4773.2020年6月6日(土) 東京都知事選はどうなるのか。

 新型コロナウィルスの猛威や、それによる東京オリンピック開催1年延期などによって話題としてはやや霞んでいるが、近々4年ぶりに東京都知事選挙が行われる。2週間内の今月18日に告示され、投票日は7月5日である。いつもなら全国で最も注目される知事選でもあり、中央政界の動きも慌ただしくなって、その動静も大きく伝えられるのだが、今回はコロナ旋風にかき消されたような雰囲気である。

 本命と目されている現職の小池百合子知事が、コロナ対策に追われて今以て出るとも出ないとも態度をはっきり示さないことから、全般的な見通しが立っていない。現時点で立候補者として名乗りを上げたのは、過去に2度立って敗れた宇都宮健児・元日弁連会長、立花孝志・NHKから国民を守る党党首、及び小野泰輔・熊本県副知事の3氏である。

 各党は今後の党運営や次期衆議院選をにらんで独自の候補者が敗れるリスクを避けるために候補者を立てないようだ。前回4年前は雨後の筍のように、後から後から候補者が乱立し、実に21人が立候補した。その時自民党は増田寛也・元総務相を独自候補者として立てたが、小池氏に敗れた。同じ轍を踏まないよう今回自民党は独自候補を断念し、党本部と都連との間でぎくしゃくした関係にありながらも公明党ともども小池知事を支援することになったようだ。一方、野党は前回、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏を共同で推薦したが敗れた。今回は野党の内部事情も複雑なようで、立憲民主党と共産党、社民党が宇都宮氏を支援する姿勢を打ち出したが、国民民主党は、小池氏寄りの姿勢を示しながらも、野党3党が共闘を呼び掛けている状態である。告示までどうなるか分からない。

 果たして現状で大過なく投票日を迎えられるかどうかという点が些か気になる。コロナ対策に取り組む小池知事の様子からは、知事選の雰囲気なんぞまったく伝わって来ない。告示日までには立候補の届をして、政策などもはっきり発表するであろうが、現状では態度を明確にせずどうも煮え切らない。

 今年はコロナウィルスもありいつもと様子が変わったので、やむを得ない点はあるが、有権者の立場からは、立候補する以上極力早めに有権者に選挙公約を発表してもらいたい。

2020年6月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4772.2020年6月5日(金) 初めて結婚の証人を務める。

 大学の後輩が再婚することになったが、結婚届書類に証人として署名、捺印をする必要があるとのことで、今日印鑑を持って三鷹まで出かけた。もう1人の証人が大学の先輩で、何と詩人北原白秋の甥御さんである。約束した駅前のカフェーで夫妻と北原さんに会い必要書類に署名、捺印をして、かなり高齢になってから結婚に至った経緯などを伺った。

 夫78歳、妻81歳の姉さん女房という高齢の再婚同士でもあり、年齢的にも敢えて入籍する必要はないのではないかと一部周囲の親族から声があったようだが、よく話したら皆賛成してくれたというのは、筋の通った結婚で本人がありのままの気持ちを親戚の人たちにきちんと説明したからこそ理解を得られたのだと思う。お互いひとりで暮らすより、気持ちの通い合うパートナーとひとつ屋根の下で暮らす方が、どれだけ楽しく充実した後半生になるかは言うまでもない。2人の今後の人生に幸多かれと祈る気持ちである。

 今日は別の意味でも私にも意義があった。左眼が見難くなったとお話ししたら奥様から、白内障なら名医をご紹介できると伺った。しかもその名医の務めておられる病院が我が家から比較的近所の東京医療センターと伺い、ラッキーと感じた。近々近くの眼科で手術する話はあるが、ここは極力早めに紹介していただき名医に手術をしてもらいたいと考えている。

 ところで今日は久しぶりの遠出で、電車に乗ったのも3月中旬以来である。ラッシュ・アワーを過ぎていたので、あまり混み合ってはいなかったが、それでも座席はほとんど乗客に占有されていた。しかし、マスクは全員が着けていた。

 東京都が緊急事態を解除してから感染者が増加する傾向にある。相変わらず、20代、30代の若者の感染者が増え続けている。その原因として考えられるのは、夜の歓楽街、しかも主に新宿地区のようである。営業妨害するようなことになるのは、都としても心苦しいが、今日から夜の繁華街に係員を出して3密環境を避けるよう呼びかけていた。外出自粛は遊びたい盛りの若者には大分窮屈で負担となっているようだ。

2020年6月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4771.2020年6月4日(木) 天安門事件から31年

 今日6月4日は、中国にとって歴史上に汚点を残した1日である。1989年北京の天安門広場で民主化を求めていたデモ隊に対して軍隊が武力を行使して多数の死傷者を出した。

 そのきっかけは、改革派の胡耀邦元総書記の死だった。中国共産党中央委員会総書記だった胡耀邦は、「百花斉放」として「言論の自由」を推進し、国民から政治改革への期待が高まった。これら一連の民主化に対して保守派から中国共産党一党独裁を揺るがすものであるとして胡耀邦総書記に対する批判が生まれ、長老グループから非難の矢面に立たされた。結局胡総書記は87年辞任を強要され失脚した。その2年後の89年4月胡耀邦は他界したが、その2か月足らずの間に無念やるかたなく辞めさせられた改革派胡耀邦・総書記を追悼するかの如く自然発生的に国家を揺るがせる大事件が勃発した。それが天安門事件である。それ以来今日まで中国には民主化を抑圧する動きはあれども、民主化を創生しようとの動きはまったく見られない。

 中国にはそれ以前の1966年から10年間文化大革命により国内が上へ下への大騒ぎがあった。歴史は繰り返されているのだ。文革に際して中国政府は「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」ときれいごとを言っていたが、所詮民主化の空気はなく共産党内の権力闘争だった。58年毛沢東・国家主席の「大躍進運動」が失敗し、責任を取った毛沢東が国家主席を退いた。替わった劉少奇・国家主席と鄧小平・共産党総書記が権力を握った。これを快く思わなかった毛沢東が復権を試み、軍部の支援を得て劉少奇らを資本主義の道を歩む実権派として打倒を呼び掛けた。そして4人組(江青、王洪文、張春橋、姚文元)を追放し毛沢東は権力を取り戻した。毛沢東が亡くなった78年以降権力の座に就いた鄧小平は、改革開放を提唱し、その後の中国経済発展の礎を築いた。この鄧小平時代に中国は社会主義から離反した。発展著しい中国ではあるが、思想、モラル面で今も混乱の最中にある。

 しかし、天安門事件以降31年経った今日でも、最近香港で国家安全法案の実施を押し付けるなど中国にはリベラルな民主主義政治の空気はまったく感じられない。故胡耀邦は泉下で現代中国をどう見ているだろうか。

 さて、今日6月4日と言えば、かつては毎年靖国神社に参拝していた。ビルマへの戦跡巡拝団を他の旅行社に先駆けて取り扱い、お蔭で陸軍航空隊の巡拝団をほとんど取り扱うことになり、それが旧厚生省の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業の指定業者として認められることになり、その後約20年間に亘り、同事業に携わることが出来た。

 実は「加藤隼戦闘隊」と呼ばれていた「飛行第64戦隊」戦友会が「六四会」と呼称され、毎年今日6月4日に全国に住んでいる戦友たちが靖国神社に集合し、「六四会戦友会」を開いた。戦友が揃って参拝した後九段会館で懇親会を開いて、宿泊もしていた。「六四会」の旅行、宿泊関係を手配したことから今日6月4日は靖国神社と九段会館とは切っても切れない1日となった。ビルマを主とする戦地への巡拝団は、1972年以後毎年続けられ、それは15年間に亘った。

 この日が来るとつい昔の「六四会」を想い出す。今では懐かしい皆さんは鬼籍に入られてしまった。思い出せば切りがないほどであるが、拙宅近くの三軒茶屋の地主だった怖い顔をしたお得意様が、献身的に支援してくれた。その方が他界されて18年になるが、いつも三軒茶屋を通るたびにあの怖い顔をしていたが優しかった思い出と姿が蘇ってくる。

2020年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4770.2020年6月3日(水) 遺産相続の第一歩

 かねてより自分の年齢を考え、大したものではないが、死後の財産相続についてある程度整理し道筋をつけておいた方が良いと考えていた。2月ごろからある銀行と本格的に話し合いを始めてはいたが、コロナウィルス旋風のため自粛していた。それが、緊急事態解除と「東京アラート」発動の間隙を縫って、今日銀行の担当者に自宅へ来ていただき話を詰めた。長男は奈良に住み、次男は横浜に住んでいるが、これまで相続について真剣に話し合ったことはない。妻と私が亡くなった場合の2つのケースの財産分与について、銀行にはパターン化された商品があり、それに加入することにした。基本的には2人の息子に等分に相続される。各地の旧居住地の戸籍謄本取得などの手続きは銀行が代行してくれる。これで息子たちも、我々両親の死後あまり悩むこともなく無駄なく相続出来る。いずれ近いうちに息子たちとも具体的に話そうと思っている。

 さて、今夕の朝日新聞に10年前に亡くなられた民族学者・梅棹忠夫先生が著されたベストセラー書「知的生産の技術」が取り上げられている。その中で私も半世紀近く会員である「知的生産の技術研究会」(知研)についても触れられ、知研会合の写真には八木哲郎会長のお顔も見える。最近知研へはすっかりご無沙汰しているが、懐かしく感じた。定期的な旬刊誌に八木会長から寄稿を催促されているが、現在取り掛かっている拙著が一段落したら寄稿するとご返事してお待ちいただいている。梅棹先生が1969年に出版された「知的生産の技術」は、「文明の生態史観」と並んで、私の知的好奇心を刺激してくれ、今も座右の書である。

 それにしても「知的生産の技術」は、学生を中心に若者層に好まれ大ヒット書となった。増刷に増刷を重ねて実に100刷、販売は145万部だというから驚異的である。今では本の販売数が年々減少して、出版社も書店も閉店しつつある現状では、夢のような話になってしまった。あのような好奇心をそそる書物を手がかりに、勉強好きな若者が寄り集まって勉強会を開いて切磋琢磨した向上心溢れた時代は、残念ながら今では遠ざかってしまったような気がしている。

 さて、この1週間アメリカが荒れている。きっかけは27日ミネアポリスでひとりの黒人男性が、警官に拘束された際地面に頭を押さえつけられ、死亡した事件である。これが黒人蔑視と差別行為と見做され、怒った黒人たちが警察に対してデモをかけ、それが全米中に拡大したことである。これに対してトランプ大統領がいつもの通り冷静さを欠いて、デモ隊と話し合おうとの気持ちがなく彼らを排除しようとして警官隊を煽るように弾圧に向けている。首都郊外には連邦陸軍まで待機させている。ここ数日はアメリカ全土に抗議の声が広がり、一部は暴徒化して、ついに首都ワシントンでもホワイトハウスを取り巻いてデモ隊がシュプレヒコールを上げている。

 これには民主党大統領候補にほぼ決まっているバイデン前副大統領が、「我々の国を怒りと恐怖で引き裂かれた戦場へと変えた」と厳しくトランプ大統領を非難した。中国に対して民主的な自治が行われていないと厳しく批判していた大統領が、国内では自らが自治を壊している有様である。大統領就任直後から常識外れの大統領だと思っていたが、益々エスカレートしている。アメリカ国民にとっても恥ずべき大統領には、もうそろそろ愛想尽かしをしても好いのではないだろうか。

2020年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4769.2020年6月2日(火) 感染者再増加に対応し「東京アラート」発動

 東京都は新型コロナウィルス緊急事態宣言解除以降、感染症を乗り越えるための都独自のロードマップを作成していたが、昨日第2ステップに入った。ところが、昨日自由が丘駅近くのパチンコ店前を通ったら開店していた。パチンコ店の再開は、「3密」の可能性が高いナイトクラブやライブハウスと同じ第3ステップに位置づけられており、開業と知って完全には要請が業者には守られていないと思った。やはり事業者にとっては背に腹は変えられないのか、役所に断るまでもなく勝手にオープンしてしまったのだろう。通勤電車も混み出し、繁華街にもかなりの人出が見られるようになった。

 折も折、昨日からまた感染者が増えだし、東京都では第2波がやってくるのではないか。昨日の感染者13名の内、7名が20代だというし、感染者の4割が夜の歓楽街から出ているというから、若者らが外出自粛に我慢出来ずに夜の街へ出てうっかりコロナウィルスを吸い込んでいるイメージが読み取れる。果たして今日の感染者は19日ぶりに30人超えの34人だった。どうも怪しい傾向になってきた。

 今日小池都知事は、警戒宣言である「東京アラート」を発動すべきかどうか専門家の知恵を拝借したいと述べていたが、観戦情報の悪化の傾向がみられるとの考えから午後9時半過ぎに初めて「東京アラート」が発動された。これにより少しは都民の行動が抑えられるだろうか。感染拡大が収まることを願うばかりである。こうなると来週予定されていた第3ステップへの移行は再検討されるのではないだろうか。まだまだ窮屈な自粛生活を強いられることになりそうである。

 一方で、急に感染者が増えだして慌てている北九州市北橋市長は、クラスターが発生し第2波に襲われていると広言している。比較的感染しにくいとされていた小学校で4人、中学校で2人の生徒が感染した。

 とにかく日本中がコロナ騒動で落ち着かない。経済面でも各企業の営業利益が低下したり、赤字へ転落している。特に観光業界へのしわ寄せが顕著で航空業、観光バス行、鉄道業、ホテル業界、飲食業などが直撃を受けている。これまで東日本大震災の時を除いて、毎年営業成績が上昇する一方だった東京ディズニーランドも、2月末から3か月間休業することによって大きな痛手を被っている。TDL施設自体もさることながら付属のホテル業なども休業状態が続いており、休業がいつまで続くか分からない現状では、悲観的な観測しか見えない。1か月の休業で120億円の赤字というから、今後再開の見通しが立たない現時点では手の打ちようがないようだ。

 世界中から早期終息を待たれている新型コロナウィルスが、このままいつまでも地球上に居座り続けていられては、まさに地獄である。

 あるジャーナリストのエッセイに目を通した。このコロナ騒ぎの中で、酒と本だけが道連れだとある。正月2日に横浜に住んでいる次男家族が新年の挨拶にやってきた。久しぶりに次男と酒を飲み交わした。今日は6月2日だから、あれから5か月になるが、あの日以来ついぞアルコールを口にしていない。5か月間も酒を飲んでいないことになる。普段呑んでも大量に呑むということはなかったが、昔は仕事上の付き合いもあり、ほとんど毎日酒を飲んでいた。今では夕食時に呑まなくなったせいもあり、アルコールとはほぼおさらばしている。絶対止めたと決めたわけではなく、ムードが盛り上がるような機会があれば再び呑むことはあると思うが、アルコールとは取り敢えず縁が切れたような気がしている昨今である。

2020年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4768.2020年6月1日(月) 拙著上梓へ向け出版社と打ち合わせ

 次作品「八十冒険爺の言いたい放題」の出版を進めている「はるかぜ書房」鈴木雄一社長とはすでに1度お会いしているが、今日は自由が丘まで来ていただき、喫茶店で初めて具体的な打ち合わせを行った。すでに拙稿は出版社に送って、その後も5回ばかり推敲して一応最終原稿となったものについて出版社の意向を聞いた。これまで4冊上梓したが、作品の中身について注文を付けられたことは1度もない。唯一の例外らしいものは、前著「南太平洋の剛腕投手」である。出版社から頁数が多いので削って欲しいと言われ、予定していた1章・小野田寛郎元少尉と横井庄一元軍曹の2人の異なる性格上のエピソードをバッサリ削除したことがあるくらいである。ところが、鈴木社長からは、最近の若者はあまり読書をしないので彼らを読者対象にするとあまり難しい話や専門的な内容は好まれないので、良い本で売れる本にするためには、拙著目次の順序を若干入れ替え、長れを変えた方が良いし、内容的には一部省略することも勧められた。但し、内容的には、とても興味深く面白いので、何とかして売れるようにしたいというのが出版社の一念である。一応鈴木社長にはどんな具合に変えたら良いか、原案を崩すことなく次回に考えを呈示してもらうことにした。

 表紙帯に推薦文をいただいた冒険作家の椎名誠氏の写真があれば、更に良いということなので、椎名氏に写真をお借り出来るようお願いすることにした。今日は関連の写真や、新聞記事などを提供して雰囲気を更に理解して欲しいとお願いしたところである。今後のスケジュール的な点も打ち合わせしたが、出版は10月を予定している。併せて、販促についても若干打ち合わせをした。販促活動はジュンク堂池袋本店をメインにして極力書店へ平積みしてもらえるよう通うことにし、ジュンク堂で読書会を企画することも話し合った。これまでの出版社とは異なり、かなり細かく専門的な点について考えてくれているという印象である。これなら安心してお任せ出来ると意を強くした次第である。

2020年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4767.2020年5月31日(日) トランプ大統領の狂気の沙汰

 朝刊を手に取るやトップ記事「トランプ氏『WHO脱退』」の大見出しが目に入って来た。かねがねトランプ大統領は中国が当初新型コロナウィルスの感染拡大を隠蔽していたと主張していたが、その背景にWHOの中国への忖度があったと指摘し、その一方でWHOの年間予算額の1割以上を支出しているアメリカには正しい情報が伝えられず、そのためアメリカが世界最大のコロナ感染国になったとも非難していた。更に、中国が香港への国家安全法制を導入することを決定したことに対して、「香港には最早自治はない。中国は1国2制度を1国1制度に置き換えた」と批判した。

 WHOにとってはつい最近までは思っても見なかったことであるが、今年1月にWHOがパンデミック宣言をした辺りから、アメリカが中国寄りだと厳しくWHOをやり玉に挙げるようになり、2週間前にはWHOは中国の操り人形だとまで言い出し、その発言に苦慮していたようだ。実際WHOは予算の11%をアメリカに頼っており、仮にアメリカから拠出されなくなったらWHOにとっては活動を制約され、組織の信頼が揺らぐことになる。それにしてもトランプ大統領は、思いついたら直ちに行動を起こすが、周囲への影響をまったく考えない点で問題である。トランプ氏の行動には、11月の大統領選へ向けた皮算用がある。世論調査に依れば、現状では大統領選でライバルのバイデン氏の後塵を拝している。

 香港問題では、トランプ大統領はアメリカ・中国貿易の中継地となっている香港の優遇措置を見直すと語った。香港からアメリカへの輸出は約4兆2千億円あるが、その77%は中国本土から香港を経由してアメリカへ輸出されるものであり、それら輸出品はすでに中国に対する制裁関税の対象になっているようで新たな打撃とはならないようだ。加えて、現在香港にはアメリカ企業1,300社が拠点を構えていてそれら企業への負担が大きいと予想される。

 中国の香港への国家安全法制の導入は、厳しく非難されるべきであるが、その一方でトランプ大統領も「アメリカ・ファースト!トランプ・ファースト!」を声高に叫んでいるが、ステップダウンさせて、もう少し周囲への影響を考えた行動を起こさないと、アメリカも自らも世界中の笑い者になることを知るべきだ。

 朝日新聞アメリカ総局長が、「冷戦とすら呼べない米中の茶番」と言い、「人類共通の敵に結束して立ち向かう力も気概もない大国同士がいがみあう茶番劇は、陳腐な冷戦とでも呼ぶべきか」と吐き捨てている。さもありなんと思う。

2020年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4766.2020年5月30日(土) 国家安全法制へイギリスの鈍い反応

 中国の香港に対する「国家安全法制」が全人代で採択されたことに対して、香港では激しい反対のデモが起きているが、この一連の流れに今まで黙っていた旧宗主国のイギリスが、漸くか細い声を上げた。ただ、タイミングが遅すぎるうえに、その言い分はやや的外れである。イギリスの言わんとしているのは、イギリス海外市民の旅券を持つ香港市民のイギリスにおける在留権を拡大するというもので、現在の6か月を1年にするというものである。この旅券を持つ香港市民は、僅か30万人で、全人口750万人のうちほんの4%にしか過ぎない。

 こんな程度の中身では、中国にとっては痛くも痒くもない。イギリスは自身何のプライドも持っていないのかと情けなくなる。中国が香港に対してこれほど強硬策を行使しようというのは、香港返還に際して英中協定に盛られた「1国2制度」を無視して中国が土足に近い形で香港に押し入ろうとすることである。イギリスは中国政府にプライドも面子も潰されているのに、一言も中国政府に抗議しようとすらしなかった。中国にイギリスは完全に足元を見透かされていることに気づいていない。

 むしろ台湾の方が同朋とのシンパシーがあるせいか、遥かに強く香港市民にエールを送っている。

 悪ノリした中国は、「暴力の阻止や秩序の回復に向け、香港警察を全力で指導・支持する」と更に強硬策をエスカレートしようとする姿勢が見える。明らかに香港警察を中国公安省の強い指揮下に置く意図が窺える。

 自民党内にはこうした中国の行動に対して非難の声が上がり、延期されたままの習近平国家主席の訪日を再考すべきとの声もあり、外交部会では、「1国2制度」や「高度な自治」を中国側の一存で変更したことは由々しき事態で看過できないと批判が強まっている。野党からも批判が高まっているが、今年1月に中国共産党1党支配の中国人民政府の傍若無人の行動に、愛想を尽かして絶縁状を突き付けた日本共産党の志位和夫委員長は、次のようなツィッターを発信した。

 「中国指導部に対し、香港に対する人権侵害強化の動きを中止することを強く求める。中国は『1国2制度』の国際公約を守るべきである。自らが支持・署名した世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言など、国際的な人権保障の取り決めを真剣に履行すべきである」。

 志位委員長の中国政府への注文は至極当然である。それに引き換え、イギリス政府の間の抜けたようなのろのろした声明は、果たしてどれほど国際世論から受け入れられるだろうか。

2020年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4765.2020年5月29日(金) 新型コロナウィルス、油断ならない第2波

 新型コロナウィルスは今日も大きな騒ぎになっている。東京都内ではこのところ新規感染者は安定して10人以下の発症に収まっていたが、昨日は15人が、そして今日は22人の感染者が判った。この1週間は北九州市でもクラスター現象が起きている。先月30日から今月22日まではひとりもいなかった感染者が急増し、23日以降は3人、24日3人、25日6人、26日2人、27日8人、そして昨日21人と急増し、本日更に26人へ増加した。市長も記者会見でコロナウィルスが第2波に進んでいると語った。病院2か所で集団感染があったらしい。

 海外では、アメリカ、ブラジル、韓国の感染状況が注目されている。アメリカでは死者が10万人を超え、世界全体の3割を占めている。トランプ大統領は、10万人当たりの死亡率は他国に比べてそれほど高くないと強がりを言っているが、それでも死亡率は世界で9番目である。ブラジルは最近感染者が急増してその数は、アメリカに次ぎ第2位となっているが、そのスピードはアメリカを圧倒して昨日1日で日本の累計感染者数、約1万7千人を上回る2万6千人が発症した。日本へ輸入される鶏肉の内約7割がブラジルから輸入されるため、鶏肉の販売を中止した業者がある。25日には、ブラジルから羽田空港へ帰って来た日本人4人が空港検疫所で感染していることが確認された。今やブラジルは世界的にもコロナウィルスで注目を集めている。韓国では、ソウル近郊の物流センターで発生した集団感染が原因と見られ、昨日79人、今日58人で2日連続して50人を超えたことから韓国政府は、来月14日まで外出自粛を国民に要請することになった。

 さて、今日はこんなこともあった。友人の友人から今日12時40分ごろから世田谷区上空を航空自衛隊アクロバット「ブルーインパルス」が医療従事者への感謝と敬意を示すフライトがあるとメールで知らせてくれた。気にしていたところ1時前にジェット機音とともに白い雲を引いて6機のジェット機が上空を通り過ぎて行った。2周回したようだが、2度目は見損なった。今年はオリンピック関連で行われる筈だったブルーインパルスが見られなくなってしまったが、今日ひょんなことから青空の中に見ることが出来た。敢えて航空自衛隊がこうした試みを行ったのは、コロナウィルス騒ぎの中で医療従事者がご苦労されていることに対する感謝の表れであり、この種の企画としては、64年東京オリンピック開会式と6年前の国立競技場改築に伴うお別れイベントで行われて、今回が3度目である。

 それにしても緊急事態が解除され、自宅に閉じこもっていた人たちが外へ出てくるようになったようだ。今日の銀座の景色をテレビで観ていても一時期に比べて人出が多くなった。今日の感染発症者数から考えても、少々気の緩みが懸念される。再び緊急事態宣言が発令されなければ好いのだが・・・。

2020年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4764.2020年5月28日(木) 2次補正予算はともかく、その補填は?

 新型コロナウィルス対策として政府は、昨日今年度第2次補正予算案を閣議決定した。その額たるや、何と31兆9千億円である。第1次補正予算額が25兆7千億円で、併せて57兆円になる。これは今年度国家予算102兆円の約6割に当たる。

 この第2次補正予算を1次予算が成立してから僅か1か月で考え出したのは、コロナウィルスの影響を読み違え、トラブルが続き不満が高まったから慌てて追加したようなものだ。

 いつも気になるのは、予算編成に当たっては毎年歳出より歳入が少ないことから毎度国債を発行して借金をすることによって、累積赤字が貯まり国の財政を悪化させていることだ。これがため借りた借金をどう返済するのかを考えることなくイージーに支出を行う習癖である。国民の不満を解消することばかり気を遣い、臨時支出したらどう穴埋めするかを考えなければいけないのに、そういう地道なことを考えることをしない。

 財務省内には危機感があると思うが、政治家の圧力に黙って言いなりになっているように感じられて仕方がない。政治家には財政再建の考えはなく、その場その場で自ら都合の好いことを安易に演出しているだけだ。今回の補正予算案に予備費が10億円も計上されていることはその最たるもので、これほどの巨額を遊ばせておく神経が理解出来ない。現在の政治家をこのままのさばらせていたのでは、国は借金を積み増すばかりでいずれ破綻への道を歩むことになる。もう少し国の将来性とか、堅実な財政を真剣に考える政治家が出てこないとお先真っ暗である。情けない。

 ついては、懸念されているコロナウィルスの2次感染の兆候が一部に表れてきた。北九州市ではそれまで23日間にひとりも感染した人がいなかったが、緊急事態宣言が解除されてから、感染者が急に出て市として緊急事態を出し、折角再開した公営施設などを再び閉鎖することにした。何度か訪れたことがある小倉城もその対象となった。最近6日間で43人も感染者が判明したと思ったら、更に今日だけで21人も感染した。東京都も解除前は感染者が1桁の日が続いていたが、解除後は連日10名を超えている。やはり気が緩むのだろう。今日も駒澤公園へ出かけたが、やはりマスクを着けていない人が目立った。小池都知事がしきりに2次感染を警戒してロードマップを描き都独自の対応をする。やはりウィルスはどこにいるのか分からないものだ。

 さて、香港で反政府デモなどを取り締まる「香港国家安全法」を制定する方針が、今日中国の全人代で採択されて閉幕した。昨年来の香港立法府に対する民主化デモを懸念した中国政府が力づくで香港を抑え込もうとしている。香港で言論の自由が中国本土並みに制限され、高度な自治を認める「1国2制度」が揺らぐことになる。これに対してアメリカをはじめ、アメリカの同盟国が反発している。トランプ大統領は中国に制裁を課する案を検討中で今週末には明らかになる。これで益々米中対立が激しくなり止め処がなくなる。

 最近存在感が薄れていた元杉並区長の山田宏・自民党参議院議員が、この中国政府のやり方に反対して自民党衆参議員有志55名の反対署名簿を‘HONGKONG WATCH’に送った。

2020年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com