4872.2020年9月13日(日) 大坂なおみ選手、全米オープン2度目の優勝

 大坂なおみ選手がテニスの世界4大タイトルのひとつ、全米プロテニス選手権で2年ぶりに優勝した。これほどの大きな大会で3年間に2度もトップに立つということは、その実力が今ではしっかり備わっているからであろう。大坂選手が今大会で特に注目を集めたのは、優勝もさることながら黒人差別に抗議するため近年理不尽にも惨殺された黒人の名前をプリントしたマスクを着けてテニスコートに登場し、人種差別反対をアピールしたことである。

 実は、先月29日の本ブログで私自身大坂選手の行動を非難した。全米プロ選手権に先立って行われた前哨戦で準決勝へ進出しながらも差別抗議のために試合をボイコットすると宣言した。しかし、その翌日まだ舌の根も乾かぬ間にボイコットを撤回したのだった。こんな好い加減な気持ちなら最初からボイコットすべきではないと、単に彼女は自分への注目を得たいがための行動を取ったのではないかと批判した。しかし、全米プロでは優勝までの全7試合に毎回犠牲者の死に抗議する彼女の姿勢は受け入れられ、現地でも高く評価されている。私の判断もやや早や合点で反省すべきかも知れない。ただ、大坂選手が心から差別反対を願い、今後もこの姿勢を続けて行くならその行動を評価したいと思う。

 さて、イスラエルとイスラエルの宿敵だったアラブの1国、バーレーンと国交正常化に合意したと、昨日アメリカのトランプ大統領が発表した。先月同じアラブのアラブ首長国連邦(UAE)がイスラエルとの国交正常化したことに次ぐ、イスラエルとアラブ諸国間の近年の雪解け第2弾である。いずれもトランプ大統領が仕掛けてまとめた。これまで団結を誇っていたアラブ諸国にもそれぞれお国の事情があり、その結束は少しずつ弛緩してきた。パレスチナとの団結を誓い合っていたアラブ諸国の間でも、原油安がもたらす財政的な問題がある。パーレーンの財政事情は赤字続きで、そこへ新型コロナウィルスの流行により原油の需要が大きく減少し、今年に入ってから財政ピンチが続いていた。バーレーンにとっては背に腹は変えられない状態だった。そこに目をつけたトランプ大統領がイスラエル側に寝返ったUAEに言葉巧みに投資をさせて助け舟を出させ、バーレーンとイスラエルとの国交に踏み切らせたのである。これをトランプ大統領は自らの外交成果として、親イスラエルのキリスト教福音派の支持基盤にアピールし大統領選を有利に導こうとする狙いがある。

 ただ、これによりパレスチナ自治区における前記2国に対する反発は強まり、反イスラエル感情は一層高まっている。8年前パレスチナを訪れた時、住民の反ユダヤ感情は極めて強かったが、今ではそれも一層強まったことだろう。そんじょそこらで起きている民族同士の対立とは異なり、ユダヤ人とアラブ人の抗争は紀元前にまで遡る。そう簡単に解決される問題ではないが、年々複雑化の傾向を見せていることが、解決の問題を更に難しくしているように思われる。

 特にトランプ大統領の身内に福音派の人物がいることもあり、テルアビブからエルサレムへアメリカ大使館移転などをやってちょっかいを出しては、この問題を複雑化し解決を遠のかせている。どこまでも人騒がせな大統領である。

2020年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4871.2020年9月12日(土) 陰湿なアメリカのジャーナリズム

 定期的に毎月1度糖尿病クリニックで経過を診てもらっている。先月まで順調に回復に向かい、ヘモグロビン(HbA1c)の数値も改善し、体重も理想的な減量傾向にある。今日も医師から順調に回復しているとお墨付きをいただいた。HbA1cは6.3だった。糖尿病圏外の数値で、5月以降ほぼ安定している。節制のおかげであると自画自賛している。油断しないよう今後も気を付けたいと思っている。

 さて、このところ新型コロナウィルスは、海外では依然衰えることがないが、幸い国内では幾分沈静化して感染率は下がって来た。この現象に新型コロナウィルス感染症対策分科会は、まだ気を許すことは出来ないと慎重であるが、政府は「GO TO Travel」について、これまで除外されていた東京都民の旅行と東京への旅行について、10月1日からキャンペーンの対象に加えることを前提に検討を始めた。同時に東京都は、飲食業者に求めてきた午后10時以降の閉店制限の中止を決めた。また、19日からイベントの開催制限を緩和することも決定した。コンサートや演劇、映画など観客が大声を出さない環境が確保出来る施設は、定員収容人数を許可し、1万人以上収容可能な会場は、その半分まで認められ、収容人数が1万人以下の場合もその半分まで収容可能となる。

 今アメリカでは感染者数が全世界の22%を占め、断トツで首位にあり、死者の数も全死者の5分の1を占めている。その大きな原因にトランプ大統領のコロナ感染に対する過小評価があり、初期対応を怠ったことと科学的根拠を無視したことが強く批判されている。特に、この点についてオバマ前大統領補佐官だったジョン・ホルドレン氏が、厳しく批判している。トランプ氏支持者は、マスク着用義務は個人の自由への攻撃と自由を履き違えたことを言っているが、着用が個人の権利や福祉を守ることにつながるとの視点が抜け落ちていると述べている。大統領の対応はリーダーシップ欠如で感染症対策は連邦政府が進めるべきことを自らに非難が向かないよう責任を各州に押し付けたと指摘している。

 すでにコロナ禍が蔓延りだした今年2月以降に、これまで20回近くもトランプ大統領にインタビューしたワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード氏は、コロナの影響を軽く見せたかったとトランプ氏が語ったことを知っていたにも拘わらず、その事実を意図的に隠したとして早く公表されれば助かった命があると報道の倫理を問われている。ウッドワード氏は「トランプ氏から聞いた時面白いと思ったが、本当かとも思った。トランプ氏は確認しないでものを言う」とまるで他人事のような発言をしているが、今月同氏の新作「RAGE(怒り)」が出版されるという。どんなことが書かれているのか興味があるが、ウォーターゲート事件の調査報道も手がけたアメリカの代表的なジャーナリストが、こういう胡散臭いことをやっているようでは、アメリカのジャーナリズムも信用出来ない。

2020年9月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4870.2020年9月11日(金) ニューヨーク同時多発テロから19年

 2001年の今日だった。義母の葬儀のため桐ケ谷斎場の控室で親戚とともに待機していた時、突然テレビ画面にショッキングな映像が表れた。ジェット旅客機がマンハッタンのビルへ突っ込んでいくそれまでに見たこともない凄まじいシーンだった。一瞬目を瞠った。これはただ事ではないと思っていたが、事実ただ事ではなかった。このテロは日本人24人を含む2,977人の犠牲者を産む大惨事となった。この9.11ニューヨーク同時多発テロ事件発生に対して怒りを露わにした当時のブッシュ大統領は、直ちに復讐を誓い、国際テロ組織アルカィダの仕業と睨み、そのイスラム派過激派組織「タリバン」の巣窟であるアフガニスタンを攻撃し、以降イスラム過激派との間で「タリバン」首謀者ウサマ・ビン・ラディンが暗殺されるまで抗争が繰り返された。

 実は、その前年3月タリバンの潜伏地帯に近いアフガニスタンとパキスタンの国境カイバル峠を訪れ、パキスタンの国境に近い集落ランディ・コタールでこの9.11テロ事件を何となく予期させるような村民の行動にある種の胸騒ぎを覚えた。テロの予知と言えるものだった。他にもテロ発生の裏付けとなるような事実があった。詳しくは近々出版される拙著に書いた。

 その年の5月に次男とともにアトランタとニューヨークへ大リーグ野球の観戦に出かけ、その折ニューヨーク市内でテロの標的となった世界貿易センタービルへ初めて足を踏み入れた。その時は、まさかこのビルがテロの標的になるとは夢想だにしないことだった。これもひとつの縁であろうか。しかし、今日ひとつ気になったことがある。今日の朝日夕刊では一面を全部使って大々的に伝えていたが、これだけの大惨事にも拘わらず、どういうわけかテレビでは残念ながらどこもこの大事件を伝えなかったように思う。テレビ局にとっても飛びつきたくなる情報の筈が、どうして放映されなかったのだろうか。不思議でならない。

 それにしてもあのテロから早くも19年の月日が経った。この間世界は核開発競争と軍拡競争が過激化し、幅広く戦争が繰り返されている。それは武器を使用しない面でも徐々にエスカレートして、宗教間、人種間にも露骨な差別が蔓延して対立を煽っている。中でも米中経済大国間の貿易問題、パレスチナ問題に起因するユダヤ人とアラブ人の争い、イスラム教シーア派とスンニ派の抗争、異人種間の差別、等々世界には多くの争いが絶えることがない。とりわけ近年は、アメリカ国内で黒人差別問題が益々激化してしばしば大量殺人事件にまで発展している有様である。

 あれからアメリカは訪れてはいるが、ニューヨークへは出かけていない。今流行っている新型コロナウィルスのニューヨーク市内の様子をテレビ画像で観る度に、改めて出かけてみようとは思いながら、現実には今入国出来ない状況になっている。大きなテロ事件こそ起きていないが、抱え込まれた爆弾がいつ破裂しないとも限らない。テロで不遇にも亡くなった人々の霊を慰めるためにも、アメリカ政府を始め各国政府は、決して争いを避ける努力を止めてはならないと思う。

2020年9月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4869.2020年9月10日(木) 新立憲民主党代表に枝野幸男前代表

 立憲民主党と国民民主党の合流が話題となって久しいが、今日立憲民主党と合流に同意する国民民主党議員が、新しい代表と新しい党名を決めるため投開票を行った。その結果、新代表には立憲民主党前代表の枝野幸男氏が、国民民主党政調会長の泉健太氏を破って選出され、党名は前と同じく立憲民主党と決定した。

 自民党総裁選に比べてやや影が薄く、それほど注目はされていなかった。それだけ今の野党には活動面で人を引き付ける魅力も、期待出来る政策実行力もないと見透かされているということである。野党勢力が結集しても数的には自民党に及ばず、それが安倍一強政治を許した要因でもある。

 かつて鳩山由紀夫首相以下民主党には実行力が伴わないにも拘わらず軽々なパフォーマンスが目立った。鳩山首相はじめ、有言不実行の代名詞とも言える前原誠司元国交相は特に酷かった。前原氏は地元民反対の中で建設中だった八ッ場ダムに、国交大臣就任と同時に建設中止と威勢よく地元民に見えを切ったまでは良かったが、その後まもなく大臣を辞め前原氏の発言は裏切られ、前原氏は自らの発言にもまったく責任を取らず知らん顔のままである。鳩山首相自身沖縄の米軍基地撤去を公約するなどその場限りの発言が目立った。

 こういう旧民主党の軽薄な体質が引き継がれるとしたら、新しい立憲民主党の行く末も危なっかしいと言わざるを得ない。これまで民主党系の政党には、思い付きだけで行動し期待を裏切った議員が多かった。前記鳩山首相、前原誠司氏、原口一博元総務相、馬淵澄夫元国交相、細野豪志元環境相ら短期間に国民に対して決定的な虚言を行った無責任な悪例がある。その点では、枝野代表は堅実なタイプであるので、前記の悪名高い当時の有力者がいなくなっただけに、ある程度期待出来るのではないかと思う。今後同じような行為をしたら政治生命を絶たれると覚悟したうえで自民党政府に対峙してもらいたいと思う。

 さて、昨日トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が来年へ延期された東京オリンピックは、世界保健機関(WHO)のリスク管理と緩和措置に従い、安全な環境でのみ開催するとオンライン理事会で強調してアレッと思った。実は、2日前に大会準備を監督する調整委員長を務めるジョン・コーツIOC 副会長が「大会はウイルスがあろうとなかろうと来年7月23日に開幕する」と発言したばかりだったからである。当然異なる見解は波紋を広げた。バッハ会長は、コーツ副会長の発言を全体の文脈ではなく全体の一部で、本人もそのつもりだと平静を装っているが、同じ組織内に正副会長が異論を述べること自体が、IOC火山噴火の前触れではないかと懸念している。

 バッハ会長が述べたように、世界的な祭典・オリンピックを開催する以上、完全な条件で全加盟国から選手が参加出来て外国から大勢の観客が訪れたうえで祝福されて開かれるのが望ましいと思う。しかし、現在の世界に拡大したコロナ禍を考えると、果たして1年延期された東京オリンピックが無事開催されるのかどうかは現時点で判断するのは微妙なところである。

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4868.2020年9月9日(水) 今日はおめでたい重陽の節句

 今日9月9日は、祭日ではないが、おめでたい重陽の節句である。世界史上では中国の毛沢東・国家主席が亡くなった日でもある。

 ついては、今日誕生日を迎えられた小中陽太郎さんは、生まれたのも昭和9年9月9日で、いわば「三重陽」とでも呼んだら良いほどおめでたい日に誕生された。お名前も重陽からつけられたと伺った。新型コロナウィルス感染の影響で、ご近所に住んでいながらしばらくお会いしていない。4月に明治記念館でお花見をする予定だったが、コロナ禍により急遽中止にした。取り敢えず、Face bookにお祝いの言葉を書いたところである。

 この9月9日については、印象的な思い出がいくつかある。1976年には翌10日に羽田を発って旧文部省教員海外研修団で全国各地の30名の先生方にお供して欧米7か国を1か月間に亘って訪れ、ストックホルムとアメリカ東海岸のニュー・ベッドフォードで学校など教育施設を見学した時である。実は、その前日9日に中国の毛沢東・国家主席が亡くなり、国内外でも大きな話題となった。毛沢東は歴史上最も多くの人を殺害し、その数は実に6千万人と言われている。すべてが意図的に殺害したわけではないにせよ、農業政策の失敗による農村の食糧飢餓により餓死者を含めても桁外れに多くの国民を死に追いやった。毛沢東主席に比較してしばしば例に挙げられる旧ソ連のスターリンは、その残虐性によってライバルや、批判的な意見を言った人物を片っ端から無情に殺害した殺人鬼と呼ばれていたが、それでも被害者の数は2千万人である。毛沢東がいかに冷酷な独裁者であったかが想像出来る。

 その毛沢東は、亡くなる前年の1975年8月、82歳8か月の時に右眼の白内障手術を受け、手術後1年にして83歳9か月で他界したそうだ。私は81歳10か月で左眼の白内障手術を受けるが、毛沢東の永眠までまだ2年ある。妙な点で似ているが、私は毛沢東とは別で虐殺とはまったく無関係であり、精々ニアミスにならないよう健康に留意したい。

 特に前記の旅行で印象的だったのは、ニュー・ベッドフォード研修で余暇にジョン万次郎がホイットフィールド船長に救われ、船長とともに暮らしていた船長の自宅と博物館を訪問したことと、まだ東西対立が激しかった西ベルリンに滞在し、バスで国境検問所「チャーリー・ポイント」を東ドイツ兵の厳しい監視下に東ベルリンへ入域した時であり、その緊張感は何とも言えなかった。帰国後ジョン万次郎の寄宿家を訪れたと義父に話したところ、何と義父の大叔母が中浜家に嫁いでジョン万次郎の実家中浜家とは遠縁に当たると聞いてびっくりしたことがある。近々上梓する拙著のあとがきにこの点についても軽く触れた。

 今日9月9日は他にもいろいろ思いがあって、今でも忘れられない1日となっている。

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4867.2020年9月8日(火) 予定通り24日に白内障手術

 来る24日(木)国立東京医療センターで左眼の白内障手術を受ける予定であるが、今日執刀医師による説明会があるということで医療センターへ出かけた。医療センターでは、医師が手術を受ける患者を対象に1時間半程度の説明をするということだった。しかし、新型コロナウィルスの影響で1か所に集まることは出来ず、1人ひとり別々にテレビ画面で説明するということから、タブレットによって15分程度の画像による説明を受け、その後に執刀医師から個別に検査と説明を受けた。

 白内障手術を受けた友人は結構いるが、受ける立場からすれば、それほど大変な手術ではないと聞いていた。ただ、身体の中でも最も大切な目を診てもらうわけで、いくら設備の良い国立病院で名医の執刀であろうとのほほんとする気持ちにはなれない。3日前から所定の薬を服用し、手術以降は就寝時にも眼帯を外さないことが少々面倒である。それでも今世界が暗く見え、寝ながら読書することが出来ない状況では、手術後は世界が明るくはっきり見えるようになることを楽しみにしている。

 さて、コロナ禍の中で観光業界が落ち込んでいるとの声に、7月から観光業全般の景気テコ入れとして国土交通省主導の「GO TO トラベル」キャンペーンが実施され、一部に問題があったとは言え、ある程度観光業界にとっては息をつくことが出来た。そこで柳の下の2匹目のどじょうを狙って、今度は農林水産省が旗振りして「GO TO EAT」キャンペーンを始める。あくまでコロナ禍に伴う外出自粛などの影響を受け、甚大な影響を受けている飲食業者に対して期間を限定して需要喚起を図る。

 果たしてこれが観光業界全般にどれほどの効果をもたらすだろうか。

 コロナが少しずつ終息の方向へ向かっているという一方で、一部にはむしろ逆に感染者が増える傾向が窺える。日本では確かに7月下旬を頂点に少しずつ減り始めている。だが、不名誉にも感染者数トップのアメリカをはじめ、2位のブラジル、3位インドは相変わらず増え続けている。そこへ異変が起きた。連日1日当たり9万人が感染しているインドが、昨日になってブラジルを抜いて2位に躍進?した。インドは何度も訪れたことがあるが、人口も中国に次いで多く、街に人が溢れ、とても「3密」を避けることは難しい。そして、衛生状態が悪いという悪条件が重なり、このままではインドのコロナ旋風を抑え込むのは容易ならないことである。世界で感染者の数は2千7百万人を超え、死者は90万人弱となった。この勢いからすると直ぐに、感染者は3千万人、死者は90万人に達することだろう。

 折も折大統領選で苦戦を強いられているトランプ大統領が、コロナ・ワクチンを来月10月には提供できるだろうと随分楽観的な発表をしたが、一種の選挙戦術ではないかと俄かには信じ難い。アメリカも大統領がひとり相撲ばかり取っているだけに、科学的根拠よりも感情が先走って取り巻きはさぞや大変だろう。

2020年9月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4866.2020年9月7日(火) 国が民間企業に巨額の債務保証をしても良いのか?

 昨日から今朝にかけて九州一帯を暴風圏に巻き込んだ大型台風10号は、北上して朝鮮半島へ去っていった。韓国、北朝鮮でもかなりの被害が出るのではないかと気になる。この台風は、度々の警戒警報により事前に避難した人たちが多かったせいか、幸いそれほど人的被害はなかった。しかし、雨と風が厳しく今日も広範囲の地域に影響を及ぼし、各地に大雨警報が出されている。

 さて、数々の汚職疑惑を持たれたまま金融商品取引法違反と特別背任罪で起訴、収監されていた日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が、昨年12月保釈期間中に日本から逃亡し、ベイルートで悠々生活しているような不祥事を犯した日産自動車の今年度の業績は、6,700億円の純損失と2年連続の赤字の見通しである。その日産が驚いたことに日本政策投資銀行から、実に1,800億円の融資を引き出し、その内1,300億円に政府保証がついているということである。つまり、1民間企業の経営不振に対して政府機関を通じて貸付けて、最悪のケースで企業が倒産した場合、税金が注ぎ込まれるという危ない手を打ったのである。日産は日本経済をリードする大企業として政府としては倒産するのを見ておれないということだろうが、その貸付金の出どころは国民の懐である。債権者である国民の声を聞かずに、また国民に何の説明もなく多額の資金貸付の保証を与えるのは、あまりにも無責任ではないだろうか。

 過去においてリーマンショック直後に日本航空へ470億円の保証付き融資を行ったが、その後日航が倒産して国民にツケが回ったことがあった。日産の例が今後悪い先例とならなければ好いが、このところ長らく財務省のトップが、財務にあまり精通しておらず、漫画本ばかり読みふけって威張りちらしている麻生太郎大臣では、これから先も心配でならない。

 今朝の新聞訃報欄を見て、アッと驚いた。あの方がとうとうお亡くなりになってしまった。上智大学名誉教授のドイツ人アルフォンス・デーケンさんである。死とどう向き合うかなど「死生学」がご専門のようであるが、長らくカトリック・イエズス会司祭を務めておられた。デーケンさんとは日本ペンクラブのパーティで出会って以来、いつも「やぁ!コンドーさん!お元気ですか?」と気さくにお声をかけて下さり、楽しくお話しをした。3~4年前ぐらいからお姿が見えず、またこの3年間は年賀状もいただけず、どうされているか、気になっていた。享年88歳だった。またひとり存じ上げている方が亡くなり、世の習いとは言え一抹の寂しさを感じている。心よりご冥福をお祈りしたい。

2020年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4865.2020年9月6日(日) 童心に帰って「ガリバー旅行記」を楽しむ。

 6月から毎週金曜の朝日夕刊全1頁に「ガリバー旅行記」が連載されている。小学生のころに児童書で読んだので、あらすじは承知しているが、これまで原書の翻訳文を読んだことはない。その意味では柴田元幸翻訳で世界的なベストセラーを改めて読むことになった。幸い知らなかったことを改めて知ることにもなりストーリーも結構面白いと思っている。

 作者のジョナサン・スウィフトは17~18世紀のアイルランド出身の作家であるが、政治的な活動に関わっていたこともあり、文中に当時の皇帝や政治家に対する刺激的な表現が現れることがあると言われている。私自身子どものころの記憶でもあるので、やはりストーリーの細部についてはほとんど知らなかったと言っても好い。恥ずかしながら船が難波して漂着した小人の国が、「リリパット」という国名であることさえ知らなかった。そういう意味では、新しい外国文学作品を読んでいるのと同じである。

 一昨日の文章で火事に遭った宮殿の消火に駆け付け、前日呑み過ぎたワインのせいでもよおした小便をかけて幸いにも消火することが出来たが、皇后から敬遠されるに至った話がある。あの時代にしても品の良い話ではなかったので、19世紀になって現場にある筈がない大きな桶で水をかけて消火したことにされたという。更に女性は字をまっすぐに書けないとやや女性蔑視の表現や、死者は頭から真っすぐ下にして埋葬すれば、ほぼ30年後には死者は蘇り、その時地上はひっくり返っているので頭から地上に出て来られると信じられていたというようなユニークなエピソードが目白押しで、今日でもそれなりに興味をそそる話である。

 スウィフトが生まれたアイルランドは、イングランドとは言語的、宗教的にも一線を画している。スウィフトには、他のアイルランド人同様に大英帝国王を戴くイングランドや王室への複雑な気持ちがあったのかも知れない。

 1992年旧文部省教員海外研修団でアイルランドの首都ダブリンの郊外ダン・レアラで学校など教育施設を訪れた時、現地の教育関係者から、イギリスと異なる点や、スウィフトについても随分話を聞かされた。

 ともかくこの「ガリバー旅行記」は、私自身これまで知らなかったことを改めて教えてもらっていると思っている。まだ序章でもあり、この後ストーリーは原書に沿ってどんな波瀾万丈の展開を見せてくれるのか大いに楽しみである。

 さて、ここ数日南方洋上で発生して九州方面へ北上している近年稀なほど大型の台風10号が、沖縄、奄美諸島を通過して今夜8時には九州全県が暴風圏内に入った。テレビ各局は朝から現地情報を交えて台風警戒報道で持ち切りである。JR九州新幹線が今日午后から明日終日運休、またJR山陽新幹線も明日は広島~福岡間で運休し、航空便も多くが欠航を決めている。そのせいで14日実施予定の自民党新総裁選挙はおろか、立憲民主党と国民民主党が合流して結党し、10日に予定している新党の代表選挙もすっかり影が薄くなっている。

2020年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4864.2020年9月5日(土) 「筑波山ガマの油売り」口上名人亡くなる。

 今日の朝日夕刊「惜別」欄に去る7月に73歳で亡くなった歌手弘田三枝子さんが紹介されていた。「人形の家」などのヒット曲があるが、それより中々パンチのある「アスパラ」のCMソングがテレビから流れてきたのをよく覚えている。注目したのは、その隣に筑波山のガマの油売り口上で知られた吉岡久子さんの訃報である。やはり7月に96歳で亡くなられた。

 実は、吉岡さんのガマ口上は、2004年12月4日に吉岡さんが大女将をしていた「筑波山江戸屋」に、茨城県教員海外視察団団員が24回目の同窓会に集まり、「1枚が2枚、2枚が4枚~」と懇親会で熱演してもらってじっくり鑑賞させてもらい強い印象を受けたことをよく覚えている。その時すでに80歳だった吉岡さんが、日本刀を抜いた迫力ある実演にはほれぼれした記憶がある。記事によると私たちが鑑賞した時は、筑波山ガマの油売り口上第19代名人「永井兵助」を名乗っておられた。確かにおぼろげながらそんな記憶がある。女性がガマの口上をするとは、筑波山でも珍しかったようだが、保存会事務局長も声と手の動きはしなやかで鮮やかだったと思い出を語っている。

 それは想い出せばキリがないほど鮮烈な思い出の多い視察団だった。1980年12月茨城県教育庁課長を団長に、小中高の先生方と旧文部省係長を加えた計18名の教育関係者を案内して16日間、フランスのマルセイユとローマで小中高など教育施設を訪問した他に、マドリードとパリを観光した。ところが、その最中に世界中にショックを与える事件が起きて皆驚いた。12月8日深夜、あのビートルズのジョン・レノンがニューヨークのアパートを出た瞬間に、突然若者に拳銃で撃たれ、ほぼ即死状態だった。ちょうとその時我々はマルセイユにいたが、9日の早暁ジョンは亡くなった。マルセイユではジョン・レノン急逝は号外となって大きな騒ぎになっていた。レノン殺害事件はその後も何かとこの視察団でも話題となった。あれから早や40年が経った。

 マルセイユについては、視察団の折団長、班長の先生とともに日本総領事館を表敬訪問して、総領事から市の様子もうかがった。また、愛読書のひとつ、デュマの「モンテ・クリスト」にナポレオン時代のフランスの街の雰囲気が伝えられており、その後2度訪れたが、その都度市内を歩いては主人公モンテ・クリスト伯への思い入れを重ね合わせたものだ。港から見える巌窟王の島・モンテ・クリスト島へも行ってみたいと思いながら望みは果たせていない。丘の上の眺望の素晴らしいノートルダム寺院も懐かしく想い出されてくる。

 今この視察団は団長をはじめとして半数以上の団員がすでに冥界へ旅立たれた。団長が亡くなるまで同窓会「チボリ会」は、団員の先生方が仲睦まじく続けられた。旅行で一緒だったことを縁と絆にして、いつまでもこれほど長く親しく団員同士が交流していたグループは珍しい。いくつかの衝撃的なメモリーとともに、愛おしい思い出が蘇ってくる。

 これまでに旧文部省海外教育視察団21団体のお供をしたが、それぞれに今も強く印象に残っている。すでに長い時間が経過したので、同窓会は今では1985年10月にご一緒した兵庫県視察団だけしか続けられていない。近年兵庫県の同窓会には出席していないが、そろそろ黄昏時になってきたので、この新型コロナウィルスの時勢下集まり難い環境にあるが、開催されるなら万難を排して久しぶりに懐かしい先生方のお顔を見に参加してみたいとの気持ちが強くなった。

2020年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4863.2020年9月4日(金) アメリカ人の人種差別感と日本人の男女感

 今日も朝から暑い。東京都内は35.1℃という猛暑日となった。こう暑いとノルマのように決めている駒澤公園へのウォーキングを試みる気持ちも萎えてしまう。九州、沖縄地方へは台風10号が近年にないほど強烈な勢いで北上し、明後日九州へ上陸するとして気象庁がしきりに最大級の警戒を呼び掛けている。

 さて、日本人には今世界中を騒がせているアメリカ人の人種差別感というものが、中々臨場感でも実情でも分かり難い。確かに黒人らが白人に暴力を浴びているシーンは、すぐ止めなければいけないとことくらい悪いことだと分る。だが、それではどうしてそれがアメリカ人には止められないのかと考えるとよく分からない。悪いことは止めるべきだと誰も言い、止めようとするものだが、白人にとって黒人に暴力を振るうことが悪いことだと意識しない間に白人はいつのまにか忘れてしまうらしい。

 このところアメリカ国内で黒人への暴力事件が3件も大きな問題を引き起きている。フロリダ州で黒人が警察官の暴力によって殺害され、1週間前にはウィスコンシン州で黒人が子どもも乗っている車で背後から警察官に銃撃され、身体麻痺の状態となった。その男性は入院先で手錠をはめられていたことまで暴露された。そして、3月に遡ってニューヨーク州で黒人男性が警察官に頭部を痛みつけられ殺害された事件も明るみに出た。今全米中で人種差別反対の抗議デモが行われている。人種差別は許されないとキング牧師の努力もあってアメリカ国民が一時納得した筈だったが、意図的にか無意識にか忘れられてしまったらしい。。

 黒人や非白人を差別する白人アメリカ人の本音が、アメリカ国内に充満していて普段は表に現れず、何かのきっかけで表面化する。しかし、大統領自ら差別発言をするようでは、残念ながらアメリカからこのまま永久に人種差別はなくならないだろう。

 人種差別ほど悪質ではないが、男女差別にも同じようなことが言える。但し、黒人差別の激しいアメリカで男女差別は表面上あまり見られない。それでも独立以来ほぼ250年が経過するのに、未だに女性大統領が輩出しないのには、それなりにアメリカ人の特異な事情があるのだろう。国会議員の女性比率から見ても今年1月時点でアメリカは23.4%で193カ国中82位である。意外に低い。アメリカという国は、民主主義の模範国と自画自賛している割に、中国にすら後塵を拝しているのだ。ただ、それでも日本より大分良い。日本のそれは、僅か10.2%でしかなく193カ国中144位で、G20 の国々の中で最下位である。

 どんな国に男女差がないのかというと、1位ルワンダ61.3%、2位キューバ53.2%、3位ボリビア53.1%、4位アラブ首長国連邦50.0%、5位メキシコ48.2%である。いわゆるアフリカ、中東、中南米などの途上国がベスト5を占め、その後をヨーロッパ諸国が追っている状態である。

 その体質の一例が、今度の自民党総裁選にも表れた。総裁選立候補に女性は誰ひとり立たなかった。意欲を見せた議員に、稲田朋美幹事長代行と野田聖子元総務相がいる。それでも男性優位の政界自浄事情により立候補出来なかった。稲田氏は早くから総裁選に出る気持ちが強かった。だが、政界入りの道を開いてくれた安倍首相に相談したところ、仲間作りが大事だと言われた。そしてその直後に所属する細田派が、早々に菅官房長官推薦を決定した。他方、野田氏には推薦人20名が集まらなかった。酒を酌み交わす仲間との会食が少ないということも一因らしい。つまり、意欲、政策、首相哲学、実行力などではなく、調子よく立ち回りお付き合いする日頃からのそつのない仲間、同志との関係がないと難しいということのようだ。男女の平等は日本の政治の世界では前途遼遠である。日本の政界に、今回各派閥が揃って菅氏支援を決めたように派閥が蔓延るわけだ。

2020年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com