国内の経済界では、このところ株価の大幅な変動に右往左往させられている。今月2日に日経平均株価が2,216円で過去最大の暴落を記録したが、3日後の5日にはそれを更に上回る過去最大の大暴落、4,451円となった。そして昨6日には反転、反発して3,217円の過去最大の上げ幅を示した。この慌ただしいアップダウンに岸田首相以下政府関係者からは、ただ注意深く見守るとのコメントしか出て来ない。とにかく日本の底力を示す経済の指標がこう揺れていては、政財界人もしばらくはじっとしているより手段がないようだ。
さて、国際的には相変わらずイスラエルに対する中東諸国の反撃が、いつ行われるか注目の的であるが、これが明後日の長崎市への原爆投下による平和記念式典にイスラエルに対する奇妙なわだかまりから、式典に参加、または欠席の国が現れた。広島の平和記念式典ではロシアとベラルーシは、招待されなかったが、イスラエルは招かれた。ところが、長崎の平和式典にはイスラエルもパレスチナ・ガザ地区に空爆を続けているとの理由で長崎市はイスラエルを招待しなかった。イスラエルに肩入れしているイギリスが、これにクレームをつけ、イギリス駐日大使は招待されたが、出席しないと語った。これをどう受け取ったのか、アメリカのエマニュエル駐日大使も出席を見合わせるという。それだけに留まらず、EU諸国もアメリカ同様欠席するようだ。エマニュエル大使の言動には、かねてより傲慢な一面を感じていたが、親イスラエル感情を間違った方向に露骨に吐き出したのだ。よく考えてみるがよい。そもそもこの長崎へ原爆を投下して多くの犠牲者を生んだのは、アメリカで大いなる責任があるということを気にもせず、気に入らないことがあると阿漕な対応をする。原爆後遺症はすべてアメリカに責任があるということをアメリカ自身よく弁えるべきである。大使もアメリカの原爆投下を「戦争終結を早めることになり犠牲者を減らすことが出来た」とアメリカ特異の都合の良い自己弁護の考えの持ち主らしい。
アメリカの原爆投下の責任については、この世から核兵器が廃絶されるまで、許してはならないと思う。これまでアメリカの言いなりになることによって、いかに日本の政治、外交は歪められてきたのか。原爆を投下された日本が核兵器禁止条約締約国になろうとしないのも、原爆を投下したアメリカに忖度しているからである。日本の保守政治家はもっと原爆投下に至った経緯を考え、こと原爆についてはアメリカ許すまじとの堅い信念を持つべきである。アメリカの駐日大使が、長崎の原爆犠牲者への慰霊の気持ちを蔑ろにするなんてとても許せることではない。
昨日テレビで初めて知ったことである。最近になって実情が明かされるようになった疑似爆弾をアメリカ軍は、終戦直前に日本に投下していたという事実である。太平洋戦争末期に、日本各地49都市に原爆投下実験とも思える疑似爆弾を投下し、しかも跡形を残さないカボチャ型(パンプキン)の爆弾を投下して400人が亡くなった。3.25mの長さで、4.5トンもあったという。最近になって日本でも漸くその実態が明かされるようになったが、アメリカはこの資料をまったく開示していない。アメリカの悪質な意図が丸見えである。
これからも日本政府は、アメリカの指示に従うのだろうが、日本にとってマイナスになると思えるような要望には、毅然として反論し、拒否すべきではないだろうか。