4971.2020年12月21日(月) 就職志望に見える大学生の意外な視点

 新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない中で、来年度の大学生の就職が懸念されている。すでに大手企業でも多くの退職者を出し、新卒採用者の雇用を手控えると公表している企業も多い。

 今日1広告会社「学情」の調査による2022年卒学資江の就職人気企業ランキングが発表されていた。当然コロナ禍の影響を受けやすい観光業界の各業種へ二の足を踏むせるかと思いきや、それほど気にしている傾向は見えない。人気の高かった大手航空会社、日本航空と全日空は来年度採用を中止すると公表したにも拘わらず、現在3年生は自分たちが就職する22年度には、コロナが終息し航空会社が採用を再開すると考えているのか、順位こそ下がったが、日航は88位、全日空は79位に留まっている。ホテルの名は100位の中にはユニークな存在の星野リゾート・マネジメントが92位に顔を連ねているだけであるが、相当影響を受けている筈の旅行会社への志望が高いのには、意外な感じがした。
 年々旅行会社への人気と入社希望が高まっていて近年は、JTB、近畿日本ツーリスト、HISが上位にランクアップされていた。今年も昨年2位だったJTBが9位に控え、23位に近畿日本ツーリスト、35位にHIS、66位に日本旅行が入っていた。はっきり言ってこれら先のHISまでの3社は、今年度決算は大幅な赤字が予定されている。特に、近畿日本ツーリストについては、「選択」誌12月号の企業研究「近鉄グループHD」によれば、壊滅的と書かれている。旅行業界でも健全な営業路線を歩んでいて、1位のJTBの地位を虎視眈々と狙っていると考えられている近畿ツーリストが。子会社の上場企業KNT-CTが債務超過寸前の惨状にあるという。それには、親会社の近畿日本鉄道が私鉄業界の中でも最悪の決算を出しそうで、崩壊寸前とまで酷評されている。現時点で私鉄の中で唯一運賃値上げを考えているのが近鉄だそうである。

 その近鉄グループホールディングスが、昨年の179位から45位に躍進しているから現在実態とはかけ離れている。他に私鉄の会社は100位の東京メトロを覗いて、近鉄以外には見当たらない。

 この他に目立つのは、出版不況と言われる中で出版社の人気が高いことである。4位講談社、11位集英社、15位ベネッセコーポレーション、16位KADOKAWA、62位新潮社、など意外なほど人気が高い。

 我々の学生時代には、損保、商社、銀行などが上位を占めていたが、随分変わったものである。

 大学3年生には、まだ世間や経済界の実態がよく分かっていない点もあるかも知れない。もう少し時間をかけて調べて、自らの希望と将来性のある会社とをマッチングして社会人人生へ乗り出してもらいたいものである。現実はコロナに攪乱されて実態が見えにくいが、それだけに慎重に将来の道を誤らないようよく見定めて前へ進んで欲しいと願っている。

2020年12月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4970.2020年12月20日(日) 高校駅伝選手に鉄剤注射とは?

 中学2,3年時に京都市内に住んでいたので、毎年この時期になると都大路を走る全国高校駅伝を郷愁の想いでテレビ観戦している。他の高校スポーツではあり得ないと思うが、71回の歴史で広島県世羅高校が10度目の最多優勝を成し遂げたのだ。女子も同校が制覇して史上2度目の男女優勝を飾った。しかし、あまりすっきりしないのは、男女ともに男女チームともに外国人選手が出場し活躍したことである。昨今の高校強豪校、特に私立校には、必ず外国人選手がメンバーとして入っていることである。プロではないので、外国から有力選手を留学生として呼ぶのではなく、もう少し自校内で選手を育成する方法を取った方が日本人選手を育てる意味でも、また教育的見地からも望ましいと思える。47チームのうち5選手が黒人選手だった区間もあった。

 さて、その高校駅伝に思わぬ難題があることを知った。選手たちが持久力向上のためと称して鉄剤注射を打つという。今大会では、新型コロナウィルスによる医療機関の負担軽減のため取りやめたそうだが、若い高校生の身体に影響を与える行為を日本陸連はなぜ容認しているのか理解に苦しむ。この注射を繰り返すと過剰な鉄分が内蔵に沈着して、肝機能障害などを引き起こす危険があり、しかも何年も前から問題視されていたという。

 好記録ばかり求めて選手の健康面に配慮しないスポーツなんて本来の主旨から外れていると思う。今日偶々朝日朝刊に「指導者や関係者は引き続き、鉄剤注射の問題と真剣に向き合ってほしい」と問題点を探求することを求めていたが、一般のメディアももっと高校生の健康を真剣に考えて問題点を追及し積極的に是々非々を議論してほしいと思う。

 好記録を目指す邪道として、近年ロシアのウエイト・リフティング選手の間でドーピング問題が注目されている。リオ・オリンピックでは違法なドーピングのため、ロシアは国としての出場から締め出された。国ぐるみで違法な薬物をこっそり選手に提供していたロシア当局は、国家の恥をあまり意識していないようだが、17日スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、ロシアの組織的ドーピング問題についてロシア側の異議申し立てを棄却し、2022年12月までロシアは主たる国際大会に出場出来ないと裁定を下した。21年東京オリンピックと22年の北京冬季大会にロシアは出場出来ないことに決まった。

 高校駅伝の鉄剤注射も、これを放置したままだといずれ似たような問題に発展する可能性もある。周囲の関係者は、責任感を持って対策に当たって欲しいものである。

 なお、マラソン関連のニュースとして、1946年以来国内最古のびわ湖毎日マラソンが、来年の第76回大会開催を最後とすることに決まった。残念だが、福岡国際マラソン、東京マラソンと並ぶ男子3大マラソンのひとつが幕を閉じることになった。地域的な問題もありスポンサー集めに苦労して経済的な面から中止となるようだが、昨今経営的に苦しい毎日新聞社が後援していることも影響しているのかも知れない。代わりに市民マラソンと言われ年々参加者が増えている大阪マラソンが、後を継ぐようだ。

2020年12月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4969.2020年12月19日(土) コロナで分かったオリンピックの無駄

 相変わらず新型コロナウィルス感染のニュースが、日本のみならず世界中を駆け巡っている。一昨日にはフランスのマクロン大統領が陽性感染したと伝えられた。イギリスのジョンソン首相、アメリカのトランプ大統領はすでに感染した。しばらくはリモートで業務に当たるという。ドイツやイギリス、フランスでも一時的に感染減少を示す時期があったが、再び拡大傾向にある。

 北欧のスウェーデンでは独自のコロナ緩和政策を取っていたが、感染が拡大したことについて、普段政治的発言を控えているグスタフ国王が、公共テレビ放送のインタビューでスウェーデンの対応は失敗したと思うと異例の発言をされた。同じ北欧のノルウェーやフィンランドの人口は、スウェーデンに比べれば約半分だが、2つの国の死者が100人程度なのに比較して、スウェーデンではこの1か月間だけで1,600人以上が亡くなったことに国内では危機感が表れている。

 すでにイギリスではワクチンの接種を開始したが、今月27日からEU27カ国でコロナ・ワクチンの接種を始める。すでに31万人もの死者を出したアメリカでもペンス副大統領をはじめワクチンの接種が始まった。日本でも漸く現実化してきた。アメリカの製薬大手ファイザー社が、昨日製造販売の商人を厚生労働省に申請した。これを受けて厚労省は安全性や有効性を判断し、承認するかどうかを決める。政府としては、今年度内に接種を開始する予定のようだが、そうなると我々高齢者が優先的に受けられるようなので、コロナ感染の不安から解消されることになる。早く安全なワクチンを接種してもらいたいものだ。

 さて、コロナはオリンピック東京大会を1年先延ばししてしまったが、現状では予定通り来年夏に開催される保証はない。一般の声を聞いてみると半数以上の人が開催は難しいと見ている。17日に開かれた2024年開催予定のパリ・オリンピックの組織委員会では、コロナの感染拡大を受けてパリ大会の基本計画を見直し、一部の競技会場の建設を取り止めるという。これにより多額の競技場建設費用を削減することが出来る。実は、今日もウォーキングで1964年東京オリンピックに使用された駒澤オリンピック記念公園へ出かけたが、現時点でも立派に使用できる競技施設があるにも拘わらず、室内体育館とホッケー場を作り直した。だが、これは今回の東京大会で使用される予定に入っていなかった。新競技用には新しい競技場を建設したのだ。駒澤公園の多くの施設は、使えるのに使われない。新規に建設したからだ。どうしてこのように公金を浪費するようなことを行おうとするのか。

 多分仮に来年東京オリンピックが開かれても、充実した施設が揃っている駒澤公園は使用されないだろう。そのお陰で静かな環境ではあるだろう。

 オリンピック開催には無駄な費用もかさむが、工夫をすれば現施設を有効に活用すれば、無駄な費用を使わないで済む。大きなプロジェクトには、もう少し効率的な計画が立てられないものだろうか。

2020年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4968.2020年12月18日(金) 怖い! 危うくカードの罠に

 最近知らない間に口座から現金が引き落とされる詐欺事件が頻発しているようだが、今日私にもそれと同じような危ない出来事があった。

 去る12日に三井住友カード㈱からVISAカードの今月分利用代金明細書が郵送されてきた。支払いと払い戻し分を合わせて4件ほどの項目が計上されていた。そのうちの1件はまったく思い当たらない高額請求額で、相手先名もまったく知らない。不審に思い、早速翌日カード会社へ本件につき調べて欲しいと手紙を書いた。ところが、音沙汰がなくこのまま放っておくと今月末に請求額が一方的に引き落とされる恐れがあるので、昨日同社社長宛に実情を認め早急に調べて報告して欲しいと催促を促すような手紙を書留速達便で送った。

 そうしたらどうだろう。今日になって同社から今月2度目の利用代金明細書を送ってきた。早速開封してみると疑問に思っていた件の金額が削除されていたのだ。そこへタイミング良く同社から電話があった。尋ねてみると、私が送った2通の手紙を受け取り、最初の手紙で事件を知り、直ちに調査の結果虚偽の請求と分かり、私への請求明細を訂正したということだった。間髪を入れずに行動を起こしたことが、敵の術中にはまらず幸いしたということである。

 このクレームでは丁重な手紙を2通も送って実態を調べてくれるようにお願いしたにも拘わらず、しばらくウンともスンとも言ってこなかったが、カード会社が調査の結果詐欺だと判明して急いで私へ連絡したのだ。本件では、私のカード№が誰か悪意のある人物に知られて悪用されたので、今後の安全のために№を変更するよう求められ、カード№を変更してカードを再発行してもらうことになった。

 それにしてもどこで、誰にカード№を盗まれたのか分からないが、怖いものだ。今以て不思議なのは私の暗唱番号をどこで、どうやって知ったのだろうか。今回は請求額が大きかったので、一大事とすぐカード会社へ連絡したが、うっかりすると見落として気づかなかったら味をしめた悪者は、また同じような詐欺行為をやりかねない。カード社会の怖いところである。改めて怖いと思った。請求書については請求項目ごとに綿密にチェックすることを改めて知った。カード社会の空恐ろしさである。

 さて、一昨日辺りから上越、信越地方に襲った豪雪は、自動車道を走っていた多くの車に被害を与えている。上越道では上り線が多くの車が道路上に立ち往生して、昨日は約1,000台の車が閉じこめられていた。今日も事態は解決されず。雪の中を多くの車の中で夜を過ごしたようだ。このため、水や、食料、ガソリンが欠乏して自衛隊や道路会社のスタッフがそれらを配って回っていた。明日からまた寒波がやってくるようなので、今日中に苦境から脱出しないと大変なことになる。人里離れた高速道路上で、スマホの電池も充電出来ず、災難に遭遇した人びとは困り切っている。想像もしていなかっただろうが、雪の中で出かける時はよほど気象、道路状況を警戒しなければいけないという警告である。

2020年12月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4967.2020年12月17日(木) コロナ感染者は全国的にも、東京でも過去最多

 この2,3日急速に冷え込みが厳しくなり、今日は気象庁の全国1,000観測地のうち、氷点下を記録したところが7割に近かった。日本海側を中心に局地的に大雪が降り、特に上信越道は記録的な積雪に道路が一部で止められ、上越道では車が立ち往生して一向に動かず、ついに新潟県は自衛隊に出動を要請した。

 東京でも確かに戸外は寒い。今日もいつも通り駒澤公園へウォーキングに出かけたが、いつもより人出は少なかった。

 今月4日に右手薬指と小指の付け根に痛みと痺れを感じ、同時に右胸の上部に血の塊のような皮下出血跡があった。指の痛みは末梢神経が影響しているとしてメチコバール錠を1日3回服用しているが、現状ではまだ変わらない。ところが、もうひとつ気になっていた皮下出血跡は、一時若干大きくなったが、一昨日鏡を見たらきれいに血痕が消えていた。医師は数週間内に血痕跡は消えると言っておられたが、2週間で跡形もなく消えた。ほっとしている。

 今日も新型コロナウィルスは勢いを増している。東京都の感染者は今日800人を超えて822人となり、昨日678人となって過去最多を記録したが、あっさりその記録を破った。全国でも感染者は過去最多の3,209人となった。都の医療体制もついに最高レベルの警戒体制に入った。このため病床数が不足しそうな危機感から東京都は病院に入院していた重病者のうち、基礎疾患のない患者はホテルの医療施設へ転院させることにしたと公表した。こんなコロナ禍の下で全国的に「GO TOトラベル」の一時停止を指示し、4人以上の会食の自粛を要請した菅首相自らが、こともあろうにその当日に二階自民党幹事長、王貞治さんら著名人を交え8人がステーキで会食したことが報道され、野党やテレビ出演者らからも批判を浴びている。流石に記者会見で詰め寄られた首相は反省していると殊勝だったが、国民に自粛を強いていながら自分は気にしないという感覚が少々おかしいと思う。われらが「ガースー」首相も就任3か月でそろそろ化けの皮が剥がれてきたのだろうか。

 さて、先日今年度の追加補正予算を組んだばかりだが、早くも来年度の一般会計予算が決まった。2019年度から3年連続で100兆円規模を超え、過去最大の106兆円となった。税収見込みは60兆円に満たず、不足分は例によって国債によって賄われる。それに合わせて、今日萩生田文科相が新年度から小学校の1クラス生徒数は5年間をかけて35人にするという。いずれ30人学級を目指すという。アメリカやヨーロッパなどでは20人学級が当たり前なので、まだまだ欧米には及ばないが、我々50人学級世代から見ると羨ましい限りである。

2020年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4966.2020年12月16日(水) これからのコロナ対策

 今日も新型コロナウィルスが全国各地で猛威を振るっている。東京では、今日感染者が678人となり過去最多となった。中川俊男・日本医師会会長は記者会見を開き、国民の自粛への協力を評価しながらも油断ない日常生活に警告を促した。

 このため「GO TOトラベル」を一斉に停止したことが遅すぎたとか、もう少し先延ばしすべきだとか、その是非を巡りあれこれ異見がある。観光業は「GO TOトラベル」のお蔭で一息ついていただけに、業界内からは失望の声が聞かれる。年末を間近に控えて忘年会シーズンを迎えて、殊更飲食業界にとっては諦めきれないものがあるようだ。

 コロナで経済活動にプレーキがかかりつつある昨今であるが、昨日政府は今年度追加補正予算を盛り込んだ21兆8千億円の第3次補正予算を閣議決定した。この財源はすべて国債の発行によるものである。元々今年度は当初見込んでいた税収63兆5千億円が、コロナのせいで約55兆円まで縮小し、不足分を国債の発行に頼らざるを得なくなった。結果として国債の今年度発行額は112兆円となる。新規国債の発行額は、2009年のリーマン・ショックの影響を受けた年の52兆円弱であり、以降毎年50兆円前後で推移してきた。今後この国の借金を早い機会に返していかなければならない。

 いつものことながら政治家は自分の金ではない借金は安易に行うが、これを返済するとなるとまったく腰が重い。こうしてこれまで国の借金は積もり積もって1,100兆円を超えるまでに膨らんだ。よほど財政に通じた実力者が介在しないと、この大幅な借金も口では財政バランスを言いながら馬の念仏のままではないか。112兆円もの大金を借金する度胸があるなら、返済計画もきちんと立ててもらわないと後世にツケを回すだけではないか。

 その中で先日恒例の大企業や製造業の業況判断指数である今月の日銀短観が発表された。それによると計数的には2四半期連続で改善されたとなっているが、2期前には対前年で大幅に景気が落ち込んでおり、その後の指数であり、前四半期に比べればよいが、昨年同期と比較すればマイナスであり、依然としてコロナの不安は根強い。長いトレンドで見ると、2013年から経済界は好調を維持してきたが、今年に入ってからずっと下り坂で、漸く対前期指数でここ2四半期は向上したと言える。その点では、景況感は改善したとも言える。しかし、これはあくまで大企業についてであり、中小企業にとってはこのコロナ禍で大きな打撃を受け、明るい兆しは見えないようだ。今最も根を上げているのは飲食業界など中小・零細企業である。

 経済活動も損なわず、政府は感染拡大防止に効果的な支援・救済策を考えてくれるだろうか。「ガースー」菅首相の手腕が問われるところである。

2020年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4965.2020年12月15日(火) バイデン氏、正式に次期米大統領に

 11月3日に投開票が行われ、バイデン前副大統領は投票と投票人の過半数を獲得していながら、敗者トランプ大統領が相手候補のバイデン氏側に不正があったとして訴訟を起こし自らの敗戦を認めようとしなかった。しかし、昨日選挙人による投票の結果、予想通り306対232でバイデン氏が過半数を獲得して大統領就任を確定した。それでもトランプ大統領は潔く敗戦を認めようといない。だが、いくつか不正の疑いで再選挙を訴えていた州裁判所では、その主張はすべて否認され、トランプ氏の申し出は認められなかった。

 それにしても民主主義のおひざ元とも見られているアメリカの大統領選の結果が、簡単には決まらす、選挙制度自体に問題ありとされることについては、アメリカ国民の民主精神もチェック機能も生かされていないと言わざるを得ない。

 ひとつには、制度自体に問題がある。民主主義を支えているのは、公正な選挙により多数の票を得た者が勝利を手中にする公平な制度である。その原則にも拘わらず、一般国民の1票が1票以下の投票に敗北する選挙人制度の導入が、民主主義のルールに反する結果を産み出している。選挙人によるその地区の総取り方式が、1票を1票以下にも1票以上にもしてしまう摩訶不思議な制度だからである。

 そしてもうひとつ問題なのは、今回の選挙を混乱に陥れたドナルド・トランプ氏個人の資質と性格である。普通の候補者なら獲得票が当選圏内から外れた場合、負けを素直に認めるが、トランプ氏はいつまでもイチャモンをつけて大統領職に縋り付いている異常な性格の持ち主だと言う点である。トランプ氏の極めて稀なる性格により、アメリカ国民の恥を世界中に晒した節もある。そのトランプ氏は一敗地に塗れたが、4年後の大統領選に再び立候補を目指しているとの噂がある。潔さがまったく感じられない落ち目のトランプ氏に果たして再び立候補のチャンスは訪れるだろうか。

 トランプ氏を倒して次の大統領に選出されたジョー・バイデン氏には、すでにオバマ大統領時に副大統領だった経験があるだけに、外交問題ではトランプ大統領のようなアメリカ第一主義を露骨に振り回して、一部の国を除き世界中を敵に回すようなことはないと思う。

 昨年8月、旧ソ連と1987年に締結した中距離核戦力(INF)廃棄条約を離脱し、昨年11月には、気候変動への国際的な取り組みを決めた2015年の「パリ協定」からの離脱を正式に国連に通告した。これにより、アメリカは世界で唯一、同協定に参加していない国となった。世界の孤児になったのである。バイデン氏はすでにこれら条約への復帰を表明しているが、綻びを直すのにも大変な努力と苦労を強いられると思う。国連も認めていない「イスラエルの首都・エルサレム」へ、アメリカだけがイスラエルに忖度してテルアビブから大使館を移し、エルサレムを首都と認めたひとり相撲を取った。一番気になるのは、外国の首脳から失った信頼感をどうやって取り戻すことが出来るかだろう。

 トランプ大統領は安倍前首相とは、妙に気が合って世界でも最も気の合う首脳同士と言われていたが、2人とも最高権力の座から去ることになった。その点では菅首相はトランプ大統領よりよほどバイデン大統領の方が取り組みやすいことだろう。しかし、バイデン氏も中々したたかな点があるようだから、噂だけに捉われず、真摯にかつ率直に日本の立場を主張することだ。

2020年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4964.2020年12月14日(月) 「GO TO トラベル」、ついに一時停止

 毎日これでもか、これでもかという具合に新型コロナウィルスに関するニュースがテレビ画面に表れる。感染者拡大の影響があり、医師会やコロナ専門分科会などから提案を受けて、今夕菅首相が「GO TO トラベル」を28日から1月11日まで一時停止すると公表した。

 世界ではコロナ感染者が7,195万人となり、1日で69万人増えたことになる。死者も1日で1万3千人増えて160万人を数えるに至った。最大のコロナ感染国、アメリカでは、1,610万人の感染者に29万8千人の死者となった。どこの国も対策にてんてこ舞いである。

 ドイツでは昨日メルケル首相が感染拡大に歯止めがかからず、11日には感染者数が2万9千人、死者は598人に上ったことに怒りを露わにして、生活必需品を販売する店を除く小売店の営業を明日16日から来月10日まで禁止し、同時に学校も原則として閉鎖すると発表した。

 一方で政府は今日全世代型社会保障について大筋のプランを取りまとめた。少子高齢化時代にあって全世代が長く平等に社会保障を受けられるようにするとの考えに基づいたものであるが、75歳以上の高齢者の医療費自己負担率を1割から2割に上げることを主に、児童手当の削減などが盛られる。偶々今日朝日朝刊の読者の「声」欄に、71歳の男性からこんな投稿が載っていた。

 現在1割負担の高齢者にとって2割負担に増える負担感は大きい。そこで現在75歳以上の高齢者の負担割合を据え置き、その据え置き対象年齢を1年ごとに1歳足す。現在2割負担の人はそのまま2割負担となるが、現状維持ならそれほど抵抗感はないというものだ。これを更に進めて80歳に、或いは85歳になったら1割負担に下げるというのはどうか。確かに一理あるし、受け入れやすい考え方である。もちろん精査する必要はあるが、こういう発想が政治家や厚労省官僚にないまま結論を出すことが問題だと思う。残念ながら時すでに遅しで、今回の改革には間に合わない。今後別の問題でも残された課題ではないかと思う。

 さて、今年も例年通り1年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」が、今日京都・清水寺で森清範貫主が大きな和紙に筆で書く形で発表された。どんな文字が選ばれるかテレビなどでも興味深げに予想していた。私は「3密」の「密」だろうと考えていたが、その通りだった。

 コロナの影響で「3密」という言葉がよく使われたことや、オンラインでも人との関係が「密」接になったことなどが理由として挙げられていた。しかし、こんな深読みもあった。政界や芸能界では内「密」や秘「密」が多かったことも理由として挙げられていた。確かに皮肉っぽいが政界には内密や秘密事項が多い。

 どうも「今年の漢字」には、あまり良い意味で選ばれることがないようだ。昨年は令和元年に因んで「令」だったが、2018年は、西日本災害や北海道地震のような自然災害が発生したこともあり「災」だった。17年は北朝鮮の弾道ミサイル発射から「北」だった。その前年16年は、リオ・オリンピックで金メダル獲得が目立ったので「金」とされ、良い漢字が選ばれた。

 来年こそは、「密」とも「災」ともおさらばして明るい漢字が選ばれるよう期待したいものである。

2020年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4963.2020年12月13日(日) 公務員、国会議員の報酬は妥当か?

 公共費用の支出について何となく調べているうちに、公務員の給料について意外な事実を知った。案外高額支給を受けているのが、医師に次ぎ大分差があるが高校教員と警察官だった。

 新型コロナウィルス対策で政界や医療業界専門家との折衝に当たる官庁職員の勤務状態も中々厳しいようで、夜遅くまで霞が関の官庁ビル街には明かりが灯っている。その職員らは当然時間外手当を支給されている筈であるが、行政職の公務員を例えて比較するなら国家公務員は地方公務員より年収で数十万円ほど給料が高いとされている。

 一般的に地方公務員で給料の高いのは、公立病院勤務医師の平均1,580万円で、これは別格で理解出来る。それに続く高校教員と警察官は、医師とは半額以下の710万円である。「広報東京都」の先月特集版「職員給与」によると、比較的財政が豊かな東京都でも高給取りは警察官で、以下高校教員、一般行政職、小中教員、技能労務職の順である。勤務中も息を抜けず、命を張って社会の安全を守るという職責上高い給与をもらえるのは、ある程度納得出来るにしても地方公務員の中で警察官が一番高額であるとは意外だった。

 全国の市区町村の職員高給与ベスト10を見てみると、1位島根県大田市、2位神奈川県厚木市に次ぎ、東京都の4区市がランクされている。3位杉並区、4位武蔵野市、5位三鷹市、6位日野市と続いている。しかもこれら4市はすべてJR中央沿線上に位置している。他に10位に目黒区がランクインしている。全国1,724市町村のうち、ベスト10に東京都内の5自治体も入っているというのは、それだけ東京都内各自治体が安定して潤っているからであり、他の都自治体を含めて東京都は全般的に恵まれているということが言えると思う。

 退職金についても東京都職員の場合は、仮に勤続35年で定年退職すると43か月分が支給される。因みに昨年度平均退職金額は、2,251万円だったというから一般企業に比べてもかなり恵まれているということが言える。

 一方で、国会議員の給与は、給与(歳費)として毎月130万円、期末手当が約635万円、その他に文書通信・交通滞在費として毎月100万円、立法事務費として毎月65万円が支給される。他にも政党助成金や資金管理団体からの収入など一説には、各議員とも3千万円以上の所得を得ていると言われる。そして国会を休んでも給与は保証されている。議員らにとっては絶対手放せない収入源であり、そのためいくら不祥事やスキャンダルが公になっても国会議員は、党内の職を辞することはあっても議員職を辞することはまずない。高齢者の医療費負担を値上げしたり、児童手当を部分的に廃止することには執着したところで、自らの給与を下げることにはまったく無頓着なのである。

 高い給与を支給されている警察官は自らの身を賭して庶民の身を守っている。教員も献身的に教え子の教育のために身を挺している。ところが、国会議員は、格別に高額の給与をいただきながら、国の立法化に努力しているとは申せ、その活動ぶりには呆れ、不満を感じることが多い。やはり彼らが戴いている給与は、行動実績に鑑みると一般的に多過ぎると言わざるを得ない。メディアは触れたがらないが、国会議員の給与の引き下げにも一石を投ずる報道をして欲しいものである。

2020年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4962.2020年12月12日(土) 自分のみならず世界中が病の虜

 1か月ぶりに糖尿病クリニックに伺って定期健診を受けた。予想通りと言ってはおかしいが、ヘモグロビン(HbA1c)数値は、6.3で先月同様安全圏内だった。医師からは順調過ぎるほど順調な回復ぶりと言っていただいた。体重も糖尿病以前に比べれば、約8㎏減っている。やはり食事療法と日頃のウォーキングがうまく出来ているからだと思う。特に、間食は完全に止め、糖分の高そうな食べ物には手をつけない。好きなアイスクリームも糖分の極少なものを半分程度食するだけとなった。少し食欲が目を覚ますが、堪えている。

 これとは別に、先月下旬辺りから毎朝どうも右手の薬指と小指の周りが痺れたり痛むので、3日前に外科で診て頂いた。朝起きると痺れを感じるが、時間が経つと少しずつその痺れは和らぎ、夜になるとほとんど痺れや痛みを感じない。ところが夜中の3時ころにトイレに行く時などは、痛み出している。そして7時過ぎに起きる時には拳を握れないほど痛む。外科医の診断では、末梢神経がやられているのではないかということから、服用薬メチコバールをいただき、1日3度服用してしばらく様子を見ることになった。今年は随分医療のお世話になることが多かったが、これも年齢的な点が影響していると思う。2年後には、現在の医療費が2倍に上るので、これからはそちらも少し心配しなければいけないかも知れない。

 今日も新型コロナウィルスは荒れ狂った。東京都では感染者が621人で過去最多、全国の感染者も3,041人で過去最多だった。世界の感染者も今日遂に7千万人の壁を破った。どこまで増えるのか、漸くワクチンが現実味を帯びてきてはいるが、コロナ風にどの程度抵抗出来るだろうか。そろそろより厳しい外出自粛宣言を発しなければならないのではないかと思う。

 さて、エチオピアからスーダンへ難民が流れている。エリトリアとの北部国境地帯ティグレ州のテイグレ人民解放戦線に対するエチオピア政府の軍事行動により、多くの死者が出て、避難民も数多く生まれている。今国際的に注目を集めているノーベル賞受賞者、アビー・エチオピア首相が北部一帯へ強い攻撃を仕掛けたことにより、問題は重大化しつつある。外部から見るとこれほど好戦的と思えるノーベル賞受賞者はいなかったのではないかと思える。アビー首相は相変わらず「法の執行のための最終行動を数日内に行う」と矛を収める気はないようだ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、全面的な人道の危機との見解を表明している。

 今更、どうしてこんな人物にノーベル平和賞を授けたのかと悔やんでも始まらない。今朝の朝日新聞「多事奏論」に「ノーベル平和賞『失敗』性急に断じられない」との女性論説委員のひとつの考えが掲載された。アビー首相への非難は免れないとしているものの、選ぶ側の限界はあるし、授与後の受賞者の行動を保障するものでもないと述べている。しかし、国際情勢に最も左右され易いのは、国の現役のトップである。それなら在職中は授与を猶予して、退任後平和活動に功績があったことを見届けてから授けたらどうだろうか。

 アビー首相は昨年エリトリアとの領土紛争を解決したとしてノーベル平和賞を受賞したわけだが、イギリスのTIME誌は称えるには早すぎたとまで厳しく評している。偶々昨年アフガニスタンでボランティア活動に当たっていた中村哲氏がテロリストに殺害されたが、仮に中村氏に平和賞が授けられていれば、ノーベル平和賞そのものも一層輝きを増しただろうし、本当の平和活動ということが多くの人びとにアピール出来たのではないかと残念に思う。

 いずれにせよノーベル平和賞とは、一体何なのだろうかと考えてしまう。人間の目というのは、中々基準が難しいものだ。

2020年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com