4654.2020年2月8日(土) 日本製鉄、赤字決算で一部製鉄所閉鎖

 かねてより鉄の景気が良くないと聞いていたが、鉄鋼最大手の日本製鉄が生産体制の縮小を発表した。明治以来我が国の産業、特に重厚長大産業のリーダーとして日本経済を引っ張り多大な貢献をした、日鉄が呉製鉄所を23年9月に閉鎖し、和歌山製鉄所の高炉2基の内1基を22年9月に休止すると発表した。製鉄所とともに共存共栄を図ってきた地元にとっては大きなショックである。

 日本製鉄と言えば、私にも八幡製鉄へ入社した高校の同期生がいる。とても手の届かない憧れの大企業だった。それが富士製鉄と合併して新日本製鉄となり、その後住友金属と合併して新日鉄住金となった。昨年4月に新社名を日本製鉄に変更した。来る4月には日新製鋼と合併するという。発展していたと思っていたら、昨年度は2,511億円の黒字決算だったが、今年度3月期決算は4,400億円の赤字の見通しだという。時代の流れとともに産業構造が変わっている。日本を代表する重厚長大産業が停滞するのは何となく寂しい気がする。

 さて、4日今年11月のアメリカ大統領選挙の候補者選びとして民主党でトップを切ってアメリカ・オハイオ州の民主党党員集会が開かれたが、集計ミスがあって、即日結果が決まらず2日も遅れて決まった結果は、意外や意外でブティジェッジ・前サウスベント市長が得票率26.2%でトップ、次いで26.1%でサンダース氏、以下ウォーレン上院議員18%、バイデン前副大統領15.8%だった。オハイオ州で勝ってその勢いを駆って突っ走るのが通例だったが、だれもその勢いには乗れず、この混戦模様は有力候補者のいない民主党の苦悩を象徴しているようだ。

 これを見てライバルが苦戦するのを楽しみにしている共和党のトランプ大統領は、ほくそ笑んでいることだろう。そして、弾劾裁判で無罪と出たこともあり、性格むき出しのやり方で評決の際不利な証言をしたビンドマンEU駐在大使らに対して更迭という厳しい報復行動に出た。メディアや元検察官らが、この更迭人事を報復行為として強く非難している。

2020年2月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4653.2020年2月7日(金) 新型コロナウィルス死者、636人に

 横浜港に停泊中の大型クルーズ船乗船客から、今日新たに41人の新型コロナウィルス感染者が判明し、直ちに病院へ搬送された。これでクルーズ船乗船客の感染者は61人になった。また、今朝武漢から政府チャーター機第4便で198人が羽田空港へ帰ってきた。これで4便併せて763人が帰国したことになる。この中に感染者がいるかも知れない。

 一方中国国内では、感染者は3万人を超え死者の数は636人となった。市民は益々外出しなくなり、国内いたるところで街はゴーストタウン化している。その中心都市・武漢市では、感染に関する別の騒ぎが持ち上がっている。

 昨年末に2003年に流行したSARSの陽性反応が出た患者がいることを知りSNSで感染拡大への警鐘を鳴らした医師が、警察に呼び出され訓戒処分を受けた。そして間もなくしてその医師が新型コロナウィルスに感染したことをネットへ流した後、医師は今朝未明に亡くなった。今日中国で警察や治安当局への抗議が寄せられている。医師はまだ新型肺炎が原因不明で公表前だったことから、警察から「デマを流した」として処分されていた。

 今回の新型肺炎騒ぎでは、中国政府の初期対応の遅れが非難されているが、地方レベルでも適切な対応がなされず、国民の間に不満がわだかまっている。中国全土から1万人以上の医師が支援にかけつけた一方で、対応に当たる看護師ら医療従事者が2千人以上も不足しているという。

 経済界にも大きな影響を与えている。中国に4つの工場を持つトヨタ自動車は、これら工場の再開を17日以降に延期することを決めた。ホンダ、日産は武漢市やその郊外にある工場については再開の見通しが立っていない。

 一番困るのは、多少なりとも収束の見通しがあれば良いのだが、未だに影響拡大のニュースばかりで一向に収まりそうもないことである。SARSの時はどういう収束の様子だったか、覚えていないが、1日も早い収束を願うばかりである。

 さて、先日俳優宍戸錠さんが亡くなり、先週は歌手の梓みちよさんが亡くなった。お会ししたことがなくとも、その名と活躍ぶりを知っている人がこの世から去ることは寂しいことである。昨日はアメリカでカーク・ダグラスが103歳にして天へ召された。♪Oh Kay~ Oh kay~♪とあの威勢の好いテンポで始まる主題歌が流れると何となく興奮を覚えた「OK牧場の決闘」が懐かしい。

2020年2月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4652.2020年2月6日(木) トランプ大統領、弾劾裁判無罪

 こう毎日新型コロナウィルスの暗い話題がトップ・ニュースで登場するようでは、お先真っ暗である。今日も横浜港に停泊しているクルーズ船乗船客から、昨日に続いて10名の感染者が確認された。一方、香港を出た別のクルーズ船が感染者が出し台湾で入港を拒絶され、そのまま香港へ戻った。また、香港発で近く日本に入港予定のクルーズ船「ウエステルダム号」に乗船している外国人について、日本政府は入管難民法に基づく入国拒否を決定した。近年クルーズが人気を高めて外国はもとより、日本を出入りするクルーズ船が増えた。

 かつて、ストックホルムからヘルシンキまでシリア・ラインに、妻とエーゲ海クルーズを、最近では一昨年のクリスマスに神戸港から横浜港まで「にっぽん丸」クルーズを楽しんだが、空の旅や陸の旅とは大分雰囲気が異なり旅の神髄を味わったものだ。ただ、狭い船室と行動範囲が制限されることが、些かのストレスとなったことも多少はある。夕刊でもクルーズがこれほど感染に弱いとは、と驚きの表現をされていた。

 発生元の中国では今日死者が565人に、感染者は2万8千人を超えた。このまま収束の方向へ向かわなければ恐ろしい事態も予想される。

 しかし、これが工場閉鎖など経済を減速させているとして数日前には世界の株式市況が大きな打撃を受けたにも拘わらず、今日各国の証券市場は反転大幅な伸びを示した。中国の産業は春節が終わっても休業状態のところが多い。だが、日経平均株価は3日連続で大幅に伸び、今日の終値は前日より554円も上がり、終値は23,873円だった。ダウ平均も対前日比1.68%アップして483㌦も上昇した。更に感染の発生地である中国上海市場ですら、50A株指数が1.49%も上がっている。何がこうさせるのか良く分からない。

 さて、経済の好景気を自らの実績であると誇らしげに一般教書演説を行ったトランプ大統領は、今日弾劾裁判で無罪が決まった。判決後、これまで「魔女狩り」と民主党を批判していた大統領は、「でっち上げの弾劾裁判に対する我が国の勝利」と裁判は正当だとツィッターで述べた。だが、一点のやましさもないと言うには、疑念が多すぎる。ウクライナ大統領に怪しげな電話をかけて、バイデン前副大統領へ圧力をかけるようなことをやったことは事実のようだし、結局多数を占める与党共和党の得票で弾劾されずに済んだ。例え無罪であるにしても、今後大国アメリカのトップとして活動するには、人間性や行動面において首を傾げざるを得ない。アメリカも大変な人物が、大統領になったものである。

2020年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4651.2020年2月5日(水) 豪華客船から新型コロナウィルス感染者

 新型コロナウィルスの感染が驚異的な勢いで広がり、今日新たに香港から横浜港へ入港していた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号内で集団感染があったことが判明した。乗船客3,711人の内検査結果の出た31人の中から10人もの感染者がいたことが分かった。残りの乗客からどのくらいの感染者が出るのかまったく予測出来ない。この10人は下船させられて病院に搬送されたが、他の乗船客は2週間に亘って狭い船内客室に閉じこめられる。部屋から出ることも出来ず、食事も届けられるものを自室で食べることになる。船室に窓がない船室では、息の詰まるような生活を送ることになるだろう。

 中国では、すでに490人もの死者が出ている。政府としても懸命に後追いの対策を実施しているようだが、とても感染防止が追いついていない。中国政府への忖度からWHOの「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言が遅れたり、中国から経済支援を受けているインドネシアやカンボジアでは、中国人の往来が多いにも拘わらず感染者がゼロなのは中国のイメージダウンを避けるための作為ではないかと疑念を表されたり、ともかく終息の見通しはまったく立っていない。半年後の東京オリンピックとパラリンピック開催にも影響が出るのではないかと心配する声も出ている。今後日本国内で感染が広がらなければ、良いのだが・・・。

 さて、昨日(日本時間)行われたアメリカ大統領選民主党党員選挙で集計ミスが判明して、即日結果が分かる筈のところ、今日現在でも中間結果でしかない。この中間発表で予想に反してブティジェッジ前サウスベント市長がトップに、次いでサンダース議員が得票率を稼いだことである。前評判の良かったバイデン前副大統領は4位だった。口の悪いトランプ大統領は、この際とばかりツィッターで民主党大会をこき下ろしている。

 そのトランプ大統領は今日上下両院合同会議の場で恒例の一般教書演説を行い、自らの実績を誇って話し終えた後に、ペロシ下院議長が握手をしようと手を差し伸べたところ大統領は拒否した。その直後、ペロシ氏は演説草稿を破り捨てるという思いがけない行動に出た。お互いに大人気ない所作にテレビ中継を観ていたアメリカ国民はどう思っただろうか。トランプ大統領によってアメリカ大統領の質も落ちたが、アメリカ議会の質も大きく劣化した。アメリカ国民の質も劣化したと言うべきだろうか。仮に11月の大統領選でトランプ氏が大統領に再選されるなら、アメリカは経済力で世界のトップであろうとも、世界のみなしごになり、まともな国はアメリカからどんどん気持ちが離れていくだろう。

2020年2月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4650.2020年2月4日(火) 高校時代の親友と恒例の食事会

 毎年この時期に藤沢市内で高校時代の親しい同級生とランチを取りながら雑談を楽しんでいる。この食事会を何年か前に6人が集まる「6勇士の会」と勝手に名付けた。ところが、皆81歳になって、情けないことに勇士らしからぬ健康状態となってしまった。この数年欠席のK君は、足が悪く歩けなくなり外出出来なくなった。今日集まった5人もそれぞれ完全な健康状態ではなく、T君は軽い脳梗塞に襲われ緑内障に罹り今日も病院帰りで遅れてやってきた。Ya君は腎不全になって3日に1度点滴のため病院へ通っている。M君は腰を痛めていて、確かに歩く時は背が曲がっている。幹事役Yo君の身体には金属が3つも入っている。そして私はと言えば、これという大きな傷害も病もない。左目の白内障が進んでいる程度で、彼らに比べれば軽い方だ。そこで一番健康そうな勇士は、ラグビー部員だった私ということで一致した。そうだろうかと思いながら友人たちを見てみれば、確かに他の友人たちより元気そうに見えるかも知れない。

 卒業後63年になる同じ高校で学び、遊んだ昔の面影はもうあまり残っていないが、6人のうち2人は大学卒業後銀行へ、他の4人はそれぞれ証券会社、百貨店、損保、鉄道会社と道は分かれたが、それぞれその道で定年まで勤めあげた。何かの時には相談に乗ってくれる頼りになる存在である。いつまで続けられるか分からないが、出来る限り「6勇士の会」を続けたいと考えている。

 さて、4年に1度行われるアメリカ大統領選のための民主党党員集会が、全米でトップを切ってアイオワ州内1,700か所で始まった。今回民主党は候補者を絞り切れず、11名の候補者が名乗り出たが、有力候補者として、バイデン前副大統領、サンダース上院議員、ウォーレン上院議員、ブルームバーグ前ニューヨーク市長、ブティジェッジ前サウスベンド市長らの名が挙げられている。

 ところが、投票後にシステムをめぐるトラブルで集計結果が一向に判明しない異例の事態となった。集計作業は大幅に遅れ、党員集会の開始から5時間以上がたっても集計の結果は一切、発表されない有様である。現地では深夜になっても集計結果が出ない事態となってしまった。アイオワ州の結果は候補者選びの行方を大きく左右すると全米の目が注がれていたが、一向に結果が判明せず、政権奪還を目指す民主党は出だしからつまずく形になった。今夜になっても結果は分からない。本番になってこんな醜態を曝け出しているようでは、民主党はトランプ共和党に勝てないのではないかと不安になる。

2020年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4649.2020年2月3日(月) 新型コロナウィルスの影響甚大

 新型コロナウィルスの感染拡大による影響は底なし沼のようだ。中国における感染者は2万人に近づいてきた。死者も361人となった。日本国内でも感染者はすでに20人である。静岡県富士宮市では、市の初めての企画で来月高校生15人を中国・上海市及び紹興市へ派遣する準備を進めて、高校生も意欲満々だったようだが、計画を中止することになった。気の毒なことであるが、厳しい現況から考えればやむを得ないのかも知れない。

 中国では、延長された春節も昨日で幕を下ろして今日から新年を迎えたが、例年とは大違いのようで仕事に熱が入らないようだ。人の移動も思うようにならず、武漢市を出た市民も自宅へ戻れない状況が続いており、経済活動は下降したままのようだ。投資家はそれを汲んだのか、株式相場が振るわない。上海株式市場は大きな影響を受けて対先週末-7.7%だった。これは日経平均株価が、233円も下がって-1.01%である事情を考えると上海の相場は、約1,800円も値下がりした勘定になる。中国経済に与える影響も大なるものがあるようだ。

 そんな折、国内ではほんの1週間前に山形県で老舗のデパート「大沼」が突然破産宣告した。先月27日にテレビで唐突に報道され、慌てふためく店員の姿が何とも言えず哀れを誘った。191人の店員は破産の前日26日の終業後、全員呼び出されてその場で唐突に破産と翌日からの閉店を通告されたという。従業員は退職金もなく、次の就業先も決まらないまま、露頭に放り出されたのである。閉店した27日店舗のシャッターに張り出された「昨日限りで閉店」の張り紙を見た市民がびっくりした。

 投資ファンドから派遣された社長の従業員への通告には、謝罪とか、今後の生活への支援などは話されず、自分たちは精一杯やったが、破産しか選択肢はなかったなどと言い訳三昧に終始した。こんな無茶な破産、残酷な解雇の話は現実に聞いたことがない。ネットで調べてみると創業家の資産は確保されたという。創業が元禄13(1700)年で県内唯一の百貨店「大沼」は320年の歴史に幕を降ろすことになった。恐らく創業者も泉下で泣いているだろう。毎年赤字を出しながら積極的な営業対策を打てず、従業員の退職金の積み立てもせず、この破産劇は顧客や従業員もまったく知らぬ間に経営者の一存で決められた。経営が順調ではなかったようだが、取引銀行である山形銀行との協定も経営側にとっては、得心出来るものではなかったようだが、それにしてもあまりにも突然の無慈悲な破産通告だった。後顧の憂いを残すことになった。明日は立春だが、「大沼」の従業員には春はやって来ない。

2020年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4648.2020年2月2日(日) 音声を発する迷惑?行為

 今日の朝日日曜版別紙「GLOBE」に「迷惑という迷宮」としていろいろなタイプの騒音について興味深く取り上げている。イの一番に取り上げているのは、韓国の子どもの遊ぶ声であり、二番目にスイスの山村の教会の鐘の音だ。他にもサッカーの盛んなドイツで、サッカーの発する音が騒音と捉えられ近所迷惑と受け取られるケースなどである。

 今や高音や、雑音、轟音は町のそこら中から聞こえてくる。先日もテレビで都内の住宅街にある公園の「禁止看板」について放映していた。都会では子どもたちの遊び場が徐々に失われて、子どものころ外で遊びまわっていたことを考えると近ごろの子どもたちが可哀そうに思える。韓国の子どもを取材した記事では、市内のところどころに「ノーキッズゾーン」と書かれた看板が見られるという。韓国では、子どもが騒ぐような行動を「ミンペ」と呼ぶようだが、元々の漢字は「民弊」と書き、日本語の「迷惑」の意味に近いという。子どもの嬌声や泣き叫ぶ声に対して、迷惑だと文句を言っても始まらないだろう。

 スイスの例は、小さな村の教会の時を知らせる鐘の音が、うるさいという苦情だから狭い村で物議を醸すのも当然かも知れない。ただ、朝6時から15分ごとに鐘を鳴らされたのでは、実際ゆっくり眠っていられないという村人の気持ちも分かる。今非イスラム国でイスラム教の礼拝で流れて来るアザーンが問題になっている。オランダでは近年イスラム系の人が増えて、アザーンに慣れないキリスト教徒から苦情が出ている。

 悪意ではないにしてもこれまであまり問題視されなかった音声が、今では迷惑だと敬遠されるようになっている。どうしても音が出ることとその迷惑行為に対しては、どこまで音量が許されるのか当事者同士の配慮と我慢について話し合いをするより仕方があるまい。

 1966年初めてジャカルタに宿泊した朝、窓から流れ入って来たアザーンには何とも言えない気だるいような印象を抱いた。しかし、その後他のイスラム国でしばしば聞いているうちに慣れてしまい、これはイスラム教の習慣だと思うとほとんど気にならなくなった。これも慣れだと思う。近年聞いたこともなかったような音声に出くわして、それに溶け込めないからと言って、かつては気にもされなかった子どもの声が排斥の対象になるとは時代も変わったと思う。と同時に、子どもの声に目くじら立てる大人たちが増えたことは、他人に配慮するとか、他人を思いやる気持ちが失われたということである。「おもいやり」がなくなったということを考えると寂しい限りである。

2020年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4647.2020年2月1日(土) コロナウィルスにWHOが緊急事態宣言

 中国・武漢市で発症した新型コロナウィルスの流行と感染が収まるどころか益々拡大して、各国とも国としての対応が注目される事態になっている。日本からはすでに武漢在住者を帰国させるために3機の政府チャーター便が派遣された。帰国した人々の中にも一時的に病院や国営の施設に隔離されている人もいるが、その中から発症者が現れた。武漢から来た団体のバス・ドライバーとガイドが感染して「ヒト・ヒト感染」も現実に現れ、国内の感染者もすでに20人になった。政府は、感染者から「ヒト・ヒト感染」による2次感染から守るため水際作戦として、2週間内に武漢市のある湖北省に滞在していた外国人と、湖北省発行の旅券を所持する中国人は当分の間日本入国を拒否すると発表した。

 今回の騒ぎで注目されるのは、スイスに本部がある世界保健機関(WHO)の遅い対応、緊急事態宣言の発表である。中国側の資料と説明が充分でなかったにせよ、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言が、今か今かと待たれる中で昨日になって漸く発せられた。宣言が発せられる前にしびれを切らしたアメリカ、オーストラリアなどは、日本同様に中国からの入国を拒否すると発表した。宣言が遅れたのは、テドロス・アダノムWHO事務局長が過大に中国の内情に忖度して、直前に中国を訪問し、習近平・国家主席や王毅外相らに会って中国の対応を称賛する猿芝居を演じていたからだとも伝えられている。

 それにしてもどうしてこれほどWHOは中国に気を遣わなければならないのか。そもそもテドロス氏がWHO事務局長に推薦されたのも、中国から強く推されたからだと噂されている。加えて中国がアフリカ諸国の社会的基盤のインフラ整備に多額の援助をしているが、エチオピアの高速鉄道建設は中国の多額の投資によって完成した。そのエチオピアの外相がテドロス局長だった。しかし、疾風のように荒れたウィルス旋風をそのままにしておけず、やっとテドロス局長は背中で中国へ詫びつつ、国際的には今やこの宣言を受けて対策に注力して欲しいと面従腹背しているようでもあった。

 この宣言が出たのが、やや遅きに失したとの声が各国から出て来るであろう。WHOの対応の遅れで更に被害が拡大するなら、WHO存在の意味を問われるだろうし、その責任も追及されるだろう。その点ではテドロス局長も責任を免れまい。かつてWHOはエボラ出血熱の際にも緊急事態宣言の判断が遅れて国際的批判を浴びた過去がある。中国側のこの騒動が経済活動の影響を及ぼすとの考えから、中国の意を汲み取ったWHOがぎりぎりまで判断を待ったとの印象が拭えない。人間の生命に関わる事象に忖度が過ぎて犠牲者が膨らんだということにでもならなければ良いのだが・・・。

2020年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4646.2020年1月31日(金) イギリス、ついにEUから離脱

 早くも月末を迎えた。今日31日は、イギリスとヨーロッパにとって運命の1日となる日であるかもしれない。昨年来すったもんだの末に漸く今日を期してイギリスはヨーロッパ連合から脱退することになった。

 しかし、今年末まで「移行期間」としてこれまでと同じようにヨーロッパ単一市場や、関税同盟には残留するので、取り敢えず市民生活には大きな影響はない。元々イギリスは、他のEU諸国とはやや異なるアプローチの仕方だった。EU加盟国がいずこも通貨「ユーロ」を使用するのに、イギリスだけは自国通貨「ポンド」に拘り現在もイギリス国内ではボンドが流通している。また、イギリスがEUを離脱するにも拘わらず、かつての大英帝国の中で、アイルランドは唯一EUに留まることになった。イギリスがEUから離脱する大きな理由は、トランプ大統領と同じように保護主義の「自国第一主義」と、流入する移民や難民の存在による。移民に奪われていた雇用を取り戻すことが出来るが、反ってこれは人手不足を加速させることになる。そもそも大英帝国時代に旧植民地から搾れるだけ搾り取って甘い汁を吸っていたしっぺ返しのようなものである。それにしても戦後イギリスの力の衰えと存在感の薄さは哀れなくらいである。今ロヒンギャ難民問題でミヤンマー政府が国際世論の非難に遭ったり、香港の1国2制度が物議を醸しているが、いずれもイギリスの無責任と対応能力の劣化がその原因である。これから年末まで長いスパーンでイギリスの動向を見て行きたいと思う。

 さて、今日も寒い1日だった。実は近年アルコールを飲む機会を意識して減らして自宅ではほとんど飲まなくなったせいもあり、今月は正月2日に次男と自宅で飲んだ1回きりだった。1か月内にたった1度しか酒を飲まなかったのは、わが飲酒経歴上ほとんど記憶にない。アルコール解禁の20歳になっても浪人中の身では酒どころではなかったので、大学に入学して登山クラブに入部してから仲間と夜間山中で飲むようになって以来、今日までそれほど多くはないが、飲み続けてきた。従ってこれまで60年に亘って毎月2回以上はアルコールに浸かっていたと思う。これからは年齢的に健康面を考慮して、無理にアルコールを止めるというのではなく、精々月に数回程度に抑えられたら良いと思っている。

2020年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4645.2020年1月30日(木) イスラエル寄りのアメリカの中東和平案

 アメリカのトランプ大統領が、一昨日ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相同席の下に中東和平案を公表した。パレスチナ側の意向をまったく配慮しない、完全にイスラエル寄りの和平案である。パレスチナ自治政府が受け入れる筈もなく、アッバス議長は馬鹿げていると激しい口調でこの和平案を拒絶した。

 その中東和平案の骨子とは、①パレスチナ国家を樹立し、「2国家共存」を目指す。②ヨルダン渓谷やユダヤ人入植地をイスラエルの領土とする。③エルサレムはイスラエルの首都で、中心部から離れた東エルサレムの一部地域をパレスチナの首都とする。④パレスチナ難民のイスラエルへの帰還は認めない。⑤交渉中は新たな入植地建設を中止する。というものである。

 これだけイスラエルの言い分だけを汲み取ったイスラエルにとって有利な条項はない。イスラエル寄りのトランプ大統領の本音が窺える。

 パレスチナの領土は、ユダヤ人入植地の建設によって分断され、国連やパレスチナ自治政府が主張する1967年第3次中東戦争時の境界線から大きく後退している。

 1967年12月レバノン、ヨルダン、エジプト(当時アラブ連合)、イランなど中東諸国を訪れ、現地の生々しい戦災状況をつぶさに見たが、第3次中東戦争ではイスラエルは、エジプトからシナイ半島、ガザ地区を、ヨルダンから東エルサレムを含むヨルダン川西岸を、シリアからゴラン高原を占領した。シナイ半島とガザ地区はすでに返還されたが、他の占領地はイスラエルが占領したままであり、シナイ高原にはユダヤ人の入植地が建設されている。国連もこの状態を元に戻すことが、現実的な和平へのスタートであるとの立場を取りながら、アメリカの成すがままになっている。

 この和平案に対して従来パレスチナ側へ理解を示してきたアラブ諸国のうち、アメリカと対立しているイランを除いて和平案を評価する声が目立っている。アメリカへの忖度のあまり盟友であるべきパレスチナへ少々冷淡な対応を示している。

 この時期にトランプ大統領が、積極的にイスラエル向きの姿勢を見せたのは、今アメリカ議会で議論されている弾劾裁判や、来る11月に予定されている大統領選で支持者の基盤ともなっているキリスト教福音派へのアピールがあると考えられている。一方のネタニヤフ首相にとっても3月の議会選挙を前に汚職で訴追されており、和平案で逆転ホームランを打ちたいとの思惑があるだろう。

 いずれにせよ何を考えてこんな不公平な和平案を公表したのか理解に苦しむ。当分パレスチナ情勢は好転することはないだろう

2020年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com