5021.2021年2月9日(火) 収まらない森喜朗氏の女性蔑視発言騒ぎ

 去る3日に森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長が軽率にも女性蔑視を認めるような発言を行ったことは、その翌日森会長が釈明会見を行っても火の粉が収まる気配がない。国会でも話題になり、菅首相が答弁に汗をかいている。国内世論には会長職を退くべきだとの声がかなりある。国内のオリンピック・スポンサー企業からも苦言が呈されている。大会ボランティアも400人ほどが辞退を申し出ている。海外のメディアも大分批判的である。ところが、四面楚歌かと思いきや、案外身内の組織委員会では開会式まで残り半年を切った現時点で、これをまとめて行けるのは、森喜朗会長を措いて他にはいないと森氏を擁護する声が強い。本人が辞める気はないと言っている以上辞めることはないだろう、尤もオリンピックの開催が危ぶまれているこの時点で誰も火中の栗を拾うような人はいないだろう。
 ところで、新型コロナウィルス騒ぎにも拘わらず、株式市況は日米とも好況を示している。アメリカで200兆円という大型の追加経済対策が成立しそうとの期待から、日経平均株価もダウ平均株価に引きずられて一昨日29,388円という1990年8月以来の高値となったが、今日はこれを更に上回る29,505円で引けた。とても一般国民や緊急事態宣言を受けて困っている飲食業界から見れば自分たちにはまったく縁のない別世界のように映るだろう。好調なソフトバンク・グループのように、2020年4月~12月期の純利益が3兆円超となり前年同期比で6倍超というから驚きである。純利益が3兆円を超えるのは、日本の企業では初めてというから孫さんもよくやるなぁと思う。

 ただ、国としてはコロナの影響を受け、2020年の外国と日本のサービス収支が3兆5千億円の赤字となった。外国人訪日客誘致策でこのところ外人客が増え続けていて19年は初の黒字となったが、残念ながら再び大幅な赤字に転じた。昨年は一昨年に比べて訪日客が87.1%も減少したことが効いた。その中で意外にも貿易収支は3兆円超の黒字となった。あまり喜んでもいられないが、輸入の減少が輸出の減少を上回ったことが要因である。幸い全体の経常収支は17兆7千億円の黒字だったというから、少しはホッとする。

 さて、意外なニュースを知った。JR東海道線藤沢駅と大船駅の間に新駅が建設されるという。東海道本線の新駅設置は、1925年の熱海駅以来だそうだ。結婚するまでは長年藤沢駅を利用していたので、感慨深いものがある。それにしても新駅開業が2032年の予定だそうだから、開業時には93歳になっている。父の没年である。それまで果たして生きられるかなぁ。

2021年2月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5020.2021年2月8日(月) 確定申告に必須の資料作成を失念

 今日は大チョンボをやってしまった。例年通り確定申告のため玉川税務署へ行く前に玉川青色申告会で申告書類を作成してもらい、その後作成された申告書を玉川税務署に提出して一件終わりという手筈だった。2週間近くかけて作った資料は万全の筈だったが、うっかり医療費控除明細書を資料として作成していなかった。昨年まではその必要がなかったが、今年から必須となった。その場で作成するには相当な分量でもあり無理だったので、改めて出直すことにした。新型コロナウィルスの影響により、4日前に今日の予約をしたのだが、次回の予約は何と大分先の26日となってしまった。更に、明日新たに医療費控除用の資料を作成しなければならない。今日税務署へ申告書を提出してすっきりすると思っていたのに、半月以上も先延ばしさせられることになった。今日は無駄足を踏んだことになってしまった。

 さて、昨晩NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」最終回を観た。昨年冒頭から出演女優さんの麻薬問題があり、予定が遅れたうえに夏にはコロナのため撮影が出来ず、2か月半も放映がなく、再開後はすっかり興味が薄れてしまいまったく観なかった。だが、過日ドラマの最大の盛り上がりである本能寺の変について新説が表れ、その折明智光秀は鳥羽にいて、本能寺にはいなかったというので、どういうシナリオになるかと半信半疑でクライマックスを待望していたところ、ドラマは定説通りで光秀は本能寺にいた。すると新説はどうなるのだろうか。

 また、今日の夕刊を見ると信長の妻の名は「帰蝶」ではなく、「胡蝶」との学説が現れた。いずれも出典があり、信憑性があるが、本能寺にいなかった件も合わせて、どうも唐突にそれまでの定説とは異なった新説が表れるとは、長年信じられてきた史実とはどうなるのだろう。

 相変わらずコロナによる影響は各方面に及んでいる。ワクチンの接種が漸く行われるような様子であるが、日本では今以て行われていない。すでに世界で80カ国以上が接種を行っているのに、スタートダッシュが良かった日本では後塵を拝してしまった。世界の人口100人あたりの累計接種回数を国別に見てみると、1位イスラエルの60.1回と2位アラブ首長国連邦の41回が際立っている。以下、イギリス、アメリカ、バーレーン、デンマーク、アイスランドの順である。日本が遅れた理由のひとつは、EUから日本へのワクチン輸出供給が中々許可されなかったことがある。それも漸くOKとなったので、何とか高齢者に対して4月上旬をメドに接種を開始ところで予定はクリア出来そうである。我々はただ接種の順番を待つばかりであるが、きちんと計画通り行って欲しいものである。

2021年2月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5019.2021年2月7日(日) 「知的生産の技術研究会」も近々終焉か。

 民俗学者で国立民俗学博物館初代館長でもあった梅棹忠夫・京都大学教授のベストセラー書『知的生産の技術』、『文明の生態史観』に触発され発展して、八木哲郎会長が梅棹教授の了解の下にNPO法人「知的生産の技術研究会」(略称:知研)を立ち上げたのが、ほぼ半世紀前だった。八木会長はその「知研」理事長を経た後、ずっと会長を務めておられるが、この半世紀間に果たされた知的活動は、何人も真似の出来ほど素晴らしい。年齢を忘れさせる八木会長ならではのエネルギッシュな活動ぶりには、深く敬意を払っている。私も「知研」会員になってあれこれ半世紀近くなり、何かとご指導いただいた。各地のセミナーやイベントにも参加した。

 とりわけ印象に残っているのは、2008年11月に韓国・利川市で開催された日韓米中の官民共催による国際的福祉シンポジウムに、八木会長の推薦により日本から唯ひとりパネリストとして参加したことと、東日本大震災の被災地・陸前高田市役所でその2年前に会長とともに図解講師を務めたが、その時お世話いただいた市役所職員が震災の犠牲になられたことである。

 実は、その会長が健康を損ねられたらしいと知ったのは、つい最近のことである。「知研」の定期機関紙『知研フォーラム』へ寄稿したところとんと音沙汰がなかった。昨日電話して漸く病状悪化で病の床に臥していたと知ったが、年齢的にも90歳近くで今後も無理は出来ない。八木会長は日頃の活動の他にもひとりで定期機関誌の編集・発行を行い、自らも著書を出版されて「知的生産」の普及活動に努めてこられた。

 しかし、高齢のせいもあり、「知研」創立50年を期して活動を止められるとの決意を伺った。創立時から続いた『知研フォーラム』も後2度の発行で終止符を打ちたいと仰っておられた。知的な活動も幅広く業務量も相当あるので、引き継ぐべき後継者もいない。残念であるが、八木会長のお気持ちを受け入れざるを得ない。冥界におられる梅棹先生にも八木会長のお気持ちはご理解いただけるものと思う。

 そこで残り2度の『知研フォーラム』の発行に当たり、私の気持ちとしてはその2つに拙稿を書き残したいと考え、先に送った拙稿『現代テレビ業界の課題と問題点』を先に発行する機関誌に、もうひとつは、いま世界の注目を集めているミヤンマーの軍クーデターとミヤンマーの国情などをテーマにこれから書いてみたいと考え、会長の了解をいただいたところである。

 それにしても僭越ながら敢えて言うなら、私の知的活動と知見は近年常に「知研」とともにあった。その母体が地平線に沈むと知って世の習いとは言いながら、強い寂寥感を覚えている。「知研」と八木会長にはサラリーマン時代よりも長くお世話になった。まだ数か月の間は、会長と会員の関係でいられるが、いずれお別れしなくてはならない。辛いことである。

2021年2月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5018.2021年2月6日(土) 河井案里参議院議員当選無効、報酬返還なし

 今世界中を襲っている新型コロナウィルスの影響によりどの企業も相当なダメージを受けている。株価ばかりが騒がれているが、乱高下の激しいアメリカでは2020年の貿易統計上貿易赤字が対前年同期比で18%も増え、約72兆円となった。その内1/3は対中国である。中国に八つ当たりするのも理解出来ないこともない。アメリカ経済が赤字なら当然その影響は日本にも及ぶ。

 日本の4月~12月期の決算は、売上高が対前年同期比で約1割、純利益が約3割減少するという暗い見通しである。大きく落ちこんだのは、鉄道、航空、サービス業などである。JR東日本、日本航空、全日空など大手企業がかつて想像も出来なかった軒並み3千億円程度の桁外れの赤字額を出し、オープン以来我が世の春を謳歌してきた東京ディズニーランドも売上高が6割も減少し、287億円の赤字を計上した。概して非製造業は光が見えないという。

 さて、一昨年7月に行われた参議院議員選挙で当選したが、買収容疑で公職選挙法違反の疑いがもたれていた自民党の河井案里議員に対して東京地裁は、昨日懲役1年4か月、執行猶予5年の判決を下した。河井議員は控訴を行わないため、有罪が確定した。有罪確定により河井議員の当選は無効となる。ただ、どうも引っかかるのは有罪確定により、過去に遡って当選は無効になるが、選挙後の議員活動や給与は「有効」として扱われることである。普通の感覚からすれば当選が無効となれば、その後のいかなる活動も認められないと思う。当然議員活動や在職中の議員報酬を認めることはおかしいのではないかと思う。当選を認めないならその後の議員生活も認めることは出来ないわけであり、当然その間の報酬を得ることは論理的にもおかしくはないだろうか。1年半の在任中に得た報酬は、何と約5千万円弱もあり、それはすべて国民の税金から支払われている。その返済を求めないということなら、「選挙(当選)は無効」というより「議員として失格」という解釈の方がよほど分かりやすい。

 このように国会議員に甘く美味しい特権と待遇を与えるから、議員らはのぼせ上って好き勝手なことをやって、例え罪に問われても議席にしがみつき議員辞職の気持ちがないのだ。他にも現時点で怪しい国会議員が数人いるように思える。彼らは収賄らしき行為をしていながら、法律によって罰せられない以上辞める気持ちは一切ないのだ。何とかもう少し身の周りを清潔に保つことは出来ないものだろうか。これだから国民の政治家への信頼が薄れ、政治が信用されなくなるのだ。

2021年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5017.2021年2月5日(金) コロナで国際郵便が乱れている。

 昨日海外にいる3人の友人にそれぞれ著書『八十冒険爺の言いたい放題』を国際郵便により送った。実は、過日郵便局で国際郵便は新型コロナウィルスの影響で、配達日数の予測がつかないと聞いていたので、取り扱ってくれた局員に確認したところ配達日は分からないと応えられた。3人へのメールでその旨を伝えた。するとすかさずセルビアの友人2人から了解したと連絡が入り、同時に昨年12月上旬に日本から郵送したクリスマスカードや年賀状が節分明けの今ごろになって届いたとの返信があった。また、ワクチンは昨日4日に中国製ワクチンの接種を受けるという知らせもあったが、イスラム教徒の医師は成分が不明なのでワクチンは打たないと言っているようで、やはり日本人の考え方とは異なるようだ。また、今日のメールでは、セルビアの国境で検査が解除となったと知らせてくれた。これで少しは往来が活発になるのだろうか。コロナもいろいろなところで不都合、不祥事を起こしている。

 さて、この度前記の拙著については大体好意的な感想を寄せていただいているが、以前しばしば会っていた元テレビ局ディテクターから、丁重なハガキをいただいた。免許事業の倫理規定はあるものの、会社に縛られ取材して「知る権利」を振りかざしてきたし、「言論の自由」とは言え、危険地帯にはフリー・ジャーナリストを向かわせるような放送が受け売りだったと率直なコメントである。危険なエリアの取材には自社の記者を派遣しようとしないメディア大企業の姿勢が見えると、批判的に書いた私の文章に対しての感想である。拙著後半部の「第7章 メディアのあり方と若者へのアドバイス」、「8章 メディアへの不信感を増幅させた出来事」の中でメディアの取材方法について少々厳しく糾弾した。「まことに自由な言論で媒体を利用される事は羨ましき限り」と皮肉も込めて結ばれてあった。厳しい実態を暴露され、些か不愉快にもなられたのだろうが、メディアの本音としては、僭越だが私が記述した通りに感じられたのではないかと思う。

 ところで、『万葉集』について新たな一面を知った。朝日朝刊に『万葉集』の専門家で国文学者、「令和」の名付け親でもある中西進氏のインタビューが連載されている。昨日そこに『万葉集』の中に天武天皇が奈良県吉野の美しさを称えたとされる一首が載っていた。凡人には「よく」分からないが、吉野のどこで歌ったのだろうか。吉野はあの時代よほど魅力的な土地だったのだろう。

 よき人の よしとよく見て

  よしと言ひし 吉野よく見よ

   よき人よく見つ

 万葉仮名の原文では、「よい」という文字の「良」「好」「吉」「淑」「芳」という感じが総ざらいされているという。ここに「善」がないのは、この「善」がすべてのよさを含んでいるからだと考えておられる。中西氏は、「令和」の「令」は「善」だと主張されておられる。「令和」には、『万葉集』の深い歌心を読み取り理解することが求められるということだろうか。

2021年2月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5016.2021年2月4日(木) 森喜朗さんの問題発言と森さんの思い出

 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の昨日の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」との発言が、女性蔑視と見られ物議を醸している。これは日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、話された内容である。「女性ってのは競争意識が強い。誰かひとりが手を上げて言うと自分も言わなければと思うんでしょう」「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度規制しないとなかなか終わらないので困る」とも言われた。真意はともかくこの発言だけを切り取ってみると、女性蔑視と受け止められても仕方がないと思う。JOCの現理事は25名であるが、そのうち女性理事は僅か5名で、JOCとしては10名以上にすることを目標としている。森会長は今日記者会見で、自らの発言は不適切な発言だったと反省し、発言を撤回すると述べた。辞任する気持ちまで尋ねられたが、辞任はしないと述べた。

 この発言が国内だけで処理できる問題ならともかく、オリンピック組織委員会のトップの発言として、すぐ海外にも伝えられた。フランス紙は、うんざりする発言だと批判し、日本は153カ国のうち男女平等では121位だと指摘した。よほど気をつけないとうっかり発言が世界中に波紋を巻き起こすこともある。地位のある人はそれなりに、自らの発言に責任を持ち常に謙虚でなければいけないと思う。

 森さんと言えば、次のように個人的に印象的な思い出がある。2014年「南太平洋の剛腕投手」を上梓したが、その中で旧トラック島の相沢進酋長と森さん、野球評論家・佐々木信也氏の3人を主役に戦前の日本と南洋群島トラック島時代から戦後のプロ野球界の側面的なストーリーを書いた。その折以下のような事情で1章すべてをカットしたことがある。

 それは、森さんがトラック島周辺を相沢氏の案内により船で巡っていた時に、相沢氏が森さんに無人島を提供すると申し出て、森さんはいただいた自分の島「森島」について私に話してくれた。その直後に私はトラック島へ渡りすでに亡くなられた相沢酋長の長女にその話をしたところ、そんなことは誰も知らないと言われた。そのどんでん返しが興味深く拙著のエピソードに採り上げて書いた。それを読んだ森さんが海外へ出発するため成田空港へ向かう車内から電話をかけてこられ、その島は目の前で酋長が自分に贈るとはっきり言い、その場に証人としてミクロネシアの当時のモリ大統領もいたと仰り、拙稿に随分おかんむりだった。元総理大臣のお怒りもあり、また相沢酋長は口が軽いと現地でも呼ばれていたので、森さんに贈られた無人島「森島」もその場限りの発言だったのではないかとストーリーを書いたのだが、森さんのお気に召さなかったために後ろ髪を惹かれる思いでこの部分をそっくり削除した。あれから早や7年が経つが、拙著の中で唯一心残りの箇所となっている。

 森さんは拙著の出版記念会にも出席され、スピーチもしてくださった。拙著を後援会出席者に配るからと900冊も購入してくれた。恩義のある方だけに昨日の発言は遺憾であり残念である。

  偶々今日は観測史上一番早い「春一番」が吹いた。もう目の前に春が来ているというのに、どうにも春らしい心が温かくなるようなワクワク感が湧き上がって来ない。

2021年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5015.2021年2月3日(水) 嫌われ者はコロナ、プーチンとミヤンマー軍

 世界中が新型コロナウィルスの恐怖に襲われ、その防止対策に早や根を上げている状態である。日本では、一時に比べればその勢いはやや沈静化したとは言え、相変わらず毎日のように緊急事態宣言下の経済活動の懸念や、感染者の対応などが報道されている。日本航空、全日空、JR東日本など大手交通関係が、軒並み約3千億円の赤字になると予想されている。そこへ中小企業を中心にコロナ倒産が千件もあるという最悪の状態になってきた。比較的好調なのは株価ぐらいで、今日も日経平均株価は前日比で284円も上がっている。

 急がれるワクチンの接種であるが、遅ればせながら日本では今月初めに医療従事者に行い、次いで4月から高齢者約3千万人に接種を開始する予定のようである。

 ワクチンについても世界各地でいろいろ話題がある。国民の3割がすでに接種を終えたイスラエルでは、接種に時間がかからないようだ。少々急ぎ過ぎの感がある。問診はほとんどなくすぐに接種するという。一方でイギリスのアストラゼネカ社のワクチンに高齢者の治験実績が少ないとして、フランス、スウェーデン、ドイツなどでは65歳以上の高齢者の接種は当分避ける方針だという。世界でもアメリカに次いで、1千万人を超える感染者を出して2番目に多いインドでは、感染者拡大にも拘わらず無料のワクチンを周辺国や南アフリカへ配布して随分感謝されている状態である。

 こんな暗い世界の中で、あまり政治的な動きが伝えられない最近のロシアでは、反政権活動家ナバリヌイ氏の身柄拘束を巡って釈放を求めるデモが広がっている。氏もこれまで詐欺事件に巻き込まれて有罪判決を受けたが、その判決について物議を醸している。プーチン政権としては、正面から反プーチンを唱えるナバリヌイ氏がよほど目の上のたん瘤なのであろう。だが、プーチン大統領は昨今ほとんど公衆の前に姿を見せず、湖畔にある収賄で手に入れたと悪い噂の豪華宮殿に引きこもってシグナルを送っているようだ。2000年に大統領の地位に就き、絶対権力を手中に収めて、憲法に則り一時的に4年間だけ大統領の地位をメドベージェフ首相に譲ったが、再び大統領に復帰するや、憲法を改正し現状では2036年まで大統領の地位に居座り続けることが可能となった。憲法を自らの欲望でどうにも出来るのが、民主主義国家とはとても呼べない。

 ところでプーチン政権のそのやり方は、昨日クーデターで現政権を倒したミヤンマーのミンアウンフライン軍事政権の志すところと同じである。ミヤンマーの現憲法では国会議員の議席の1/4は軍人に割り当てられているが。憲法改正には議員の75%以上の賛成が必要である。すると憲法改正には軍関係議員が、少なくとも1人以上の賛同が求められる。ほとんど不可能である。これでは憲法改正は絶望的で、このまま議会に軍人が居座り続け、民主派は過半数を得ても思い通りに政治を行うことが出来ない。ここまで非民主的であるとは知らなかった。ミヤンマーの人たちは親切で優しく、素晴らしい国民性であるが、政治だけはまったく前時代的で国民に目が向いていない。昔ビルマでは旅行で随分お世話になったが、当時親しくなった人たちは今どうしているだろうか。気になるところである。

2021年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5014.2021年2月2日(火) 例年より1日早い節分

 今年の今日、2月2日は節分に当たるということである。例年なら明日3日が節分で、その翌日が立春というのが日本の暦である。ところが、今年は地球の公転周期に微妙なずれが生じて、明治30(1897)年以来、実に124年ぶりに節分が1日繰り上がった。歴史を遡ってみるとこの年カナダでは日本人や中国人移民の排斥法案が可決されて、鉄道工事などの肉体労働に日中両国人の労働者を雇用することが禁じられた。カナダでも唾棄すべき差別が始まった時代だったことが判る。なお、1984年には、1日繰り下がって4日が節分だった。これも珍しく当時37年ぶりと言われた。節分の豆まきも今年は新型コロナウィルスの影響でほとんどの神社で行われないようだ。

 先月8日から始まった3回目の緊急事態宣言が7日に期限切れとなる。このところ新規感染者数がやや減って来たので、どうなるか注目されたが、今日政府は対象の11都府県のうち、栃木県を除いた10都府県では更に緊急事態宣言を1か月延期することに決定した。春が1日早くやってくるので、コロナも1日でも早く終息して欲しいものである。

 さて、拙著「八十冒険爺の言いたい放題」については、ホームページにアップしようと小中陽太郎さんに推薦文か書評を200字前後でお願いしたところ、快くお引き受けいただき、すぐにメールで送っていただいた。また、最大の旅行専門誌「週刊トラベルジャーナル」編集長に紹介文を掲載してくれるようお願いしたところ、昨日引き受けてもらえると了解の連絡をいただいた。同誌は、前著「南太平洋の剛腕投手」の紹介文も掲載していただいた。ほとんどの旅行会社では同誌を定期購読しているので、若い社員向けに効果的であると思っている。有難いことである。

 ところで昨日軍部のクーデターが発生したミヤンマーでは、拘束されたアウンサンスーチー国家顧問やウィンミン大統領が軍により解任され、24名の新閣僚が任命された。国連では安全保障理事会を開催し緊急協議を始める。アメリカのバイデン大統領は、2016年に経済制裁を解除したが、再び制裁を課すと述べた。そのスピーチの場面で新聞が写されていたが、ミヤンマーのことをビルマと書いてあった。かつてのビルマは今ではほとんどミヤンマーと称する国が多くなった中で、旧日本軍ならともかくアメリカの新聞が今以てビルマと表現していたとは意外だった。

 大好きなミヤンマーが世界から厳しい目で見られるのは耐えがたいことであるが、この軍事政権を退却させるには各国が一致して軍事政権に毅然とした対応をする必要がある。しかし、米中対立の狭間でミヤンマー国内に一帯一路による石油輸送管を設置し、ミヤンマーに存在感を残したい中国が、果たして他国と足並みを揃えることが出来るだろうか。

2021年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5013.2021年2月1日(月) 拙著の販促とミヤンマー国軍によるクーデター

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の販売状況が気になっていた。僭越だが、内容的には同じ旅行書には負けない自信がある。多くの識者からも評価をいただいている。出版社が発行後の販促活動において思い違いがあったのか、紀伊国屋書店で調べても存在が分からないという心許ない状態だった。幸いこのところ漸く全国書店の販売ルートに乗っかったようだ。はるかぜ書房の鈴木社長は、いろいろな売り込み方を考えているようだが、今最も力を入れているのは、アマゾンの旅行書ジャンルでベスト10入りを目指すことだと聞いた。そしてこのところネットを覗くと各書店が拙著のPRをしてくれている。拙著は当初このジャンルで3千位前後にいたようだ、日を追って順位を上げ、3百位から80位前後にまで伸びてきているという。今後ベスト10入りを果たせれば、販売に弾みがつくという。

 鈴木氏は、ジュンク堂書店とは長いお付き合いがあるようなので、同書店の系列に働きかけて一層の販促につながることを期待している。在庫も少なくなっているようなので、重版に備えて初版の校正漏れに手を入れ修正しておくようメールでお願いした。これからどれほど販売数が伸びるか、楽しみになってきた。

 さて、今日ミヤンマーから暗く悲しいニュースが伝えられてきた。夕刊を開くと一面トップに大きく扱われている。ミヤンマーでは今日の国会開会を前に、ミヤンマー軍が国営テレビを通じて非常事態宣言を出し、アウンサンスーチー国家顧問とウインミン大統領、与党幹部らの身柄を拘束したと発表した。国軍のトップ・ミンアウンフライン司令官は軍が政権を掌握し国を統治したと明らかにした。同時に国会開会を延期すると一方的に表明した。いわゆる軍によるクーデターである。

 昨年11月にスーチー氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)が、総選挙で8割もの議席を獲得して圧勝したが、その5年前の総選挙で軍政権を打倒してNLDが与党になって以来、軍部はNLDに対する不満が高まっていたことが背景にある。

 軍は民主的な選挙では多数派を勝ち取れないと見たのか、昨年の総選挙で与党に不正があったと与党に対してその対応を迫っていた。それが国会開会の当日強引にも腕力で政権を奪い取ったのである。当然国際社会で非難の声が上がっている。アメリカでは、ホワイトハウスが「最近の選挙結果を変えようとするいかなる試みにも反対する。こうした措置が取り消されなければ我々はその責任者に対して行動を起こす」とまで言及している。同時に、グテーレス国連事務総長も「国家顧問と大統領が議会開会直前に拘束されたことを強く非難する。軍の指導者に対してミヤンマー国民の意思を尊重し、いかなる立場の違いも平和的な対話を通じて解決されるべきだという民主主義の規範を順守するよう求める」との声明を出した。

 ミヤンマーの議会は、議席の1/4を軍部が占めているが、国軍系の最大野党・連邦団結発展党(USDP)は議席を失い、民主派議員に圧倒されつつあり、昨年の総選挙で更に議席数を減らしたことで、存在感が低下しつつあることに不安を感じて武力に訴えたのではないかと推測する。

 ロヒンギャ問題も国際世論はミヤンマーに味方せず、最も好きな国のひとつであるミヤンマーが、軍事政権国家となって世界から取り残されないことを願っている。

2021年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5012.2021年1月31日(日) イギリスが行った香港市民への支援策

 新疆ウィグル地区とチベット自治区における少数民族に対する中国人民政府の抑圧が大きな問題を提起しているが、一昨年来香港の自治も危うくなってきた。特に昨年香港において国家安全維持法が施行されて以来、香港において保障された1国2制度が有名無実化され香港の自治が危機に瀕している。

 その最中に香港の旧宗主国だったイギリスが、香港からの移民を受け入れる特別ビザの申請受付を始めるという。そもそも問題の発端は、中国が香港返還の際イギリスに返還後50年間は1国2制度を遵守するとの約束を一方的に反故にしたことにある。イギリスはその時点で中国政府に約束違反であると強く抗議すべきだった。それをあまり強い態度にも出ず、この期に及んでイギリスは香港に居住していると自由が脅かされると感じる香港人の支援に乗り出したのだ。

 しかし、イギリスがこれまで世界の植民地で行った植民地政策、とりわけ分割統治は、決してその国の人びとと宥和するようなものではなく、逆に痛めつける非道なものだった。それが今では中国に対して理不尽だと叫んでいるが、かつての大英帝国時代に犯した自らの罪にてらしてみると好い。自らの残像とも言えるものである。

 このほど上梓した拙著「八十冒険爺の言いたい放題」にも過去のイギリスの罪について触れている。アデンにおける植民地政策とロヒンギャ族発生の原因である。特に後者はイギリスが強制的にロヒンギャ族を現バングラデッシュ領からミヤンマー領内へ移住させたことが遠因である。その点についてイギリスは、これまでまったく責任を取ろうとしていない。その他にも私自身がイギリス政府から受けた無責任な所業を書いた。私が受けた無責任な所業とは、植民地アデン(現イエメン)のビザを東京の駐日イギリス大使館で発給してもらったが、その僅か1週間後にアデンは独立した。そのため私はそのビザではアデンへ入国出来なかった。大使館は当然独立について承知していた筈で、無効となると分かっていながら私にビザを発給した。結局役に立たないビザの代金を支払わされた。国家ぐるみの詐欺とも言える。

 イギリスは、自ら蒔いた種を刈り取る気持ちがないばかりか、相手国民が大迷惑を蒙っても無視するのはイギリス流儀のやり方である。果たして、香港の人びとがイギリスに当面居住を許されたところでどこまで心底から彼らを支援してくれるだろうか。

 それにつけてもそれ以上に非民主的なのは、中国である。イギリスが香港市民を受け入れるとの行為に対して、中国政府は厚顔にも「主権侵害」と反発を強めているが、香港市民の自由と自治の権利を侵しているのは、間違いなく中国政府ではないか。中国政府はきれいごとで一見辻褄が合っているようなことを叫ぶが、よくよく注意してみると自らが他国の自治を侵害しているのだ。

 こういう民主とか、自治の自由について、取り敢えず現状では侵害されない我々日本人は香港市民に比べて幸せというべきだろうか。

2021年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com