本、韓国をホワイト国から除外

 日本は今日韓国に対して輸出手続きを簡略化出来るホワイト国のリストから除外する措置を取ることを決めた。実質的には今月28日から実施される。今朝の閣僚会議で決まった同措置については、早速韓国政府から不当な措置として対応策を発表するとの強い不満のコメントが発表された。すでに韓国に対しては、7月4日に輸出規制強化の第1弾として、半導体関連3品目を包括許可から外したので、輸出契約1件ごとに政府の許可が必要になっている。この日以降文在寅大統領以下側近らは、豊臣秀吉の朝鮮侵略を退けた李舜臣将軍に言及することが多くなったそうだが、これは「日本に勝つ」とのメッセージを世間に伝えているそうだ。

 初めて韓国を訪れた1970年代は、地方都市に行っても何かと秀吉に侵略されたと言われて、もう好い加減に勘弁して欲しいと思ったくらい、いつまでも「秀吉=日本の侵略」を許してくれず、はっきり言って韓国人のしつこい粘着気質をうざいと思ったものである。その後従軍慰安婦問題が浮上してから秀吉は話題にならなくなったようだが、今再び反日の証として韓国国民を元気づける意味合いで秀吉を文大統領が煽っているようだ。

 しかし、今日決めた措置は決して不当なものではなく、これまで韓国が1965年に日韓請求権協定で解決した問題をなし崩し的に守らなかったり、2015年には日韓政府合意で最終的解決と謳いながら、韓国はそれをまたも守らず新たな問題として元徴用工問題を持ち出してきて賠償を命じたり、それでいて日本が要望している2国間協議や仲裁には応じようとしない。その他にも韓国海軍艇の自衛隊機に対するレーダー照射問題も証拠があるにも関わらずやっていないと言い張り、話し合いを申し出ても受け入れてもらえず、日本は不誠実な限りをされている。

 韓国側の言う元徴用工問題に対する報復ではなく、しびれを切らした日本政府がこれしかないと睨んで切ったカードである。アメリカ政府も日韓両国間の対立を懸念しているが、いかにアメリカが仲介しようとも日本が、韓国をホワイト国から外すという措置はアジアで唯一当該国になっていた特権待遇を確実に守らなかったために、他のアジア諸国と同じレベルの待遇にするということで、決して韓国を特定して条件を悪くするとか、痛めつけているわけではないことは明白である。日韓両国の関係悪化は、両国間はもちろん世界的にも大きなマイナス要因であるが、現状では解決への道筋が見えない。

 この措置に対する経済産業省が公募したパブリックコメントには、4万件余の意見が寄せられたが、賛成が95%で圧倒的で反対はたった1%だったことに国民は日本政府の決断を支持していることが分かる。いずれにせよ困ったことになったと思っている。

2019年8月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4463.2019年8月1日(木) 今年も人間ドックを受診

 今日8月1日は陰暦で八朔という、一般的にこの日農家でその年の新しい穀物や豊作をお祝いする慣習があった。江戸時代には徳川家康が江戸入府をした日として毎年諸大名、旗本が白帷子を着て登城し将軍にお祝いを述べた。吉原では遊女は白小袖を着たと言われている。それにしても8月に入った今日も暑い。都内では35℃と今年初の猛暑日となった。

 この暑い中を、毎年恒例となった人間ドック受診のために慶応病院へ出かけた。病院から今年は80歳になったので、付添人が必要と言われ妻を同道することになった。暑さを警戒して往復ともにタクシーを利用してしまった。

 型通り内視鏡検査や上腹部MRIなど標準ドック検査を午前中に終えて、午後妻ともども女医さんから検査の結果と対策について話を伺った。一番注意されたのは、体重が年々増えているのに、運動不足であるということだった。左目の視力が落ちていて白内障が進んでいると先日眼科から指摘されたので、その点については今日の数値を基に眼科と改めて相談して欲しいとのことだった。更に近年消化器内科の大腸の検査を受けていない点について話し合い、来る8日に当病院でポリープを検査してもらうべく予約をした。年々歳々少しずつ身体が弱ってきている。ただ、過去2年は前立腺が要注意と言われたが、今年は昨年のような要注意の兆候はなかった。

 11階のレストランから外を見ると来年オリンピックのメイン会場になる国立競技場の全体像がよく眺められた。来年受診の際は、オリンピック開催中でさぞ賑やかなことだろう。

 さて、昨日の朝刊紙面にトランプ政権の米軍駐留経費負担増額という対日強硬要求が、益々エスカレートしていると書かれていた。朝日は昨日のトップから、今日は肩の記事の扱いである。

 このトランプ大統領の同盟国への圧力は、来年行われる大統領選への自分自身の実績強調のためである。この強引な経費負担増は、これまでの常識からも大きく逸脱している。しかも事実を意図的に大きく間違えている。日本が米軍の経費を3割しか負担していないとトランプ氏は喚くが、事実は日本としては74%も負担していて、ドイツの32.6%に比べれば負担し過ぎなくらいである。取れるところから取るというのが、トランプ氏の腹だろう。安倍首相も日米同盟を強調するあまり、巧妙につけいれられていることに少しは気づいて欲しいものである。

 あるアメリカの政府関係者がこう言っているそうである。「トランプ氏は負担増の要求を受け入れられる金持ちで、しかもトランプ氏にノーと言えない国をターゲットにして搾り取ろうとしている。それが日本だ」。

 政府関係者はとても無理な注文と言っているようだが、親分の安倍首相もゴルフや、相撲の接待も結構だが、日本の実情をのぼせ上ったトランプ氏にもっと言ってやる必要があると思う。首相は足元を甘く見られているのではないだろうか。

2019年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4462.2019年7月31日(水) 自らの損得しか考えない議会新会派

 10日前に参議院選挙が終わった後、各党が選挙の結果を踏まえてそれぞれ独自に動いているが、その中で予想外の成果を上げた2つの新党の動向が注目を集めている。

 そのひとつは、比例区で社民党を上回る4.55%の得票率を得た「れいわ新選組」である。特に注目されるのは、特定枠で2人の身体障碍者、舩後靖彦と木村英子両氏が当選したことである。この2人の身障者当選により参議院ではこれまでの慣例を壊して新たに2人の専用施設を作り直すことが数々行われて世間の目を引いている。2人は自分ひとりでは議員としての活動が出来ないために、付添人を同行させ、車いすの使用により議員席や議事堂内の障害物のバリアフリー等々大工事が行われている。しかし、これら費用がかかる工事が行われることによって国民の注目度が高まり、身体障碍者への関心と理解が広く深まることになれば、これは是とすべきである。

 もうひとつ注目を集めたのは、「NHKから国民を守る会」代表・立花孝志氏が当選したことである。気になるのは、たった1人では活動しにくいとばかり、代表自ら同志集めに猪突猛進し無所属議員を次々アタックして同党への入党を誘っていることである。資金ひっ迫に困って、こともあろうに先般北方領土問題で物議を醸す発言をして所属する日本維新の会を除名された丸山穂高・衆議院議員を入党させ、更に昨日は元みどりの党代表の渡辺喜美・参議院議員と合意して会派「みどりの党」を組むことになった。売名もあろうが、会派を結成することにより資金的に豊かになるメリットがある。参議院から車の提供を受け、議員ひとり当たり年間780万円の立法事務費が与えられる。このなりふり構わぬ動きに対して各界から批判がでているが、立花代表は数は多ければ多いほど良いと意に介することなくマイペースである。しかし、会派を結成してもワン・イシューと呼ばれるように、NHKをやりこめること以外はそれぞれ自由だと言うし、渡辺氏のようにNHKに対してそれほど考えたこともないという無責任な発言をするようでは、烏合の衆になりかねない。こういう選挙民のことを考えずに特別な思想もなく自分の好き勝手に行動する議員をよくよく監視しないと、日本の議会は益々おかしな方向へ進んでいくのではないだろうか。

2019年7月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4461.2019年7月30日(火) シベリア収容の遺骨は日本人ではない。

 シベリア抑留中に亡くなられた日本人の遺骨16人分が、実際には日本人のものではないことがDNA検査の結果判明した。これは少々お粗末だと言わざるを得ない。5年前ザバイカリエ地方のロシア人村長の言葉を信用して同地の埋葬地から掘り出し、日本へ持ち帰った遺骨はそのまま日本に留め置かれたままである。もし再びロシアへ戻されるなら遺骨となったそのロシア人たちと彼らの遺族の気持ちは堪らないだろう。

 どうしてこういう理不尽なことが起きるのだろうか。10年前にフィリピンでも同じようなことがありフィリピンでの遺骨収集事業は8年間中断された。1952年に太平洋戦争戦没者遺骨収集事業が始まった当座は、1か所から多くの遺体や遺骨が収集された。そこには戦没者の名前が確認出来る証拠のようなものがあった。多くの関係者の間でそれらの遺骨はすべて日本人であると認められて日本へ持ち帰られた。名前の判別出来る戦没者の遺骨は遺族に引き渡され、そうでない遺骨はそのまま千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ埋葬された。

 今度のケースのように最近発見される遺骨は、日本人であるとの確認が難しくなり、DNA検査が実施されない場合は、このように間違えられることが起こり得る。今後は明らかに日本人のものであることが分かった場合を除いてDNA検査を実施する必要があると思う。

 1992年にシベリア、サハリンを訪れた時、ザバイカル近くのチタ、イルクーツクなどの日本人墓地を見学したが、それらはきちんと整備されていて杜撰な印象はなかった。今回は日本から鑑定人を同行させなかったことが失敗だったと思う。難しい点は多々あると思うが、戦争に命を捧げた人たちの遺骨に関わることであるだけに、多少時間がかかっても敬意を払って慎重に作業を進めなければ、異国の戦地で尊い命を落とされた戦没者も浮かばれないと思う。

 さて、その戦没者遺骨収集事業を管轄とする厚生労働省が、今日日本人の平均寿命を公表した。女性87.32歳、男性81.25歳である。世界長寿番付では男女とも香港がトップで、日本人女性は第2位、男性は3位である。私は80.75歳なので平均よりほんの少し若いが、残り半年でちょうど平均寿命になる。一昨日兄が82歳の誕生日を迎えたので、祝福のメールを送ったところ母方祖父は87歳、父は93歳まで頑張ったので、時代の変化もあり父より10年は長生きするつもりだと意気軒高の返事をもらった。父より10年長生きというと優に百歳を超える。大丈夫かなぁ?  でも、その意気や佳しと言っておこう。

2019年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4460.2019年7月29日(月) 安田純平氏の身柄拘束と開放

 今日関東地方でも漸く梅雨が明けたと気象庁が発表した。昨年より30日遅いという。都内の気温は今年最高の33.7℃だったが、北関東方面では激しい雷雨もあったようだ。どうも今年の天候はひねくれている。

 さて、先月30日にフジ・テレビで放映の興味深そうなドキュメント番組が放映されたので録画しておいた。そのドキュメントとは、フリー・ジャーナリスト安田純平氏の身柄拘束と開放を扱った「デマと身代金」だった。安田氏は昨年10月シリアで身柄拘束後3年4か月ぶりに開放されたが、その折日本政府が身代金を支払ったのではないかとの風評やデマが飛んで、ネット上には安田氏への誹謗中傷が数多く寄せられた。これに対して安田氏もかなり悩んで、この2時間近い番組でも気持ちを打ち明けて、何とか誤解を払拭したいとの心意気が表れていた。

 安田氏開放に即して昨年11月、私自身のヨルダンでの身柄拘束を絡めて、安田氏の身柄拘束と開放について箱根ロータリークラブの卓話でスピーチの機会をいただき話したことがある。世間では「自己責任」という名の下に、個人で行動して不運にも身柄を拘束されると鬼の首でも取ったように身勝手な行動だとして当該者を厳しく非難する傾向がある。真実や、得難い情報を得ようとして大手メディアが記者を派遣しようとしないところへ積極的なフリーランサーが飛び込もうとする行動についても、やれ「無責任」とか、「身勝手」「自己責任」などと冷淡な言い方をされることが多い。拘束中は安田夫人にもいろいろプレッシャーがあって、国内外から解放の仲立ちをしたいとの売り込みや申し出が度々あったそうである。結局安田氏が日ごろから解放の仲介は絶対断るとの意志が固かったので、その誘いに乗ることはなかったが、冷やかしや、悪意のある情報が多かったという。

 それにしても人の苦しみにつけ込むネット上の身勝手な言い分には心が痛む。録画像では安田氏が幽閉された作画を見せていたが、心身ともに追い詰められた場面を見せられる都度苦しかったであろう心境に同情したくなる。それでも芯からジャーナリストである安田氏は、この苦境を乗り終えて再び真実の取材のために海外へ出ようとする。

 先日安田氏は新たに旅券を申請しようとしたところ、外務省はそれを拒絶したという。安田氏が海外で再び身柄を拘束されることを恐れたのだろうか。安田氏は個人の海外渡航の権利を妨害されたとして訴えると述べていたが、いつもながらケツの穴の小さい政府の対応である。これでは、現場で臨場感のある情報が益入手出来なくなるのではないか心配になる。

2019年7月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4459.2019年7月28日(日) 小学校のクラス会に出席

 再来年開校150周年を迎える母校・千葉市立幕張小学校のクラス会「和会」に出席のためクラスメート10人が午後6時JR柏駅に集まった。今年1月以来だから半年ぶりの再会である。会場は駅近くのホテル内の中華料理店である。昨日と今日柏市内はお祭りで、駅前は人が溢れ人だかりを掻き分けながら前進する始末である。青森のねぶた祭の出し物まで登場していた。小学校が千葉市内にあるのに、遠く離れた柏市内に集まったり。近年同年齢の集まりは夜間を避けて昼間に集まるケースが多いが、この「和会」はこのところ毎度夜集合である。それはずっと幹事役を務めてくれている高橋繁くんが、柏市内に住んでいることと、最近彼が脊髄狭窄症であまり遠出が出来なくなったからでもある。

 ともかく卒業したのが、68年前だから今や80歳と81歳の好いジジ・ババの集まりとなってしまった。皆昔の性格や個性は変わらないような気がする。昨年も常連の女性がひとり他界した。元気印の女性だっただけに、殊更寂しく感じる。恩師・湯浅和先生去って早や35年である。いつまでこの「和会」が続けられるだろうか。続けられるうちは何としても参加し続けるつもりである。

 さて、今朝の朝日新聞フロント・ページに「2人のヨシコ 運命分けた紙1枚」と興味深い記事が掲載され、別ページの全面に事細かに2人の経歴や実績が紹介されていた。2人の女性とは、女優・歌手で参議院議員を3期務めた李香蘭こと山口淑子と戦前「東洋のマタハリ」と言われた女スパイの川島芳子だった。1枚の紙とは川島芳子が戦後日本人養女として育ったが、それを証明する公的書類がなかったために、中國人でありながら日本の侵略行為に協力した売国奴として処刑された理由となった証明書のことである。

 ふたりとも戦前派の人たちにはよく知られ懐かしさを以て想い出されているのではないかと思う。私にとっても何となくノスタルジックに想わせてくれるふたりである。山口淑子が李香蘭の芸名で主演して映画「支那の夜」をヒットさせ、歌謡曲では♪夜来香♪などを歌いヒット曲となった。戦後彫刻家のイサム・ノグチと結婚して話題を提供したが、その後別れて外交官大鷹弘氏と再婚された。政治家への転身も大鷹氏の影響があったのではないだろうか。

 川島芳子については、ビルマ慰霊団に付いていく度に団員の方々から話を聞かされ、幻想の人のように思っていた。2人ともに家庭的には恵まれなかったようだが、戦時中には頼もしく憧れの女性と羨望の眼で見られていた。

 ふたりは、戦時中の厳しい中を反日感情の高かった中国で活躍したのには、それなりの人知れぬ苦労があったことと察せられる。

 現代のようにすべての面で恵まれるようになるとこういう人たちのことは忘れられがちであるが、時にはこのような企画を紹介して厳しかった時代を振り返ってもらいたいものである。

2019年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4458.2019年7月27日(土) 小田実さんについて想う。

 24日付朝日新聞「時代の栞」に「何でも見てやろう」の著者小田実について同書、及び小田の行動について紹介している。私自身同書ばかりでなく、小田の思想・哲学・行動に強く惹かれ影響を受けた。それだけに留まらず、私自身の海外武者修行は小田に大きく影響された。2004年にギリシャ政府観光局長賞に拙いエッセイを入賞させてもらったのも、投稿の動機が小田のアクロポリス観に感化されたからである。2007年に小田は75歳で亡くなられた。青山葬儀場で行われた葬儀に私も参列し、その後小田を追悼するパレードに参列したが、それが翌日の朝日朝刊に写真付きで取り上げられてしまった。いろいろな意味でいつまでも忘れられない人である。

 この「時代の栞」記事に小田と親しかった同じべ平連仲間の小中陽太郎さんがコメントしている。その感想を小中さんにメールで送ったところ、小中さんを取材した大内悟史記者から昨日私宛にお礼を兼ねて記事のオリジナルを送って来られて驚いたところである。小中さんが大内記者に連絡したらしい。

 昨今のドキュメンタリーには、小田作品のように読み始めた時に感じるわくわく感があまり感じられない。その点で小田の臨場感あふれる著書や、信念の篭った行動にはなにがしかのエネルギーと圧倒されるような迫力を感じたものである。

 現在80歳代の高齢者冒険家のドキュメントをメディアへの批判を込めて書いているところだが、そこでも少し小田について触れている。小田のような論理的にも納得出来て、行動力も評価できる人はそうめったにいるものではない。実に惜しい人を失ったものである。生存されておられたらトランプ大統領観を小田さんに伺いたいところである。

 さて、昨日から奈良にいる長男が出張の序に我が家に滞在し明日帰るが、今年は我々夫婦にとって金婚式に当たるので、夕食をごちそうしたいという有難い申し出があったので、今夕深沢不動尊近くの和食料理店「田」で美味しい和食をご馳走になった。お店から金婚式祝いまでいただいてしまった。息子も家族そろって健康でいてくれることが嬉しい。奈良に自宅を構えて京都市内へ通勤しているが、いつまでも元気に活動して欲しいと思っている。

2019年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4457.2019年7月26日(金) 韓国、WTOへ日本提訴も空振り

 とにかく今年の夏は雨続きで今週に入ってから漸く夏らしく蒸し暑くなってきた。九州、西日本地区では漸く梅雨明け宣言がなされた。そして、都内ではこの数日夏日となったと思いきや、小笠原諸島近海に発生した熱帯性低気圧が台風6号となって、明日から明後日にかけて関東地方を襲うという予報である。明後日は柏市内で小学校時代のクラス会が催されるが、悪天候がやって来ないことを祈るばかりである。

 さて、現在日韓関係に亀裂が生じて過去最悪の状態に陥っている中で、現時点における最大の懸案事項は、韓国が主張する日本政府による韓国への半導体輸出管理強化が、経済面で世界的影響を与えるとして「日本はWTOルール違反を犯した」と世界貿易機関(WTO)へ提訴したことである。

 一昨日閉会した世界貿易機関(WTO)理事会へ日本が韓国に対して半導体などの製造に使う材料の輸出規制を厳しくしたことを元徴用工訴訟判決への報復だと反発して韓国から提訴された問題について、日韓両国が主張した他にはいずれの国からも発言はなく、当事国である日韓両国で協議することになった。結局韓国の空振りのような結果となった。

 しかしながら、問題はそのまま先送りされただけで、根本的な解決には至っていない。

 そもそも戦前の植民地政策に基づく歴史問題が両国間には長く引きずられてきた。1965年の日韓請求権協定でそれらはすべて解決済みと両国が了解した。その後旧従軍慰安婦問題が持ち上がって来た。しかし、これも2015年12月日韓合意の締結により日本の寄金による旧従軍慰安婦助成のための財団を設立することによって、旧従軍慰安婦問題を解決すると最終的な解決を約束した。

 しかし、現在の文在寅政権になって、韓国はこの国家間の約束を無視して旧従軍慰安婦問題を蒸し返している。これではいくら国家同士が話し合いをして解決策を見出しても、一方的にそれを反故にしているようでは、永久にこの問題は解決しないだろう。

 韓国にはかつて「韓国は法治国家か」と疑問を呈した梁承泰・前最高裁長官のような気骨のある人物もいた。彼は「人を罰する材料を探し出すための捜査は法治国家を破壊し、憲法に反する。それこそ権力の乱用だ」と国家の在り方を厳しく批判した。今の文大統領は、このような理念を持ち合わせていないのだろうか。

 この問題で日韓両国には、日本商品不買運動や、交流の中止など思いがけないマイナス要因が発生している。特に両国間のチャーター便飛行が中止されたり、新潟県や、神奈川県大和市の中学生派遣による文化交流が直前にキャンセルされて折角事前準備に当たって来た関係者を失望させている。国家レベルの対立が、一般国民の文化交流まで妨げるようなことは断固あってはならない。政治家はよくよくこの点を心しなければならないと思う。

2019年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com